UXCamのAIに録画を全部は渡さない|外に出るものの確かめ方

「アプリの録画をAIに見せれば、どこで離脱しているか教えてくれるらしい」「でも録画には、入力した住所やカード番号まで映っているのでは」——アプリやサイトの改善を任されたマーケ担当、プロダクト担当の間で、いま同時に聞こえてくる二つの声です。期待と不安が同じ録画に向いています。結論から言えば、録画をそのまま全部AIに渡す必要はありませんし、渡すべきでもありません。AIに読ませる前に、何を隠し、何が外に出て、どれだけ残るかを確かめるのは導入する側の仕事です。この記事では、2026年10月に AIアナリスト Tara を中心に作り直した UXCam を例に、録画をAIに渡す前の確かめ方と、AIが出した直す順番の扱い方を手順で整理します。
カメ先生操作の録画をAIに見せるのは、画面の動きを見せるだけだから安全だと思われがちなんだ。でも本当は、録画には入力欄や表示された情報がそのまま映ることがあって、それが外部のAIまで流れる道があるんだよ
カメ子録画の中身が、分析の道具の外にまで出ていくかもしれない、ということですか
カメ先生そう。だから順番が大事でね。まず何が映るかを洗い出して、端末で隠すものを決めて、AIに渡る範囲と残る期間を確かめる。そのあとでやっと、AIの答えをどう使うかの話になる
カメ子AIの賢さより先に、渡すものを決めるんですね
- UXCam は、スマホアプリとWebの操作を録画して分析する基盤。2026年10月19日の UXCam 2.0 で、AIアナリスト Tara が録画を読み、つまずきの原因と直す順番を出す形になった
- 公式ヘルプでは、AI処理の前に端末側で個人情報をぼかす・除く、学習に使わない、外部AIとのやりとりは安全監査のため最大30日保持とされる。ただし自動で隠れない欄があり、隠す項目は自社で決める
- 録画の要約・つまずきの検出・直す順番の案はAI、隠す項目の決定・外部AIへ渡すことの承認・直す順番の最終決定は人。見られる人と見直しの周期も先に決める
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UXCam は、アプリとサイトの操作を録画して読む分析の基盤
UXCam は、スマホアプリとWebサイトで利用者がどう操作したかを記録し、分析するための製品です。画面のどこを押したか、どこで止まったか、どの画面で離れたかを、操作の録画(セッション録画)と、押された位置を色で示すヒートマップ、画面の移り変わりの集計などで見られます。公式には、数字の分析と録画を見る分析を一つにまとめた製品分析の基盤と説明されています。
対象はアプリが中心で、iOS・アンドロイドのほか、フラッターやリアクトネイティブで作ったアプリ、Webサイトにも対応すると公式に書かれています。アプリに部品(SDK)を組み込んで記録する形なので、入れるかどうかの判断には、アプリの開発を担う部門か委託先が必ず関わります。マーケ担当だけで完結する導入ではありません。
この製品がこれまでと変わったのは、録画を「人が見るもの」から「AIが読むもの」に変えた点です。録画の分析は昔から有効でしたが、何百本もの録画を人が見るのは時間がかかり、結局は数本だけ見て判断することになりがちでした。そこを、AIが大量の録画を読んで共通するつまずきを拾う、という形に置き換えようとしています。
つまり導入を考えるときの論点は、録画を取るかどうかだけでは済みません。録画をAIに読ませてよいか、読ませる前に何を整えるかが、新しく加わった論点です。この記事が扱うのは、その整え方です。
どんな会社で、国内でまだ知られていない理由
UXCam は2014年に創業した会社で、公式の会社情報では本社を米国サンフランシスコに置き、ドイツのベルリンとネパールにも拠点があるとされています。最高経営責任者は共同創業者のシルバヌス・アルト氏で、2026年10月の UXCam 2.0 の発表も同氏の署名で出ています。
提供元の発表では、50か国を超える企業が使い、3万7,000を超える製品に組み込まれているとされています。公式の会社情報には、飲食チェーンや消費財の大手など、海外の消費者向けの企業の名前が顧客として挙がっています。
国内でまだあまり知られていない理由は、確かめた範囲で3つあります。一つは、公式サイトに英語のほかスペイン語とポルトガル語の版はあるものの、日本語の版が見当たらないこと(2026年10月時点で日本語向けの住所は存在しませんでした)。二つめは、国内のアプリ分析では、無料で始められる大手の解析や、国産の録画型の道具が先に広まっていること。三つめは、録画型の解析そのものに個人情報の不安があり、AIで読ませる段階に進む企業がまだ少ないことです。
日本語の画面を Tara が正しく読めるかについても、公式の資料では確かめられませんでした。公式ヘルプでは、Tara は利用者が見ている画面を目で見るように読み取る、と説明されていますが、日本語の表示で同じ精度が出るかは、試行で自社の録画を使って確かめる前提になります。
10月19日の UXCam 2.0 で、Tara は何をするようになったか
2026年10月19日、UXCam は公式ブログで UXCam 2.0 を発表し、創業以来もっとも大きな変化だと位置づけました。中心にあるのが AIアナリストの Tara です。公式ブログで紹介された機能は次の4つで、提供の扱いも分けて押さえておく必要があります。
| 機能 | 中身(公式の説明の範囲) | 2026年10月時点の扱い |
|---|---|---|
| 自分で聞ける分析 | 「なぜ登録の完了率が下がったか」のような普通の言葉の質問に、根拠となる録画を付けて答える | 新規の利用者は2.0から開始。既存の顧客は早期利用の申し込み |
| 先回りの見張り | 決めた周期で主要な導線を確かめ、転換の低下・苛立ちの操作の増加・エラーの増加を知らせる | 同上 |
| 影響の大きさでの並べ替え | 課題を、影響を受ける利用者の数で並べ、根拠を付けて示す | 同上 |
| 関係者への共有 | 必要なものを言葉で伝えると、ダッシュボードと共有用の報告を作る | 同上 |
公式ブログの中で紹介された社員の説明では、Tara は録画の映像と、録画に付いた記録(メタデータ)の両方を読むとされています。また、品質の管理として、変更のたびに250件の試験を通し、日常で使うモデルの答えの一部を、より能力の高いモデルが毎日抜き取りで点検しているとも書かれています。これらは提供元の説明で、独立した検証は見つかっていません。
注意したいのは、既存の顧客にとっては、2.0が「申し込んで順に使えるようになる」段階だという点です。発表の時点で、すべての機能がいつ全員に開くかは示されていません。早期利用の段階の機能は、導入の効果の見積もりに入れないのが安全です。稟議には、自社の契約で今使えると確かめた機能だけを数えてください。
「録画をAIに見せれば答えが出る」の前に、録画が何でできているか
録画と聞くと、画面をそのまま撮影した動画を思い浮かべがちです。しかし公式の開発者向け文書によれば、UXCam が既定で集めるのは、画面の録画、タッチや操作の記録、画面の名前、自社で決めた出来事の記録、利用者の属性、端末の情報です。一方、音声と、キーボードで打たれた文字そのものは、既定では集めないとされています。
ここで見落としやすいのは、「打たれた文字は集めない」と「画面に映った文字は残らない」が別の話だという点です。利用者が入力を終えた欄に表示されている住所、確認画面に並ぶ注文の中身、マイページに出る氏名や会員番号は、入力の記録ではなく画面の表示として録画に映ります。隠す手当てをしなければ、それがそのまま録画の一部になります。
さらに、利用者の属性には、自社が送った会員の区分や識別の番号が入ります。録画と属性が結び付くと、「どの会員が、どの画面で、何をしたか」が分かる記録になります。分析には便利ですが、録画と属性が結び付いた時点で、個人に関する記録として扱う必要があります。
Tara はこの録画と記録をまとめて読みます。だから最初の仕事は、AIの使い方を考えることではなく、自社のアプリの録画に何が映っているかを、画面ごとに知ることです。マスキングの設定項目そのものの確かめ方は、別の記事「録画型の解析は入力欄まで残る」で扱っているので、ここではAIに渡る範囲に絞って進めます。
手順1:録画に何が映るかを、画面ごとに洗い出す
洗い出しは、アプリやサイトの画面の一覧を作り、画面ごとに「表示される情報」と「入力される情報」を書き出すところから始めます。開発の部門が持っている画面の設計図や画面の遷移の一覧があれば、それを土台にすると漏れが減ります。
書き出した情報は、少なくとも3つに分けます。一つめは、氏名・住所・電話番号・メールの宛先・生年月日のような、それだけで個人が分かる情報。二つめは、カード番号・口座・パスワード・本人確認の書類のような、漏れたときの損が大きい情報。三つめは、注文の中身・問い合わせの本文・健康や家計の情報のような、個人が分かる情報と結び付くと意味が重くなる情報です。
このとき、アプリの開発者だけでなく、そのデータを業務で扱う部門にも一覧を見てもらいます。問い合わせの窓口なら「本文に病名や家族の事情が書かれることがある」、会員の部門なら「マイページに過去の購入が全部出る」といった、画面の設計図からは分からない中身が出てきます。
洗い出しの結果は、画面の名前・映る情報・区分・持ち主の部門を1行ずつ並べた表にして残します。この表が、次の手順で「何を隠すか」を決めるときの材料になり、後で監査や問い合わせを受けたときに「何を確かめたか」を示す記録にもなります。
自動で隠れるものと、隠れないもの
公式の開発者向け文書では、パスワードの入力欄は、Web・アンドロイド・iOS のいずれでも自動で隠されるとされています。カード番号や、米国の社会保障番号のような、よくある個人情報の欄も、自動で見つけて隠すとされています。
ただし同じ文書には、自動の検出は網羅的ではないとはっきり書かれています。欄の作り方が独自だったり、ラベルが日本語だったりすると、自動の検出が効かない場合がありえます。また、入力欄ではなく画面に表示された文字、たとえば確認画面の住所や、チャットの吹き出しの中の文章は、欄の種類で判定する仕組みでは拾えないことがあります。
公式ヘルプでは、Tara について「AI処理が始まる前に、端末の側の伏せ処理で個人情報がぼかされるか除かれる」と説明されています。これは安心材料ですが、ここで言う個人情報の範囲が、自社が手順1で洗い出した範囲と同じかどうかは、文書からは読み取れません。
つまり、自動で隠れるものは「最低限の床」であって、自社の基準ではありません。自動に任せた欄も、実際の録画を開いて隠れているかを人の目で確かめることが、導入の前の必須の作業になります。
手順2:端末の側で隠すものを決める
UXCam には、特定の画面全体や、画面の中の特定の部品を、録画の段階で隠したりぼかしたりする機能があります。どの画面と部品を隠すかを決めるのは、提供元ではなく導入する側です。手順1の表を使い、区分ごとに扱いを決めます。
考え方の基本は、端末から出る前に隠すことです。サーバーに届いてから消すより、そもそも端末から出さないほうが、後の確かめごとが減ります。漏れたときの損が大きい二つめの区分は、欄だけでなく画面ごと隠すことを最初に検討します。決済や本人確認の画面は、録画の分析で得られるものより、映ってしまったときの損のほうが大きいからです。
- 隠す設定はアプリの部品に組み込むため、変えるにはアプリの更新が要る場合がある。古い版のアプリを使い続ける利用者がいる間は、古い設定のまま録画が届く
- 画面を新しく作ったときに隠す設定を入れ忘れると、その画面だけ丸見えになる。画面を追加する開発の手順に「隠す設定の確認」を1行入れておく
- 隠しすぎると、Tara が読む材料も減る。つまずきの原因が隠した画面にある場合、AIは「根拠が足りない」と返すか、別の画面に原因を求めてしまうことがある
隠す項目の決定は、マーケ担当が一人で持つものではありません。個人情報の管理の責任者と、アプリの開発の責任者の合意を取り、決めた日と理由を残します。後から隠す範囲を緩めたくなったときも、同じ二者の合意を通す決まりにしておくと、分析の都合で範囲が少しずつ広がるのを防げます。
手順3:外部のAIに渡る範囲を確かめる
公式ヘルプでは、Tara が使うAIのモデルとのやりとりについて、外部のAIの提供元の例として Google の Gemini と OpenAI の名前を挙げています。つまり、録画や記録の一部は、UXCam の外にあるAIの提供元に送られて処理されると読むのが自然です。
同じヘルプでは、こうしたやりとりは状態を持たない形で行われ、提供元がモデルの改善のためにデータを保持することはない、と説明されています。また、データはアカウントの範囲の中で、推論のためだけに処理されるとされています。
ここで確かめたいのは3点です。一つめは、どの外部の提供元に、どの地域で送られるか。ヘルプの書き方は「例えば」で、送り先の確定した一覧ではありません。二つめは、手順2で自社が決めた隠す設定が、外部のAIに送る前に必ず効いているか。端末側の伏せ処理の説明はありますが、自社の設定との関係までは書かれていません。三つめは、送られるのが録画の映像そのものか、要約や切り出した記録か、という粒度です。
この3点は、公開の資料だけでは答えが出ません。処理の再委託先の一覧と、データ処理の契約書(DPA)を取り寄せて、書面で確かめるのが確実です。開発者向け文書では、データ処理の契約書は担当の営業から受け取れるとされています。
保存の期間は、3つに分けて確かめる
「どれだけ残るか」は、一つの数字では答えられません。公開の資料から読み取れる範囲では、少なくとも3種類の保存の期間があります。
一つめは、UXCam に届いた録画そのものの保存です。開発者向け文書では、録画の保存期間は設定で変えられ、既定は90日とされています。録画に付く他のデータも録画と一緒に保存され、利用者の属性だけは削除の依頼があるまで残るとされています。二つめは、外部のAIの提供元とのやりとりです。公式ヘルプでは、外部のAIの提供元とやりとりしたデータは、安全の監査のためだけに最大30日保持され、その後削除されると書かれています。
三つめは、Tara が作った答えや報告、ダッシュボードです。答えには根拠として録画が付くので、共有用の報告を社内に回せば、その中から録画にたどり着けます。報告がいつまで残り、誰が見られるかは、自社の運用で決める部分です。
この3つを並べると、一番長く残るのは、意外にも利用者の属性と社内に回した報告だと分かります。録画の保存を短くしても、属性と報告が残れば、誰が何をしたかの手がかりは残ります。保存の期間を決めるときは、録画だけでなく、この3つを一緒に決めてください。
学習に使われないことと、契約で確かめること
公式ヘルプでは、UXCam は顧客のデータを使ってモデルを微調整したり、再学習したり、性能の比較に使ったりしない、と説明されています。外部のAIの提供元についても、モデルの改善のためにデータが保持されることはない、とされています。
これは導入の判断で大きな材料ですが、ヘルプの記述は製品の説明であって、契約の条項ではありません。学習に使わないことを社内の審査で根拠にするなら、契約書かデータ処理の契約書に同じ趣旨の条項があるかを確かめます。ヘルプの記述は予告なく変わることがあるからです。
ほかに確かめておきたいのは、保管の場所です。開発者向け文書では、データは AWS の基盤で暗号化して保管され、通信も暗号化されるとされていますが、保管の地域は書かれていませんでした。国外に保管されることを前提に、自社の個人情報の取り扱いの方針と、利用者に示している説明(プライバシーポリシー)で足りるかを確かめます。
また、UXCam は第三者の監査の報告(SOC 2 のタイプ2)を受けていると公式に示しています。欧州のデータ保護の規則に関しては、UXCam を処理を委託される側として位置づけ、多くの導入では正当な利益を根拠にしているとしています。国内の法令での整理は別なので、法的な判断は、社内の法務か専門家に確かめてください。
手順4:Tara が出す直す順番は、参考であって確定ではない
Tara の機能の一つは、見つけた課題を、影響を受ける利用者の数で並べて示すことです。どこから直せばよいかの案が根拠付きで出るので、改善の会議の材料としては強力です。ただし、この並びをそのまま開発の順番にしてはいけません。
理由は3つあります。一つめに、影響の大きさは「何人がつまずいたか」で測られていて、そのつまずきが売上や解約にどれだけ効くかは、別の情報がないと分かりません。二つめに、直す手間と、直したときの副作用は、録画からは見えません。三つめに、手順2で隠した画面のつまずきは、AIの材料から外れているので、並びの上に出てきにくくなります。
公式ヘルプには、根拠が足りないときは Tara がそう伝える、とも書かれています。また、Tara の答えはダッシュボードの数字と違って見えることがあり、ダッシュボードは記録された出来事を、Tara は利用者が実際に見た状態を表す、と説明されています。数字が食い違ったとき、どちらを正とするかを先に決めておくと、会議で揉めずに済みます。
並びを使うときは、AIの案の横に、売上への影響、直す手間、関わる部門の3列を人が書き足し、そのうえで順番を決めます。AIが常時見張って知らせる仕組みの任せ方は、前日の記事「Quantum Metric導入で決める項目」で扱ったので、ここでは直す順番の扱いに絞ります。
直す順番を決めるのは誰か
AIが案を出す仕組みを入れると、「AIがこう言っているから」という理由で順番が決まりやすくなります。とくに、根拠の録画が付いていると説得力があり、反論しにくい空気ができます。だからこそ、最終の順番を決める人を、AIの導入と同時に名指しで決めておく必要があります。
多くの場合、決める人はプロダクトの責任者か、アプリの改善を所管するマーケの上長です。AIの案は、その人が判断するための材料の一つという位置づけにします。決めた順番と、AIの案と違う順番にした理由は、短くてよいので記録に残します。後から振り返ったとき、AIの案が当たっていたか外れていたかを確かめる材料になるからです。
- AIが出した並びを、そのまま開発の作業の一覧に流し込む
- 根拠の録画を見ずに、要約の文章だけで直す画面を決める
- 隠した画面のつまずきがAIの並びに出てこないことを、「問題がない」と読む
- AIの答えとダッシュボードの数字が違うとき、都合のよいほうを採る
AIの案と人の判断が繰り返し食い違うなら、AIが悪いのか、隠す範囲が広すぎて材料が足りないのか、質問の仕方が曖昧なのかを確かめます。食い違いは失敗ではなく、運用を直す手がかりです。
手順5:社内の誰が録画と Tara の答えを見られるか
録画をAIに読ませる仕組みは、裏返すと、AIに質問できる人なら誰でも録画にたどり着けるということでもあります。Tara は「なぜ離脱したか」に録画を付けて答えるので、質問の権限と録画を見る権限は、実質的に同じになります。
見られる人は、役割で分けて決めます。録画そのものを見てよいのは、アプリの改善に直接関わる担当者に限る。Tara に質問して答えを受け取れるのも、原則として同じ範囲にする。経営や他部門には、根拠の録画を外した報告だけを回す。この線を引かないと、共有用の報告が回るうちに、録画への道が社内に広がることになります。
外部の制作会社や開発の委託先に見せる場合は、さらに慎重にします。委託先が見てよい画面と期間を決め、仕事が終わったらアカウントを止める手順を、契約と同じタイミングで決めておきます。アカウントを止める担当者を決めていない外部の閲覧は、作らないのが原則です。
また、録画に映る利用者からの削除の依頼にどう応えるかも、見られる人の決めごとと一緒に決めます。開発者向け文書では、削除のための仕組みと、利用者が記録を止める仕組みが用意されているとされています。依頼を受けた窓口から、録画の削除まで誰が手を動かすかを1本の流れにしておきます。
費用の増え方と、止め方
公式の会社情報では、UXCam の料金は月ごとの録画の数(セッション数)に応じた従量で、試用と3つの料金の区分があるとされています。さらに公式ヘルプでは、Tara の利用にはクレジットを使い、クレジットは組織の中で共有され、毎月リセットされると説明されています。金額はここでは扱いませんが、増え方は押さえておきます。
費用が増えるのは、録画する利用者が増えたとき、録画する画面や期間を広げたとき、そして Tara への質問や見張りの回数が増えたときです。クレジットが組織で共有される以上、ある部門が見張りを多く組むと、他の部門が質問に使える分が減ります。見張りの対象と周期は、部門ごとに勝手に増やさず、決める人を一人に寄せるのが無難です。
止め方も先に決めておきます。開発者向け文書では、録画を止めて送る前のデータを消す仕組みが用意されています。試行をやめるとき、契約を終えるときに、アプリから記録の部品を外す更新をいつ出すか、すでに保存された録画と属性をいつ消すかを、導入の時点で決めておくと、終わり方で迷いません。
費用を部門に配る考え方は、別の記事「AIの利用料は誰が負担する?」で扱っています。ここでは、クレジットの奪い合いを避けるために、見張りの数を決める人を一人に置く、という点だけを押さえてください。
手順6:定期の見直しで、隠す範囲と見られる人を引き直す
隠す範囲と見られる人は、一度決めて終わりではありません。アプリは毎月のように画面が増え、担当者も入れ替わります。導入の時点の決めごとが、半年後には実態と合わなくなっているのが普通です。見直しの周期と、見る項目を先に決めておきます。
前回の見直しから追加・変更された画面を開発の部門から受け取り、手順1の表に足します。新しい画面に隠す設定が入っているかを確かめます。
個人情報が出る画面を中心に、最近の録画を数本ずつ開きます。自動の検出に任せた欄も、ここで確かめます。
公式ヘルプとデータ処理の契約、再委託先の一覧に変更がないかを確かめます。送り先が増えていれば、社内の審査をやり直します。
異動・退職した人、仕事が終わった委託先のアカウントが残っていないかを確かめ、止めます。
直す順番でAIの案と違う判断をした件を見返し、隠す範囲や質問の仕方を直す必要がないかを話し合います。
周期は、アプリの更新の頻度に合わせます。月に何度も更新するアプリなら四半期ごと、更新が少なければ半年ごとが目安です。見直しの担当者と日付を、導入の稟議に書いておくと、忙しさで先送りされにくくなります。
AIに渡す前に確かめる項目
最後に、録画をAIに読ませる前に確かめる項目を一覧にします。導入の前と、定期の見直しのときに使ってください。
- 画面ごとに、表示される情報と入力される情報を洗い出し、3つの区分に分けた表がある
- パスワードやカード番号の欄が自動で隠れていることを、実際の録画を開いて確かめた
- 決済・本人確認など、画面ごと隠す画面を決め、個人情報の責任者と開発の責任者が合意した
- 外部のAIの送り先と地域、送られるデータの粒度を、再委託先の一覧と契約で確かめた
- 自社で決めた隠す設定が、外部のAIに送る前に効いていることを提供元に確かめた
- 録画・外部AIとのやりとり・社内に回す報告の3つの保存期間を決めた
- 学習に使わない旨が、ヘルプだけでなく契約の条項にもあるかを確かめた
- 録画と Tara の答えを見られる人を役割で決め、外部の閲覧を止める担当者を決めた
- 直す順番を最終的に決める人と、AIの案と違う判断をしたときの記録の残し方を決めた
- 見張りの対象と周期を決める人と、試行をやめるときの止め方と消し方を決めた
このリストに空欄が残るうちは、録画をAIに渡す範囲を狭いまま始めてください。確かめた範囲だけをAIに渡し、確かめた分だけ広げるのが、録画を使った分析を長く続けるための順番です。
まとめ
UXCam は2026年10月19日の UXCam 2.0 で、AIアナリスト Tara が録画を読み、つまずきの原因と直す順番を根拠付きで出す形に変わりました。公式ヘルプでは、AI処理の前に端末の側で個人情報をぼかすこと、学習に使わないこと、外部のAIとのやりとりは安全の監査のため最大30日保持することが説明されています。しかし、自動で隠れない欄はあり、外部のAIの送り先も確定した一覧ではありません。入れるなら、画面ごとに映る情報を洗い出し、端末で隠すものを二者の合意で決め、外部に渡る範囲と3つの保存期間を契約で確かめる。録画の要約・つまずきの検出・直す順番の案はAIに任せ、隠す項目の決定・外部のAIへ渡すことの承認・直す順番の最終決定は人が持つ。見られる人と見直しの周期まで決めてから、狭い範囲で始めてください。
- 製品の機能と提供状況は、UXCam の公式ブログ(2026年10月19日)、公式ヘルプ「Tara とは」、開発者向け文書「プライバシーと法令対応」、公式の会社情報を2026年10月23日に確かめた範囲に基づきます
- 外部のAIの送り先の確定した一覧、保管の地域、日本語の画面での精度、料金の金額は公開の資料で確かめられなかったため、契約の前に提供元に直接確かめてください
※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
データ分析にAIを活かす第一歩、まずは導入から始めませんか?
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