AI利用の申請を断る5つの基準|認めない理由の伝え方

AI利用の申請を断る5つの基準|認めない理由の伝え方

「AIを使いたいという申請が上がってくるのですが、断る理由をうまく書けません」「一度認めてしまうと、あとから止めるとは言い出しにくくて」——社内でAI利用の受付に回った担当者が、半年もしないうちに突き当たる場所です。断れないのは、担当者が押しに弱いからでも、規程の書き方が甘いからでもありません。断る側にだけ根拠の説明を求める仕組みになっているので、書く手間の少ないほう、つまり通すほうへ判断が流れているだけです。この記事では、申請を受ける側が先に持っておく5つの基準と、断ったあとに何をどう伝えるかを、順に組み立てていきます。


カメ先生カメ先生

AIの利用申請を断れないのは、担当者が弱腰だからだと思われがちだね。でも順番は逆なんだ。断る根拠をそのつど組み立てさせる形になっていると、誰が受付に座っても同じように通してしまうよ。


カメ子カメ子

断る理由が思いつかないから、通してしまうということですか。


カメ先生カメ先生

それもあるけれど、もっと単純だよ。通すときは「特に問題はなさそうです」の一行で済むのに、断るときは相手が納得する分量を書かなければいけない。同じ5分で、片方は終わり、片方は終わらないんだ。


カメ子カメ子

断る側の手間を先に減らしておかないと、基準を作っても運用が追いつかない、という話になりそうですね。


この記事のポイント
  • 断れないのは基準が無いからではなく、断る根拠だけを毎回その場で作らせているから
  • 可否は、入れるデータ・出力の使い道・代わりの手段・止める手順・責任者の5つで決まる
  • 断ったあとにやることは3つ。代案を1つ出す、再申請の期限を切る、例外は条件ごと記録に残す

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目次

「断る理由が書けない」まま、保留だけが積み上がる

申請が届きます。読んでみると、規程のどこかに明確に触れているわけではありません。かといって、このまま通してよいとも言い切れない。この状態で実際に起きるのは、却下ではなく保留です。もう少し詳しく書いてくださいと返し、返ってきた内容を読み、判断がつかずにまた止まる。保留は判断の先送りに見えて、その実、期限による自動承認と同じ働きをします

現場からは催促が来ます。案件の期限が迫り、受付の担当者が別の仕事に追われ、そのうち「今回は条件付きということで」という言葉が出ます。条件の中身は口頭で終わり、記録に残るのは承認の日付だけです。半年後に同じ道具の申請が別の部署から届いたとき、社内で参照される前例は、規程ではなくその1件になります。

ここが厄介なところで、断れないまま通した1件は、基準が無いという事実を社内に対して最も強い形で示します。次の申請者はその1件の書き方をなぞって出してきますし、断ろうとすれば「前はこれで通りましたよね」と返ってきます。文章になった基準より先に、通した実績のほうが基準として動き始めるわけです。

通してしまった申請は、あとから止められない

入口で断る手間と、出口で止める手間は、比べものになりません。申請が通ると、その道具の上に業務が乗ります。定型の作業がその道具で回るようになり、出力を前提にした資料の形ができ、部署の外にも「あそこはこれでやっている」と伝わります。この段階で止めると、止まるのは道具ではなく業務のほうです

止められない理由は心理的なものだけではありません。すでに作った資料や対話の記録がその道具の中にある、年度の途中で契約が残っている、外部の相手にその形で提出してしまっている。どれも、止める判断を技術ではなく調整の問題に変えます。調整には担当者の一存では動かせない相手が出てくるので、期間が読めなくなります。

だからこそ、受付の側は入口に手をかける価値があります。断るための説明を1回書く手間と、通したあとに全社で巻き戻す手間は、桁が2つ違うと考えて構いません。断ることは強い態度に見えますが、実務としては、いちばん軽い判断を選んでいるにすぎません。

断れない原因は、根拠の求められ方が片側に寄っていること

原因をもう少し細かく見ます。承認と却下は、形の上では同じ1つの判断です。ところが求められる説明の量が違います。通すときに必要なのは「規程に触れていないこと」の確認だけで、多くの場合は一行で済みます。断るときに必要なのは、どの条件に照らして駄目なのか、どうすれば通るのか、いつ再申請できるのか。1つの却下を出すために、3つの説明を書かされている状態です。

この非対称は、担当者の努力では埋まりません。埋めようとすると、断るときだけ長文を書く担当者が1人だけ残り、その人が異動した瞬間に元へ戻ります。手を入れる場所は人ではなく、断る根拠のほうを先に文章にしておき、却下のときは番号で指し示せば済むようにすることです。

もう1つの原因は、受付が判断の材料を持っていないことです。申請書に書かれているのは、使いたい道具の名前と、やりたいことの概要だけ。どの区分のデータを入れるのか、出力がどこまで出ていくのか、止めるときにどうするのかは書かれていません。材料が無いところで可否を出せと言われれば、誰でも保留に逃げます。次の節から挙げる5つは、この材料の項目そのものでもあります。

「断る」と「使わせない」は、別のことを指している

基準に入る前に、混ざりやすい2つを分けておきます。申請を断るのは、その申請の形では通せない、という意味です。その業務でAIを使うこと自体を禁じる、という意味ではありません。ここが混ざると、受付は「禁止する立場の人」として扱われ、相談の段階で誰も寄りつかなくなります。

実際に起きるのは、申請が減ることです。申請が減ると、受付には「落ち着いてきた」ように見えます。ところが利用そのものは減りません。個人の契約で使う、部署の経費で小さく契約する、私物の端末で試す。見えないところで使われている状態は、断れていない状態より確実に悪い——止めることも数えることもできないからです。

したがって、断り方には条件が付きます。今回の申請のどこが足りないのかを、番号で示せること。同じ目的を果たす別の道が、社内に少なくとも1つあること。この2つが揃っていれば、却下は「相談の続き」として受け取られます。揃っていない却下は、単なる門前払いとして受け取られます。

基準1:入れるデータの区分が、申請書の上で確定しているか

1つ目は、入力するデータです。ここで断る対象は「危ないデータを入れる申請」ではありません。どの区分のデータを入れるのかが、申請書の上で確定していない申請です。顧客の情報を含むかもしれません、必要なら社内資料も使います、といった書き方は、判断の材料になりません。

確認すべきことの形は、公的な文書にも示されています。個人情報保護委員会は、生成AIサービスの利用に関する注意喚起(令和5年6月2日)の中で、個人情報取扱事業者が個人情報を含むプロンプトを入力する場合には、特定された当該個人情報の利用目的を達成するために必要な範囲内であることを十分に確認すること、と述べています。さらに、あらかじめ本人の同意を得ずに個人データを含むプロンプトを入力し、その個人データが応答結果の出力以外の目的で取り扱われる場合には個人情報保護法の規定に違反することとなる可能性があるとして、提供する事業者がその個人データを機械学習に利用しないこと等を十分に確認することを求めています。

ここで大事なのは、断り文句の形です。「個人情報を入れるから駄目です」ではなく、「必要な範囲内であることと、学習に使われないことを確認できていないので、この形では通せません」と書く。前者は価値判断で、後者は事実の不足です。事実の不足は、申請者が埋められます。価値判断は、埋めようがないので反発だけが残ります。

基準2:出力の使い道が、社内で止まるのか外に出るのか

2つ目は、出力の行き先です。同じ道具で同じ作業をしても、結果が社内の検討で終わるのか、社外の相手に渡るのかで、負う責任が変わります。申請書に「社外に出る予定があるか」の欄が無いなら、まずその欄を作るところからです

著作権の整理でも、この線は引かれています。文化庁のチェックリストは、生成そのものと、生成物の利用とでは判断が異なり得ると説明しています。企業や団体の内部で、権利者から許諾を得て利用することを前提に検討の過程で生成する場合などは権利制限規定の範囲内にあるのに対し、生成物の利用、つまり配信や複製物の譲渡といった行為は、その範囲の外になる場合が多いとされています。社内で回している間は問題にならなかったものが、外に出た瞬間に別の物差しで見られる、ということです。

したがって、断る条件はこうなります。社外に出る予定があるのに、出す前に人が確認する工程が申請書に書かれていない場合は、その工程が書かれるまで通さない。確認の中身まで細かく決める必要はありません。誰が、何を見て、どこで止められるのか。この3つが1行ずつ埋まっていれば足ります。

基準3:その道具でなければできないことが、本当にあるか

3つ目は、代わりの手段です。すでに社内で契約している道具で同じことができるなら、新しい申請を通す理由は薄くなります。理由が薄い申請を通し続けると増えるのは、できることではなく、管理する対象の数です。契約が1つ増えるたびに、棚卸しの手間と、退職者の後始末と、規約が変わったときの再確認が増えます

ただし、断り方には注意が要ります。「既存の道具で代用してください」で終えると、代用できない2割の部分が申請者の手元に残り、そこだけが見えない利用になります。聞くべきことは1つです。今ある道具でできない部分は具体的に何か。答えが「速さが違う」「使い勝手がよい」であれば断ってよく、答えが「この形式の入力が扱えない」「この量を一度に処理できない」であれば、通す側の検討に入ります。

この基準は、受付の側にも宿題を出します。社内にどんな道具があり、何ができるのかを一覧にしておかないと、代わりがあるかどうかを判断できないからです。一覧は完璧でなくて構いません。よく使われている上位5つについて、できることとできないことを3行ずつ書いた紙があれば、申請の半分はその場で仕分けられます。

基準4:止める手順が、始める手順と同じ紙に書かれているか

4つ目は、終わり方です。申請書は、たいてい始めるための書類として設計されています。使う目的、使う人数、必要な期間。ところが、やめるときにどうするのかは書かれていません。止め方の書かれていない申請は、実質的に「永続して使う」という申請です。

書いてもらうのは4つで足ります。契約をどの単位で解約できるのか。それまでに入れたデータをどう引き上げるのか。利用者のアカウントを止めるのは誰か。その道具でやっていた業務を、止めたあとどの形に戻すのか。4つ目が最も抜けやすく、そして最も効きます。戻し方が書けない業務は、その道具に依存し切った状態を、始める前から選んでいるということだからです。

この基準で断るとき、申請者には「使わせない」ではなく「出口を1つ書いてほしい」と伝わります。実際、書いてもらった内容が薄ければ、それは道具の問題ではなく、業務の設計が固まっていない証拠です。試験的に3か月だけ、範囲を1部署に絞って、という形に落ち着くことも多く、その落とし方は却下ではなく条件付きの承認として記録できます。

基準5:責任を持つ人が、申請者とは別に立っているか

5つ目は、人です。申請者と利用者と責任者が全部同じ1人になっている申請は、その形のままでは通せません。理由は単純で、その人が異動や退職でいなくなった瞬間に、誰も引き取れない状態が残るからです。道具は残り、契約も残り、中に入れたデータも残り、経緯を知る人だけがいなくなります

説明を求められる側が誰なのかも、先に決めておく必要があります。政府が府省向けに定めた生成AIの調達・利活用のガイドラインでは、利用者に向けたルールのひな形の中に、生成AIの出力に基づいて行われた判断についての説明責任を理解すること、という項目が置かれています。これは行政機関に向けた文書で、民間の会社にそのまま義務が及ぶものではありません。ただ、出力そのものではなく、出力に基づいた判断のほうに説明の責任が生じるという整理は、社内で責任者を立てるときの物差しとして使えます。

実務としては、申請書に2つの欄を足すだけで済みます。業務としての責任を持つ人(多くは申請した部署の管理職)と、道具としての窓口になる人。同じ人が兼ねる場合でも、兼ねていると書いてあれば、その人がいなくなったときに何が宙に浮くかが分かります。

5つを可否の二択にせず、条件を付けて返す

5つの基準は、通すか断るかの二択で使うものではありません。実際の申請は、5つのうち2つか3つだけが埋まっていない、という形で届きます。そこで全部を却下にすると、申請者は最初から書き直すことになり、往復が増えます。基準ごとに、足りない場合の返し方を決めておいてください。

基準断る(この形では通さない)条件を付けて通す通す
入れるデータの区分区分が書かれていない。あるいは、機密の区分を扱う道具として社内で認めていない区分を限定し、その区分を超える入力を禁じる一文を添えて通す区分が書かれ、その区分がその道具で扱ってよいものとして社内で確定している
出力の使い道社外に出す予定があるのに、出す前の確認の工程が書かれていない社内利用に限る、または社外に出す前に確認の工程を通す条件を付ける行き先と確認の担当者が書かれている
代わりの手段既存の道具でできることを、便利さだけを理由に置き換えようとしている既存の道具でできない部分に範囲を絞り、期間を区切って通す既存の道具では扱えない入力や量が、具体的に示されている
止める手順解約・データの引き上げ・業務の戻し方のいずれも書かれていない期間を区切り、期間の終わりに継続の可否を判断する条件を付ける4つの項目が書かれ、戻す先の業務の形が示されている
責任を持つ人申請者と利用者と責任者が同一で、引き継ぎ先が書かれていない部署の管理職を責任者として立てることを条件に通す業務の責任者と道具の窓口が、それぞれ書かれている

表の真ん中の列が、実務ではいちばん使われます。条件付きで通した案件は、条件そのものが次の申請の書式になります。同じ条件が3回続いたら、それは申請書の欄に昇格させる合図です。受付の負担は、この繰り上げを繰り返すほど軽くなります。

断ったあとに、この順で返す

却下を伝える場面は、断る内容よりも順番で決まります。結論から入り、根拠を番号で示し、代案を1つ置き、次の期限を切る。この4つを1通の連絡に収めてください。順番が崩れると、同じ内容でも「話を聞いてもらえなかった」という受け取り方に変わります

STEP1
結論を先に1行で書く

通せません、と先に書きます。理由から書き始めると、読む側は最後まで結論が分からないまま長文を読むことになり、読み終えた時点で身構えます。1行目で結論が出ていれば、残りは対処の話として読まれます。

STEP2
どの基準に当たるのかを、番号で示す

5つの基準に番号を振っておき、今回はどれに当たるのかを指し示します。担当者の主観ではなく社内の物差しで判断した、という形が、この一手で伝わります。基準の文面をそのまま貼り付けるので、書く手間もほぼありません。

STEP3
代案を1つだけ出す

既存の道具で代用する、範囲を狭めて試す、業務の側を変える。3つ並べる必要はありません。1つに絞ったほうが、相手はその1つを検討します。並べると、どれも検討されないまま終わります。

STEP4
再申請の期限を切る

いつまでに何が埋まれば再度見るのかを書きます。期限のない却下は、相手にとっては無期限の停止です。2週間後に不足の2項目を埋めて再提出、という形なら、相手の仕事の予定に組み込めます。

STEP5
やりとりを記録に残す

断った案件こそ記録が要ります。半年後に似た申請が来たとき、同じ基準で判断できるようにするためです。通した案件だけを記録していると、社内には通った前例しか残りません。

この5手は、慣れれば1件あたり10分もかかりません。却下の連絡に10分かける仕組みを作れるかどうかが、断れる組織と断れない組織の分かれ目です。

代案のない却下は、見えない利用を増やす

代案の話をもう少し続けます。断ったあと、申請者の目の前にある選択肢は3つです。代案に乗る、あきらめる、申請せずに使う。代案を示さない却下は、3つ目の確率を確実に上げます。しかも3つ目を選んだ人は、そのことを受付に相談しません。

代案の中身は、大きく3つの型に分かれます。1つ目は、すでに契約している道具に寄せる型。2つ目は、範囲を狭めて試す型で、1つの部署・1つの業務・3か月といった形に切ります。3つ目は、業務の側を変える型です。そもそもその作業が必要なのかを問い直すと、道具を入れずに済むことがあります。

どの型を出すかは、断った基準によって決まります。代わりの手段の基準で断ったなら1つ目、止める手順や責任者の基準で断ったなら2つ目、入れるデータの基準で断ったなら3つ目が近くなります。基準と代案を最初から組にして用意しておけば、その場で考える必要がなくなります

例外を通すときこそ、条件を書いた形で残す

どれだけ基準を整えても、例外は必ず出ます。役員からの依頼、期限の迫った案件、取引先の側から指定された道具。ここで「今回だけ」と口頭で通すと、記録に残るのは承認の事実だけで、条件は消えます。条件の消えた例外は、次の申請にとって、条件の無い前例になります

残す項目は4つです。誰が認めたのか、いつまでなのか、何を条件にしたのか、期限が来たら誰が確認するのか。4つ目まで書いて、はじめて例外は例外として終わります。期限だけ書いて確認の担当を書かないと、期限は静かに過ぎます。

例外の件数そのものは、気にしなくて構いません。見るべきなのは件数ではなく、期限が来た例外のうち、実際に見直されたものの割合です。この割合が低い場合、基準が厳しすぎて例外でしか回らなくなっている可能性があります。そのときは、例外の中身を見て基準の側を書き換えます。運用に合わない基準を守らせ続けても、守られない基準が1つ増えるだけです。

やってはいけない断り方

最後に、実際に反発を生んだ断り方を挙げておきます。どれも、内容が間違っているのではなく、断り方の形が問題を起こした例です。

  • 規程の条番号だけを貼って返す:何が足りないのかが書かれていないので、申請者は直しようがなく、次も同じ申請が来る
  • 「セキュリティ上の理由で」とだけ書く:確認できていないだけなのか、確認した結果として駄目なのかが区別できず、確認を急かす催促だけが返ってくる
  • 会議での口頭の指摘だけで終える:記録が残らないため、担当が変わると同じ道具が別の判断で通り、社内に2つの前例ができる
  • 決裁者の名前を出して断る:判断の根拠が基準ではなく人になり、次からは基準を満たすことではなく決裁者を通すことが目的化する
  • 再申請の条件を書かずに「見送り」とする:期限のない停止として受け取られ、申請せずに使う動きを生む

共通しているのは、断った側の判断の過程が、相手から見えないことです。見えない判断は、内容が正しくても納得されません。逆に、判断の過程が見えていれば、結論に不満が残っても手続きとしては終わります。断る仕事で目指すのは、納得ではなく、この「手続きとして終わる」状態です。

基準そのものを、AIに判断させない

申請の受付にAIを使う話も出てきます。実際、役に立つ部分はあります。申請文から必要な項目が埋まっているかを洗い出す、過去の似た申請を引き当てる、却下の連絡文の下書きを作る。どれも、材料の中で完結する作業です。可否そのものは、材料の外にある事情で決まります。今期の方針、関係する取引先、直近で起きた事故。書かれていない材料で決まるものを、書かれた材料から出た出力に委ねないでください。

  • 可否の決定はAIの出力を根拠にしない。決めた人と決めた日を、申請ごとに記録に残す
  • 不足項目の洗い出しにAIを使う場合も、指摘の根拠として「どの欄が空か」を必ず出力させ、人が同じ欄を目で確かめる
  • 人が確認する範囲を先に決める。全件を見るのか、条件付きで通した案件だけを見るのかを、運用の開始時に書いておく
  • 申請文に取引先の名前や個人の情報が含まれる場合、AIに渡す前にその列を外せるかを確認する
  • 却下の連絡文を下書きさせる場合でも、送る前に人が読む。番号で示した基準と、本文の説明がずれていないかだけを見る

基準そのものの見直しも、人の仕事として残しておきます。周期は四半期に一度で十分です。見るのは3つ。条件付きで通した案件に同じ条件が繰り返し出ていないか、例外の期限が守られているか、断った案件の再申請がどれくらい戻ってきているか。再申請がまったく戻ってこない基準は、厳しすぎるのではなく、伝わっていないと考えてください。

よくある質問

上司から「とりあえず通して」と言われたときは、どうすればよいですか

通すこと自体は構いません。残すべきなのは、誰の判断で通したのかです。例外として通す旨、期限、条件、期限が来たときに確認する人。この4つを書いた上で承認に回してください。指示した側にとっても、期限付きであることが明示されているほうが後から扱いやすくなります。口頭の指示をそのまま無記録の承認に変えると、半年後に責任の所在だけが残らない形になります。

5つの基準のうち、どれから作るのが早いですか

入れるデータの区分からです。ほかの4つは申請書の欄を足せば集まりますが、データの区分だけは社内の分類そのものが必要になるので、時間がかかります。既存の情報の分類がある会社なら、その分類をそのまま使ってください。新しく作る必要はありません。分類が無い会社は、まず2つに割るところから始めます。社外に出しても困らないものと、それ以外。2つあれば、申請の8割は仕分けできます。

断った相手から「他社は使っている」と言われます

その情報は判断の材料になりません。同じ道具でも、契約の形と入れるデータの区分が違えば、通せるかどうかは変わるからです。返し方としては、比較の対象を他社ではなく自社の別案件に移してください。社内で同じ道具が通っている案件があるなら、その案件との違いを示す。無いなら、その道具が社内で初めてであることを伝え、初回の分だけ確認に時間がかかると説明します。

申請の件数が多すぎて、5つとも確認しきれません

全件を同じ深さで見る必要はありません。出力が社外に出るかどうかで2つに分け、社内で止まるものは入れるデータの区分と責任者の2つだけを見る、という運用で回せます。社外に出るものだけ5つとも見てください。仕分けの基準を1つに絞ると、受付の作業時間は目に見えて減ります。件数が増えた時期に基準を増やすと、確認の質が全体的に下がるので、増やすのは落ち着いてからにします。

すでに使われている道具を、あとから申請に載せてもらうには

期限を切った棚卸しとして一度だけ集めるのが現実的です。今から2か月間は、申請せずに使っていたことを問題にしない、と先に宣言してください。過去を問う姿勢を見せると、出てこなくなります。集まったものを5つの基準で仕分け、条件付きで通せるものは通し、通せないものだけ移行の相談に入ります。全部を止めようとすると、この棚卸し自体が成立しません。

まとめ

AIの利用申請を断れないのは、断る側にだけ説明の手間を負わせているからです。入れるデータの区分、出力の使い道、代わりの手段、止める手順、責任を持つ人。この5つを先に文章にしておけば、却下は主観の表明ではなく、どの欄が埋まっていないかの指摘に変わります。そして断ったあとに、代案を1つ出し、再申請の期限を切り、例外は条件ごと記録に残す。この3つが無い却下は、見えないところで使われる状態を作るだけで、結果としては通したのと変わりません。まずは直近に届いた申請を3件、5つの基準に当てて仕分けてみてください。埋まっていない欄がどれかを数えた時点で、申請書に足すべき項目が決まります。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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