Miroの付箋はAIでまとめられる?|発散と収束を分ける進め方

「ワークショップで付箋は200枚出たのですが、まとめようとした途中で時間が来ました」「AIに束ねさせたら、きれいに分かれたのに何も決まりませんでした」——複数の拠点をつないで企画会議を回している担当者からは、この二つが続けて出てきます。足りていないのは、束ねる機能でも、会議の時間でもありません。効いてくるのは、貼り終えた面が、束ねられる状態になっているかどうかです。この記事では、複数人が同じ面に同時に貼ったときにだけ起きる4つのことから、収束の前に人がそろえる作業、AIに任せてよい工程と人が決める工程、束の名前が多い言い方に寄って少数の重い指摘が消える型、落とした案と理由の残し方、遠隔と同室が混ざる場での進め方までを順に整理します。
カメ先生複数人で同じ面に付箋を貼ったあと、AIでまとめられるかという問いが出ます。束ねる操作そのものはできます。ただ、まとまるかどうかは道具の側ではなく、貼り終えた面の状態で決まっています。
カメ子面の状態というのは、付箋の枚数のことですか。
カメ先生枚数よりも、同じことを言っている付箋が何通りの言い方で並んでいるかです。言い方が20通りに割れていれば、束もおよそ20個できます。束ねる前に、言い方をそろえる作業が要ります。
カメ子発散と収束を分けるというのは、その作業を挟むための時間差ということでしょうか。
- 束ねる操作は道具ができる。まとまるかどうかは、貼り終えた面で同じ意味の付箋が何通りの言い方に割れているかで決まる
- 分類・重複のまとめ・言い方の統一・出ていない観点の指摘はAIに任せてよい。人が決めるのは、どの案を残すか、なぜ落としたかを記録するか、決めの場をどこに置くかの3つ
- まとめた結果だけを残すと、数週間後に「なぜこれをやらないことにしたのか」を誰も説明できなくなる。落とした案と理由は面の外に別枠で残す
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「AIでまとめられるか」の答えは、貼り終えた面を見ないと出ない
共同で使う白板の道具には、選んだ範囲の付箋を束ねる機能が用意されています。提供元の公式な製品ページには、色・タグ・作成者・言葉・書かれ方の傾向のいずれかでそろえるか、自動で全体を束ねさせるかを選べると書かれています。選んだ付箋をまとめて、要約の付いた一つの文書に変えることもできるとされています。ですから操作の話としての答えは、できます。枚数が三桁になっていても、束ねる指示そのものは一度で通ります。
それでも会議のあとに残るのが、「束はできたが何も決まらなかった」という状態です。理由は、束ねる操作が付箋に書かれている言葉しか見ていないからです。同じことを言っている付箋が「情報が届いていない」「そもそも知られていない」「認知が足りない」という三通りの言い方で貼られていれば、言葉の近さで測るかぎり三つの別の束になります。束の数は、論点の数ではなく言い方の数に近づきます。40個の束が並んだ面を見て、参加者は論点が40個あると受け取ります。
だから答えは「貼り終えた面の状態で決まる」になります。見るところは三つです。同じ意味が何通りの言い方に割れているか。1枚の付箋に何個のことが書かれているか。他の人の付箋を読んでから貼ったのか、読む前に貼ったのか。ここが整っていない面をまとめさせても、読める束は出てきません。束ねる機能の出来を評価する前に、面のほうを一度数えてみてください。
同じ面に複数人が同時に貼ると、必ず起きる4つ
一人で付箋を並べるときには起きず、複数人が同じ面に同時に貼るときにだけ起きることが四つあります。公式な製品ページにも、複数の人が同時に、あるいは時間をずらして付箋を貼れると書かれています。この同時性が利点であるのと同じ理由で、収束のときの困りごとをつくります。四つを、面に現れる形と対で置きます。
| 同時に貼ると起きること | 面に現れる形 | 収束のときに困ること |
|---|---|---|
| 同じ意味が言い方違いで並ぶ | 近い内容の付箋が離れた場所に散らばる | 束が論点の数より多くなり、絞る作業が終わらない |
| 先に貼られた付箋の周りに集まる | 面の一角だけが密になり、他の一角に余白が残る | 出ていない観点があること自体に誰も気づけない |
| 後から入った人が面を読めない | 束の名前だけが増え、元の付箋は読まれなくなる | 決めの場で、同じ質問が何度も繰り返される |
| 決めた記録が面に残らない | 残った束はあるが、落ちた付箋の跡がない | 数週間後に、落とした理由を誰も説明できない |
この四つは、道具の設定を変えても消えません。同時に書けることの裏返しだからです。消そうとせず、進め方の側で受け止めるのが現実的です。以降の章では、四つのそれぞれに手当てを当てていきます。先に押さえておくと、一つ目と三つ目は貼り終えた後の作業で減らせますが、二つ目と四つ目は貼る前に決めておかないと後から取り返せません。
一人で広げるのと、同じ面に同時に貼るのは別の作業
発想を広げる場面では、同時に貼れることは大きな利点です。声で順番に発言する形だと、他の人の話を聞いている間は自分の考えを出せません。集団の発想の生産性を扱う研究では、この現象に発話の詰まりという名前が付いています。書いて出す形、あるいは各自の端末から出す形にすると、この詰まりは起きにくくなります。人数が増えても、発言の順番を待つ時間が増えないからです。
ただ、詰まりが消える代わりに別のことが起きます。全員が同じ面を見ているので、先に貼られた付箋が、次の付箋の内容を引っぱります。声では引きずられない人でも、目に入った文字には引きずられます。面の一角に付箋が集まって他の一角が空いたままになるのは、この形で起きます。貼るのが速い人の付箋が先に面を占めるので、後から貼る人は、空いている論点ではなく埋まっている論点に足していきます。
一人ずつ別に広げてから持ち寄る形が取れるなら、それが素直な進め方です。問題は、それが取れない場があることです。参加者を集めて、その日のうちに出しきって決めるところまで進める場では、同じ面に同時に貼ることが前提になります。この記事が扱うのはそちらです。引きずられを消すのではなく、貼り終えた後に効く手をあらかじめ決めておく、という順番で進めます。
発散と収束を同じ面でやると、収束が片付けになる
面が1枚しかないと、束ねる作業は「付箋を動かす」作業になります。動かすと、元の位置が消えます。位置は収束の材料です。誰の付箋の隣に貼られていたか、どの塊の中にあったか、どれだけ孤立していたか。そこには、貼った人が何を見て何に反応したかが残っています。束ねた瞬間に、その情報は面から消えます。
位置を消してから束ねると、収束が面を見やすくする作業にすり替わります。見やすい面ができると、その場は前に進んだ感じがします。けれども決まったことは増えていません。会議のあとに「きれいになったが何も決まっていない」と言われるのは、この形です。片付いた面と、収束した面は別物です。
手当ては、面を分けることです。貼り終えた面はそのまま凍結し、複製した別の面で束ねる作業をします。元の面を残す理由は二つあります。一つは、落とした付箋を後から数えられることです。もう一つは、束の名前が元の付箋と合っているかを後から突き合わせられることです。発散と収束を分けるというのは、時間を分ける以上に、触る面を分けるということだと考えてください。
収束の前に人がそろえる3つ
束ねさせる前に、人の手でそろえておく作業が三つあります。どれもAIに手伝わせられますが、何をそろえるかの基準を先に人が決めておかないと、そろった先が読めません。順に置きます。
同じことを指している言葉を、その場で一つに決めます。「認知」「知られていない」「情報が届いていない」が並んでいたら、この会議ではどれを使うかを決め、残りを書き換えます。書き換えの候補はAIに出させてよいのですが、どれを採るかは、その言葉を日々使っている人が決めます。
同じ意味の付箋が5枚あるなら1枚にします。ただし、消すのではなく「5枚が同じことを言っていた」という数を残します。枚数は、後で優先順位を考えるときの材料になります。何枚を1枚にしたかを書き残さないまとめ方は、後から数えられないので避けてください。
「若手の離職が多い」と「来月の説明会の司会を決める」は、同じ面に並んでいても大きさが違います。大きい話と、今日決められる話を同じ束に入れると、束の名前が付けられなくなります。先に、大きさの違うものを別の場所に寄せておきます。
三つのうち、いちばん飛ばされやすいのが三つ目です。言い方の統一と重複の整理は面がきれいになるので手応えがありますが、粒度は見た目がほとんど変わりません。それでも、粒度が混ざった面は、どんな束ね方をしても読めません。三つ目を済ませてから束ねさせると、束の数がその場で扱える数まで落ちます。
粒度をそろえる——「やること」と「気づき」を同じ束に入れない
粒度の混ざり方には型があります。よくあるのは三種類の混在です。起きている事実(何が観測されたか)、原因の仮説(なぜそうなっていると思うか)、やること(誰が何をするか)。この三つが同じ面に並びます。貼っている最中は自然な流れなので、混ざっていることに誰も気づきません。
三つが混ざった束には、名前が付きません。「問い合わせが減った」という事実と、「窓口が分かりにくい」という仮説と、「窓口の場所を変える」というやることを一つにまとめると、その束は「窓口の件」という名前になります。この名前からは、何を決めればよいのかが読み取れません。決めの場に持っていくと、まず「これは事実の話ですか、対策の話ですか」から始まります。
だから束ねる前に、三種類を別の場所に分けます。分ける作業はAIに任せてよいところです。付箋の文面が事実を述べているのか、理由を述べているのか、行動を述べているのかは、書かれ方でかなり分かれます。ただし、どれに入れるか迷った付箋は、貼った本人に聞きます。書かれた文だけでは、事実として書いたのか仮説として書いたのか判別できない付箋が必ず残ります。
束ね方の作法は、紙の付箋の時代に決まっている
言葉で書かれたものをグループに分けて名前を付ける手法は、品質管理の分野で新QC七つ道具として整理されていて、親和図法はその1番目に置かれています。出所は、川喜田二郎が考案したKJ法とされています。数値ではなく言語のデータを図に整理する方法として構成されたもので、個人でもグループでも使えると説明されています。解説の参考文献には、継続的改善の手順と技法の指針を定めた規格(JIS Q 9024:2003)が挙げられています。
手順は三段です。一つの事柄を1枚のカードに書く。親和性の高いもの同士で分類する。各グループに、共通点を言語化したラベルを付ける。この三段のうち、AIが代われるのは二段目までです。共通点を言語化する三段目が、収束の本体です。名前を付けた瞬間に、その束が何の論点なのかが決まります。逆に言えば、名前が付かない束は、まだ束になっていません。
束ね方の目安として、解説には「親和カードが5つくらいになるまで束ねていく」と書かれています。一度に大きくまとめるのではなく、少しずつ束ねて名前を付け、その束をさらに束ねていく形です。AIに一度で三つの束へ落とさせると、この途中の名前が残りません。途中の名前は、後から「なぜこの束にしたのか」を説明する材料になります。二段で束ねさせて、一段目の名前も残すようにしてください。
向かない場面も書かれています。整理するまでもない簡単な問題や、即決すべき問題の解決には向いていない、というのがその内容です。付箋の場でも同じことが言えます。答えが一つに決まっている論点を付箋で出させると、同じ答えが人数分並ぶだけで、束ねる意味がありません。付箋を使うのは、取り組むべき課題そのものがまだ決まっていないときです。
AIに任せてよい工程と、人が決める3つ
線引きは、作業の種類ではなく工程で引きます。AIに任せてよいのは、分類、重複のまとめ、言い方の違いを同じ意味にそろえる作業、そして出ていない観点の指摘です。人が決めるのは三つだけです。どの案を残すか。なぜ落としたかを記録するか。決めの場をどこに置くか。この三つを渡してしまうと、収束の記録が残らなくなります。
| 工程 | 任せ方 | 外してはいけない条件 |
|---|---|---|
| 分類(似たものを寄せる) | 任せてよい | 元の付箋を消さず、どの束にも入らなかったものを別枠で見せる |
| 重複のまとめ | 任せてよい | 何枚を1枚にしたかを数で残させる |
| 言い方をそろえる | 任せてよい | 言い換える前と後を並べて出させる |
| 出ていない観点の指摘 | 任せてよい | 根拠のない思いつきとして扱い、採否は人が決める |
| どの案を残すか | 任せない | 残す基準を、貼り始める前に決めておく |
| 落とした理由を書く | 下書きだけ任せる | 理由の文は、落とすと決めた人が最終確認する |
| 決めの場をどこに置くか | 任せない | 面の上ではなく、議事の場に置く |
「AIに判断させない」を具体にすると、採否や優先順位の言葉を出力に含めさせないことです。「重要度が高い」「まず着手すべき」といった語が混ざった一覧を受け取ると、その順番のまま議論が始まります。根拠を書かせるというのは、束の名前をどの付箋から作ったのかを、付箋の番号で書かせることです。番号があれば、名前と中身が合っているかを、その場で1件ずつ確かめられます。
人が確認する範囲も先に決めます。全部の束を確認するのは時間が持たないので、三か所に絞ります。1枚しかない束。どの束にも入らずに残った付箋。重複としてまとめられた組。この三か所は、後から取り返しがつかない抜けが起きる場所です。順番も決めておいてください。人がそろえる、AIが束ねる、人が束の名前を直す、人が残すものを決める。AIを最後に置くと、まとめさせて終わりになります。
まとめさせる前に渡す3つの前提
束ねる指示に前提を三つ足すと、出てくる束の読みやすさが変わります。この会議で答えを出したい問い。束ねてよい観点。束ねないでほしいもの。この三つを書かずに「まとめて」とだけ頼むと、付箋の言葉が近いものが寄るだけの一覧が返ってきます。指示の形は、次のように置いておくと毎回使えます。
これから、ある会議で貼られた付箋の一覧を渡します。次の前提で束ねてください。
・この会議で答えを出したい問い:(1行で書く)
・束ねてよい観点:(例 起きている事実/原因の仮説/やること)
・束ねないでほしいもの:(例 担当と期限が決まっているもの、他部署への依頼)
出力は次の形にしてください。
1 束の名前と、その束に入れた付箋の番号
2 どの束にも入らなかった付箋の番号と、入らなかった理由
3 同じ意味と判断してまとめた組と、その枚数
採否や優先順位は書かないでください。
二つ目の出力、つまりどの束にも入らなかった付箋を必ず出させるのが要点です。束ねた結果だけを受け取ると、入らなかった付箋は面から静かに消えます。番号と理由が並んでいれば、その場で読み返せます。三つ目の枚数も同じ理由で必要です。5枚が1枚になったのか、2枚が1枚になったのかで、後の扱いが変わります。
前提を書くのは人の仕事です。とくに三つ目の「束ねないでほしいもの」は、その会議の事情を知っている人しか書けません。すでに担当と期限が決まっている話、他部署に投げると決まっている話が束の中に混ざると、決めの場でその束を開くたびに「これは決まっている話です」という説明が挟まります。除外するものを先に抜くほうが、束ねさせた後に抜くより速いです。
束の名前は、多い言い方から作られる
束ねる操作は、似ているものを寄せる操作です。似ているかどうかは、書かれている言葉が近いかどうかで測られます。公式な製品ページでも、そろえる基準として色・タグ・作成者・言葉・書かれ方の傾向が挙げられています。ここから分かるのは、1枚しかない付箋には、寄せる相手がいないということです。
そして、1枚しかない付箋がその場でいちばん重い指摘であることは珍しくありません。「この前提だと、来期の契約更新の時期に間に合わない」のような、事情を知っている一人しか書けない付箋です。他の付箋と言葉が重ならないので、どの束にも入らずに残るか、近い言葉の束に入って束の名前から消えます。多数派の言い方が束の名前になり、少数の重い指摘は名前に残りません。
防ぎ方は三つです。1枚だけの束を作ってよいことにする。束に入らなかった付箋を「その他」にまとめず、番号を出させて1件ずつ読む時間を取る。そして、人が束の名前を直すときに、その束の中でいちばん重い付箋を1枚選んで名前に反映させる。名前は多数決ではなく、重さで決めます。
書かれ方の傾向でそろえる基準を使ったときは、とくに注意してください。前向きに書かれた付箋と、そうでない付箋で分かれるので、重い指摘が「不満」という一つの束に押し込まれます。束の名前が感情を表す言葉になっていたら、その束は論点として使えないと考えて、中身を1枚ずつ読み直します。感情でそろえるのは、面の全体像をつかむ最初の一手までにとどめるのが安全です。
落とした案と、落とした理由の残し方
収束のいちばんの落とし穴は、残った束だけが記録されることです。会議のあとに共有されるのは、たいてい残った三つか四つの束の名前です。落ちた付箋は面の隅に置かれたまま、次の作業で誰かが動かして分からなくなります。その結果、数週間後に「なぜこれをやらないことにしたのか」を誰も説明できなくなります。同じ案が次の会議でまた出て、同じ議論をもう一度やることになります。
- 落とした案を消す:面から削除すると、出たこと自体が記録から消え、次の会議で同じ案が新しい案として出てくる
- 理由を「優先度が低い」で済ませる:何と比べて後回しにしたのかが残らないので、比べた相手の状況が変わっても気づけない
- 保留と却下を同じ場所に置く:全部が保留に見えて、次の会議で全部が戻ってくる
- 決めた人を書かない:後から動かしたいときに、誰に確認すればよいのか分からない
残す形は三列で足ります。落とした案(元の付箋の言葉のまま)。落とした理由(1行)。落とすと決めた人と日付。案の欄は、書き換えないで元の言葉を残すのが要点です。きれいに整えると、後から読んだときにその場の温度が分からなくなります。理由の下書きはAIに作らせてよいのですが、最後の1行は決めた人が直します。
- 保留は「条件が変われば戻ってくるもの」。戻ってくる条件を1行で書く
- 却下は「戻らないもの」。戻らない理由を1行で書く
- どちらにも入らないものは、その場で決めきれていない。次にいつ決めるかを書いて保留に入れる
決めの場を、面の上に置かない
面の上で残すものを決めようとすると、印を付けて数える形になりやすいです。手早く済むので、その場では便利に見えます。ただ、印は誰が付けたのかが面に残らないことがあります。決めた人が分からない決定は、後から動かせません。動かしたい人が出てきたときに、誰に相談すればよいのか分からないからです。
だから面の上でやるのは、候補を絞るところまでにします。束の名前、残った候補、落とした候補の三つを面から取り出して、議事の場に持っていく。決めるのはそちらです。議事の場というのは、決めた人の名前と日付が残る場所という意味です。面ではなく、日付の付いた記録の側に残します。面は誰でもいつでも動かせるので、記録の置き場には向きません。
逆に、面の上でやったほうが速いこともあります。貼った本人に聞く作業です。「この付箋は、この束に入れてよいか」「これは事実として書いたのか」を、その付箋の隣に一言置いて聞く。会議の外でも答えられるので、遠隔の参加者にも同じ聞き方ができます。確認のやり取りが付箋の隣に残るのも利点です。
遠隔と同室が混ざる場の進め方
遠隔の参加者と同室の参加者が混ざると、収束が同室側だけで進みます。同室の人は声で相談しながら付箋を動かせますが、遠隔の人には動いた理由が見えません。画面の向こうでは、気づいたら束ができています。発散では公平だった面が、収束で急に不公平になります。
手当ては、入口をそろえることです。同室の参加者も、紙や口頭ではなく各自の端末から貼ります。束ねる相談も、声だけで済ませずに面の上に一言残します。「この二つを一緒にしたい」と書いてから動かす、というだけで、遠隔側から動きの理由が読めるようになります。手間は増えますが、増えるのは収束の時間だけです。
時間をずらして貼る形も使えます。公式な製品ページにも、同時に貼るか時間をずらして貼るかを選べると書かれています。前日までに各自が貼っておき、当日は収束だけをやる形です。ただし、後から貼る人は先の付箋を読んでしまうので、引きずられは強くなります。前日は「他の付箋を読む前に貼る」ところまでにして、読み合わせは当日にする、という区切りを付けておいてください。
終わったときに持ち帰る3つ
場が終わった時点で、三つが同じ場所にそろっていることを確認します。決めたこと。保留にしたこと。落としたこと。このうち三つ目が抜けている記録がほとんどです。決めたことだけを共有すると、次の会議の最初の時間が、前回のやり直しになります。
- 決めたこと:何を、誰が、いつまでにやるか。決めた人の名前と日付を付ける
- 保留にしたこと:戻ってくる条件と、次にいつ決めるか
- 落としたこと:元の付箋の言葉、落とした理由、落とすと決めた人と日付
- 束の名前と、その束に入れた付箋の番号(後から名前と中身を突き合わせるため)
- どの束にも入らなかった付箋の一覧(次の場の入口になる)
持ち帰る先は、面の外です。面はいつでも誰でも動かせるので、記録の置き場には向きません。日付の付いた文書に写して、その文書から面へのつながりを1行書いておきます。公式な製品ページには、選んだ付箋をまとめて要約の付いた文書に変えられるとあるので、写す作業そのものは重くありません。重いのは、落としたものを写す判断のほうです。
写した後にもう一度だけ面を開いて、落としたことの欄に並んだ付箋を声に出して読み上げてください。その場で「これは落としてよかったのか」という声が出ることがあります。出たら、その1枚だけ保留に戻します。この読み上げに掛かるのは数分で、次の会議で同じ議論を繰り返す時間よりはるかに短く済みます。
つまずく型と、その手前で効く一手
最後に、収束が止まる型を並べます。どれも「面の上で解決しようとした」ときに起きます。手前で効く一手は、たいてい貼り始める前に決めておく類のものです。
- 束の数が絞れない → 貼る前に、この会議で使う言葉を3つか4つ決めておく
- 束に名前が付かない → 貼る場所を、事実と仮説とやることで分けておく
- 決めの場で説明が続く → 束ねる指示に、除外するものを書いておく
- 同じ案が次の会議で出る → 落としたことの欄を、決めたことの欄と同じ場所に先に作っておく
- 遠隔側が黙る → 付箋を動かす前に、動かす理由を面に一言置く決まりにする
五つのうち上の二つは、貼り始める前の5分で防げます。この会議で使う言葉を決め、貼る場所を観点ごとに分けておくだけです。下の三つは、記録の置き場を先に作っておく話になります。決めたことの欄と落としたことの欄を、同じ文書に並べて先に用意しておく。空欄のまま会議を始めると、埋める意識が働きます。
それでも止まったときは、面を閉じて紙に戻してみてください。束の名前だけを5つ書き出し、それぞれに「これを決めると何が動くか」を1行だけ書き足す。書けない束は、まだ論点になっていない束です。書けた束から先に決めの場へ持っていけば、その日のうちに決まったことが残ります。
まとめ
共同で使う白板に複数人が同時に貼った付箋を収束させる要点は、束ねる前に人がそろえ、束ねた後の名前と落としたものを人が決めることです。束ねる操作は道具ができますが、束の数は論点の数ではなく言い方の数に近づきます。言い方・重複・粒度をそろえてから束ねさせ、束の名前は多数派ではなく重さで直す。落とした案と理由は面の外に別枠で残し、決めるのは日付が残る場に置く。まずは次の会議で、決めたことの欄と落としたことの欄を同じ文書に並べて用意するところから始めてみてください。
※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
コンテンツ制作にAIを活かす第一歩、まずは導入から始めませんか?
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