価格の税込表示は義務ではない|対象になる取引の線引き

価格の税込表示は義務ではない|対象になる取引の線引き

料金のページを作るとき、税込で書かないと違反になると言われることがあります。実際には、事業者間の取引の価格の表示は義務の対象になりません。対象になるのは、消費者に対してあらかじめ価格を表示する場合です。ただし、対象外だからどう書いてもよいという話でもありません。線引きを知ると、書き方の判断ができるようになります。


カメ先生カメ先生

料金のページの価格は、税込で書いているかな。


カメ子カメ子

義務だと聞いたので、すべて税込にしています。


カメ先生カメ先生

その義務は消費者向けの話なんだ。事業者間の取引は対象外だよ。


カメ子カメ子

対象外なんですか。では、どう書けばいいんでしょう。


この記事のポイント
  • 義務の対象は、消費者に対してあらかじめ価格を表示する場合
  • 事業者間の取引と、見積書や契約書や請求書は対象外
  • 消費者も見るページでは、相手を選べないため統一した表示が要る

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目次

税込でないと違反という思い込み

価格の表示の話になると、税込にすべきだという意見が必ず出ます。根拠として挙げられるのが、総額の表示の義務です。この義務は実在しますが、適用の範囲が限られています。範囲を知らないまま、すべてに適用しようとするのが誤解の出発点です。

義務の条文が求めているのは、限定された場面です。不特定かつ多数の者に対して、あらかじめ価格を表示する場合が対象です。一般的には、消費者との取引における表示を指します。この前提が抜けると、すべての価格の表示が対象に見えます。

誤解のまま運用しても、実害は小さく見えます。税込で書けば、義務の面では問題が起きないためです。だから、誤解が訂正されないまま続きます。しかし、伝わり方の面では損をしている場合があります。

BtoBの取引では、税抜の金額で議論されるのが通常です。予算も、税抜の金額で管理されています。税込だけを示すと、読み手は毎回割り戻して考えることになります。この手間は、比較の場面で不利に働きます。

一方で、税抜だけを示すのも危険です。消費者も見るページでは、対象になる場合があります。サイトは、誰が見るかを選べません。この点が、判断を難しくしています。

この記事では、線引きを順に確かめます。対象になる取引、対象外の取引、両方が見る場合の判断の順です

義務の対象になる取引

まず、対象になる場面を確かめます。公式の説明では、具体的な例が挙げられています

店頭の値札が、代表的な例です。商品に付ける価格の表示や、包装への価格の記載が該当します。消費者が手に取る場面での表示です。この場面が、この制度の想定する中心になります。

広告やカタログも、消費者向けであれば対象です。紙の媒体でも、画面上の表示でも同じ扱いになります。配布の範囲が限定されていても、消費者が対象なら該当します。

単価の表示も、対象に含まれます。量り売りの単価や、燃料の単価などです。総額ではなく単価であっても、消費者向けであれば対象になります。手数料の率の表示も、同じ扱いです。

そしてもう1つ、サイトに関わる例が挙げられています。ホームページに載せる「見積り例」の表示が、対象として示されています。実際の見積書は対象外ですが、例として掲載するものは対象になります。掲載の場所ではなく、誰に向けた表示かで決まります。

共通しているのは、不特定多数への表示という点です。個別の相手に示す価格とは、扱いが分かれます

判断の実務では、媒体ではなく読み手で考えます。同じ内容の資料でも、配る相手によって扱いが変わるためです。紙の資料か画面の表示かという形式は、判断の基準になりません。誰の目に触れる状態に置いたかが、線引きの手がかりになります。

事業者間の取引は対象外

次に、対象外の場面です。事業者間の取引は、明確に対象外とされています

公式の説明では、具体的に示されています。製造業者や卸売業者が、小売店や業務用の利用者との間で行う取引です。この取引での価格の表示には、義務が及びません。業務用の商品のカタログの価格の表示も、含まれないとされています。

書類の類も、対象外です。見積書、契約書、請求書は義務の対象になりません。これらは、特定の相手に対する書類だからです。不特定多数への表示ではありません。

口頭で伝える価格も、対象外です。商談の場で金額を伝える行為には、義務が及びません。そもそも、価格を表示していない場合にまで義務付けるものではありません。表示するという行為が、前提になっています。

名称の類も、対象外とされています。店舗の名称や催しの名称に金額が入っていても、価格の表示には当たりません。100円で統一した店の看板が、例として挙げられています。価格を示す表示ではなく、名称だからです。

希望する小売の価格も、原則として対象外です。ただし、小売店が販売の価格として使う場合は対象になります

表示の場面義務の対象備考
消費者向けの広告やカタログ対象紙でも画面でも同じ
見積り例をサイトに載せる対象実際の見積書とは扱いが違う
業務用の商品のカタログ対象外事業者間の取引
見積書と契約書と請求書対象外特定の相手への書類
商談での口頭の伝達対象外表示に当たらない
会員向けの案内場合による募集が一般向けなら対象

対象外であることの意味も、正確に捉えます。義務が及ばないというだけで、表示が自由になるわけではありません。実際より安く見せる表示は、別の法令によって規制の対象になります。義務の有無と、誤認を与えないという原則は別の話として扱います。

対象外でも税込を書く理由

対象外であれば、税抜だけでよいのでしょうか。実務では、両方を書くのが最も安全です

理由の1つが、後の書類との連続です。事業者間の取引でも、税込の価格を基に書類が作成されると説明されています。見積書や請求書は、税込の金額で確定します。サイトの表示と書類の金額が違うと、確認の手間が生まれます。

もう1つが、読み手の状況の幅です。予算の管理を税込で行っている会社もあります。その場合、税抜だけの表示では判断できません。両方を示せば、どちらの読み手にも対応できます。

小規模な事業者や個人が読み手に含まれる場合もあります。その場合、税込の総額が判断の基準になります。サイトは読み手を選べないため、この可能性は常にあります。両方を書く形が、この不確かさを吸収します。

書き方の例も、公式に示されています。9,800円(税込10,780円)という形式が、認められる形として挙げられています。この形なら、両方の情報が1つの表記に収まります。ただし、誤認を与えない配慮が必要とされています。

配慮の中身は、次の節で確かめます。書き方によっては、別の法令の問題が生じます

社内の運用の面でも、両方を書く形が有利です。営業が使う資料と、サイトの表示が同じ形式になるためです。形式が揃っていれば、資料をそのまま画面の内容として使い回せます。作り直しの手間が減り、更新の抜けも起きにくくなります。

消費者も見るページの扱い

最も判断が難しいのが、両方の読み手がいる場合です。サイトは、訪問する人を選べません

公式の説明では、この点に触れられています。取引の相手方により表示を変えることは事実上不可能とされています。だから、不特定かつ多数の者を対象とした統一的な表示を行う必要があります。実質的に、消費者向けの基準に合わせる形になります。

BtoBの事業でも、この状況は起きます。個人事業主や小規模な事業者が、読み手に含まれる場合です。この層は、消費者に近い判断をします。税込の総額を示さないと、比較ができません。

判断の基準は、読み手の想定です。明らかに法人だけを対象とした製品なら、事業者間の取引と整理できます。個人でも契約できる製品なら、消費者向けの基準を意識します。この整理は、製品ごとに行います。

迷う場合は、両方を書く形にします。両方を書いていれば、どちらの整理でも問題が起きません。判断に時間をかけるより、確実な形を選ぶほうが効率的です。

この判断は、記録しておきます。なぜその形にしたかを残せば、担当が変わっても揺れません

認められる表示の形

表示の方法にも、決まりがあります。消費税に相当する額を含む支払いの総額を、一目で分かるようにする必要があります

最も簡単なのが、税込の価格だけを書く形です。10,780円とだけ書けば、条件を満たします。消費者向けの表示では、この形が中心になります。ただし、税抜の情報は失われます。

両方を書く形も、認められています。9,800円(税込10,780円)という形式です。支払いの総額が一目で分かる状態が保たれています。BtoBのサイトでは、この形が実務的です。

個別の商品への表示が不要な場合もあります。棚札や店頭の掲示で税込の価格を示していれば足りるとされています。サイトの場合は、料金の一覧の表で示す形が該当します。個々の説明の中で繰り返す必要はありません。

単価での表示も、認められています。税込の単価を示す形です。月額や1件あたりの金額を示す事業では、この形になります。総額が変動する場合でも、単価が税込であれば条件を満たします。

いずれの形でも、共通の条件があります。支払う総額が、一目で分かることです

月額の課金の製品では、注意が要ります。月額の単価と、年間の総額のどちらを主に示すかという判断です。年間の契約が前提であれば、年間の総額も併せて示すのが親切です。月額だけを見て予算を組むと、承認の段階で差が出ます。

税抜を強調する書き方の危険

避けるべき書き方も、示されています。税抜の価格を強調する表示の方法です

具体的には、文字の大きさの差です。税抜の金額を大きく、税込の金額を小さく書く形が該当します。形式としては両方を書いていても、印象は税抜の金額で決まります。この形は、避けるべきとされています。

さらに強い指摘もあります。税抜の価格を本文とする表示は、景品表示法の問題が生じる可能性があるとされています。実際に支払う金額より安く見せる表示だからです。義務の話とは別の、より重い問題になります。

BtoBのサイトでも、この点は注意します。税抜を大きく書けば、金額は安く見えます。比較の場面で有利になるように見えますが、実際には逆です。後の見積りで金額が上がると、不信を招きます。

安全な形は、同じ大きさで両方を書くことです。どちらかを強調しなければ、誤認の問題は生じにくくなります。注記として、税の扱いを1行添えると確実です。

この判断は、費用をかけずにできます。書き方を揃えるだけで、危険を避けられます

書類との連続を保つ

表示の形が決まったら、書類との連続を確かめます。サイトの表示と、見積書の金額が一致していることが重要です

食い違いが起きやすいのが、税の扱いです。サイトは税込、見積書は税抜という状態が生まれます。読み手は、同じ金額を2つの形で見ることになります。確認の連絡が発生し、営業の手間が増えます。

書類の側は、変えにくい場合があります。会計の道具の様式で、税抜が基本になっていることが多いためです。この場合は、サイトの側で両方を書く形に合わせます。どちらの金額とも一致する状態を作ります。

端数の扱いも、揃えます。切り捨てか切り上げかで、1円の差が出ます。この差は、書類の確認の場面で問題になります。経理に確認して、サイトの表示を合わせます。

複数の製品がある場合は、表記を統一します。製品によって税込と税抜が混在すると、比較ができません。一覧の表で並べたときに、揃っていることを確かめます。

この確認は、料金のページを作る段階で行います。公開の後に直すと、記録の整合が取りにくくなります

よくある質問

BtoBのサイトは税込にしなくてよいですか

事業者間の取引であれば、義務の対象にはなりません。ただし個人事業主なども読み手に含まれる場合は、消費者向けの基準を意識します。両方を書く形が安全です。

見積書は税抜のままでよいですか

見積書と契約書と請求書は、義務の対象外とされています。ただし、サイトの表示と金額が食い違わないように揃えます。

サイトに載せる見積りの例は対象ですか

対象として挙げられています。実際の見積書とは扱いが違い、不特定多数への表示に当たるためです。

税抜を大きく書くのは問題ですか

避けるべきとされています。税抜を本文とする表示は、景品表示法の問題が生じる可能性があると指摘されています。

会員向けの案内は対象になりますか

会員の募集が広く一般を対象に行われている場合は、対象になるとされています。会員限定という形だけでは、対象外にはなりません。

会員向けの案内の扱い

会員向けの案内には、特別な整理が示されています。会員のみを対象とした場合でも、対象になることがあります

判断の基準は、募集の仕方です。会員の募集が広く一般を対象に行われている場合は、対象になります。誰でも会員になれる状態であれば、実質的に不特定多数への表示だからです。会員限定という形式だけでは、対象外になりません。

この整理は、資料の配布にも当てはまります。登録すれば誰でも受け取れる資料に価格を載せる場合です。登録という条件があっても、募集が一般向けなら同じ扱いになります。配布の形式ではなく、実質で判断されます。

一方、審査を経て限定する形は違います。既存の取引先だけに配る資料であれば、不特定多数への表示ではありません。配布の相手が特定されているためです。この違いは、配布の設計で決まります。

判断に迷う場合の基準を持っておきます。誰でも入手できる状態にあるかどうかが、実質的な分かれ目になります。入手できるなら、消費者向けの基準を意識します。

この整理は、資料の設計にも影響します。価格を載せるかどうかの判断と、併せて考えます

社内の表記の規則を決める

判断が済んだら、表記の規則として書き出します。記事や資料を書く人が、毎回考えずに済む形にします

決めるのは4つです。税込と税抜のどちらを主にするか、両方を書くか、書式、注記の文言。この4つが決まれば、判断は不要になります。書式は、括弧の使い方まで決めておきます。

記事の中での金額の書き方も、規則に含めます。相場を紹介する記事では、税の扱いが曖昧になりがちです。出典の金額が税込か税抜かを、確かめて書きます。分からない場合は、その旨を注記します。

注記の文言も、決めておきます。表示の金額はすべて税込である、といった1行です。ページの下部に置く形が一般的です。この1行があるだけで、読み手の疑問が減ります。

規則は、既存の表記の基準に統合します。価格だけの基準を別に作ると、参照されなくなります。記事の書き方の基準の中に、1項目として入れます。

分量は、5行で足ります。長い説明は不要で、書式の例を示すのが最も伝わります。

  • すべての価格の表示に、総額の表示の義務が及ぶと考える
  • 税抜の金額を大きく、税込の金額を小さく書く
  • サイトは税込、見積書は税抜のまま放置する
  • 会員限定という形式だけで、義務の対象外だと判断する
  • 記事の中の相場の金額を、税の扱いを確かめずに書く

誤解が起きたときの影響

表示の誤解は、金額の食い違いとして現れます。影響は、信頼の面に出ます。

最も多いのが、見積りの段階での食い違いです。サイトで見た金額より、見積りの金額が高いという状態です。税の分だけの差でも、印象は悪くなります。説明すれば解決しますが、その時点で心証は下がります。

比較の場面では、より深刻になります。他社が税込で書き、自社が税抜で書いていれば、金額の比較が歪みます。実際には同じ金額でも、自社が安く見えます。後で判明したときに、意図的だと受け取られる危険があります。

社内でも、混乱が起きます。営業が税抜で話し、資料が税込で書かれている状態です。商談の場で、担当者自身が確認することになります。この確認の時間は、商談の質を下げます。

防ぐ方法は、表記の統一だけです。どの形にするかより、揃っていることのほうが重要になります。決めた形を、すべての媒体で守ります。

確認は、定期的に行います。資料が増えるたびに、表記がずれる可能性があるためです。

STEP1
読み手を整理する

その表示が消費者向けか、事業者間の取引かを製品ごとに整理する。

STEP2
表記の形を決める

税込のみか、両方を書くか、書式と注記の文言まで決める。

STEP3
書類と揃える

見積書と請求書の金額の形式と、端数の扱いを一致させる。

STEP4
基準に組み込む

記事の表記の基準に、価格の書き方を1項目として加える。

STEP5
定期的に確かめる

年に1度、公開中の資料と記事の表記が揃っているかを確認する。

外部の媒体に情報を出すときも、同じ確認が要ります。比較の記事や紹介の記事に、自社の価格が載る場合です。媒体の側の表記の規則に合わせると、自社のサイトとずれることがあります。掲載の前に、どちらの形式で載るかを確かめておきます。

記事の中の金額の書き方

料金のページだけでなく、記事の中でも金額を扱います。相場の紹介や、事例の金額です。

この場合、出典の扱いを確かめます。引用した金額が、税込か税抜かを確認してから書きます。確認できない場合は、その旨を書き添えます。推測で税込と書くと、誤った情報になります。

幅で示す場合も、同じです。10万円から50万円という記載でも、税の扱いを注記します。幅があるから曖昧でよい、という理屈は通りません。読み手は、その幅を基準に予算を考えます。

自社の金額を記事に書く場合は、料金のページと揃えます。別の形式で書くと、混乱の原因になります。記事の中の金額は、更新も忘れられがちです。料金の改定のときに、記事も確認の対象に入れます。

古い記事の金額も、確認の対象です。公開から年数が経った記事の金額は、現在の水準と合わなくなります。税率が変わった場合は、税込の金額がすべてずれます。

公開の日付を示すことも、対策になります。いつの時点の金額かが分かれば、読み手も判断できます。

見直しの時期を決める

この領域は、制度の変更の影響を受けます。定期的な見直しを、仕組みとして持ちます。

最も影響が大きいのが、税率の変更です。変更があれば、税込で書いたすべての金額が変わります。対象になる箇所を、事前に把握しておきます。料金のページ、資料、記事の3か所が主な対象です。

把握の方法は、一覧を作ることです。金額を記載している場所を、書き出しておきます。変更が起きたときに、この一覧を上から潰します。一覧がないと、抜けが必ず出ます。

表示の制度そのものの変更も、まれに起きます。経過の措置が設けられていた時期もありました。現在の扱いを、定期的に確かめます。公式の説明のページを、年に1度は開きます。

自社の価格の改定も、見直しの機会です。改定のたびに、表記の統一を確かめる作業を組み込みます。改定の作業の一覧に、この項目を1行として入れておきます。

作業は、30分で終わります。一覧があれば、確認するだけの作業になります。

  • 義務の対象は、消費者に対してあらかじめ価格を表示する場合。事業者間の取引は対象外
  • 見積書と契約書と請求書は対象外だが、サイトの見積りの例は対象とされている
  • 税抜を強調する表示は避ける。税抜を本文とする形は別の法令の問題が生じる可能性がある

まとめ

価格の税込の表示は、すべての場面で義務になるわけではありません。対象は、不特定かつ多数の者に対してあらかじめ価格を表示する場合です。事業者間の取引と、見積書や契約書や請求書は対象外とされています。一方で、サイトに載せる見積りの例は対象として挙げられています。消費者も見るページでは相手を選べないため、統一した表示が求められます。認められる形は、税込のみの表示か、税抜と税込を併記する形です。税抜を強調する書き方は避け、両方を同じ大きさで書くのが安全です。表記の形を決めて書類と揃えれば、金額の食い違いによる不信も防げます。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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