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研究費の公募(公的機関・財団)をエージェントが毎週見回り、研究者ごとのテーマと応募資格に照らして、合いそうな公募と締切を届ける

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

公的機関と財団が出す研究費の公募を、エージェントが毎週見回ります。公募のページから分野・応募資格・締切を取り出し、研究者の台帳に照らして、合いそうな研究者と確かめる点を研究支援の担当に示し、担当が確かめてから研究者に届けます。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude/Gemini
連携・自動化
Make/n8n/Power Automate/Zapier
対象業界
その他/医療/教育
対象部門
研究開発
対象業務
情報検索/比較検討
主な課題
人手が足りない/情報が見つからない/期限・対応漏れが起きる
AIで行う処理
エージェント
主な効果
対応スピード向上/工数削減/機会損失防止
導入難易度
★★★☆☆
実装レベル
本格構成
費用感
API連携(中)
人間の確認
条件付き
現在工数
30h/月
AI導入後
10h/月
想定削減
67%
年間削減
240h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. URA が毎週、担当の配分機関・省庁・財団のページを開き、前回見たところから新しい公募を探す
  2. 公募のページと公募要領を開き、分野、対象、応募資格、研究費の規模、期間、締切を書き出す
  3. 学内の研究者の台帳を見て、テーマが合いそうな研究者を挙げ、職位や若手の要件に当たるかを確かめる
  4. 学内の締切を計算し、研究者に案内のメールを送る
  5. 応募の意向が返ってきたら、学内の手続きに進める
導入後(After)
  1. 自動毎週月曜の朝7時にワークフローが動き、見回りの先の一覧のページを取る
  2. 自動前回までに取ったページの識別子と比べ、新しい公募・予告・更新だけを拾う。採択の結果は件数だけにする
  3. 自動新しい公募の詳細のページを取り、本文の文字を取り出す
  4. 自動締切の和暦を西暦に直し、学内の締切を規則で計算する
  5. 【AI】 エージェントが分野・対象・応募資格・規模・期間を取り出し、研究者の台帳と応募の記録を引いて、合いそうな研究者と確かめる点を挙げる
  6. 人URA が候補を確かめ、案内する研究者を決める
  7. 自動決めた研究者ごとに、その週の公募をまとめた案内を送る
  8. 人応募の意向が返ってきたら、学内の手続きに進める
各工程の詳しい説明を読む
  1. URA が毎週、担当の配分機関・省庁・財団のページを開き、前回見たところから新しい公募を探す
  2. 公募のページと公募要領を開き、分野、対象、応募資格、研究費の規模、期間、締切を書き出す
  3. 学内の研究者の台帳を見て、テーマが合いそうな研究者を挙げ、職位や若手の要件に当たるかを確かめる
  4. 学内の締切を計算し、研究者に案内のメールを送る
  5. 応募の意向が返ってきたら、学内の手続きに進める

(a)見る先が多く、見回りが追いつかない。 配分機関と財団を合わせると、見るページは数十あります。学内の締切や採択の手続きが重なる週は、見回りが後回しになります。

(b)案内が知っている研究者に偏る。 台帳のキーワードを毎回引くのは手間なので、担当の URA がテーマを覚えている研究者に案内が集まります。 着任したばかりの研究者や、分野をまたぐ研究者には届きにくくなります。

(c)応募資格の確かめに時間がかかる。 「若手育成枠」の対象かどうかは、公募ごとに条件が違います。公募要領の該当の箇所を探して読み、台帳の学位の取得年と見比べるだけで数分かかります。

(d)学内の締切に間に合わない時期に気づく。 見回りが1週遅れると、学内の締切まで数日しか残らず、研究者が応募をあきらめます。

  1. 【自動】 毎週月曜の朝7時にワークフローが動き、見回りの先の一覧のページを取る
  2. 【自動】 前回までに取ったページの識別子と比べ、新しい公募・予告・更新だけを拾う。採択の結果は件数だけにする
  3. 【自動】 新しい公募の詳細のページを取り、本文の文字を取り出す
  4. 【自動】 締切の和暦を西暦に直し、学内の締切を規則で計算する
  5. 【AI】 エージェントが分野・対象・応募資格・規模・期間を取り出し、研究者の台帳と応募の記録を引いて、合いそうな研究者と確かめる点を挙げる
  6. 【人】 URA が候補を確かめ、案内する研究者を決める
  7. 【自動】 決めた研究者ごとに、その週の公募をまとめた案内を送る
  8. 【人】 応募の意向が返ってきたら、学内の手続きに進める

2番目と4番目をAIにさせないのは、意図してのことです。 新しいかどうかはページの識別子で決まり、締切は書かれた日付の変換と学内の取り決めで決まります。AIに日付を読ませると、曜日や「正午」を落としたときに理由を追えません。

6番目で、URA が確かめてから送るのは、案内の質を研究者が判断するからです。 合わない公募が続けて届くと、研究者は案内を読まなくなります。

02今回想定するシステム構成

構成図
配分機関・省庁・財団の公募の一覧(AMED の掲載日順一覧 など)
   │
   ▼【トリガー】Schedule Trigger(毎週月曜 7時、Asia/Tokyo)
n8n のワークフロー
   ├──▶ HTTP Request + HTML で一覧から掲載日・件名・詳細のリンク・印を取り出す
   ├──▶ 前回までに取った識別子と比べ、新しい公募を拾う
   ├──▶ HTTP Request + HTML で詳細のページの本文を取り出す
   ├──▶ 締切の和暦を西暦に直し、学内の締切を計算する
   ▼
AI Agent ノード(Tools Agent)+ Claude
   │  公募1件ごとに、道具を選んで引く
   │   ・研究者の台帳をキーワード・分野で引く
   │   ・研究者の職位・学位の取得年を引く
   │   ・応募と採択の記録を引く(同じ事業への応募・採択中の課題)
   │  Structured Output Parser で決まった形のJSONを返す
   ▼
候補の一覧(PostgreSQL)→【人】URA が確かめる → 研究者ごとの案内
役割想定する製品代替候補
ワークフローn8nMake、Power Automate、Zapier
生成AIClaude API(n8n の Anthropic Chat Model ノード)OpenAI API、Gemini API
連携PostgreSQL(研究者の台帳の写し、取得済みの公募、候補の一覧)MySQL
通知学内のメール配信学内のチャット

新しく足すのは、n8n のワークフローと、写しのデータベースだけです。 研究者の台帳の本体には書き込みません。毎晩、台帳と応募の記録から必要な列だけを写し、エージェントはその写しを引きます。

見回りの例として、AMED の掲載日順一覧を取ります。 一覧には掲載日(「令和8年10月7日」のような和暦)、件名、詳細のページへのリンクが並び、件名の横に「若手あり」「公募中」の印が付くものがあります。リンクのファイル名は、予告が A_、公募が B_、採択の結果が C_ で始まっていました。 予告と公募と採択が1つの一覧に混ざっているので、ファイル名の頭の文字で振り分けます。

詳細のページには、基本情報として公募の段階、開発フェーズ、分野、公募の締め切り、問い合わせ先が並び、続く公募内容に研究開発課題ごとの規模・期間・採択の予定数の表があります。 先ほどの難治性疾患の公募では、締め切りが「令和8年11月24日(火) 正午【厳守】」、公募内容に「本公募には「若手育成枠」の対象となる研究開発課題が含まれています」とありました。若手育成枠の細かな条件は公募要領に書かれるので、エージェントには「要領で確かめる」という確かめる点として出させます。

n8n のエージェントを選ぶ理由は、公募1件ごとに引き方が変わるからです。 分野がはっきりしていれば分野で台帳を引き、分野をまたぐ公募はキーワードで引き、若手の枠があれば学位の取得年まで引きます。Tools Agent は、道具の機能を理解し、タスクに応じてどの道具を使うかを決めるとされています。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

毎週月曜の朝7時に、Schedule Trigger で動かします。 URA が週の初めに候補を確かめ、火曜までに研究者へ案内するためです。学内の締切が近い公募は、週の途中でも見落とさないよう、締切の2週間前と1週間前に、応募の意向が無い研究者の一覧を URA に出します。

Schedule Trigger は、ワークフローのタイムゾーンが無ければ n8n のインスタンスのタイムゾーンを使い、セルフホストの既定は America/New York とされています。ワークフローのタイムゾーンを Asia/Tokyo にし、保存して公開します。公開しないと Schedule Trigger は動かないとされています。週の間隔では、曜日と時刻を選べます。

このワークフローが止まったことに、人が気づける仕組みを必ず作ります。 実行が終わったら、新しい公募がゼロでも「今週の見回り完了(見回りの先 32、新しい公募 0件)」を URA に出します。通知が来ないこと自体が、止まった合図になります。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
見回りの先の表先の名前、一覧のURL、一覧と詳細の取り出しの指定(CSS セレクター)、担当の URAURA が作る表
一覧掲載日、件名、詳細のリンク、印(若手あり・公募中)各先の一覧のページ
詳細公募の段階、分野、締め切り、問い合わせ先、公募内容(課題・規模・期間・予定数)詳細のページ
取得済みの識別子前回までに取った詳細のリンク候補の一覧
研究者の台帳の写し研究者番号、所属、職位、専門分野、キーワード、学位の取得年学内の台帳から毎晩写す
応募と採択の記録研究者ごとの応募中・採択中の事業と課題学内の記録から毎晩写す
学内の締切の規則配分機関の種類ごとに、公募の締切の何営業日前を学内の締切にするか研究推進部の取り決め

質を決めるのは、研究者の台帳のキーワードです。 専門分野の欄だけで引くと、分野をまたぐ研究者が漏れます。研究者に年1回、キーワードを5〜10語見直してもらう運用を、この構成と一緒に始めます。

財団の公募は、見回りの先の表に財団ごとの一覧のページを足していきます。 助成財団センターの説明では、「助成・奨学金情報navi」の情報は原則として毎年1回更新され、各団体が随時更新・追加しているとされています。naviは研究者の分野に合う財団を見つける入口に使い、見つけた財団の募集のページを見回りの先の表に足します。

Step3

データの取得方法を決める

取るものどこからどう取るか
一覧の HTML見回りの先の表のURLHTTP Request(GET)
掲載日・件名・リンク・印一覧の HTMLHTML ノード(文字と href 属性)
新しい公募取得済みの識別子との比較Postgres ノードで取得済みを引き、含まれないものを残す
詳細の本文詳細のページHTTP Request + HTML ノード(基本情報と公募内容の文字)
台帳・応募の記録写しのデータベースエージェントの道具(Postgres の Select)

取り出しは、n8n の HTML ノードで行います。 Extract HTML Content は、CSS セレクターで要素を指定し、テキスト・属性・HTML を取り出せます。 先ごとに作りが違うので、セレクターは見回りの先の表に先ごとに持たせます。作りが変わって何も取れなくなった先は、その先だけを止めて URA に知らせます。

詳細のページは、間隔を空けて1件ずつ取ります。 HTTP Request の Batching で、1回に送る件数と次の送信までの待ち時間を決められます。応答のヘッダーを待つ時間の上限を Timeout で決め、1つの先が止まっても全体を止めないようにします。

公募要領の PDF は、このワークフローでは読みません。 詳細のページに書かれた範囲で候補を出し、応募資格の細かな条件は、URA が案内の前に要領で確かめます。 要領まで読ませると、1件あたりに渡す量が何倍にもなり、資格の条件を要約させたくなります。要約された資格の条件は、原文と少しずれただけで誤った案内になります。

AMED の公募情報のページには、公募カレンダー(表計算のファイル)も載っています。 予告より前の年間の見通しとして、URA が年度の初めに見るのに使い、このワークフローの見回りの対象にはしません。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 予告・公募・採択を分ける … リンクのファイル名や件名の言葉(「公募予告」「採択」)で分け、採択の結果は件数だけにします
  2. 締切を西暦に直す … 「令和8年11月24日(火) 正午【厳守】」を、日付・時刻・注記に分けて直します。直せないものは文字のまま残し、URA が見ます
  3. 学内の締切を計算する … 取り決めの規則で、公募の締切から学内の締切を出します。規則に無い種類の先は「学内の締切を決める」と印を付けます
  4. 情報の更新を見分ける … 件名の「(情報更新)」は、前回の公募と同じ事業の更新として前回の候補を添えます
  5. 写しの日付を確かめる … 前夜の台帳の写しが作られていなければ、照合を止めて「照合できていない」と通知します
  6. 本文の長さをそろえる … 公募内容の表は、課題の番号・名前・規模・期間・予定数の行に分けて渡します
  7. 予告と公募をつなぐ … 予告で拾った事業の公募が出たら、予告のときの候補の研究者と案内の記録を添えます。予告で準備を始めた研究者に、公募の開始を確実に知らせるためです

2番目と3番目を規則にしているのが、第3章の(d)への答えです。 和暦の直しや営業日の数え方を誤ると、研究者が準備に使える日数を多く見せてしまいます。

Step5

AIに処理させる

させるのは、公募1件ごとに、分野・対象・応募資格・規模・期間を取り出し、研究者の台帳と応募の記録を引いて、合いそうな研究者と確かめる点を挙げることです。

させること使う道具返すもの
公募の中身を取り出す-事業名、課題の番号と名前、分野、開発フェーズ、規模、期間、予定数
応募資格の記載を写す-若手の枠、職位、所属の種類、重複応募の制限の記載(原文のまま)
合いそうな研究者を引く台帳を分野・キーワードで引く研究者番号、所属、合ったキーワード
資格に関わる情報を添える台帳の職位・学位の取得年を引く職位、学位の取得年
応募の状況を添える応募と採択の記録を引く同じ事業への応募中・採択中の課題
確かめる点を書く-要領で確かめること、研究者に聞くこと

応募の状況を添えるのが、第3章の(c)への答えです。 採択中の課題があると応募できない、同じ事業に複数応募できない、といった制限は公募ごとに違います。エージェントは制限があるかを判断せず、記録を添えて URA に見せます。

させないこと理由
対象外の結論資格の条件は公募要領で確かめる。台帳の情報だけで外さない
締切・学内の締切の計算前処理の規則で行う
応募を勧める・勧めない応募するかは研究者が決める
若手の枠に当たるかの判定条件は公募ごとに違い、要領で確かめる
研究計画の中身の助言URA と研究者が行う

1行目が、この構成でいちばん大事な線です。 台帳の職位が古いまま、学位の取得年が空欄のまま、という研究者はいます。台帳の欠けを理由に候補から外すと、合う公募が届かないまま締切を過ぎます。

Step6

指示内容を固定する

AI Agent ノードの System Message に、次のように書きます。

あなたは大学の研究推進部で、新しく出た研究費の公募を読み、
学内の研究者のうち合いそうな人を挙げる担当です。
入力は、公募1件の件名、詳細のページの本文、締切(西暦に直したもの)、
学内の締切です。

【やること】
1. 事業名、課題ごとの番号・名前・分野・開発フェーズ・規模・期間・
   予定数を取り出す。
2. 応募資格に関わる記載(若手の枠、職位、所属の種類、重複応募の制限)を
   本文からそのまま写す。
3. 分野とキーワードで研究者の台帳を引き、合いそうな研究者を挙げる。
4. 挙げた研究者について、職位と学位の取得年を引く。
5. 応募と採択の記録を引き、同じ事業への応募中・採択中の課題を添える。
6. URA が公募要領で確かめるべきこと、研究者に聞くべきことを書く。

【厳守事項】
- 本文に書かれていない応募資格を書かないでください。
- 台帳の情報で資格を満たさないように見えても、候補から外さないでください。
  気になる点は check_points に書いてください。
- 台帳の欄が空のときは、その研究者を外さず、fit_basis に何が合ったかを
  書き、check_points に「台帳に◯◯の記載なし」と書いてください。
- 若手の枠に当たるか、応募できるかの結論を書かないでください。
- 締切の日付を計算し直さないでください。入力の値を使ってください。
- 応募を勧める・勧めない、採択の見込みを書かないでください。
- 採択の結果や、公募でない案内と判断したときは relevant を false に
  してください。

【出力】指定のJSONの形で返してください。

「台帳の欄が空でも外さない」が、この指示の要です。 学位の取得年が空の研究者を、若手の枠の公募から外すと、若手の研究者ほど台帳の整備が遅れているため、いちばん届けたい人に届かなくなります。

Step7

出力形式を固定する

Structured Output Parser で、次の形のJSONを返させます。

{
  "call_id": "", "funder": "", "title": "", "stage": "advance | open | update",
  "relevant": true,
  "deadline": "", "internal_deadline": "",
  "topics": [
    { "code": "", "name": "", "field": "", "phase": "",
      "budget": "", "period": "", "planned_awards": "" }
  ],
  "eligibility_text": [""],
  "has_early_career_slot": "yes | no | unknown",
  "candidates": [
    { "researcher_id": "", "department": "", "position": "",
      "degree_year": "", "matched_keywords": [""],
      "fit_basis": "field | keyword | both",
      "related_applications": [""],
      "check_points": [""] }
  ],
  "check_points": [""]
}

1つ目の理由は、stage と internal_deadline で案内の順を規則で決められることです。 急ぎの度合いはAIに決めさせず、ワークフローが次の規則で付けます。

急ぎ条件
至急公募中で、学内の締切まで14日以内
今週公募中で、学内の締切まで15日以上
予告予告の段階。研究者に早めに知らせ、準備を始めてもらう
記録候補が無い(件名だけを週1回まとめる)

2つ目は、check_points を研究者ごとに持たせられることです。 同じ公募でも、ある研究者には「採択中の課題との重複を要領で確かめる」、別の研究者には「台帳に学位の取得年の記載なし」と、確かめることが違います。

3つ目は、has_early_career_slot を3つの値にしたことです。 本文に若手の枠の記載が無いことと、枠が無いことは違います。分からないものは unknown にし、URA が要領で確かめます。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
配分機関・財団のページHTTP Request(GET)+ HTML ノード一覧と詳細を取る
写しのデータベースPostgres ノード(Select)台帳・応募の記録を引く
Claude APIAnthropic Chat Model ノード取り出しと候補の整理
候補の一覧Postgres ノード(Insert)エージェントの出力と URA の判断
学内のメール配信研究者ごとの案内URA が承認したものだけを送る

候補の一覧への書き込みは、ワークフローの側で行います。 エージェントの道具には写しを引く Select だけを渡します。Postgres ノードはAIエージェントの道具として使え、公式の説明では、クエリパラメーターのデータは n8n が無害化し、SQL インジェクションを防ぐとされています。公募の本文の文字を、そのまま問い合わせに埋め込まないでください。

研究者への案内には、公募のページへのリンクと出典を付けます。 AMED のサイトポリシーでは、内容を引用・転載するときは出典を明示し、編集・加工したものは加工した旨を書き、あたかも機構が作成したかのような形で使ってはいけないとされています。案内の文面は「研究推進部が公募のページをもとにまとめたもの」と明記し、正式な内容は公募のページと要領で確かめるよう添えます。

Step9

人が確認する

  1. 至急から見る … 学内の締切まで14日以内のものは、要領で応募資格を確かめ、すぐに研究者に案内します
  2. 候補の研究者を確かめる … matched_keywords と check_points を見て、案内する研究者を決めます。候補から外すのは URA です
  3. 候補の無い公募を流し見る … 件名を見て、合う研究者に心当たりがあれば足します。足した理由は台帳のキーワードの見直しに回します
  4. 案内を承認する … 研究者ごとのまとめの案内を確かめて送ります
  5. 結果を記録する … 案内した研究者、応募の意向、応募したかを候補の一覧に残します

3番目を省かないでください。 照合の漏れは、台帳のキーワードの抜けから起きます。URA が件名を見て気づくことが、台帳を育てる経路です。

目標は、1件をならして3分です。 候補の無い公募は件名を見るだけで済み、至急の公募は要領を読んで10分を超えます。

Step10

例外に対処する

起きること対応
先のページが取れない「見回りできず」を通知。前回の一覧を今回とみなさない
作りが変わり、何も取り出せないその先だけを止め、URA に知らせる
1回で新しい公募が極端に多い作りの変化を疑い、件数の上限を超えたら止める
情報の更新で締切が変わる前回の締切と並べ、変わったことを至急の扱いで案内済みの研究者の担当 URA へ
締切が西暦に直せない文字のまま残し、至急の扱いで URA へ
学内の締切の規則に無い先「学内の締切を決める」の印を付けて URA へ
台帳の写しが古い照合を止め、「照合できていない」と通知
エージェントの出力がスキーマに合わない件名とURLだけを至急の扱いで URA に回す
道具の呼び出しがくり返し止まらないMax Iterations で上限を決め、超えたら人へ

4行目で、直せない締切を至急で回すのは意図してのことです。 締切が分からない公募は、間に合うかどうかが分からないという意味で、確かめるまでは最も重く扱います。

Step11

記録を残す

  • 実行ごとの先ごとの取得の成否と、新しく拾った識別子の一覧
  • 取った詳細のページの本文
  • エージェントのJSON出力と、呼んだ道具の順番
  • URA の判断 … 案内した研究者、外した研究者と理由、承認した日時
  • 公募の掲載日、拾った日時、研究者に案内した日時、応募の意向が返った日時

最後の行が、この構成の物差しです。 掲載から案内までの日数を並べると、見回りの遅れか、学内の確かめの遅れかが分かれて見えます。

04実装レベルの3段階

最小構成:公募の本文と研究者の行を生成AIの画面に貼る / 1件ごとの取り出しと候補
半自動化:上記+n8n で先の一覧を毎週取り、新しい公募を拾い、締切と学内の締切を計算する / 見回りと締切の整理
本格構成:上記+エージェントによる取り出し、台帳と応募の記録の照合、急ぎの順の一覧、研究者ごとの案内のまとめ / 見回りから候補と案内のまとめまで

半自動化だけでも、①の見回りと④の締切の計算はほぼ無くなります。 新しい公募の拾い出しと締切の計算は、AIを使わずに組めます。残るのは、本文を読む②と、台帳を引く③です。 本格構成で減るのは、その②と③です。 半自動化を1か月回して、拾った公募に漏れが無いかを URA のこれまでの見回りと比べてから、エージェントを足してください。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
4 名
月間件数
200 件
1件あたり現在時間
9 分
1件あたり導入後時間
3 分
現在  200件 × 9分 ÷ 60 = 30 時間/月
導入後 200件 × 3分 ÷ 60 = 10 時間/月
月間削減時間
20h
削減率
67%
年間削減時間
240h
年間金額換算(時間単価3,000円)
72万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 研究者が数百名いる大学・大学病院・研究所の研究推進の部署(URA、研究支援の事務)で、公的機関と民間の財団の公募を担当者が毎週見て、研究者に案内している場合。研究者の専門と職位を書いた学内の台帳があり、案内が担当者の知っている研究者に偏っている場合。公募の締切に対して学内の締切を早めに置いていて、案内の遅れが応募の断念につながっている場合。
向いていない
  1. 研究者が数十名で、担当者が全員の研究テーマを覚えていて案内が負担にならない場合。研究者の専門分野や職位を書いた台帳が無く、照らす相手が無い場合(先に台帳の整備が要ります)。なお、応募するかどうか、応募資格を満たすかの最終の判断、研究計画の中身の助言は、この構成では代替できません。

07最小構成で試す方法

  1. 過去3か月の公募から、10件を選ぶ(若手の枠があるもの、分野をまたぐもの、財団の公募を入れる)
  2. 研究者の台帳から、合いそうな分野の研究者20名ほどの行(所属・職位・キーワード・学位の取得年)を書き出す
  3. 生成AIの画面に、公募のページの本文と研究者の行を貼り、「公募から分野・規模・期間と応募資格の記載をそのまま取り出し、研究者の行と照らして合いそうな人を挙げてください。資格を満たさないように見える人も外さず、確かめる点を書いてください。応募の可否の結論は書かないでください」と指示する
  4. 出てきた候補を、当時の URA の案内と比べる
出てきた内容判断
当時の案内と同じ研究者が出たワークフローを組む段階に進む
資格の結論を書いた・台帳の空欄で外した指示の書き方で直る。check_points に寄せる
キーワードが合わず候補が出ない台帳のキーワードの見直しが先

3行目が出ることは珍しくありません。 その場合は、候補が出なかった研究者に、キーワードを5〜10語足してもらってから試し直してください。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
台帳の空欄で候補から外す外す権限を持たせず、空欄は check_points に書かせる
若手の枠の有無を「無い」に寄せるhas_early_career_slot を3値にし、unknown は要領で確かめる
和暦の締切を読み違える前処理の規則で直し、直せないものは至急で人へ
採択の結果まで案内してしまうリンクの頭の文字や件名で予告・公募・採択を分ける
先のページの作りが変わり、取れなくなる先ごとに止めて知らせる
見回りが止まったことに気づかない件数ゼロでも完了の通知を出す
案内が配分機関の文書のように見える研究推進部がまとめたものと明記し、出典とリンクを付ける
公募の文字を SQL に埋め込むパラメーター付きの問い合わせを使う
予告で準備を始めた研究者に公募の開始が届かない予告と公募をつなぎ、予告のときの候補と案内の記録を添える
要領の資格の条件を要約させて誤る要領は読ませず、資格の記載は原文のまま写させる

上の2行が、この構成の失敗のほとんどです。 どちらも、分からないことを「対象外」に寄せることから起きます。公募の案内では、分からないものは URA へ、を出力の形で守ってください。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 公開されている公募の情報、研究者の所属・職位・専門分野・キーワード・学位の取得年、応募と採択の記録です。応募と採択の記録は、研究者にとって外に出したくない情報です。

  1. AIに渡す範囲を絞る … 渡すのは、照合に要る列(所属、職位、専門分野、キーワード、学位の取得年、関係する事業の応募の有無)だけです。氏名と連絡先は渡さず、研究者番号で扱います
  2. 応募するかは研究者が決める … この構成が出すのは候補と確かめる点です。応募を勧める・勧めない、採択の見込みを書かせません
  3. 「対象外」を自動の結論にしない … 台帳の欠け、資格の書き方の違いは、必ず URA に回します
  4. 案内の出典を明示する … 研究推進部がまとめたものであることと、正式な内容は公募のページと要領で確かめることを、案内に必ず書きます
  5. 先のページへの負荷を抑える … 週1回、決まった一覧と新しい詳細だけを、間隔を空けて取ります
  6. 応募と採択の記録を案内に載せない … 研究者に送る案内には、本人の記録も他の研究者の記録も載せません

誤りが起きた場合のリスクは、合う公募を届けそこねることと、合わない公募を送りすぎて案内が読まれなくなることの2つです。 前者のほうが重いので、迷ったものは URA へ、の側に寄せて設計しています。 後者は URA の確かめと台帳のキーワードの見直しで減らします。

10まず何から始めるか

1週目:見回りの先の表を作る

応募の多い配分機関と財団を10ほど選び、一覧のURL、担当の URA、学内の締切の規則を表にします。財団は助成・奨学金情報naviで研究者の分野に合うものを探して足します。

2週目:10件で試す

第8章の手順で、過去の公募10件の候補を出させます。台帳の空欄で研究者を外していないか、資格の結論を書いていないかを見ます。

3週目:台帳の写しとキーワードを用意する

研究者の台帳と応募の記録から、照合に要る列だけの写しを毎晩作ります。キーワードが空欄の研究者に、見直しをお願いします。

4週目:見回りと締切の計算を n8n で動かす

一覧の取得、新しい公募の拾い出し、締切と学内の締切の計算までを組み、件数ゼロでも完了を通知します。エージェントはまだ入れず、拾った公募を URA の見回りと1か月比べます。

それ以降: エージェントと研究者ごとの案内を足し、掲載から案内までの日数を毎月並べます。至急の公募が掲載の週のうちに研究者に届くようになった時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-08/最終更新:2026-10-08
確認した内容情報源確認日
掲載日順一覧に掲載日(和暦)・件名・詳細のリンクが並び、「若手あり」「公募中」の印が付くこと。リンクのファイル名が予告 A_・公募 B_・採択 C_ で始まっていたこと。2026年10月7日に難治性疾患実用化研究事業の公募が載っていたこと(原文を取得して確認)AMED: 掲載日順一覧2026-10-08
詳細のページに公募の段階・開発フェーズ・分野・公募の締め切り・問い合わせ先と、課題ごとの規模・期間・予定数の表があること。締め切りが「令和8年11月24日(火) 正午【厳守】」で、若手育成枠の対象となる課題を含むと書かれていたこと(原文を取得して確認)AMED: 令和9年度「難治性疾患実用化研究事業」に係る公募について2026-10-08
内容の引用・転載に出典の明示が要ること。編集・加工したものは加工した旨を書き、機構が作成したかのような形で使ってはいけないこと(原文を取得して確認)AMED: ご利用上のご注意(サイトポリシー)2026-10-08
助成・奨学金情報naviが、約2,000の助成団体のうち公開を承諾した団体と、一般公募・限定公募の助成プログラムを載せ、原則年1回の更新と各団体の随時の更新があること(原文を取得して確認)助成財団センター: 助成金・奨学金・助成団体を検索したい2026-10-08
Schedule Trigger が、ワークフローのタイムゾーンかインスタンスのタイムゾーン(セルフホストの既定は America/New York)を使うこと。保存して公開しないと動かないこと。週の間隔で曜日と時刻を選べることn8n Docs: Schedule Trigger2026-10-08
HTTP Request ノードの Batching(1回の件数と待ち時間)と Timeout の設定があることn8n Docs: HTTP Request2026-10-08
HTML ノードの Extract HTML Content が、CSS セレクターでテキスト・属性・HTML を取り出せることn8n Docs: HTML2026-10-08
Postgres ノードの操作(Select、Insert、Execute Query など)。AIエージェントの道具として使えること。クエリパラメーターのデータが無害化され SQL インジェクションを防ぐことn8n Docs: Postgres2026-10-08
Tools Agent が道具の機能を理解して使う道具を決めること。System Message、Max Iterations、出力パーサーをつなぐ設定があることn8n Docs: Tools Agent2026-10-08

応募資格と締切は、各配分機関・財団の公募のページと公募要領で確かめてください。 本記事は確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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