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自治体の職員から出る「この支出はどの節・細節か」「どの方法で支払うか」の質問に、財務規則・予算の執行の手引き・過去の回答を根拠にチャットで答える

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

各課の職員が「この支出は何節か」「前渡で払えるか」をチャットで聞くと、経費の中身と金額を聞き取り、節の区分の表・財務規則・予算の執行の手引き・過去の回答から根拠付きで答えます。判断の要るものは会計課の審査担当へ回します。

サマリー
生成AI
Gemini
AIサービス
Azure AI/Google Vertex AI/OpenSearch
連携・自動化
Python
対象業界
医療/教育/自治体
対象部門
経理/財務
対象業務
問い合わせ対応/情報検索
主な課題
問い合わせが多い/属人化している/確認ミスが多い
AIで行う処理
検索(RAG)
主な効果
品質標準化/対応スピード向上/属人化解消
導入難易度
★★★☆☆
実装レベル
本格構成
費用感
RAG・個別開発(大)
人間の確認
条件付き
現在工数
60h/月
AI導入後
18h/月
想定削減
70%
年間削減
504h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 各課の職員が、経費の中身を言葉で伝えて、会計課に電話か庁内メールで聞く
  2. 審査担当が、何を買うのか・頼むのか、金額、相手方、いつ払うかを聞き返す
  3. 手引きの細節の一覧、財務規則、必要なら地方自治法施行令の条文を開いて、該当する箇所を探す
  4. 迷うものは、共有フォルダの過去の回答の表で似た経費を探す
  5. 節・細節と支払の方法を伝え、起票の注意(添付する書類など)を添える
  6. 手引きに無い経費や、予算の流用が絡むものは、係長か財政課と相談して答える
  7. やり取りを、過去の回答の表に書き足す
導入後(After)
  1. 人各課の職員が、庁内ポータルの会計チャットに質問する(例:「講演会の講師に謝礼と交通費を払いたい。何節か、当日現金で渡せるか」)
  2. 自動中継プログラムが、ログインした職員の所属と、いま執行している年度を受け取る
  3. 自動質問を「節・細節」「支払の方法」「その他」に分け、足りない条件(何を買う・頼むか、1件の金額、相手方の種類、継続するか)を選択肢で聞き返す
  4. 自動聞き取った金額を区切りの表と比べ、備品か消耗品か、修繕か工事かの候補の節を絞る
  5. 自動回す条件(予算の流用・充用、年度をまたぐ支払、手引きに無い経費、すでに支払った)に当たれば、答えを作らずに会計課へ回す
  6. 自動年度と文書の種類で絞り込み、Agent Search(旧 Vertex AI Search)の answer メソッドが手引き・財務規則・条文・過去の回答から根拠付きで答える
  7. 自動回答に出た節・細節の名前を、今年度の細節の一覧と照らし、無い名前なら回答を出さずに回す
  8. 人職員は、根拠の手引きの頁と条文を確かめてから起票する
  9. 人会計課の審査担当は、回ってきた質問だけを、聞き取り済みの条件を見て判断する
各工程の詳しい説明を読む
  1. 各課の職員が、経費の中身を言葉で伝えて、会計課に電話か庁内メールで聞く
  2. 審査担当が、何を買うのか・頼むのか、金額、相手方、いつ払うかを聞き返す
  3. 手引きの細節の一覧、財務規則、必要なら地方自治法施行令の条文を開いて、該当する箇所を探す
  4. 迷うものは、共有フォルダの過去の回答の表で似た経費を探す
  5. 節・細節と支払の方法を伝え、起票の注意(添付する書類など)を添える
  6. 手引きに無い経費や、予算の流用が絡むものは、係長か財政課と相談して答える
  7. やり取りを、過去の回答の表に書き足す

(a)経費の中身が、品名だけで伝えられる。 「プロジェクターを買いたい」と言われても、取得価格が備品の区切りを超えるか、既存の機器の部品か本体かで節が変わります。審査担当は金額と用途を聞き直し、ここで数分かかります。

(b)過去の回答が、年度をまたいで混ざる。 過去の回答の表には、細節の名前が改められる前の回答も残っています。似た経費を見つけてそのまま伝えると、今年度は無い細節で起票されて差し戻しになります。

(c)手引きに書いてあるのに、電話が来る。 旅費の概算払や官公署への支払など、手引きにそのまま書いてある内容を読み上げる電話が、全体のかなりを占めます。それでも職員が手引きを開かないのは、どの章を見ればよいかが分からないからです。

(d)判断の要る話が、普通の質問に混ざる。 「予算が足りないので別の節から払えないか」は区分の質問ではなく、予算の流用の話です。 電話の山に埋もれると、財政課への相談が遅れます。

  1. 【人】 各課の職員が、庁内ポータルの会計チャットに質問する(例:「講演会の講師に謝礼と交通費を払いたい。何節か、当日現金で渡せるか」)
  2. 【自動】 中継プログラムが、ログインした職員の所属と、いま執行している年度を受け取る
  3. 【自動】 質問を「節・細節」「支払の方法」「その他」に分け、足りない条件(何を買う・頼むか、1件の金額、相手方の種類、継続するか)を選択肢で聞き返す
  4. 【自動】 聞き取った金額を区切りの表と比べ、備品か消耗品か、修繕か工事かの候補の節を絞る
  5. 【自動】 回す条件(予算の流用・充用、年度をまたぐ支払、手引きに無い経費、すでに支払った)に当たれば、答えを作らずに会計課へ回す
  6. 【自動】 年度と文書の種類で絞り込み、Agent Search(旧 Vertex AI Search)の answer メソッドが手引き・財務規則・条文・過去の回答から根拠付きで答える
  7. 【自動】 回答に出た節・細節の名前を、今年度の細節の一覧と照らし、無い名前なら回答を出さずに回す
  8. 【人】 職員は、根拠の手引きの頁と条文を確かめてから起票する
  9. 【人】 会計課の審査担当は、回ってきた質問だけを、聞き取り済みの条件を見て判断する

4番目が、この設計の分かれ目です。 「備品の程度に至らない」が何円までかは、自治体ごとの規則で決まり、AIの判断は入りません。 AIに任せると、「金額や耐用年数によって異なります」という一般論を返し、目の前の経費がどちらかを職員に決めさせることになります。

7番目を後段の検査に置いているのも、意図してのことです。 細節の名前は年度で変わります。検索結果に去年の回答が混ざったとき、モデルは去年の細節の名前で答えます。 名前を一覧と照らせば、文の読み方に頼らずに検知できます。

02今回想定するシステム構成

構成図
会計チャット(各課の職員。庁内ポータル)
   ▼【トリガー】質問の送信(職員の ID 付き)
中継プログラム(Python、Cloud Run)
   ├──▶ 質問の種類の判定 → 聞き返しの選択肢
   ├──▶ 区切りの表:品目・工事の種類と金額 → 候補の節
   ├──▶ 回す条件 → 会計課の待ち行列
   ▼
Agent Search(Vertex AI Search)── answer メソッド
   │  データストア:節の区分の表+財務規則+予算の執行の手引き
   │               +地方自治法・施行令の条文+過去の回答
   │  絞り込み:fiscal_year/doc_type/setsu
   ▼
中継プログラム ── 回答の節・細節が今年度の一覧にあるかを確かめる
   ├──▶ 回答・根拠を返す
   └──▶ 答えられない・一覧に無い → 会計課の待ち行列
役割想定する製品代替候補
検索基盤Vertex AI Search(Agent Search)の answer メソッドAzure AI Search、Amazon OpenSearch Service
生成AIGemini(answer メソッドの回答の生成に使うモデル)─
連携中継プログラム(Python。Cloud Run で動かし、チャット・区切りの表・検索・待ち行列をつなぐ)Node.js で同じものを書く
認証庁内の ID 基盤(職員番号でログイン)Google の ID
保管Cloud Storage(手引き・規則・条文・過去の回答の原本とメタデータ)─

財務会計システムには、つなぎません。 中継プログラムは区切りの表と細節の一覧を読むだけで、起票にも審査にも書き込みません。最初の準備は、区切りの表を作ることです。 備品と消耗品、修繕と工事を分ける金額と、自治体の規則のどの条にそれが書いてあるかを1行ずつ書きます。

検索の土台は、Agent Search(Vertex AI Search から改称中)の answer メソッドです。 検索の結果から回答を作り、出典を付けられます。前のセッションの ID を渡すとやり取りを続けられ、質問の言い換えは既定で有効です。回答の文ごとに根拠の強さのスコアを返す設定と、スコアの低い回答を落とす設定があります。

根拠の条文は三つの層に分かれます。 地方自治法第232条の5第2項は、支出を資金前渡、概算払、前金払、繰替払、隔地払又は口座振替の方法で行えるとし、施行令第161条から第165条の2がそれぞれの対象を並べます。節の区分は地方自治法施行規則第15条第2項が別記のとおり定めなければならないとし、別記の表は報酬から繰出金までの27節と説明を載せています。その下に、自治体ごとの財務規則と細節の区分があります。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

起点は、職員が会計チャットに質問を送ったことです。 チャットは職員番号でログインした人が使え、所属から、回したときにどの審査担当の待ち行列に載せるかを決めます。 会計課の担当は、所管する課ごとに分けている自治体が多いからです。

節の質問では、1件の金額と、何を買うか・頼むかを必須にします。 金額の分からない段階の質問もあるので、「見積の前」を選べるようにし、その場合は区切りの値の前後で答えを分けて返します。 相手方の種類(個人/法人/官公署)も選ばせます。報酬と報償費、前金払の対象かどうかが、相手方で変わるからです。

1件の質問は、1つのセッションで最後まで続けます。 「では交通費の分だけなら」のような続けての質問も同じセッションでつなぎ、別の経費の話は新しいセッションで始めます。 前の経費の金額が言い換えの中に残るからです。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
質問職員が打った質問の文、選んだ聞き返しの値チャット
職員の情報所属、執行している年度庁内の ID 基盤
節の区分の表27節の名前と説明、備考地方自治法施行規則の別記(e-Gov 法令API)
財務規則支出負担行為、支出命令、資金前渡・概算払・前金払の手続き庁内ポータルのPDF
予算の執行の手引き細節の区分の一覧、迷いやすい経費の例示、添付書類財政課が年度ごとに出すPDF
法令の条文地方自治法第232条の3〜第232条の6、施行令第161条〜第165条の3e-Gov 法令検索の法令API
過去の回答質問、答えた節・細節と支払の方法、年度、置き換えの有無会計課の共有フォルダの表
区切りの表備品と消耗品、修繕と工事を分ける金額と根拠の条会計課と財政課が作る表
回す条件の表質問の種類ごとに、聞き返す項目と選択肢、答えずに回す値会計課が作る表

質を決めるのは、区切りの表と過去の回答の整理です。 区切りの表には「備品:取得価格○万円以上で、耐用年数が1年以上」のように、自治体の物品の規則にある値をそのまま書きます。 過去の回答は、年度と、新しい版で置き換えたかどうかの印を付けてから取り込みます。印の無い過去の回答は、取り込みません。

質問の文に、個人の名前を書かせないようにします。 講師や委員の名前は節の判断に要りません。画面に「相手方の名前は書かず、個人/法人/官公署を選んでください」と出します。

Step3

データの取得方法を決める

手引き・財務規則・条文・過去の回答は、Cloud Storage に置いてデータストアに取り込みます。 文書ごとのメタデータに、文書の種類、年度、節の番号、改訂日を持たせます。

取るものどこから何に使うか
文書の種類(区分の表/規則/手引き/条文/回答)メタデータ絞り込みと、根拠の表示の順
年度メタデータ執行する年度の手引きと回答だけに絞る
節の番号メタデータ区切りの表で絞った候補の節の記載だけを引く
置き換えの有無メタデータ古い版の回答を引かない

条文は、e-Gov 法令検索の法令API(laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/…)から取り込みます。 地方自治法と施行令は条ごとに取り、節の区分の表は施行規則の別記の図として付いているので、表を文字に起こして1節ずつに分けます。 施行規則は改正が多いので、年度の初めに会計課が改正の情報を確かめます。

絞り込みの式は、年度と文書の種類と節で書きます。 項目を索引可能にしておけば、fiscal_year: ANY("2026", "ALL") AND setsu: ANY("10", "17") AND superseded: ANY("false") のように、今年度の手引きと、候補の節の記載と、置き換えられていない回答だけを引けます。ALL は年度によらない条文と規則に付けます。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 手引きを節ごとに分ける … 細節の一覧と例示を、節の見出しの単位で分け、節の番号を付けます
  2. 節の区分の表を文字に起こす … 別記の図から27節の名前・説明・備考を起こし、1節を1文書にします
  3. 財務規則を条ごとに分ける … 条の見出しが付いた形で取り込みます
  4. 過去の回答を整える … 年度、置き換えの有無を付け、相手方の個人名と金額の端数を消します
  5. 区切りの表を作る … 物品の規則と工事の規定から、金額の区切りを書き出します
  6. 年度の切り替えを決める … 4月1日に新年度の手引きを有効にし、出納整理期間は前年度の版も引けるようにします
  7. 見出しを断片に含める … データストアの作成時に分割を有効にし、includeAncestorHeadings を有効にします

6番目が、この構成でいちばん効きます。 4月と5月は、前年度の支出と新年度の支出が同時に起票されます。 年度を聞き返しの選択肢に入れ、前年度の支出なら前年度の版で答えます。

7番目は、データストアを作る前に決めます。 分割はデータストアの作成のあとでは有効にも無効にもできず、見出しを含める設定は既定では無効です。 手引きの細節の表は、見出しが無いとどの節の細節か分かりません。 分割の大きさは100〜500トークンで、既定は500です。

Step5

AIに処理させる

させるのは、聞き取った経費と絞った候補の節に当たる手引き・規則・条文の記載を見つけ、何節のどの細節で起票し、どの方法で払えるかを、根拠を付けて短く返すことです。 候補の節を絞ること、回すかどうかは、中継プログラムが行います。

要素中身根拠
節・細節候補の節の中から、手引きの例示に当たるもの手引き、区分の表
支払の方法資金前渡・概算払・前金払などのうち、使えるもの施行令、財務規則
起票の注意添付する書類、精算の期限手引き、財務規則
根拠の場所手引きの頁、規則の条、施行令の条と号全部

answer メソッドの設定は次のようにします。

設定値理由
session質問ごとのセッション聞き返しと続けての質問をつなぐ
includeCitations有効手引きの頁と条文の場所を付ける
ignoreLowRelevantContent有効手引きと規則に無い話に答えない
ignoreNonAnswerSeekingQuery有効あいさつや雑談で検索しない
groundingSpec の filteringLevelFILTERING_LEVEL_HIGH根拠の弱い回答を出さない
filter年度、節、置き換えの有無別の年度や別の節の記載を混ぜない
preamble下の指示答え方の規則を与える
させないこと理由
金額で備品か消耗品かを決める区切りの表とプログラムで決める
予算の流用・充用の可否財政課が決める
起票してよいか・支出してよいかの結論会計管理者の審査で決まる
手引きに無い細節を作る細節の新設は財政課の決定
他の自治体の例で補う自団体の規則と違いうる

1行目がいちばん起きやすい失敗です。 区分の表には「備品の程度に至らない」とあり、手引きに金額の例示があると、モデルは区切りの前後を両方説明して「金額によります」と書きます。 候補は先に絞って検索の文に入れ、絞った節の記載だけを引かせます。

Step6

指示内容を固定する

answer メソッドの preamble に、次の指示を入れます。

あなたは市の会計課の審査担当として、
各課の職員から、支出の節・細節と支払の方法の質問に答えます。
読むのは、起票の手を止めてチャットを見ている職員です。短く答えてください。

【前提】
検索の文の最初に、執行する年度、経費の中身、1件の金額、相手方の種類、
中継プログラムが絞った候補の節が並んでいます。
候補の節はすでに決まっています。その節の記載だけを使って答えてください。

【答え方】
1. 最初に、起票する節と細節を、手引きの細節の名前のとおりに書いてください。
2. 次に、使える支払の方法と、その根拠の条と号を書いてください。
3. 手引きに起票の注意(添付書類、精算の期限)があれば書いてください。
4. 根拠にした手引きの頁、財務規則の条、施行令の条を書いてください。

【厳守事項】
- 検索結果の文書に書かれていることだけで答えてください。
  他の自治体の例や一般的な会計の知識で補わないでください。
- 候補の節の外の節を答えないでください。「金額によって異なる」と書かないでください。
- 細節の名前を言い換えたり、新しく作ったりしないでください。
- 予算の流用・充用ができるかを書かないでください。
- 「起票してよい」「支出できる」と書かないでください。
- 該当する記載が見つからないときは、
  「手引きと規則に該当する記載が見つかりません。会計課へ回します」
  とだけ書いてください。

支払の方法の質問では、候補の節の代わりに、施行令の条を候補として渡します。 相手方が官公署なら第161条第1項第9号・第162条第2号・第163条第1号、旅費なら第162条第1号のように、相手方の種類と経費から条の候補を表で引き、その条と財務規則の手続きだけを根拠にさせます。

「候補の節の外を答えない」「金額によって異なると書かない」が、この指示の要です。 候補を検索の文で渡すだけでは、検索結果に隣の節の記載が混ざったときに、モデルは親切のつもりで両方を説明します。 書き方そのものを禁じ、取り違えは後段の検査でも拾います。

検索の文は、中継プログラムが組み立てます。 例えば「年度:2026、経費:講演会の講師への謝礼、金額:50,000円、相手方:個人、候補の節:7 報償費。この経費の節・細節と、当日に現金で渡せるか」のように、条件を先に並べ、職員の質問の文を最後に足します。

Step7

出力形式を固定する

answer メソッドの応答を、中継プログラムが次の形に整えて、チャットと記録に渡します。

{
  "inquiry_id": "",
  "session_id": "",
  "fiscal_year": "2026",
  "category": "setsu | payment_method | other",
  "conditions": { "item": "", "amount": 0, "payee_type": "individual | corporation | public_office", "recurring": false, "before_quote": false },
  "candidate_setsu": ["7"],
  "answer": { "setsu": "", "saisetsu": "", "payment_methods": [""] },
  "status": "answered | escalated | skipped",
  "escalate_reason": "budget_transfer | cross_year | not_in_guide | already_paid | saisetsu_not_in_list | out_of_candidates | skipped | user_request | none",
  "answer_text": "",
  "refs": [ { "doc_type": "table | rule | guide | statute | qa", "title": "", "section": "", "fiscal_year": "", "uri": "" } ],
  "feedback": "resolved | escalated_after | wrong | none"
}

1つ目の理由は、answer.setsu と answer.saisetsu を回答の文と別に持てることです。 中継プログラムが回答の文から節と細節の名前を拾ってここに入れ、candidate_setsu の外の節か、今年度の細節の一覧に無い名前なら、回答を出さずに回します。 去年の細節で答えた回答を、文の読み方に頼らずに止められます。

2つ目は、conditions を残せることです。 金額と相手方の種類を残しておけば、同じ経費でも金額で答えが変わった理由を、後から並べて見られます。

3つ目は、escalate_reason で回った理由を数えられることです。 not_in_guide が多い経費は手引きの例示に足すべきもの、saisetsu_not_in_list が多ければ過去の回答の置き換えが追いついていないことが分かります。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
会計チャット庁内ポータルの画面質問を受け、聞き返しと回答を表示する
庁内の ID 基盤ログイン所属と担当の審査係を決める
区切りの表・細節の一覧読み取り候補の節を絞り、回答の細節を照らす
Agent Searchanswer メソッドの呼び出し手引き・規則・条文・回答から回答を作る
会計課の待ち行列書き込み回す質問を、条件と一緒に係別に載せる
問い合わせの記録書き込み質問・条件・回答・評価を残す

財務会計システムには、書き込みません。 起票は職員が自分で行い、審査は会計課が行います。チャットが起票の画面を開いて値を入れる形にすると、根拠を確かめる手順が消えます。

Step9

人が確認する

職員は、回答を読んだあと、根拠の手引きの頁を開いてから起票します。 回答の上には、選んだ年度と金額と相手方の種類を並べて表示します。

  1. 条件が合っているかを見る … 金額が1件の金額か、まとめた金額かを確かめます
  2. 根拠を開く … 手引きの頁を開き、例示が自分の経費と同じかを見ます
  3. 評価を付ける … 解決した/会計課へ回した/誤りを選びます

1番目を軽く見ないでください。 備品の区切りは1件ごとの金額で見ることが多いのに、職員はまとめて買う総額を入れがちです。 画面に「1点あたりの金額」と書き、総額と分けて入れさせます。

会計課の審査担当は、回ってきた質問だけを見ます。 budget_transfer は財政課へつなぎ、already_paid はその日のうちに担当課と話して事実を確かめます。

目標は、360件をならして1件3分です。 チャットで解決した質問の記録の確認と、回ってきた質問を担当者が判断する時間の平均です。

Step10

例外に対処する

起きること対応
経費の中身が品名だけで分からない用途と1点あたりの金額を聞き返し、答えなければ回す
区切りの表に無い品目・工事答えを作らず not_in_guide で回す
予算の流用・充用の話が含まれる答えを作らず budget_transfer で回す
年度をまたぐ支払答えを作らず cross_year で回す
「もう払った」が選ばれる答えを作らず already_paid で回し、担当者へ即時に通知する
回答の細節が今年度の一覧に無い回答を出さず saisetsu_not_in_list で回す
回答の節が候補の外回答を出さず out_of_candidates で回す
検索の呼び出しが失敗する「回答を作れませんでした」と表示し、会計課の内線を示す

5行目は、運用の約束として各課に伝えておきます。 すでに払ってしまったことを相談できる窓口だと分かっていないと、職員は「これから払うなら」という形で聞き、起票の差し戻しを受けてから気づきます。

Step11

記録を残す

  • 質問の文、選んだ聞き返しの値、日時、所属
  • 区切りの表のどの行で候補の節を絞ったか
  • 中継プログラムが組み立てた検索の文と、使った絞り込みの式
  • answer メソッドの応答の全文(回答、出典、根拠のスコア、回答しなかった理由)
  • 回す・回さないの判定と、その理由、会計課が最終的に答えた内容
  • そのとき効いていた手引きの年度と、区切りの表の版

最後の行は、監査で効きます。 手引きが改訂されたあとで、当時なぜその節で答えたかを並べて見られるようにしておきます。

2行目も、区切りの表を直すときに効きます。 物品の規則の金額が改められたとき、どの質問がその行で絞られていたかを拾えれば、影響する過去の回答に置き換えの印を付ける範囲がすぐに決まります。

04実装レベルの3段階

最小構成:手引き・規則・条文を手元のAIサービスに読み込ませ、審査担当が条件を貼って聞く / 該当する頁と条の検索
半自動化:上記+データストアを作り、審査担当が電話を受けながら検索画面で聞く / 根拠付きの回答と、年度・節の絞り込み
本格構成:上記+各課の職員がチャットで直接聞き、候補の節の絞り込み、回す判断、細節の照合を行う / 質問の受け付けから回答・引き継ぎまで

半自動化で、1件10分が6分程度になります。 探す時間は縮みますが、電話の聞き返しと記録の手間が残ります。本格構成で3分になり、この段階が本記事の想定です。 差が大きいのは、金額と相手方を職員が自分で選び、候補の節が最初から絞られているからです。 段階を飛ばさないでください。 半自動化の1か月で、審査担当が電話で何を聞き返しているかを拾い、聞き返しの選択肢と回す条件の表の元にします。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
4 名
月間件数
360 件
1件あたり現在時間
10 分
1件あたり導入後時間
3 分
現在  360件 × 10分 ÷ 60 = 60 時間/月
導入後 360件 × 3分 ÷ 60 = 18 時間/月
月間削減時間
42h
削減率
70%
年間削減時間
504h
年間金額換算(時間単価3,000円)
151万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 職員が千名を超え、各課の担当者が支出負担行為と支出命令を起票し、会計課が審査する形をとっている市区町村・都道府県。財務規則と予算の執行の手引き(節・細節の区分の例示)を文書で持ち、会計課に「この経費は何節か」「前渡でよいか」という電話が毎月届いている場合。異動で起票の担当者が毎年入れ替わり、同じ質問が4月と10月に集中する場合。
向いていない
  1. 職員が数百名以下で、会計課の担当者が各課の起票者の顔と経費の中身をすべて把握できている場合。細節の区分や手引きが文書になっておらず、会計課の担当者の経験だけで答えている場合(根拠にする文書が無いので、まず手引きを整えるのが先です)。支出の可否や予算の流用の判断をAIに任せたい場合(この構成は規則と手引きの該当箇所を示すだけで、起票の可否は会計課と財政課が決めます)。

07最小構成で試す方法

  1. 昨年度に会計課に届いた質問から30件を選ぶ(修繕料と工事請負費、消耗品費と備品購入費で迷った質問と、手引きを読み上げただけの質問を数件ずつ入れる)
  2. その30件について、審査担当がどの手引きの頁と条文を見てどう答えたかを記録から拾う
  3. 今年度の手引き、財務規則、節の区分の表、施行令第161条〜第165条の2を、手元のAIサービスに資料として読み込ませる
  4. 金額と相手方と候補の節を条件として貼り、「添付の資料だけを根拠に、節・細節と支払の方法を答えてください。候補の節の外は答えず、起票してよいかは書かないでください」と指示する
  5. 出てきた回答を、当時の審査担当の回答と突き合わせる
出てきた内容判断
当時と同じ根拠で同じ答えが出たデータストアの構築に進む
候補の外の節まで説明した指示の書き方と節の検査で直る。構成は有効
手引きに該当する例示が無い手引きの例示を足すのが先。 検索の問題ではない

3行目が出たら、 その経費を財政課に伝えて手引きの次の改訂に入れてもらい、同じ30件で試し直してください。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
「金額によって異なる」と両方を説明する候補の節を先に絞って渡し、書き方を禁じ、回答の節を検査する
去年の細節で答える年度で絞り、回答の細節を今年度の一覧と照らす
置き換え前の過去の回答を引く置き換えの印を付け、印の無い回答は取り込まない
職員が総額を入れる「1点あたりの金額」と総額を分けて入れさせる
出納整理期間に前年度の支出が来る年度を聞き返しに入れ、前年度の版も引けるようにする
節の区分の表が図で取り込めない文字に起こして1節を1文書にする
細節の表がどの節のものか分からない作成時に includeAncestorHeadings を有効にする。後から変えられない
予算の流用の相談がチャットで終わる回す条件に入れ、財政課へつなぐ

上の3行が、この構成の失敗のほとんどです。 どれも、正しい手引きや回答を引いているのに、目の前の経費と年度には当てはまらないという失敗です。

4行目は、画面の作りで防ぎます。 職員は見積書の合計をそのまま写すので、「1点あたり」の欄を先に置き、総額の欄は任意にします。 単価の欄が空のまま送られた質問は、節の質問として扱わずに聞き返します。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 節の区分の表、財務規則、予算の執行の手引き、法令の条文、過去の回答、職員の質問の文です。個人の住所や口座、講師や委員の名前は節の判断に要らないので、扱いません。

  1. 相手方の個人名を入れさせない … 画面で個人/法人/官公署を選ばせ、名前の欄を設けません。過去の回答を取り込むときも、個人名を消してから入れます
  2. 起票してよいか・支出してよいかをAIに決めさせない … 地方自治法第232条の4第2項は、会計管理者が支出負担行為が法令又は予算に違反していないこと等を確認したうえでなければ支出できないとしています。最終の確認は会計管理者の審査で行います
  3. 区切りの値を規則とデータで決める … 備品と消耗品の金額のような区切りは表に置き、表の更新は財政課と会計課の承認を通します
  4. すでに起きたことの相談を止めない … already_paid は即時に人へ回し、チャットの中で手続きの案内に流しません
  5. ネットワークとデータの置き場所を決める … 庁内の端末から使う場合の接続の経路と、データストアを置く地域を、情報セキュリティポリシーと照らしてから決めます

誤りが起きた場合のリスクは、違う節で起票されて審査で差し戻すことと、使えない支払の方法で手続きを進めることの2つです。 前者は区切りの表と細節の照合で、後者は施行令の条と号を根拠に付けることで防ぎます。

10まず何から始めるか

1週目:区切りの表を作る

物品の規則と工事の規定から、備品と消耗品、修繕と工事を分ける金額を表にします。あわせて、今年度の細節の一覧を手引きから書き出します。

2週目:30件で試す

昨年度の質問から30件を選び、手元のAIサービスに手引き・規則・条文を読み込ませて、候補の節を条件として渡して聞きます。候補の外の節を説明していないか、去年の細節で答えていないかを最優先で見ます。

3週目:過去の回答を整える

共有フォルダの過去の回答に、年度と置き換えの有無を付けます。今年度の手引きで答えが変わったものは、新しい回答を書いて古いものに置き換えの印を付けます。

4週目:データストアを作る

分割・見出しの設定を決めて、区分の表・規則・手引き・条文・回答を取り込みます。審査担当が検索画面で使い、自分の回答と比べます。

2か月目: 中継プログラムとチャットを作り、所管の課を絞って試します。回った理由を毎週数えます。3か月目以降: 全庁に広げ、1件10分が何分になったかを実測します。会計課に届く質問が、予算の流用やすでに払ったものなど判断の要るものだけになった時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-08/最終更新:2026-10-08
確認した内容情報源確認日
Vertex AI Search が Agent Search へ改称中であること。answer メソッドが前のセッションの ID でやり取りを続けられ、質問の言い換えが既定で有効なこと。includeCitations、ignoreLowRelevantContent、ignoreNonAnswerSeekingQuery、preamble、filter。groundingSpec の filteringLevel(FILTERING_LEVEL_LOW/HIGH)で根拠のスコアの低い回答を落とせること、文ごとに根拠のスコアが付くことGoogle Cloud: Get answers and follow-ups2026-10-08
絞り込みの ANY()、比較の演算子、AND/OR、項目を索引可能にする必要があることGoogle Cloud: Filter search for structured or unstructured data2026-10-08
レイアウトパーサーが表と見出しを検出すること。分割の大きさが100〜500トークン(既定500)、includeAncestorHeadings が既定で無効、分割は作成後に切り替えられないことGoogle Cloud: Parse and chunk documents2026-10-08
地方自治法第232条の3(支出負担行為)、第232条の4(会計管理者は支出負担行為が法令又は予算に違反していないこと等を確認したうえでなければ支出できないこと)、第232条の5第2項(資金前渡、概算払、前金払、繰替払、隔地払又は口座振替)e-Gov 法令検索 法令API: 地方自治法2026-10-08
施行令第161条(資金前渡。報償金その他これに類する経費、官公署に対して支払う経費、事業現場の事務経費など)、第162条(概算払。旅費、補助金・負担金・交付金など)、第163条(前金払。官公署に対して支払う経費、定期刊行物の代価など)、第164条(繰替払)、第165条(隔地払)、第165条の2(口座振替)e-Gov 法令検索 法令API: 地方自治法施行令2026-10-08
施行規則第15条第2項(歳出予算に係る節の区分は別記のとおり定めなければならない)。別記の表が報酬から繰出金までの27節で、消耗品費は「備品の程度に至らない消耗器材」、修繕料は「家屋等の小修繕で工事請負費に至らないもの」とされ、備考で明らかでない経費は性質により類似の節に区分整理するとされていること。2026年10月1日施行の改正を反映した版e-Gov 法令検索 法令API: 地方自治法施行規則2026-10-08

どの節で起票するか、どの方法で支払うかの最終の判断は、自団体の財務規則と会計管理者の審査に従ってください。 本記事は Google Cloud と e-Gov 法令検索で確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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