アカウントプランに書く項目一覧|1社ごとの攻め方を決める

「重点顧客を10社決めたのですが、そのあと何を書けばいいのか分からなくて止まっています」「担当が異動したら、その会社のことが誰にも分からなくなりました」——狙う企業を絞ったあとの相談では、この2つがほぼ必ず並びます。書式が悪いという話ではありません。本当は、1社ごとの攻め方が、担当者の頭の中にしか残っていないことが原因です。この記事では、1社ごとの計画に何を書けば担当が代わっても動けるのかを、記入例つきの項目一覧と、四半期ごとの見直しの手順として整理します。
カメ先生狙う会社を10社決めたところで満足してしまう組織は多いんだ。でも、リストができた時点では、その1社に何をするかは何ひとつ決まっていない。
カメ子リストを作ることと、計画を書くことは別ということですか。
カメ先生答えている問いが、そもそも違うからね。リストは「どこを狙うか」の答えで、計画は「その1社にどう当たるか」の答えだからね。前者は表計算の1行で済むけれど、後者は1社に1枚要る。
カメ子1枚に何を書くかが決まっていないと、結局その会社のことは担当者しか知らない状態になるのですね。
- リストと計画は別物。リストは狙う先を選ぶ道具、計画は選んだ1社の攻め方を人に引き継げる形にする道具
- 項目は8つに絞る。増やすと埋まらなくなる。事実の欄と仮説の欄を必ず分けて書く
- 公開情報から動きを拾わせるのはAIに任せてよい。ただし仮説と明記させ、事実の欄には人が確かめたものだけを書く
リストと計画は、別の道具である
重点顧客を絞る取り組みでは、最初にやることが企業リストの作成です。売上規模、業種、既存の取引の有無、こちらの提供内容との相性で並べ替え、狙う先を数十社から十数社に絞る。ここまでは、表計算の1行で1社を表せます。ところが、絞ったあとにやる作業は性質が違います。1社について、誰にいつ何を届けるかを決める作業で、1行では収まりません。
この2つを同じ表の中で処理しようとすると、たいてい列が増え続けます。相手の部署、担当者名、最終接触日、次のアクション、確度と足していき、最後には30列ほどの表になって、誰も更新しなくなる。列が増えたからではありません。選ぶための道具と、動くための道具を、1つの表に同居させたからです。選ぶための表は横に並べて比べるためのもの、動くための計画は1社を縦に読むためのものなので、形が合いません。
分け方は単純です。狙う先を選ぶところまでは表で持ち、選んだ1社ごとに1枚の計画を作る。1枚には8つの項目を置きます。8つという数は、埋められる上限として決めています。実務では10を超えると空欄が増え、空欄が3つ以上あると読む側がその計画を信用しなくなります。項目の数は、質ではなく更新され続けるかで決めるほうが機能します。
「担当が代わると動けなくなる」の正体
引き継ぎがうまくいかない原因は、情報が少ないことではありません。むしろ逆で、記録は残っていることが多い。商談のメモ、送ったメール、名刺の一覧。それでも動けなくなるのは、記録が時系列でしか並んでいないからです。時系列の記録からは、いま誰が味方で、何が止まっていて、次に何をすべきかが読み取れません。読み取るには、その場にいた人の記憶が要ります。
計画が必要なのは、この記憶の部分を紙に移すためです。移すべきものは3つあります。相手の中で誰がどの役割かという理解、こちらが立てている仮説、そしてまだ確かめていないことは何かという自覚。3つ目が抜けている引き継ぎが、いちばん危ない。前の担当者が推測で書いたことを、次の担当者が事実として扱い、その前提のまま提案してしまうからです。
引き継げるかどうかの判定は、実際にやってみるのが早いです。その会社を担当していない人に1枚を読んでもらい、次に誰に何をすればよいかを言ってもらう。言えなければ、足りない項目があります。読んだ人が次の1手を言えるかどうかが、計画の合格基準です。網羅されているかどうかではありません。
計画に書く8つの項目(記入例つき)
項目の並びは、国内外の解説でおおむね似た形に落ち着いています。国内のBtoBマーケの解説では、顧客の概要、目的と方向性、伸ばせる余地、関係者の相関、行動計画の5つに整理されることが多く、海外の枠組みでは、これに競合の状況、指標、危険要因を足した7つから8つの構成が一般的です。呼び方は違っても、指しているものはほぼ同じです。ここでは、実際に埋められる粒度に直した8項目を並べます。
| 項目 | 書くこと | 記入例(抜粋) |
|---|---|---|
| 相手の事業と直近の動き | 主力事業と、直近1年の公表された動き | 主力は産業機械。前期の決算説明で海外比率を5割に上げると表明 |
| 解ける課題の仮説 | 相手の言葉で書いた困りごとと、その根拠 | 海外の代理店ごとに販促物がばらばら(採用の職務内容から推測) |
| 関わる部署と役割 | 使う人、決める人、止める人、つなぐ人 | 使う人は海外営業部、決める人は経営企画の部長、止める人は情報システム部 |
| すでにある接点と温度 | 誰と、いつ、何で接点があったか | 海外営業部の課長が3月の催しに参加。以後の接触なし |
| 競合と現行の取引先 | いま使っているものと、切り替えの費用 | 販促物の制作は既存の広告会社。契約は年度単位との情報あり(未確認) |
| 年間の接点計画 | 誰にいつ何を届けるか | 第2四半期に海外向け販促の調査資料、第3四半期に個別の勉強会 |
| 目標 | 次に起こしたい出来事 | 経営企画の部長を含む3人が同席する場を年内に作る |
| 止める条件 | 何が起きたら手を引くか | 2四半期続けて接点が増えなければ、対象から外して見直す |
この8つのうち、埋まりやすいのは1番目と4番目です。公開情報と社内の記録から機械的に写せるからです。埋まりにくいのは3番目と8番目で、どちらも判断を含みます。埋まりにくい項目ほど、担当が代わったときに失われる情報が多いので、空欄のまま置かず、現時点では不明と書いて日付を添えます。不明と書いてあることと、書き忘れは、読む側にとってまったく違う意味を持ちます。
項目を足したくなったときは、その情報が次の1手を変えるかどうかで判断します。変えないなら足しません。計画に書く情報は、動きを変えるものだけに絞る。相手の資本金や設立年は、読み物としては情報ですが、来週の行動を変えないので入れません。入れると、埋める手間だけが増えます。
相手の事業と直近の動きは、どこまで書くか
最初の項目は、相手を知るための欄ではなく、こちらの仮説の根拠になる欄です。会社案内をそのまま写しても意味がありません。書くのは、直近1年に外へ出た動きに絞ります。決算の説明資料で新しく触れられた方針、報道発表の内容、採用の募集で増えた職種、自社サイトで更新されたページ。この4つで、たいてい足ります。
なかでも採用の募集は、外から見える情報の中では最も動きが早いものの1つです。ある職種の募集が急に増えたなら、その領域に人を割こうとしていることが読み取れます。募集の職務内容には、社内でいま困っていることがそのまま書かれていることも珍しくありません。公表された方針より、募集の内容のほうが具体的なことがあるという点は、覚えておく価値があります。
書き方の注意は2つです。1つは、出どころを必ず添えること。決算説明資料と書くのか、報道発表と書くのかで、次の担当者が確かめ直せるかが変わります。もう1つは、量を増やさないこと。この欄は5行までにします。この欄が長い計画ほど、他の欄が空になっている傾向があるので、調べる時間の配分の目安としても使えます。
解ける課題の仮説は、相手が使う言葉で書く
2番目の欄には、こちらが解けそうな困りごとを書きます。ここで最も多い失敗は、自社の提供内容を裏返して書いてしまうことです。動画の制作を提供しているから、動画が足りていないと書く。これは仮説ではなく、売りたいものの言い換えです。読んだ人が次の1手を決められないので、計画としては空欄と同じ扱いになります。
仮説として成立させるには、2つの条件が要ります。相手が実際に口にしそうな言い方であることと、そう考えた根拠が1行で書けることです。海外の代理店ごとに販促物がばらばらになっているのではないか、という書き方なら前者を満たします。根拠として、海外向けの販促を統括する職種の募集が3件出ている、と添えれば後者を満たします。この2つが揃った仮説だけが、確かめる対象になります。
- 既存の取引先が相手のとき:取引のある部署の隣を見る。同じ機能を持つ別の事業部や、同じ困りごとを抱えている海外の拠点が、最初に当たる先になりやすい
- 言葉の使い分けに注意する:伸ばせる余地を指す語は、まだ接点のない企業群を指す使い方と、既存の取引先の中で取引のない領域を指す使い方の両方がある。1社ごとの計画で扱うのは後者
- 新規の相手のとき:最初に当たる部署を1つに決める。全社に効く仮説を立てようとすると、結局どの部署にも当てはまらない書き方になる
仮説は複数書いて構いませんが、3つまでにします。4つ以上並ぶと、次に何を確かめるかを決められません。並べたら、確かめる順番を付けます。順番の決め方は、外れたときにいちばん困る順ではなく、いちばん早く確かめられる順です。相手に聞けば1回の商談で分かるものから確かめると、計画全体の書き換えが早く始まります。
関わる部署と役割は、4つに分けて書く
法人向けの購買には複数の人が関わります。調査会社の示す目安として、複雑な法人向けの購買には6人から10人が関わるとされています。この人数を前提にすると、担当者の名前を1人だけ書いた計画では足りないことが分かります。役割で分けて書くほうが、次の担当者にとって読みやすくなります。
| 役割 | 見分け方 | 計画に書くこと | よくある取り違え |
|---|---|---|---|
| 使う人 | 日々その業務を回している | 部署名、人数、いま困っていること | 熱心な人を決める人と取り違える |
| 決める人 | 予算の枠を動かせる | 役職と、判断のときに見る基準 | 部長職なら決められると思い込む |
| 止める人 | 反対する権限を持つ | 部署名と、止める理由の型 | 欄を作らず、終盤で初めて出てくる |
| つなぐ人 | 社内で話を回してくれる | 誰と誰をつないだ実績 | 名刺交換しただけの人を数える |
この欄で最も忘れられるのが、3番目の止める人です。情報の取り扱い、既存の取引先との関係、社内の規程。どれも、提案の中身とは別の理由で話が止まります。止める人の欄が空の計画は、終盤で必ず遅れるので、名前が分からなくても、どの部署が止めうるかだけは先に書いておきます。書いてあれば、早い段階でその部署向けの材料を用意できます。
4番目のつなぐ人は、実績で書きます。話を聞いてくれる人ではなく、実際に別の部署の人を紹介してくれた人です。この区別を曖昧にすると、計画の中で味方の人数だけが増えていき、実態と離れます。味方の数ではなく、つないでくれた回数で書くと、引き継いだ人が読み違えません。
すでにある接点と温度は、数で書く
4番目の欄には、いまどれだけ接点があるかを書きます。ここを、関係は良好といった言葉で書いてしまうと、読む側は判断できません。良好という語が指す状態は、書いた人ごとに違うからです。数で書きます。直近半年で何回接触したか、誰と何回か、こちらから何回で相手からが何回か。この3つだけで、温度はかなり正確に伝わります。
特に効くのが、こちらからと相手からの内訳です。10回接触していても、10回ともこちらから連絡している場合と、3回が相手からの問い合わせである場合とでは、意味がまったく違います。相手から来た回数が、いちばん嘘のつけない指標です。この数が半年でゼロなら、どれだけ多く接触していても、まだ関係は始まっていないと考えたほうが計画は正確になります。
温度の欄には、最後に接触した日付も入れます。日付があると、更新されていない計画がひと目で分かります。日付の無い記述は、読む人にとって存在しないのと同じ。半年前の状態を現在として読んでしまう事故は、日付を1つ足すだけでほぼ防げます。書式を凝る必要はなく、年月日と相手の部署名だけで十分です。
競合と現行の取引先は、切り替えの費用まで書く
5番目の欄では、いま相手が使っているものを書きます。競合の社名を書くだけでは足りません。書くべきなのは、切り替えるときに相手側で何が起きるかです。契約の区切りはいつか、社内での運用が既にどれだけ組まれているか、切り替えの作業を誰がやることになるか。この3つが、実際の障害になります。
この欄がある計画とない計画では、提案の作り方が変わります。無い場合、こちらの提供内容の良さを並べる提案になります。ある場合、切り替えの手間を誰がどう引き受けるかを含めた提案になります。相手にとって、後者のほうが検討しやすい。競合より優れていることを示すだけでは、動かない理由のほうが強く残るからです。
なお、この欄は推測が混ざりやすい場所です。契約の区切りが年度単位らしい、といった情報は、聞いたのか推測したのかで扱いが変わります。書くときは、末尾に未確認と付けます。未確認と書いてあれば、次の担当者はそこから確かめられる。何も書かないより、未確認と書いてあるほうが、引き継ぎとしてははるかに有用です。
年間の接点計画は、誰にいつ何を届けるかで書く
6番目の欄は、この計画の中で唯一、こちらの行動を書く欄です。書き方は、四半期ごとに、誰に、何を届けるか。届けるものは、催しへの招待、調査資料、個別の勉強会、事例の紹介など、実際に用意できるものに限ります。用意できないものを書くと、次の四半期の見直しで必ず未実施になり、計画全体が信用を失います。
組み方の目安として、ある時点で実際に買おうとしている企業は全体の一部にとどまる、という指摘が広く引かれています。これを前提にすると、年間の接点計画はいま検討していない相手に、検討が始まったときに思い出してもらうための設計になります。売り込みを毎四半期並べる形ではなく、相手の関心に沿った材料を届ける形に組むほうが、途中で止まりません。
- 第1四半期:使う人に向けた材料を届ける。業務のやり方が近い他社の事例が向く
- 第2四半期:決める人に届く形に変える。調査資料や、社内で回覧しやすい短い資料
- 第3四半期:個別の場を作る。勉強会や、相手の部署だけを対象にした説明の場
- 第4四半期:止める人に向けた材料を先回りで用意する。取り扱いや体制の説明
この並びは型であって、そのまま使うものではありません。相手の予算の期がずれていれば、順番も変わります。ただ、届ける相手を四半期ごとに変えるという考え方は、どの相手でも使えます。同じ人に同じ種類の材料を4回送るより、関与者の別の層に届くほうが、購買の場に自社の名前が残ります。
目標は金額ではなく、次に起こしたい出来事で書く
7番目の欄に金額を書くと、計画は動かなくなります。金額は、こちらの都合で決まる数字ではないからです。書くのは、次に起こしたい出来事です。経営企画の部長を含む3人が同席する場を年内に作る、といった書き方であれば、達成したかどうかを誰でも判定できます。判定できる目標だけが、四半期の見直しで使えます。
出来事で書くと、途中の進み具合も見えます。3人の同席という目標なら、いま何人と接点があるかで進み具合が測れます。金額で書くと、受注するまでゼロのままなので、途中で何が進んでいるのかが分かりません。途中の状態が見える目標に置き換えることが、1年以上かかる相手を扱うときの前提になります。
なお、金額をどこにも書かないという意味ではありません。事業の計画としての金額は別の場所で管理し、1社ごとの計画には出来事だけを書く、という分け方です。同じ紙の上に、判定できるものと判定できないものを混ぜない。混ぜると、見直しの場で金額の話に時間が取られ、次の1手が決まらないまま終わります。
止める条件を、始める前に書いておく
8番目の欄は、いちばん書かれない項目です。狙うと決めた直後に、やめる条件を書くのは気が進みません。それでも先に書いておく理由は、あとから書けなくなるからです。半年、1年と手をかけたあとでは、かけた時間そのものが判断をゆがめます。始める前の自分のほうが、公平に条件を決められます。
条件は2つか3つで足ります。2四半期続けて相手からの接触がゼロだったら見直す。関与者の中で味方だった人が異動して、代わりの接点が3か月で作れなかったら見直す。相手の事業方針が変わって、こちらの仮説の前提が崩れたら見直す。どれも、判定に迷いが少ない形になっています。
- 止める条件は、やめる決定ではなく見直しの引き金として書く
- 条件に当たったら、必ず一度は関係者で話す場を持つ。自動的に外さない
- 外した相手も記録は残す。事業の方針が変われば戻ってくることがある
- 止める条件が1つも書かれていない計画は、四半期の見直しで必ず判断が先送りになる
実務では、止める条件を書いておくと、続けるほうの判断も速くなります。条件に当たっていないという事実が、続ける根拠になるからです。止める条件は、続ける判断の根拠にもなる。感触で続けている状態と、条件に照らして続けている状態は、見直しの場での説明のしやすさが違います。
生成AIの使いどころは、公開情報から動きを拾わせるところ
計画を埋める作業のうち、時間がかかるのは1番目の欄です。決算の説明資料、報道発表、採用の募集、自社サイトの更新履歴を1社ずつ見ていくと、1社で1時間近くかかります。狙う先が10社なら10時間です。ここは生成AIに任せられる部分が大きい場所で、実務での効果もはっきり出ます。
頼み方は3つに分かれます。1つ目は、相手の公開情報を渡して、直近1年で変わった点を時系列で並べさせること。2つ目は、採用の募集の内容から、どの領域に人を割こうとしているかの候補を挙げさせること。3つ目は、こちらが持っている接点の記録を渡して、誰と何回接触したかを整理させること。どれも、材料を整える作業であって、判断させる作業ではありません。
頼むときに必ず付ける指示が1つあります。出どころが公開情報にあるものと、推測で補ったものを分けて書かせることです。分けさせないと、返ってきた文の中で両者が混ざり、読んだ人が区別できません。推測は推測として出させる指示を、毎回入れる。この指示があるかないかで、そのまま計画に写せるかどうかが変わります。
推測を、事実の欄に書かない
計画の運用でいちばん重要なのが、事実と仮説の分離です。同じ1枚の中に両方を書くのは構いませんが、どちらなのかが読んで分かる形にします。実務では、末尾に出どころを添える方法が簡単です。決算説明資料と書くか、商談で確認と書くか、推測と書くか。この3種類で足ります。
分離が崩れるのは、たいてい引き継ぎの場面です。前の担当者が推測として書いたものが、次の担当者には事実として読まれる。そのまま提案に載って、相手から違いますと指摘される。この事故は、相手からの信用を直接損ないます。推測を推測と書いておくことは、丁寧さではなく事故を防ぐ仕組みです。
運用としては、月に一度、推測と書いてある行だけを抜き出して読む時間を作ります。5分で終わります。確かめられたものは出どころを書き換え、確かめられないまま3か月経ったものは削ります。確かめられない推測を、いつまでも残さない。残ったままの推測は、時間が経つほど事実のように読まれるようになります。
四半期の見直しは、60分の型で回す
計画は、書いた時点から古くなり始めます。関与者は異動し、方針は変わり、競合の動きも変わります。海外の解説でも、更新されない計画は数か月で実態と合わなくなるという指摘が繰り返し出てきます。見直しの間隔は四半期が現実的で、時間は1社あたり60分。それ以上かけると、社数が多いときに続きません。
目標に書いた出来事が起きたかどうかだけを見ます。起きていないときは、理由を1行で書きます。
異動、昇格、退職を反映します。役割が変わった人がいれば、使う人と決める人の欄を入れ替えます。
この四半期に外へ出た動きを見ます。ここは事前に生成AIに整理させておくと、その場での作業が短くなります。
変化が無ければ変更なしと書いて日付を更新します。書かないと、確認したのか忘れたのかが分かりません。
誰にいつ何を届けるかを決めます。用意できないものは書きません。担当者名まで入れて終えます。
この60分で見るのは5つだけです。すべての欄を毎回書き換えようとすると、時間が足りず、結局どの欄も中途半端になります。書き換える欄と、書き換えない欄を先に決めておく。相手の事業と直近の動き、関与者、接点の温度、接点計画の4つは毎回。解ける課題の仮説と止める条件は、前提が変わったときだけ書き換えます。
営業と分担するときの線引き
1社ごとの計画は、マーケの側だけでも、営業の側だけでも埋まりません。埋まらないまま止まるのは、どちらが書くかを決めていないからです。線引きの基準は単純で、公開情報から取れるものはマーケが、相手と話さないと取れないものは営業が埋めます。この基準なら、担当が代わっても揉めません。
- マーケが埋める:相手の事業と直近の動き、解ける課題の仮説の初稿、年間の接点計画、届ける材料の用意
- 営業が埋める:関与者の役割と名前、接点の温度、競合と現行の取引先、止める人の実像
- 2人で決める:目標に書く出来事、止める条件、次の四半期に誰へ何を届けるか
- どちらも書かない:受注の見込み金額と確度。別の場所で管理する
この分担で効くのは、マーケが仮説の初稿を書くという点です。営業に最初から書かせると、商談で聞けた範囲の話に寄ります。公開情報から先に仮説を立てておくと、営業が商談で確かめる質問を持って行けます。確かめた結果で仮説が外れることも多いのですが、外れたことが分かるのは、書いてあったからです。
運用の場としては、四半期の見直しを2人でやります。別々にやると、事実の欄と仮説の欄の境目が人によってずれていきます。60分の見直しに2人が同席するだけで、同じ言葉を同じ意味で使っているかが、その場で揃う。この効果は、書式を整えるより大きく出ます。
形骸化する原因と、防ぐ最小の運用
1社ごとの計画は、作ることより続けることのほうが難しい道具です。止まる原因は毎回よく似ています。並べると4つで、どれも書式の問題ではなく運用の問題です。
- 項目を増やしすぎる:欄が20を超えると、埋める時間が確保できず空欄が増える。空欄が3つ以上あると、読む側がその計画を信用しなくなる
- 更新の予定を決めていない:作った直後は更新されるが、3か月もすると誰も開かなくなる。予定表に入っていない作業は続かない
- 担当者1人の作業にしている:書く人と読む人が同じだと、読んで分かるかを確かめる機会がない。引き継ぎの直前に不足が発覚する
- 定例の議題に入っていない:議題に無いと、見直しは他の予定に押し出される。1社5分でも議題に固定するほうが続く
防ぐ運用は、多くありません。まず、四半期の見直しを予定表に入れます。日付を決めておくだけで、実施率がはっきり変わります。次に、定例の会議に1社ずつ回す枠を置きます。毎回全社を扱う必要はなく、1回の定例で2社ずつ回す形にすれば、四半期で10社を一巡できます。この2つで、続かない原因のほとんどが消えます。
もう1つ、意外に効くのが置き場所です。計画を各自の端末の中に置くと、他の人が読めません。誰でも読める場所に置き、更新の日付を先頭に書く。読まれない計画は、必ず更新されなくなる。読む人がいるという状態が、更新を続ける動機になります。反対に、置き場所が分からない計画は、書式がどれだけ整っていても半年で止まります。
まとめ
狙う企業を絞ったあとに止まるのは、リストを作る道具のまま1社の計画を書こうとするからです。1社に1枚を用意し、相手の事業と直近の動き、解ける課題の仮説、関わる部署と役割、接点と温度、競合と現行の取引先、年間の接点計画、次に起こしたい出来事、止める条件の8つを書く。事実と仮説は必ず分けて書き、推測には出どころを添える。公開情報から動きを拾わせるところは生成AIに任せ、判断と確定は人がやる。四半期に60分の見直しを予定表に入れ、定例の議題に固定する。書式を凝るより、この2つの運用のほうが、計画が生き続けるかどうかを決めます。
※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
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