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専門学校の就職担当が、学生の希望・成績・資格・実習の評価と企業の求人票から推薦書の下書きを作り、担任の確認に回す

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

専門学校の就職担当が、学生の希望・成績・資格・実習の評価と企業の求人票を ChatGPT に渡し、推薦書の下書きを作ります。下書きには各文の根拠にした資料を添え、担任が確かめて仕上げます。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude/Gemini/Microsoft Copilot
対象業界
教育
対象部門
採用
対象業務
内容確認・チェック/書類作成
主な課題
属人化している/書類作成に時間がかかる/確認ミスが多い
AIで行う処理
生成
主な効果
品質標準化/属人化解消/工数削減
導入難易度
★☆☆☆☆
実装レベル
半自動化
費用感
SaaS追加(小)
人間の確認
条件付き
現在工数
30h/月
AI導入後
10h/月
想定削減
67%
年間削減
240h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 学生が、推薦を希望する企業と志望の理由を推薦依頼のシートに書いて出す
  2. 就職担当が、学務の仕組みから成績・出席・資格を、表計算から実習の評価を書き出す
  3. 担任に、所見のメモを頼む
  4. 求人票を読み、企業の求める人物と仕事の内容を確かめる
  5. 企業の様式に合わせて、推薦書の下書きを書く
  6. 担任に回し、直しを受けて書き直す
  7. 校長の決裁を受け、企業に出す
導入後(After)
  1. 人学生が推薦依頼のシートを出す。推薦書に成績・資格・実習の評価を使うことへの同意の欄に記入する
  2. 人就職担当が、学務の仕組みと表計算から学生の資料を1枚のシートに書き出す。担任は所見のメモを同じシートに書く
  3. 人就職担当が、ChatGPT の「推薦書」プロジェクトで新しいチャットを開き、学生のシートと求人票を添付する
  4. 【AI】 ChatGPT が、企業の様式の欄に合わせた推薦書の下書きと、文ごとの根拠の表、書かなかった事項の表を返す
  5. 人就職担当が、根拠の表で「根拠なし」「要確認」の文を直し、文書作成のソフトの様式に写す
  6. 人担任が、下書きと根拠の表を見て、授業の様子と合わないところを直す
  7. 人校長の決裁を受け、企業に出す
各工程の詳しい説明を読む
  1. 学生が、推薦を希望する企業と志望の理由を推薦依頼のシートに書いて出す
  2. 就職担当が、学務の仕組みから成績・出席・資格を、表計算から実習の評価を書き出す
  3. 担任に、所見のメモを頼む
  4. 求人票を読み、企業の求める人物と仕事の内容を確かめる
  5. 企業の様式に合わせて、推薦書の下書きを書く
  6. 担任に回し、直しを受けて書き直す
  7. 校長の決裁を受け、企業に出す

(a)資料を集めて読むだけで時間がかかる。 成績、出席、資格、実習の評価、担任のメモ、学生のシート、求人票。7つの資料を並べて、どれを推薦書のどの欄に使うかを決めるところから始まります。

(b)文面が担当者ごとにばらつく。 ある担当者は実習の評価を中心に書き、別の担当者は資格を並べます。同じ企業に同じ年に2人を推薦すると、学校の推薦書の書きぶりが違うことが企業に分かります。

(c)根拠の薄い言葉が混ざる。 欄を埋めようとして「誰からも信頼される」「責任感が強い」と書きます。担任から「それはどの場面のことか」と戻され、書き直しになります。

(d)書いてはいけないことが紛れ込む。 担任のメモの「家庭の事情」「通院しながら」を、苦労を乗り越えた話としてそのまま使ってしまうことがあります。決裁の段で気づけばよいのですが、気づかれずに企業に出たこともありました。

  1. 【人】 学生が推薦依頼のシートを出す。推薦書に成績・資格・実習の評価を使うことへの同意の欄に記入する
  2. 【人】 就職担当が、学務の仕組みと表計算から学生の資料を1枚のシートに書き出す。担任は所見のメモを同じシートに書く
  3. 【人】 就職担当が、ChatGPT の「推薦書」プロジェクトで新しいチャットを開き、学生のシートと求人票を添付する
  4. 【AI】 ChatGPT が、企業の様式の欄に合わせた推薦書の下書きと、文ごとの根拠の表、書かなかった事項の表を返す
  5. 【人】 就職担当が、根拠の表で「根拠なし」「要確認」の文を直し、文書作成のソフトの様式に写す
  6. 【人】 担任が、下書きと根拠の表を見て、授業の様子と合わないところを直す
  7. 【人】 校長の決裁を受け、企業に出す

6番目が、この設計の分かれ目です。 担任は、下書きと一緒に根拠の表を受け取ります。「この文はどの資料のどの評価から書いたか」が並んでいるので、 担任は授業の様子と照らすだけで済み、「どこから来たのか」というやり取りが要らなくなります。

1番目の同意の欄を足すのも、この構成の一部です。 推薦書は学生の成績や評価を企業に渡す書類です。就職担当が AI に資料を渡す前に、学生がそれを推薦書に使うことを知っている状態にしておきます。

5番目で、就職担当が根拠の表を先に読むのも意図してのことです。 下書きの文面から読むと、うまく書けている文に目が行き、根拠の無い文を見落とします。表の「要確認」と「資料不足」から読めば、直すところから手を付けられます。 文面の読み直しは、様式に写すときに一緒に行います。

02今回想定するシステム構成

構成図
学生 ── 推薦依頼のシート(志望企業・志望の理由・同意の欄)
就職担当 ── 学務の仕組み・実習の評価の表から、学生のシートに書き出す
担任 ── 同じシートに所見のメモ
   ▼
ChatGPT(業務用ワークスペースの「推薦書」プロジェクト)
   │  Sources:推薦書の書き方の手引き、書いてはいけない事項の一覧、
   │           学科ごとの実習と資格の説明、過去の推薦書の例文(匿名化)
   │  チャットに添付:その学生のシート、その企業の求人票
   │  ① 企業の様式の欄に合わせた下書き
   │  ② 文ごとの根拠の表
   │  ③ 書かなかった事項の表、担任に確かめる点
   ▼
就職担当 ── 根拠の無い文を直し、様式に写す
   ▼
担任の確認 → 校長の決裁 → 企業へ
役割想定する製品代替候補
処理ChatGPT(業務用ワークスペースのプロジェクト機能)Claude、Microsoft Copilot、Gemini
様式文書作成のソフトの推薦書の様式企業の指定の様式
資料学務の仕組みと実習の評価の表から書き出した学生のシート紙の個人票

新しく足すのは、プロジェクト1つと、Sources に置く4つの文書だけです。 教職員が業務用の ChatGPT のワークスペースを使える前提で、学務の仕組みにはつなぎません。

プロジェクトは、関連するチャットとファイルと指示をまとめる機能です。 公式の案内では、プロジェクトの指示はそのプロジェクトのチャット全体に適用され、 Sources に置いたファイルと接続した情報はプロジェクトのチャット全体で使えます。1つのチャットに添付したファイルは、そのチャットだけに効きます。

この区別を、学生の資料の扱いに使います。 書き方の手引きや書いてはいけない事項の一覧は、どの学生にも使うので Sources に置きます。学生のシートと求人票は、その学生のチャットだけに添付します。 学生のシートを Sources に置くと、別の学生の推薦書を作るチャットからも見える状態になります。

プロジェクトの Sources に置く4つの文書は、就職担当が作り、版を付けて管理します。 書き方の手引きには学校の様式の欄と字数、書いてはいけない事項の一覧には言い方の例、学科ごとの説明には実習の内容と資格の位置づけを書きます。過去の推薦書の例文は、名前と固有の場面を消してから置きます。

業務用のワークスペースを使うのは、学生の資料の扱いを学校の決まりに合わせるためです。 公式の案内では、Business・Enterprise・Edu のワークスペースのデータは既定ではモデルの学習に使われず、 通信中と保存時に暗号化され、会話の保持はワークスペースの設定に従うとされています。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

学生が推薦依頼のシートを出し、担任の所見のメモがそろったときに始めます。 就職担当は、メモがそろった学生から順に下書きを作ります。メモがそろう前に作ると、担任の目で見た様子が入らないまま下書きが回り、 担任の直しが増えます。

1人の学生、1つの企業ごとに新しいチャットを開きます。 同じ学生が2社に推薦を希望していても、チャットは分けます。同じチャットで2社分を作ると、1社目の求人票に合わせた言葉が2社目に混ざります。

企業の提出の期限から逆算して始めます。 担任の確認と決裁に、合わせて3〜5日かかります。期限の1週間前には下書きを担任に回せるよう、就職担当の予定表に、求人ごとの「下書き開始日」を書いておきます。

Step2

入力データを集める

データ中身用意する人
推薦依頼のシート志望企業、志望の理由(学生の言葉)、在学中に力を入れたこと、同意の欄学生
学業の資料学科、主な科目の成績の評価、出席率、GPA(学科で使っていれば)就職担当(学務の仕組みから)
資格取得済みの資格と取得日、受験予定の資格就職担当(学務の仕組みから)
実習の評価実習先、期間、評価の項目ごとの点、実習先のコメント就職担当(実習の評価の表から)
担任の所見のメモ授業・学校行事での具体的な場面と様子担任
求人票職種、仕事の内容、求める人物、必要な資格、企業の様式の欄と字数企業から届いたもの

質を決めるのは、担任の所見のメモが「場面」で書かれているかです。 「真面目」とだけ書かれたメモからは、根拠のある文は書けません。「2年次の学園祭で会計を担当し、締めの日に収支を合わせた」のように、いつ・何を・どうしたかで書いてもらいます。 メモの書き方の例を、担任に配っておきます。

実習先のコメントは、言葉をそのまま使えるようにしておきます。 医療事務の実習なら「受付で患者の質問に落ち着いて対応できた」のような実習先の言葉は、推薦書の根拠としていちばん強い材料です。

学生のシートは、次のような形にそろえます。

【学生】医療事務科2年 番号 4127
【推薦を希望する企業】○○クリニック(医療事務)
【志望の理由(学生の言葉)】実習で受付を担当し、患者さんに声をかけて
  不安を減らせたことがうれしかった。地域の診療所で長く働きたい。
【在学中に力を入れたこと(学生の言葉)】学園祭の会計、医療事務の検定の勉強
【学業】主な科目:医療事務概論 A/診療報酬請求 B/医療秘書 A
        出席率 98%
【資格】医療事務の民間検定 2級(2年次6月取得)、同1級(受験予定)
【実習の評価】△△病院 外来受付 3週間
  接遇 4/5、正確さ 3/5、積極性 4/5
  実習先のコメント:「受付で患者の質問に落ち着いて対応できた」
                    「レセプトの点検は確認の手順をもう少し丁寧に」
【担任の所見のメモ】2年次の学園祭で会計を担当し、締めの日に収支を合わせた。
  グループ演習では、意見の分かれた場面で全員の案を書き出して整理した。
【同意】推薦書に学業・資格・実習の評価を使うことに同意する(記入済み)

実習先のコメントの「もう少し丁寧に」のような課題も、消さずに入れておきます。 推薦書に課題は書きませんが、AIが「正確な事務処理が得意」と書きそうになったときに、それを止める材料になります。 良い評価だけを渡すと、良い面だけが膨らんだ下書きになります。

Step3

データの取得方法を決める

学生の資料は、就職担当が1枚のシートに書き出します。 学務の仕組みと AI はつなぎません。

取るものどこから何に使うか
成績・出席・資格学務の仕組みの学生の個人票学業成績・資格の欄、根拠
実習の評価実習の評価の表計算人物所見・推薦理由の根拠
担任のメモ学生のシートの所見の欄人物所見の根拠
求人票求人票の綴り(PDF)求める人物に合わせる観点、様式の欄と字数

学生のシートには、推薦書に使う項目だけを書き出します。 学務の個人票には、住所、保護者の名前と連絡先、学費の支払の状況、健康診断の結果などが入っています。それらは推薦書に要らないので、書き出しません。 AIに渡す前に、渡す情報を減らしておくのがいちばん確実です。

求人票は、企業の様式の欄と字数を書き添えて添付します。 「人物所見:200字程度」「推薦理由:300字程度」のように、就職担当が求人票の余白か添付の一言に書いておくと、欄ごとの字数に合った下書きになります。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 同意の欄を確かめる … 学生が、推薦書に成績・資格・実習の評価を使うことに同意しているかを見ます。空欄なら、下書きを作る前に学生に確かめます
  2. 書き出す項目を絞る … 住所・保護者・学費・健康診断の結果は書き出しません
  3. 担任のメモの場面を確かめる … 場面の無いメモ(「明るい」「真面目」だけ)は、担任に場面を足してもらいます
  4. 求人票の欄と字数を書き添える … 企業の様式が無いときは、学校の様式の欄と字数を書きます
  5. 学生の名前を番号に置き換える … 学生のシートでは、名前の代わりに学籍番号の下4桁を使い、名前は就職担当が様式に写すときに入れます

5番目は、渡す情報をさらに減らすためです。 推薦書の下書きを作るのに、学生の名前は要りません。名前が無くても、成績と評価と場面から文は書けます。

Step5

AIに処理させる

させるのは3つです。下書きを書くこと、文ごとに根拠を示すこと、書かなかった事項を知らせることです。

させることどこまで判断できないときの扱い
下書き企業の様式の欄ごとに、字数の目安に合わせて書く資料が足りない欄は「資料不足」と書き、埋めない
根拠の表下書きの文ごとに、根拠にした資料の名前と該当の記述を示す根拠が無い文は書かない。迷う文は「要確認」
求人との対応求人票の「求める人物」の項目ごとに、どの文で応えているかを示す応える材料が無い項目は「材料なし」
書かなかった事項の表資料にあったが推薦書に入れなかった記述と、その理由-
担任に確かめる点資料どうしが食い違うところ、場面が足りないところ-

字数の目安は、少し下回るくらいで書かせます。 様式の欄に収まらない下書きは、写すときに削る手間が増えます。削るより、担任が場面を1つ足すほうが推薦書は良くなります。

3行目の「材料なし」が大事です。 求人票に「コミュニケーション力」とあって、資料にそれを示す場面が無いとき、AIは一般的な言葉で埋めようとします。材料が無いことを担任に返せば、担任が場面を思い出して足せます。 埋めた言葉は、面接で企業に聞かれたときに学生が答えられません。

させないこと理由
資料に無い長所や経験を書く学校がそれを保証したことになる
家族・家庭の事情・健康・病歴・住まいに触れる採用選考で配慮すべき事項に当たる
宗教・思想・支持政党・尊敬する人物・愛読書に触れる同上
他の学生との比較や順位推薦書は本人のことだけを書く
推薦するかどうかの判断学校が選考で決めること

2行目と3行目は、担任のメモや学生のシートにあっても書かせません。 学生が志望の理由に「家族を支えたい」と書いていることもあります。本人が書いたことでも、推薦書として企業に渡すかは別の話です。 外したことは、書かなかった事項の表に出させます。

Step6

指示内容を固定する

プロジェクトの指示として、次の文を置きます。

あなたは専門学校の就職担当が、企業に出す推薦書の下書きを作る手伝いをします。
チャットに添付された「学生のシート」と「求人票」だけを材料にしてください。

【作るもの】
1. 推薦書の下書き:求人票に書き添えた欄ごとに、字数の目安に合わせて書く。
   欄が書かれていなければ、Sources の手引きの「学校の様式」の欄で書く。
2. 根拠の表:下書きの文ごとに、根拠にした資料の名前(推薦依頼のシート/学業/
   資格/実習の評価/担任のメモ)と、その資料の記述をそのまま写す。
3. 求人との対応:求人票の「求める人物」の項目ごとに、応えている文の番号。
   応える材料が無ければ「材料なし」。
4. 書かなかった事項:資料にあったが下書きに入れなかった記述と、その理由。
5. 担任に確かめる点:資料どうしの食い違い、場面が足りないところ。

【厳守事項】
- 資料に書かれていない長所・経験・評価を書かないでください。
  根拠を示せない文は書かないでください。
- 欄を埋める材料が足りなければ、その欄に「資料不足」と書き、
  一般的な言葉で埋めないでください。
- 次の事項は、資料に書かれていても下書きに入れないでください。
  入れなかったものは「書かなかった事項」に出してください。
  本籍・出生地/家族(職業・続柄・健康・収入など)/住まい/生活環境・家庭環境/
  本人の健康・病歴・通院/宗教/人生観・生活信条/思想/支持政党/
  尊敬する人物/購読新聞・雑誌・愛読書/労働組合・社会運動
- 他の学生と比べる書き方、順位を示す書き方をしないでください。
- 誇張の言葉(「誰よりも」「抜群の」「必ず」など)を使わないでください。
- 推薦するべきかどうか、採用されそうかどうかは書かないでください。
- 根拠の表の「資料の記述」は、言い換えずにそのまま写してください。

書いてはいけない事項を言葉で並べているのは、「配慮して」だけでは外れないからです。 「家庭の事情で通学に苦労しながら」は、AIにとっては学生の努力を示す良い材料に見えます。項目を1つずつ挙げ、資料にあっても入れないと書いて初めて外れます。

「誇張の言葉を使わない」も意図してのことです。 推薦書らしい文を求めると、AIは「抜群の」「誰よりも」を使います。担任から戻される理由の多くがこの言葉で、 書く前に止めておくほうが早く済みます。

Step7

出力形式を固定する

次の形で受け取ります。

【推薦書の下書き】
(人物所見:200字程度)
①医療事務の実習では、受付で患者の質問に落ち着いて対応できたと実習先から評価されました。
②2年次の学園祭では会計を担当し、締めの日に収支を合わせました。
③……
(学業成績:100字程度)
④……
(推薦理由:300字程度)
⑤……

【根拠の表】
| 文 | 資料 | 資料の記述(そのまま) |
| ① | 実習の評価 | 「受付で患者の質問に落ち着いて対応できた」 |
| ② | 担任のメモ | 「2年次の学園祭で会計を担当し、締めの日に収支を合わせた」 |

【求人との対応】
| 求める人物 | 応えている文 |
| 患者に丁寧に対応できる方 | ① |
| 正確な事務処理ができる方 | ②、④ |
| 医療事務の資格 | 材料なし(受験予定のみ) |

【書かなかった事項】
| 資料 | 記述 | 理由 |
| 担任のメモ | 「家庭の事情でアルバイトをしながら通学」 | 家庭環境に当たる |

【担任に確かめる点】
- 出席率は98%だが、担任のメモに「2年次の後半に休みが続いた」とある

1つ目の理由は、文に番号を振ることです。 根拠の表と求人との対応が、同じ番号で下書きを指します。担任は「③の根拠は何か」を表で見て、合わなければ③だけを直せます。

2つ目は、書かなかった事項を表で残すことです。 就職担当は、何が外されたかを見て、外してよかったかを確かめられます。 担任にも同じ表を回すので、メモの書き方を見直すきっかけになります。

3つ目は、担任に確かめる点を分けることです。 資料どうしの食い違いは、AIには判断できません。出席率と担任のメモが合わないときに、どちらを使うかを決めるのは担任です。

JSON ではなく見出しと表で受け取るのは、受け取る先が人だからです。 下書きは文書作成のソフトに写し、表は担任が読みます。後段に機械で取り込む先が無いので、人が読みやすい形を優先します。 見出しの名前を毎回同じにしておけば、就職担当3名の誰が作っても同じ順で読めます。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
ChatGPT のプロジェクト指示と Sources、チャットへの添付手引きと一覧を置き、学生ごとに下書きを作る
学務の仕組み・実習の評価の表就職担当が手で書き出す学生のシートを作る
文書作成のソフトの様式就職担当が手で写す名前を入れ、様式を整える
担任下書きと根拠の表を共有のフォルダで回す確認と直し

ChatGPT と学務の仕組みはつなぎません。 学生のシートを就職担当が作ることで、AIに渡す項目を人が選べます。 つなぐと、個人票の項目が丸ごと渡る作りになりがちです。

様式に写すのも人の手です。 写すときに学生の名前を入れ、推薦書に学校として出せる文になっているかを、もう一度目で読みます。

Step9

人が確認する

推薦書は、就職担当と担任の2人が必ず読みます。

  1. 就職担当が「資料不足」「材料なし」「要確認」を見る … 担任に場面を足してもらうか、欄を短くします
  2. 就職担当が書かなかった事項の表を見る … 外すべきものが外れているか、下書きの中に残っていないかを読みます
  3. 担任が根拠の表を見る … 根拠にした場面が、授業の様子と合っているかを確かめます
  4. 担任が担任に確かめる点に答える … 資料の食い違いを、どちらに合わせるかを決めます
  5. 校長の決裁 … 学校として出してよいかを決めます

2番目は、書かなかった事項の表だけでなく、下書きの本文を読んで確かめます。 AIが「書かなかった」と表に出しても、別の言い方で本文に残っていることがあります。「様々な困難を乗り越えて」のような言葉は、何を指しているかを担任に確かめます。

目標は、40通をならして就職担当の時間が1通15分です。 「資料不足」の欄が多い月は、担任のメモに場面が足りていません。AIの指示を直すより、メモの書き方の例を担任に配り直すほうが効きます。

担任の直しは、根拠の表にも反映します。 担任が文を直したら、その文の根拠も書き直します。根拠の表が最後まで下書きと合っていることが、学校として推薦書の内容に責任を持つ形になります。

Step10

例外に対処する

起きること対応
同意の欄が空下書きを作らず、学生に確かめる
担任のメモに場面が無い担任に場面を足してもらう。足りないまま作ると「資料不足」の欄が増える
求人票に求める人物が書かれていない職種と仕事の内容から観点を就職担当が書き添える
企業の様式の字数が分からない学校の様式の字数で作り、様式に写すときに削る
根拠の表に資料に無い記述が引かれたその文を消し、記録に「誤り」と残す
書いてはいけない事項が本文に残ったその文を消し、指示の一覧に言い方の例を足す
同じ学生が2社に推薦を希望チャットを分けて2通作る。文を使い回さない
学生が推薦を取りやめたチャットを消し、学生のシートも消す
声や話し言葉の資料しかない就職担当が面談で聞き、場面をシートに書いてから作る
求人票が紙で届き、読み取りにくい就職担当が求める人物と欄・字数を書き出し、それを添付する
既卒の学生で、実習の評価が残っていない実習の欄を空にし、「資料不足」を担任と就職担当で埋めるか欄を短くする

6行目は、導入の最初の月に必ず出ます。 「ご家庭を支えるため」「体調と向き合いながら」のように、一覧の言葉を使わずに同じことを書くことがあるからです。見つけた言い方を一覧の例に足していきます。

Step11

記録を残す

  • 推薦書の最終版(文書作成のソフトの様式)と、決裁の記録
  • 根拠の表の最終版(担任の直しを反映したもの)
  • 書かなかった事項の表
  • AIの誤り(根拠の無い文、資料に無い記述の引用、書いてはいけない事項の残り)
  • 学生の同意の欄の記録
  • チャットは、ワークスペースの保持の設定に従って残る。推薦が終わった学生のチャットは消す決まりにする

根拠の表の最終版を残すのは、企業から問い合わせがあったときのためです。 「推薦書の○○はどの場面のことか」と聞かれたら、表を見れば答えられます。学生が面接で推薦書の内容を聞かれたときに備え、学生本人にも根拠の表の要点を伝えておくと、推薦書と面接の答えが食い違いません。

AIの誤りの記録は、一覧と指示を直す材料です。 同じ型の誤りが続いたら、指示の厳守事項に例を足します。

04実装レベルの3段階

最小構成:一覧と指示をチャットに貼り、資料を添付して下書きを作る / 1通ずつの下書きと根拠の表
半自動化:上記+プロジェクトの指示と Sources に置き、学生のシートの形をそろえ、担任に根拠の表ごと回す / 推薦書の下書きから担任の確認までの流れ
本格構成:上記+学生のシートを学務の仕組みから決まった項目だけ書き出す仕組みを作る / 資料を集める作業まで

最小構成では、毎回貼り付けが要ります。 1人の就職担当が試すための段階です。 半自動化で、1通45分が15分になります。 本記事の想定はこの段階です。就職担当は白紙から書かなくなり、根拠の表で直すところを探して直すだけになります。 担任とのやり取りも、根拠の表を見ながらなので1往復で済むことが増えます。 本格構成は、学務の仕組みから書き出す項目を決めておける学校向けです。 推薦書に使う項目だけを書き出す形にしておくと、住所や健康診断の結果がシートに入る心配がなくなります。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
3 名
月間件数
40 件
1件あたり現在時間
45 分
1件あたり導入後時間
15 分
現在  40件 × 45分 ÷ 60 = 30 時間/月
導入後 40件 × 15分 ÷ 60 = 10 時間/月
月間削減時間
20h
削減率
67%
年間削減時間
240h
年間金額換算(時間単価3,000円)
72万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

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06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 学校推薦の求人を通年で受け、就職担当(キャリアセンター)が学生ごとに推薦書を書いている専門学校・短期大学・大学。推薦書の文面が担当者ごとにばらつき、担任とのやり取りで何度も書き直している場合。学生の成績・資格・実習の評価が表計算や学務の仕組みにそろっている場合。業務用の ChatGPT のワークスペース(Edu または Business)を使える場合。
向いていない
  1. 学校推薦の求人がほとんどなく、推薦書を年に数通しか書かない場合。成績や実習の評価が紙にしか無く、学生ごとに集めるのに時間がかかる場合(先に資料をそろえるほうが効く)。なお、どの学生を推薦するかの選考と、推薦書の内容を学校として保証する判断は、この構成では代替できません。

07最小構成で試す方法

  1. 昨年度の推薦書から、匿名にした5通を選ぶ(うち1通は、担任のメモに家族や健康の記述があったものを入れる)
  2. その5通の元の資料(成績・資格・実習の評価・担任のメモ)と求人票を、学生のシートの形に書き出す
  3. ChatGPT のチャットに、書いてはいけない事項の一覧と第7章の指示の例を貼り、1通ずつ資料を添付して下書きを作る
  4. できた下書きを、実際に企業に出した推薦書と並べる
  5. 根拠の表と書かなかった事項の表を、担任1人に見てもらう

最初に確かめるのは、家族や健康の記述が外れるかと、根拠の無い文が入らないかです。

出てきた内容判断
外すべき記述が外れ、どの文にも根拠があったプロジェクトを作り、就職担当3名で使う
外れたが、別の言い方で本文に残った指示の一覧に言い方の例を足す。構成は有効
資料に無い長所を書いた「根拠を示せない文は書かない」を強め、欄を「資料不足」で残させる

2行目は、ほぼ必ず出ます。 一覧の言葉で外せても、言い換えには気づかないことがあります。見つけた言い換えを足していくことで、一覧が学校の基準として育ちます。

実際に出した推薦書と並べたときに、AIの下書きのほうが短いことがあります。 資料に無いことを書かないので、当時の推薦書にあった「誰からも信頼される」のような文が出てきません。それは失敗ではなく、当時の推薦書のどこに根拠が無かったかが分かったということです。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
資料に無い長所を書く根拠を示せない文は書かないと指示し、「資料不足」で残させる
家族や健康の記述が本文に残る事項を1つずつ挙げ、言い換えの例を一覧に足していく
学生のシートを Sources に置いてしまう学生の資料はチャットに添付する。 Sources は全員に共通の文書だけ
2社分を同じチャットで作り、文が混ざる1人・1社ごとに新しいチャットを開く
誇張の言葉が多い使わない言葉を指示に並べる
担任のメモに場面が無いメモの書き方の例を配る
根拠の表が担任の直しと合わなくなる直したら根拠も書き直す
学務の個人票を丸ごと渡す推薦書に使う項目だけを書き出す
同意を取らずに作る推薦依頼のシートに同意の欄を足す

上の2行が、この構成の失敗のほとんどです。 どちらも、推薦書が学校として企業に出す書類だということから来ています。資料に無いことを書けば学校の保証になり、書いてはいけないことを書けば学校が配慮を欠いたことになります。

真ん中の「誇張の言葉」と「場面の無いメモ」は、時間とともに減ります。 担任が根拠の表を何度か見ると、場面で書いたメモがそのまま推薦書の文になることが分かり、メモの書き方が自然に変わっていきます。

3行目は、作ってすぐに起きます。 便利なので学生のシートを Sources に入れたくなりますが、Sources はプロジェクトのチャット全体で使われます。 学生の資料は、その学生のチャットだけに添付します。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 学生の成績、出席、資格、実習の評価、担任の所見、志望の理由です。いずれも学生個人の情報で、推薦書に使うことを学生が知っている必要があります。

  1. 使う目的を学生に示し、同意を得る … 職業安定法では、職業紹介事業者は求職者の個人情報を業務の目的の達成に必要な範囲内で、目的を明らかにして収集し、その範囲内で保管・使用することとされています。学校が届出をして行う無料の職業紹介もこれに当たります。推薦依頼のシートで、推薦書に使う項目を示して同意を得ます
  2. 渡す項目を絞る … 住所、保護者、学費、健康診断の結果は書き出しません。学生の名前も番号に置き換えます
  3. 採用選考で配慮すべき事項を書かない … 厚生労働省は、本籍・出生地、家族、住宅状況、生活環境・家庭環境、宗教、思想、支持政党などを就職差別につながるおそれがある事項として挙げています。学校が出す推薦書にも同じ考え方を当てます
  4. 業務用のワークスペースで使う … 公式の案内では、業務のデータは既定ではモデルの学習に使われず、会話の保持はワークスペースの設定に従うとされています。個人のアカウントで学生の資料を扱わないでください
  5. チャットを残しすぎない … 推薦が終わった学生のチャットは消します。公式の案内では、消したチャットは原則として30日以内に完全に削除される予定とされています
  6. 推薦するかどうかは学校が決める … AIは下書きを作るだけで、推薦の可否を判断させません
  1. 学生のシートの置き場所を決める … 共有のフォルダに置く学生のシートと下書きは、就職担当と担任だけが開ける場所にします。推薦が終わったら、決裁済みの推薦書と根拠の表だけを残し、シートは消します

誤りが起きた場合のリスクは、資料に無い長所を学校が保証してしまうことと、書いてはいけない事項を企業に渡してしまうことの2つです。 どちらも、根拠の表と書かなかった事項の表を、就職担当と担任の2人が読むことで防ぎます。AIの下書きをそのまま決裁に回す運用にはしないでください。

10まず何から始めるか

1週目:書いてはいけない事項の一覧を作る

厚生労働省の示す事項をもとに、推薦書で起きやすい言い方の例を就職担当3名で書き出します。「家庭の事情で」「体調と向き合いながら」のような、善意で書かれる言葉を集めます。

2週目:学生のシートの形を決める

推薦書に使う項目だけを並べた学生のシートを作り、同意の欄を推薦依頼のシートに足します。 担任に、所見のメモを場面で書く例を配ります。

3週目:5通で試す

昨年度の推薦書から匿名にした5通で、下書きと根拠の表を作ります。家族や健康の記述が外れるかと、根拠の無い文が入らないかを最優先で見ます。

4週目:プロジェクトを作り、就職担当1名で使う

プロジェクトの指示と Sources を置き、新しく届いた推薦の依頼で使います。担任に根拠の表ごと回し、やり取りの回数を数えます。

2か月目: 就職担当3名で使い、見つけた言い換えを一覧に足します。3か月目以降: 1通45分が何分になったかを実測し、担任とのやり取りの回数を比べます。担任からの差し戻しの理由が「どこから来たのか」でなくなった時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-13/最終更新:2026-10-14
確認した内容情報源確認日
就職差別につながるおそれがある事項として、本籍・出生地、住宅状況、家族(職業・続柄・健康・病歴・地位・学歴・収入・資産など)、生活環境・家庭環境、宗教、人生観・生活信条、思想、購読新聞・雑誌・愛読書、支持政党、尊敬する人物、労働組合・学生運動などの社会運動が挙げられていること。これらに限られないこと厚生労働省: 公正な採用選考をめざして(採用選考時に配慮すべき事項)2026-10-13
学校(小学校及び幼稚園を除く)と専修学校の長が、届け出て学生生徒等について無料の職業紹介事業を行えること(第33条の2)。職業紹介事業者等が求職者等の個人情報を業務の目的の達成に必要な範囲内で、目的を明らかにして収集し、その範囲内で保管・使用すること、本人の同意がある場合等はこの限りでないこと、適正に管理する措置を講じること(第5条の5)e-Gov 法令API: 職業安定法2026-10-13
プロジェクトに Chats と Sources があり、プロジェクトの指示がそのチャット全体に適用されること。Sources がプロジェクトのチャット全体で使え、1つのチャットに添付したファイルはそのチャットだけに効くことChatGPT: Projects and chats2026-10-13
Business・Enterprise・Edu のワークスペースのデータが既定ではモデルの学習に使われないこと。通信中と保存時の暗号化。会話の保持がワークスペースの設定に従うこと。消したチャットが原則として30日以内に完全に削除される予定であることChatGPT: Work Cloud security2026-10-13

推薦書に何を書き、何を書かないかは、学校の方針として就職担当と担任で決めてください。 本記事は製品と官公庁の公開資料で確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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