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自治体の防災メールと緊急のお知らせの文案を、送る前に日時・場所・避難情報の言葉・問い合わせ先の誤りと分かりにくい表現で校正する

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

防災メールや緊急のお知らせの文案を送る前に ChatGPT に渡し、日付と曜日、避難所の名称、避難情報と気象情報の名称、問い合わせ先を、担当課が用意した一覧と照らして食い違いを拾います。分かりにくい表現には直しの案を付け、送る判断は職員が行います。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude/Gemini/Microsoft Copilot
対象業界
医療/教育/自治体
対象部門
総務
対象業務
内容確認・チェック
主な課題
人手が足りない/属人化している/確認ミスが多い
AIで行う処理
校正
主な効果
品質標準化/対応スピード向上/工数削減
導入難易度
★☆☆☆☆
実装レベル
半自動化
費用感
SaaS追加(小)
人間の確認
条件付き
現在工数
20h/月
AI導入後
8h/月
想定削減
60%
年間削減
144h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 担当者が、ひな形の文書から近い文を選び、日時・地区・避難所・内容を書き換える
  2. もう1人の職員に声をかけ、文案を読み合わせる
  3. 日付と曜日を卓上のカレンダーで、避難所の名称を避難所の台帳で確かめる
  4. 気象情報や避難情報の名称が、いまの名称になっているかを確かめる
  5. 問い合わせ先の課の名前と電話番号を、庁内の電話帳で確かめる
  6. 分かりにくい言い回しがあれば直す
  7. 課長補佐が確認し、防災メールで送り、同じ文をホームページに載せる
導入後(After)
  1. 人担当課が、日付と曜日の一覧、避難所の一覧、名称の一覧、問い合わせ先の一覧をプロジェクトの Sources に置く
  2. 人担当者が、ひな形から文案を書く
  3. 人担当者が、文案を ChatGPT のプロジェクトのチャットに貼り、文案の種類(急ぐ/急がない)を書く
  4. 【AI】 ChatGPT が、一覧と照らして、食い違い・古い名称・欠けている要素を表で返す。急がない文案は、分かりにくい表現と直しの案も返す
  5. 人担当者が表を見て、直すところを直す。直すかどうかは担当者が決める
  6. 人確認者(課長補佐、夜間は当番の責任者)が、文案と表を見て送ってよいかを決める
  7. 人防災メールで送り、同じ文をホームページに載せる
  8. 人送った文と表を、送信の記録の表に残す
各工程の詳しい説明を読む
  1. 担当者が、ひな形の文書から近い文を選び、日時・地区・避難所・内容を書き換える
  2. もう1人の職員に声をかけ、文案を読み合わせる
  3. 日付と曜日を卓上のカレンダーで、避難所の名称を避難所の台帳で確かめる
  4. 気象情報や避難情報の名称が、いまの名称になっているかを確かめる
  5. 問い合わせ先の課の名前と電話番号を、庁内の電話帳で確かめる
  6. 分かりにくい言い回しがあれば直す
  7. 課長補佐が確認し、防災メールで送り、同じ文をホームページに載せる

(a)夜間・休日は読み合わせの相手がいない。 大雨の夜に避難所を開くとき、庁舎に詰めている防災担当は2〜3名で、電話の対応と関係機関との連絡に追われています。 読み合わせを省いて送った文に、翌日の日付が書かれていたことがあります。

(b)名称の改正に、ひな形が追いつかない。 ひな形は何年もかけて継ぎ足されたもので、「避難勧告」が残ったひな形、「土砂災害警戒情報」と書いたひな形が混ざっています。 1番目でそれを選ぶと、改正前の言葉がそのまま送られます。

(c)急ぐほど、日付と曜日が食い違う。 前の日の文を書き換えて作ると、日付だけ直して曜日を直し忘れます。「10月14日(月)」と書いたが、その日は火曜日だった、という食い違いは、読み合わせでも見落とされがちです。

(d)分かりにくさは、書いた本人には見えない。 「〜の可能性も否定できないことから」「〜等の措置を講じます」のような言い回しは、書いた職員には自然でも、住民には何をすればよいかが伝わりません。 読み合わせは誤りを探す場で、言い回しまで直す時間はありません。

  1. 【人】 担当課が、日付と曜日の一覧、避難所の一覧、名称の一覧、問い合わせ先の一覧をプロジェクトの Sources に置く
  2. 【人】 担当者が、ひな形から文案を書く
  3. 【人】 担当者が、文案を ChatGPT のプロジェクトのチャットに貼り、文案の種類(急ぐ/急がない)を書く
  4. 【AI】 ChatGPT が、一覧と照らして、食い違い・古い名称・欠けている要素を表で返す。急がない文案は、分かりにくい表現と直しの案も返す
  5. 【人】 担当者が表を見て、直すところを直す。直すかどうかは担当者が決める
  6. 【人】 確認者(課長補佐、夜間は当番の責任者)が、文案と表を見て送ってよいかを決める
  7. 【人】 防災メールで送り、同じ文をホームページに載せる
  8. 【人】 送った文と表を、送信の記録の表に残す

6番目が、この設計の分かれ目です。 読み合わせの相手はAIに代わりますが、送ってよいかを決める人は残します。 防災メールは市の名前で住民に届く公式の連絡で、AIが「問題なし」と返したことを、送る理由にしてはいけません。

3番目で文案の種類を書かせるのは、見る範囲を切り替えるためです。 避難指示の発令の文案に、言い回しの直しの案が10個並ぶと、担当者はそれを読むのに時間を使い、送信が遅れます。 急ぐ文案では、送る前に必ず直すべき4つのことだけを見させます。

02今回想定するシステム構成

構成図
担当課 ── 日付と曜日の一覧(今年度と来年度)
        ── 避難所の一覧(正式名称・所在地・対象地区)
        ── 名称の一覧(避難情報・防災気象情報。使う名称と、使わない古い名称)
        ── 問い合わせ先の一覧(課の名称・電話番号・受付時間)
        ── 表記の決まり(日付・時刻・電話番号の書き方)
   │  プロジェクトの Sources に置き、プロジェクトの指示を書く
   ▼
担当者 ── 文案を書く(ひな形から)
   ▼
ChatGPT(業務用ワークスペースのプロジェクト)
   │  文案の種類:急ぐ(発令・解除・避難所・断水など)/急がない(訓練・備え)
   ▼
【食い違いと古い名称の表】【分かりにくい表現と直しの案(急がない文案だけ)】
   ▼
担当者が直す →【確認者が送ってよいかを決める】→ 防災メール/ホームページ
   ▼
送信の記録の表
役割想定する製品代替候補
処理ChatGPT(業務用ワークスペースのプロジェクト機能)Claude、Microsoft Copilot、Gemini
配信登録制の防災メールの配信の仕組み防災アプリ、LINE の公式アカウント
掲載ホームページの管理の仕組み-
記録送信の記録の表(共有の表計算)文書管理の仕組み

新しく足すのは、ChatGPT のプロジェクト1つと、Sources に置く一覧だけです。 防災メールの配信の仕組みとホームページの仕組みには手を入れず、ChatGPT と配信の仕組みはつなぎません。 AIが校正した文が、そのまま送られる経路はありません。

プロジェクトは、関連するチャットとファイルと指示をまとめておく機能です。 公式の案内では、プロジェクトの指示はそのプロジェクトのチャット全体に適用され、 Sources に置いたファイルと接続した情報は、そのプロジェクトのチャット全体で使えるとされています。一覧を一度 Sources に置けば、夜間の当番の誰が使っても、同じ一覧で照らします。 1つのチャットに添付したファイルは、そのチャットだけに効きます。

業務用のワークスペースを使うのは、文案の扱いを庁内の決まりに合わせるためです。 公式の案内では、OpenAI は既定では業務のデータをモデルの学習に使わないとされ、Business・Enterprise・Edu のワークスペースでは通信中と保存時の暗号化が示されています。会話の保持はワークスペースの設定に従います。行方不明者の捜索の協力の文案には個人の情報が入るため、 その種類の文案は貼らない決まりにします(第13章)。

照らす名称の一覧は、内閣府と気象庁の公開資料から作ります。 気象庁のよくある質問では、新しい名称は「レベルの数字+現象名+警報等」の構成で統一され、河川の氾濫には「洪水」ではなく「氾濫」という表現を使うこと、大きな河川以外の河川の氾濫は大雨に関する情報の中で扱うことが示されています。こうした変更は、AIが学んだ時点の知識には入っていないことがあります。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

担当者が文案を書き終えたところで、自分でプロジェクトのチャットに貼ります。 防災メールの配信の仕組みとはつながっていないので、貼らなければ校正は行われません。 送信の記録の表に「校正の表を確かめたか」の欄を設け、確認者が送信の前に見ます。

文案ごとに新しいチャットを開きます。 前の文案の会話が残ったチャットで次の文案を見させると、前の文案の日付や地区が混ざることがあります。1つの文案に1つのチャットにします。

夜間・休日は、当番の職員の端末から使えるようにしておきます。 庁内でインターネットに接続できる端末が限られている場合は、災害の対応の本部を置く部屋に、その端末を1台置くことを決めておきます。

Step2

入力データを集める

データ中身用意する人
文案件名と本文。文案の種類(急ぐ/急がない)と、送る予定の日時担当者
日付と曜日の一覧今年度と来年度の、日付と曜日と祝日担当課(年度の初めに作る)
避難所の一覧正式名称、よく使われる通称、所在地、対象の地区、指定の種類担当課(避難所の台帳から)
名称の一覧避難情報と防災気象情報の、使う名称と使わない古い名称と、置き換え担当課(内閣府・気象庁の資料から)
問い合わせ先の一覧課の名称、電話番号、受付の時間、夜間の連絡先担当課(庁内の電話帳から)
表記の決まり日付は「10月14日(火)」、時刻は「午後6時30分」、電話番号の区切り方など担当課

質を決めるのは、名称の一覧の「使わない古い名称」の列です。 「避難勧告」「避難準備・高齢者等避難開始」「避難指示(緊急)」「土砂災害警戒情報」などを並べ、それぞれを何に置き換えるかを書きます。 この列が無いと、AIは古い名称を見つけても、何に直せばよいかを自分の知識で答えます。

名称の一覧は、次のような形で作ります。

【名称の一覧】作成日 2026-06-01(内閣府・気象庁の公開資料で確認)
| 区分 | 使う名称 | 使わない古い名称 | 置き換え |
| 避難情報 | 警戒レベル3 高齢者等避難 | 避難準備・高齢者等避難開始 | 警戒レベル3 高齢者等避難 |
| 避難情報 | 警戒レベル4 避難指示 | 避難勧告/避難指示(緊急) | 警戒レベル4 避難指示 |
| 避難情報 | 警戒レベル5 緊急安全確保 | - | - |
| 気象 | レベル3大雨警報 | 大雨警報 | レベル3大雨警報 |
| 気象 | レベル4大雨危険警報 | - | - |
| 土砂 | レベル4土砂災害危険警報 | 土砂災害警戒情報 | レベル4土砂災害危険警報 |
| 河川 | レベル4氾濫危険警報(対象の河川) | 洪水警報(〇〇川) | 担当課が個別に決める |

最後の行の「担当課が個別に決める」は、置き換えを機械的に決められない例です。 気象庁の資料では、大きな河川以外の河川の氾濫は大雨に関する情報の中で扱われます。どの川がどちらに当たるかは、指定河川洪水予報の対象の河川かどうかで変わるので、一覧には市内の川ごとの扱いを書き足します。

日付と曜日の一覧を置くのは、曜日の計算をAIにさせないためです。 曜日の取り違えは、この業務でいちばん多い誤りです。AIにも曜日を計算させず、一覧の行を引かせて照らします。

Step3

データの取得方法を決める

一覧はすべて、担当課が手元の台帳と公開資料から作る文書です。 外の仕組みからは取りません。

取るものどこから何に使うか
日付と曜日年度の暦(祝日は内閣府の公表)日付と曜日の照合
避難所市の避難所の台帳名称と対象地区の照合
避難情報の名称内閣府の避難情報に関するガイドラインのページ名称の照合と置き換え
防災気象情報の名称気象庁の新たな防災気象情報の特設ページとよくある質問名称の照合と置き換え
問い合わせ先庁内の電話帳課の名称と電話番号の照合

一覧は、変わったときに担当課が差し替えます。 避難所の追加、課の名称の変更、名称の改正があったら、その日のうちに Sources のファイルを差し替えます。差し替えた日を一覧の先頭に書いておき、 表の中でAIにその日付を写させると、どの版で照らしたかが残ります。

気象庁の名称は、自分で確かめてから一覧に入れます。 気象庁の特設ページでは、令和8年5月29日から新たな防災気象情報の運用を始め、これまでの大雨警報は「レベル3大雨警報」という名称に変わったと案内されています。AIに「いまの名称は何か」を聞いて一覧を作ることはしません。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 文案の種類を書く … 文案の先頭に「急ぐ」か「急がない」を書きます。急ぐ文案は、発令・解除・避難所の開設と閉鎖・断水・停電・捜索の協力(個人の情報を除いたもの)です
  2. 送る予定の日時を書く … 「本日」「明日」が何日を指すかを決めるためです
  3. 個人の情報を外す … 行方不明者の氏名・年齢・服装などは貼る前に「〇〇」に置き換えます
  4. ひな形の番号を書く … どのひな形から作ったかを書くと、同じひな形から古い名称が何度も出ていないかを後で数えられます

2番目を省くと、「明日」の日付を照らせません。 夜11時に書いた文案の「明日」と、0時を過ぎてから送ったときの「明日」は違う日です。送る予定の日時を書き、文案の中の「本日」「明日」がどの日付かを表に書かせます。

Step5

AIに処理させる

させるのは、一覧と照らして食い違いを拾うことと、急がない文案で分かりにくい表現に直しの案を付けることです。

見るもの照らす相手判断できないときの扱い
日付と曜日日付と曜日の一覧一覧に無い日付は「要確認」
「本日」「明日」が指す日送る予定の日時予定の日時が無ければ「要確認」
避難所の名称と対象地区避難所の一覧一覧に無い名称は「要確認」(通称なら正式名称を示す)
避難情報・防災気象情報の名称名称の一覧一覧の古い名称は「直す」、一覧に無い名称は「要確認」
問い合わせ先問い合わせ先の一覧一覧に無い電話番号は「要確認」
とるべき行動が書かれているか文案の種類ごとの決まり書かれていなければ「欠けている」
分かりにくい表現(急がない文案だけ)表記の決まり直しの案を1つだけ示す

右端の列で「要確認」を多めに出させるのは、意図してのことです。 一覧に無いものをAIが「たぶん正しい」と判断すると、新しく開いた避難所の名称や、一覧の更新が遅れた電話番号が、誤りと区別されずに通ります。 一覧に無いものは、正しいか誤りかを人が決めます。

させないこと理由
避難情報を出すかどうか、対象地区の判断市町村長が発令するもの。文案はその結果
一覧に無い名称を自分の知識で正しいとすること名称の改正が知識に入っていないことがある
曜日の計算一覧の行を引かせる
文案全体の書き直し担当者が書いた文を、担当者が直す
送ってよいかの判断確認者が決める

2行目がいちばん起きやすい失敗です。 名称の一覧に「レベル4土砂災害危険警報」があっても、AIが学んだ知識では「土砂災害警戒情報」が正しい名称かもしれません。一覧と知識が食い違ったときは、必ず一覧を優先させ、知識で直させません。

Step6

指示内容を固定する

プロジェクトの指示として、次の文を置きます。

あなたは市の危機管理課で、住民に送る防災メールと緊急のお知らせの文案を、
送る前に校正する担当です。文案を直すのではなく、直すべき箇所を表で示してください。

【照らす相手】
Sources の次の一覧だけを根拠にしてください。あなた自身の知識で正しいかを判断しないでください。
- 日付と曜日の一覧 / 避難所の一覧 / 名称の一覧 / 問い合わせ先の一覧 / 表記の決まり

【見ること】
1. 日付と曜日:文案の日付ごとに、一覧の行を引いて曜日を照らす。曜日を自分で計算しない。
2. 「本日」「明日」「今夜」:送る予定の日時から、どの日付を指すかを書く。
3. 避難所:名称を一覧の正式名称と照らす。通称なら正式名称を示す。対象地区も照らす。
4. 名称:避難情報と防災気象情報の名称を、名称の一覧と照らす。
   「使わない古い名称」に当たれば、一覧の置き換えを示す。
   一覧に無い名称は、あなたの知識で正しくても「要確認」にする。
5. 問い合わせ先:課の名称と電話番号を一覧と照らす。
6. とるべき行動:「誰が」「何を」「いつまでに」が書かれているか。
7. 分かりにくい表現:文案の種類が「急がない」のときだけ見る。直しの案は1つだけ。

【文案の種類が「急ぐ」のとき】
1〜6 だけを見て、7 は書かないでください。表は短くしてください。

【出力】
- 先頭に、照らした一覧の版(各一覧の先頭の日付)を書く。
- 表:番号/見ること(1〜7)/該当箇所(文案からそのまま写す)/結果(直す・要確認・欠けている)/理由/直しの案
- 食い違いが無い項目は表に書かない。最後に「表に無い項目は一覧と一致」と1行書く。

【厳守事項】
- 文案の該当箇所は、言い換えずにそのまま写してください。
- 文案全体を書き直した版は出さないでください。
- 避難情報を出すべきか、対象地区が適切かについての意見は書かないでください。
- 「送って問題ありません」とは書かないでください。

「送って問題ありません」と書かせないのは、確認者の判断を軽くしないためです。 AIが最後に「問題ありません」と書くと、確認者はその一行を読んで送信の判断をしてしまいます。 表に無い項目は一覧と一致した、という事実だけを書かせます。

「一覧に無い名称は、知識で正しくても要確認」は、名称の改正の直後にいちばん効きます。 改正の情報がAIの知識に入る前は、新しい名称のほうを誤りと判断しがちです。一覧に新しい名称を入れておけば、新しい名称は一覧と一致し、古い名称は直すべきものとして出ます。

Step7

出力形式を固定する

次の形の表で受け取ります。

照らした一覧の版:日付と曜日 2026-04-01/避難所 2026-09-30/名称 2026-06-01/問い合わせ先 2026-10-01

| 番号 | 見ること | 該当箇所 | 結果 | 理由 | 直しの案 |
| 1 | 日付と曜日 | 10月14日(月) | 直す | 一覧では10月14日は火曜日 | 10月14日(火) |
| 2 | 名称 | 土砂災害警戒情報が発表され | 直す | 名称の一覧の古い名称 | レベル4土砂災害危険警報が発表され |
| 3 | 避難所 | 北小体育館 | 要確認 | 通称。正式名称は一覧の「市立北小学校 体育館」 | 市立北小学校 体育館 |
| 4 | 問い合わせ先 | 危機管理課 0000-00-0000 | 要確認 | 一覧に無い電話番号 | - |

表に無い項目は一覧と一致

1つ目の理由は、該当箇所をそのまま写させることです。 担当者は、文案のどこを直すかを探さずに済みます。写した文字列が文案に無ければ、AIの誤りだと分かります。

2つ目は、「直す」と「要確認」を分けることです。 「直す」は一覧と照らして食い違いがはっきりしたもの、「要確認」は一覧に無いものです。急いでいるときは「直す」を先に直し、「要確認」は確認者と見ます。

3つ目は、照らした一覧の版が先頭に残ることです。 送った後に誤りが見つかったとき、一覧が古かったのか、AIが見落としたのかを分けられます。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
ChatGPT のプロジェクト指示と Sources一覧を置き、文案を貼って表を受け取る
防災メールの配信の仕組み担当者が手で入力・貼り付け確認者が送ってよいと決めた文
ホームページの管理の仕組み担当者が手で掲載同じ文
送信の記録の表担当者が書く日時、文案の種類、ひな形の番号、表の「直す」「要確認」の数、確認者

ChatGPT と配信の仕組みは、つなぎません。 校正の表を見て直した文を、担当者が配信の画面に入れます。この手作業は、確認者の判断を通った文だけが送られるための関門です。

ホームページに載せる文は、メールと同じ文にします。 メールは文字数を詰め、ホームページは詳しく書く、と書き分けると、片方だけ直して片方に古い日付が残ることがあります。書き分けが要るときは、両方を別の文案として貼り、それぞれ表を受け取ります。

配信の画面に貼ったあと、送信の前の確認の画面でもう一度だけ日付と地区を目で見ます。 貼り付けのときに前の行が残っていたり、件名だけ前の文のままだったりすることがあります。校正の表は、配信の画面に入る前の文案についての表だからです。

Step9

人が確認する

担当者が表を見て直し、確認者が送ってよいかを決めます。

  1. 「直す」を先に直す … 日付と曜日、古い名称は、一覧と照らした結果なので、多くはそのまま直します
  2. 「要確認」を確認者と見る … 一覧に無い避難所や電話番号は、新しく決まったものか、誤りかを確かめます。新しく決まったものなら、送った後に一覧に足します
  3. 「欠けている」を見る … とるべき行動が書かれていない文案は、ひな形を見直します
  4. 確認者が文案と表を両方見る … 表だけを見て送ってよいと決めません

急ぐ文案では、1番目と4番目だけで送ってよいことにします。 2番目の「要確認」が、送信を遅らせるほどのものでなければ、送った後に確かめ、誤りなら訂正のメールを送ると決めておきます。どこまでを送った後に回すかは、課の決まりとして事前に決めます。

夜間の確認者は、当番の責任者が務めます。 課長補佐が庁舎にいない時間帯でも、誰が送ってよいと決めるかを当番の表で決めておきます。確認者が担当者と同じ人になる時間帯は作りません。 1人しかいない時間帯は、電話で確認者に文案と表を読み上げて判断を受けます。

分かりにくい表現の直しの案は、採らなくてもかまいません。 案は1つの見方で、市の文体や住民に伝わっている言い回しを優先します。

Step10

例外に対処する

起きること対応
ChatGPT が使えない(停止・回線の障害)従来の読み合わせに戻す。 読み合わせの手順を残しておく
該当箇所に、文案に無い文字列が写されたAIの誤り。その行は無視し、送信の記録に残す
表に「送って問題ありません」と書かれた指示に反した出力。送信の判断の材料にしない
一覧に無い避難所を開設した「要確認」で出る。確認者が確かめて送り、その日のうちに一覧に足す
名称が新たに改正された一覧を差し替えるまでは、新しい名称が「要確認」で出る。差し替えを急ぐ
行方不明者の氏名などが入ったまま貼ったすぐに会話を消し、課長補佐に報告する
日付が年度の一覧の範囲外「要確認」で出る。来年度の一覧を年度の初めより前に作っておく
表の該当箇所が多すぎて読み切れない急ぐ文案なら「直す」だけを読む。多いのはひな形が古いしるしなので、後でひな形を直す
送った後に誤りが見つかった訂正のメールを送り、送信の記録の表に訂正の理由と、表に出ていたかを残す

上から1行目を、必ず決めておいてください。 災害の夜に使えなくなったときに、読み合わせのやり方を誰も覚えていない状態にしないためです。年に1回の防災訓練で、ChatGPT を使わない手順も試します。

Step11

記録を残す

  • 送信の記録の表(日時、文案の種類、ひな形の番号、表の「直す」「要確認」「欠けている」の数、確認者)
  • 校正の表そのもの(照らした一覧の版を含む)
  • 送った文
  • 一覧の版と、差し替えた日・理由
  • AIの誤り(文案に無い文字列を写した、古い名称を見落とした、など)

ひな形の番号ごとに「直す」の数を数えると、直すべきひな形が分かります。 同じひな形から古い名称が何度も出ているなら、ひな形そのものを直すほうが早く終わります。

04実装レベルの3段階

最小構成:一覧と指示をチャットに貼り、文案を見させる / 1件ごとの照合
半自動化:上記+プロジェクトの指示と Sources に置き、課の全員と夜間の当番が同じ一覧で使う。送信の記録の表で回す / 照合と、急ぐ/急がないの切り替え
本格構成:上記+ひな形そのものを一覧と照らして直し、ひな形の番号ごとの指摘の数を毎月見る / ひな形の手入れまで

半自動化で、1件8分になります。 本記事の想定はこの段階です。読み合わせの相手を探す時間がなくなり、 担当者が表を見て直し、確認者が見るだけになります。 本格構成は、ひな形を直す段階です。 送るたびに古い名称を直すより、ひな形を直せば、そもそも古い名称が文案に入りません。 年に一度、名称の一覧が変わったときに、ひな形をまとめて照らします。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
5 名
月間件数
60 件
1件あたり現在時間
20 分
1件あたり導入後時間
8 分
現在  60件 × 20分 ÷ 60 = 20 時間/月
導入後 60件 × 8分 ÷ 60 = 8 時間/月
月間削減時間
12h
削減率
60%
年間削減時間
144h
年間金額換算(時間単価3,000円)
43万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

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06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 登録制の防災メール、ホームページの緊急のお知らせ、防災アプリの通知を、危機管理や防災の担当課が自分たちで書いて送っている市町村。避難所の開設、避難情報の発令と解除、断水、行方不明者の捜索の協力などの文案を、2人で読み合わせてから送っているが、夜間や休日は人がそろわない場合。避難情報や気象情報の名称が改められるたびに、文案の言葉がそろわなくなっている場合。業務用の ChatGPT のワークスペースを使える端末がある場合。
向いていない
  1. 防災メールを都道府県や事業者の仕組みで自動で転送しているだけで、市町村が文案を書かない場合。送る文がすべて定型で、日時と地区を選ぶだけの仕組みになっている場合(入力の画面で選択肢を絞るほうが確実)。なお、避難情報を発令するか、どの地区に出すか、避難所をどこに開くかの判断は、この構成では代替できません。

07最小構成で試す方法

  1. 名称の一覧を、内閣府と気象庁の公開資料から作る(使う名称、使わない古い名称、置き換え)
  2. 今年度の日付と曜日の一覧と、避難所の一覧を表にする
  3. 過去3か月に送った防災メールから10件を選び、うち3件にわざと誤り(曜日の取り違え、古い名称、避難所の通称)を入れる
  4. ChatGPT のチャットに一覧と第7章の指示の例を貼り、10件を1件ずつ見させる
  5. わざと入れた誤りが「直す」で出たか、正しい文に誤った指摘が出ていないかを見る

最初に確かめるのは、古い名称を一覧どおりに直すかです。 AIが自分の知識で、新しい名称のほうを直そうとしないかを見ます。

出てきた内容判断
わざと入れた誤りを3件とも拾い、正しい文には指摘が無かったプロジェクトを作り、課の全員で使う
新しい名称を古い名称に直そうとした指示の書き方で直る。「一覧を優先」を強める
曜日を自分で計算して誤った日付と曜日の一覧を引かせる指示を強める

2行目と3行目は、一覧と指示を直す材料になります。 どちらも「AIの知識」で判断させたときに出る誤りで、一覧に照らさせる設計が効いているかを、ここで確かめます。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
AIが自分の知識で新しい名称を古い名称に直す一覧だけを根拠にさせる。 一覧に無い名称は「要確認」
曜日をAIが計算して誤る日付と曜日の一覧の行を引かせる
「明日」がどの日か分からない送る予定の日時を文案に書く
急ぐ文案に直しの案が並び、送信が遅れる文案の種類で見る範囲を切り替える
表の最後の「問題ありません」で送ってしまうその一行を書かせない
一覧の更新が遅れ、「要確認」が並ぶ差し替えの担当者を決め、版の日付を表に写させる
前の文案の会話が残ったチャットで次を見させる1つの文案に1つのチャット
行方不明者の個人の情報を貼る貼る前に「〇〇」に置き換える決まりにする
ChatGPT が使えない夜に手順が分からない読み合わせの手順を残し、訓練で試す

上の2行が、この構成の失敗のほとんどです。 どちらも「AIの知識」を根拠にしてしまうことから起きます。照らす相手を一覧に固定してあるかどうかで、名称の改正の直後に使えるかが決まります。

5行目も、同じくらい早く効いてきます。 確認者が忙しいほど、表の最後の一行に頼ります。AIに安心の言葉を書かせない設計にしてください。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 防災メールとお知らせの文案、避難所の一覧、問い合わせ先の一覧、名称の一覧です。行方不明者の捜索の協力の文案には、氏名・年齢・服装などの個人の情報が入ります。

  1. 個人の情報を貼らない … 行方不明者の氏名などは、貼る前に「〇〇」に置き換えます。照らしたいのは日時・地区・問い合わせ先で、個人の情報は要りません
  2. 業務用のワークスペースで使う … 個人のアカウントでは、会話の保持やデータの扱いを庁内の決まりに合わせられません。公式の案内では、業務のデータは既定でモデルの学習に使われないとされています
  3. 送る判断は確認者が行う … 防災メールは市の名前で住民に届く公式の連絡です。AIの表は判断の材料で、送ってよいかを決めるのは確認者です
  4. 避難情報の発令の判断をAIに尋ねない … 文案の校正の会話で、「避難指示を出すべきか」をAIに聞く使い方をしないでください。発令は市町村長が、定めた基準と関係機関の情報で判断します
  5. 名称の一覧は、公開資料で確かめて作る … AIに「いまの名称」を尋ねて一覧を作ると、改正前の名称が一覧に入ります
  6. 使えないときの手順を残す … 災害の夜に頼れる手順が ChatGPT だけにならないよう、読み合わせの手順を残します

誤りが起きた場合のリスクは、誤った日付や避難所の名称のまま住民に送ることと、AIの誤った直しで正しい名称を古い名称に戻してしまうことの2つです。 前者は一覧と照らすことで、後者は一覧だけを根拠にさせることで防ぎます。どちらも、確認者が文案と表を両方見る設計で最後に守ります。

10まず何から始めるか

1週目:名称の一覧を作る

内閣府の避難情報に関するガイドラインのページと、気象庁の新たな防災気象情報の特設ページ・よくある質問を読み、使う名称、使わない古い名称、置き換えの一覧を作ります。課の全員で読み合わせ、一覧の中身を合わせます。

2週目:日付と曜日・避難所・問い合わせ先の一覧を作る

今年度と来年度の日付と曜日の一覧、避難所の台帳からの一覧(正式名称と通称)、庁内の電話帳からの問い合わせ先の一覧を作ります。それぞれの先頭に、作った日を書きます。

3週目:最小構成で試す

過去の防災メール10件に、わざと3件の誤りを入れて見させます。古い名称を一覧どおりに直すか、新しい名称を誤って直さないかを最優先で見ます。

4週目:プロジェクトを作り、課で使い始める

プロジェクトの指示と Sources に一覧を置き、課の全員と夜間の当番が使えるようにします。送信の記録の表を作り、急ぐ/急がないの切り替えを試します。

2か月目: すべての文案で校正の表を作り、確認者が表と文案を両方見て送る運用にします。ひな形の番号ごとの「直す」の数を数えます。3か月目以降: 指摘の多いひな形を直し、1件20分が何分になったかを実測します。夜間の当番が1人でも、一覧と照らした表を見て確認者に回せ、古い名称が文案に入らなくなった時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-12/最終更新:2026-10-13
確認した内容情報源確認日
避難情報が警戒レベル3「高齢者等避難」、警戒レベル4「避難指示」、警戒レベル5「緊急安全確保」であること。警戒レベル5は警戒レベル4以下とは別の段階で、「警戒レベル4までに必ず避難!」と示されていること。避難情報に関するガイドラインが令和8年3月に改定されたこと。新たな防災気象情報が警戒レベルに対応し、「レベル4氾濫危険警報」のような名称になったこと内閣府(防災担当): 避難情報に関するガイドライン2026-10-12
令和8年5月29日から新たな防災気象情報の運用を始めたこと。これまでの大雨警報が「レベル3大雨警報」という名称に変わり、レベルの数字と一緒に伝えられること。河川ごとに発表する河川氾濫に関する情報は1級河川などの大きな河川に限られること気象庁: 新たな防災気象情報について(令和8年~)2026-10-12
新しい名称が「レベルの数字+現象名+警報等」の構成で統一されたこと(例:レベル3大雨警報、レベル4大雨危険警報、レベル5大雨特別警報)。河川の氾濫に「氾濫」の表現を使うこと。大きな河川以外の河川の氾濫は大雨に関する情報で扱うこと。土砂災害のレベル4相当がこれまでの土砂災害警戒情報から「レベル4土砂災害危険警報」になったこと。市町村のメール配信サービス等でも発表を確認できること(令和8年4月10日の版)気象庁: 新たな防災気象情報 よくある質問(PDF)2026-10-12
プロジェクトに Chats と Sources があり、プロジェクトの指示がそのプロジェクトのチャット全体に適用されること。Sources に置いたファイルと接続した情報がプロジェクトのチャット全体で使え、1つのチャットに添付したファイルはそのチャットだけに効くことChatGPT: Projects and chats2026-10-12
OpenAI が既定では業務のデータをモデルの学習に使わないこと。Business・Enterprise・Edu のワークスペースで通信中と保存時の暗号化があること。会話の保持がワークスペースの設定に従うことChatGPT: Work Cloud security2026-10-12

避難情報の発令、対象地区、避難所の開設、住民への伝え方は、地域防災計画と市の決まりに沿って、市町村長と担当課が判断してください。 本記事は官公庁と製品の公開資料で確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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