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家電の出張修理の業者が修理の依頼を Make で受け、AI で型番と症状から故障の型を見立てて持参する部品と作業時間の目安を引き、技術者の空きから訪問の枠を案内する

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

家電の出張修理の依頼を Make で受け、記入された症状とエラーの表示から、AI が品目ごとの故障の型を判定します。故障の型から持参する部品と作業時間の目安を表で引き、技術者の空きから訪問の枠を出して、案内の下書きと手配の票を作ります。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude
連携・自動化
Make/n8n/Power Automate/Zapier
対象業界
その他/小売
対象部門
カスタマーサポート
対象業務
分類・仕分け/問い合わせ対応
主な課題
判断に時間がかかる/問い合わせが多い/属人化している
AIで行う処理
判定
主な効果
対応スピード向上/属人化解消/工数削減
導入難易度
★★☆☆☆
実装レベル
半自動化
費用感
ノーコード連携(中)
人間の確認
必須
現在工数
60h/月
AI導入後
18h/月
想定削減
70%
年間削減
504h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 受付の担当がフォームの通知のメールを開き、品目・型番・症状・購入の時期を読む
  2. 型番が書かれていなければ、依頼者に本体の銘板の写真を頼む
  3. 症状とエラーの表示から、どんな故障かを考える。分からなければ手の空いている技術者に聞く
  4. 修理の記録を検索して、似た症状のときに何の部品を替えたか、何分かかったかを見る
  5. その品目を扱える技術者の予定を見て、必要な長さの空きを探す
  6. 候補の枠と出張費の説明を書いて返信する
  7. 技術者に、品目・型番・症状・持って行く部品を伝える
導入後(After)
  1. 自動フォームの送信を Make の Webhook が受け、シナリオが動く。メールで届いたものは受付の担当がフォームに貼り直す
  2. 自動型番の表記をそろえ、型番の表でメーカー・品目・製造の打ち切りの年を引く
  3. 自動危ない症状の言葉があれば、受付の担当に急ぎで通知する
  4. 自動記入内容と、その品目の故障の型の一覧を Claude API に渡す
  5. 自動Claude が、当てはまる故障の型、根拠にした記入の文、依頼者に聞くべきことを JSON で返す
  6. 自動故障の型から、修理の事例の表で持参する部品・作業時間の目安・必要な技能を引く
  7. 自動製造の打ち切りの年と保有期間から、部品が手に入らない可能性があるかを計算する
  8. 自動必要な技能を持つ技術者の予定を見て、作業時間に移動を足した長さの空きを最大3つ探す
  9. 自動ひな形に値を入れて案内の下書きを作り、技術者向けの手配の票を受付の記録に足す
  10. 人受付の担当が下書きと手配の票を見て、送る。取り寄せの部品があれば発注する
  11. 人依頼者が枠を選んだら、技術者のカレンダーに訪問を入れる
各工程の詳しい説明を読む
  1. 受付の担当がフォームの通知のメールを開き、品目・型番・症状・購入の時期を読む
  2. 型番が書かれていなければ、依頼者に本体の銘板の写真を頼む
  3. 症状とエラーの表示から、どんな故障かを考える。分からなければ手の空いている技術者に聞く
  4. 修理の記録を検索して、似た症状のときに何の部品を替えたか、何分かかったかを見る
  5. その品目を扱える技術者の予定を見て、必要な長さの空きを探す
  6. 候補の枠と出張費の説明を書いて返信する
  7. 技術者に、品目・型番・症状・持って行く部品を伝える

(a)症状の見立てがベテランの頭の中にある。 「エアコンのランプが点滅して冷えない」「洗濯機が脱水で止まる」と書かれても、受付の担当には、どの部品の可能性が高いかは分かりません。技術者は訪問中で、聞けるのは移動の合間です。

(b)修理の記録の検索に時間がかかる。 記録は1件1行のスプレッドシートで、症状の欄は自由記入です。同じ故障でも書き方が違うので、検索でまとめて引けません。

(c)部品が足りずに出直す。 持って行く部品を絞りきれないまま訪問し、現地で取り寄せが要ると分かることがあります。出直しの訪問は、技術者の1枠と依頼者の在宅の時間を、もう一度使います。

(d)古い製品で出張が空振りになる。 製造から長く経った製品で、部品がもう手に入らないと現地で分かることがあります。出張費をいただくかどうかで、依頼者ともめる原因になります。

(e)枠の長さが担当によって違う。 同じエアコンの水漏れでも、ある担当は60分、別の担当は90分で枠を取ります。短く取った日は技術者の次の訪問が遅れ、長く取った日は空き時間が残ります。 どちらも、技術者が1日に回れる件数を減らします。

  1. 【自動】 フォームの送信を Make の Webhook が受け、シナリオが動く。メールで届いたものは受付の担当がフォームに貼り直す
  2. 【自動】 型番の表記をそろえ、型番の表でメーカー・品目・製造の打ち切りの年を引く
  3. 【自動】 危ない症状の言葉があれば、受付の担当に急ぎで通知する
  4. 【自動】 記入内容と、その品目の故障の型の一覧を Claude API に渡す
  5. 【自動】 Claude が、当てはまる故障の型、根拠にした記入の文、依頼者に聞くべきことを JSON で返す
  6. 【自動】 故障の型から、修理の事例の表で持参する部品・作業時間の目安・必要な技能を引く
  7. 【自動】 製造の打ち切りの年と保有期間から、部品が手に入らない可能性があるかを計算する
  8. 【自動】 必要な技能を持つ技術者の予定を見て、作業時間に移動を足した長さの空きを最大3つ探す
  9. 【自動】 ひな形に値を入れて案内の下書きを作り、技術者向けの手配の票を受付の記録に足す
  10. 【人】 受付の担当が下書きと手配の票を見て、送る。取り寄せの部品があれば発注する
  11. 【人】 依頼者が枠を選んだら、技術者のカレンダーに訪問を入れる

6番目と7番目を AI の外に置いているのが、この設計の要です。 部品と作業時間は修理の記録から、保有期間はメーカーの公表から作った表で決まります。AI が誤っても、表に無い部品や時間が手配の票に載る経路はありません。

10番目も人に残します。 案内には出張費や、部品が手に入らない可能性が書かれます。依頼者とのやり取りの始まりになる文なので、担当が読んでから送ります。

02今回想定するシステム構成

構成図
修理の依頼のフォーム(電話・メールは受付がフォームへ)
   │
   ▼【トリガー】フォームの送信(Webhook)
Make(シナリオ)
   ├──▶ Google スプレッドシート:型番の表、故障の型の一覧、修理の事例の表、保有期間の表
   ├──▶ 危ない症状の言葉の検知 ── 受付へ急ぎの通知
   ▼
Claude API ── 故障の型の判定、根拠の文、聞くべきこと
   ▼
Make ── 事例の表で部品・作業時間・技能を引く/保有期間の計算
   ├──▶ Google カレンダー:技術者の予定(Get Free/Busy Information)
   ├──▶ Gmail:案内の下書き(ひな形)
   └──▶ 受付の記録:手配の票
   ▼
【人】受付の担当が確かめて送る/部品の発注
役割想定する製品代替候補
ワークフローMake(シナリオ。Webhooks、Google Sheets、Google Calendar、Gmail、ルーター)Zapier、n8n、Power Automate
生成AIClaude API(Messages API、構造化出力)OpenAI API
保管Google スプレッドシート(型番の表・故障の型の一覧・修理の事例の表・保有期間の表・受付の記録)Airtable
予定表Google カレンダー(技術者ごとの予定)Microsoft Outlook の予定表

新しく作るのは、故障の型の一覧と修理の事例の表です。 故障の型の一覧は、品目ごとに「冷えない(室外機が動かない)」「水漏れ(室内機から)」「エラーの表示あり」のように、受付が使う言葉で10〜20個の型を並べたものです。修理の事例の表は、過去1〜2年の修理の記録を故障の型ごとにまとめ、よく交換した部品、作業時間の中央、必要な技能を1行にしたものです。

AI の部品は Claude API です。 Make の Anthropic Claude アプリには Make an API Call のモジュールがあり、公式のページに構造化出力の記載が無いため、これで Messages API を呼び、output_config.format に JSON Schema を渡します。 Claude の構造化出力は、文字列の minLength/maxLength や数値の範囲の制約に対応していないとされているので、数や長さの確認は Make の側で行います。

保有期間の表の元になるのは、各メーカーの公表です。 たとえばパナソニックのページでは、保有期間の始まりは製品の製造を打ち切ったときとされ、エアコンは10年、冷蔵庫は9年、縦型の洗濯乾燥機・全自動洗濯機は7年、ドラム式の洗濯乾燥機は6年、電子レンジは8年、テレビは8年と示されています。年数はメーカーと品目で違うので、メーカーごとの公表を表に写して使います。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

フォームの送信を Make の Custom webhook で受けた時点で動かします。 公式のページでは、Custom webhook は任意のデータを送れる URL を作るもので、受け取るとすぐシナリオが動くとされています。フォームの送信先をこの URL にし、記入内容を JSON で送ります。

シナリオの設定で「Process data in order」を有効にします。 既定では Webhook で動くシナリオは前の実行を待たずに並行して動くとされています。同じ技術者の同じ空きを、2件の依頼に同時に案内してしまうのを避けるためです。月360件なら、順に処理しても待ちは問題になりません。

Webhook の受信は10秒あたり300件まで、キューの大きさは契約の枠に応じて決まるとされています。依頼のフォームから届く件数では上限に当たりませんが、シナリオを止めたまま5日(120時間)を超えると Webhook が無効になり、410を返すとされているので、止めるときは期間に気をつけます。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
依頼の記入内容品目、メーカー、型番、症状、エラーの表示、購入の時期、設置の場所(2階・天井の近くなど)、希望の日フォーム(Webhook)
型番の表型番、メーカー、品目、製造の打ち切りの年型番の表のシート
故障の型の一覧品目ごとの故障の型のコードと説明、よくある書き方の例故障の型のシート
修理の事例の表故障の型ごとの、持参する部品、作業時間の目安、必要な技能、取り寄せの要否修理の事例の表のシート
保有期間の表メーカーと品目ごとの保有期間保有期間の表のシート
技術者の予定と技能技術者ごとの予定の空き、扱える品目と技能Google カレンダーと技術者の表

AI に渡すのは、記入内容のうち品目・症状・エラーの表示・設置の場所と、その品目の故障の型の一覧だけです。 依頼者の名前・住所・電話番号は渡しません。故障の型を判定するのに、住所は要りません。

技術者の表は、技能を列で持たせます。 「エアコンの冷媒の作業」「ドラム式の分解」「2階以上の室外機の作業」のように、修理の事例の表の「必要な技能」と同じ言葉で列を作り、技術者ごとに可否を入れます。言葉がそろっていないと、事例の表で引いた技能から技術者を絞れません。 2名での作業が要る型は、事例の表に「2名」と書いておき、空きを2人分そろえて探します。

故障の型の一覧の「よくある書き方の例」が、判定の質を決めます。 「ランプが点滅」「タイマーのランプが光る」「チカチカする」はどれも同じ型を指します。受付の担当が過去に受けた依頼の書き方を、例として型ごとに3〜5個並べます。

Step3

データの取得方法を決める

取るものどこからどう取るか
型番の行型番の表Google Sheets の Search Rows で、表記をそろえた型番を引く
故障の型の一覧故障の型のシートSearch Rows で品目の行を引く
部品・作業時間・技能修理の事例の表Search Rows で故障の型のコードを引く
保有期間保有期間の表Search Rows でメーカーと品目を引く
技術者の予定Google カレンダーGet Free/Busy Information で、技能を持つ技術者の予定の入っている時間帯を取る

型番は、表記をそろえてから引きます。 全角と半角、ハイフンの有無、末尾の色の記号(「-W」など)で引けないことが多いので、英数字だけを残した大文字の文字列を、型番の表の検索用の列と照らします。 完全に一致しなければ、先頭の8文字で前方一致を試し、それでも引けなければ「型番の表に無い」とします。

技術者の予定は、空き時間だけを見ます。 Google Calendar API の freebusy の問い合わせは、時刻の範囲とカレンダーの ID を渡すと、予定の入っている時間帯を busy の start と end で返すとされています。応答の既定のタイムゾーンは UTC とされているので、timeZone に Asia/Tokyo を渡します。取った時間帯から、作業時間に移動の30分を足した長さの空きを、Make の側で探します。

移動の時間は、依頼者の住所の区分で変えます。 市内は30分、近郊は45分のように、郵便番号の上3桁から区分を引く表を持たせます。住所そのものは空きの計算にだけ使い、AI には渡しません。 探す範囲は、希望の日があればその日から3日、無ければ受信の翌日から7日とし、午前・午後の希望があればその時間帯に絞ります。1日の最後の枠は、作業が延びても営業の時間を超えないよう、作業時間の目安に30分の余裕を足した長さで見ます。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 型番の表記をそろえる … 英数字だけを残して大文字にします
  2. 型番の表を引く … 一致、前方一致の順で引き、引けなければその旨を記録します
  3. 品目を確かめる … フォームの品目と型番の表の品目が違えば、型番の表を優先し、違ったことを記録します
  4. 危ない症状の言葉を見る … 「焦げ」「煙」「火花」「発火」「感電」「ガス臭い」などがあれば、受付に急ぎで通知します
  5. エラーの表示を切り出す … 「H11」「E-3」のような英字と数字の並びを、そのまま値として残します
  6. 購入の時期から保証の見込みを計算する … 購入から1年以内なら「メーカーの保証の可能性」と記録します
  7. 個人の情報を外す … AI に渡す内容から、名前・住所・電話番号・メールアドレスを外します

4番目は、AI を呼ぶ前に行います。 AI の応答を待たずに、危ない症状の案内だけは先に出せるようにします。AI の判定に、使用をやめてもらう案内を預けません。

6番目で「メーカーの保証の可能性」が出たものは、案内の下書きでメーカーの窓口も紹介します。 保証の範囲かどうかを決めるのはメーカーで、この構成では判断しません。

Step5

AIに処理させる

させるのは、記入を読んで故障の型を判定することだけです。

させること中身判断できないときの扱い
故障の型の判定渡した一覧から、当てはまる型のコードを最大2つ当てはまらなければ unclassified
根拠の文判定に使った記入の文をそのまま写す-
エラーの表示記入にあるエラーの表示を写す無ければ空
依頼者に聞くべきこと型を1つに絞るのに要る質問(いつから、どの運転で、など)無ければ空
確かめてほしいこと記入にある危ない症状、水漏れが床に広がっている、設置の場所が高い、など無ければ空
させないこと理由
部品の名前を挙げる部品は修理の事例の表で決める
作業時間を見積もる事例の表の中央の値を使う
故障の原因を断定する原因は技術者が現地で確かめる
料金を書く出張費と料金の表は会社で決める
修理か買い替えかを勧める依頼者と技術者が決める
型番を補う・直す表記の揺れはプログラムで処理する

1行目が、この設計の中心です。 AI はメーカーの部品の名前を知っているかのように書けますが、この業者の車に積んでいる部品と、過去にその症状で実際に替えた部品は、修理の事例の表にしかありません。

Step6

指示内容を固定する

あなたは家電の出張修理の受付で、修理の依頼の記入を読み、
故障の型を判定する係です。結果は受付の担当と技術者が確かめます。

【判定すること】
1. fault_codes:【故障の型の一覧】から、記入に当てはまる型のコードを最大2つ。
   当てはまる型が無いときは ["unclassified"] にしてください。
2. evidence:判定に使った記入の文を、そのまま写してください。
3. error_display:記入にエラーの表示(英字と数字の並び)があれば、そのまま写してください。
4. questions:型を1つに絞るために依頼者に聞くべきことを、最大3つ。
5. staff_checks:担当に確かめてほしいこと。
   - 焦げ臭い、煙、火花、感電、水が床に広がっている などの記入
   - 設置の場所が高い・狭い、2階以上の室外機 などの記入
   - 記入の品目と症状が合わないところ

【してはいけないこと】
- 部品の名前を書かないでください。
- 作業時間や料金を書かないでください。
- 故障の原因を断定しないでください。「〜の可能性」と書くことも避け、型のコードだけを返してください。
- 修理するか買い替えるかを勧めないでください。
- 記入に無いエラーの表示や症状を補わないでください。
- 一覧に無いコードを作らないでください。

【品目】{product}
【メーカー】{maker}
【記入された症状】{symptom}
【記入されたエラーの表示】{error_text}
【設置の場所】{location}
【故障の型の一覧(コード・説明・よくある書き方の例)】{fault_list}

「可能性と書くことも避ける」まで書いているのには理由があります。 「部品を書かない」だけだと、「基板の不具合の可能性があります」と説明の文の中に部品が入ります。その文が手配の票に写ると、技術者が基板を持って行く判断をしかねません。 返すのはコードだけ、と絞ります。

unclassified を明示するのは、無理に当てはめさせないためです。 一覧に近い型があると、どれかに寄せたくなります。当てはまらない依頼は、現地で診断する枠として扱うほうが安全です。

Step7

出力形式を固定する

{
  "fault_codes": ["AC-03"],
  "evidence": "運転ランプが点滅して、送風しか出ない",
  "error_display": "H11",
  "questions": ["室外機のファンは回っていますか"],
  "staff_checks": [
    { "kind": "danger | location | mismatch", "text": "" }
  ]
}

evidence を返させるのは、担当が判定を数秒で確かめられるようにするためです。 記入の全文を読み直さなくても、どの文からその型を選んだかが分かります。根拠の文が記入に無い文なら、判定そのものを疑います。 Make の側で、evidence が記入の症状の欄に含まれているかを文字列で照らし、含まれていなければ担当に回します。

JSON にする1つ目の理由は、コードで表を引けることです。 fault_codes のコードで修理の事例の表を引き、部品・作業時間・技能を取り出します。コードが一覧に無ければ、事例の表は引かずに担当に回します。

2つ目は、ルーターで振り分けられることです。 Make のルーターは、各ルートのフィルターを順に評価し、どれにも当たらないものはフォールバックのルートに流れるとされています。

ルート条件行き先
1staff_checks に danger がある使用をやめる案内を先頭にした下書き。受付に急ぎの通知
2コードが一覧に無い担当に回す(下書きを作らない)
3保有期間を過ぎている部品が手に入らない可能性を伝え、訪問するかを尋ねる下書き
4unclassified、または型が2つで作業時間が違う長いほうの枠(または120分)で、現地で診断する案内の下書き
フォールバック上のどれでもない部品と作業時間から枠を出した案内の下書き

型が2つ返ってきて作業時間が違うときは、長いほうで枠を取ります。 短いほうで取ると、現地で長いほうだったときに次の訪問に食い込みます。

スキーマでは kind を enum にし、各オブジェクトに additionalProperties: false を付けます。fault_codes が2つまでかは、Make のフィルターで確かめます。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
依頼のフォームMake の Custom webhook記入内容を受ける
各種の表Google Sheets の Search Rows読むだけ
技術者の予定Google Calendar の Get Free/Busy Information空き時間だけを見る
Claude APIAnthropic Claude アプリの Make an API CallMessages API に構造化出力のスキーマを付けて呼ぶ
案内の下書きGmail の Create a draft emailひな形に値を入れる
受付の記録Google Sheets の Add a Row手配の票(品目・型番・故障の型・部品・作業時間・枠の候補)を1行で残す

技術者のカレンダーには書き込みません。 依頼者が枠を選ぶまで、仮の予定を入れると技術者の1日が埋まって見えます。訪問を入れるのは、依頼者の返事を受けた担当です。

部品の発注もしません。 事例の表で「取り寄せ要」と出た部品は、手配の票に印を付けるだけにし、担当が在庫を見て発注します。

Step9

人が確認する

下書きと手配の票は、全件を担当が見ます。

  1. 急ぎの通知を先に見る … 危ない症状のものは、電話で使用をやめてもらうよう伝えます
  2. 故障の型と根拠の文を見る … evidence を読み、記入と型が合っているかを見ます
  3. 部品と取り寄せを見る … 取り寄せ要の部品があれば、届く日より後の枠だけを案内します
  4. 保有期間の案内を見る … 過ぎているものは、訪問するかどうかを依頼者に選んでもらう文になっているかを見ます
  5. 送る … 送ったら受付の記録に印を付けます

3番目は、AI では分からないことです。 部品が何日で届くかは問屋とメーカーの事情で決まります。届く前の枠を案内すると、1回目が診断だけで終わる出直しが残ります。

目標は、360件をならして1件3分です。 型が1つに決まり、部品が車に積んであるものは、根拠の文と枠を見て送るだけで済みます。手配の票で直した箇所を記録しておくと、事例の表のどこが実態と合っていないかが分かります。

Step10

例外に対処する

起きること対応
焦げ臭い・煙などの記入AI の前に検知して通知。下書きの先頭に使用をやめる案内を入れる
型番が書かれていない・表に無い銘板の写真を頼む下書きを作る。保有期間の計算はしない
フォームの品目と型番の表の品目が違う型番の表を優先し、手配の票に「品目の記入違い」と書く
故障の型が unclassified120分の枠で現地で診断する案内にする
技能を持つ技術者に空きが無い次の週の候補を探す。それでも無ければ担当に回す
製造の打ち切りの年が表に無い保有期間は「不明」とし、案内には書かない
メーカーの保証の可能性があるメーカーの窓口も紹介する下書きにする
Claude API がエラー・時間切れ判定なしで担当に回す
同じ依頼が2回届く電話番号と型番で照らし、2件目は記録だけにする
2名での作業が要るのに2人分の空きが無い1名の枠は案内せず、担当に回す
依頼者が賃貸の管理会社で、立ち会いが入居者下書きの宛先は管理会社にし、立ち会いの人の連絡先を尋ねる文を足す

2行目がいちばん多く起きます。 フォームの型番の欄を必須にしても、「わからない」と書かれることがあります。銘板の場所を品目ごとに図で示したページをフォームに添えると、空欄が減ります。

Step11

記録を残す

  • 受付の記録に1件1行:受信日時、品目、型番(記入のまま/そろえた後)、型番の表の引け方
  • Claude に渡した内容と、返ってきた JSON の全文
  • 事例の表から引いた部品・作業時間・技能、保有期間の計算の結果、ルーターの行き先
  • 担当が下書きや手配の票を直したか
  • 訪問の結果:現地での故障の原因、実際に替えた部品、実際の作業時間、出直しになったか

最後の行が、修理の事例の表を育てます。 訪問の結果を故障の型と並べて月に一度集計すると、事例の表の部品と作業時間を実際の値に合わせて直せます。 AI の判定と現地の原因が食い違った依頼を並べると、故障の型の一覧の「よくある書き方の例」を足すべきところが分かります。

04実装レベルの3段階

最小構成:故障の型の一覧と記入を手で Claude の画面に貼り、判定させる / 故障の型の見立て
半自動化:上記+Make が Webhook で受け、表を引き、保有期間を計算し、空きを探して下書きと手配の票を作る / 判定から下書きと手配の票まで
本格構成:上記+依頼者が案内のリンクから枠を選び、技術者のカレンダーに訪問が入る / 訪問の確定の手前まで

最小構成では、事例の表を引く手間と予定を探す手間が残ります。 確かめるための段階です。 半自動化で1件3分になり、この段階が本記事の想定です。 担当は下書きと手配の票を見て送り、取り寄せを発注するだけになります。本格構成は、取り寄せの部品の届く日を枠の選び方に組み込む必要があり、部品の問屋の仕組みとつなぐ作業が増えます。 段階を飛ばさないでください。 半自動化を数か月回すと、訪問の結果と判定した型の食い違いが記録にたまり、事例の表と故障の型の一覧の弱いところが見えます。表が実態に合わないまま依頼者に枠を選ばせると、出直しの訪問が自動で予約されるだけになります。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
4 名
月間件数
360 件
1件あたり現在時間
10 分
1件あたり導入後時間
3 分
現在  360件 × 10分 ÷ 60 = 60 時間/月
導入後 360件 × 3分 ÷ 60 = 18 時間/月
月間削減時間
42h
削減率
70%
年間削減時間
504h
年間金額換算(時間単価2,500円)
126万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 技術者が数名から十数名いて、エアコン・洗濯機・冷蔵庫などの家電の出張修理の依頼を Web のフォームやメールで月に数百件受けている修理業者・町の電器店。症状の書き方がばらばらで、どの部品を持って行き、何分の枠を取ればよいかをベテランの技術者に聞かないと決められず、訪問してから部品が足りずに出直しになることがある場合。過去の修理の記録から、品目と症状ごとによく交換する部品と作業時間を表にできる場合。
向いていない
  1. 依頼が月に数十件で、技術者が自分で電話を受けて段取りしている業者。メーカーの修理の委託だけを受けていて、部品と枠の手配をメーカーのシステムで行っている場合。修理の記録を残しておらず、症状と部品の対応を表にできない場合。なお、故障の原因の確定、修理するか買い替えるかの判断、修理の料金の見積、安全に使い続けられるかの判断は、この構成では代替できません。

07最小構成で試す方法

  1. 先月の依頼から40件を選ぶ(エアコン・洗濯機・冷蔵庫を混ぜ、出直しになった依頼を含める)
  2. 品目ごとの故障の型の一覧を、受付の担当と技術者で作る
  3. Claude の画面に、故障の型の一覧と依頼の記入を貼り、第7章の指示で判定させる
  4. 技術者が現地で確かめた原因と、判定した型を比べる

出直しになった依頼を必ず入れてください。 それが、この構成で減らしたいものです。当時の受付が見立てを誤った依頼を、AI がどう判定するかを見ます。

出てきた内容判断
現地の原因とおおむね同じ型を選んだMake での自動化に進む
部品の名前や原因の推測を書いた指示の書き方で直る。構成は有効
型の一覧のどれにも当てはまらない依頼が多い故障の型の一覧の作り直しが先

3行目は、型が細かすぎるか粗すぎるときに出ます。 技術者の言葉で作ると受付の言葉と合わず、受付の言葉で作ると部品が絞れません。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
AI が部品の名前を挙げるコードだけを返させ、部品は事例の表で引く
原因の推測が手配の票に写る「可能性」の文も書かせない
型番が表記の揺れで引けない英数字だけの大文字で照らし、前方一致も試す
型が2つで短いほうの枠を取る作業時間の長いほうで枠を取る
同じ空きを2件に案内する「Process data in order」で順に処理する
予定が UTC でずれるfreebusy に timeZone を指定する
保有期間を一律の年数で計算するメーカーと品目ごとの公表を表に写す
取り寄せの部品が届く前の枠を案内する担当が届く日を見て枠を選び直す
危ない症状が下書きの順番待ちになるAI の前に言葉で検知して通知する
事例の表が古くなる訪問の結果で月に一度直す
根拠の文が記入に無い文になる記入の症状の欄と文字列で照らし、無ければ担当に回す
2名の作業を1名の枠で案内する事例の表に「2名」を持たせ、2人分の空きをそろえて探す

上の2行が、この構成でいちばん起きやすい失敗です。 AI が部品の名前を書くと、それが手配の票に載り、技術者が持って行く部品になります。判定と部品の対応を分けてあるかどうかで、出直しが減るか増えるかが決まります。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 依頼者の名前・住所・電話番号・メールアドレス、家電の型番と症状、訪問の予定です。住所と訪問の日時が組になったデータは、留守の時間を知らせる情報にもなります。

  1. AI に渡す項目を絞る … 渡すのは品目・メーカー・症状・エラーの表示・設置の場所だけです。名前・住所・電話番号は渡しません
  2. 危ない症状の案内を AI に預けない … 言葉で検知し、会社で決めた文を出します。安全に使い続けられるかの判断は、この構成では代替しません
  3. 部品と作業時間を AI に決めさせない … 事例の表で決めます
  4. 自動で送らない … 出張費や部品が手に入らない可能性を伝える文は、担当が読んでから送ります
  5. 受付の記録と技術者の予定の閲覧者を限る … 住所と訪問の日時が並ぶシートです。受付と技術者だけが見られるようにします
  6. 保証の範囲を判断しない … メーカーの保証の可能性は、メーカーの窓口を紹介するまでにします
  7. 訪問の結果の記録を AI の学習に使う形にしない … 事例の表を人が直すために使います。依頼者の住所や名前は、集計の前に外します

誤りが起きた場合のリスクは、必要な部品を持たずに訪問して出直すことと、危ない症状の案内が遅れることの2つです。 前者は事例の表と担当の確認で、後者は AI の前の検知で防ぎます。

10まず何から始めるか

1週目:故障の型の一覧を作る

受付の担当と技術者で、エアコン・洗濯機・冷蔵庫の故障の型を10〜20個ずつ並べ、よくある書き方の例を添えます。依頼の多いエアコンから始めます。

2週目:40件で試す

先月の依頼から40件を選び、Claude の画面で判定させます。部品の名前や原因の推測を書いていないか、出直しになった依頼の型を選べたかを最優先で見ます。

3週目:修理の事例の表と保有期間の表を作る

過去の修理の記録を故障の型ごとにまとめ、部品・作業時間・技能を1行にします。メーカーの公表から保有期間の表を、主な型番について製造の打ち切りの年を写します。

4週目:Webhook から下書きまでをつなぐ

Make で Webhook を受け、表を引き、Claude を呼び、空きを探して下書きと手配の票を作るところまで作ります。この時点では、担当は今までどおり自分で段取りし、手配の票は見比べるだけにします。

2か月目: 手配の票を使って送る運用に切り替え、出直しの訪問の件数を数えます。3か月目以降: 訪問の結果で事例の表を直し、1件10分が何分になったかを実測します。夏の繁忙期にも受付の返事が当日中に出た時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-28/最終更新:2026-10-28
確認した内容情報源確認日
Custom webhook が任意のデータを送れる URL を作り、受け取るとすぐシナリオが動くこと。既定で並行して動き「Process data in order」で順に処理できること。受信が10秒あたり300件まで、キューの大きさが契約の枠に応じて決まること。シナリオにつながっていない Webhook が5日(120時間)で無効になり410を返すことMake Help Center: Webhooks2026-10-28
ルーターの各ルートが順に評価され、どれにも当たらないものがフォールバックのルートに流れることMake Help Center: Router2026-10-28
Anthropic Claude アプリに Make an API Call があり、構造化出力の記載が無いことMake Apps: Anthropic Claude2026-10-28
Google Sheets の Search Rows・Add a Row があることMake Apps: Google Sheets2026-10-28
Google Calendar に Get Free/Busy Information があることMake Apps: Google Calendar2026-10-28
Gmail に Create a draft email があることMake Apps: Gmail2026-10-28
freebusy の問い合わせが busy の start/end を返し、timeZone の既定が UTC であることGoogle Calendar API: Freebusy: query2026-10-28
構造化出力を output_config.format で指定し、minLength/maxLength や数値の範囲の制約に対応しないことClaude API Docs: Structured outputs2026-10-28
補修用の部品の保有期間の始まりが製品の製造を打ち切ったときであること。エアコン10年、冷蔵庫9年、縦型の洗濯乾燥機・全自動洗濯機7年、ドラム式の洗濯乾燥機6年、電子レンジ8年、テレビ8年であること(パナソニックの場合)パナソニック: 補修用性能部品の保有期間2026-10-28

故障の原因、修理か買い替えかの判断、料金、保証の範囲は、技術者・依頼者・メーカーで決めてください。 本記事は公開の技術資料で確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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