DM発送は代行に任せるか自社で送るか|費用と手間で決める

DM発送は代行に任せるか自社で送るか|費用と手間で決める

「1,000通くらいなら、部内の手が空いたときに封入すれば足ります」「3社から見積もりを取ったのですが、内訳の形がそろっていなくて比べようがありません」。紙のダイレクトメールを出すと決めたあと、話はこの2つのどちらかで詰まります。判断を分けているのは、実は封入にかかる時間ではありません。郵送のダイレクトメールは、差し出す通数と出し方の条件によって、同じ1通の郵送料そのものが変わる仕組みになっています。しかもその前提は動きます。2024年10月1日に25グラム以下の定形郵便物が84円から110円になり、2026年10月1日には宛名にバーコードを付けたときの割引率が下がります。工程を9つに分けて費用がどこで増えるのかを見たうえで、割引に届く条件、外に出しても自社に残る仕事、そして届かなかった分の始末までを順に整理します。


カメ先生カメ先生

郵送のダイレクトメールを外に出すかどうかは、作業を誰がやるかの話だと思われがちですが、実際に効いてくるのは郵送料の側です。差し出す通数と出し方の条件によって、同じ1通の料金が変わる仕組みが用意されているからです。


カメ子カメ子

同じ手紙でも、まとめて出せば安くなるということですか。


カメ先生カメ先生

まとめるだけでは足りません。事前に承認を受け、中身を同じ形と重さにそろえ、郵便番号ごとに並べ替えて、届くのが数日遅れることを承諾する。その条件を全部満たしたときにだけ下がります。


カメ子カメ子

条件を満たせる体制があるかどうかが、自社で送るか任せるかの分かれ目になるのですね。


この記事のポイント
  • 費用は郵送料・作業・段取りの3層に分かれて増える。1通いくらの見積もりでは比べられない
  • 分かれ目は通数そのものではなく、割引の条件に届くかどうか。広告郵便物の基本割引は同時に2,000通以上から
  • 宛先の表記の整理や反応の分類は機械に回せる。送る相手の最終決定と、届かなかった住所を消すかどうかは人が決める

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目次

「1,000通なら自分たちで送れる」の見積もりは、どこで外れるか

自社で送る前提の見積もりは、たいてい封入の時間だけで立ちます。1通20秒として1,000通なら5時間半、2人でやれば3時間弱。この計算自体は合っています。足りなくなるのは、封入の前と後です。宛先データの整備、封筒と同封物の手配、宛名の印字、郵便局への持ち込み、料金の支払い方法の手続き、そして戻ってきた分の受け取りと記録。この6つは封入より前か後に来るので、封入時間の見積もりには入っていません。

外に出したときの単価を見ると、この前後がいくらで買われているかが分かります。発送を請け負う側が公開している相場では、宛名を送付物に直接印字する形で1通3円から5円、ラベルを貼る形なら台紙代と手貼りの作業を含めて5円から7円。封入は1点目で3円から5円、同封するものが1点増えるごとに1円から2円が加算されます。会社名や部署名、顧客番号のように印字する項目が増えると、単価は上がります。自社でやればこの金額は消えますが、時間は消えません

加えて、通数が一定を超えると、宛名の印字と並行して郵便番号ごとに束を分ける作業が要り、これも1通2円から3円の水準で見積もられます。機械での封入は主に5万通を超える規模で使われるもので、1,000通の案件では人の手で入れることになります。つまり、1,000通の規模では、代行に出しても人が入れている。違うのは、入れる人が専業かどうかと、間違えたときに気づく仕組みがあるかどうかです。

郵送のダイレクトメールは、9つの工程でできている

比べる前に、工程を分けます。見積もりが比べられないのは、金額の書き方が違うからではなく、含まれている工程が違うからです。9つに割ると、どの見積もりも同じ形に並べ直せます。

STEP1
送る相手を決める

既存の名簿から選ぶのか、外から法人の一覧を買うのか。買う場合の相場は1件7円から10円とされ、安いものは記載が古い。古い一覧は、そのまま戻ってくる通数として跳ね返る。

STEP2
宛先データを整える

郵便番号、住所の建物名、会社名の表記、部署名、宛名。紙で出すときだけ効く項目があるので、画面上の名簿がそのまま使えるとは限らない。

STEP3
原稿と体裁を決める

何を書くか、何ページにするか、同封物を何点入れるか。点数と重さが、この後の全部の単価に効いてくる。

STEP4
印刷する

外の印刷に出すか、発送する側にまとめて頼むか。分けたほうが印刷単価は下がるが、修正と納期の遅れがそのまま日程に響く。

STEP5
封筒と同封物を手配する

封筒の形と材質は、後の宛名の印字方法と割引の条件の両方に関わる。厚みは、バーコードによる割引を使えるかどうかの分かれ目になる。

STEP6
宛名を印字する

直接印字か、ラベルか。印字する項目が増えるほど単価が上がる。部署名まで入れるかどうかは、届く確率と単価の両方に効く。

STEP7
折って入れて封をする

同封物の点数で単価が変わる。ここだけを自社でやると、前後の工程が外に出ているぶん、日程の調整が難しくなる。

STEP8
差し出す

承認の手続き、事前の区分、支払い方法、差し出す時刻。割引を使う場合は、この工程が一番重い。

STEP9
戻ってきた分と反応を受け止める

あて先に届かず返ってきた郵便物の受け取りと記録、問い合わせの応対、追いかけの連絡。ここは外に出しても残りやすい。

見積もりを取るときは、この9つを縦に並べた表を先に作り、含む、含まない、実費で別、の3つで埋めてもらいます。同じ表に書かせて初めて、3社の見積もりは比べられる形になります。自社で送る案も同じ表に並べます。金額が入らない欄には、誰が何時間かけるかを書きます。

費用は3つの層に分かれて増える

郵送のダイレクトメールの費用は、1通いくらでは把握できません。増え方の性質が違うものが混ざっているからです。3つの層に分けると、外に出したときに何が入れ替わるのかが見えます。

何に対して増えるか自社と代行で入れ替わるか
通数に比例する層郵送料、印刷、封筒、宛名の印字、封入と封緘。1通増えれば必ず増える入れ替わる。ただし郵送料は、割引の条件を満たせるかどうかで単価そのものが動く
通数に比例しない層原稿、体裁の設計、版下、承認の手続き、日程の調整ほとんど入れ替わらない。外に出しても、決める作業は自社に残る
後から出る層戻ってきた分の処理、問い合わせの応対、追いかけの連絡出し方次第。何もしないと自社に全部落ちてくる

この分け方で見ると、外注の損得の議論が噛み合わない理由が分かります。外注の見積もりが提示するのは、ほぼ1つ目の層だけです。2つ目の層は、外に出しても自社の人の時間として残ります。3つ目の層は、契約に書いていなければ全部自社に落ちます。1つ目の層だけを比べて安い高いを論じると、2つ目と3つ目が丸ごと見積もりの外に置かれます

初回と2回目以降でも構造が変わります。2つ目の層は初回に集中し、同じ体裁で続けるなら2回目からほとんど発生しません。だから、1回だけ出すのか、四半期ごとに続けるのかで答えが変わります。1回きりなら2つ目の層が重いので、外に出す価値が出やすい。続けるなら、2回目以降は1つ目の層の勝負になり、そこで効いてくるのが次の割引の条件です。

分かれ目は通数ではなく、割引の条件に届くかどうか

郵便には、広告を目的とした郵便物をまとめて出すときの割引の枠があります。日本郵便が広告郵便物として案内しているもので、対象は差出人自身の商品の広告、役務の広告、営業活動に関する広告を目的とし、同一内容で大量に作成された印刷物として認められたものです。同社の案内では、差出通数などの条件によって、料金が8%から43%の割引になるとされています。

基本の割引率は通数の段で決まります。差し出しの都度の割引でみると、定形郵便物とはがきの場合、2,000通から12%、3,000通から15%、5,000通から18%、1万通から21%、10万通から27%。定形外郵便物はそれぞれ8%、11%、14%、17%、23%です。1か月あたりの通数で見る月間割引もあり、こちらは同時に2,000通以上、かつ1か月に1万通以上という条件で、1万通から20%が起点になります。

1回に差し出す通数定形郵便物・はがき定形外郵便物
2,000通から12%8%
3,000通から15%11%
5,000通から18%14%
1万通から21%17%
10万通から27%23%

ここから読めるのは、判断の軸が通数そのものではないということです。2,000通に届かない案件では、割引の話が丸ごと消えます。そのとき外に出す理由は費用ではなくなり、時間と正確さの側に移ります。逆に2,000通を超えるなら、割引を取りにいく価値が出ます。ただし、割引はただでは手に入りません。次に見るとおり、こちらが差し出すものがいくつかあります。

割引と引き換えに、こちらが差し出すもの

広告郵便物の割引を使うには、日本郵便の案内する条件を満たす必要があります。まず事前の承認です。承認請求書に印刷物の見本を添えて取扱郵便局に提出し、承認を受けたうえで、差し出しの際には承認書と郵便物の見本を提示します。つまり、刷り上がる前に見本の段階で郵便局と話す工程が1つ増えます。この工程を知らずに日程を組むと、刷り上がってから足りないことに気づきます。

次に形状と重量が同一のものに限るという条件です。宛先ごとに同封物を変える、相手によってページ数を変える、といった出し方は、そのままでは割引の枠に入りません。所定の書面などを添えれば1度の差し出しで異なる形状のものも出せますが、重量帯が異なるものは全体で最大6種類までとされています。支払い方法にも条件があり、料金別納、料金後納、料金計器別納のいずれかに限られます。切手を貼って出す運用のままでは、割引は使えません

そして時間です。受取人の郵便番号ごとに事前に区分し、承諾する余裕の程度に応じて3日程度なら特割、7日程度なら特特と朱書きして束ねます。送達日数は、同種の他の郵便物より3日程度または7日程度加算されることを承諾します。さらに、速達や書留といったオプションは付加できません。差し出す時刻も、差出郵便局が指定した時刻までと決まります。

  • 締め切りの直前に届けたい案内で割引を取りにいく。3日か7日の余裕を承諾する前提なので、日付が読めない
  • 宛先ごとに同封物を変える設計にしてから割引の条件を調べる。形状と重量が同一という条件に後から気づく
  • 書留や速達を付けたい重要な郵便物を、まとめて割引で出そうとする。オプションは付加できない
  • 承認の工程を日程に入れず、刷り上がってから郵便局に相談に行く

案内状は「広告郵便物」に当たらないことがある

見落とされやすいのがここです。日本郵便の案内は、広告郵便物に該当しないものとして、請求書や納品書のように同一内容にならないもののほか、同一内容であっても商品などの広告を主目的としない、年賀や暑中見舞いのようなあいさつ状、広報誌、各種会合の案内、通知書、求人広告を挙げています。該当する例として並んでいるのは、頒布会への招待、特売の案内、通信販売、展示即売会の案内、会員加入の案内などです。

法人向けのマーケティングが紙で出すものを、この線に当ててみると、危ういものがいくつも出てきます。セミナーやウェビナーの案内、展示会への来場の案内、自社の近況をまとめた広報誌。どれも会合の案内や広報誌に近い形をしています。個別にどちらへ振れるかは、内容と主たる目的の見方で変わるので、ここは自己判断で決めず、見本を持って取扱郵便局に確かめる工程を必ず入れます。承認の手続きが、そのまま確認の場になります。

同封できるものにも決まりがあります。注文用の払込書や返信に必要な事項を書いた用紙、申込書、アンケート用紙、返信用の封筒やはがき、見本や試供品の表示を入れたもの、割引券などは添付できるとされています。返信用のはがきを入れる設計は、この範囲に収まります。なお、広告に当たらない郵便物でも、郵便番号ごとに区分して出す区分郵便物の枠があり、こちらは2,000通から3%、1万通から4%といった別の率が案内されています。

自社で送るほうが速い場面

外に出すほど遅くなる案件があります。300通以下今週中に出したい宛先ごとに中身が違う同封物が案件ごとに変わる。この4つのどれかに当たるなら、自社で送るほうが速く、安く、確実です。発送を請け負う側の仕組みは段取りの塊なので、段取りが固まらないものを渡すと、確認のやり取りだけで日程を食います。

外に出す側の事情も知っておくと、話が早くなります。請け負う側は、封筒や資料が納品された前提で作業する人を手配しています。資材の到着が遅れたり日程が急に変わったりすると、手配した人の手が空き、そのぶんが費用として跳ね返ります。だから印刷から一括で受ける形が主流になっており、工程を部分的に切り出して頼むと、かえって割高になりやすいと説明されています。

一方で、自社で送り続けると必ず起きることもあります。手が空いた人が持ち回りでやるので、封入の品質が揺れます。そして、別の会社宛ての書類が混ざる事故が、いつか必ず起きます。紙の封入ミスは、送ってしまえば取り返しがつきません。1通でも他社の情報が入れば、それは情報の持ち出しとして扱われます。回数を重ねる予定があるなら、この一点だけでも外に出す理由になります。

外に出しても、自社に残る5つの仕事

任せたつもりでいる担当ほど、この5つで詰まります。送る相手を最終的に決めること書いてよい内容の線を引くこと宛先データが正しいことを保証すること戻ってきた分をどうするか決めること反応を受け止める体制を用意すること。この5つは、どの契約でも自社側に残ります。

とくに3つ目です。請け負う側は、渡されたデータのとおりに印字して出します。データが間違っていれば、間違ったまま出ます。宛先の正しさは、外に出しても一切移りません。ここを誤解したまま渡すと、戻ってきた郵便物の束を前にして、誰の責任なのかという話から始めることになります。契約の前に、渡すデータの正しさはこちらの責任だと明文で確認しておくほうが、後が楽です。

  • 送る相手の最終決定。除外したい先の一覧は、渡す前にこちらで反映しておく
  • 書いてよい内容の線。価格や納期の記載は、社内のどこが承認するかを先に決める
  • 宛先データの正しさ。渡す直前の更新日と、更新した人の名前を残す
  • 戻ってきた分の扱い。返す先の住所と、返してもらう形式を契約時に決める
  • 反応の受け皿。専用の連絡先と、受けた人が記録する場所を用意しておく

宛先データの整備が、いちばん時間を食う

紙で出すときにだけ効く項目があります。郵便番号が7桁そろっているか。建物名と階が入っているか。部署名が現在のものか。宛名の人が異動していないか。同じ会社に複数の宛先が入っていないか。画面で送るときには問題にならなかった欠落が、紙では、そのまま戻ってくる通数になって表面化します

建物名は特に効きます。大きなビルに複数の会社が入っている場合、建物名と階が無い住所は、配達する側から見て特定できないことがあります。画面上の名簿では建物名を省略している運用が多く、そこに気づかないまま出すと、戻ってくる束の中身が偏ります。部署名も同じで、部署が変わっていると、会社には届いても中で行き先が分からず、机の上で止まります。

外から法人の一覧を買う場合は、値段と鮮度が直結します。相場は1件7円から10円程度とされ、極端に安いものは記載が古い、つまり配達先が不明で戻ってきて郵送料が無駄になる、と説明されています。宛先1件あたり数円の差は、戻ってきた1通の郵送料と作業でおつりが来ます。名簿の育て方や、誰を除外するかの判断は別の話なので、ここでは紙で出すときに追加で確かめる項目だけを見ています。

届かなかった分を、どう始末するか

戻ってくる郵便物には理由が書かれます。あて所に尋ねあたりません、という文言は、その住所に該当する事業所が見当たらない、あるいはすでに移転しているという意味です。宛先が完全に間違っている場合だけでなく、移転してから時間が経っている場合にも、同じ文言で戻ります

時間の効き方には仕組みがあります。日本郵便の転居・転送サービスは、転居届を出すと旧住所あての郵便物を新住所へ無料で転送しますが、その期間は届出日から1年間で、期間を過ぎたものは差出人に返還されます。つまり、1年より前に移転した先は転送に乗らず、そのまま戻ってきます。何年も更新していない名簿で出すと、戻る束が厚くなるのはこのためです。

戻ってきた分をすぐ消すのは早すぎます。会社自体は存続していて住所だけ変わった、という場合が多いからです。法人番号や公開されている登記の情報で1度確かめてから、更新するのか、外すのかを決めます。そして、戻ってきた通数を記録します。自社で基準を決めておき、その水準を超えたら名簿の入手元を疑う。料金別納や後納で出した分の郵送料は戻らないので、戻ってきた通数は、そのまま無駄になった費用の実測値になります。

  • 戻ってきた郵便物の受け取り先を、契約時に決める。代行の倉庫に溜まったまま気づかない事故が起きやすい
  • 返してもらう形式も決める。現物だけだと数えるのに時間がかかるので、一覧の形でももらう
  • 戻ってきた理由の文言は、そのまま記録に残す。あて所に尋ねあたりません、と、受取拒絶では、次の扱いが変わる
  • 移転していた先は、住所を直せば次から届く。消す判断と、直す判断を分けて記録する

前提は動く。2024年10月と2026年10月の2つの改定

単価の前提は固定ではありません。日本郵便は2024年6月13日に料金の改定を公表し、2024年10月1日から、25グラム以下の定形郵便物を84円から110円に、25グラム超50グラム以下は重量の区分を1つに統合して94円から110円に、通常はがきを63円から85円に改定しました。その他の料金は、25グラム以下の定形郵便物と同等の30%程度の改定率を基本とし、特定封筒郵便物などは15%程度とされています。背景として、郵便物数が2001年度をピークに大きく減少していることと、人件費や燃料費の上昇が挙げられています。

そして直近の改定です。同社は2026年7月3日に、2026年10月1日から、バーコード付郵便物の割引率を定形郵便物と通常はがきで3%から1%へ、往復はがきで1.5%から0.5%へ引き下げると公表しました。広告郵便物および区分郵便物の基本割引率に加算されるバーコード付の特別割引率も同様に扱われます。あわせて郵便区内特別郵便物の特別料金も改定され、定形郵便物の特別料金の一部が92円から94円、81円から83円へと変わります。宛名にバーコードを付ける前提で単価を組んでいた案件は、10月から計算が合わなくなります

実務としてやることは3つです。1つは、年に1度、単価の前提を置き直す日を決めておくこと。2つ目は、代行との取り決めで郵送料を実費として分けてもらい、作業費と混ぜた1通いくらの形にしないこと。混ぜた形にすると、改定があったときに、上がった分がどちらの理由なのか分からなくなります。3つ目は、割引の前提を見積書に書いてもらうことです。どの割引を、どの通数の段で、どの条件で取る前提かが書いてあれば、条件が変わったときに影響を計算できます。

反応をどこで受けるか。受け皿を先に作る

紙は押せません。画面上の施策と違って、届いた時点では何も記録が残らないので、受け皿を分けておかないと、何通出したから何件来たのかが分かりません。受け皿の型は4つあります。専用の連絡先、この案内からしか辿れない入口、返信用の用紙、そして日程を押さえるための枠です。どれか1つに絞ると、後の集計が楽になります。

外に出したときに測れなくなる場所は、はっきりしています。差し出した日が分からない。実際に何通出たのかが分からない。戻ってきた分が代行の側に溜まって、こちらに届かない。この3つが欠けると、分母も日付も無いまま反応の件数だけが残ります。だから契約のときに、差出日、実際に差し出した通数、戻ってきた通数と一覧の3つを必ず報告してもらう形にします。

測る期間は、出す前に決めます。紙は遅れて効くので、翌週で切ると小さく見えます。到着から4週間、といった形で先に決めておき、その期間の途中で判断を変えないこと。なお、反応率の水準そのものや、画面上の施策と組み合わせる設計は別の話なので、ここでは代行に出したときに欠ける情報だけを見ています。

AIに任せる工程と、人が決める工程

機械に渡してよいのは、結果を元のデータと突き合わせれば正しさを確かめられる作業です。住所と会社名の表記の整理は向いています。株式会社の位置、旧字と新字、丁目と番地の書き方、全角と半角の混在。こうしたゆれを一覧にして、直した候補を並べさせるところまでは任せられます。同じ会社が複数入っている重複の候補出しも同じです。文面の下書き、そして戻ってきた反応の分類も、機械の側に置けます。

ただし、この工程には特有の落とし穴があります。表記を整えた結果、実在しない住所になることがあるのです。建物名を余分な情報として削る、番地の枝番をまとめる、部署名を短くそろえる。画面上の名簿としては見た目が整いますが、郵便では、その整え方がそのまま届かなくなる方向に働きます。だから、直した候補は必ず変更前と変更後を並べて出させ、変えた件数を人が数えます。全件を見るのが無理なら、変更の種類ごとに10件ずつ抜き出して確かめます。

人が決める工程は3つです。送る相手を最終的に決めること書いてよい内容の線を引くこと届かなかった住所を消すかどうかを決めること。重複の候補を出させたときは、なぜ同一と判断したかを1行で書かせ、書けないものは統合しません。戻ってきた原因を機械に推測させるのも避けます。移転したのか、そもそも住所が違ったのか、部署が消えたのかは、確かめれば分かることで、推測で埋めると次の便でも同じ通数が戻ります。

  • 表記を整えた件数だけを見て、内容を見ない。整え方によっては届かない住所が増える
  • 重複を機械の判断だけで統合する。別の事業所を1つにまとめると、届く先が減る
  • 戻ってきた理由を推測で埋める。原因が違えば、次に取る手も違う
  • 文面の下書きをそのまま出す。価格や納期の記載は、人が承認する工程を通す

見積もりを取る前に決めておく項目

3社に同じ表を渡すために、先にこちらで埋めておく項目があります。ここが空欄のまま声をかけると、返ってくる見積もりの前提がばらばらになり、比べる作業そのものが徒労になります。逆に埋まっていれば、金額の差が何の差なのかが読めます。

  • 9つの工程のうち、どこからどこまでを頼むか
  • 1回に差し出す通数と、年に何回出すか。2,000通の段に届くかどうか
  • 形状と重量を1種類にそろえられるか。宛先ごとに中身を変える必要があるか
  • いつ着けばよいか。3日か7日の余裕を承諾できるか
  • 同封物の点数と、封筒の形と厚み
  • 宛名に印字する項目。会社名と部署名まで入れるか
  • 戻ってきた分の返し先と、報告してもらう形式
  • 実際に差し出した日と通数の報告
  • 宛先データの渡し方と、作業が終わったあとの消去の時期
  • 郵送料が実費で分かれているか、作業費と混ざった1通いくらか

最後の項目が、後から一番効きます。混ざった単価は、比べるときは楽ですが、料金や割引率が改定されたときに、上がった理由が分からなくなります。分けてもらったうえで、割引をどの前提で取るかを書いてもらう。この2つを押さえておけば、来年の見直しは表の数字を差し替えるだけで済みます。

よくある質問

2,000通に届かないときは、外に出す意味がありませんか

費用の面での意味は薄くなります。広告郵便物の基本割引が2,000通から始まるので、それ未満では郵送料の単価が動きません。ただし、外に出す理由は費用だけではありません。封入ミスを避けたい、日程を確実に守りたい、社内の人手を別の作業に回したい、という理由なら、少部数でも成り立ちます。判断するときは、1つ目の層の金額ではなく、3つ目の層を自社で抱えられるかで見ます。

割引を使うと、いつ届くのか読めなくなりませんか

読めなくなるのではなく、遅くなることを先に承諾する仕組みです。3日程度か7日程度の余裕を承諾したうえで差し出すので、着く日の幅は広がります。締め切りのある案内では、この幅を逆算に入れます。幅が許容できないなら、割引を使わない選択になり、そのぶん郵送料は下がりません。どちらを取るかは、案内の中身が日付に縛られているかどうかで決まります。

セミナーの案内は、広告郵便物として出せますか

断定できません。日本郵便の案内は、商品などの広告を主目的としない各種会合の案内を、該当しないものの例として挙げています。一方で、展示即売会の案内は該当する例に並んでいます。内容と主たる目的の見方で振れるので、見本を持って取扱郵便局に確かめてください。承認の手続きが必要なので、確かめる場は必ず通ります。日程には、この確認の時間を先に入れておきます。

宛先のデータを外に渡すのが心配です

渡す範囲を、印字に必要な項目だけに絞るのが基本です。郵便番号、住所、会社名、部署名、宛名。取引の履歴や商談の状況は、印字に使わないなら渡しません。そのうえで、渡す方法と、作業が終わったあとにいつ消してもらうかを契約に書きます。個人データとしての扱いや第三者への提供の整理は別に確かめる必要がありますが、少なくとも渡す項目を絞ることは、こちら側の判断だけでできます。

戻ってきた分は、すぐに名簿から消すべきですか

消す前に1度確かめます。会社が無くなった場合と、移転しただけの場合では、次に取る手が違うからです。転送の期間は届出日から1年なので、1年より前に移転した先は転送に乗らずに戻ってきます。つまり、戻ってきたこと自体は、相手が存在しない証拠にはなりません。公開されている情報で住所を確かめ、直せるものは直し、確かめても分からないものだけを外す。この順番にすると、名簿が痩せすぎません。

まとめ

自社で送るか外に出すかは、封入にかかる時間では決まりません。費用は3つの層に分かれて増え、外注の見積もりが示すのはそのうちの1つ目だけです。2つ目の層は外に出しても自社の時間として残り、3つ目の層は契約に書かなければ全部こちらに落ちてきます。そして1つ目の層の中では、郵送料だけが性質の違う動き方をします。2,000通という段に届くかどうかで、単価そのものが変わるからです。

割引を取りにいくなら、事前の承認、同一の形状と重量、別納か後納か計器別納の支払い、郵便番号ごとの事前の区分、3日か7日の余裕、そしてオプションを付けないこと。この6つを引き受けられるかが、内製の限界を決めます。会合の案内や広報誌は、そもそも割引の枠に入らない可能性があるので、見本を持って郵便局に確かめる工程を日程に入れます。前提は2024年10月にも2026年10月にも動きました。9つの工程を1枚の表にして、今回の案件で自社が持つ欄に印を付けてみる。印の数が5つを超えたなら、それは外に出す前に決めるべきことが残っている合図です。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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