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取締役会の議案資料を各部門から集め、締切前の督促と、届いた資料の議案番号・付議区分・添付漏れの確認を済ませて事務局へ渡す

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

取締役会と経営会議の議案資料を各部門から集める作業を、締切の前の督促から届いた資料の形式の確認まで自動で回します。事務局が見るのは、形式に問題があると出た資料と、督促しても届かない議案だけになります。

サマリー
生成AI
Azure OpenAI Service/Claude
連携・自動化
Make/n8n/Power Automate
対象業界
その他/商社/製造/金融
対象部門
法務/経営企画/総務
対象業務
内容確認・チェック/台帳・マスタ管理
主な課題
人手が足りない/期限・対応漏れが起きる/確認ミスが多い
AIで行う処理
判定
主な効果
入力漏れ削減/対応スピード向上/工数削減
導入難易度
★★☆☆☆
実装レベル
半自動化
費用感
ノーコード連携(中)
人間の確認
条件付き
現在工数
24h/月
AI導入後
6h/月
想定削減
75%
年間削減
216h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 事務局が議案の一覧を Excel で作り、各部門の担当者へメールで提出の締切を伝える
  2. 締切の3日前に、一覧を見て未提出の議案を拾い、担当者へ督促のメールを送る
  3. 締切の前日にもう一度未提出を拾い、担当者と部門長へ督促する
  4. 資料が届いたら、メールから共有フォルダへ保存し、一覧の提出欄に印を付ける
  5. 資料を開き、表紙の議案番号と付議区分が一覧と合っているかを見る
  6. 本文を読み、「別紙」「添付資料」と書かれた箇所を探し、届いたファイルと突き合わせる
  7. 合わないものは、担当者へ差し戻しのメールを書く
  8. 形式のそろった資料を法務へ回す
導入後(After)
  1. 人事務局が議案の一覧を SharePoint のリストに作る(議案番号、件名、起案部門、担当者、付議区分、締切)
  2. 自動毎朝、未提出の議案のうち締切が近いものを拾い、担当者へ Teams で知らせる
  3. 人起案部門の担当者が、資料を SharePoint の提出用のライブラリに議案番号を付けて置く
  4. 自動ファイルが置かれたことを起点にフローが動き、形式・サイズ・ページ数を確かめる
  5. 自動プロンプトに資料と議案の一覧の行を渡し、議案番号・付議区分・本文で触れた別紙を読み取らせる
  6. 自動本文で触れた別紙と、同じ議案番号で届いたファイルを突き合わせる
  7. 自動結果から `ok` / `needs_fix` / `needs_review` を規則で決め、リストの提出の状況を更新する
  8. 人事務局が `needs_fix` と `needs_review` の資料を確かめる
  9. 人差し戻しの文を確かめて承認すると、担当者へ Teams で送られる
  10. 人`ok` のものと、確認を済ませたものを法務へ回す
各工程の詳しい説明を読む
  1. 事務局が議案の一覧を Excel で作り、各部門の担当者へメールで提出の締切を伝える
  2. 締切の3日前に、一覧を見て未提出の議案を拾い、担当者へ督促のメールを送る
  3. 締切の前日にもう一度未提出を拾い、担当者と部門長へ督促する
  4. 資料が届いたら、メールから共有フォルダへ保存し、一覧の提出欄に印を付ける
  5. 資料を開き、表紙の議案番号と付議区分が一覧と合っているかを見る
  6. 本文を読み、「別紙」「添付資料」と書かれた箇所を探し、届いたファイルと突き合わせる
  7. 合わないものは、担当者へ差し戻しのメールを書く
  8. 形式のそろった資料を法務へ回す

(a)未提出は、拾う日にしか分からない。 督促は締切の3日前と前日の2回だけで、その間に一覧を見る余裕がない日が続くと、前日になって5件も6件も未提出が並びます。 部門長への督促が当日になり、起案部門も事務局も慌てます。

(b)別紙の付け忘れが会議の直前に見つかる。 本文で「詳細は別紙3」と書いているのに、別紙は2までしか届いていない。本文を読まないと気づかないので、形式の確認を急いだ週ほど、法務や社長の事前説明の段階で見つかります。

(c)付議区分の書き違い。 一覧では決議事項なのに、表紙に「報告事項」と書かれている。前回の資料を流用して表紙を直し忘れた型です。取締役会で決議を取り損なえば、会議をやり直すことになります。

(d)版が混ざる。 同じ議案の資料が何度も届くので、どれが最新かを事務局がファイル名と受信日時で見分けています。 古い版を法務に回してしまうこともあります。

  1. 【人】 事務局が議案の一覧を SharePoint のリストに作る(議案番号、件名、起案部門、担当者、付議区分、締切)
  2. 【自動】 毎朝、未提出の議案のうち締切が近いものを拾い、担当者へ Teams で知らせる
  3. 【人】 起案部門の担当者が、資料を SharePoint の提出用のライブラリに議案番号を付けて置く
  4. 【自動】 ファイルが置かれたことを起点にフローが動き、形式・サイズ・ページ数を確かめる
  5. 【自動】 プロンプトに資料と議案の一覧の行を渡し、議案番号・付議区分・本文で触れた別紙を読み取らせる
  6. 【自動】 本文で触れた別紙と、同じ議案番号で届いたファイルを突き合わせる
  7. 【自動】 結果から ok / needs_fix / needs_review を規則で決め、リストの提出の状況を更新する
  8. 【人】 事務局が needs_fix と needs_review の資料を確かめる
  9. 【人】 差し戻しの文を確かめて承認すると、担当者へ Teams で送られる
  10. 【人】 ok のものと、確認を済ませたものを法務へ回す

2番目が、未提出の取りこぼしを無くす部分です。 毎朝回すので、督促の日を事務局が覚えておく必要がありません。締切の3日前、前日、当日、超過の4段階で、文面と送り先を変えます。

8番目で事務局が見るのは、問題があると出た資料だけです。 ok の資料はリストで件数と議案名を流し見ます。全件を開く設計にすると、②の5分がほとんど減りません。

02今回想定するシステム構成

構成図
議案の一覧(SharePoint のリスト)
   ▼【トリガー①】毎朝の定時実行
Power Automate ── 未提出かつ締切の近い議案を拾う
   └──▶ Teams で担当者・部門長へ督促

起案部門が資料を提出用のライブラリへ置く
   ▼【トリガー②】ファイルの作成
Power Automate
   ├──▶ 形式・サイズ・ページ数の確認
   ├──▶ 議案の一覧の該当行を引く
   ▼
プロンプトを実行する(ドキュメント入力、JSON 出力)
   │   議案番号・付議区分・本文で触れた別紙を読み取る
   ▼
Power Automate ── 別紙の突き合わせ、判定(ok / needs_fix / needs_review)
   ▼
【事務局が needs_fix と needs_review を確認・承認】
   ├──▶ Teams で担当者へ差し戻し
   └──▶ リストの提出の状況を更新、法務へ
役割想定する製品代替候補
ワークフローPower Automate(スケジュールされたクラウド フロー、SharePoint コネクタ、承認)Make、n8n
生成AIAI Builder のプロンプト(「プロンプトを実行する」アクション、ドキュメント入力、JSON 出力)Azure OpenAI(Microsoft Foundry)、Claude
保管SharePoint(議案の一覧のリスト、提出用のライブラリ)Dataverse
通知Microsoft Teams(フロー ボットとのチャット、事務局のチャネル)Outlook のメール

新しく足すのは、議案の一覧のリストと提出用のライブラリだけです。 Excel の一覧を SharePoint のリストに移し、メールで受けていた資料をライブラリで受けるように変えます。資料の提出の経路を1つにすることが、自動化の前提です。

AIの部分は、Power Automate の「プロンプトを実行する」アクションで組みます。 公式の説明では、プロンプトは Azure OpenAI Service を活用した GPT モデルで動き、フローの中でアクションとして呼べます。プロンプトにはテキストの入力と、画像またはドキュメントの入力を組み合わせて渡せます。

ドキュメント入力で使えるファイルは、PNG、JPG、JPEG、PDF とされています。 Word、Excel、PowerPoint は、プロンプトの設定でコード インタープリターを有効にした場合に入力として扱えるとされていますが、この構成では提出をPDFに決めます。 表紙と本文の見え方が、印刷して配る資料と同じになるからです。

出力は JSON にします。 公式の説明では、JSON 出力を選ぶと応答を複数の要素として後段のフローで扱え、保存した時点の形式が実行時に使われるとされています。議案番号、付議区分、別紙の一覧を別々の値で受け、フローの条件分岐で判定します。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

トリガーは2つです。 1つは督促のための毎朝の定時実行、もう1つは形式の確認のための提出用のライブラリへのファイルの作成です。

督促を定時実行にするのは、「まだ届いていない」という出来事は起きないからです。 何かが起きるのを待つのではなく、毎朝リストを見て、締切までの日数で拾います。朝9時に回し、担当者が出社して最初に目にする時間に合わせます。

形式の確認は、ファイルが置かれたらすぐ動かします。締切の直前に届いた資料ほど、差し戻しの時間が残っていません。 1日1回まとめて見ると、夕方に届いた資料の差し戻しが翌日になります。

SharePoint コネクタのトリガーは、「ファイルが作成されたとき(プロパティのみ)」を使います。公式のリファレンスでは、ライブラリに項目が作成されたときに動き、列の値だけを返すので、中身は「ファイル コンテンツの取得」で取るとされています。フォルダを指定する「フォルダーにファイルが作成されたとき」は非推奨と表示されており、サブフォルダーに置かれたファイルでは動かないとされています。 会議ごとにフォルダを分けたくなりますが、会議日は列で持ち、フォルダは分けません。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
議案の一覧会議名、会議日、議案番号、件名、起案部門、担当者、部門長、付議区分、締切、提出の状況SharePoint のリスト
提出された資料PDF。議案番号と、本体か別紙かと別紙の番号を列で持つ提出用のライブラリ
同じ議案の他のファイル同じ議案番号で届いている別紙のファイル名と別紙の番号提出用のライブラリ
表紙の書き方の決まり議案番号の書式、付議区分の書き方、別紙の番号の振り方事務局の手引き(テキスト)

質を決めるのは、ライブラリの列です。 起案部門の担当者がファイルを置くときに、議案番号を選び、「本体」か「別紙」かを選び、別紙なら番号を入れます。 この列があれば、本文で触れた別紙と届いたファイルを機械的に突き合わせられます。

議案番号はリストから選ばせます。 担当者に手で打たせると、「第3号議案」「議案3」「3号」が混ざり、一覧と結び付きません。ライブラリの議案番号の列を、議案の一覧のリストを参照する列にします。

Step3

データの取得方法を決める

取るものどこからアクション
未提出の議案議案の一覧のリスト「複数の項目の取得」(Get items)で提出の状況と締切で絞る
置かれたファイルの列の値提出用のライブラリトリガー「ファイルが作成されたとき(プロパティのみ)」(When a file is created (properties only))
ファイルの中身提出用のライブラリ「ファイル コンテンツの取得」(Get file content)
議案の一覧の該当行議案の一覧のリスト議案番号で「複数の項目の取得」
同じ議案の他のファイル提出用のライブラリ「ファイルの取得(プロパティのみ)」(Get files (properties only))を議案番号で絞る

督促の側は、AIを使いません。 未提出かどうかと締切までの日数は、リストの値で決まります。AIに「督促が要るか」を判断させる理由がありません。 文面も段階ごとに定型にしておきます。

段階拾う条件送り先文面の要点
予告締切の3営業日前で未提出担当者議案番号、件名、締切、提出用のライブラリへのリンク
前日締切の前営業日で未提出担当者と部門長上記+提出の見込みを返信してほしい旨
当日締切の当日の朝で未提出担当者と部門長上記+何時までなら会議に間に合うか
超過締切を過ぎて未提出担当者、部門長、事務局上記+事務局から個別に連絡する旨

締切までの日数は営業日で数えます。 暦の日数で数えると、月曜が締切の議案に土曜の朝に督促が飛びます。会社の休日の一覧をリストで持ち、フローの中で営業日を数えます。 1件の議案に同じ段階の督促を二度送らないよう、送った段階をリストの列に書き込みます。

提出の状況の列は、フローだけが書き換えます。 事務局が手で「提出済み」にすると、ライブラリにファイルが無いのに督促が止まります。状況はファイルの到着で変わる、という一本の道にしておきます。

形式の確認の側は、ファイルの中身を取ってプロンプトに渡します。別紙のファイルが置かれたときは、本体のファイルの確認をやり直します。 本体だけが先に届いて「別紙3が無い」と出ていたものが、別紙3の到着で解消されるからです。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 形式の確認 … PDF 以外のファイルは、プロンプトに渡さず担当者へ「PDFで置き直してください」と返します
  2. サイズとページ数の確認 … ドキュメント入力は、ファイルの合計が25MB未満、50ページ未満である必要があるとされています。超えるものは事務局へ回します
  3. 本体か別紙かの確認 … 列で「別紙」が選ばれたファイルは、本文の読み取りをせず、同じ議案の本体の確認をやり直す合図にします
  4. 最新の版の特定 … 同じ議案番号の本体が複数あるときは、最も新しいものだけを確認の対象にし、古いものに「旧版」の印を付けます
  5. 締切の超過の確認 … 締切を過ぎて届いたものは、確認の結果とは別に「締切後」の印を付けます
  6. 一覧の行の整形 … 議案番号、件名、付議区分を、プロンプトに渡すテキストにまとめます

4番目を前処理で済ませるのは、版の取り違えが(d)の原因だからです。 版の判断を事務局の目に頼ると、古い版を法務に回すことがまた起きます。ライブラリの作成日時で、機械的に決めます。

2番目の上限に当たる資料は、まれにあります。 設備投資の議案に見積書と図面を全部付けると、50ページを超えることがあります。本体と別紙を分けて置いてもらえば、本体だけを読ませられます。

Step5

AIに処理させる

させるのは、資料の表紙と本文から3つのことを読み取ることです。

読み取るものさせること判断できないときの扱い
議案番号表紙に書かれた議案番号をそのまま写す表紙に無ければ空にし、not_found とする
付議区分表紙に書かれた区分(決議事項・報告事項・協議事項)を写す書かれていなければ not_found
本文で触れた別紙「別紙」「添付資料」「参考資料」と書かれた箇所を、番号と書かれていた文とともにすべて挙げる番号の無い「別紙のとおり」は unnumbered として挙げる
本文の求め本文の結びに「ご承認をお願いします」「ご報告します」などがあれば写す無ければ空

4行目は、付議区分の書き違いを見つけるための材料です。 表紙に「報告事項」とあり、本文の結びが「ご承認をお願いいたします」なら、どちらかが違っています。AIには矛盾の有無を判断させず、両方を写させて、突き合わせはフローで行います。

させないこと理由
取締役会に付議すべきかの判断取締役会規則と法務の判断。事務局も決めない
資料の中身の良し悪し本記事の範囲外。法務と経営企画が見る
議案番号の補正表紙の番号が違っていれば、違っていると返すのが仕事
別紙の有無の判断届いたファイルとの突き合わせは、列の値でフローが行う
差し戻すかどうかの判断規則で決め、事務局が確かめる

3行目がいちばん起きやすい失敗です。 一覧の議案番号を一緒に渡すので、表紙の番号が少し違っていても、AIは一覧の番号に「直して」返しがちです。それをされると、書き違いが見つからなくなります。

Step6

指示内容を固定する

あなたは取締役会の事務局で、各部門から届いた議案資料の形式を確認する担当です。
渡された資料(PDF)を読み、表紙と本文から次のことを読み取ってください。
内容の良し悪しや、付議すべきかどうかは判断しないでください。

【読み取ること】
1. 表紙に書かれた議案番号を、書かれているとおりに写す。
2. 表紙に書かれた付議区分(決議事項・報告事項・協議事項など)を、書かれているとおりに写す。
3. 本文の中で「別紙」「添付資料」「参考資料」と書かれた箇所をすべて挙げる。
   それぞれについて、番号と、その言葉が出てきた文を写す。
   番号の無いもの(「別紙のとおり」など)は number を "unnumbered" にする。
4. 本文の結びにある、会議に求めること(承認・報告・審議など)の文を写す。

【厳守事項】
- 議案の一覧の情報は、照らし合わせの参考として渡しています。
  表紙に書かれた値を、一覧の値に合わせて直さないでください。
- 書かれていない項目は推測で埋めず、空にして status を "not_found" にしてください。
- 別紙の言及は、同じ番号が何度出てきても、番号ごとに1つにまとめてください。
- 写す文は、資料の文字をそのまま写してください。要約しないでください。
- 「付議すべき」「不要」「問題ない」などの判断を書かないでください。
- 回答に JSON マークダウンを含めないでください。

【議案の一覧の該当行】{agenda_row}
【表紙の書き方の決まり】{cover_rules}
【資料】{document}

「一覧の値に合わせて直さない」を明記しないと、直してきます。 一覧を渡すのは、AIに「何を探せばよいか」を示すためですが、同時に「正解」に見えてしまいます。照らし合わせはフローの仕事だと、指示の側で線を引きます。

最後の行は、公式の FAQ にある対処です。 JSON 出力で「JSON を生成できませんでした」と出るときは、モデルが JSON をマークダウンで囲んでいることがあり、この一文を足すと解消することがあるとされています。

Step7

出力形式を固定する

次の形の JSON を、プロンプトの JSON 出力で受け取ります。

{
  "agenda_no": { "value": "", "status": "found | not_found" },
  "category": { "value": "", "status": "found | not_found" },
  "attachment_refs": [
    { "number": "1", "sentence": "" }
  ],
  "closing_request": ""
}

JSON の例を保存すると、形式は固定されます。 公式の説明では、例を更新すると形式が「カスタム」になり、テストし直しても更新されず、保存した形式が実行時に使われるとされています。フローの側で項目名を使うので、形式が実行のたびに変わらないことが要ります。 なお、フィールドのキーの無い配列(["1", "2"] のような形)はサポートされていないとされているので、別紙の一覧も number のキーを持つ要素の配列にします。

判定はフローの条件分岐で決めます。

判定条件
needs_fix表紙の議案番号が一覧と違う。付議区分が一覧と違う。本文で触れた別紙の番号のうち、届いていないものがある
needs_review議案番号か付議区分が not_found。unnumbered の別紙がある。付議区分が「報告事項」なのに結びに「承認」の語がある(またはその逆)
okどれにも当たらない
共通締切後に届いたものは、判定とは別に「締切後」の印を付ける

別紙の突き合わせは、AIではなくフローで行います。 attachment_refs の番号の一覧と、ライブラリで同じ議案番号の「別紙」の番号の一覧を比べ、本文にあってライブラリに無い番号を「未着の別紙」として出します。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
議案の一覧のリストSharePoint コネクタ未提出の議案を拾う。提出の状況と判定を書き込む
提出用のライブラリSharePoint コネクタトリガー、ファイルの中身と列の値、同じ議案の他のファイル
プロンプト「プロンプトを実行する」アクション議案番号・付議区分・別紙の言及の読み取り
承認「開始して承認を待機」系のアクション差し戻しの文を事務局が確かめる
Teams「チャットまたはチャネルでメッセージを投稿する」督促、差し戻し、事務局のチャネルへの日次の一覧

差し戻しの文は、事務局の承認を経てから送ります。 公式の説明でも、プロンプトの出力の後に承認のステップを足し、人がテキストを確かめて編集できる形が紹介されています。承認された文だけが、フロー ボットから担当者へ送られます。

督促は承認を通しません。 文面は定型で、未提出かどうかはリストの値なので、AIの出力を含まないからです。

Step9

人が確認する

事務局が開くのは needs_fix と needs_review の資料だけです。

  1. needs_review を先に見る … 付議区分と結びの食い違いは、起案部門の書き違いか、付議区分そのものの変更かを確かめます。 後者なら一覧を直し、法務に知らせます
  2. needs_fix の差し戻しの文を確かめる … 未着の別紙の番号、表紙の議案番号の違いが当たっているかを、資料を開いて見ます
  3. 承認する … 文を直して承認すると、担当者へ送られます
  4. 判定を覆したら記録する … 「別紙は本体に綴じ込み済み」など、選択肢から理由を選びます

事務局の3名は、会議ごとに担当を分けます。 承認の依頼が3名全員に飛ぶと、誰かが見るだろうと全員が後回しにします。議案の一覧のリストに会議ごとの事務局の担当者の列を持ち、承認の依頼はその人だけに送ります。 担当者が休みの日は、事務局のチャネルに同じ依頼を出して、ほかの2名が拾えるようにしておきます。

1番目は AI にも規則にも任せません。 付議区分を決議事項から報告事項に変えるかは、会社の取締役会規則に照らして法務と決めることです。

目標は、120件をならして1件3分です。 問題ありと出るのが3割前後という想定で、それを大きく超える月は、表紙の書き方の決まりが各部門に伝わっていません。

Step10

例外に対処する

起きること対応
PDF 以外のファイルが置かれたプロンプトに渡さず、担当者へ PDF で置き直すよう知らせる
50ページ以上、または25MB以上事務局へ回し、本体と別紙に分けて置いてもらう
読み取りが100秒を超えて止まった画像や文書の処理は最大100秒で、超えるとタイムアウトになるとされている。事務局へ回す
議案番号の列が空一覧に結び付かないので、担当者へ議案番号を選び直すよう知らせる
一覧に無い議案の資料追加の付議の可能性がある。事務局へ回し、一覧に足すかを決める
同じ議案の本体が複数届く最新のものだけを確認し、古いものに「旧版」の印を付ける
別紙が本体の PDF に綴じ込まれている列で「本体(別紙込み)」を選べるようにし、別紙の突き合わせを本体の中で行う
締切を過ぎても届かない督促の段階を「超過」にし、部門長と事務局の両方に知らせる
プロンプトがエラーを返したファイルを未確認のまま残し、事務局のチャネルに知らせる

7行目は、運用を始めてすぐに出てきます。 別紙を1つの PDF にまとめて出す部門は多く、その場合はライブラリの別紙の番号では突き合わせられません。 本体の中の見出しから別紙の番号を拾う指示を、プロンプトに足しておきます。

Step11

記録を残す

  • 提出されたファイルの版と作成日時、置いた人
  • プロンプトに渡した一覧の行と、返った JSON の全文
  • 判定、未着の別紙の番号、事務局の承認と差し戻しの文
  • 督促を送った日時と段階、送り先
  • 判定を覆した記録と理由
  • 会議ごとの、締切までに届いた割合と差し戻しの件数

督促の記録を残すのは、締切に遅れた理由を後から説明するためです。 「督促が届いていなかった」と言われたときに、いつ、誰に、どの段階の督促を送ったかを示せます。

ログは提出用のライブラリとは別のリストに置きます。 資料を消したり差し替えたりしても、確認と督促の記録は残ります。

会議ごとの割合は、部門ごとに見ます。 毎回同じ部門が締切の後に出しているなら、締切を部門の事情に合わせて見直すほうが早く解決します。

04実装レベルの3段階

最小構成:資料と一覧の行を手で生成AIの画面に貼り、議案番号・付議区分・別紙の言及を出させる / 1件ごとの形式の読み取り
半自動化:上記+議案の一覧をリストにし、毎朝の督促と、ライブラリへの提出を起点にした読み取りと判定、差し戻しの承認まで回す / 督促、形式の確認、差し戻しの往復
本格構成:上記+法務への回付と社長の事前説明の日程、会議後の議事録の起案まで、会議の段取り全体を1つのリストでつなぐ / 会議の準備から事後までの段取り

本記事の想定は半自動化です。 督促と形式の確認と差し戻しまでがそろえば、1件12分の大半を占める「探す時間」が消えます。 本格構成は、法務や秘書室の段取りまで巻き込むので、部署をまたぐ合意が要ります。 最小構成では督促が回りません。 形式の確認は試せますが、未提出を拾う仕組みは、議案の一覧をリストにして初めて動きます。 最小構成は、AIの読み取りを確かめる段階です。 段階を飛ばさないでください。 半自動化を3回の会議で回すと、どの部門の資料で needs_fix が多いか、どの決まりが伝わっていないかが分かります。そこを直してから本格構成に進みます。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
3 名
月間件数
120 件
1件あたり現在時間
12 分
1件あたり導入後時間
3 分
現在  120件 × 12分 ÷ 60 = 24 時間/月
導入後 120件 × 3分 ÷ 60 = 6 時間/月
月間削減時間
18h
削減率
75%
年間削減時間
216h
年間金額換算(時間単価3,500円)
76万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

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06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 毎月の取締役会と経営会議に、複数の部門から議案の資料が集まる会社。事務局が提出の状況を表で追い、締切前の督促と、届いた資料の議案番号・付議区分・別紙の有無の確認を手で行っている場合。Microsoft 365 と SharePoint を使っており、議案の一覧をリストで持てる場合。
向いていない
  1. 会議が少人数で、議案が毎回数件しかない場合。資料をすでに取締役会ポータルなどの専用の仕組みで集め、提出の状況と形式が仕組みの側で管理されている場合。なお、議案を取締役会に付議すべきかどうかの判断は、この構成では代替できません。

07最小構成で試す方法

  1. 先月の取締役会と経営会議の資料から20件を選ぶ(うち数件は、別紙の付け忘れや付議区分の書き違いがあったものを入れる)
  2. 議案の一覧の該当行を、テキストにまとめる
  3. 社内で使える生成AIの画面に、資料の PDF と一覧の行を渡す
  4. 「表紙の議案番号と付議区分を写し、本文で『別紙』『添付資料』と書かれた箇所を番号ごとにすべて挙げてください。一覧に合わせて直さないでください」と指示する
  5. 挙がった別紙の番号を、当時届いたファイルと突き合わせる

20件は必ずやってください。 フローを組む前に、本文の別紙の言及を漏れなく拾えるかを確かめます。

出てきた内容判断
当時見つかった付け忘れが拾えたSharePoint のリストとフローに進む
表紙の番号を一覧に合わせて直した指示の書き方で直る。構成は有効
表や図の中の「別紙」を拾えない表紙の書き方の決まりで、別紙への言及を本文に書くよう決める

3行目が出たら、決まりのほうを直します。 AIの読み取りを上げるより、本文で別紙に触れる書き方をそろえるほうが早く、人が読んでも分かりやすくなります。

この段階では、未公表の議案の資料を外部のサービスに貼らないでください。 社内で使うことが認められた生成AIで、公表済みの議案から試します。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
表紙の番号を一覧に合わせて直してくる一覧の値に合わせないと指示し、写した値と一覧の値の比較はフローで行う
本文の別紙の言及を拾い漏らす表や図の注記も見るよう指示し、表紙の書き方の決まりで本文に書くことを求める
別紙が本体に綴じ込まれている列に「本体(別紙込み)」を足し、本体の中の見出しから別紙を拾う
フォルダ単位のトリガーが動かない非推奨の「フォルダーにファイルが作成されたとき」を使わず、プロパティのみのトリガーにする
会議ごとのサブフォルダーでトリガーが動かないフォルダは分けず、会議日を列で持つ
「JSON を生成できませんでした」と出る「回答に JSON マークダウンを含めないでください」を指示に足す
Word や PowerPoint で出してくる提出は PDF と決める。コード インタープリターを使う形は採らない
古い版の資料を法務に回す同じ議案の本体は最新だけを確認し、古いものに「旧版」の印を付ける
督促が多すぎて読まれない段階を4つに絞り、部門長への督促は前日と超過だけにする
担当者が議案番号を手で打つライブラリの列を、一覧のリストを参照する列にする
付議区分の変更を事務局だけで決めるneeds_review の付議区分の食い違いは法務と確かめる

上の2行が、この構成の失敗のほとんどです。 どちらも、AIが読み取りを「親切に」整えようとして起きます。写させる、直させない。 突き合わせは規則の側に置きます。

トリガーの2行も、作り始めてすぐに当たります。 会議ごとにフォルダを作る運用が長い会社ほど、フォルダ単位のトリガーを選びたくなります。 ライブラリの列で会議を分ける形に、最初から寄せてください。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 取締役会と経営会議の議案資料です。未公表の業績、M&A、人事、資金調達、訴訟など、会社でいちばん機密性の高い情報が含まれます。

  1. ライブラリの権限を絞る … 提出用のライブラリは、起案部門の担当者には自部門の資料だけ、事務局と法務には全件が見える形にします。議案の一覧のリストも、件名だけで重要な事実が分かることがあります
  2. AIに渡すのは形式の確認に要る範囲と割り切る … ドキュメント入力では資料の全体を渡すことになります。プロンプトの機能が自社の地域で処理されるかを確かめ、社内の規程で認められた範囲で使います
  3. 督促と差し戻しの文に、議案の中身を書かない … Teams の通知は、議案番号と件名と不足の内容だけにします。件名の書き方そのものを、通知に出しても困らない形に決めておきます
  4. 付議の判断を AI と規則に任せない … 付議区分の食い違いは、取締役会規則に照らして法務と決めることです。 この構成が出すのは、表紙と本文の食い違いという事実までです
  5. インサイダー情報の扱いを決めておく … 決算や重要な契約の議案は、社内でも知る人を限る情報です。 プロンプトの実行の記録と出力の保存先も、同じ権限で守ります
  6. 会議後の資料の保管と分ける … 提出用のライブラリは段取りのための置き場です。取締役会の資料の正式な保管は、議事録と同じ場所と期間で別に行います

誤りが起きた場合のリスクは、付議区分の書き違いを見逃して決議を取り損なうことと、議案の中身が通知や記録から漏れることの2つです。 前者は needs_review と法務の確認で、後者は権限と通知の書き方で防ぎます。

10まず何から始めるか

1週目:議案の一覧をリストに移す

今月の取締役会の議案の一覧を、SharePoint のリストに移します。議案番号、件名、起案部門、担当者、部門長、付議区分、締切、提出の状況の列を作ります。Excel の表と同じ列でかまいません。

2週目:20件で試す

先月の資料から20件を選び、社内で使える生成AIの画面で、議案番号・付議区分・別紙の言及を出させます。表紙の番号を一覧に合わせて直していないか、別紙の言及を漏れなく拾えているかを最優先で見ます。

3週目:督促のフローを作る

毎朝の定時実行で、未提出の議案のうち締切が近いものを拾い、Teams で知らせるフローを作ります。 AIを使わない部分なので、ここから始めると各部門が新しい提出の経路に慣れます。表紙の書き方の決まりもこの週に配ります。

4週目:提出用のライブラリと形式の確認をつなぐ

ライブラリに議案番号と本体・別紙の列を作り、ファイルの作成を起点にプロンプトを呼ぶところまで作ります。この時点では差し戻しを送らず、判定の一覧を事務局のチャネルに出すだけにします。

2か月目: 別紙の突き合わせと承認を足し、差し戻しを送り始めます。会議ごとに needs_fix の件数と理由を数えます。3か月目以降: 1件12分が何分になったかを実測します。締切までに届く割合が上がり、会議の直前の差し戻しが無くなった時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-12/最終更新:2026-10-13
確認した内容情報源確認日
Power Automate のフローでプロンプトをアクションとして追加できること。アクション名が「プロンプトを実行する」に変わったこと。プロンプトは Azure OpenAI Service を活用した GPT モデルで動き、一部の地域に限定され、使用の制限や容量の調整の対象になりうること。プロンプトの出力の後に承認のステップを足し、人がテキストを確かめて編集できることMicrosoft Learn: Power Automate でプロンプトを使用する2026-10-12
プロンプトにテキストと、画像またはドキュメントの入力を組み合わせて渡せること。ドキュメント入力のファイルの種類が PNG、JPG、JPEG、PDF で、Word・Excel・PowerPoint はコード インタープリターを有効にした場合に扱えること。ファイルの合計が25MB未満、50ページ未満であること。画像や文書の処理が最大100秒に制限されることMicrosoft Learn: プロンプトに入力を追加する2026-10-12
プロンプトの出力に JSON を選べること。JSON の例を更新すると形式が「カスタム」になり、保存した形式が実行時に使われること。「JSON を生成できませんでした」のときに「回答に JSON マークダウンを含めないでください」を足す対処。キーの無い配列の形式がサポートされないことMicrosoft Learn: JSON 出力2026-10-12
SharePoint コネクタのトリガー「When a file is created (properties only)」が列の値だけを返し、中身は「Get file content」で取ること。「When a file is created in a folder」が非推奨と表示され、サブフォルダーに追加されたファイルでは動かないこと。「Get items」「Update item」「Get files (properties only)」の各アクションMicrosoft Learn: SharePoint コネクタ2026-10-12

どの議案を取締役会に付議するかは、自社の取締役会規則に照らして法務と決めてください。 本記事は、上記の公開情報で確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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