表記の統一はMarkup AIに任せきれない|公開前に直させる線

表記の統一はMarkup AIに任せきれない|公開前に直させる線

「生成AIで記事やメールの下書きは倍に増えたのに、チェックする人は前と同じ2人のまま」「社名の書き方や、言ってはいけない言い回しを、毎回人の目で探している」——コンテンツを量産するマーケ部門で、担当者からも上長からも、こうした声が聞かれます。数字の裏付けもあります。Markup AI が2026年6月に出した発表は、ベンチャー投資会社ベッセマーの調査を引き、マーケの責任者のほぼ全員がコンテンツ制作にAIを使い、6割がブランドの安全と品質の管理を最大の障害に挙げている、としています。書く速さは上がったのに、確かめる速さは変わっていないのです。そこで、別のAIに自社の決まりで採点させ、止める・直すという道具が出てきました。ただし、表記やトーンの統一は、道具を入れれば終わる仕事ではありません。本当は、決まりの持ち主と、自動で直させる範囲と、点数で通す基準を人が決めて初めて回る仕組みです。この記事では、Markup AI を例に、マーケが公開前の点検をAIに任せるときに部門で決めることを整理します。


カメ先生カメ先生

表記やトーンをそろえる道具は、入れれば勝手に全部そろうと思われがちなんだ。でも本当は、何をもって正しいとするかの決まりを、人が先に機械の読める形で渡さないと動かないんだよ


カメ子カメ子

道具が決まりを作ってくれるわけではない、ということですか


カメ先生カメ先生

そう。道具は決まりに照らして点数を付け、直す案を出すところまで。どの決まりを誰が持ち、どこまで自動で直させ、何点なら出すかは、部門で決めることなんだ


カメ子カメ子

点数が高ければ正しい、とは言えないんですね


この記事のポイント
  • Markup AI は旧 Acrolinx の技術を土台に、自社の決まりで文章を走査・採点・書き直す道具。2026年6月にマーケ向けの Content Guardian Agents を発表した
  • 点数は「決まりに沿っているか」の物差しで、内容が正しいことの証明ではない。法務に関わる表現と公開の判断は人に残す
  • 入れる前に、決まりの持ち主・自動で直させる範囲・点数で通す基準・差し戻しの記録の残し方を決めておく

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目次

Markup AI は、自社の書き方の決まりで文章を採点する道具

Markup AI は、企業が公開する文章を、その会社自身の決まりに照らして点検する製品です。2025年9月の公式ブログは、自社の働きを「走査し、採点し、書き直す」ことで、コンプライアンスと評判の危険を減らすと説明しています。対象は用語、ブランドの声、書き方の規定、言い過ぎの主張などで、文法の誤りを直すだけの校正の道具とは目的が違います。開発者向けの資料によれば、ブランドの声・読み手像・用語・書き方の規定は管理画面に一度置き、各エージェントが実行のたびにそれを読む仕組みです。

2026年10月時点の資料には15種のエージェントが並んでいます。承認済みの用語から外れた語を探すもの、ブランドの声との合い方を見るもの、危うい主張に印を付けるもの、ありえない日付を見つけるもの、リンク先が説明どおりかを確かめるもの、古くなった事実を拾うもの、AI検索に引用されやすい形かを見るもの、などです。見つけた指摘には、それぞれ高・中・低の危険度が付きます。資料は、時間が足りないときは危険度の高い指摘から片づけるよう勧めています。

つまり、この製品が受け持つのは「書いた後、公開する前」の点検です。原稿を一から書く道具ではありません。書く道具と確かめる道具を別にしておくという考え方が、製品の前提になっています。書いたAIに自分の原稿を見直させるのでは、同じ癖が残りやすいからです。

旧 Acrolinx の会社と、国内でまだ知られていない理由

Markup AI の前身は、企業向けの文章の点検で長く使われてきた Acrolinx です。2025年9月15日の公式ブログは、新しい基盤・新しいチーム・新しい拠点・新しいブランドでの「再出発」と表現しており、公式の会社紹介も、Acrolinx で培った文章の技術の上に立つと書いています。同じ9月17日には2,750万ドルの資金調達を発表しました。報道によれば、これはシリーズAにあたります。

国内でまだほとんど知られていないのには、いくつか理由が考えられます。1つは対象の会社規模です。2026年6月の発表は、決まりを点検する仕組みを世界の100を超えるブランドが使っていると説明しており、名前が挙がるのは大手の製造業やソフトウェアの会社です。もう1つは言語です。公式の資料で、日本語の文章への対応を確かめることはできませんでした。公開されている接続の部品で選べる方言は、英語の各国版が並んでいるだけです。

そのため、日本の会社がそのまま国内向けの日本語の原稿に使える、とは言えません。2026年10月時点で現実的なのは、海外向けの英語のサイトや資料、製品の説明書を持つ会社が検討する場面でしょう。日本語の原稿で同じ考え方を取り入れたい場合も、この記事で整理する「決めること」はそのまま使えます。道具の名前より、点検の線をどう引くかが本題です。

2026年6月の Content Guardian Agents で変わったこと

2026年6月23日の発表で、Markup AI は Content Guardian Agents を「量を出すマーケのチーム」向けに打ち出しました。見る観点として挙がっているのは、ブランドの声、読者への適合、正確さ、人の声らしさ、AIに引用されやすいかの5つです。それまでの企業の文書部門向けの点検に、生成AIで増えた原稿を出す前に確かめる用途を重ねた形です。

提供の形は、段階が分かれています。発表時点で使えるのはグーグルドキュメントの拡張機能で、API と MCP による接続は企業のチーム向けに提供されています。アドビ、Contentful、フィグマ、ワードなどとの接続は開発中とされています。「開発中」の接続を、導入の前提にしないことが大切です。社内の制作の流れで使っている道具が、提供中の一覧にあるかを先に確かめてください。

発表には、マーケの担当者は「AIの監査役になるために入社したわけではない」という経営者の言葉も載っています。確認の手間を減らしたいという気持ちはよく分かります。ただ、監査役をすべて道具に譲れるわけではありません。どこまで譲れて、どこからは譲れないのかを次の節から見ていきます。

もう1つ押さえておきたいのは、エージェントの種類が増えたことで、表記やトーンとは別の観点も同じ画面に並ぶようになった点です。古くなった事実を拾うもの、AI検索に引用されやすい見出しかを見るもの、要点を冒頭に置かせるものなどがそれにあたります。これらを全部有効にすると、1本の原稿に付く指摘の数が一気に増え、書き手は何から直せばよいか分からなくなります。最初は、承認済みの用語・ブランドの声・主張の3つに絞って始めると、表記とトーンをそろえるという目的から外れずに済みます。ほかの観点は、運用が落ち着いてから1つずつ足していきます。

「点数が高ければ出してよい」は誤り

採点の道具を入れると、点数や危険度の表示がそのまま「出してよい」の合図として使われがちです。しかし、道具が測っているのはあらかじめ渡した決まりに沿っているかどうかです。決まりに書いていないことは、点数に表れません。たとえば、新製品の発売日が社内で延期になったのに原稿が古い日付のままでも、日付として成り立っていれば指摘されないことがあります。

事実が合っているかどうかも、答えが文書の外にある場合は道具の届く範囲を超えます。主張に印を付けるエージェントは、資料の説明では「法務の確認の前に」危うい主張に印を付けるものです。法務の確認を代わりに済ませるものではありません。公式の資料も、印を付けた後の扱いを人の確認に渡す前提で書かれています。

もう1つの落とし穴は、点数を上げるための書き直しです。決まりに合わせて無難な言い回しに寄せ続けると、点数は上がっても、伝えたいことが薄まった原稿になります。点数は「直す場所の候補」を示すものであって、「正しい」の証明ではありません。この前提を部門で共有しておくことが、導入の最初の仕事です。

入れるかどうかを決める前に見る3つの条件

こうした道具が役に立つかどうかは、会社の状況でかなり変わります。判断の材料として、3つの条件を見てください。1つ目は量です。生成AIや外部の制作会社から入ってくる原稿が、確認する人の手に余るほど増えているかどうか。月に数本なら、人が読んだほうが早く確かです。

2つ目は、決まりがすでに文書になっているかどうかです。用語集、書き方の規定、言ってはいけない表現の一覧が無い会社では、道具に渡すものがありません。この場合は、先に決まりを作る仕事が待っています。決まりの項目の立て方は別の記事で扱っています。3つ目は、決まりの持ち主がいるかどうかです。用語は広報、法務に関わる言い回しは法務、声やトーンはブランドの担当、と分かれていることが多く、誰が最終的に決めるかがあいまいだと、道具の指摘に誰も答えられなくなります。

3つのうち1つでも欠けていれば、道具を入れる前に人の側の準備を済ませるほうが近道です。逆に、量が多く、決まりがあり、持ち主もはっきりしている会社なら、道具に任せる範囲を広げる余地があります。上長が判断するときは、この3つの状態を担当者に確かめてから、試用に進むかどうかを決めるとよいでしょう。

決まりの持ち主を先に決める

運用の最初の段は、決まりの持ち主を決めることです。道具の管理画面に置く決まりは、全社の原稿に一斉に効きます。開発者向けの資料にも、決まりを更新するとその後のすべての点検に反映されると書かれています。つまり、管理画面を触れる人は、全社の文章の物差しを変えられる人です。

持ち主は、決まりの種類ごとに分けて決めます。承認済みの用語と社名・製品名の書き方は広報、法律や業界の規制に触れる言い回しは法務、ブランドの声と読み手像はブランドの担当、といった具合です。マーケ部門は、それぞれの持ち主から決まりを受け取り、道具に載せ、運用する役回りになることが多いでしょう。マーケが勝手に決まりを書き換えない約束を、最初に交わしておきます。

持ち主と、道具の管理画面を触る人は、同じでなくてかまいません。大切なのは、決まりを変えるときに誰の承認が要るかを、紙に残しておくことです。担当者が異動したときにも、どの決まりを誰に確かめればよいかが分かるようにしておきます。

外部の制作会社やフリーランスの書き手に原稿を頼んでいる会社では、社外の人にも同じ点検を通してもらうかを決めておきます。社外の書き手に道具を使ってもらえば、納品の時点で用語のずれは減ります。一方で、管理画面に置いた決まりの中には、まだ社外に出していない製品名や、法務の判断の経緯が含まれることがあります。社外の人に開く場合は、見せてよい決まりだけに絞るか、納品を受けた後に社内の担当者が道具にかけるかのどちらかにします。どちらにするかは、決まりの持ち主と相談して決めます。

決まりを機械が読める形に直す

次の段は、人が読むために書かれた決まりを、道具が読める形に直すことです。人向けの規定集は「親しみやすく、しかし軽すぎない文体で」のような書き方になりがちですが、これでは道具が判断できません。公式の資料では、ブランドの声や読み手像、承認済みの用語、書き方の規定を、それぞれ別々に管理画面へ置く形になっています。

直すときのこつは、判断の分かれ目を例で示すことです。使ってよい言い方と使わない言い方を対にして書く、言い換え先を1つに決める、例外になる場面を書き添える、といった形です。どの語をどちらに寄せるかの決め方そのものは、表記ゆれを辞書で守らせる記事で扱っています。ここでのマーケの仕事は、持ち主の決めた内容を崩さずに道具へ移すことです。

移した後は、持ち主に確かめてもらいます。過去に公開した原稿を数本、道具にかけてみて、指摘の内容が持ち主の感覚と合っているかを見ます。合わない指摘が多いなら、決まりの書き方を直します。この確かめをせずに本番に入ると、現場は的外れな指摘に慣れてしまい、本当に大事な指摘まで読み飛ばすようになります。

点数の物差しを決める

決まりを載せたら、何を満たせば次の工程に進めてよいかの物差しを決めます。2026年10月時点の資料では、指摘ごとに高・中・低の危険度が付きます。これを使って、たとえば「危険度が高い指摘が1つでも残っていたら公開しない」「中の指摘は担当者が判断して記録を残す」といった基準を置くのが分かりやすいでしょう。

基準は、原稿の種類ごとに変えてかまいません。製品の仕様を説明するページ、プレスリリース、ブログ記事、SNSの投稿では、間違えたときの影響の大きさが違うからです。影響が大きい原稿ほど、通す基準を厳しくし、人が読む工程を残すという考え方で並べます。全部の原稿に同じ基準を当てると、軽い原稿の流れが詰まるか、重い原稿の確認が甘くなるかのどちらかになります。

物差しを決めるときに避けたいのは、目標の点数を担当者の評価に結び付けることです。点数を上げることが目的になると、伝えたい内容を削ってでも決まりに寄せる書き方が増えます。点数は原稿の状態を見るためのもので、書き手を比べるためのものではないと、運用を始める前に部門で確かめておきます。

自動で直させる範囲と、人が見る範囲

Markup AI は指摘だけでなく、書き直しまで行えます。便利な反面、どこまで自動で直させるかを決めておかないと、誰も読んでいない書き直しがそのまま公開されることになります。線を引くときの目安を、種類ごとに表にまとめました。

指摘の種類自動で書き直させてよいか理由と、人がすること
社名・製品名・承認済み用語の書き方させてよい正解が1つに決まっている。持ち主が決めた言い換え先に寄せるだけなので、後で一覧を見れば足りる
文の長さ・言い回しの冗長ささせてよい(差分を残す)意味は変わりにくいが、強調したい箇所まで削られることがある。書き手が差分を見て戻せるようにする
ブランドの声・トーンのずれ案を出させるまでどの程度まで崩してよいかは原稿の目的で変わる。書き手か編集の担当が採るかどうかを決める
効能・性能・比較などの主張させない(指摘のみ)言い換えても規制の線を越えることがある。法務か持ち主が判断する
日付・数字・リンク先させない(指摘のみ)正しい値は文書の外にある。担当者が原典に当たって直す
謝罪・事故・人事など重い告知させない1語の違いで受け取られ方が変わる。道具にかけても、公開の判断は責任者が持つ

表の上の2行は、正解が決まりの中に書いてある種類です。ここは自動で直させても、後から差分を見れば事故は起きにくいでしょう。真ん中の行は、正解が原稿の目的によって変わる種類で、道具には案を出させるところまでにします。下の3行は、正解が文書の外にあるか、規制や評判に直接かかわる種類です。ここは道具に印を付けさせ、直すのは人にします。

自動で直させる範囲は、最初は狭く始めて、指摘の当たり方を見ながら広げるのが安全です。最初から全部を自動にすると、どの書き直しが問題を生んだのかを後から追えなくなります。

法務に関わる言い回しは「指摘まで」にとどめる

マーケの原稿で最も扱いに注意が要るのは、法律や業界の規制に触れる言い回しです。効能や性能の言い過ぎ、根拠の弱い最上級の表現、他社との比較などがこれにあたります。Markup AI の主張を見るエージェントは、公式の資料で「法務の確認の前に危うい主張に印を付ける」と説明されています。印を付けるところまでが道具の仕事だと読むのが自然です。

ここを自動の書き直しに任せると、別の問題が起きます。道具が言い換えた表現が、元の表現より安全とは限りません。言い換えた結果、別の規制の線に触れることもありえます。また、法務に関わる表現の決まりは、法改正や行政の指導で変わります。決まりの更新が遅れれば、道具は古い物差しで「問題なし」と判定し続けます。

そのため、法務に関わる指摘は、道具が印を付けた時点で法務か持ち主に回す流れにしておきます。薬機法や景品表示法のように、具体的にどの表現が問題になるかは別の記事で扱っています。道具の指摘の数がゼロだったことを、法務の確認を省く理由にしないことも、決まりとして書いておきます。

公開前の関所を置く場所

道具をどこに置くかで、直る量と手間が変わります。書いている途中のグーグルドキュメントで点検すれば、書き手がその場で直せます。公開の仕組みの手前に API でつなげば、どの原稿も必ず点検を通ります。2026年10月時点で、前者は拡張機能として提供中、後者は企業向けの提供です。流れの全体は、次の順番で組むと分かりやすいでしょう。

STEP1
書いている途中で点検する
書き手が下書きの段階で道具にかけ、用語や言い回しの指摘をその場で直す。自動の書き直しは、表で「させてよい」とした種類だけに絞る。
STEP2
提出の前に危険度を確かめる
危険度の高い指摘が残っていないかを書き手が確かめ、残っているものは理由を添えて編集の担当に渡す。
STEP3
編集の担当が読む
主張・数字・日付・リンク先など、道具が印を付けた箇所を中心に、原典に当たって確かめる。点数の高さは読む量を減らす理由にしない。
STEP4
持ち主に回す
法務に関わる指摘や、決まりにない判断が必要な箇所は、決まりの持ち主に回して判断を仰ぐ。
STEP5
公開を決める
公開するかどうかは、原稿の種類ごとに決めた責任者が決める。道具の判定は判断の材料の1つとして扱う。

5つの段のうち、道具が働くのは最初の2つが中心です。3つ目から先は、人が読んで判断する段です。道具を入れると「点検はもう済んだ」という空気が生まれがちですが、道具が済ませたのは決まりに照らした点検だけで、内容の確認は終わっていません。

差し戻しの記録を残す

運用を続けるうえで欠かせないのが、差し戻しの記録です。道具の指摘を書き手が採らなかったとき、編集の担当が原稿を戻したとき、持ち主が判断を変えたとき、その理由を残しておきます。記録がないと、同じ指摘をめぐる議論を毎回繰り返すことになります。

記録に残すのは、多くを求めなくてかまいません。どの原稿の、どの指摘を、誰が、なぜ採らなかったか。この4つがあれば十分です。たとえば「この業界ではこの言い方が定着しているので、承認済みの用語から外れても残す」といった理由が残っていれば、次に同じ指摘が出たときの判断が速くなります。

記録は、決まりを直す材料にもなります。同じ指摘が何度も採られずに残るなら、道具ではなく決まりの側が現場に合っていない可能性があります。採られなかった指摘は、決まりを見直す合図として扱い、持ち主に定期的に渡します。

決まりを更新するときの手順

決まりは一度作れば終わりではありません。新製品が出れば用語が増え、ブランドの方針が変われば声やトーンの決まりも変わります。法務に関わる表現は、規制の変化に合わせて直す必要があります。Markup AI では、管理画面の決まりを変えると、その後のすべての点検に反映されます。便利ですが、それだけに更新の手順を決めておかないと危うくなります。

更新のときは、少なくとも3つのことを決めておきます。誰が変更を提案し、誰が承認するか。変更をいつから効かせるか。変更したことを書き手にどう知らせるか、です。知らせずに変えると、昨日まで通っていた原稿が今日は指摘だらけになり、現場は道具の不具合だと受け取ります。

変える前に、過去の原稿を数本かけて、指摘の出方がどう変わるかを確かめておくと安心です。決まりの変更は、原稿の変更よりも影響が広いという意識を、管理画面を触る人に持ってもらいます。変更の履歴を残しておけば、問題が起きたときに元に戻すこともできます。

何が外に出るか、費用の増え方、やめ方

道具に原稿をかけるということは、公開前の原稿を外部のサービスに渡すことです。新製品の発表文や、まだ社外に出せない数字を含む原稿もかかります。Markup AI の公式サイトにはトラストセンターやデータ保護の取り決めへの案内がありますが、この記事の調査では、原稿が学習に使われるか、どこに何日保存されるかといった中身までは確かめられませんでした。

試用の前に、提供元に確かめておきたいことを並べます。

  • 点検にかけた原稿が、提供元や第三者のAIモデルの学習に使われるか
  • 原稿と点検の結果が、どの国の設備に、どれだけの期間保存されるか
  • 管理画面の決まりを、誰が変えたかの記録が残るか
  • API や MCP でつないだ先から、どの範囲の原稿が読まれるか
  • 契約を終えたとき、決まりと原稿のデータをどう消せるか

費用は、この記事では金額を扱いません。一般に、点検する原稿の量、使う利用者の数、つなぐ道具の数が増えるほど費用も増える仕組みが多いでしょう。生成AIで原稿が増えるほど点検の量も増える点は、見込んでおく必要があります。API や MCP で、社内のAIや公開の仕組みにつなぐ場合は、もう一段の注意が要ります。つないだ先の仕組みが、点検のために原稿を自動で送り出すようになるからです。どのフォルダの原稿を、どの段階で送るかを決め、未発表の情報を扱う原稿は送る対象から外すといった線を、つなぐ前に引いておきます。やめ方も先に決めておきます。決まりの文書は自社の側にも必ず残し、道具の管理画面にしかない状態を作らないことが、乗り換えや解約のときの備えになります。

定期の見直しで見る数字

運用が始まったら、月に1回程度、道具の働きを見直します。見る数字は多くなくてかまいません。種類ごとの指摘の数、書き手が採らなかった指摘の割合、公開後に見つかった誤りの数、の3つがあれば傾向はつかめます。

公開後に誤りが見つかったときは、その誤りが道具の届く範囲だったのか、範囲の外だったのかを分けて記録します。範囲内なのに見逃したなら、決まりの書き方を直します。範囲の外なら、人が読む工程のどこで拾うべきだったかを考えます。道具の見逃しと、人の見逃しを分けて数えることで、どちらに手を入れるべきかが見えてきます。

四半期に1回は、決まりの持ち主と一緒に、自動で直させる範囲を見直します。指摘の当たり方が安定している種類は自動の範囲に移し、外れの多い種類は指摘だけに戻します。校正と校閲の分担のような、人の側の読み方の割り振りも、このときに合わせて見直すとよいでしょう。

  • 点数や危険度の表示だけを見て、人が読まずに公開する
  • 法務に関わる言い回しを、道具の自動の書き直しに任せる
  • マーケの担当者が、持ち主に断らずに管理画面の決まりを書き換える
  • 決まりを変えたことを書き手に知らせず、指摘の急増を道具の不具合と受け取る
  • 点数を担当者の評価に使い、伝えたい内容まで削った原稿が増える

まとめ

Markup AI は、旧 Acrolinx の技術を土台に、自社の書き方の決まりで文章を走査・採点・書き直す道具です。2026年6月には、生成AIで原稿を量産するマーケのチーム向けに Content Guardian Agents を打ち出しました。ただし、2026年10月時点で日本語への対応は公式で確かめられず、提供中の接続も一部に限られます。道具が受け持つのは、決まりに照らした採点と指摘、正解が決まっている種類の言い換えまでです。決まりそのものを誰が持つか、どこまで自動で直させるか、何を満たせば通すか、法務に関わる表現と公開の判断を誰がするかは、人が決めることです。点数が高いことを、正しいことの証明にしない。この線を部門で決めてから、試用に進んでください。

  • 製品の機能と提供状況は、Markup AI の公式サイト、公式ブログ、開発者向けの資料、2026年6月23日の発表を2026年10月20日に確かめた範囲に基づきます。機能や接続の一覧は変わることがあるため、導入の前に最新の原文で確かめてください
  • 法律や業界の規制に関わる表現の判断は、自社の法務の担当者と確かめてください

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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