転職した担当者を追うチャンピオン追跡とは?|AIで拾う兆しと線引き

「導入を社内で推してくれた先方の担当者が辞めたと聞いて、来年の更新が急に心配になった」「前の顧客の担当者から、転職先でもあの製品を使いたいと連絡が来た」。法人向けの営業やカスタマーサクセスの現場では、どちらもよく耳にする話です。片方は不安で、片方は思いがけない好機ですが、起きていることは同じ一人の転職です。海外の営業支援ツールの提供元は、顧客の担当者の転職を知らせる機能を相次いで出しており、国内でも法人向けの名刺管理サービスに、名刺交換した相手の異動を自動で集めて知らせる機能があります。ただ、これは人を追いかける技術の話ではありません。本当は、自社との関係が二つの会社にまたがる瞬間を、どう手当てするかの話です。この記事では、チャンピオン追跡の考え方と、兆しの拾い方、そして個人情報と連絡の線引きを整理します。
カメ先生チャンピオンというのは、導入した会社の中で自社の製品を推してくれた担当者のことだよ。その人が転職すると、元の会社では推進役がいなくなり、転職先では製品を知っている人が新しく入る。一人の転職が、二つの会社で別々の出来事を起こすんだ。
カメ子転職先の会社に、すぐ営業をかけたくなりますね。
カメ先生そこで線を引く必要がある。個人情報の利用目的、名簿としての貯め方、連絡の仕方、前の会社の内部の話。AIに任せるのは退職の知らせの仕分けや、転職先の会社の下調べ、最初の連絡文の下書きまで。連絡するかどうかと何を書くかは人が決めるし、AIに本人を探させる使い方はしないよ。
カメ子兆しを拾う仕組みと、踏み込まない線を一緒に決めておくということですね。
- チャンピオンの転職は、元の顧客では推進役の不在、転職先では新しい商談の入口という2面を持つ
- 兆しはメールの不達・退職の自動返信・名刺管理サービスの異動情報・本人が公開する職歴の更新から拾う
- 利用目的の範囲、名簿としての扱い、1対1の連絡、前の会社の内部情報を聞かないことを先に決める
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チャンピオン追跡とは何か
チャンピオン追跡は、自社の製品を導入した会社の中で、製品を推してくれた担当者が別の会社へ移ったことを知り、元の会社と移った先の会社の両方で手当てをする営業の考え方です。チャンピオンは、社内で導入を提案し、使い方を広め、更新のときに価値を説明してくれる人を指します。製品をよく知り、自社の担当者とも信頼関係があることが特徴です。
この人が転職すると、二つのことが同時に起きます。元の会社では、製品の価値を社内で説明できる人がいなくなります。移った先の会社では、製品の良さを体験として知っている人が、新しい立場で働き始めます。一人の転職が、守る話と広げる話を同時に生むところに、この考え方の要点があります。
日本の営業の現場でも、担当者の異動や転職に合わせて挨拶に行く、転職先の会社を紹介してもらう、といったことは昔から行われてきました。チャンピオン追跡は、それを担当者の記憶や偶然に頼らず、兆しを拾う手順と連絡の決まりとして組み立て直したものと考えると分かりやすいでしょう。
組み立て直す理由は、担当者の記憶に頼ると、担当者自身の異動や退職で関係が途切れるからです。誰が誰を推してくれたのかを顧客管理のツールに記録しておけば、担当が替わっても手当ては続けられます。記録するのは、導入や更新のときに社内で動いてくれた人の名前と役割程度で十分です。
海外の営業ではどう呼ばれ、どう扱われているか
英語圏の法人営業では、この動きは「チャンピオン追跡」と呼ばれ、より広い「転職の追跡」の一部として扱われています。転職の追跡は、顧客や見込み客の担当者が会社を移ったことを知らせる仕組み全般を指し、その中でも自社の製品を推してくれた人に絞ったものがチャンピオン追跡です。信頼関係がすでにある相手に限る点が、ほかの転職の追跡と違います。
営業支援ツールの提供元の解説では、転職の知らせが届いたら、中身を確かめ、数日のうちに人が連絡し、結果を記録するという流れを一つの業務として決めておくことが勧められています。知らせの出どころとしては、本人が公開している職歴サービスのプロフィールと、顧客管理のツールに登録された連絡先を突き合わせる方法が紹介されています。移った先での立場によって、意思決定に関わる人には情報の提供から、使う側の人には社内の意思決定者への紹介のお願いから、と入り方を変える考え方も示されています。
こうした解説には、転職した担当者経由の商談は成約しやすいといった数字も添えられていますが、多くは提供元の自社調べです。自社で取り組むときは、海外の数字をそのまま目標にしないほうが安全です。国内では職歴サービスの利用の広がり方も、転職の頻度も、名刺交換の慣習も違うので、自社の顧客の中でどれだけ当てはまるかを小さく試してから判断します。
シナリオ1 元の顧客の側で起きること
まず、チャンピオンが抜けた元の顧客の側です。推進役がいなくなると、製品の使われ方が少しずつ変わります。社内の新しい利用者に使い方を教える人がいなくなり、困ったときに自社へ相談してくれる窓口も消えます。更新の時期が来ても、製品の価値を社内で説明してくれる人がいないまま、費用の見直しの対象に挙がることがあります。
ここで起きやすいのは、自社がチャンピオンの退職に気づかないまま、更新の直前を迎えることです。担当者宛てのメールが届かなくなっていても、日々の連絡が少ない顧客では誰も気づきません。気づいたときには、社内で別の製品への切り替えがすでに話し合われていた、ということも起こりえます。
この記事では、解約の兆し全般の見つけ方には立ち入りません。チャンピオン追跡で元の顧客の側に求められるのは、推進役が抜けたことを早く知り、次の推進役を探し始めることです。手当ての中身は後の節で扱います。
早く知るための一番簡単な工夫は、更新の時期から逆算することです。更新の数か月前に、その顧客で製品を推してくれた人が今も在籍し、同じ立場にいるかを確かめる作業を、更新の準備の最初に入れておきます。在籍の確認を更新の手順に組み込んでおけば、推進役の不在に直前で気づく事態を避けられます。確かめ方は、日頃の連絡の中で近況を聞く程度で十分です。
シナリオ2 転職先の会社で起きること
次に、チャンピオンが移った先の会社です。本人は前の職場で製品を使い、その価値を知っています。移った先で同じような課題に出会えば、前の製品を思い出すかもしれません。これが、転職先が新しい商談の入口になる理由です。自社のことを一から説明する必要がなく、信頼関係を作る手間がすでに済んでいる状態から話が始められます。
ただし、本人の新しい立場はまだ固まっていません。入社したばかりの人が、すぐに前の職場の製品を持ち込むとは限りません。新しい会社にはすでに別の製品が入っているかもしれず、予算を決める権限がない立場かもしれません。前の職場の製品を強く推すと、新しい職場で「前の会社のやり方を押しつける人」と見られる心配もあります。
このため、転職先への働きかけは、本人の都合と立場を最優先にします。自社から見れば好機でも、本人にとっては新しい職場に慣れる大事な時期です。売り込みの相手ではなく、関係の続く知人として接するという構えが、結果として長い付き合いにつながります。
移った先の会社が、すでに自社の顧客であることもあります。その場合は、転職した本人に新しく連絡する前に、その会社を担当している自社の営業やカスタマーサクセスに知らせます。同じ会社に自社から別々の担当者が連絡すると、相手の社内で混乱が起きるからです。本人との関係は前の担当者、会社との関係は今の担当者、と役割を分け、連絡の順番を二人で決めてから動きます。
兆しの拾い方1 メールの不達と退職の自動返信
転職の兆しとして最も身近なのは、メールです。担当者宛てのメールが届かずに戻ってくる、あるいは「退職いたしました。今後は〇〇までご連絡ください」という自動返信が返ってくる。こうした戻りは、定期的な案内メールを送っている会社なら、毎回いくつか届いているはずです。問題は、それが誰にも読まれず、配信の仕組みの中で自動的に処理されていることです。
自動返信の文面には、退職なのか、異動なのか、長期の休みなのかが書かれています。後任の名前や連絡先が添えられていることもあります。顧客の担当者、とくに導入を推してくれた人からの戻りは、配信の担当だけでなく、その顧客の担当者にも知らせる決まりを作っておくと、気づくのが早くなります。
戻りの量が多い会社では、ここがAIの使いどころになります。自動返信と不達の文面をまとめて渡し、退職・異動・休み・その他に仕分けさせ、判断の根拠になった一文を抜き出させます。仕分けの結果は候補にすぎないので、顧客の担当者が文面を読んで確かめます。後任への引き継ぎや名簿の直し方は別の記事で扱っているので、ここではチャンピオンからの戻りを見落とさないことに絞っておきます。
兆しの拾い方2 名刺管理サービスの異動情報と役員人事の発表
二つ目の出どころは、名刺管理サービスの異動情報です。国内の法人向け名刺管理サービスには、名刺交換した相手の異動や所属する会社のニュースを自動で集めて知らせる機能があります。公式の説明では、報道機関から提供された情報をもとに人事異動の情報を配信しているとされ、4月と10月には異動や昇進による所属や役職の変更が多く見られるとも案内されています。
もう一つは、会社が自ら発表する役員人事です。上場企業の役員の就任や退任は、会社のお知らせや報道で公表されます。チャンピオンが役員や部門の責任者であれば、こうした公表された人事の発表が、最も確かな兆しになります。自社の顧客の会社のお知らせを定期的に見る担当を決めておくだけでも、見落としは減ります。
どちらの情報も、そのまま営業の名簿に流し込んでよいとは限りません。名刺管理サービスの情報は、名刺交換という関係に基づいて届くものです。公表された人事も、公表されているからといって、自由に使えるわけではありません。この点は後の線引きの節で詳しく扱います。
もう一つ、異動情報には社内の異動や昇進も含まれる点に注意します。部署が変わっただけなら、本人は元の顧客の中にいて、推進役を続けてくれるかもしれません。社外への転職と社内の異動を取り違えると、まだ在籍している人に転職のお祝いを送るような失敗が起きます。兆しを拾ったら、会社の名前が変わったのか、部署や役職だけが変わったのかを最初に見分けます。
兆しの拾い方3 本人が公開している職歴の更新
三つ目は、本人がビジネス向けの交流サービスに公開している職歴の更新です。転職した人の多くは、新しい会社の名前と役職をプロフィールに書き加えます。自社の担当者がその人とサービス上でつながっていれば、更新の知らせが届くこともあります。本人が自分で公開した情報なので、兆しとしては確かなほうです。
気をつけたいのは、この情報の集め方です。海外の解説には、顧客の担当者のプロフィールを一覧にし、ツールで定期的に抜き出して新しい勤め先と突き合わせる方法も紹介されています。しかし、サービスの利用規約では自動的な情報の収集が制限されていることが多く、使う前に規約を確かめる必要があります。本人が公開していることと、機械で集めてよいことは別と考えておきます。
現実的なのは、自社の担当者が本人とつながっている範囲で、届いた更新に気づいたら記録する、というやり方です。本人との関係がある人が、関係の範囲で知ったことを使う形にしておけば、本人から見ても不自然ではありません。つながっていない相手の職歴を探しに行くことはしません。
線引き1 取得したときの利用目的の範囲か
ここからが、この記事で最も大切な線引きです。一つ目は、個人情報保護法の利用目的です。会社は個人情報を扱うとき、利用の目的をできる限り特定し、その範囲で使うことが求められます。取得したときに、利用目的を本人に知らせるか公表しておく必要もあります。チャンピオンの名前や連絡先は、多くの場合、契約や導入の支援、サポートのために取得したものです。
その情報を、転職先での新しい商談のために使うことは、取得したときの目的の範囲に入るでしょうか。個人情報保護委員会のQ&Aは、利用目的の変更について、変更前の目的と関連性のある範囲であれば認められるという考え方を示しています。自社のプライバシーポリシーに、商品やサービスの案内に使うことが書かれているかを確かめ、書かれていなければ、使う前に社内の法務や個人情報の担当に相談するのが順序です。
- 個人情報保護委員会のQ&Aでは、新聞やインターネットで既に公表されている情報も、他の個人情報と区別せず保護の対象とされている
- 取得の状況から利用目的が明らかな場合には、利用目的の通知や公表が要らない場面もあるとされるが、自社の判断で広げて読まない
- 個別の判断は、自社のプライバシーポリシーと法務の担当の確認を前提にする
この節の内容は法律の一般的な枠組みの説明にとどまり、個別の案件への当てはめではありません。とくに、名刺管理サービスや外部のツールから得た情報をどう扱うかは、サービスの規約と自社の方針の両方を確かめてから決める必要があります。
線引き2 公開情報でも名簿として貯めるときの扱い
二つ目は、公開されている情報を名簿として貯めるときの扱いです。役員人事の発表や、本人が公開した職歴は、誰でも見ることができます。しかし、先ほどのQ&Aにあるとおり、公表された情報も個人情報として保護の対象です。これを顧客管理のツールに登録し、検索できる形で貯めれば、会社が管理する個人のデータとして扱うことになります。
個人のデータとして貯めると、安全に管理する義務がかかり、外部に渡すときの決まりも関わってきます。「公開されていたから」は、貯め方や使い方の自由を意味しません。どの情報を、何のために、どこに、いつまで残すかを決め、目的のない情報は貯めないことが基本です。
実務では、チャンピオン追跡のために新しく集める項目を最小限にします。転職の事実と新しい会社の名前、連絡してよいかの判断に要る程度の情報までで、本人の私生活や、職歴サービスに書かれた細かな経歴まで写し取る必要はありません。貯める項目を決めたら、社内の個人情報の担当に一度見てもらい、決めた内容を記録しておきます。
残す期間も決めておきます。転職の兆しを拾ったものの、連絡しないと決めた人の情報を、いつまでも顧客管理のツールに置いておく理由はありません。連絡しないと決めた候補や、断りのあった人の転職先の情報は、決めた期間で消すようにします。ただし、断りがあったという事実だけは、同じ人に再び連絡しないための記録として残します。
線引き3 連絡は1対1に限り、一斉配信に入れない
三つ目は、連絡の仕方です。転職先の新しい連絡先が分かっても、その人を案内メールの一斉配信の名簿に入れることはしません。広告や宣伝のメールを送るには、原則として受け取る人の事前の同意が要るという決まりがあり、前の会社で得た同意が新しい会社の連絡先にそのまま引き継がれるとは考えにくいからです。
連絡は、本人との関係がある自社の担当者から、1対1で行います。前の職場で一緒に仕事をした相手に、転職のお祝いと近況を伝えるという、人と人との普通の連絡です。名乗りと、なぜ連絡したかを最初に書き、今後の連絡を望まなければそう伝えてほしいと添えておけば、本人は気兼ねなく断れます。
- 転職先の連絡先を一斉配信の名簿に入れる:本人の同意なしに宣伝のメールが届く
- 面識のない営業担当が突然連絡する:関係に基づかない連絡は、追跡されている印象を与える
- 入社した当日に売り込みのメールを送る:本人が新しい立場に慣れる前に負担をかける
- 断られても何度も連絡する:前の職場で築いた信頼まで失う
断りの返事が来たら、そのことを記録し、以後の連絡を止めます。この記録を残さないと、別の担当者が同じ人に連絡してしまうことがあります。連絡の記録は、本人との関係を持つ担当者だけでなく、営業とカスタマーサクセスの誰もが見られる場所に置きます。
線引き4 前の会社の内部情報を聞かない
四つ目は、前の会社の内部の話です。チャンピオンは前の会社の事情をよく知っています。自社から見れば、元の顧客の社内で何が起きているか、後任は誰か、更新の見通しはどうかを聞きたくなるところです。しかし、本人には前の会社での秘密を守る義務があることが多く、聞くこと自体が本人を困らせます。
転職先の会社との話でも同じです。本人が前の会社の料金の条件や、社内の使い方の細かな決まりを話そうとしたら、自社の側から話題を切り上げるのが礼儀です。前の会社の秘密を持ち込ませることは、本人と転職先の会社の両方を危うくし、元の顧客との信頼も損ないます。
元の顧客の後任を知りたいなら、元の顧客に直接たずねます。転職した本人に聞くのは、本人が自ら「後任は〇〇さんです」と教えてくれた場合だけにします。本人を元の顧客の情報源にしないことを、営業とカスタマーサクセスの両方の決まりに書いておきます。
転職先への最初の連絡の進め方
線引きを決めたうえで、転職先への最初の連絡を組み立てます。急がず、関係のある人から、本人の都合に合わせて進めるのが基本です。
自動返信や異動情報、職歴の更新から拾った候補を、その顧客の担当者が確かめます。同姓同名の取り違えや、異動を転職と読み違えていないかを見ます。
取得したときの利用目的の範囲か、本人との関係が続いているか、過去に連絡を断られていないかを確かめ、連絡するかを人が決めます。
入社の直後は避け、本人が新しい職場に慣れた頃を見計らいます。公表された人事なら就任の挨拶が一段落した頃が目安です。
お祝いと近況を伝え、売り込みは書きません。困りごとがあれば相談に乗れることを一文だけ添えます。
本人が関心を示せば面談を提案し、関心がなければ記録して待ちます。断りがあれば連絡を止めます。
最初の連絡文は、AIに下書きをさせてもかまいません。前の職場での付き合いの要点と、転職先の会社について公表されている事業の概要を渡し、お祝いと近況が中心の短い文を頼みます。ただし、下書きは必ず関係のある担当者が自分の言葉に直して送るようにします。定型の文面は、本人にはすぐに分かります。
元の顧客の側の手当て
転職先への連絡と同じくらい大切なのが、元の顧客の側の手当てです。チャンピオンが抜けたと分かったら、まず元の顧客の中で製品がどう使われているかを確かめます。利用者の数や使われている機能に変化がないか、困りごとの相談が止まっていないかを見ます。
次に、新しい推進役になってくれそうな人を探します。後任の担当者がそのまま推進役になるとは限りません。製品をよく使っている利用者や、導入のときに一緒に動いてくれた別の部署の人が、実際には推進役に向いていることもあります。推進役を一人に頼っていたこと自体を見直す機会として、複数の人と関係を作り直します。
元の顧客への連絡では、チャンピオンの転職先の話をしないようにします。「〇〇さんは今どちらに」と聞かれても、本人が公にしていない限り、自社から伝えることはしません。元の顧客と転職先の両方と関係を持つことになるので、それぞれの会社の話を、もう一方に持ち込まないことを担当者の間で徹底します。
手当ての結果は、顧客ごとの一覧に残します。見るのは、その顧客で製品を推してくれる人が今何人いるかという一点です。推進役が一人しかいない顧客を一覧で見える形にしておけば、次にその人が抜けたときに慌てずに済みます。推進役が二人以上いる状態を、元の顧客の側の手当てが終わった目安にします。
AIの使いどころと、任せない所
チャンピオン追跡でAIを使うのは、三つの下ごしらえです。自動返信と不達の文面から退職や異動の候補を拾うこと、転職先の会社について公表されている事業や最近のお知らせを下調べすること、最初の連絡文の下書きを作ることです。どれも、人が判断する前の材料をそろえる作業です。
次のメールの戻りを1件ずつ分類してください。
分類:退職/異動/長期の休み/不達(理由不明)/その他
各行に、分類・判断の根拠にした文面の一文・後任や新しい連絡先の記載の有無を書いてください。
根拠となる一文がないものは「判断保留」とし、推測で分類しないでください。
この頼み方のように、AIには必ず根拠となる一文を書かせ、根拠のないものは保留にさせます。そのうえで、任せない所をはっきり決めておきます。
| 作業 | AIに任せる | 人が決める |
|---|---|---|
| 兆しを拾う | 自動返信・不達の文面を仕分け、根拠の一文を抜き出す | 本当に転職か、同じ人かを確かめる |
| 転職先の下調べ | 公表された事業の概要やお知らせをまとめる | 連絡するかどうか、いつ連絡するか |
| 最初の連絡文 | お祝いと近況が中心の短い下書き | 何を書くか、自分の言葉に直して送る |
| 本人の特定・追跡 | 任せない | 関係のある担当者が、関係の範囲で知ったことだけを使う |
表の最後の行が、最も大切な線です。AIに本人の名前を渡して、どこに移ったかを探させるような使い方はしません。AIに判断させない所を先に決め、人が確認する範囲を先に決めておくことが、本人からも元の顧客からも信頼される追跡の条件です。
よくある質問
チャンピオン追跡は、専用のツールがないとできませんか?
ツールがなくても始められます。メールの戻りを顧客の担当者に知らせる決まりを作り、名刺管理サービスの異動情報と顧客の会社のお知らせを見る担当を決めるだけで、見落としは大きく減ります。ツールは、追う人数が増えて手作業では追いつかなくなってから検討しても遅くありません。導入するなら、情報の集め方がサービスの規約と自社の方針に合っているかを先に確かめます。
転職先の会社にすぐ連絡しないのはなぜですか?
本人が新しい職場に慣れる時期に、前の職場の取引先から売り込みが来ると負担になるからです。入社の直後は、本人も新しい会社の事情を知りません。少し時間を置いてお祝いと近況を伝えるほうが、本人にとっても自然で、結果として話が進みやすくなります。
本人が公開している職歴なら、自由に使ってよいのではありませんか?
公開されている情報も、個人情報保護法の保護の対象です。どの目的で使うか、名簿として貯めるかによって扱いが変わります。本人との関係がある担当者が、関係の範囲で知ったことを使うのにとどめ、機械で集めて名簿にすることは避けます。個別の判断は、自社の法務や個人情報の担当に相談してください。
元の顧客の後任を、転職した本人に聞いてもよいですか?
自社から聞くのは避けます。本人には前の会社の秘密を守る義務があることが多く、聞くこと自体が負担になります。後任は元の顧客に直接たずね、本人が自ら教えてくれた場合だけ参考にします。
まとめ
チャンピオン追跡は、自社の製品を推してくれた担当者の転職を知り、元の顧客と転職先の会社の両方で手当てをする考え方です。元の顧客では推進役が抜けたことを早く知って次の推進役を探し、転職先では関係の続く知人として、本人の都合に合わせて連絡します。兆しは、メールの不達と退職の自動返信、名刺管理サービスの異動情報、公表された役員人事、本人が公開した職歴の更新から拾います。そのうえで、取得したときの利用目的の範囲か、公開情報を名簿として貯めるときの扱い、1対1の連絡に限ること、前の会社の内部情報を聞かないこと、の四つの線を先に決めます。AIに任せるのは退職の知らせの仕分け、転職先の会社の下調べ、最初の連絡文の下書きまでで、連絡するかどうかと何を書くかは人が決めます。まずは、今月のメールの戻りの中に、導入を推してくれた人からの自動返信がないかを確かめるところから始めてみてください。
※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
リード獲得・育成の打ち手として、ウェビナーの集客と運営でお困りですか?
企画・集客・運営までデボノが伴走支援。外部リスト頼みにしない「自社の集客力」を育てます。
