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毎月の情報セキュリティの社内教育で、規程と最近の事案から小テストと解説を作り、部署ごとの正答率から次月の題材を決める

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

情報システム部が毎月配る情報セキュリティの小テストを、社内の規程と最近の事案から作ります。設問ごとに規程の条番号を根拠として付け、部署ごとの正答率から次の月に取り上げる題材の候補も出します。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude/Gemini/Microsoft Copilot
対象業界
IT・SaaS/人材/製造/金融
対象部門
情報システム
対象業務
書類作成/集計・分析
主な課題
人手が足りない/属人化している/書類作成に時間がかかる
AIで行う処理
生成
主な効果
品質標準化/工数削減/教育コスト削減
導入難易度
★☆☆☆☆
実装レベル
半自動化
費用感
SaaS追加(小)
人間の確認
条件付き
現在工数
18h/月
AI導入後
6h/月
想定削減
67%
年間削減
144h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 担当者が今月の題材を決める(前月の事案、ニュース、担当者の印象から)
  2. 規程を読み、題材に関わる条を探す
  3. 設問、正解、誤りの選択肢を作る
  4. 解説を書く(なぜ正解か、規程のどの条によるか、誤りの選択肢はなぜ誤りか)
  5. 他の担当者に読んでもらい、規程と食い違いがないかを確かめる
  6. Microsoft Forms のクイズに設問を入れ、正解と配点と解説を設定して配る
  7. 締切の後、回答を表計算に出し、部署ごとの正答率を出す
  8. 正答率を見て、次の月の題材を考える
導入後(After)
  1. 自動前月の小テストの部署ごと・設問ごとの正答率の表を、表計算で作る
  2. 人担当者が、正答率の表と今月の事案の要旨を作問用のエージェントに渡し、題材の候補を挙げさせる
  3. 人担当者3名で今月の題材を決める
  4. 人題材ごとに、作問用のエージェントに設問の下書きを作らせる
  5. 自動エージェントが、規程の条番号と条の文を根拠に付けた設問・正解・誤りの選択肢・解説を返す
  6. 人担当者が、根拠の条の文と設問を見比べて確かめ、直す
  7. 人Microsoft Forms のクイズに入れ、正解・配点・解説を設定して配る
  8. 人締切の後、回答を表計算に出し、1番に戻る
各工程の詳しい説明を読む
  1. 担当者が今月の題材を決める(前月の事案、ニュース、担当者の印象から)
  2. 規程を読み、題材に関わる条を探す
  3. 設問、正解、誤りの選択肢を作る
  4. 解説を書く(なぜ正解か、規程のどの条によるか、誤りの選択肢はなぜ誤りか)
  5. 他の担当者に読んでもらい、規程と食い違いがないかを確かめる
  6. Microsoft Forms のクイズに設問を入れ、正解と配点と解説を設定して配る
  7. 締切の後、回答を表計算に出し、部署ごとの正答率を出す
  8. 正答率を見て、次の月の題材を考える

(a)設問を毎月一から作る。 40問を3名で分けると1人13問ほどですが、規程の条を探し、誤りの選択肢を考え、解説を書くのは1問ずつ手間がかかります。特に誤りの選択肢が難しく、すぐに誤りと分かる選択肢ばかりになりがちです。

(b)規程と食い違う設問が出る。 担当者が一般論で作った設問が、自社の規程では別の扱いになっていることがあります。5番で見つかれば直せますが、見つからずに配ると、社員から「規程と違う」と問い合わせが来ます。

(c)題材の決め方が担当者任せ。 正答率の表は作っても、次の月にどう生かすかは決まっていません。 正答率の低かった設問の題材がそのまま放っておかれ、印象で選んだ別の題材に移ります。

(d)担当者によって設問の難しさが違う。 ある担当者の月は易しく、別の担当者の月は難しい、ということが起きます。正答率の変化が、社員の理解の変化なのか、設問の難しさの変化なのか分かりません。

  1. 【自動】 前月の小テストの部署ごと・設問ごとの正答率の表を、表計算で作る
  2. 【人】 担当者が、正答率の表と今月の事案の要旨を作問用のエージェントに渡し、題材の候補を挙げさせる
  3. 【人】 担当者3名で今月の題材を決める
  4. 【人】 題材ごとに、作問用のエージェントに設問の下書きを作らせる
  5. 【自動】 エージェントが、規程の条番号と条の文を根拠に付けた設問・正解・誤りの選択肢・解説を返す
  6. 【人】 担当者が、根拠の条の文と設問を見比べて確かめ、直す
  7. 【人】 Microsoft Forms のクイズに入れ、正解・配点・解説を設定して配る
  8. 【人】 締切の後、回答を表計算に出し、1番に戻る

6番目が、この設計の分かれ目です。 担当者が確かめるのは、設問の正解が、添えられた条の文から本当に導けるかです。条の文が設問と関係のない条だったり、条の文から正解が導けなかったりすれば、その設問は捨てます。条の文を設問の横に並べさせるのは、この確認を数十秒で済ませるためです。

1番目と2番目で、正答率の計算と題材の候補を分けています。 正答率は表計算で計算し、AIには計算が終わった表を渡します。AIの役目は、正答率の低い設問の共通点を読み取って、題材の候補として言葉にすることです。

02今回想定するシステム構成

構成図
前月の小テストの回答(Microsoft Forms)
   │  回答を表計算に出し、部署×設問の正答率の表を作る
   ▼
【トリガー】毎月第1週の作問日(担当者がエージェントを開く)
Microsoft Copilot(Agent Builder で作る作問用のエージェント)
   │  知識:情報セキュリティ規程(SharePoint。条番号付き)
   │        事案の要旨(個人名・顧客名を除いたもの)
   │        IPA 情報セキュリティ10大脅威の解説書(ファイル)
   │        出題の履歴と作問の決まり
   ├──▶ ① 題材の候補(正答率の表と事案から)
   └──▶ ② 設問の下書き(条番号と条の文、正解、誤りの選択肢、解説)
   ▼【担当者が条の文と見比べて確認】
Microsoft Forms(クイズ)── 正解・配点・解説を設定して配る
   ▼
回答 → 正答率の表 → 翌月の題材へ
役割想定する製品代替候補
処理Microsoft Copilot(旧称 Microsoft 365 Copilot。Agent Builder で作る作問用のエージェント)ChatGPT Enterprise、Gemini、Claude
配信Microsoft Forms(クイズ。正解・配点・解説)Google フォーム(テスト)
保管SharePoint(規程、事案の要旨、出題の履歴、正答率の表)-

新しく足すのは、情報システム部の担当3名の Copilot のライセンスと、作問用のエージェントだけです。 小テストを受ける社員には、ライセンスは要りません。Forms のクイズは、いまの使い方のままです。

作問用のエージェントは Agent Builder で作ります。 Agent Builder では、知識として SharePoint のファイル・フォルダ・サイトを100ファイルまで、端末からアップロードしたファイルを20ファイルまで指定できるとされています。規程は SharePoint のフォルダを、IPA の解説書はアップロードしたファイルを知識にします。

IPA のページを「公開Webサイト」として知識に入れる方法は使えません。 公開Webサイトの URL は2階層までとされ、10大脅威のページはそれより深い階層にあります。解説書のPDFを落として、ファイルとして入れます。 IPA は、10大脅威の資料のデータや図表を資料に引用・抜粋して使ってよいとしており、その際は出典(機構名、資料名、URL)を明記すること、一部改変する場合は文意を変えず、原文のままでないことが分かるよう明記することなどを求めています。

Forms のクイズには、正解の設定、配点、選択肢ごとのメッセージがあります。 正解の選択肢に印を付け、配点を数字で入れ、選択肢ごとにメッセージを付けられるとされています。エージェントが作る「誤りの選択肢がなぜ誤りか」の解説は、このメッセージの欄にそのまま入れます。Forms の Copilot にもクイズの下書きを作る機能がありますが、自社の規程を根拠にさせるために、作問はエージェントで行います。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

毎月第1週の「作問日」を起点にします。 担当者3名が同じ日に1時間ほど集まり、エージェントで題材の候補を出し、題材を決め、分担して設問の下書きを作ります。自動で毎月の設問を作って配る形にはしません。 設問を配る前に、必ず担当者が条の文と見比べるからです。

作問日の前日までに、前月の正答率の表を作っておきます。 前月の小テストの締切の翌日に Forms の回答を表計算に出し、部署×設問の正答率を計算します。この表がないと、題材の候補を正答率から出せません。

作問日を1日にまとめるのは、3名の設問の難しさをそろえるためです。 第3章の(d)は、担当者が別々の日に別々の考えで作っていたことで起きていました。同じエージェント、同じ作問の決まりで、同じ日に作れば、月ごとの難しさのぶれが小さくなります。

事案の要旨も、作問日の前日までにそろえます。 前月に社内で起きた事案のチケットから、何が起きたか、どの規程に関わるか、どう対応したかを数行ずつ書き出します。個人名・顧客名・端末の識別番号は除きます。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
情報セキュリティ規程条番号付きの規程と、その下の細則・手順書SharePoint のフォルダ(エージェントの知識)
事案の要旨前月の事案の種類、何が起きたか、関わる条、対応(個人名・顧客名を除く)SharePoint のファイル(担当者が毎月作る)
10大脅威の解説書IPA の情報セキュリティ10大脅威 2026 の組織編の解説書アップロードしたファイル(エージェントの知識)
正答率の表部署×設問の正答率、受験者数、前月との差表計算(Forms の回答から作る)
出題の履歴過去12か月の設問、題材、根拠の条、正答率SharePoint のリスト(エージェントの知識)
作問の決まり設問の形式、選択肢の数、難しさの目安、書き方エージェントの知識のファイル

質を決めるのは、規程が条番号付きで整っていることです。 条番号がない規程だと、エージェントは根拠を「規程の○○のあたり」としか書けず、担当者が条の文と見比べる確認ができません。 規程が章と条で整っていない場合は、まず条番号を振るところから始めます。

出題の履歴は、同じ設問のくり返しを避けるために持ちます。 同じ題材を再び取り上げるのはかまいませんが、同じ設問を出すと、覚えた答えを選ぶだけになります。 過去12か月の設問を知識に入れ、似た設問を避けさせます。

事案の要旨は、社員にとって身近な題材を作るために使います。 「先月、社内で添付ファイルの誤送信が3件ありました」から始まる設問は、一般論の設問より読まれます。ただし、誰が起こした事案かが分かる書き方にはしません。

Step3

データの取得方法を決める

取るものどこから何に使うか
規程の条の文エージェントの知識(SharePoint のフォルダ)設問の根拠。条番号と条の文をそのまま引く
10大脅威の該当箇所エージェントの知識(アップロードしたファイル)社外の動きを題材にするときの根拠
事案の要旨エージェントの知識(SharePoint のファイル)題材の候補と、設問の場面設定
出題の履歴エージェントの知識(SharePoint のリスト)似た設問の回避
正答率の表担当者がチャットに貼る題材の候補を挙げる材料

正答率の表は、毎月チャットに貼って渡します。 知識のファイルにすると更新のたびに読み直しの待ちが生じます。SharePoint に新しく上げたファイルは、エージェントの回答に含まれるまで数分かかることがあるとされています。毎月変わる表は、その場で貼るほうが確実です。

規程は、条ごとに見出しが付いた形で SharePoint に置きます。 Agent Builder の案内では、Copilot に渡すファイルの内容は簡潔にしておくほうがよいとされています。規程を1つの長い文書にするより、章ごとのファイルに分けて、条番号を見出しにするほうが、エージェントが正しい条を引きやすくなります。

エージェントの設定で、「指定した情報源だけを使う」を有効にします。 これは指定した情報源を優先させる設定で、一般の知識を完全に止めるものではないとされています。だからこそ、指示文で「規程にない正解を作らない」と決め、条の文を必ず添えさせます。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 正答率の表を作る … Forms の回答を表計算に出し、部署×設問の正答率を計算します。受験者が5名未満の部署は、近い部署とまとめます
  2. 前月との差を付ける … 同じ題材を前月にも出していれば、正答率の差を付けます
  3. 事案の要旨を書き出す … チケットから数行ずつ。個人名・顧客名・端末の識別番号を除きます
  4. 規程の改定を確かめる … 前月から改定された条があれば、出題の履歴の中で古い条を根拠にした設問に印を付けます
  5. 10大脅威の解説書を最新版にする … 新しい年版が出たら、知識のファイルを入れ替えます

1番目の「5名未満をまとめる」を省かないでください。 小さな部署の正答率は、誰が間違えたかがほぼ分かってしまいます。 小テストは理解を確かめるためのもので、個人を特定するためのものではありません。

4番目は、規程を改定した月に特に大事です。 改定前の条を根拠にした設問を再び出すと、正解が今の規程と食い違います。

Step5

AIに処理させる

させるのは2つです。 1つ目は、正答率の表と事案の要旨から題材の候補を挙げること、2つ目は、決まった題材で設問の下書きを作ることです。

させること決まり判断できないときの扱い
題材の候補正答率の低い設問の共通点と、事案の種類から3〜5件。理由に、どの設問の正答率か、どの事案かを書く正答率の表に低い設問がなければ、事案と10大脅威から挙げる
設問の本文業務の場面を1〜2文で示し、どうするのが正しいかを問う-
正解規程の条の文から導けるものだけ規程に根拠の条が見つからなければ no_basis
誤りの選択肢(3つ)よくある誤解をもとに。それぞれ、なぜ誤りかを1文で-
解説正解の理由を条の文に沿って書く-
根拠条番号と、条の文をそのまま条の文が見つからなければ設問を作らない
難しさ作問の決まりの目安に沿って「基本/応用」-

いちばん大事なのは、規程に根拠がない設問を作らせないことです。 情報セキュリティの一般的な知識からは、もっともらしい設問がいくらでも作れます。それを自社の正解として配ると、規程と食い違う設問が混ざります。 根拠の条が見つからないときは、設問を作らずに no_basis と返させます。

させないこと理由
規程にない正解を作る一般論は自社の規程と食い違うことがある
正答率の計算計算は表計算で行う。AIは計算済みの表を読むだけ
部署や個人への評価「○○部は意識が低い」などは書かない
事案の当事者が分かる書き方部署名と日付の組み合わせで当事者が分かることがある
10大脅威の文を原文と違う意味に書き換えるIPA は文意を変えないことを求めている

3行目も外せません。 正答率の表を渡すと、部署ごとの「傾向」を言葉にしたがります。小テストの結果が部署の評判になると、受ける側が身構えて、教育が続きません。 題材の候補は「どの設問が低かったか」から書かせ、どの部署が低かったかは書かせません。

Step6

指示内容を固定する

エージェントの指示(Agent Builder の「指示」の欄)に次を入れます。

あなたは情報システム部で、毎月の情報セキュリティの小テストを作る
補助をする立場です。知識に指定した情報セキュリティ規程、事案の要旨、
IPA の情報セキュリティ10大脅威の解説書、出題の履歴、作問の決まりだけを
使ってください。

【依頼が「題材の候補」のとき】
- 貼られた正答率の表で、正答率の低い設問を見て、共通する題材を挙げてください。
- 事案の要旨にある事案の種類からも挙げてください。
- 3〜5件を、理由(どの設問の正答率か、どの事案か)とともに書いてください。
- 部署ごとの評価や比較は書かないでください。

【依頼が「設問の下書き」のとき】
題材ごとに、次の形で設問を作ってください。
- 場面:業務の場面を1〜2文で
- 問い:どうするのが規程に沿っているか
- 選択肢:4つ(正解1つ、誤り3つ)
- 正解の理由:規程の条の文に沿って
- 誤りの理由:誤りの選択肢それぞれについて1文
- 根拠:規程の条番号と、その条の文をそのまま
- 難しさ:基本/応用

【厳守事項】
- 正解は、根拠として示す条の文から導けるものにしてください。
  情報セキュリティの一般的な知識だけを根拠にしないでください。
- 根拠の条が規程に見つからないときは、設問を作らずに
  「no_basis:規程に該当の条が見つからない」と書いてください。
- 根拠の条の文は、規程の文をそのまま写してください。要約しないでください。
- 10大脅威の解説書から引くときは、資料名と該当の脅威名を書き、
  文意を変えないでください。
- 事案の要旨を使うときは、部署名・日付・人数の組み合わせで
  当事者が分かる書き方をしないでください。
- 出題の履歴にある設問と同じ場面・同じ選択肢の設問を作らないでください。
- 誤りの選択肢は、社員が実際に誤解しそうな内容にしてください。
  明らかに誤りと分かる選択肢にしないでください。

「根拠の条の文を要約しない」を明記しないと、条の文を言い換えます。 言い換えた文は設問とよく合うように見えますが、規程の原文と比べると条件が抜けていることがあります。担当者が見比べるのは、規程の原文でなければ意味がありません。

「明らかに誤りと分かる選択肢にしない」は、第3章の(a)への手当てです。 誤りの選択肢がすぐ分かる設問は、正答率が高く出るだけで、理解を確かめられません。 「実際に誤解しそうな内容」を求めると、事案の要旨から、実際に起きた誤った判断が選択肢に入ってきます。

Step7

出力形式を固定する

設問の下書きは、次の形で返させます。 Forms のクイズの欄にそのまま写せる並びにします。

【設問 Q-2026-11-03】
題材:添付ファイルの送信前の確認
場面:取引先に見積書を送るとき、宛先の候補に同じ名字の別の会社の担当者が出てきました。
問い:規程に沿った対応はどれですか。
選択肢:
  A. 送信前に宛先のドメインを確かめる(正解)
  B. 件名に「社外秘」と入れて送る
  C. 送った後に誤りに気づいたら、相手に削除を頼めばよい
  D. 社内の上長を CC に入れて送る
正解の理由:(条の文に沿って)
誤りの理由:B …/C …/D …
根拠:第○条(電子メールの送信)「(条の文をそのまま)」
難しさ:基本

1つ目の理由は、根拠の条の文が設問のすぐ下にあることです。 担当者は規程を開かずに、設問と条の文を見比べるだけで確かめられます。条の文が規程の原文と一致するかは、条番号で規程を1回だけ開いて確かめます。

2つ目は、Forms への入力が写すだけになることです。 選択肢と正解はクイズの選択肢と正解の印に、誤りの理由は選択肢ごとのメッセージに、正解の理由は正解の選択肢のメッセージに入れます。第4章の⑤の時間がここで減ります。

3つ目は、出題の履歴にそのまま載せられることです。 設問の番号、題材、根拠の条を履歴のリストに1行ずつ足せば、翌月以降の重複の回避と、規程の改定のときの見直しに使えます。

題材の候補は、次の形で返させます。

【題材の候補(2026年11月)】
1. 添付ファイルの送信前の確認
   理由:10月の Q-2026-10-02 の正答率が全社で最も低い。10月に誤送信の事案が複数あった
2. 生成AIのサービスに業務データを入れる前の確認
   理由:10大脅威 2026 の組織向け3位「AIの利用をめぐるサイバーリスク」。過去12か月に出題がない
Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
規程・事案の要旨・出題の履歴エージェントの知識(SharePoint)読むだけ
10大脅威の解説書エージェントの知識(アップロードしたファイル)読むだけ
正答率の表担当者がチャットに貼る題材の候補の材料
Microsoft Forms担当者が入力する設問・正解・配点・メッセージ
出題の履歴担当者が SharePoint のリストに足す翌月以降の重複の回避

Forms へは自動で入れません。 設問は担当者が確かめてから入れます。確かめていない設問が全社員に配られると、取り消しの連絡を全社に出すことになります。

規程は読むだけです。 作問の途中で規程と現場の運用が食い違っていることに気づいたら、それは規程を直す話として別に扱います。 エージェントに規程の解釈を決めさせることはしません。

Step9

人が確認する

担当者は、すべての設問について根拠の条の文と見比べます。 40問をならして1問あたり数分です。

  1. 条の文が規程の原文と一致するか … 条番号で規程を開いて確かめます
  2. 正解が条の文から導けるか … 導けなければ、その設問は捨てるか、正解を直します
  3. 誤りの選択肢が本当に誤りか … 規程の別の条で認められていないかを確かめます
  4. 当事者が分かる書き方になっていないか … 事案を使った設問で確かめます
  5. 難しさが偏っていないか … 基本と応用の数を、作問の決まりの目安と比べます

3番目を省かないでください。 規程には例外の条があり、「原則は禁止、申請すれば可」という扱いの事柄で、誤りの選択肢が実は正解になることがあります。社員から「この選択肢も規程では正しい」と指摘されると、小テスト全体の信頼が落ちます。

目標は、1問あたりならして9分です。 下書きを作らせる時間、条の文との見比べ、直し、Forms への入力、正答率の表の作成をならした時間です。

Step10

例外に対処する

起きること対応
no_basis が返った規程に根拠がない題材。設問にせず、規程に足すべきかを検討する材料にする
条の文が規程の原文と一致しないその設問を捨てて作り直させる
根拠の条が改定前のもの規程の知識のファイルが古い。最新に差し替えて作り直す
誤りの選択肢が規程の例外で正解になる選択肢を差し替える
受験者が5名未満の部署近い部署とまとめて正答率を出す
全社で正答率が極端に低い設問設問の書き方が悪い可能性。題材の候補に入れる前に設問を見直す
新しく SharePoint に上げた規程が回答に出ない読み込みの準備中。数分待つか、知識の欄の再読み込みを行う
同じ題材で4種類の小テストの設問が重なる共通の10問を先に決め、職種別は共通に出ない場面で作らせる
小テストの締切までに受けていない社員が多い部署の担当者に知らせる。正答率の表は受験者数とあわせて見る

1行目は、失敗ではありません。 社員に知ってほしいのに規程に書かれていない事柄が見つかったということで、規程の見直しの材料になります。 生成AIの利用のように新しい題材ほど、no_basis が出やすくなります。

Step11

記録を残す

  • 毎月の設問、正解、選択肢ごとのメッセージ、根拠の条番号(出題の履歴)
  • エージェントの下書きと、担当者が直した箇所と理由
  • no_basis になった題材の一覧
  • 部署×設問の正答率の表(5名未満をまとめた後のもの)
  • 毎月の題材の候補と、実際に選んだ題材

3つ目は、規程の担当者に毎月渡します。 規程に書かれていない事柄が並び、次の規程の改定で取り上げる候補になります。

5つ目は、題材の決め方を振り返るために残します。 候補に挙がったのに選ばなかった題材が何か月も続くなら、選ばない理由(規程が未整備、設問にしにくい)を作問日に話し、規程の担当者に回すか、題材から外すかを決めます。

正答率の表は、まとめた後のものだけを残します。 個人ごとの回答は Forms の側にありますが、教育の記録として残すのは部署単位の表にします。

04実装レベルの3段階

最小構成:Copilot のチャットに規程の条を貼り、設問を作らせる / 設問の下書き
半自動化:上記+作問用のエージェントに規程・事案の要旨・10大脅威の解説書・出題の履歴を知識として入れ、正答率の表から題材の候補を出す / 題材の候補と設問の下書き
本格構成:上記+Forms の回答から正答率の表を作る処理と、出題の履歴の更新を自動にする / 振り返りの集計と履歴の更新

最小構成では、規程を毎回貼る手間が残ります。 また、出題の履歴を見ないので、過去の設問と似た設問が出ます。 確かめるための段階です。 半自動化で、1問27分が9分になり、この段階が本記事の想定です。 規程の条を探す作業と、設問・選択肢・解説を書く作業がなくなり、担当者の時間は条の文との見比べと、Forms への入力に移ります。 本格構成は、正答率の表を毎月作るのが負担になってから進みます。 回答の数が多い会社ほど効きますが、集計の処理を作り込む前に、半自動化で題材の決め方が定着しているかを確かめます。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
3 名
月間件数
40 件
1件あたり現在時間
27 分
1件あたり導入後時間
9 分
現在  40件 × 27分 ÷ 60 = 18 時間/月
導入後 40件 × 9分 ÷ 60 = 6 時間/月
月間削減時間
12h
削減率
67%
年間削減時間
144h
年間金額換算(時間単価4,500円)
65万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 従業員数百名から千名ほどの IT 企業・メーカー・金融・人材の会社で、情報システム部が毎月の情報セキュリティの社内教育として小テストを配っていて、設問と解説を担当者が毎月一から作っている場合。社内の情報セキュリティ規程が条番号付きで整っていて、Microsoft 365 と Microsoft Forms を使っており、情報システム部の担当が Microsoft Copilot(旧称 Microsoft 365 Copilot)を使える場合。
向いていない
  1. 社内教育を年1回の研修だけで済ませている場合。教育の内容を外部の e ラーニングの教材にすべて任せていて、自社の規程に合わせた設問が要らない場合。情報セキュリティ規程がなく、何を正解とするかの根拠がない場合(規程の整備が先です)。なお、小テストの点数を個人の評価や処分に使う用途は、この構成では扱いません。

07最小構成で試す方法

  1. 規程の中から、よく出題する章を1つ選ぶ
  2. Microsoft Copilot のチャットに、その章の条の文を貼る
  3. 「この規程の条だけを根拠に、選択式の設問を5問作ってください。正解の根拠として条番号と条の文をそのまま添えてください。根拠の条がない設問は作らないでください。誤りの選択肢は、社員が実際に誤解しそうな内容にしてください」と指示する
  4. 出てきた5問を、担当者が条の文と見比べる
  5. 先月担当者が作った設問と並べて、誤りの選択肢の質を比べる

条の文を必ず貼ってください。 規程を渡さずに「情報セキュリティの設問を作って」と頼むと、一般論の設問が出てきて、この構成で確かめたいこと(規程を根拠にできるか)が分かりません。

出てきた内容判断
条の文から導ける正解で、誤りの選択肢も紛らわしいエージェントを作り、規程を知識に入れる
条の文を要約して書いた指示の書き方で直る。構成は有効
規程にない一般論の正解が混ざった指示を強め、no_basis の決まりを入れる

3行目が出るのは、条の文が設問に足りないときです。 規程の書き方が抽象的な章ほど起きます。その章は、細則や手順書もあわせて知識に入れると改善します。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
規程にない一般論の正解が混ざる根拠の条の文を必ず添えさせ、なければ no_basis
条の文を要約して添える原文をそのまま写させ、規程と見比べる
誤りの選択肢が規程の例外で正解になる確認の観点に入れ、例外の条も知識に入れる
誤りの選択肢がすぐ分かる事案の要旨を知識に入れ、実際の誤解を選択肢にさせる
正答率をAIに計算させる計算は表計算で行う
部署の評判につながる書き方をする部署ごとの評価を禁じ、5名未満の部署をまとめる
事案の当事者が分かる要旨から個人名・顧客名を除き、組み合わせにも気を付ける
IPA のページを公開Webサイトとして入れられないURL が2階層までの制限。解説書のPDFをファイルとして入れる
規程を改定したのに古い条で設問が出る知識のファイルを差し替え、出題の履歴に印を付ける
同じ設問が何度も出る出題の履歴をリストで知識に入れる

上の2行が、この構成の失敗のほとんどです。 どちらも、AIの一般知識が自社の規程より前に出ることで起きます。条の文を設問の横に並べるという一つの決まりで、担当者が数十秒で見分けられるようにします。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 社内の情報セキュリティ規程、社内で起きた事案の要旨、部署ごとの正答率、IPA の公開資料です。個人ごとの回答は Forms の側にあり、エージェントには渡しません。

  1. 事案の要旨から当事者が分からないようにする … 事案は社員にとって身近な題材ですが、部署名・日付・人数の組み合わせで当事者が分かることがあります。要旨を作る段階で除き、設問でも確かめます
  2. 小テストの結果を個人の評価に使わない … 正答率は題材を決めるために使います。個人の点数を人事の評価や処分に使うと、教育が罰に変わり、事案の報告が減ります
  3. 知識のファイルの見える範囲 … エージェントを他の人と共有すると、埋め込んだファイルの内容がエージェントを使える人に見えるとされています。事案の要旨を入れたエージェントは、情報システム部の中だけで使います
  4. IPA の資料の引用の決まりを守る … 出典(機構名、資料名、URL)を明記し、文意を変えない。設問の解説に10大脅威の内容を使うときは、資料名を書きます
  5. 正解を決めるのは規程と担当者 … この構成が出すのは、規程を根拠にした下書きまでです。規程の解釈で迷う設問は出題しないか、規程の担当者に確かめてから出します

誤りが起きた場合のリスクは、規程と食い違う設問を全社に配ることと、事案の当事者が分かってしまうことの2つです。 前者は根拠の条の文の見比べで、後者は要旨の作り方と設問の確認で防ぎます。

10まず何から始めるか

1週目:規程を整える

情報セキュリティ規程を章ごとのファイルに分け、条番号を見出しにして SharePoint のフォルダに置きます。細則と手順書も同じフォルダに入れます。

2週目:5問で試す

よく出題する章の条の文を Copilot のチャットに貼り、5問作らせます。根拠の条の文が原文どおりか、規程にない正解が混ざっていないかを最優先で見ます。

3週目:作問の決まりと出題の履歴を作る

設問の形式、選択肢の数、基本と応用の目安を決めます。過去12か月の設問を SharePoint のリストにまとめ、出題の履歴にします。 事案の要旨の書き方(除く項目)も決めます。

4週目:エージェントを作る

Agent Builder で作問用のエージェントを作り、規程のフォルダ、10大脅威の解説書、出題の履歴、作問の決まりを知識に入れます。この月の小テストは手作業の設問と並べて作り、エージェントの下書きと比べます。

2か月目: 前月の正答率の表から題材の候補を出させ、作問日で題材を決める流れを始めます。3か月目以降: 1問27分が何分になったかと、no_basis になった題材の数を数えます。正答率の低かった題材が翌月に取り上げられ、その正答率が上がったかを毎月見られるようになった時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-07/最終更新:2026-10-07
確認した内容情報源確認日
情報セキュリティ10大脅威 2026 の組織向けの順位(1位 ランサム攻撃による被害、2位 サプライチェーンや委託先を狙った攻撃、3位 AIの利用をめぐるサイバーリスク(初選出)など)。組織編の解説書が公開されていること。資料のデータや図表を引用・抜粋して使ってよく、出典(機構名、資料名、URL)の明記と、一部改変の場合は文意を変えず原文のままでないことを明記することが求められていることIPA: 情報セキュリティ10大脅威 20262026-10-07
Forms のクイズで、正解の選択肢に印を付け、配点を入れ、選択肢ごとにメッセージを付けられること。Copilot でクイズの下書きを作れること。Copilot in Forms の利用に Microsoft 365 のアカウントと Copilot のライセンスが要ることMicrosoft サポート: Microsoft Forms でクイズを作成する2026-10-07
Copilot in Forms がフォームの下書きの作成、変更の提案、回答の分析の要約を行うこと。Microsoft 365 のアカウントと Copilot のライセンスが要ることMicrosoft サポート: Welcome to Copilot in Forms2026-10-07
Agent Builder の知識に SharePoint のファイル等を100ファイルまで、アップロードしたファイルを20ファイルまで指定できること。公開Webサイトの URL が2階層までであること。新しく上げたファイルが回答に含まれるまで数分かかることがあること。ファイルの内容を簡潔にするのがよいこと。「指定した情報源だけを使う」が一般の知識を完全に止めるものではないこと。埋め込んだファイルの内容がエージェントを使える人に見えることMicrosoft Learn: Add knowledge sources to an agent in Agent Builder2026-10-07

設問の正解は、自社の情報セキュリティ規程と担当者の確認で決めてください。 本記事は IPA と Microsoft の公開情報で確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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