他社の画面を記事に載せてよいか|引用の要件を確かめる

他社の画面を記事に載せてよいか|引用の要件を確かめる

道具の使い方を説明する記事では、画面を見せるのが最も伝わります。しかし画面に表示されているものにも、作った側の権利があります。しかも、私的に手元へ保存する場合と、記事として公開する場合では扱いが変わります。公開は私的な利用に当たりません。ここでは、載せてよい場合とそうでない場合の線引きを整理します。


カメ先生カメ先生

道具の操作を説明する記事で、画面を載せたいそうだね。


カメ子カメ子

はい。文章だけでは伝わらないので。ただ、他社の画面なので迷っています。


カメ先生カメ先生

画面にも権利があるからね。引用として成り立つかどうかで判断が分かれるんだ。


カメ子カメ子

条件があるんですね。何を確かめればいいんでしょう。


この記事のポイント
  • 画面の記録も複製にあたる。公開する行為は私的な利用には含まれない
  • 引用として成り立つには必然性が必要。装飾のために貼るのは引用にならない
  • 権利の話の前に、そのサービスの利用規約を確かめる。制限が書かれていることがある

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目次

画面を載せたい場面

記事の中で画面を見せたい場面は、いくつかの型に分かれます。まず整理します。

最も多いのが、道具の操作を説明する場面です。どこを押すかを示す必要があります。

文章で「設定の中の連携の項目を開き」と書くより、画面のほうが速く伝わります

次に多いのが、検索の結果を見せる場面です。実際にどう表示されるかを示します。

ほかに、他社のサイトの作りを例として示す場面、投稿を紹介する場面があります。

どれも、画面を見せることに理由があります。装飾のために貼るわけではありません。

この「理由があるかどうか」が、後で見る判断の中心になります。

なぜ画面でなければならないのか

判断の出発点として、なぜ画面が必要なのかを自分で説明できるようにします。

説明できるなら、その掲載には必然性があります。説明できないなら、必要ではありません

操作の位置を示すため、実際の表示を確かめてもらうため、といった理由が該当します。

一方で、記事に画像が少ないから、見た目を整えたいから、という理由は該当しません。

この場合は、自分で作った図や、権利の心配のない素材に置き換えられます。

置き換えられるなら、置き換えるほうが安全です。判断の手間もかかりません。

画面にも権利がある

前提を確認します。画面に表示されているものには、作った側の権利があります。

画面を記録する行為は、複製にあたります。原則としては権利者の許可が必要です

手元に保存するだけなら、個人的な利用として認められる範囲があります。

しかし、記事として公開する行為は、この範囲には含まれません。

公開は、多数の人が見られる状態にすることです。個人的な利用の枠を超えます。

したがって、記事に載せる場合は別の根拠が必要になります。

その根拠として使われるのが、引用として認められる仕組みです。次章以降で見ます。

なお、この整理は一般的な考え方です。具体的な判断は事案ごとに変わります。

重要な判断が必要な場面では、社内の担当部門や外部の専門家に相談します。

手元に置くのと公開するのは違う

この違いは、実務で最も誤解されやすい部分です。改めて分けておきます。

調べるために画面を保存し、自分の資料としてまとめる。これは個人的な利用の範囲です。

しかし、その資料を記事として公開すると、範囲が変わります

社内で共有する場合も、範囲が広がります。個人的な利用とは言いにくくなります。

この線を意識していないと、調べた画面をそのまま記事に貼ることになります。

調べる段階と公開する段階は別だと分けておく。これが実務での出発点になります

場面1:自社の管理画面

場面ごとに見ていきます。最初は自社の道具の画面です。ここは最も判断が軽くなります。

自社で作った道具の画面なら、権利は自社にあります。掲載の判断は自由です

ただし、別の注意点があります。画面に写る情報の中身です。

顧客の名前、取引の金額、担当者の連絡先。これらが写り込むと別の問題になります。

権利の問題ではなく、預かっている情報の扱いの問題です。こちらのほうが重大です。

したがって、自社の画面でも確認は必要です。写っている情報を1つずつ見ます。

確認の手間を減らす方法もあります。次項で扱います。

見本の環境を用意しておく

画面を記事に使う機会が多いなら、見本の環境を用意しておくのが確実です。

実際の顧客の情報が入っていない環境を作り、そこで画面を撮ります。

架空の会社名と架空の数字だけが入った状態にします

この環境があれば、写り込みの確認が不要になります。毎回の手間が消えます。

見本の環境は、営業の説明や研修にも使えます。作る手間は1回で済みます。

実際の環境で撮る場合は、隠す処理が必要になります。見本を作るほうが早く済みます

場面2:他社の道具の操作画面

次に、他社の道具の操作画面です。ここが最も判断に迷う場面になります。

操作の説明のために画面を示すのは、必然性が説明できる使い方です。

ただし、必然性があれば自動的に認められるわけではありません

引用として成り立つ条件を満たす必要があります。条件は後の章でまとめます。

それとは別に、確かめるべきものがあります。その道具の利用規約です。

規約に、画面の掲載についての定めがある場合があります。禁止していることもあります。

禁止されている場合、権利の議論をする前に載せられません。ここが実務の入口です。

逆に、許可の条件が書かれている場合もあります。表記の方法などが定められています。

その条件に従えば載せられます。確かめる価値のある部分です。

加えて、道具の側が説明用の素材を配っている場合もあります。ここも見ます。

配られている素材を使えば、判断が一切要りません。最も安全な選択になります。

販売の支援を目的に、画面の画像や図を提供している会社は少なくありません。

代理店や提携先の向けの資料の中に含まれていることもあります。担当者に聞けば分かります。

問い合わせる手間は1回です。以降の記事すべてで使い回せます

場面3:検索の結果の画面

検索の結果を見せる場面も多くあります。ここは含まれるものが複雑になります。

検索の結果の画面には、複数の権利者のものが同時に写ります。

検索の仕組みを提供する側のもの、表示されている各サイトの題名や説明文です。

題名や説明文は、各サイトが書いたものです。それぞれに権利があり得ます。

したがって、検索の結果の画面は判断が複雑になります。単純ではありません。

実務としては、必要な部分だけを切り出す形が選ばれます。全体を貼らない形です。

あるいは、表示の内容を文字で書き起こす方法もあります。画像にしない選択です。

何位に何が出ていたかを説明したいだけなら、文字で足ることが多くあります。

検索の結果の代わりになる見せ方

検索の結果を見せたい理由を分解すると、代わりの手段が見つかります。

順位を示したいだけなら、表にして書き出せます。画像より読みやすくなります

表示の形を示したいなら、自分で作った図で構造を描く方法があります。

実際の見え方を確かめてほしいなら、読み手に自分で検索してもらう案内が使えます。

検索する語を記事に書いておけば、読み手が実物を見られます。

画像でなければならない場面は、思ったより少ないものです。ここを見直す価値があります。

場面4:他社のサイトの作り

他社のサイトを例として示す場面もあります。作りの良し悪しを論じる記事です。

この場合、論じる対象としてサイトを示すことになります。必然性は説明できます。

ただし、批評の対象として扱う場合は書き方に注意が必要です

悪い例として示す場合、相手の評価を下げることになります。事実に基づく必要があります。

推測や印象で悪い例と断じると、別の問題が生じます。慎重に扱う領域です。

実務としては、悪い例は自分で作った図で示す形が安全です。実在の企業を出しません。

良い例として紹介する場合は、相手にとっても利益があります。判断は軽くなります。

それでも、掲載の前に一言連絡を入れておくと関係が良くなります。

連絡は義務ではありませんが、後の取引につながることもあります

場面5:投稿の紹介

投稿を紹介する場面もあります。ここには専用の手段が用意されています。

多くの場では、投稿を別の場所に表示するための仕組みが提供されています。

この仕組みを使えば、画面を記録する必要がありません

元の投稿がそのまま表示され、削除されれば表示も消えます。

画像として記録すると、元が削除された後も残ります。ここが問題になり得ます。

したがって、投稿を紹介する場合は、提供されている仕組みを使うのが基本です。

使えない事情がある場合に限り、画像を検討します。順序が大事です。

表示の仕組みを使う利点

提供されている仕組みを使う利点は、権利の話だけではありません。

元の投稿へたどれるため、読み手が文脈を確かめられます。信頼につながります。

また、投稿した側にも流入が生まれます。関係が悪くなりません。

画像として貼ると、元をたどる手段が失われます。読み手は確かめられません。

さらに、投稿が訂正された場合、画像だと古い内容が残り続けます。

正確さの面でも、仕組みを使うほうが優れています。手間も小さくなります。

なお、仕組みを使う場合も配慮すべき点があります。個人の投稿を扱うときです。

企業の公式な発信と、個人の投稿では扱いが変わります

個人の投稿を批判の材料として紹介すると、その人に注目が集まります。

紹介の必要があるかを、改めて考えます。要点を文章で書けば足る場合が多くあります。

紹介するなら、公式な発信や、公開を前提とした発信を選ぶほうが安全です。

引用として成り立つ条件

引用として認められるには、いくつかの条件を満たす必要があります。整理します。

条件内容外すとどうなるか
必然性示す必要があると説明できる装飾のための掲載になる
主従の関係自分の記述が主で、引用は従他人のものが記事の中心になる
区別どこが引用か明確に分かる自分が作ったものと混ざる
出典の明示何から取ったかを示す由来がたどれない
改変しない内容を変えずに用いる元の意図と違うものになる

2つ目の主従の関係が、最も見落とされます

画面を並べて短い説明を添えるだけの記事は、引用が主になっています。

この状態は、引用として成り立ちにくくなります。自分の記述を厚くする必要があります。

3つ目の区別も重要です。枠を付ける、説明を添えるなどで、明確に分けます。

なお、これらの条件を満たしても、利用規約で禁止されていれば載せられません。

利用規約の確認が先

実務の順序として、権利の議論より先に利用規約を見ます。ここが効率的です。

規約に禁止が書かれていれば、そこで判断が終わります。議論の必要がありません

逆に、条件付きで許可されている場合、その条件に従えば載せられます。

確認の場所は、利用規約か、報道向けの案内の頁です。後者に書かれていることが多くあります。

見つからない場合は、問い合わせる方法もあります。回答が記録として残ります。

記録があると、後から社内で問われたときに説明できます。

確認にかかる時間は10分程度です。この10分を惜しむと、後の手戻りが大きくなります。

規約に書かれる典型的な文言

規約でよく見かける文言を挙げておきます。読み取りの目安になります。

「複製、転載、改変を禁じる」という形が最も一般的です。この場合は載せられません

「事前の書面による承諾を得た場合に限る」という形もあります。連絡が必要です。

「出典を明示する場合に限り認める」という形なら、条件に従えば載せられます。

「表示の改変を禁じる」という形もあります。加工が制限されます。

これらの文言を見つけたら、記録に残します。同じ道具を扱う次の記事でも使えます。

加工してよい範囲

画面を載せる際、加工が必要になることがあります。範囲を整理します。

最も多いのが、一部を隠す処理です。顧客の名前や数字を隠す必要があります。

この処理は、情報を守るために行うものです。必要な加工にあたります。

ただし、隠し方によっては元の内容が読み取れることがあります。確実に隠します。

薄く重ねるだけでは読み取れる場合があります。塗りつぶす形が確実です。

次に多いのが、必要な部分だけを切り出す処理です。全体を貼らない形です。

この処理も、必然性の説明に沿ったものです。示す必要のある部分だけを出します。

一方で、内容を変える加工は避けます。表示されていないものを足すなどの加工です。

元の意図と違うものになると、別の問題が生じます。

切り出す範囲の決め方

切り出す範囲は、説明したいことに合わせて決めます。広すぎても狭すぎても困ります。

狭すぎると、どこの画面か分からなくなります。読み手が場所を特定できません

広すぎると、関係のない部分が入ります。必然性の説明が弱くなります。

目安は、説明する対象と、その周辺が分かる範囲です。見出しを1つ含める程度です。

矢印や枠を重ねて、注目すべき箇所を示す方法も有効です。読み手が迷いません。

重ねる印は、元の表示を隠さない位置に置きます。内容が読める状態を保ちます。

出典の書き方

出典の示し方も決めておきます。形が揃っていると管理が楽になります。

書くのは、何のどこから取ったかです。提供元と、画面の場所を示します

加えて、取得した日付を入れておくと役に立ちます。画面は変わるためです。

日付があると、読み手は「この時点の表示だ」と理解できます。

記事を後から見直すときにも、日付が判断の材料になります。古ければ差し替えます。

出典は、画像の直下に置きます。離れた場所に置くと、対応が分からなくなります。

形を決めておけば、書き手が迷いません。書き方の見本を1つ用意します。

書く項目内容書かないとどうなるか
提供元サービスや会社の名前誰のものか分からない
画面の場所どの画面かを短く示す同じ画面を探せない
取得した日付撮った日を書くいつの表示か分からない
置く位置画像の直下に置くどの画像の出典か分からない

3つ目の日付が、後から最も役に立ちます。記事の見直しの判断材料になります。

画面は変わります。1年前の画面を最新として示していると、読み手を誤らせます。

日付があれば、古い記事を洗い出せます。差し替えの対象が機械的に決まります。

日付がないと、1枚ずつ実物と見比べる作業になります。記録が後の手間を減らします

やりがちな失敗

この領域で起きやすい失敗を挙げます。どれも判断の順序を誤ったものです。

  • 手元に保存するのと同じ感覚で公開する:公開は私的な利用に含まれない
  • 利用規約を見ずに権利の議論から始める:規約で禁止されていれば議論の必要がない
  • 画面を並べて短い説明を添える:引用が主になり、条件を満たさなくなる
  • 顧客の情報を薄く重ねて隠す:読み取れる場合がある。塗りつぶす
  • 投稿を画像で貼る:提供されている表示の仕組みを使うほうが確実で手間も小さい
  • 取得した日付を書かない:画面は変わる。いつの表示か分からなくなる

3つ目が最も多い失敗です。手順の記事で起きやすくなります。

画面を10枚並べて、それぞれに1行の説明を添える構成です。

この場合、各画面について説明を厚くするか、自分で作った図に置き換えます。

手順の記事での置き換え方

手順を説明する記事では、画面の枚数が増えます。ここの置き換え方を具体的にします。

最も効くのは、要点の画面だけを残す方法です。全工程の画面は必要ありません

迷いやすい箇所、押す場所が分かりにくい箇所だけを画面で示します。

残りの工程は文章で書きます。読み手は前後の画面から場所を推測できます。

もう1つの方法は、画面の構造を自分で描いた図に置き換えることです。

実物でなくても、位置関係が分かれば操作はできます。実物が必要な場面は限られます

この2つを組み合わせると、画面の枚数は半分以下に減ります。判断の量も減ります。

判断の手順

ここまでの整理を手順にします。上から順に当てれば判断できます。

STEP1
なぜ画面が必要かを1文で書く

説明できないなら、自分で作った図や権利の心配のない素材に置き換えます。ここで多くが解決します。

STEP2
利用規約と報道向けの案内を見る

禁止されているか、条件付きで許可されているかを確かめます。10分で終わります。

STEP3
写っている情報を1つずつ確かめる

顧客の名前、金額、連絡先が写っていないかを見ます。写っていれば塗りつぶします。

STEP4
自分の記述が主になっているかを見る

画面が並ぶだけの構成になっていないかを確かめます。説明を厚くします。

STEP5
出典と取得日を添える

提供元、画面の場所、取得した日付を画像の直下に書きます。形は社内で統一します。

1つ目の工程で多くが解決します。必要でないものは載せません。

必要な場合だけ、残りの工程に進みます。判断の量が減ります。

迷ったら差し替える

最後の原則を置きます。迷ったら差し替えることです。

自分で作った図に置き換えれば、判断の必要がなくなります。作る手間は数十分です

公開後に問題になった場合の手間は、これより大きくなります。

記事を修正し、経緯を説明し、社内で報告する。数日を要することもあります。

この差を考えると、迷った時点で差し替えるほうが合理的です。

差し替えられない場面、つまり実物でなければ意味がない場面だけ、判断を進めます。

社内の決めごと

最後に、社内で決めておく項目をまとめます。書き手が毎回判断しない形にします。

  • なぜ画面が必要かを説明できない場合は載せない
  • 他社の道具は、利用規約と報道向けの案内を先に見る
  • 自社の画面は見本の環境で撮る。実際の顧客の情報を写さない
  • 投稿は提供されている表示の仕組みを使う
  • 隠す処理は塗りつぶす。薄く重ねるだけにしない
  • 出典は提供元と画面の場所と取得日を画像の直下に書く
  • 確認した規約の内容は記録に残す。同じ道具を扱う次の記事でも使える
  • 重要な判断が必要な場面では、社内の担当部門や外部の専門家に相談する

この6項目があれば、書き手の判断が揃います。1枚にまとめて渡します

特に1つ目と2つ目は、判断の入口です。ここを飛ばさないよう繰り返し伝えます。

実務での目安

最後に、日々の判断で使える目安をまとめます。

  • 自社の画面は見本の環境で撮る。これで大半の記事は足りる
  • 他社の道具の画面は、規約を確かめたうえで必要な部分だけを切り出す
  • 検索の結果は、順位を表に書き出す形で足ることが多い
  • 悪い例として示す場合は、自分で作った図にする
  • 投稿は表示の仕組みを使う。画像は使えない事情がある場合に限る
  • 迷ったら差し替える。作る手間より後の手戻りのほうが大きい

1つ目が最も効きます。見本の環境を1度作れば、以降の判断が不要になります。

記事の中で使う画面の多くは、自社の道具の画面です。ここを解決すれば大半が済みます。

残りの場面については、規約の確認を習慣にすれば判断が付きます。

確認の記録がたまると、次回からは見るだけで済みます。記録が判断を速くします

まとめ

画面を記事に載せる判断は、順序で決まります。まず、なぜ画面が必要かを1文で説明できるかを確かめてください。説明できないなら、自分で作った図に置き換えます。説明できる場合は、次に利用規約と報道向けの案内を見ます。禁止されていれば、権利の議論をする必要はありません。そのうえで、自分の記述が主になっているか、写っている情報が問題ないかを確かめます。まずは自社の道具について、顧客の情報が入っていない見本の環境を用意するところから始めてみてください。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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