広告素材はPencilか内製の生成AIか|予測スコアの読み方

広告素材はPencilか内製の生成AIか|予測スコアの読み方

「広告の素材を出す前に、当たるかどうかを点数で教えてくれるらしい」「社内の生成AIで作れば、外部の基盤はいらないのでは」——Pencil の名前を耳にしたBtoBの広告担当から出る、代表的な二つの反応です。Pencil の公式ヘルプによれば、その点数は Meta に接続した自社の広告アカウントの過去の成果をもとに、クリック率が自社の広告の中で何パーセント目に入るかを予測するものです。つまり点数は「当たる広告」の保証ではなく、自社の過去の広告と比べた順位の見込みです。この記事では、広告素材を Pencil に任せるか内製の生成AIで作るかを、予測スコアの信じ方、ブランド素材を預ける範囲、BtoBでの使いどころから整理します。


カメ先生カメ先生

予測スコアは「広告の当たり外れをAIが見抜く」と思われがちだけど、本当は自社が過去に出した似た広告のクリック率から、順位を見積もっているんだ。


カメ子カメ子

じゃあ、過去に広告をあまり出していない会社だと、どうなるんですか。


カメ先生カメ先生

点数そのものが出ない。公式ヘルプでも、データが足りないときは点数を隠す仕様だと説明しているよ。しかも測っているのはクリック率だけなんだ。


カメ子カメ子

クリックと商談は別物ですよね。点数で素材を決めてよいのか、というところから考える必要がありそうです。


この記事のポイント
  • Pencil の予測スコアは、Meta の自社アカウントの過去の広告と比べたクリック率の順位予測。商談や受注を予測するものではない
  • 点数が出るには直近90日に成果データのある広告が一定数要るため、出稿量の少ないBtoBでは使えない場合がある
  • ブランド素材を預ける範囲と学習に使わない約束を契約で確かめ、素材の採否は人が決める

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目次

Pencil は、広告素材を生成し、成果の見込みを点数で示す基盤

Pencil は、広告とブランドの領域でAIを使った事業を展開する Brandtech の傘下にある、広告クリエイティブの生成基盤です。現在の公式サイトでは自らを「マーケティングのためのAIの基盤」と位置づけ、OpenAI、Google、Adobe など複数の会社の生成モデルを束ねて、画像や動画の素材を作る流れを組めるとしています。上位版では Google の動画生成モデル Veo も使えると案内しています。

生成した素材には、成果の見込みを示す点数が付きます。これが予測スコアで、公式ヘルプでは「メディア成果スコア」として説明されています。料金ページには、主要な広告媒体での広告の配信と成果の追跡も機能として挙がっています。生成・評価・配信が一つの画面にまとまっている点が、汎用の生成AIとの一番の違いです。

企業向けには、役割ごとの権限、ブランドの基準を守らせる仕組み、第三者監査の SOC2(タイプ2)を掲げ、「お客様のデータでモデルを学習しない」「作ったものの権利は顧客に帰属する」と公式サイトで表明しています。どこまでが全プラン共通で、どこからが上位版の契約条件なのかは、後の章で見るように分けて確かめる必要があります。

Brandtech 傘下での沿革と、2026年の動き

Brandtech は2023年に Pencil を買収し、大手ブランド向けの上位版 Pencil Pro を立ち上げたと、米国の業界メディアが報じています。立ち上げの協業先には、ユニリーバとバイエルの名前が挙がっていました。2025年8月には、Google Cloud の Marketplace で提供が始まったとも報じられています。Google Cloud を全社で契約している会社では、既存の契約の枠組みで調達できる可能性があり、新しい取引先として審査を一から通す手間が変わる場合があります。調達の経路も、情報システム部門と早めに相談しておく論点です。

2026年に入ってからは、1月に予測スコアの新版(第4版)のベータが公式コミュニティで告知され、業界全体の広告ではなく、自社の過去の広告と比べる方式に切り替わることが説明されました。10月には同社の幹部が業界誌への寄稿で、簡単な指示から複数のAIの道具やエージェントを組み合わせる新しい製品「スクリブル」を紹介しています。公式サイトのニュース欄にも、この製品の発表や、調査会社と組んだ分析用エージェントの発表が並んでおり、開発と事業は活発に続いています。

公式サイトには、化粧品や日用品、飲料の大手が制作費を3割前後減らした、といった事例が並んでいますが、いずれも提供会社が示す数字です。BtoBの企業の事例は、公式サイトでは目立ちません。主な利用者が消費財の大手ブランドであることは、BtoBの会社が判断するうえで最初に押さえておくべき前提です。

比べる前提:内製の生成AIとは何を指すか

ここで言う内製の生成AIは、社内で契約している汎用の生成AI(ChatGPT、Gemini、Claude など)や、画像生成の機能(Adobe Firefly など)を使い、広告担当や制作担当が自分たちで素材を作るやり方を指します。素材の良し悪しは、社内のレビューと配信後のABテストで判断します。

内製の強みは、新たなデータの持ち出し先を増やさずに済むことと、費用が既存の契約の範囲に収まりやすいことです。弱みは、素材の評価を人の勘と配信後の結果に頼るため、出す前の絞り込みに時間がかかることです。生成AIを使ったABテストの設計そのものは別の記事で扱っているため、ここでは Pencil を挟むかどうかの判断に絞ります。

Pencil を挟む価値は、生成と評価と配信をつなぐことにあります。逆に言えば、予測スコアが自社で機能しないなら、Pencil の価値の大部分は内製で代替できることになります。判断の中心が予測スコアになるのはこのためです。

比較表:Pencil と内製の生成AIで分かれる点

両者の違いを、判断に関わる観点ごとに並べます。生成の品質そのものは、どちらも同じ系統の生成モデルを使うことが多いため、大きな差になりにくい点に注意してください。

観点Pencil内製の生成AI
素材の生成複数社の生成モデルを一つの画面で使い分け契約中の生成AIを個別に使う
出す前の評価Meta の自社アカウントの過去の成果から、クリック率の順位を予測社内レビューと、過去の勝ちパターンの言語化
評価の前提条件直近90日に成果データのある広告が一定数必要特になし(人が判断する)
配信と追跡主要媒体への配信と追跡を同じ画面で各媒体の広告管理画面で個別に
データの持ち出し広告アカウントの成果とブランド素材を接続既存の契約先の範囲内
費用生成回数に応じた月額、上位版は個別見積もり既存契約の範囲(増えるのは人の工数)

表のとおり、違いが大きいのは「出す前の評価」と「データの持ち出し」の二行です。前者は Pencil を選ぶ理由になり、後者は選ばない理由になりえます。以下では、この二つを順に掘り下げます。なお上位版では、自社が持ち込むモデルの利用や、モデルの追加学習を提供会社が管理して行うことも個別の見積もりで案内されています。ここまで使う場合は、学習に使う自社の素材の範囲が広がるため、次の章以降の預ける範囲の議論がさらに重要になります。

予測スコアは何を予測しているのか

公式ヘルプによると、メディア成果スコアは0〜100の数値で、その素材のクリック率が、接続した Meta の広告アカウントの中で何パーセント目に入るかを予測するものです。85なら、自社のアカウントの広告の85%を上回ると予測される、という意味になります。仕組みとしては、見た目や文脈が似ている過去の広告を自社のアカウントから探し、その実際の成果から見積もると説明されています。

比べる相手は自社の過去の広告です。ヘルプは、他の顧客の広告を自社の採点に使わず、自社の広告も他社の採点に使わないとしています。一方で、外部の紹介記事や Pencil 自身の比較記事には「10億ドルを超える広告費のデータで学習したモデル」という旧来の説明も残っています。説明が混在しているため、現行の仕様は、公式ヘルプと契約時の説明で確かめるのが確実です。

また、測っているのはクリック率だけです。ベータの告知では対象を Meta とクリック率に限るとし、Google や TikTok、他の指標への拡大は今後の予定と書いていました。ヘルプでも、Google 広告や DV360 を接続していても、Meta の接続がなければ点数は出ないとしています。点数が高いことは「自社の Meta 広告の中でクリックされやすそう」以上の意味を持ちません。

新版への切り替えには、運用上の注意もあります。ベータの告知では、新版は素材の意味的な特徴を数値にして過去の広告との似かたを測る方式で、設定から有効にすると旧版の点数を置き換え、元に戻せないと説明していました。点数の基準が変わると、過去に付いた点数と新しい点数は比べられなくなります。社内で点数を記録している場合は、切り替えを誰が決めるか、切り替えの前後で記録を分けるかを先に決めておきます。

点数が出る条件:出稿量が少ないと点数は出ない

公式ヘルプでは、点数を出すには接続した Meta のアカウントに、直近90日間に成果データのある広告が50本以上必要だとしています。画像と動画は別々に数え、似た広告は重複として除いてから数えるため、同じ素材の色違いを大量に出していても50本に届かないことがあります。足りない場合は「データ不足」と表示され、点数は隠されます。

2026年1月のベータの告知の時点では、過去の画像と動画が200本以上という条件が示されていました。条件は版によって変わりうるため、試行の前に、自社のアカウントが現行の条件を満たすかを提供会社に確かめてください。ヘルプは、条件に届きそうにない場合は設定で点数を止めてよいとも案内しています。データが少ない状態で不正確な点数を出すより、出さないほうを選んだ、という説明です。

BtoBの広告は、消費財に比べて出稿の本数が少なく、配信先も LinkedIn や検索広告が中心になりがちです。Meta での出稿が月に数本という会社では、点数がいつまでも出ない可能性があります。その場合、Pencil は「点数の出ない生成の画面」になり、内製との差は小さくなります。

  • 点数の条件・対象媒体・指標は、2026年10月時点で確認できた公式ヘルプとコミュニティの告知に基づきます。今後の更新で変わる可能性があります

BtoBで予測スコアをどこまで信じるか

条件を満たして点数が出たとしても、BtoBで信じてよい範囲は限られます。第一に、クリック率は商談の質を表しません。BtoBの広告では、クリックは多いが資料請求の質が低い素材と、クリックは少ないが決裁者層から問い合わせが来る素材が普通に存在します。点数はこの違いを区別できません。

第二に、比べる相手が自社の過去の広告であるため、過去の広告の方向性が偏っていれば、点数も同じ方向に偏ります。これまでの広告が無料資料や値引きの訴求ばかりなら、新しい訴求の素材は「似た過去の広告」が少なく、正しく見積もれない可能性があります。新しい訴求を試す場面ほど、点数は当てにならないと考えておくべきです。

第三に、点数は素材の見た目と文脈から見積もるもので、配信先の絞り込み、入札の設定、時期の影響は切り分けられていません。点数は「どれを先に試すか」の順番付けに使い、「どれを出さないか」の足切りには使わない、というのが妥当な線です。

スコアを合否に使わない:人が決める範囲

予測スコアを社内の承認手続きに組み込むと、点数の低い素材が自動的に落とされる運用が生まれがちです。これは避けます。点数で絞り込んでよいのは、同じ訴求の中での細かな違い(色、配置、写真の差し替え)までとし、訴求の軸そのものの採否は人が決めます。次のような使い方は、点数の意味を超えています。

  • 予測スコアが一定以下の素材は配信しない、という社内基準を作る
  • 点数が高い素材を、ブランド担当や法務の確認を省いて配信する
  • 点数の高低を、制作会社や担当者の評価に使う

人が確認する範囲は、ブランドの表現、事実関係(製品の機能や数字)、法令上の表示(比較の表現や効果の表現)です。これらはどの予測スコアも判定しません。AIには、なぜその点数になったかの手がかりとして、似ていると判断された過去の広告を示させ、担当者がその広告を見て納得できるかを確かめます。新版では改善の提案が箇条書きで示されると告知されているため、提案をそのまま採用せず、根拠として読み、人が採否を決める姿勢が要ります。

ブランド素材を預ける範囲を決める

Pencil で自社らしい素材を作るには、ロゴ、色、書体、過去の広告、製品写真などを登録し、広告アカウントを接続することになります。どこまで預けるかは、社外に出してよい素材かどうかで線を引きます。すでに公開した広告や製品写真は預けやすい一方、未発表の製品の画像、顧客名や事例の未公開部分、社内資料から抜き出した数字は預けません。

広告アカウントの接続も、データの持ち出しにあたります。何が渡るかは次の章で詳しく見ますが、接続する権限が閲覧だけで足りるのか、素材の書き出しまで含めるのかを確認し、試行の段階では最小限の権限から始めます。誰の権限で接続するかも決めておきます。担当者個人の権限で接続すると、異動や退職のときに接続が宙に浮きます。

複数のブランドや事業部で使う場合、上位版ではブランドや市場ごとに作業場所を分けられると料金ページにあります。事業部をまたいで素材や成果が見えてしまわないよう、作業場所の分け方と、誰がどこを見られるかを最初に設計します。

広告アカウントを接続すると、何が渡るか

公式ヘルプは、接続した広告アカウントから Pencil が受け取るデータを具体的に説明しています。受け取るのは、広告の素材(文章・画像・動画)、キャンペーンの目的、配信の絞り込みの設定と、クリック率、クリック単価、表示単価、獲得単価、広告費用対効果などの成果の指標です。過去90日分を取り込み、その後も継続して取得します。一方で、個人単位の配信の絞り込みデータは受け取らないと明記しています。

接続は、広告アカウントの管理者がワンクリックの認可で行い、Pencil の特定の作業場所にひも付きます。Meta の場合は、接続の画面で Pencil が触れてよい事業、ページ、広告アカウントを選び、書き込みの権限を止める設定を選べます。書き込みを止めない場合、Pencil の利用者は作った素材を広告アカウントの素材置き場やキャンペーンへ書き出せます。広告費のデータは取り込みから外すこともできると案内しています。

BtoBの会社で気にすべきは、配信の絞り込みの設定に、自社の狙う業種や役職、顧客リストを使った配信の情報が含まれうる点です。試行では書き込みを止め、広告費の取り込みも必要になるまで外しておくのが、持ち出しを最小にする設定です。接続の手順書には、どの設定で接続したかを画面の記録とともに残しておきます。

学習に使わない約束と、契約で確かめる項目

Pencil は公式サイトで「お客様のデータで当社のモデルを学習しない」と表明しており、料金ページでは上位版の契約条件として、権利の譲渡、学習に使わない約束、補償、データの隔離、AIの統制機能を挙げています。一方、下位のプランに同じ約束がどこまで適用されるかは、料金ページからは読み取れませんでした。

また Pencil は、複数の会社の生成モデルを束ねて使う構造です。束ねた先の生成モデルの会社に、入力した素材や指示がどう渡るかは、処理を委託する会社の一覧と、データ処理の付属契約で確かめます。公式サイトにはこれらの文書へのリンクがあります。最低限、次の項目は契約前に答えを得ておきます。

  • 学習に使わない約束が、自社の契約するプランに適用されるか
  • 処理を委託する会社の一覧に、どの生成モデルの会社が含まれるか
  • データの保管国と、解約後のデータの扱い
  • 生成物の権利の帰属と、第三者の権利を侵害した場合の補償の範囲

解約については、下位のプランは解約後も作業場所を見られるが生成はできなくなり、上位版は作業場所へのアクセスを失う、と料金ページにあります。作った素材は解約前に自社の保管場所へ移す手順を、最初から決めておきます。

BtoBでの使いどころ:向く広告と向かない広告

BtoBで Pencil が向くのは、Meta で一定量の広告を継続して出している場面です。たとえば、ウェビナーや資料ダウンロードの集客を Meta で常に回しており、同じ訴求で画像の違いを何本も試している会社なら、点数で試す順番を決め、生成と配信の手間を減らす効果が見込めます。展示会の告知のように、短期間に多くの派生素材が要る場面も、生成と自動の大きさ変更だけで価値があります。

向かないのは、出稿の中心が LinkedIn や検索広告で Meta の出稿が少ない場面、決裁者向けの少数の素材に時間をかけて作る場面、製品画面や図表を正確に描く必要がある場面です。生成モデルは製品画面や図表の細部を正確に再現するのが苦手なため、結局は人が作り直すことになります。なお、公式ヘルプには LinkedIn や TikTok、YouTube の接続手順も用意されていますが、接続できることと、その媒体で点数が出ることは別です。現行の点数は Meta の成果だけを使うため、LinkedIn 中心の会社は、接続できても点数の恩恵は受けられません。

判断の目安は、Meta での出稿量と、派生素材の多さの二つです。どちらも少ないなら、内製の生成AIで十分なことが多いでしょう。どちらも多いなら、Pencil を試す価値があります。片方だけなら、点数を使わず生成の画面としてだけ使う場合の費用対効果を、内製と比べて判断します。

費用の増え方:生成回数と運用代行の上限

公式の料金ページでは、下位のプランが月14ドル(年払いで月11ドル)で月50回の生成、中位のプランが月55ドル(年払いで月44ドル)で月250回、上位の Pencil Pro は個別見積もりです。生成の回数は、AIのモデルを使って何かを作るたびに数えられ、使わなかった回数は翌月に繰り越されません。素材の大きさを別の媒体向けに自動で変えるのも、1形式ごとに1回と数えられます。

下位と中位の価格は、汎用の生成AIの契約と大差ない水準です。費用が大きく変わるのは上位版で、外部の仕組みとの連携、独自のモデルの調整、専任の制作担当や研修などが個別に見積もられます。上位版には Pencil の制作チームが広告を作る運用代行が含まれ、1日4本・20営業日の月で80本までといった上限と、修正依頼もこの枠を消費するという条件が示されています。

比べるときは、月額だけでなく、点数が出るまでに必要な出稿量と、その出稿にかかる広告費を含めて考えます。点数を使うために Meta の出稿を増やすのは本末転倒です。今の出稿量で点数が出るかを先に確かめることが、費用の判断の出発点です。

試し方と解約の条件も、料金ページで確かめておきます。無料の登録では、案内に沿って広告を6本作れるとされ、すべての機能を使うには有料のプランが必要です。解約はいつでもでき、請求は解約した請求期間の終わりで止まります。一方で、無料の試用の後に有料へ切り替えた分の料金は返金されないとされているため、年払いを選ぶのは点数が出ることを確かめてからにします。

内製の生成AIを選ぶほうがよい会社

次の条件に多く当てはまる会社は、Pencil を入れるより、内製の生成AIで素材を作り、配信後のABテストで判断するほうが合理的です。

  • Meta での出稿が月に数本で、直近90日の広告が50本に届かない
  • 広告の主戦場が LinkedIn や検索広告で、Meta は補助的
  • 素材の数より、決裁者向けの訴求の質を重視している
  • 社外のサービスに広告アカウントやブランド素材を接続する承認に時間がかかる
  • 汎用の生成AIを全社で契約済みで、画像生成も使える

内製の場合でも、Pencil の考え方から学べることはあります。過去の広告の成果を整理し、勝った素材と負けた素材の違いを言語化しておけば、生成AIに素材を作らせるときの指示が具体的になります。勝ちパターンの分析の進め方そのものは、別の記事で扱っています。

一方、内製では「出す前の評価」は人の判断になります。生成AIに素材の良し悪しを採点させることもできますが、その採点には実際の成果の裏付けがありません。生成AIの採点は、根拠を書かせたうえで参考意見として扱い、配信後の結果で検証する流れにします。AIに採否を判断させないのは、Pencil を使う場合と同じです。

選び方の手順:試行で確かめる4項目

Pencil を試すと決めた場合も、いきなり全社の広告制作を移すのではなく、確かめる順番を決めて小さく始めます。次の4項目を、この順に確かめます。

STEP1
出稿量を確かめる

自社の Meta アカウントに、直近90日で成果データのある広告が画像・動画それぞれ何本あるかを、重複を除いて数えます。

STEP2
点数の当たり方を確かめる

試行期間に配信した素材について、出す前の点数と、実際のクリック率の順位がどれだけ一致したかを記録します。

STEP3
商談との関係を確かめる

点数の高い素材と低い素材で、クリック後の資料請求や商談化の割合に差があるかを記録します。

STEP4
預ける範囲と契約を確かめる

接続する権限、預ける素材、学習に使わない約束の適用範囲を確認し、法務と情報システム部門の承認を得ます。

試行期間は、点数と実際の成果を比べられるだけの配信が回る長さにします。点数が出なかった場合は、試行をその時点で「生成の画面としての評価」に切り替え、内製との作業時間の差だけを測ります。点数と商談の関係が見えなければ、点数は順番付けの参考にとどめ、予算配分の根拠には使いません。

判断の前に確かめるチェックリスト

最後に、導入を判断する会議で確認する項目をまとめます。すべてに答えが出てから契約に進むのが安全です。

  1. 自社の Meta アカウントは、点数が出る条件を満たしているか
  2. 点数が予測するのはクリック率だけだと、関係者が理解しているか
  3. 点数を足切りに使わず、順番付けにだけ使うと決めたか
  4. ブランド素材のうち、預けてよいものと預けないものを分けたか
  5. 広告アカウントを誰の権限で、どこまでの権限で接続するか決めたか
  6. 学習に使わない約束と委託先の一覧を、契約するプランで確認したか
  7. 上位版の運用代行の上限と、修正依頼の数え方を確認したか
  8. 解約時に素材を移す手順と、データの扱いを確認したか

あわせて、使う機能の範囲も決めておきます。Pencil は広告素材の生成と点数の基盤から、複数のAIの道具やエージェントを組み合わせるマーケティング全般の基盤へと範囲を広げています。新しい機能が加わるたびに、社内で承認した範囲の外の使い方が、利用者の判断で始まってしまうことがあります。契約時に使う機能を書き出し、新機能を使い始めるときは情報システム部門に届け出る、という手順を決めておくと、預ける範囲の判断が後から崩れません。

答えが出ない項目が一つでもあれば、その項目を確かめるための試行から始めます。答えが出たうえで条件に合わなければ、内製の生成AIで進めるという判断も、十分に根拠のある結論です。

まとめ

Pencil は、複数の生成モデルを束ねた素材の生成と、Meta の自社アカウントの過去の成果をもとにしたクリック率の予測スコア、配信までを一つにまとめた基盤です。2026年も予測スコアの新版や新製品の発表が続き、開発は活発です。ただし予測スコアは、直近90日の出稿が一定量ないと出ず、測っているのはクリック率の順位だけです。BtoBでは、点数を試す順番の参考にとどめ、足切りや予算配分の根拠にしないこと、ブランド素材と広告アカウントを預ける範囲を契約で確かめること、素材の採否は人が決めることが前提になります。Meta での出稿量と派生素材の多さが十分なら Pencil を試す価値があり、そうでなければ内製の生成AIで勝ちパターンを言語化するほうが近道です。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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