【2026年】資料請求後に動かない人へ|追う相手を選び直す

【2026年】資料請求後に動かない人へ|追う相手を選び直す

「資料は毎月何百件も取ってもらえているのに、そこから商談になるのは片手で数えられる件数です」「ダウンロードの直後に電話をしても、まだ何も決まっていませんと言われて切られます」——資料を配って見込み客を集めている部門から、繰り返し届く声です。ここから導かれる結論は、たいてい、取っただけの人は見込みがない、というものになります。ところがこの読み方は、順番を1つ取り違えています。動かないのは見込みがないからではなく、取った時点ではまだ社内で検討が始まっていないからです。この記事では、動かない人を4つの型に分け、行動のどこを見れば型が読めるのかを決めたうえで、型ごとの次の一手、追う相手を選び直す3つの基準、そしてAIに順位を付けさせるときに渡す材料と渡してはいけない思い込みまでを順に整理します。


カメ先生カメ先生

資料をダウンロードした人は関心がある人だ、と思われがちなんだ。でも実際に取られているのは、関心を示すためのものというより、あとで読むために手元へ置いておく材料であることが多い。


カメ子カメ子

関心があって取るのと、あとで読むために取るのとでは、何が変わってくるのでしょうか。


カメ先生カメ先生

次に動きだすまでの時間が変わるね。前者はその週のうちに動くこともあるけれど、後者は半年動かないこともある。同じ動かないという見え方でも、中身は別物だということだ。


カメ子カメ子

動かない人をひとまとめにして同じ追い方をすると、どちらにも当たらなくなるということですか。


この記事のポイント
  • 資料のダウンロードは増えているのに、商談になる割合は5%未満が約7割(2026年4月実施・BtoBマーケター501名の調査)
  • 動かない理由は4つの型に分かれる。型が違えば、次に渡す材料も、間を置く長さも変わる
  • 追う相手を選び直す基準は3つまでにする。増やすほど現場では使われず、結局は届いた順に戻る

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目次

「動かない」を見込みのなさと読むのは早い

まず数字から置きます。ホワイトペーパーを月に5本以上公開しているBtoBマーケター501名への調査(2026年4月16日・17日実施)では、2年前と比べたダウンロード数がやや増加した46.3%、大きく増加した17.0%で、あわせて6割強が増えたと答えています。その一方で、そこから商談になった割合は3%から5%未満が42.5%、1%から3%未満が29.1%で、5%に届かない会社が約7割を占めていました。取ってもらえる件数だけが伸びている、という形です。

この2つを並べて読むと、増えたのは件数であって、取るという行為そのものの重みはむしろ軽くなっている、と見えてきます。以前なら資料請求は検討が始まった合図として扱えましたが、いまは検討の前段にある材料の確保にすぎないことが増えました。合図だと思って同じ追い方を続けるかぎり、当たる確率だけが下がり続けます。

ここから出てくる結論は、追うか捨てるかではありません。いつ、どの順番で手をかけるかという配分の問題として置き直すことです。同じ501名の調査で、効果があった施策の上位に「アプローチのタイミングの最適化」が43.0%で入っているのも、件数を増やす側ではなく当て方を変える側に答えがある、という同じ向きの結果だと読めます。

取った時点では、まだ検討が始まっていない

では、資料はいつ取られているのか。BtoBの製品やサービスの情報収集・比較検討に関わる300人に聞いた購買行動調査(2026年8月5日実施)では、資料をダウンロードする最も多いタイミングが「基本情報をまとめて確認したいとき」で21.7%でした。比較でもなく、社内への説明でもなく、まず全体像をつかむために取られているということです。

同じ調査では、回答者のうち生成AIやAI検索を使って情報を集めている人が258人、割合にして86.0%にのぼっています。それでも資料のダウンロードは「増えた」が「減った」を上回り、資料の種類ごとに25.6%から27.9%が増えたと答えました。下調べがAIで済むようになっても資料は取られ続けているという結果で、取る行為が検討の深さを示さなくなっていることの裏づけにもなります。

実務に落とすと、こうなります。資料を取った人のうち、社内で課題が立っていて予算の見当も付いている人は一部です。残りは、課題が立つ前に材料だけ先に確保しています。課題が立つのは、こちらの都合ではなく相手の社内の事情で決まります。だから、取った直後に反応がないことを結論として扱わず、まだ始まっていないだけかもしれない、という可能性を必ず1つ残しておきます。

動かない理由は4つの型に分かれる

動かない相手を、外から見える情報だけで4つに分けます。社内で回っている最中、比較の途中、情報収集だけ、担当が違うの4つです。4つとも「反応がない」という同じ見え方をしますが、こちらが次に渡すべきものはまったく違います。まとめて同じ文面を送っている会社が多いのは、この分岐を作っていないからです。

休眠した相手の原因分類としては、予算・担当者の異動・競合への乗り換え・失念の4つを挙げる整理が広く使われています。ただしこれは、一度は商談した相手が止まった場合の分け方です。資料を取っただけの段では商談も見積もりも存在しないので、同じ4分類をそのまま当てはめると、ほとんどが失念の箱に入ってしまいます。取得直後には取得直後の分け方が要ります。

4つの型は、本人に聞けば一発で分かります。けれど電話に出てもらえる相手は限られるので、実際には行動から推すことになります。次の表は、型ごとに外から見える兆候と、こちらの手の出し方を並べたものです。型が読めない相手は5つ目の箱に置き、読めるようになるまで定期の配信だけを届けます。無理に4つのどれかへ押し込まないことが、この分け方を長持ちさせます。

動かない理由の型外から見える兆候こちらの次の一手間を置く長さの目安
社内で回っている最中同じ会社の別の人が数日内に別の資料を取る、価格の記載があるページを見返す社内で説明するための材料を1つ渡す(費用の内訳、導入の段取り、他部門への影響)2週間から1か月
比較の途中比較の観点をまとめた資料や選び方の資料を取る、同時期に接点が2回以上ある自社が向かない場合を先に書いた資料を渡す1か月
情報収集だけ入門や用語の解説だけを1本取って以降は動かない、会社の規模が自社の対象から外れている個別の連絡はせず、定期の配信に移す3か月以上
担当が違う決める権限のない部署や職種、同じ会社から別部署の人が以前に取っている取った人が上に渡せる形の資料を渡す。取った人を飛ばして上に当てない1か月から3か月
型が読めない接点が1回きりで、見たページも資料の種類も手がかりにならない定期の配信だけを届け、行動が出たときに型を割り当て直す行動が出るまで置く

型を見分ける手がかりは4つに絞る

型を推すための材料は4つで足ります。何を取ったか、何回来たか、どのページを見たか、会社の規模と部署はどこか。このうち最初の3つは相手の行動、最後の1つは属性です。材料を増やすほど精度が上がるように思えますが、実際には見る項目が増えるほど現場で見られなくなり、結局は届いた順に戻ります。

4つを別々に見ないところが要点です。入門の資料を1本だけ、訪問は1回きり、規模は自社の対象より小さい、という3つが重なれば情報収集だけの可能性が高くなります。価格の記載があるページと導入の進め方の資料、訪問は3回、部署は情報システム、と重なれば社内で回っている最中と読めます。1つの手がかりで型を決めず、3つ重なったときだけ型を割り当てます

逆に、手がかりにならないものも先に決めておきます。役職名だけ、会社の知名度、メールを開いた回数。とくに開封は、受信側の仕組みが自動で開くことがあるため、動いた証拠として扱えません。使わない材料を決めておくと、現場が見る項目が自然に4つに収まります。

  • 役職名だけでは決めない(決裁者本人が最初に取ることは多くない)
  • 会社の知名度で上位に置かない(規模が大きいほど社内の合意に時間がかかる)
  • メールの開封回数を動いた証拠にしない(受信側の仕組みが自動で開く場合がある)
  • こちらから電話した回数を手がかりに混ぜない(相手の動きではなく自社の行動量になる)

「何を取ったか」で検討の段が読める

4つの手がかりのうち、最も読み取れる情報が多いのが、どの資料を取ったかです。自社の資料を3つの段に割り当て直しておくと、取得の記録がそのまま段の記録になります。入門や用語の解説は調べている段、比較の観点や選び方は候補を絞る段、価格の内訳や導入の進め方や他社の成果は社内に説明する段、という3つです。

この割り当てには裏づけがあります。先ほどの購買行動調査では、問い合わせの前に確認する項目として、機能やサービスの内容が48.3%、料金や費用感が47.0%、導入後の成果や効果が44.0%、関連する業界や同じ規模の企業での実績が35.7%という結果が出ています。後ろの2つを取りに来ている相手は、自分が知りたいというより、社内の誰かに説明する必要が出ている段だと読めます。

実際にやると、どの段にも割り当てられない資料が必ず出てきます。網羅的な会社紹介、抽象的な業界動向のまとめなどです。こうした資料は取得の記録から段を読めないので、手がかりとしては使わないと決めて、割り当ての表から外します。外した資料を作り直すかどうかは別の話で、まず段の読み取りを濁らせないことを優先します。

取ってから動くまでの時間は3つに割れる

ここがこの記事の骨です。資料を取ってから次に動くまでの時間は、平均で語れません。数日以内に動く人、数か月後に動く人、最初から動かない人の3つに割れていて、3つを混ぜて平均を出すと、どの打ち手も中途半端になります。実務では、平均日数ではなく3つの山の大きさを知っておくほうが役に立ちます。

数か月後の幅を短く見積もっている会社は多くあります。インサイドセールスの支援会社が公開している解説では、BtoBの休眠の目安を最終接点から半年から1年程度反応がない状態とし、検討期間の長い商材ではさらに長く取ると説明しています。3か月動かなければ脈がない、という社内の合意は、この目安に照らすと早すぎます。

自社の分布は、過去の受注案件をさかのぼれば測れます。手順は4段で、1回作れば半年は使えます。見るのは平均ではなく分布です。山が2つに割れていれば、数日以内の相手と数か月後の相手で打ち手を分ける根拠がそろいます。

STEP1
過去1年の受注案件を並べる

件数が少なければ2年にさかのぼる。20件を下回ると分布として読めないので、受注に至らなかった商談も含めて数を確保する。

STEP2
最初の接点の日付を引く

その会社が最初に資料を取った日、または最初に問い合わせた日を引く。同じ会社で複数の人が取っている場合は、最も古い日付をその会社の起点にする。

STEP3
商談が立った日までの日数を出す

受注日ではなく、こちらの営業が相手と最初に話した日にする。受注日まで取ると、商談の長さが混ざって分布が読めなくなる。

STEP4
30日ごとに束ねて数える

平均値を出さず、30日以内が何件、31日から90日が何件、というように束ねて並べる。山が2つに割れていれば、この記事の3分割がそのまま自社にも当てはまる。

速さが効くのは3つのうち1つだけ

初回の対応を速くすると商談が増える、という話はよく知られています。BtoBマーケティングの専門媒体が2026年に紹介した製造業A社の事例では、24時間以内に詳しい連絡ができた案件の商談化率が60%、3日以上かかった案件では15%でした。同社の改善前の初回対応は平均3日から5日で、これを24時間以内に縮めています。

商談化率が50%を超えるBtoB企業の担当者118名への調査(2025年8月実施)でも、初回接触までの時間は当日中が25.4%、1日から2日以内が25.4%で、あわせて約半数が2日以内に当てていました。速さそのものは効きます。ただしその速さが効くのは、3つの山のうち数日以内に動く人に対してだけです。

ここを分けずに全件へ同じ速さを適用すると、量が増えて、本当に急いでいる相手への初動がかえって遅れます。同じ118名の調査では、営業のリソースが足りないと感じている割合が50.0%でした。速さは無限にある資源ではないので、配る先を決めます。数か月後に動く人へ当日中に電話をかけても、相手の社内ではまだ何も始まっていません。

追う相手を選び直す基準を3つに決める

ここからが対策です。最初に立てるのは、誰を切るかではなく、今月どの順で手をかけるかという並べ替えの基準です。基準は3つまでにします。1つ目は検討の段が後ろの資料を取っているか、2つ目は接点が2回以上あるか、3つ目は自社が価値を出せる規模と業種か。3つのうち2つに当たれば上位に置きます。

3つに絞る理由は、材料の偏りを防ぐためです。先ほどの118名の調査では、リードの優先順位付けを実施している企業が66.1%あり、その判断材料は企業や属性の情報が62.8%、行動の情報が28.2%でした。属性に寄せすぎると規模の大きい会社ばかりが上位に並び、いま実際に動いている相手が下に沈みます。だから3つのうち2つを行動の側に置きます。

基準そのものを見直すのは四半期に1度で足ります。ただし、上位に置いたのに動かなかった件は毎月数えます。この数が3か月続けて増えているときだけ、基準を触ります。毎月基準を書き換えると、前月との比較ができなくなり、効いているかどうかを判断する材料がなくなります。

3つの基準見る材料上位に置く条件外したときに出る兆候
検討の段が後ろか取った資料の種類(3段への割り当て)価格の内訳、導入の進め方、他社の成果のいずれかを取っている上位の相手が「まだ情報収集の段階です」と返してくる件数が増える
接点が2回以上あるか取得の回数と訪問の回数(同じ会社の別の人も数える)30日以内に2回以上の接点がある上位に入る件数が月ごとに大きく振れ、当番の手が空いたり足りなかったりする
自社が価値を出せる相手か会社の規模と業種(取引実績のある帯と照らす)自社の導入実績がある規模帯と業種に入っている商談は立つが、提案の途中で費用が合わずに止まる件数が増える

型ごとの次の一手を先に決めておく

基準で並べ替えたら、上位から順に手を打ちます。このとき、相手ごとに何を送るかを考えると、担当の手が止まります。次の一手は人ごとではなく、型ごとに1つだけ用意しておきます。4つの型に対して4つ、それに定期の配信を足した5つを回せば、日々の判断は型を選ぶだけで済みます。

型ごとの中身は、表に書いたとおりです。社内で回っている最中の相手には、その人が社内で使える材料を渡します。比較の途中の相手には、自社が向かない場合を先に書いた資料を渡します。情報収集だけの相手には個別の連絡をせず配信に移します。担当が違う相手には、上に渡せる形の1枚を渡します。

  1. 社内で回っている最中:費用の内訳、導入までの段取り、他部門への影響のうち1つだけを渡す。3つ全部を一度に送らない
  2. 比較の途中:自社が向かない条件を先に書いた資料を渡す。他社名は出さず、条件の書き方で伝える
  3. 情報収集だけ:個別の連絡を止めて定期の配信に移す。移したことを記録に残し、次の行動が出たら型を割り当て直す
  4. 担当が違う:決める人に渡せる1枚を送る。取った本人を飛ばして上役へ直接連絡しない
  5. 型が読めない:定期の配信のみ。型が読めるようになるまで、こちらからの個別の接触はしない

4番目の「取った本人を飛ばさない」は、失敗の影響が大きいので明文化しておきます。取った人の上役へ直接連絡すると、取った本人が社内で立場を失い、その会社への入口が閉じます。入口を1つ失うと、同じ会社に次の機会が来たときにも使えません

すぐ動く人に最初の返信で渡すもの

数日以内に動く相手には、速さと中身の両方が要ります。先ほどの購買行動調査で、問い合わせの前に確認する項目の上位は機能やサービスの内容48.3%と料金や費用感47.0%でした。最初の返信に、この2つの答えを文章で入れます。資料を添えるだけでは、相手はもう一度読む時間を取らなければなりません。

逆に、最初の返信に入れないものも決めておきます。会社紹介、長い導入事例、面談の打診だけの文面。急いでいる相手は、この3つを読む時間を持っていません。最初の返信は、相手が社内でそのまま転送できる長さに収めます

  • 聞かれていない機能まで並べず、取った資料に対応する機能だけを3行で書く
  • 料金は範囲でよいので必ず書く。書けない場合は、何が決まれば出せるかを書く
  • 次に進む方法を1つだけ示す(面談の候補日か、追加の資料か、どちらか一方)
  • 相手が社内へ転送することを前提に、本文だけで意味が通る形にする

時間の置き方も先に決めます。24時間以内という目安をそのまま運用に落とすなら、夜間と休日に届いたものをどう扱うかまで決めておかないと、月曜の朝に金曜夜の分が3日遅れで残ります。翌営業日の午前中までに一次返信、という形に統一しておくと、担当ごとのばらつきが消えます。

数か月後に動く人との間隔と中身

2つ目の山、数か月後に動く相手には、速さではなく続け方が効きます。間隔は月1回を基本にします。週1回は多すぎて止められ、四半期に1度では次に会ったときに覚えられていません。月1回を土台に、相手側に動きがあったときだけ、その間に1本差し込みます。

暦ではなく相手の動きを合図にすることには、調査の裏づけがあります。BtoBのリード育成に関わる300人への調査(2026年8月5日実施)では、商談化しやすくなったと答えた層の60.0%が、問い合わせ以外の検討度の高まりが見られる行動をきっかけにした接触を実施していました。届く日が固定されているより、動いた直後に届くほうが当たる、という結果です。

中身は、毎回売らないことが続けるこつです。1回目は考え方や整理の仕方、2回目は他社がどう進めたか、3回目にようやく自社の話をする、という並べ方にします。3回目までに相手が動かなければ、その相手はまだ2つ目の山にいるということなので、間隔を戻して待ちます

止めた相手をどう残しておくか

3つ目の山、最初から動かない相手については、個別の接触を止めます。止めることと消すことは別です。止めた日、止めた理由、そのとき取っていた資料、再開の合図の4つを記録に残したうえで、配信の対象としては残します。

再開の合図は、止めるときに一緒に決めておきます。同じ会社の別の人が資料を取った、価格の記載があるページを見返した、こちらの配信から2回続けて反応があった、といった具体の出来事にします。合図を決めずに止めると、その相手は誰の視界にも入らなくなり、実質的に消したのと同じになります。

止めた相手をまとめて扱う手段の反応は、あらかじめ水準を知っておくと期待を誤りません。先ほどの休眠顧客の解説では、メール配信の返信率が3%から10%、電話でのアポイント獲得率が1%から3%、紙の郵送物の反応率が1%から2%という目安が示されています。数字の桁を知っていれば、反応が薄いことを失敗と読まずに済みます

AIに順位を付けさせるときに渡す材料

件数が増えると、並べ替えを人手でやりきれなくなります。ここでAIを使いますが、使い方には向き不向きがあります。先ほどのリード育成の調査では、AIの使い道として挙がったのは関心テーマや検討度の整理が全体で37.0%(商談化しやすくなった層は44.1%)、行動履歴や属性情報の分析が32.3%、営業への引き継ぎ情報の整理が全体で32.3%(同じく上位層は40.0%)でした。上位に並ぶのはいずれも整理であって、判断ではありません

渡す材料は、人が見るときと同じ4つに、直近の記録を足した形にします。取った資料の名前と日付、接点の回数、見たページ、会社の規模と業種、前回こちらが送った内容とその反応。材料をこれ以上増やすと、なぜその順位になったのかを人が追えなくなります。

出させる形も指定します。順位だけを出させず、その順位にした材料を1行で書かせます。たとえば「価格の記載があるページを2回見ており、30日以内の接点が3回あるため上位」という具合です。材料を書けない順位は採用しません。人がやるのは、書かれた材料が記録と合っているかを確かめることだけになります。

AIに渡してはいけない思い込み

順位付けを任せるときに、渡してはいけない材料があります。1つ目は、過去に受注した会社の業種だけを正解として与えることです。これをやると同じ形の会社しか上位に来なくなり、新しい業種で芽が出ていても見えません。かたよりを確かめる手順そのものは別の記事の領域ですが、材料を作る段でこれだけは避けます

2つ目は担当者の主観の評価、3つ目は会社の知名度です。電話に出た相手の口調の印象や、名前を知っている会社かどうかは、記録としては残っていても検討の進み具合とは関係がありません。記録に残っているものを全部渡すのではなく、渡す材料を先に決めます

そのうえで、人が確認する範囲を先に決めます。上位に来た件は全部人が見る、下位に落ちた件も月に20件だけ抜き取って見る、そしてAIに連絡しないという判断をさせない。AIの出力は並べ替えとして使い、消し込みには使いません。順位が低いことと、追わないことは別の決定で、後者は人が引き受けます。

  • 渡してよい材料:取った資料の名前と日付、接点の回数、見たページ、会社の規模と業種、前回の接触内容と反応
  • 渡さない材料:受注済みの業種だけを正解にした一覧、担当者の主観による人物評、会社の知名度
  • 必ず書かせるもの:その順位にした材料を1行(記録と突き合わせられる形にする)
  • 人が決めること:連絡を止めるかどうか、止めた相手を配信からも外すかどうか

やりがちな失敗を先に潰しておく

最後に、現場でよく起きる失敗を並べます。どれも、前半で分けた型と時間の3分割を持っていないことから来ています。逆に言えば、型と時間を持っていれば自然に避けられるものばかりです。

  • 同じ文面を間隔だけ変えて3か月送り続け、開封率が下がったのを関心がない証拠と読んだ
  • 取った直後に電話をかけ、出なかったので不在とだけ記録し、次の手がかりを何も残さなかった
  • 資料を取った本人ではなく、社名で検索して出てきた役員へ直接連絡し、取った本人が社内で立場を失った
  • 半年動かなかった相手をまとめて名簿から消し、3か月後に同じ会社が競合と契約していた
  • 上位に置いて当たった件だけを見て基準を作り、上位に置いたのに動かなかった件の記録を一度も見返していない

1つ目が最も多く、しかも最も直しやすい失敗です。同じ文面を送り続けると、相手の受信側では2通目以降が重要でないものとして扱われていきます。間隔を変えるのではなく、3回で中身の段を変えるという設計に置き換えるだけで、送る本数を増やさずに当たる確率が上がります。

5つ目は、基準そのものを壊していく失敗です。当たった件だけを見ると、基準は毎回もっともらしく見えます。外した件を数えていないと、基準が実は効いていないことに気づけません。上位に置いたのに動かなかった件を毎月数えるのは、そのためです。

よくある質問

資料を取った直後に電話をかけてもよいですか

3つの基準で上位に入った相手であれば、かけます。入っていない相手には、電話ではなく最初の返信だけを送ります。製造業A社の事例で24時間以内の商談化率が60%だったのは、もともと問い合わせという形で意思表示があった相手です。資料を取っただけの相手に同じ速さを当てても、同じ結果にはなりません

何回連絡して反応がなければ止めてよいですか

回数ではなく、3回で中身の段を変えたかどうかで判断します。考え方、他社の進め方、自社の話、と段を変えて3回送って動きがなければ、個別の接触を止めて配信に移します。同じ中身を5回送ったことは、3回分にも数えません。

個人名のアドレスで取った人はどう扱えばよいですか

会社名の欄が埋まっているかどうかで分けます。埋まっていれば、規模と業種の基準だけを当てて、上位でなければ配信に移します。埋まっていない相手は型が読めないので、5つ目の箱に置きます。アドレスの形だけで最初から除外はしません。個人の連絡先で取ってから、後で会社の連絡先に切り替える人がいるためです。

部署が違う人が取った場合はどうしますか

担当が違う型として扱い、その人が社内で渡せる形の資料を送ります。同じ会社から別部署の人が過去に取っていないかを必ず確認します。同じ会社に2つの入口ができている場合、後から取った人のほうが実務の担当であることが多くあります

動かない人の数が多すぎて手が回りません

上位の件数を先に決めてから並べ替えます。当番が1日に当てられる件数を数え、その20営業日ぶんを今月の上限にします。上限を超えた分は配信に移します。全件に手をかける前提で組むと、上位の相手への初動が遅れます。118名の調査で営業のリソース不足を感じる割合が50.0%だったのは、上限を決めていないことの裏返しでもあります。

まとめ

資料を取った人が動かないのは、多くの場合、見込みがないからではなく社内で検討がまだ始まっていないからです。動かない理由を社内で回っている最中・比較の途中・情報収集だけ・担当が違うの4つに分け、取った資料・接点の回数・見たページ・規模と部署の4つの手がかりが3つ重なったときだけ型を割り当てます。そのうえで、取ってから動くまでの時間を数日以内・数か月後・最初から動かないの3つに割り、速さを配るのは1つ目だけにします。追う相手を選ぶ基準は3つに絞り、上位に置いて外した件を毎月数えます。AIには並べ替えと材料の整理までを任せ、連絡を止める決定は人が引き受けてください。まずは過去1年の受注案件から、最初の接点までさかのぼる30日ごとの分布を1枚作るところから始めるのが確実です。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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