【2026年】AIエージェントを自社で作る|内製と外注の分岐点

「AIエージェントを自社で作れますか、と情報システム部門に聞いたら、作れますと返ってきました」「外注の見積もりを3社から取ったら、金額が3倍違いました。何を比べればいいのか分かりません」——エージェントの話が予算の議題に上がってきた会社から、この2つはほぼ同じ時期に届きます。どちらも、答えが出ない問いを立てているせいで止まっています。作れるかどうかは、やってみれば作れます。詰まるのはその先です。本当の問いは、作った後に、誰が毎週それを直し続けるのかのほうです。この記事では、自社で作る場合の工程を6つに分け、それぞれで詰まる場所を示したうえで、外注に出す境目と見積もりで確かめる項目までを整理します。
カメ先生AIエージェントを自社で作るというと、AIそのものを自分で用意する話だと思われがちなんだけど、本当は「AIの周りをどう組むか」を作る話なんだ。
カメ子AIの部分は借りてくるものなんですね。では、自社で作る部分というのはどこになるのでしょうか。
カメ先生任せる仕事の切り出し方、つなぐ先、止める条件、それに出来を採点する物差し。この4つはよその会社では決められないから、どうしても自社の側に残るね。
カメ子外注に出しても、その4つは自社で考えることになる、ということですか。
- 自社で作るのはAIそのものではない。任せる仕事の切り出し、つなぐ先、止め方、採点の物差しの4つ
- 失敗の出どころは腕ではなく設計。同じ手順の繰り返し15.7%、終了条件を分かっていない12.4%が上位
- 内製と外注の分かれ目は費用ではない。壊れたと判断して直す当番を、社内に置けるかどうか
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「作れますか」ではなく「直し続けられますか」
作れるかどうかを問いにすると、答えはほぼ必ず「作れます」になります。対話型のAIに社内の台帳を読ませ、条件で仕分けして担当者に振り分けるところまでなら、いまは数日で形になります。だから最初の1本は、たいてい思ったより早く動きます。問題は動いた後に、動き続けないことです。
動かなくなる理由は壊れたからではありません。つないだ台帳の列が1つ増えた、社内の申請の順番が変わった、扱う件数が3倍になった、季節ものの例外が出てきた。どれも業務側では当たり前の変化で、誰も故障とは呼びません。ところがエージェントの側では、そのつど出力が崩れます。変化に合わせて指示と手順を書き替える人がいないと、3か月で使われなくなります。
だから最初に決めるのは開発言語でも道具でもなく、直す人です。ここを空欄にしたまま着手した案件は、内製でも外注でも同じ形で止まります。以下の6工程は、この「直し続けられる状態」に着地するための順番として並べています。
2026年の現在地:関心は6割、動いているのは3.3%
先に足元の数字を置きます。国内の民間企業500社に配布し496社が回答した調査が2025年12月19日に公表されています。調査期間は2025年6月末から9月初で、製造業・サービス業・流通業・金融業が対象です。生成AIを全社的に活用している企業が11.3%、一部の部署で活用している企業が32.1%で、合わせて43.4%。前年の調査では25.8%だったので、1年で17.6ポイント増えています。
エージェントの数字はこの内側にあります。生成AIを活用している215社を母数にすると、利用中は3.3%、導入検討中が13.5%、関心あり(情報収集中)が49.3%で、前向きな回答の合計は66.1%でした。全企業に対する割合ではなく、すでに生成AIを使っている会社の中での割合であることに注意してください。それでも構図は明確です。関心は6割を超えているのに、実際に動かしているのは30社に1社です。
この差は技術の差ではありません。関心から検討に進む段階で、任せる仕事が決まらない、つなぐ先の権限が下りない、誰が持つのか決まらないという理由で止まります。逆に言えば、この3つを先に片付けた会社は、3.3%の側に入れます。決裁の議題として置くべきものは、道具の比較ではなくこの3つを誰がいつまでに決めるかです。
同じ調査には、もう1つ読んでおきたい数字があります。生成AIを活用していない企業のうち「現在は活用していないが将来的には活用したい」が23.4%を占めました。使わないと決めた会社は少数で、大半は順番待ちの状態です。つまり2026年の時点では、エージェントを作れる会社と作れない会社の差ではなく、決める順番を持っている会社との差が開いている段階だと読めます。
自社で作るとき、実際に作っているのはAIの周り
言葉を整えておきます。2024年12月19日に公表された設計指針では、AIを使った仕組みを2つに分けています。1つは、あらかじめ決めた道筋に沿ってAIと道具を並べたもの。もう1つは、AIが進め方と道具の使い方を自分で決め、どう達成するかを握っているもの。後者だけをエージェントと呼びます。
この区別が予算に直結します。前者は手順が決まっているので、作る量は多くても読めます。後者は毎回の道筋が変わるので、試験の作り方と止め方に費用が寄ります。同じ指針は「必要になるまで複雑にしない」「そもそもエージェントを作らないという選択もある」とも書いています。決めた道筋で足りる業務に自律型を持ち込むと、費用と待ち時間だけが増えます。
そのうえで自社が作るものを具体に落とすと、AIそのものは含まれません。含まれるのは、どの判断を任せるかの線引き、読み書きするつなぎ先、動かしてよい範囲と止める条件、出てきたものを採点する物差し、そして直す当番です。この5つはどれも業務の知識がないと決められないので、外注しても自社の作業として残ります。工程の説明に入る前に、ここを押さえておくと後の判断が速くなります。
工程1:任せる仕事を、1つの判断まで削る
最初の工程は切り出しです。よくある失敗は「問い合わせ対応を任せる」のように業務の名前で切ることです。問い合わせ対応の中には、内容の読み取り、緊急度の判定、担当部署の割り当て、定型の返信、例外の引き上げが混ざっています。まとめて渡すと、どこで間違えたのかが分からなくなります。
切る単位は業務ではなく判断です。「届いた本文から、どの製品に関する問い合わせかを1つ選ぶ」まで削ると、正解が1つに決まり、採点できるようになります。採点できない単位で切ると、評価も引き継ぎもできません。1本目は、この粒度で1つだけ選びます。
削るときの目安を1つ挙げます。その判断を新人に任せるとして、5分で口頭説明できるかどうかです。説明に30分かかるなら、判断が複数まとまっています。逆に、説明に1分もかからず、条件分岐が3本以内に収まるなら、エージェントではなく決めた道筋の自動化で足ります。自律型が要るのは、入力の形が毎回そろわない仕事だけです。
工程2:つなぐ先を棚卸しし、読むだけと書き込むを分ける
2つ目はつなぐ先の棚卸しです。台帳、顧客管理、共有フォルダ、メール、社内の申請系。ここで必ず2列に分けます。読むだけの先と、書き込む先です。読むだけの先は失敗しても元に戻せますが、書き込む先は取り消せません。1本目の書き込み先は、原則として1つに絞ります。
棚卸しの実務は権限の話になります。読み取りの権限を誰が出すか、期限をいつまでにするか、記録が残る形になっているか。ここで情報システム部門の稟議が要るので、着手の前に並行して動かします。工程1の切り出しが終わっていれば、必要な権限の範囲は具体に書けます。逆順にすると「とりあえず全部読める権限」を申請することになり、そこで止まります。
落とし穴が1つあります。書き込みの先を繰り返しの内側に置くと、同じ内容が何度も登録されます。公開されている6,549件のエージェント関連プロジェクトを機械的に調べた2026年7月の研究は、止まらない繰り返しの帰結として「外部への副作用の繰り返し」を挙げています。同じメールを何度も送る、同じ案件を何度も起票するという事故は、設計の順序で防げます。
つなぐ先の説明書が、成績をいちばん左右する
棚卸しの続きに、見落とされやすい作業が1つあります。道具の説明書です。2024年12月の設計指針は最後に3つの原則を挙げていて、設計を単純に保つこと、計画の段取りを明示して外から見えるようにすること、そしてAIと道具のあいだの受け渡しを、道具の説明書と試験を通じて丁寧に作り込むことを求めています。3つ目が、実務でいちばん軽く扱われます。
書く内容は4つです。その道具で何ができるか、渡す値に何を入れるか、失敗したときに何が返るか、そして使ってはいけない場面。4つ目が要点です。人向けの仕様書には書かない項目ですが、これを書かないとAIは手元にある道具を順に試します。台帳の更新用の道具に「新規の登録には使わない」と書いていないと、新規の案件を無理に更新として処理して、既存の行を上書きします。
試験も道具ごとに単体で行います。想定外の値を渡したとき、権限がないとき、相手が応答しないときに何が返るかを確かめ、その戻り方を説明書に書き足します。先の分類研究では、失敗の型として「相手に確認を求めない」が6.80%、「話が本題からずれる」が7.40%を占めました。どちらも、道具から返る手応えが曖昧なときに起きやすい型です。説明書と戻り値の設計は、どのAIを選ぶかより成績に効きます。
工程3:指示に書くのは手順ではなく、判断の基準
3つ目は指示と手順の書き方です。人向けの手順書をそのまま渡すと、たいてい期待どおりに動きません。人向けの手順書は「常識で補う部分」を省いて書かれているからです。エージェント向けには、省かれていた前提と、迷ったときにどちらを選ぶかの基準を書き足します。
実測もあります。7つの枠組みから集めた1,642件の実行記録を分類した研究では、失敗の型のうち「指示に書かれた条件を守らない」が11.8%を占めました。指示を無視したというより、条件が判断できる形で書かれていなかった場合が多く含まれます。「丁寧な文面で」は判断できませんが、「敬体で、200字以内、社名は正式名称」なら判断できます。
同じ研究では、役割の書き方を直しただけで成功率が9.4ポイント上がった例が報告されています。書き替えの費用はほぼ人件費だけなので、費用対効果はここがいちばん高い。指示に必ず入れる項目を3つ挙げると、出力の形、迷ったときに選ぶ側、そして分からないときに止めて人に渡す条件です。3つ目を書かないと、分からないまま何か書いて返ってきます。
工程4:採点の物差しを先に作る。動かしてから測らない
4つ目は採点です。順番が大事で、作った後に測るのではなく、作る前に正解の例を集めます。工程1で削った判断について、過去の実例を30件から50件、正解つきで用意します。用意するのは業務側の担当者です。ここを開発側に任せると、開発側の解釈が正解になってしまいます。
採点を後回しにする代償は大きいです。先の研究では、検証に関する失敗として、検証がないか不完全が8.2%、検証そのものが誤りが9.1%、早すぎる終了が6.2%が挙がっています。足すと2割を超えます。一方で、上位の目標に照らして確かめる工程を足したところ、成功率は15.6ポイント上がりました。採点は後工程の品質管理ではなく、成績を作る部品です。
採点の設計で1つだけ譲らないことがあります。AIに合否を判断させないことです。出力に対して「なぜそう判断したか」を根拠つきで書かせるのは有効ですが、その根拠が正しいかを最終的に見るのは人です。1本目のうちは全件、安定してきたら抜き取りに切り替え、抜き取りの件数と頻度を運用の文書に書き残します。
工程5:権限と止め方を、動かす前に決める
5つ目は権限と停止です。2024年12月の設計指針は、実行中はその都度環境から手応えを取ること、行き詰まりや区切りでは人の判断のために一旦止まること、そして完了で終わるのが普通でも制御を保つために繰り返しの上限のような停止条件を入れるのが一般的だと書いています。自律の度合いが上がるほど費用が増え、誤りが積み上がるので、隔離した環境での十分な試験と歯止めを勧めています。
実務に落とすと、決めるのは4つです。動かしてよい時間帯、1回の実行で使える費用の上限、外部への書き込みの直前に人が挟まるかどうか、そして誰が止められるか。止める権限は、開発した人ではなく業務側の責任者に持たせます。開発した人は止めることに心理的な抵抗が出るからです。
止める合図も先に決めます。出力の誤りが続けて3件出たら止める、同じ相手に2回書き込もうとしたら止める、上限の8割に達したら通知する。数で書くと当番が判断に迷いません。ここを「様子を見て」にすると、止める判断が誰の仕事でもなくなります。
もう1点、外注の場合も内製の場合も確かめておくことがあります。先の2026年7月の研究は、止まらない繰り返しが起きる原因を、書いた処理だけでなく、使った開発の枠組みの決まりごと、実行中に返ってくる観測、終了の仕組みの組み合わせから生じると整理しています。つまり自分で書いた分を読んだだけでは、止まるかどうかは分からないということです。使う枠組みの既定の挙動と上限の初期値を、着手時に一覧にして残してください。試験は本番の台帳ではなく、隔離した環境で行います。
工程6:直す当番を、役職ではなく名前で決める
6つ目が当番です。冒頭の問いに戻ります。動いた後に毎週見る人を、部署名ではなく個人名で決めます。見る内容は3つで足ります。前週に止まった件数と理由、人が直した件数、費用の推移。所要は週30分から1時間で、これを4週続けると崩れ方の型が見えてきます。
当番の仕事には、書き替えの権限が付いていないと意味がありません。指示の文言を直すのに稟議が要る運用にすると、当番は報告係になります。指示と基準の書き替えは当番の裁量、つなぐ先と権限の変更は稟議という線を引いておくと、日々の劣化は当番だけで止められます。
- 当番は2人置く。1人にすると、その人の異動でその仕組みが止まる
- 当番の交代時は、直した履歴を引き継ぎ資料にする。作った経緯より、直した経緯のほうが要る
- 業務側の担当が変わったら、正解の例を作り直す。判断の基準が静かに変わっていることがある
- 3か月使われていない場合は、直すのではなく畳む判断を当番から出せるようにする
失敗は腕からではなく、設計から出ている
見積もりの話に入る前に、失敗の出どころを押さえます。7つの枠組みを対象に、1,642件の注釈付き実行記録から失敗を分類した研究があります。開発段階では150件を6人の専門の注釈者が見て、注釈者間の一致度は0.88でした。14の失敗の型は、設計の問題、エージェント間の食い違い、検証の3つに束ねられています。上位は設計に関わる型で、モデルの性能ではなく組み方の側に寄っています。
型ごとに見ると、同じ手順を繰り返すが15.7%、考えたことと実際の手が合わないが13.2%、終了条件を分かっていないが12.4%、指示の条件を守らないが11.8%。上位はどれも、モデルの賢さではなく組み方の話です。研究者自身が、失敗はAIの限界だけでなく設計の問題から出ていると書いています。
これは内製の判断に直接効きます。差が出るのはAIを選ぶ腕ではなく、業務を切り出して条件を書き、採点し、止める設計のほうだからです。そしてその設計に必要な知識は、外部の開発会社ではなく自社の業務側にあります。だから内製の可否は「開発できる人がいるか」ではなく「業務を書ける人を出せるか」で決まります。
開発できる人が1人いれば足りる、が成り立たない理由
必要な役は3つです。1つ目は業務側で正解を決められる人。工程1の切り出しと工程4の正解の例を出す役で、これは兼任できません。2つ目はつなぐ先の権限を出せる人。情報システム部門の側で、読み取りと書き込みの範囲と期限を決められる立場が要ります。3つ目が当番です。
開発そのものは、この3つがそろっていれば外に出せます。逆に、開発できる人が1人いても、残り3つが空いていると1本目から先に進みません。社内で最初にそろえるのは開発の腕ではなく、この3つの役に名前を入れることです。人数は1本目なら合計3人から4人で足ります。
兼任の可否も現実に合わせて決めます。業務側の正解を決める人と当番は兼任できますが、開発した人と採点する人は分けます。作った本人は自分の作ったものに甘い採点をつけるので、抜き取りの採点だけでも別の人に回します。ここは人手の問題ではなく、採点の独立性という設計の問題です。
内製と外注の分かれ目は、5つの問いで決まる
ここまでの工程を、内製と外注の振り分けに落とします。金額で決めないでください。1本目の見積もりは条件のそろえ方で数倍変わるので、比較の材料になりません。代わりに次の5つを順に確かめ、答えが内製側に3つ以上寄るなら内製、外注側に3つ以上寄るなら外注、割れるなら併走にします。
| 確かめる問い | 内製に寄る答え | 外注に寄る答え | どちらでも自社に残る作業 |
|---|---|---|---|
| 任せる判断は自社固有か | 自社の商習慣や部署ごとの例外に依存する | どの会社でも形が同じ定型の判断 | どの判断を任せるかの切り出し |
| 出てきた結果を採点できる人がいるか | 業務側に正解を決められる担当がいる | 採点の基準ごと作ってもらう必要がある | 正解つきの実例を集めて渡すこと |
| つなぐ先の権限を出せるか | 社内の台帳や帳票に書き込む | 公開情報の収集など社外側で完結する | 読むだけと書き込むの切り分け |
| いつまでに動かしたいか | 半年以上かけて育てられる | 数か月で1本目を出す必要がある | 止める条件と権限の決定 |
| 直す当番を置けるか | 毎週見る担当を名前で置ける | 保守の範囲を契約に含める | 壊れたと判断する基準 |
表の右端の列に注目してください。どの問いに対しても、自社に残る作業は消えません。外注は開発の手を借りるものであって、切り出しと採点と停止の判断を代わりに決めてもらうものではありません。ここを渡してしまった案件は、納品物が動いていても業務が変わらないという形で失敗します。
外注で1本目、内製で2本目という順番
割れたときの現実的な進め方が併走です。1本目は外注で作り、その過程に自社の担当を張り付けます。目的は成果物ではなく、切り出しの粒度と採点の作り方を体で覚えることです。2本目は同じ型で自社が作り、外注側にはレビューだけ頼みます。3本目からは内製で回ります。
- 1本目は外注、ただし切り出しと正解の例づくりは自社が握る
- 打ち合わせの記録に、判断の基準をどう文章にしたかを残す。後の資産はコードより基準の文章
- 2本目のテーマは1本目と隣の業務にする。切り出しの型を再利用できる
- 外注の契約に、当番への引き継ぎと直し方の説明を成果物として明記する
この順番を勧める理由は、覚えるべきものが開発の技術ではないからです。覚えるのは、判断を削る粒度と、正解の例をどう集めるかと、どこで止めるかの決め方です。どれも1本目を横で見ていれば身に付く種類の知識で、研修では身に付きません。
逆にやってはいけないのは、丸ごと外注して納品後に引き継ぐ形です。引き継ぎの資料は作れますが、崩れたときにどこを疑うかという勘は移りません。2026年時点でエージェントの案件が止まる場所は、作る段階よりも引き継いだ後に寄っています。引き継ぎを工程として設計に含めるかどうかが、費用よりも先に効きます。
着手前にそろえる材料
決裁の前に、次の材料がそろっているかを確認してください。そろっていない状態で見積もりを取ると、各社が違う前提で見積もるので金額が3倍開きます。逆にそろっていれば、金額の差は工数の差として読めるようになります。
- 任せる判断を1文で書いたもの。入力に何が来て、何を1つ選ぶのかまで
- 正解つきの実例30件から50件。業務側の担当が作ったもの
- つなぐ先の一覧。読むだけと書き込むを分け、それぞれの権限の出し手の名前つき
- 書き込みの取り消し方。取り消せない場合は、人が挟まる位置
- 止める条件を数で書いたもの。誤りの件数、費用の上限、実行してよい時間帯
- 採点の担当と頻度。1本目は全件か、抜き取りなら件数
- 当番の名前2人分と、週に見る時間
- 3か月後に畳む判断をする条件。使われていない状態をどう測るか
この一覧のうち、実例30件から50件が最も抜けやすく、最も効きます。ここが空欄のまま進むと、採点の基準を開発側が決めることになり、動いているのに業務側が納得しないという結末になります。集める作業は地味ですが、3日から5日で終わります。
見積もりで確かめる項目
材料がそろったら見積もりを取ります。確かめるのは金額ではなく、次の順に条件がそろっているかです。同じ順で3社に聞くと、比較できる形になります。
自社が渡した実例で採点するのか、先方が基準を作るのかを確かめます。先方が作ると答えた場合、基準の文章を成果物に含めるよう明記します。ここが口頭のままだと、後から直せません。
上限、通知、止める権限の実装が項目として立っているかを確認します。立っていない見積もりは、動くところまでの費用しか見ていません。後から足すと、作り直しになる部分が出ます。
何回で打ち切るか、打ち切ったときに途中の結果を残すか捨てるかを聞きます。答えが「そのうち止まります」なら、止め方が設計されていません。
運用開始後、指示や基準の書き替えが月に何回想定されているか、その作業は誰が行い単価はいくらかを確認します。ここが0回で見積もられていたら、その見積もりは1本目の相場を知らない側です。
当番が読む資料、直し方の説明、崩れたときの見どころ。名前だけでなく、何ページ規模で何を書くかまで聞きます。
3か月で畳む判断をしたときに、支払いはどこまでで、何が自社に残るかを先に確かめます。畳む前提を織り込んでおくと、着手の決裁が通りやすくなります。
- 金額だけで3社を並べる。前提が違う見積もりの安い順は、条件の抜けの多い順になりやすい
- AIの系統名や新しい機能の名前で見積もりを比べる。差が出るのは切り出しと採点と停止の設計のほう
- 1本目に社内の主要な業務を選ぶ。止まったときの影響が大きく、止める判断ができなくなる
- 採点を開発側に任せる。動いているのに業務側が使わないという形で失敗する
- 運用の費用を初年度だけで見る。書き替えの人件費は毎年かかる
- 権限の申請を後回しにして着手する。読み取りの権限が下りずに待ちが発生する
まとめ
自社でAIエージェントを作るという話は、AIそのものを作る話ではありません。作るのは、任せる判断の切り出し、つなぐ先の読み書きの切り分け、指示に書く判断の基準、採点の物差し、権限と止め方、そして直す当番です。この6つはどれも業務の知識がないと決められないので、外注しても自社の作業として残ります。
失敗の出どころも見えています。1,642件の実行記録を分類した研究では、同じ手順の繰り返しが15.7%、終了条件を分かっていないが12.4%と上位を占め、役割の書き方を直しただけで成功率が9.4ポイント、上位の目標に照らした検証を足して15.6ポイント上がりました。腕ではなく設計から出ているということは、直せる場所が社内にあるということでもあります。
内製と外注の分かれ目は、金額ではなく5つの問いです。任せる判断が自社固有か、採点できる人がいるか、つなぐ先の権限を出せるか、いつまでに動かしたいか、そして直す当番を置けるか。割れたら1本目は外注、2本目から内製という順番が現実的です。国内では生成AIを使っている会社のうち関心が66.1%まで来ていて、動かせているのは3.3%。この差は技術ではなく、上の6つを誰がいつ決めるかで開いています。AIに判断させない範囲を先に文書にし、止める権限を業務側に置いてから着手すれば、1本目は3か月で動きます。
※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
AI活用を戦略に落とす前に、まずは導入・定着から始めませんか?
デボノはアカウント開設・初期設定など「そもそものAI導入」から社内定着まで伴走支援。マーケティング活用など一歩進んだご相談にも対応します。
