【2026年】ゼロパーティデータの集め方|本人が自ら渡す情報

【2026年】ゼロパーティデータの集め方|本人が自ら渡す情報

「せっかくアンケートを取っても、営業が見ないので、そのうち誰も入力しなくなりました」「フォームの項目を増やすと件数が落ちる。減らすと誰が来たのか分からない。どちらを取ればいいのか、社内で決められません」——BtoBのマーケ担当から、この半年でよく出てくる詰まりです。別々の困りごとに見えますが、出どころは同じところにあります。手元に集まる情報を、ひとまとめの「データ」として扱っているからです。相手の動きを見てこちらが推し量った情報と、相手が自分の意思で渡してくれた情報は、性質がまったく違います。この後者だけを指す呼び名が、ゼロパーティデータです。調査会社のフォレスターが2018年に示した区分だと、千趣会の法人向け解説は説明しています。この記事では、推し量った情報との違い、聞いてよい項目の段、聞く場所ごとに変わる深さ、答えに混じるずれの扱い、聞いた後の返し方、置き場所と聞き直す引き金、そしてAIに任せてよい範囲までを、順に並べます。


カメ先生カメ先生

集めたデータと一口に言うけれど、出どころによって性質がまるで違う、とよく言われるね。ただ、違いの肝は正確さそのものではなくて、外れたときの外れ方のほうにあるんだ。


カメ子カメ子

推し量った情報と、本人が書いた情報では、間違い方が違うということですか。


カメ先生カメ先生

そうなる。推し量ったほうは、どこがどれだけずれているのかが外から見えない。本人が書いたほうは、嘘や勘違いが混じっていても、いつ誰が何と答えたかが記録として残る。だから後から確かめて直せる。


カメ子カメ子

正しいかどうかではなく、後から確かめられるかどうかで分ける、ということでしょうか。


この記事のポイント
  • ゼロパーティデータは本人が意図して渡した情報。行動から推し量った情報とは、精度ではなく外れ方の見え方が違う
  • 聞ける深さは聞く場所で決まる。最初のフォーム・催しの申込欄・催しの後の回答用紙・資料の途中・商談の後で、踏み込んでよい段が変わる
  • 申告は時間とともにずれる。置き場所と聞き直す引き金を先に決めないと、2年目から使えない情報だけが積み上がる

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目次

ゼロパーティデータとは「本人が意図して渡した情報」

最初に中身をそろえます。ゼロパーティデータとは、顧客が意図的・積極的に企業へ共有したデータを指します。東芝テックのデータソリューション解説は、受け取りたい連絡の設定や回答用紙への記入をその例に挙げています。共通しているのは、相手が「渡そう」と思って手を動かしている点です。こちらが後ろから観察して集めたものは、どれだけ精密でもここには入りません。

呼び名の出どころははっきりしています。千趣会の法人向け解説によれば、調査会社のフォレスターが2018年に提唱した区分です。もともとは自社が直接集めた情報をまとめてファーストパーティデータと呼んでいましたが、その中に性質の違うものが混ざっていたため、本人の申告だけを切り出して名前を付け直した、という順番になります。新しい技術が出てきたわけではなく、棚の仕切りが1つ増えただけです。

BtoBで実際に手元にあるものを当てはめると、輪郭が見えます。催しの申込欄に書かれた「解決したいこと」、回答用紙に書かれた検討の段階、受け取りたい連絡の頻度、関心のある話題の選択。これらは本人が選んで渡したものです。一方で、どのページを何秒見たか、資料のどこで読むのをやめたか、催しに申し込んだのに来なかったか。こちらは観測した行動で、本人は渡したつもりがありません。同じ相手の情報でも、別の棚に置くべきものです。

推し量った情報と申告された情報は、外れ方が違う

よく「本人の申告のほうが正確だ」と説明されますが、この言い方は半分しか合っていません。申告にも嘘や勘違いは混じります。違うのは精度の高さではなく、外れたときに、外れたと気づけるかどうかです。

推し量った値は、静かに外れます。会社の規模や業種を外部の情報から推定した場合、その値がどこからどう導かれたのかは受け取る側からは見えません。だから間違っていても、間違っていること自体に誰も気づきません。気づいたときには、その値を前提に組んだ振り分けが半年動いた後です。推し量った値は、外れた事実が記録に残らないという点が、いちばん厄介なところです。

申告された値は、外れ方が表に出ます。いつ、誰が、どの設問に、何と答えたかが1件ずつ残るからです。半年後に商談で話を聞いて食い違いが見つかれば、どちらが新しいかを日付で比べられます。直せる形で間違っているか、直せない形で間違っているか。この差が、2種類を別の棚に置く理由です。なお、推し量った属性の精度そのものをどう見るかは広告運用側の論点なので、ここでは深入りしません。

4つの出どころを1枚に並べて、使う場面を決める

区分は4つあります。東芝テックの解説の整理に沿って、本人の申告・自社で観測した行動・提携先から受け取った情報・外部から買う情報の順に並べると、選び分けの線が引けます。大事なのは優劣ではなく、1つの判断に対して、どの出どころを当てにしてよいかです。

出どころそこから分かること外れ方集めるときの負担
本人が自分で渡した情報困りごと・検討の段階・役割・受け取りたい頻度嘘や勘違いは混じるが、いつ誰が答えたかが残るので後から直せる聞く場所と、答えに報いる仕組みを用意する手間がかかる
自社で観測した行動見たページ・開いた資料・催しへの出欠動きは正しく取れるが、その理由までは分からない計測の設定と、それを保つ手間が要る
提携先や共催相手から受け取った情報相手の名簿にある属性と、そこでの接点相手側の入力の決まりが分からず、そろっていない取り決めと引き渡しの手続きが要る
外部から買う・借りる情報会社の規模や業種などの推し量った区分推定値なので、どこがどれだけずれているか外から見えない費用はかかるが、自社側の手間は小さい

表を作る目的は、埋めることではありません。いま社内で使っている判断を、この4行のどれに寄りかかっているかで仕分けることです。たとえば「営業に渡すかどうか」を外から買った会社規模だけで決めているなら、それは4行目に寄りかかっています。4行目は外れても気づけない行なので、そこに重い判断を載せているという事実が見えます。

寄りかかり先を1段上げる、という言い方が実務には近いと思います。会社規模を外部の推定から取っているなら、催しの申込欄で規模の帯を1問だけ本人に選んでもらう。それだけで、その判断の根拠が4行目から1行目に移ります。全部を移す必要はありません。外れると取り返しがつかない判断から順に、1つずつ移します。

なぜ2026年のいま、この区分が持ち出されるのか

背景は、外部の記録が当てにならなくなったことです。ただし経緯はよく誤解されています。他社のサイトをまたいで人を追いかける記録について、グーグルは2024年7月に一律廃止の方針を取り下げて利用者が選ぶ形に変え、2025年4月には選択画面の導入も見送って現行方式を続けると正式に発表した、とウェブトゥルーの2026年版のまとめは整理しています。さらに2025年10月には、代わりに用意されていた仕組みの主要部分も事実上終わりました。

ここだけ読むと「廃止は撤回されたのだから、慌てなくてよい」と受け取れます。ところが同じまとめによれば、アップル社のブラウザは2020年3月以降、既定で外部の追跡記録を全面的に遮断しており、モジラ財団のブラウザも2019年から追跡防止を既定で有効にしています。2026年3月時点の利用割合はグーグルが約58%、アップル社が約22%。撤回されたのは1社の予定であって、追いかけられない人がすでに相当いるという事実は変わっていません

  • 同意の取り方や、同意の状態に応じて計測をどう切り替えるかは、それだけで別の論点になるためここでは扱わない
  • ここで確認しているのは「外部の記録に寄りかかった推定が、今後さらに薄くなる」という前提だけ
  • 自社サイト内の計測(自社で観測した行動)は、この話とは別枠で残る

だから本人に聞く、という結論になります。ただし「聞けば済む」という話でもありません。聞く行為には、答えてもらう手間を相手に負わせるという代償があります。東芝テックの解説も、集める側にコストが発生する点と、協力的な顧客に答えが偏る点を注意として挙げています。次の章から、この代償を小さくする側の話に移ります。

この呼び名を知らなくても回っている会社が、取りこぼしているもの

ゼロパーティデータという言葉を一度も使わずに、成果を出している会社はいくらでもあります。この記事は用語を覚えてもらうために書いていません。呼び名を持たないまま回している会社が、構造的に落としているものが4つあるので、そこだけを見てください。

  • 聞けば分かることを、推し量って埋めている(検討の時期を開封回数から推定する、役割を部署名から推定する)
  • 聞いたのに使っていない(回答用紙の自由記述が営業に渡らず、催しの担当者の手元で止まる)
  • 同じことを別の場所で何度も聞いている(申込欄と回答用紙と商談で、同じ困りごとを3回聞く)
  • 答えてくれた人に何も返していない(次から答えてもらえなくなり、回答率が静かに落ちる)

4つに共通しているのは、本人が渡してくれた情報を別の棚に分けていないことです。分けていないと、聞いた情報は観測した行動と同じ山に積まれ、同じ重みで扱われます。そうなると「これは本人が言ったことだから優先する」という判断ができません。逆に言えば、棚を分けるだけで4つのうち3つは自然に解けます。

落ちている量は、思っているより大きく出ます。催しの申込欄で「解決したいこと」を1問聞いていれば、年に12回催しをやる会社には1年で数百件の生の言葉がたまっているはずです。それが使われていないなら、すでに払ったコストの回収だけが残っている状態です。新しく集める前に、まず去年の分を見に行くほうが早いことがよくあります。

本人に聞いてよい項目には、5つの段がある

聞く項目は思いつきで増やさず、段で考えます。スタートリンクが2026年7月に更新したBtoB向けの解説は、受け取り設定の画面で選ばせる例として、受け取る頻度・関心のある話題・希望する連絡手段・業種と役職の自己申告を挙げています。これを実務の順に並べ直すと、役割・困りごと・検討の段階・時期・決め方の5段になります。

役割は、相手が社内でどの立場から見ているかです。肩書きではなく、使う人なのか、選ぶ人なのか、承認する人なのかを聞きます。困りごとは、いま解決したいことを本人の言葉で1つ。検討の段階は、情報を集めているのか、候補を絞っているのか、社内で通す準備をしているのか。時期は、いつまでに決めたいかの見通しです。決め方は、社内で誰の承認が要るかという手順を指します。

この5段は深くなるほど、相手との距離が近くないと答えてもらえません。役割は初対面でも答えられますが、決め方は商談を1回してからでないと出てきません。だから「どれを聞くか」より先に「どこで聞くか」を決める必要があります。なお、どこで自社を知ったかという流入の経路を本人に聞く話は、それだけで別の論点になるためこの記事では扱いません。

そこで聞くと、手が止まる項目

聞いた瞬間に入力をやめられる項目があります。よく挙がるのは予算・人数・現在使っている製品の名前・決裁者の氏名の4つです。いずれも、答えた瞬間に自分の手札が1枚減るという受け取られ方をする情報だからです。予算を書けば、その額に合わせた提案が来ると身構えます。使っている製品名を書けば、乗り換えの営業が来ると身構えます。

聞き方を変えても、この4つは初対面では通りません。幅で聞いても、任意にしても、そこで手が止まる人は止まります。ここで大事なのは、これらを永久に聞かないという話ではないことです。商談で顔が見えた後なら、同じ4つがふつうに答えてもらえます。場所を間違えているだけです。

なお、フォームの項目を何個にするか、どこまで減らすとリードの質が落ちるかという増減の判断は、この記事では扱いません。ここで見ているのは個数ではなく、その場所で聞くと相手が身構える項目はどれかという中身の側だけです。個数の話と中身の話を混ぜると、「減らしたのに質も落ちた」という結果になります。

聞く場所は5つ。場所ごとに、聞いてよい深さが違う

ここがこの記事の中心です。スタートリンクの解説は集め方として回答用紙・受け取り設定の画面・診断や試算の道具・段階を分けた聞き取り・催しの申込欄の5種を挙げていますが、実務で効くのは種類の多さではなく、場所ごとに相手が今どの段にいるかが違うという点です。同じ設問でも、置く場所を1つずらすだけで回答率が変わります。

聞く場所相手の状態聞いてよい深さここでは聞かないこと
最初の問い合わせフォームまだ社名以上のことは出したくない段役割と、いま困っていることを1つだけ検討の時期・予算・社内の決め方
催しの申込欄そのテーマに関心があると自分で認めた段そのテーマで解決したいことと、参加の目的他社の検討状況・いま使っている道具の名前
催しの後の回答用紙こちらの話を聞いた直後で、言葉がそろっている段検討の段階と、社内で次に相談する相手の役割個人の評価や、社内の力関係に関わること
資料や診断の途中自分の状況に当てはめながら読み進めている段会社の規模の帯と、いま取り組んでいる範囲本人以外の第三者を特定できる内容
商談の後こちらと話し、名前と顔が一致した段決め方の順番と、時期の見通しの幅他社から出ている見積りの金額

表の右端の列が、実は本体です。どこで聞くかを決めることは、どこでは聞かないかを決めることと同じです。最初のフォームで検討の時期を聞くのをやめると、その項目は空欄のまま残ります。それでよい、と先に決めておかないと、現場は「空欄だから埋めよう」と別の場所で聞き足し、相手は同じことを何度も聞かれます。

並べる順にも意味があります。催しの後の回答用紙がいちばん深いところまで聞けるのは、直前にこちらが時間を使って話をしているからです。返した後にしか、深いことは聞けません。逆に、何も返していない段で深い設問を置くと、回答率だけでなくその後の連絡の開封率まで落ちます。なお、何回に分けて聞くかという回数の段取りは、それだけで別の論点になるためこの記事では扱いません。

同じことを二度聞かない。食い違ったら、どちらを採るか

場所を5つに分けると、必ず重複が出ます。申込欄で聞いた困りごとと、回答用紙で聞いた困りごとが別の言葉で書かれている、という状態です。ここでどちらか一方を消してはいけません。消すと、いつ考えが変わったのかが追えなくなります。

実務の扱いは単純です。1つの項目に対して、答えを上書きするのではなく、答えた日付とともに追記していきます。表示するときだけ、いちばん新しいものを見せます。古い答えを残しておくと、相手の検討が進んだ順番が読めます。最初は「情報収集」と答えていた人が3か月後に「候補を絞っている」と答えたなら、その3か月に何を送ったかを振り返れます。

本人の申告と、こちらの観測が食い違うこともあります。回答用紙では「まだ情報収集の段」と答えた人が、価格のページを繰り返し見ている場合などです。このときはどちらかを正解にせず、両方を別の欄に残します。申告は本人の認識、観測は本人の行動です。食い違っていること自体が、次の一手を決める材料になります。どちらを採るかの判断は、次に何をするかを決める人が、そのつど見て決めます。

申告に混じる嘘と勘違いを、どう受け止めるか

本人が書いたからといって、そのまま使える保証はありません。BtoBで繰り返し出てくるずれ方は3つあります。1つ目は役割が実際より上に書かれること。2つ目は検討の時期が前倒しに答えられること。3つ目は、選択肢に自分の状況が無いとき、近いものを選んでしまうことです。いずれも悪意ではなく、設問の側に原因があります。

受け止め方も3つです。役割は肩書きで聞かず、この件で何をする立場かという動作で聞きます。時期は1点で聞かず、幅で選ばせます。選択肢には必ず「分からない」「まだ決まっていない」を置きます。この3つ目を省くと、回答は埋まるのに中身が信用できない状態になり、いちばん困ります。

もう1つ、答える人そのものが偏ります。東芝テックの解説も、協力的な顧客に答えが寄る点を注意として挙げています。回答用紙を返してくれる人は、もともとこちらに好意的な層です。回答の集計を「市場の声」として扱わないことが必要です。集計は、答えてくれた人の中での傾向としてだけ読みます。なお、偏りを生まない設問文の作り方そのものは別の論点なので、ここでは触れません。

聞いた情報は、使ったことが見える形で返す

聞きっぱなしにすると、次から答えてもらえません。これは感情の問題ではなく、相手にとって答える理由が消えるという単純な話です。スタートリンクの解説も、所要時間を明示すること、設問を5問から10問に絞ること、そして結果の要約を回答者に返すことを回答率を保つこつとして挙げています。

返し方は3種類あります。1つ目は、その場で返すもの。診断や試算の道具なら、答えた直後に結果が出ます。2つ目は、次の連絡の中身を変えるもの。関心のある話題を選んでもらったなら、次のメールはその話題だけにします。3つ目は、集計を返すもの。催しの回答用紙に書かれた困りごとを匿名で集計し、次の催しの冒頭で「前回いちばん多かったのはこれでした」と示します。

3つとも用意する必要はありません。最初に決めるのは1つだけでよく、決めたら必ず実行するほうが効きます。返すと決めたのに返さない期間が続くと、返していない状態より悪くなります。返す担当と、返す締め切りを、聞き始める前に決めておきます。設問を作るときではなく、設問を置くと決めたときに決めるのが順番として正しいところです。

集めた申告をどこに置き、取ったときの説明を超えて使わない

置き場所で最初に決めるのは、観測した値と同じ欄に上書きしないことです。会社の規模を外部の推定から入れている欄に、本人が選んだ規模の帯を上書きすると、その値がどちらから来たのか分からなくなります。欄を分けるか、少なくとも出どころと入力日を一緒に残します。これを怠ると、半年後に「この数字はどこから来たのか」を誰も答えられなくなります。

もう1つは、本人に紐づく情報と会社に紐づく情報を分けることです。困りごとや役割は本人のもので、その人が異動すれば意味を失います。会社の規模や業種は会社のもので、担当が代わっても残ります。この2つを同じ行に混ぜると、担当交代のたびに全部を捨てるか、全部を残すかの二択になり、どちらを選んでも精度が落ちます。

使う範囲にも線が要ります。個人情報保護法は、集めるときに利用目的を本人に分かる形で示すことを求めています。「社内の改善に使います」と書いて集めた回答を、外部の道具に入れて別の用途に回すのは危ない、という線です。聞く場所を増やすときは、そこに書いてある説明文が実際の使い方と合っているかを、1か所ずつ読み直します。文面を使い回していると、ここがずれたまま増えていきます。

申告には賞味期限がある。いつ古くなったと見るか

本人が書いた情報も、時間が経てば外れます。しかも外れる速さが項目ごとに違うので、まとめて期限を切ると使い勝手が悪くなります。実務の感覚で並べると、いちばん早く古くなるのが検討の段階、次が時期、その次が困りごと、いちばん長く保つのが会社の規模や業種です。

  • 検討の段階:数週間で変わる。前の催しから2か月空いたら、もう当てにしない
  • 検討の時期:四半期をまたいだら聞き直す。社内の予定が動く単位がそこだから
  • 困りごと:半年は保つことが多い。ただし担当が代わったら白紙に戻す
  • 役割と決め方:異動と組織変更で変わる。年度が替わったら確認の機会を1回作る
  • 会社の規模と業種:数年単位。ただし合併や分社があれば即座に無効

聞き直す引き金は、期間ではなく出来事で決めるほうが回ります。催しに申し込んだとき、商談を設定するとき、半年以上こちらから接点を持てていない相手に連絡するとき。この3つの場面で1問だけ聞き直す形にすれば、定期的な棚卸しの作業を別に立てなくて済みます。棚卸しを行事にすると、忙しい期に飛びます。

なお、名簿が1年でどれだけ古くなるかという割合の数値は、今回の調査では日本の公開統計をたどれませんでした。だからここでは割合を書かず、古くなる順番だけを示しています。社内で使うなら、自社の商談記録から「申告と実際が食い違った件数」を数えるほうが確かです。他社の平均値を持ってくるより、手元の数十件を数えるほうが早く終わります。

AIに任せてよい範囲と、人が決める範囲

AIの使いどころは、聞く前と聞いた後の両側にあります。聞く前なら、設問の候補出しと、選択肢の言い回しの案出し。過去の商談記録や問い合わせの文面を読ませて、よく出てくる困りごとの言葉を並べさせる使い方です。自社の言葉ではなく相手の言葉で選択肢を作れるので、「どれにも当てはまらない」が減ります。

聞いた後なら、自由記述の仕分けの下ごしらえです。数百件の記述を似た内容でまとめ、それぞれに元の記述を何件か添えて出させます。ここで大事なのは、まとめた結果だけでなく、そう分けた根拠として元の記述を必ず出させることです。根拠が付いていない分類は、読む側が確かめようがないので、結局は誰も使いません。

AIに判断させない範囲は、先に3か所に絞って決めておきます。どの項目を聞くかの決定申告と観測が食い違ったときにどちらを採るかの判断本人に返す内容の最終確認。この3つは社内の事情と相手との関係が判断材料になるので、AIには材料がありません。人が確認する範囲をこの3つに先に決めておくと、それ以外は下書きのまま進められます。範囲を決めずに使い始めると、全部を確認することになり、結局は使わなくなります。

最初の30日で何をするか

新しく設問を作るところから始めると、たいてい社内の合意で止まります。順番を逆にして、すでに聞いてあるものの棚卸しから始めるほうが早く進みます。去年の催しの回答用紙と、フォームの項目と、商談記録。この3か所を見るだけで、何が余っていて何が足りないかが出ます。

STEP1
いま聞いている項目を、場所ごとに全部書き出す

フォーム・催しの申込欄・回答用紙・商談記録の4か所を並べ、聞いている項目を1枚に写します。重複がここで一目で見えます。

STEP2
誰が何に使っているかを、1項目ずつ数える

使っている人の名前が出てこない項目に印を付けます。印の付いた項目は、聞くのをやめる候補です。ここで消すのではなく、印だけ付けます。

STEP3
5つの場所に、聞いてよい段を割り振る

役割・困りごと・検討の段階・時期・決め方の5段を、5つの場所に配り直します。同じ段を2か所に置かないことだけを守ります。

STEP4
返し方を1つだけ決めて、担当と締め切りを書く

その場で返す・次の連絡を変える・集計を返すの3つから1つ選びます。選んだら、誰がいつまでにやるかを同じ紙に書きます。

STEP5
聞き直す引き金を3つ決める

催しの申込時・商談の設定時・半年空いた相手への連絡時。この3つで1問だけ聞き直す形にして、定期の棚卸しは立てません。

30日でここまで終われば十分です。設問を増やすのは、返し方が1つ動き始めてからにします。返していない状態で設問だけ増やすと、回答率が落ちた原因が設問なのか返し方なのか分からなくなります。動く順番を守るほうが、結果的に早く積み上がります。

まとめ

本人が自分の意思で渡してくれた情報を、観測した行動と同じ山に積んでいる限り、どちらも中途半端にしか使えません。分ける理由は、申告のほうが正確だからではなく、外れたときに外れたと気づける形で残るからです。聞く項目は役割・困りごと・検討の段階・時期・決め方の5段で考え、最初のフォーム・催しの申込欄・催しの後の回答用紙・資料の途中・商談の後という5つの場所に配り直します。答えに混じるずれは選択肢の作り方で受け止め、聞いた分は必ず1つの形で返します。置くときは出どころと日付を添え、聞き直す引き金を出来事で決めておきます。まずは去年の回答用紙を開いて、何を聞いていて何に使われていないかを数えるところから始めてください。新しく聞き始める前に、回収していない分がどれだけあるかが見えます。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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