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新製品の量産立ち上げ会議(Teams)の記録から、工程ごとの課題・担当・期限を課題表の更新案にまとめ、量産判定に残る課題を一覧にする

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

新製品の量産立ち上げ会議(Teams)の記録から、工程ごとに出た課題・担当・期限・量産判定での扱いを拾い、立ち上げ課題表の更新案にします。あわせて、量産移行判定の会議までに残る課題の一覧を作ります。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude/Gemini/Microsoft Copilot
対象業界
製造
対象部門
品質管理/生産
対象業務
台帳・マスタ管理/記録・議事録作成
主な課題
書類作成に時間がかかる/期限・対応漏れが起きる/確認ミスが多い
AIで行う処理
要約
主な効果
入力漏れ削減/判断支援/工数削減
導入難易度
★☆☆☆☆
実装レベル
半自動化
費用感
SaaS追加(小)
人間の確認
必須
現在工数
30h/月
AI導入後
9h/月
想定削減
70%
年間削減
252h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 立ち上げ担当が品番ごとの立ち上げ会議を主催し、工程の順に課題を確かめる
  2. 会議中、立ち上げ担当が進行しながら手元のメモに課題と担当を書く
  3. 会議の後、メモと録画を見返し、工程ごとに課題・対策・担当・期限を書き出す
  4. 立ち上げ課題表のリストを開き、既存の課題の状態を1件ずつ書き換え、新しい課題を足す
  5. 判定区分が会議で言われていた課題には区分を入れ、分からないものは空けておく
  6. 量産移行判定が近い品番は、区分Aで完了していない課題を表から拾い、品質保証に送る
  7. 更新した課題表のリンクを、出席者に共有する
導入後(After)
  1. 人立ち上げ担当が会議の前日に、その品番の未完了の課題の一覧を会議のチャットに貼る
  2. 人会議では、課題ごとに立ち上げ担当が工程・区分・担当・期限を読み上げて確かめる(「第2溶接、ビードの外観、区分B、暫定は全数目視、恒久対策は製造技術の田中さん、11月14日」)
  3. 人会議の終了後その日のうちに、立ち上げ担当が会議の Copilot に決まった指示を送り、課題の表を作らせる
  4. 自動Copilot が、工程ごとに課題・対策・担当・期限・区分・状態を、発言を引用して表にする
  5. 人立ち上げ担当が表を「立ち上げ課題エージェント」に貼り、課題表の更新案を作らせる
  6. 自動エージェントが、立ち上げ課題表のリストと突き合わせ、既存の課題の更新と新しい課題の追加に分けた更新案を出す
  7. 自動エージェントが、その品番の区分Aの未完了と、恒久対策の期限が無い区分Bを拾い、判定の予定日と並べた一覧を出す
  8. 人立ち上げ担当が更新案を文字起こしで確かめて課題表を更新し、品質保証の担当が判定に残る課題の一覧を確かめる
  9. 人立ち上げ担当が更新した課題表のリンクを出席者に共有する
各工程の詳しい説明を読む
  1. 立ち上げ担当が品番ごとの立ち上げ会議を主催し、工程の順に課題を確かめる
  2. 会議中、立ち上げ担当が進行しながら手元のメモに課題と担当を書く
  3. 会議の後、メモと録画を見返し、工程ごとに課題・対策・担当・期限を書き出す
  4. 立ち上げ課題表のリストを開き、既存の課題の状態を1件ずつ書き換え、新しい課題を足す
  5. 判定区分が会議で言われていた課題には区分を入れ、分からないものは空けておく
  6. 量産移行判定が近い品番は、区分Aで完了していない課題を表から拾い、品質保証に送る
  7. 更新した課題表のリンクを、出席者に共有する

(a)判定区分が残らない。 会議では「これは判定までにやらないとまずい」「全数検査で逃げられるなら判定は通せる」と、区分の話が自然に出ます。ところがメモには課題の中身だけが残り、区分は「言っていた気がする」になります。 5番目で空けた区分は、判定の直前まで空いたままのことがあります。

(b)完了と申告が混ざる。 「治具の修正は終わりました」と言われると、課題表の状態を「完了」にしがちです。修正後の部品の測定がまだでも、表の上では閉じてしまいます。 判定の会議で測定の記録を求められて、初めて確認が済んでいないと分かります。

(c)更新が遅れ、翌週の会議に間に合わない。 9品番の会議が週に9回あり、更新は会議の数日後、ときには翌週の会議の直前になります。

(d)工程の名前がそろわない。 同じ「第2溶接」を、人によって「W2」「溶接2号機」「後工程の溶接」と呼びます。表の工程の欄が揃わないと、工程ごとの残り件数を数えられません。

  1. 【人】 立ち上げ担当が会議の前日に、その品番の未完了の課題の一覧を会議のチャットに貼る
  2. 【人】 会議では、課題ごとに立ち上げ担当が工程・区分・担当・期限を読み上げて確かめる(「第2溶接、ビードの外観、区分B、暫定は全数目視、恒久対策は製造技術の田中さん、11月14日」)
  3. 【人】 会議の終了後その日のうちに、立ち上げ担当が会議の Copilot に決まった指示を送り、課題の表を作らせる
  4. 【自動】 Copilot が、工程ごとに課題・対策・担当・期限・区分・状態を、発言を引用して表にする
  5. 【人】 立ち上げ担当が表を「立ち上げ課題エージェント」に貼り、課題表の更新案を作らせる
  6. 【自動】 エージェントが、立ち上げ課題表のリストと突き合わせ、既存の課題の更新と新しい課題の追加に分けた更新案を出す
  7. 【自動】 エージェントが、その品番の区分Aの未完了と、恒久対策の期限が無い区分Bを拾い、判定の予定日と並べた一覧を出す
  8. 【人】 立ち上げ担当が更新案を文字起こしで確かめて課題表を更新し、品質保証の担当が判定に残る課題の一覧を確かめる
  9. 【人】 立ち上げ担当が更新した課題表のリンクを出席者に共有する

2番目の読み上げが、この設計の分かれ目です。 区分と期限が会議の中で言葉になっていれば、AIにも人にも、その課題の区分は1つに決まります。 担当者にとっても、その場で「区分Aにしてください、判定までに直します」と言い直せる場面になります。

3番目を「その日のうち」にしているのは、立ち上げ会議が毎週の定例だからです。 公式のページでは、定例の会議で後の回の文字起こしが行われると、前の回の Copilot との会話の履歴が使えなくなるとされています。翌週の会議が始まる前に、表を取り出しておく必要があります。

02今回想定するシステム構成

構成図
会議の前日:その品番の未完了の課題の一覧(課題番号・工程・区分・担当・期限)を会議のチャットへ
   ▼
Teams 会議(立ち上げ担当が主催。製造・品質保証・購買・保全、必要に応じて仕入先と設備メーカー)
   │  課題ごとに、立ち上げ担当が工程・区分・担当・期限を読み上げる
   ▼【トリガー】会議の終了と文字起こしの保存
Microsoft Copilot(Teams 会議の Copilot)
   │  決まった指示で、工程ごとの課題の表を作る(発言の引用と時刻つき)
   ▼
Microsoft Copilot(Agent Builder で作る立ち上げ課題エージェント)
   │  知識:立ち上げ課題表(SharePoint のリスト)
   │        新製品立ち上げ規程・量産移行判定の基準・工程の名前の一覧(埋め込んだ文書)
   ├──▶ 課題表の更新案(既存の課題の更新/新しい課題の追加)
   └──▶ 量産判定に残る課題の一覧(区分Aの未完了、恒久対策の期限の無い区分B)
   ▼【立ち上げ担当が文字起こしと照らし、品質保証の担当が判定に残る課題を確認】
立ち上げ課題表の更新は担当者が行う/判定の会議の資料へ
役割想定する製品代替候補
処理Microsoft Copilot(旧称 Microsoft 365 Copilot。Teams 会議の Copilot と、Agent Builder で作る立ち上げ課題エージェント)ChatGPT Enterprise、Claude、Gemini
会議Microsoft Teams(文字起こし)Zoom の文字起こし
台帳SharePoint のリスト(立ち上げ課題表)生産管理システムの課題管理の機能
保管SharePoint(品番ごとの立ち上げのフォルダ)-

新しく足すのは、立ち上げ担当3名と品質保証の担当1名の Copilot のライセンスと、立ち上げ課題エージェントだけです。 Teams 会議の Copilot は、会議の参加者のうち Copilot のライセンスを持つ人が、自分にだけ見えるプロンプトを送れるとされています。製造の係長や仕入先の出席者にライセンスは要りません。

最初に決めるのは、立ち上げ会議を自社が主催することです。 公式のページでは、参加者の組織の外で主催された会議では Copilot が動かないとされています。顧客や設備メーカーが設定した会議に乗る回は、この構成の対象から外れます。

会議の Copilot とエージェントを分けているのは、知識の指定の手間を避けるためです。 Agent Builder の知識には Teams の会議を5つまで指定できますが、9品番の会議が毎週新しく生まれるので、会議を知識に入れると毎回差し替えが要ります。 会議の中身は会議の Copilot に表にさせ、課題表との突き合わせだけを、課題表を知識に持つエージェントにさせます。

エージェントの知識には、立ち上げ課題表のリストを1つだけ指定します。 Agent Builder で指定できる SharePoint のリストは1つまでで、リストは2万行と50MBのテキストまで、超えると切り詰められ、その旨が応答に書かれるとされています。全品番の課題を1つのリストに持ち、品番の列で分けます。 量産に入った品番の課題は、半年ごとに別のリストへ移して行数を抑えます。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

立ち上げ会議が終わり、文字起こしが保存されたことを起点にします。 Teams 会議の Copilot は、会議の後に質問したり会話の履歴を見たりするには、文字起こしが要るとされています。立ち上げ会議は記録を残す会議なので、毎回の文字起こしを規程で決めます。

立ち上げグループの会議ポリシーは、Copilot を「On with saved transcript required」にします。 この値にすると、主催者の会議オプションの既定が「会議中と会議後」になり、主催者は変えられないとされ、これが既定の値です。文字起こしを付け忘れた回に Copilot が使えない、という事故を設定の側で防ぎます。

表を作らせるのは、会議が終わった日のうちの手作業です。 立ち上げ会議は品番ごとの毎週の定例で、翌週の回の文字起こしが行われた時点で、前の回の Copilot との会話の履歴は使えなくなります。週の終わりにまとめて回すと、月曜の会議の言葉の強さを金曜に記憶で確かめることになります。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
文字起こし発言者と時刻の付いた会議の発言Teams 会議の記録
会議のチャット前日に貼った未完了の課題の一覧、会議中に貼られた測定値や写真会議のチャット
立ち上げ課題表課題番号、品番、工程、内容、区分、暫定対策、恒久対策、担当部署と担当者、期限、状態、完了の確認の記録SharePoint のリスト
新製品立ち上げ規程と量産移行判定の基準区分A・B・Cの定義、判定の会議の進め方、完了とする確認の方法エージェントの知識(文書)
工程の名前の一覧品番ごとの工程の正式な名前と、よく使われる呼び方同上

質を決めるのは、2行目の未完了の課題の一覧です。 公式のページでは、文字起こしが始まると、会議の24時間前までの会議のチャットも Copilot が参照するとされています。前日にチャットへ課題番号付きの一覧を貼っておけば、会議で「12番の件」と言われた発言を、課題表のどの行の話かに結び付けられます。 一覧は次の形にします。

【未完了の課題(品番 KX-4410 ドアヒンジASSY)】
L-031|第2溶接|ビード外観のばらつき|区分B|恒久対策:製造技術 田中|11/14
L-034|プレス2|穴位置の寸法(±0.1 外れ)|区分A|金型修正:生産技術 佐々木|10/24
L-037|組立|締結トルクの記録の欠け|区分A|治具の改造:保全 山本|10/31
量産移行判定の予定:11/07(金)

工程の名前の一覧は、(d)の表記ゆれを止めるために持ちます。 「W2」「溶接2号機」と言われても、エージェントが一覧を見て「第2溶接」に揃えます。揃わない呼び方は揃えずに「工程の確認が要る」とさせます。

規程には、区分と完了の定義を書き足します。 区分は「A:判定までに完了が必須」「B:暫定対策を入れて判定可。恒久対策の担当と期限が必須」「C:量産後の対応で可」の3つ。完了は「確認の方法と結果が言われたもの(測定の結果、工程能力の値、試作の数量と不良の数)」と決めます。

Step3

データの取得方法を決める

取るものどこから何に使うか
文字起こしと会議のチャット会議の Copilot(会議のチャットの「Open Copilot」か「まとめ」のタブ)工程ごとの課題、区分と期限の読み上げを拾う
立ち上げ課題表エージェントの知識に、リストを指定する既存の課題との突き合わせ、判定に残る課題の拾い出し
規程・判定の基準・工程の名前エージェントに埋め込んだ文書区分と完了の定義、工程の名前の揃え方
会議の Copilot が作った表立ち上げ担当がエージェントのチャットに貼る更新案の材料

会議の Copilot は、会議のチャットの「Open Copilot」か「まとめ」のタブから開きます。 指示は Word の1ファイルに置き、4名が同じ文面を貼るようにします。人ごとに言い回しを変えると、表の列が変わります。

表で返った応答は、Excel で開けるとされています。 会議の Copilot の応答が表の形なら、そのまま表計算のファイルとして保存できます。秘密度ラベルで会議の内容の書き出しを禁じている場合や、会議のチャット・字幕・文字起こしのコピーと転送を止める設定が入っている場合は、書き出せないとされています。立ち上げ会議に、この2つを付けていないかを先に確かめます。

エージェントの「Only use specified sources」を有効にします。 公式のページでは、この設定は指定した知識を優先させるもので、一般的な知識を完全には止めないとされています。指示の側でも「一般的な品質対策の例で補わない」と書きます。 補われると、会議で誰も言っていない「作業標準の改訂」が対策の欄に入ります。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 立ち上げ会議を自社が主催する … 顧客や設備メーカーから届いた招待には乗らず、立ち上げ担当が品番ごとに設定します
  2. 前日に未完了の課題の一覧をチャットへ貼る … 課題番号・工程・内容・区分・担当・期限と、判定の予定日を入れます
  3. 会議の冒頭で品番を言う … 「KX-4410 の立ち上げ会議を始めます」と言い、記録の頭を決めます
  4. 課題ごとに工程・区分・担当・期限を読み上げる … 新しい課題は「新規」と言い、既存の課題は課題番号で呼びます
  5. 完了の申告には、確認の結果を言ってもらう … 「L-034 は金型修正の後、30個測って全数が公差内」のように、数と結果を言葉にします
  6. 会議の終わりに区分Aの残りを読み上げる … 「区分Aの未完了は2件、判定まで3週間」と件数を言い直します

どれも会議の進め方の決まりです。 システムの前処理ではなく、立ち上げ担当が会議の中で行う前処理です。この構成では、ここを整えるほうが指示を工夫するより効きます。

Step5

AIに処理させる

させるのは、会議で言葉にされた課題とその区分・担当・期限を拾い、課題表の行に対応づけることだけです。

拾うもの拾い方拾えないときの扱い
工程工程の名前の一覧の正式な名前に揃える揃えられなければ「工程の確認が要る」
課題の内容発言を引用する。寸法・数値・品番・設備の名前はそのまま残す-
判定区分読み上げられた区分の言葉(A/B/C)だけで付ける読み上げが無ければ「区分の確認が要る」
暫定対策と恒久対策区分Bは両方を分けて引用し、恒久対策の担当と期限を付ける恒久対策の期限が無ければ「要確認」
担当と期限担当部署・担当者・期限を引用から取る言われていなければ「要確認」
状態新規/継続/完了の候補/完了の申告(確認待ち)確認の結果が言われていなければ「完了の申告(確認待ち)」
既存の課題との対応課題番号で呼ばれたものは、その番号に結ぶ番号が無く内容で近いものは「対応の確認が要る」
させないこと理由
発言の調子から区分を推し量る「まずいですね」が区分Aになり、判定が止まる
確認の結果が無い課題を完了にする測定が済んでいない課題が表の上で閉じる
量産に移行してよいかの見立て判定は判定の会議の責任者が行う
工程能力や寸法の合否の判断合否は規格と測定の記録で品質保証が決める
一般的な品質対策での補い会議で言われていない対策を書かない

1行目がいちばん大事です。 製造の係長が「これは判定までに何とかしたいですね」と言った。希望なのか、区分Aの決定なのかは、AIにも人にも決められません。 読み上げが無ければ「区分の確認が要る」とし、立ち上げ担当が次の会議の冒頭で確かめます。

2行目も同じくらい大事です。 完了を早く付けると、判定の会議で「完了」の課題の確認の記録を求められ、出てこないという場面になります。判定がその場で延びるのは、課題が残っていたときよりも重い失敗です。

Step6

指示内容を固定する

会議の Copilot に送る指示(Word に置き、4名が同じ文面を貼る)です。

この会議は、新製品の量産立ち上げ会議です。
文字起こしと会議のチャットだけを見て、話された課題を工程ごとに表にしてください。
一般的な品質対策の例で補わないでください。

【表の列】
課題番号|工程|課題の内容(発言の引用)|区分|暫定対策|恒久対策|担当部署|担当者|期限|状態|発言者|時刻

【書き方】
- 課題番号は、会議で番号が言われたものだけ入れ、言われていなければ空けてください。
- 内容と対策は、発言の言葉どおりに引用してください。寸法・数値・設備の名前・日付はそのまま残してください。
- 区分は、会議で「区分A」「区分B」「区分C」と読み上げられたものだけ入れてください。
  「まずい」「何とかしたい」などの言い方から区分を推し量らないでください。
  読み上げが無ければ「区分の確認が要る」としてください。
- 担当か期限が言われていなければ「要確認」としてください。
- 状態は次の4つから選んでください。
  新規/継続/完了の候補(確認の方法と結果が言われたもの)/完了の申告(確認待ち)
  「終わりました」だけで、測った数や結果が言われていなければ「完了の申告(確認待ち)」です。
- 量産に移行してよいか、合否は書かないでください。

立ち上げ課題エージェントの指示(Agent Builder の指示の欄に書いておく)です。

あなたは生産技術部の立ち上げ担当を手伝い、量産立ち上げ会議で出た課題を
立ち上げ課題表の更新案にまとめ、量産移行判定に残る課題を一覧にする立場です。
貼り付けられた会議の課題の表、立ち上げ課題表のリスト、
埋め込んだ新製品立ち上げ規程・量産移行判定の基準・工程の名前の一覧だけを見てください。

【更新案の作り方】
- 対象は、表に書かれた品番の行だけです。
- 課題番号のある行は、リストの同じ番号の行と並べ、変わった列だけを示してください。
- 課題番号の無い行は、リストの同じ品番・同じ工程の未完了の課題と内容を見比べ、
  同じ設備の名前・同じ寸法の箇所が出てくるものがあれば「対応の確認が要る」として並べてください。
  無ければ「新しい課題の追加」としてください。
- 工程の名前は、工程の名前の一覧の正式な名前に揃えてください。揃えられなければ「工程の確認が要る」。
- 区分と状態は、貼り付けられた表の値を変えないでください。

【量産判定に残る課題】
- リストと更新案を合わせて、その品番の次の課題を挙げてください。
  1. 区分Aで、状態が「完了」でないもの
  2. 区分Bで、恒久対策の担当か期限が空いているもの
  3. 区分の確認が要るもの
- それぞれの期限と、判定の予定日を並べてください。期限が判定の予定日より後のものに印を付けてください。

【厳守事項】
- 量産に移行してよいか、課題が判定を止めるかの見立ては書かないでください。
- リストに書き込まないでください。更新案を表で示すだけにしてください。
- 一般的な品質対策の例で補わないでください。

2つに分けたのは、会議の言葉を拾う段と、表と突き合わせる段で、誤りの種類が違うからです。 前者の誤りは区分の読み替え、後者の誤りは別の課題への結び付けです。段を分けると、担当者がどちらの段の誤りかを見分けられます。

「区分と状態を変えない」と明記するのは、 表の過去の行から「前回も区分Aだった」と書き換えるのを止めるためです。

Step7

出力形式を固定する

会議の Copilot にもエージェントにも、表の形で返させます。 この構成では課題表への自動登録をしないため、JSON ではなく、立ち上げ担当と品質保証の担当が読んで直しやすい表にします。

【課題表の更新案(品番 KX-4410)】
| 区分け | 課題番号 | 工程 | 変わる列 | 新しい値(引用) | 時刻 |
| 既存の更新 | L-034 | プレス2 | 状態 | 完了の候補「修正後に30個測って、穴位置は全数公差内です」 | 00:08:12 |
| 既存の更新 | L-031 | 第2溶接 | 恒久対策の期限 | 11/14 → 11/21「トーチの交換が1週間遅れます」 | 00:15:40 |
| 新しい課題の追加 | (新規) | 塗装 | - | 「ヒンジの裏の塗装の膜厚が下限ぎりぎり」区分の確認が要る/担当 要確認 | 00:27:05 |
| 対応の確認が要る | L-037? | 組立 | - | 「締結トルクのデータが一部飛んでいる」 | 00:33:50 |

【量産判定に残る課題(判定の予定 11/07)】
| 課題番号 | 工程 | 区分 | 内容 | 担当 | 期限 | 判定日より後 |
| L-037 | 組立 | A | 締結トルクの記録の欠け | 保全 山本 | 10/31 | - |
| L-031 | 第2溶接 | B | ビード外観のばらつき(恒久対策) | 製造技術 田中 | 11/21 | ○(恒久対策の期限) |
| (新規) | 塗装 | 区分の確認が要る | 膜厚が下限ぎりぎり | 要確認 | 要確認 | 要確認 |

1つ目の理由は、時刻で文字起こしに戻れることです。 公式のページでは、Copilot の応答は答えのもとにした情報源を示すとされています。担当者は時刻から発言を開き、引用と区分を照らします。

2つ目は、「区分の確認が要る」と「対応の確認が要る」を独立した行にできることです。 この行は、そのまま次の会議の冒頭で確かめる質問の一覧になります。

3つ目は、判定に残る課題を毎週同じ形で並べられることです。 例では、区分Bの恒久対策の期限が判定日より後にずれています。判定の会議で説明が要る点が、毎週の表に先に出ます。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
Teams 会議会議の Copilot に指示を送る文字起こしと会議のチャットから課題の表を作る
立ち上げ課題表エージェントの知識にリストを指定既存の課題との突き合わせと、判定に残る課題の拾い出し。書き込まない
課題表の更新立ち上げ担当が更新案を見て SharePoint のリストを書き換える文字起こしで確かめたものだけ
量産移行判定の資料品質保証の担当が、判定に残る課題の一覧を判定の資料に貼る判定の予定日の2週前から毎週
出力の保存会議の Copilot とエージェントの出力を、品番のフォルダに Word で保存会話の履歴が消える前に

立ち上げ課題表にはエージェントから書き込みません。 この表は、量産移行判定の会議で「課題が閉じているか」を確かめる根拠になります。文字起こしで確かめていない区分や完了が入ると、判定の根拠が揺らぎます。

Step9

人が確認する

この構成では、全件を人が確かめます。 判定区分と完了は、量産に入ってよいかを決める材料そのものだからです。

  1. 「区分の確認が要る」と「工程の確認が要る」を先に見る … 読み上げが無かった課題です。次の会議の冒頭で、課題の持ち主に区分を確かめます
  2. 完了の候補を文字起こしで確かめる … 根拠の時刻から発言を開き、確認の方法と数と結果が言われているかを見ます。測定の記録が品番のフォルダにあるかも見ます
  3. 区分Bの恒久対策の担当と期限を確かめる … 引用の中に担当と期限があるかを見ます
  4. 「対応の確認が要る」の行を確かめる … 既存の課題と同じものか、別の課題かを決めます
  5. 品質保証の担当が判定に残る課題の一覧を確かめる … 区分Aの残りと、判定日より後の期限を見ます

目標は、1回あたり15分です。 録画の見返しが無くなり、確かめる箇所が時刻で示されるので、見る場所が決まります。

Step10

例外に対処する

起きること対応
顧客や設備メーカーが会議を主催したCopilot は動かない。立ち上げ担当のメモで作り、次回から自社が主催する
区分の読み上げを忘れた「区分の確認が要る」になる。次の会議の冒頭で確かめ、読み上げを徹底する
1つの課題が複数の工程にまたがる工程ごとに行を分けさせる。担当が言われていない工程は「要確認」
会議の後に測定の結果が届いた文字起こしに無い。結果の記録を根拠に担当者が直し、直した記録を残す
海外の設備メーカーが英語で説明した話し言葉の設定を合わせ、引用は英語のまま残す
会議の途中で文字起こしが止まった止まった後の発言は拾えない。出力の最後の時刻を見て、メモで補う
表の書き出しが禁じられていた秘密度ラベルかコピーの禁止の設定を見直す。それまでは応答の表を手で写す
課題表のリストが上限に近づいた切り詰められる。量産に入った品番の課題を別のリストへ移す

上から2行目が、最初の数週はいちばん多く起きます。 立ち上げ担当が読み上げに慣れるまでは、会議の終わりの「区分Aの未完了は何件」を必ず言う決まりにしておくと、抜けた区分がそこで見つかります。

Step11

記録を残す

  • 会議の文字起こしと、会議のチャットに貼った未完了の課題の一覧
  • 会議の Copilot の出力(課題の表)とエージェントの出力(更新案、判定に残る課題の一覧)の全文
  • 担当者が直した箇所 … どの課題の区分・状態・期限を、どう変えたか
  • 完了とした課題の確認の記録(測定の結果、工程能力の値)の置き場所
  • 課題表の更新の記録と、判定の会議に出した一覧の版
  • 会議ごとの「区分の確認が要る」の件数

出力は、会議の当日に Word で保存します。 Copilot との会話の履歴は、定例の会議の後の回の文字起こしが行われると使えなくなり、文字起こしが使えなくなると消えるとされています。品番の立ち上げのフォルダに、会議の日付を付けて置きます。

最後の行が減っていけば、区分を会議の中で言い切る習慣が定着したということです。

04実装レベルの3段階

最小構成:会議の Copilot に区分の定義と指示を貼り、課題を工程ごとの表にさせる / 1回の会議の課題の一次整理
半自動化:上記+立ち上げ課題表を知識に持つエージェントで、更新案と判定に残る課題の一覧を作る / 課題表との突き合わせ、判定に残る課題の毎週の一覧
本格構成:上記+担当者が確認済みの印を付けた更新案を Power Automate で課題表に反映し、期限の前に担当者へ知らせる / 確認済みの更新の反映と、期限の追いかけ

本記事の想定は半自動化です。 1回50分が15分になるのは、録画の見返しと、課題表の行を1件ずつ探して書き換える作業が無くなるからです。 本格構成でも、表に反映するのは立ち上げ担当が確認済みの印を付けた行だけにします。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
4 名
月間件数
36 件
1件あたり現在時間
50 分
1件あたり導入後時間
15 分
現在  36件 × 50分 ÷ 60 = 30 時間/月
導入後 36件 × 15分 ÷ 60 = 9 時間/月
月間削減時間
21h
削減率
70%
年間削減時間
252h
年間金額換算(時間単価4,000円)
101万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 自動車部品・電機・機械などで新製品の量産立ち上げが常に複数並行しており、製品ごとに週1回の立ち上げ会議を Teams で開いている製造業。生産技術・製造・品質保証・購買が集まる会議の後に、立ち上げ担当が録画を見返して課題表を更新しており、更新が翌週の会議の直前になっている場合。量産移行判定の会議で「判定までに完了が必須の課題が実は残っていた」と分かることがある場合。立ち上げ担当と品質保証の担当が Microsoft Copilot(旧称 Microsoft 365 Copilot)を使える場合。
向いていない
  1. 新製品の立ち上げが年に1件程度で、課題表を担当者1人の記憶で回せる場合。立ち上げ会議を顧客や設備メーカーが主催する運用を変えられない場合(社外で主催された会議では Copilot が動きません)。会議を対面だけで行い、文字起こしを残せない場合。なお、量産に移行してよいかの判定、課題の判定区分の決定、工程能力や品質の合否の判断は、量産移行判定の会議の責任者と品質保証の責任者が行います。この構成は記録と一覧づくりを助けるもので、判定は代替しません。

07最小構成で試す方法

  1. 量産移行判定を最近終えた品番から、文字起こしが残っている立ち上げ会議を3回選ぶ(うち1回は、判定の直前に区分Aの残りが見つかった時期の回を入れる)
  2. 会議のチャットの「Open Copilot」か「まとめ」のタブから Copilot を開く
  3. 新製品立ち上げ規程の区分と完了の定義を Copilot に貼る
  4. 第7章の会議の Copilot への指示を貼り、工程ごとの課題の表を作らせる
  5. 出てきた表を、当時の議事録と立ち上げ課題表と突き合わせる

判定の直前に残りが見つかった時期の回は必ず入れてください。 その課題が、当時の課題表では区分が空いていて、表では「区分A」か「区分の確認が要る」と出るかを確かめます。

出てきた内容判断
当時の表で区分が空いていた課題に、読み上げどおりの区分が付いたエージェントに進む
「何とかしたい」が区分Aに読み替えられた指示の区分の付け方が効いていない。書き方で直る
ほとんどが「区分の確認が要る」会議の進め方が先。 区分の読み上げを決める

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
「何とかしたい」が区分Aとして書かれる区分は読み上げの言葉だけで付けると、規程と指示に書く
「終わりました」で完了になる完了の候補は確認の方法と結果が言われたものだけにする
前の回の Copilot の履歴が消える定例の会議なので、表を会議の当日に取り出して保存する
工程の呼び方がばらばら工程の名前の一覧を埋め込み、揃わないものは「工程の確認が要る」
エージェントが表の履歴から区分を書き換える区分と状態は貼り付けた表の値を変えないと指示する
課題番号の無い発言が別の課題に結ばれる内容が近いだけなら「対応の確認が要る」にする
一般的な品質対策で補われる「Only use specified sources」と、指示の「補わない」を両方入れる
設備メーカーの主催で Copilot が使えない自社が主催することを規程に書く

上の2行が、この構成の失敗のほとんどです。 どちらも、言葉の強さを読み替える失敗です。人も同じ失敗をしますが、AIは同じ失敗を毎回同じように繰り返します。区分と完了を規程で定義し、迷ったら弱いほうに倒す向きを決めておけば、毎回同じように防げます。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 発売前の新製品の品番と図面上の寸法、工程の不具合と工程能力、顧客の車種の日程、仕入先と設備メーカーの名前、担当者の氏名です。発売前の製品の情報と、顧客との日程は、顧客との秘密保持の対象です。

  1. エージェントの共有を絞る … エージェントに埋め込んだ文書は、エージェントを使えるすべての人がその内容に基づく応答を見られるとされています。エージェントは立ち上げ担当3名と品質保証の担当1名だけに共有します
  2. 知識に入れる表を絞る … Copilot は、利用者が少なくとも閲覧の権限を持つ組織のデータだけを示すとされています。立ち上げ課題表のリストの閲覧の権限を、立ち上げに関わる部署に限ります
  3. 社外の出席者に、記録に使うことを伝える … 仕入先や設備メーカーが加わる回は、冒頭で文字起こしを課題表に使うことを伝えます。相手の担当者の発言を引用して残すので、相手の社内でも共有してもらいます
  4. データの扱いを確かめておく … Microsoft の公式ページでは、プロンプト、応答、Microsoft Graph で参照したデータは基盤のモデルの学習に使われないとされています。また、EU 以外の顧客のクエリは米国、EU、その他の地域で処理されうるとされています。顧客との秘密保持の契約と、自社のクラウドの利用の基準に照らしておきます
  5. 区分と完了を自動で確定させない … 判定区分も完了も、立ち上げ担当と品質保証の担当が確かめてから表に入れます
  6. 判定に使う結論を出させない … AIの一覧は、判定の会議の材料です。量産に移行してよいかは、判定の会議の責任者が測定と試作の記録で決めます

誤りが起きた場合のリスクは、区分Aの課題を区分Bや未区分のまま残すことと、確認の済んでいない課題を完了にすることの2つです。 規程で区分と完了を定義し、人が文字起こしと測定の記録で確かめることで防ぎます。

10まず何から始めるか

1週目:立ち上げ規程に2つを書き足す

規程に、区分A・B・Cの定義と、完了とする確認の方法を書き足し、立ち上げ会議を自社が主催することを決めます。立ち上げグループと品質保証部の責任者で作ります。

2週目:3回分の会議で試す

判定を最近終えた品番の立ち上げ会議を3回選び、会議の Copilot に定義と指示を貼って、工程ごとの課題の表を作らせます。判定の直前に見つかった区分Aの残りが、当時の表では区分が空いていて、今回の表では区分付きで出るかを最優先で見ます。

3週目:会議の進め方を変える

前日に未完了の課題の一覧をチャットに貼ること、課題ごとに区分・担当・期限を読み上げること、完了の申告に確認の結果を添えること、終わりに区分Aの残りを言うことを、立ち上げ中の9品番の会議で始めます。製造・保全・購買の出席者に、進め方と文字起こしの使い道を伝えます。

4週目:エージェントを作る

Agent Builder で立ち上げ課題エージェントを作り、指示・規程・判定の基準・工程の名前の一覧を入れ、立ち上げ課題表のリストを知識に指定して、4名にだけ共有します。会議ポリシーで Copilot を「On with saved transcript required」にします。

2か月目: 毎回の立ち上げ会議で使い、「区分の確認が要る」の件数を数えます。3か月目以降: 1回50分が何分になったかを実測し、判定の会議の2週前に、区分Aの残りがすべて担当と期限付きで見えるようになった時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-13/最終更新:2026-10-13
確認した内容情報源確認日
会議の後に質問したり会話の履歴を見たりするには文字起こしが要ること。会議のチャットの「Open Copilot」や「まとめ」のタブから Copilot を開けること。応答が答えのもとにした情報源を示すこと。社外で主催された会議では Copilot が動かないこと。定例の会議で後の回の文字起こしが行われると前の回の履歴が使えなくなること。文字起こしが使えなくなると Copilot が使えず履歴も消えること。文字起こしが始まると会議の24時間前までの会議のチャットを含めること。表の形の応答を Excel で開けること、秘密度ラベルやコピー・転送の禁止の設定があると書き出せないことMicrosoft Support: Get started with Copilot in Microsoft Teams meetings2026-10-13
ライセンスを持つ参加者が自分にだけ見えるプロンプトを送れること。会議ポリシーの On with saved transcript required が既定で、主催者の会議オプションが「会議中と会議後」に固定されることMicrosoft Learn: Manage Microsoft Copilot in Teams meetings and events2026-10-13
Agent Builder の知識に、Teams の会議を5つまで、SharePoint のリストを1つまで、埋め込んだファイルを20個まで指定できること。リストが2万行と50MBのテキストまでで、超えると切り詰められ応答にその旨が書かれること。エージェントを使えるすべての人が埋め込んだファイルに基づく応答を見られること。「Only use specified sources」は指定した知識を優先させる設定で、一般的な知識を完全には止めないことMicrosoft Learn: Add knowledge sources to an agent in Agent Builder2026-10-13
Microsoft 365 Copilot が Microsoft Copilot に改称されたこと。利用者が少なくとも閲覧の権限を持つ組織のデータだけを示すこと。プロンプト・応答・Microsoft Graph で参照したデータが基盤のモデルの学習に使われないこと。EU 以外の顧客のクエリが米国・EU・その他の地域で処理されうることMicrosoft Learn: Data, Privacy, and Security for Microsoft Copilot2026-10-13

課題の判定区分、完了とする確認の方法、量産に移行してよいかは、量産移行判定の会議の責任者と品質保証の責任者が決めてください。 本記事は公開されている製品の仕様で確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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