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行政書士事務所で車庫証明の依頼ごとに届く手書きの保管場所使用承諾証明書と所在図・配置図を読み取り、申請書の下書きにそろえて、記載の食い違いと不足を依頼者へ返す

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

車庫証明の依頼ごとに届く手書きの保管場所使用承諾証明書と所在図・配置図を読み取り、申請書の下書きの項目にそろえます。3枚の書類と依頼票のあいだの食い違いと不足を拾い、依頼者へ返す連絡文の下書きまで作ります。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude/Gemini
AIサービス
Azure AI/Google Document AI
連携・自動化
Google Apps Script/Python
対象業界
不動産/士業/小売
対象部門
総務
対象業務
データ入力・転記/内容確認・チェック
主な課題
人手が足りない/入力作業が多い/確認ミスが多い
AIで行う処理
読み取り(OCR)
主な効果
入力漏れ削減/対応スピード向上/工数削減
導入難易度
★★☆☆☆
実装レベル
本格構成
費用感
API連携(中)
人間の確認
必須
現在工数
40h/月
AI導入後
12h/月
想定削減
70%
年間削減
336h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 販売店から依頼のメールが届き、写真やPDFを共有ドライブの依頼ごとのフォルダに保存する
  2. 補助者が依頼票を開き、使用者・使用の本拠・車の情報を申請書の様式に転記する
  3. 承諾証明書を開き、保管場所の位置・駐車場の名称・駐車位置番号・使用期間・承諾者を読む
  4. 所在図・配置図を開き、使用の本拠と車庫の距離、道路の幅員、車庫の寸法、シャッターの有無を読む
  5. 3枚と依頼票を見比べ、住所・番号・期間・寸法が合っているかを確かめる
  6. 足りないもの、食い違うものがあれば、販売店の担当者に電話かメールで伝える
  7. 書類がそろったら行政書士が目を通し、申請書を印刷して警察署へ出す
導入後(After)
  1. 人販売店からの写真・PDFを、依頼ごとのフォルダに依頼番号を付けて保存する(今と同じ)
  2. 自動Apps Script が新しいフォルダを見つけ、ファイルの形式と画質を確かめる
  3. 自動Document AI の Form Parser が、各書類の文字、項目名と値の組、表、信頼度を返す
  4. 自動Claude API が、読み取り結果を申請書の項目にそろえ、書類ごとの値を並べる
  5. 自動Apps Script が、項目ごとに `match`/`mismatch`/`missing`/`unreadable` を規則で付ける
  6. 自動依頼の状態を `ready`/`ask_client`/`rescan`/`needs_review` に振り分ける
  7. 自動Claude API が、`ask_client` と `rescan` の依頼について販売店への連絡文の下書きを作る
  8. 人補助者が、申請書の下書きと印の一覧を、元の書類の画像と並べて確かめる
  9. 人連絡文の下書きを直して販売店へ送る。送信は人が行う
  10. 人行政書士が下書きを確かめ、申請書を印刷して警察署へ出す
各工程の詳しい説明を読む
  1. 販売店から依頼のメールが届き、写真やPDFを共有ドライブの依頼ごとのフォルダに保存する
  2. 補助者が依頼票を開き、使用者・使用の本拠・車の情報を申請書の様式に転記する
  3. 承諾証明書を開き、保管場所の位置・駐車場の名称・駐車位置番号・使用期間・承諾者を読む
  4. 所在図・配置図を開き、使用の本拠と車庫の距離、道路の幅員、車庫の寸法、シャッターの有無を読む
  5. 3枚と依頼票を見比べ、住所・番号・期間・寸法が合っているかを確かめる
  6. 足りないもの、食い違うものがあれば、販売店の担当者に電話かメールで伝える
  7. 書類がそろったら行政書士が目を通し、申請書を印刷して警察署へ出す

(a)転記が多い。 2番だけで、氏名・住所・使用の本拠・保管場所の位置・車名・型式・車台番号・車の寸法と、申請書の欄を1件ごとに埋めます。車台番号の英数字の1字を写し間違えると、それだけで出し直しになります。

(b)食い違いは、書類をまたいで探さないと見つからない。 承諾証明書と申請書の保管場所の位置、承諾証明書の駐車位置番号と配置図の枠の番号。どれも1枚だけ見ていれば正しく見えます。

(c)手書きの数字が読めない。 「2.5m」が「2.6m」にも見え、日付の「1」と「7」が区別できない。「たぶんこうだろう」で転記すると、それが食い違いの原因になります。

(d)足りないものの連絡が、担当者ごとに違う。 電話で伝える人、メールで伝える人がいて、記録が残らないことがあります。月末には、どの依頼が何待ちなのかを誰も一覧で言えなくなります。

  1. 【人】 販売店からの写真・PDFを、依頼ごとのフォルダに依頼番号を付けて保存する(今と同じ)
  2. 【自動】 Apps Script が新しいフォルダを見つけ、ファイルの形式と画質を確かめる
  3. 【自動】 Document AI の Form Parser が、各書類の文字、項目名と値の組、表、信頼度を返す
  4. 【自動】 Claude API が、読み取り結果を申請書の項目にそろえ、書類ごとの値を並べる
  5. 【自動】 Apps Script が、項目ごとに match/mismatch/missing/unreadable を規則で付ける
  6. 【自動】 依頼の状態を ready/ask_client/rescan/needs_review に振り分ける
  7. 【自動】 Claude API が、ask_client と rescan の依頼について販売店への連絡文の下書きを作る
  8. 【人】 補助者が、申請書の下書きと印の一覧を、元の書類の画像と並べて確かめる
  9. 【人】 連絡文の下書きを直して販売店へ送る。送信は人が行う
  10. 【人】 行政書士が下書きを確かめ、申請書を印刷して警察署へ出す

8番目は全件で行います。 申請書は事務所の名前で警察署へ出す書類です。AIの下書きをそのまま出すことはしません。 ただし、補助者がするのは「転記」ではなく「下書きと画像を見比べる確認」になり、食い違いの候補には先に印が付いています。

02今回想定するシステム構成

構成図
依頼ごとのフォルダ(共有ドライブ)
   │  依頼票・承諾証明書・所在図・配置図(写真またはPDF)
   ▼【トリガー】Apps Script の時間主導型トリガー(10分おき)
Google Apps Script ── 形式・画質・書類の種類の確認
   ▼
Google Document AI(Form Parser)
   │   文字、項目名と値の組、表、チェックボックス、信頼度
   ▼
Claude API ── 構造化出力で申請書の項目にそろえる
   │   書類ごとの値を並べ、読めない値は空にする
   ▼
Google Apps Script ── 規則で照合
   │   match/mismatch/missing/unreadable
   │   ready/ask_client/rescan/needs_review
   ├──▶ 申請書の下書き(スプレッドシート)
   └──▶ Claude API ── 販売店への連絡文の下書き
   ▼
【補助者が画像と並べて確認】──【行政書士が確認して申請】
役割想定する製品代替候補
OCRGoogle Document AI(Form Parser)Azure AI Document Intelligence
生成AIClaude API(申請書の項目へのそろえと連絡文の下書き)OpenAI API、Gemini API
連携Google Apps Script(フォルダの監視、照合の規則、台帳への書き込み)Python
保管Google ドライブ(共有ドライブ)、Google スプレッドシート社内のファイルサーバー

新しく作るのは、住所の表記をそろえる規則と、照合する項目の一覧の2つです。 台帳とフォルダは今のものを使い、申請書は警視庁の様式に合わせます。

土台は Document AI の Form Parser です。 公式のプロセッサ一覧では、キーと値のペア、チェックボックス、表を抽出するとされ、日本語(ja)は手書きに対応する言語に含まれています。承諾証明書は項目名の付いた欄が並ぶ書式なので、キーと値のペアの抽出がそのまま使えます。

注意書きのうち効くのは2つです。 値の入っていないキーと値の組を確実には読み取れないことと、ラジオボタンの読み取りに対応しないことです。前者は駐車位置番号が空欄の承諾証明書で、後者は配置図の「シャッターの有無 有・無」の○で当たります。

処理する場所にも注意が要ります。 リージョンの一覧は us、eu と、シンガポール(asia-southeast1)などの単一リージョンで、日本はありません。 承諾証明書には氏名・住所・電話番号が書かれているので、国外で処理してよいかを先に確かめます。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

依頼ごとのフォルダにファイルがそろったことを起点にします。 補助者は今と同じく、販売店のメールから写真やPDFを依頼番号のフォルダに保存します。保存し終えたら、フォルダ名の末尾に「_受付済」を付けます。ファイルが1枚ずつ届く途中で動かさないための印です。

Apps Script の時間主導型トリガーが、10分おきに「_受付済」のフォルダを探します。 公式のページでは最短1分おきから動かせ、実行の時刻は少しずれることがあるとされています。当日中に返せれば足りるので、10分おきで十分です。

処理が終わったフォルダは、名前の末尾を「_照合済」に変えます。変えるのは、下書きと印の一覧を書き終えたときだけです。 途中で止まったフォルダは次の実行で拾い直されます。差し替えの書類が届いたら、フォルダ名を「_受付済」に戻し、照合をフォルダ全体でやり直します。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
依頼票使用者の氏名・住所・電話、使用の本拠の位置、車名・型式・車台番号、車の長さ・幅・高さ、申請か届出か依頼ごとのフォルダ
保管場所使用承諾証明書保管場所の位置、駐車場の名称、駐車位置番号、使用者の住所・氏名、使用期間、記載日、承諾者の住所・氏名・電話依頼ごとのフォルダ
所在図・配置図使用の本拠と車庫の位置、その間の直線距離、目標の建物と道路、道路の幅員、車庫の奥行きと幅(高さ制限があれば高さ)、シャッターの有無依頼ごとのフォルダ
読み取り結果文字、項目名と値の組、表、チェックボックス、要素ごとの信頼度Document AI(Form Parser)
住所の表記の規則「丁目」「番」「号」とハイフン、漢数字と算用数字、「霞が関」と「霞ヶ関」のような表記の揺れの扱い事務所で用意する一覧
依頼の台帳依頼番号、販売店、受付日、申請か届出か、管轄の警察署、状態スプレッドシート

質を決めるのは、住所の表記の規則です。 記載例では、承諾証明書の保管場所の位置は通常、申請書の申請者欄と同じとされています。同じであるべきものが、書く人によって「2-1-2」「2丁目1番2号」「二丁目1-2」と書かれます。 規則が無いと、全件が mismatch になります。

Step3

データの取得方法を決める

Apps Script から Document AI の処理の API を1枚ずつ呼び、返ってきた Document から次のものを取ります。

取るもの応答のどこから何に使うか
項目名と値の組pages[].formFields[] の fieldName と fieldValue承諾証明書の各欄、依頼票の各欄
チェックボックスfieldValue の valueType(filled_checkbox/unfilled_checkbox)依頼票の「申請/届出」の □
表pages[].tables[]依頼票の車の寸法の表
全文のテキストtext と各要素の textAnchor所在図・配置図に手書きされた数字と言葉
信頼度各要素の layout の confidence手書きの字が確かに読めているかの判定

所在図・配置図は、項目名と値の組としては読みません。 図の中に「約350m」「6m」「2.5m」「5m」と数字が散らばっているだけで、どの数字が何の寸法かは図の線を見ないと決まりません。全文のテキストと、その文字がページのどこにあるかを取り、どの数字が何かは Claude API に候補として挙げさせます。 候補を1つに決められなければ unreadable にします。

書類の種類は、ファイル名ではなく中身で決めます。 「保管場所使用承諾証明書」「所在図記載欄」などの印字の見出しを全文から探し、見つからないファイルは unknown として補助者に回します。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 形式の確認 … Document AI の対象は PDF、GIF、TIFF、JPEG、PNG、BMP、WebP などです。スマートフォンの写真の JPEG と、コピー機の PDF はそのまま入れられます。HEIC で届いたものは JPEG に変換します
  2. 画質の確認 … 公式には、スキャンは最低200dpiが望ましく、300dpi以上が一般に最もよい結果になるとされています。販売店には、A4の書類を枠いっぱいに撮るよう、撮り方を1枚の紙で配ります
  3. 圧縮の確認 … 非可逆の形式は、ファイルを小さくすると画質と精度が落ちることがあるとされています。チャットのアプリで送り直された画像は、元の画像を送り直してもらいます
  4. 書類の分割 … 1つのPDFに依頼票と承諾証明書と所在図・配置図がまとめてスキャンされていれば、見出しでページを分けます
  5. 向きの確認 … 横長の所在図・配置図が縦向きに撮られていれば、向きを直してから入れます

3番目を軽く見ないでください。 販売店は、顧客からメッセージアプリで受け取った写真をそのまま転送してくることがあります。番地や寸法のような小さな手書きの数字は、圧縮でいちばん先に崩れます。

Step5

AIに処理させる

させるのは、読み取り結果を申請書の項目にそろえ、書類ごとの値を並べることと、連絡文の下書きを作ることだけです。 値どうしが一致するかの判定は、Apps Script の規則で行います。

そろえる項目どの書類から判断できないときの扱い
保管場所の位置承諾証明書、依頼票、配置図信頼度が低ければ値を空にして unreadable
駐車場の名称・駐車位置番号承諾証明書、配置図の斜線の枠承諾証明書の欄が空なら missing。記載例では名称等が無い場合は空欄で出すとされている
使用者、使用の本拠の位置承諾証明書、依頼票、所在図―
使用期間、記載日承諾証明書日付として読めなければ unreadable
本拠と車庫の距離所在図に手書きされた数字数字が複数あって決められなければ候補を並べて unreadable
道路の幅員配置図書かれていなければ missing
車庫の奥行き・幅・高さ配置図2つの数字のどちらが奥行きか決められなければ unreadable
シャッターの有無配置図○の位置で決められなければ unreadable

照合は Apps Script が次の規則で行います。

照合すること規則
保管場所の位置承諾証明書・依頼票・配置図で、表記の規則でそろえた後の文字列が同じか
駐車位置番号承諾証明書の番号と、配置図で斜線を引いた枠の番号が同じか
使用者承諾証明書と依頼票で、氏名と住所が同じか
使用期間始まりが申請予定日の7日後より前か。終わりが申請予定日より後か
距離所在図の距離が書かれているか。2キロメートルを超える数字になっていないか
寸法配置図の奥行き・幅が、依頼票の車の長さ・幅より大きいか。高さ制限が書かれていれば高さも
図の要素道路の幅員、シャッターの有無の印が書かれているか

使用期間の規則は、警視庁のページの記載に合わせています。 保管場所の有効期間より前の申請は、使用権原が有効になる日以降が交付予定日になり、事前に受理できるのは有効期間の最大7日前からとされています。始まりが申請予定日の8日以上先なら、申請日をずらすか、承諾証明書を書き直してもらうかを補助者が決めます。

距離と寸法の規則は、書かれた数字が要件(本拠から2キロメートル以内、車の全体を収容できること)と食い違って見える依頼を、行政書士に先に回すための印です。 書かれた距離や寸法が正しいかは確かめません。

させないこと理由
保管場所の要件を満たすかの結論判断は行政書士、証明は警察署
読めない数字や番地の補完それらしい値で埋めると、食い違いの原因を事務所が作る
書類どうしの値の一致の判定表記の揺れの扱いは事務所の規則。AIに任せると日によって変わる
配置図の数字の割り当ての決めつけどの数字が奥行きかは、図の線を見た人が決める
依頼者への連絡の送信下書きまで。送るのは補助者

2行目がいちばん起きやすい失敗です。 承諾証明書の番地の1字が読めないとき、依頼票に同じ住所が書かれていれば、AIはそこから写して埋めようとします。埋めた瞬間、「承諾証明書と依頼票が一致している」という見かけが作られます。 本当は承諾証明書の側が違う番地で書かれていたなら、その食い違いは窓口まで見つかりません。

Step6

指示内容を固定する

あなたは行政書士事務所で、車庫証明の申請書の下書きを作る補助者です。
渡すのは、1件の依頼に含まれる書類ごとの読み取り結果です。
書かれている文字だけを使って、申請書の項目に値を並べてください。
推測で埋めないでください。値どうしが一致するかは判断しないでください。

【書類の種類】
request(依頼票)/consent(保管場所使用承諾証明書)/
location_map(所在図)/layout_map(配置図)

【やること】
1. 書類ごとに、次の項目の値を書き出してください。
   storage_address, parking_name, parking_slot, user_name, user_address,
   period_from, period_to, written_date, base_address,
   distance_text, road_width_text, depth_text, width_text, height_text,
   shutter
2. 値ごとに、根拠にした文字列をそのまま evidence に写してください。
3. 値ごとに、OCR が返した信頼度を confidence に入れてください。
4. 項目がその書類に書かれていなければ status を missing、
   文字はあるが信頼度が低い・読み方が2つ以上あるときは unreadable、
   読めたときは read にしてください。

【厳守事項】
- 他の書類に書かれた値で、読めない値を埋めないでください。
  承諾証明書の番地が読めなければ、依頼票に同じ住所があっても空にします。
- 項目名だけがあって値が空の欄は missing です。
- 所在図・配置図の数字は、どれが距離・幅員・奥行き・幅かを
  図の中の位置と添え書きから候補として挙げてください。
  1つに決められなければ unreadable とし、候補を note に書いてください。
- 日付は書かれた元号と数字をそのまま evidence に写し、
  西暦への変換は値の欄だけで行ってください。
- シャッターの有無は、○が「有」「無」のどちらに付いているかで決め、
  決められなければ unreadable にしてください。
- 要件を満たすか、申請できるかは書かないでください。
- 承諾証明書の代わりに契約書が入っていれば、consent の項目を埋めず、
  document_type に contract と書いてください。

【依頼番号】{request_id}
【読み取り結果】{documents}

日付の根拠に書かれたままの元号を残すのは、補助者が画像と見比べるとき、見る文字を画像と同じにするためです。

Step7

出力形式を固定する

Claude API の構造化出力を使い、次の形のJSONで受け取ります。 output_config.format に JSON スキーマを渡すと、応答がそのスキーマに沿った形になります。

{
  "request_id": "R-20261007-031",
  "documents": [
    {
      "document_type": "consent",
      "fields": [
        {
          "name": "storage_address",
          "value": "千代田区霞が関2-1-2",
          "evidence": "千代田区霞が関2-1-2",
          "confidence": 0.94,
          "status": "read",
          "note": ""
        },
        {
          "name": "parking_slot",
          "value": "",
          "evidence": "",
          "confidence": 0,
          "status": "missing",
          "note": ""
        }
      ]
    },
    {
      "document_type": "layout_map",
      "fields": [
        {
          "name": "depth_text",
          "value": "",
          "evidence": "6m / 2.5m",
          "confidence": 0.81,
          "status": "unreadable",
          "note": "斜線の枠の横に6m、縦に2.5m。どちらが奥行きか図から決められない"
        }
      ]
    }
  ]
}

1つ目の理由は、照合をAIの外に出せることです。 表記の規則を直したら、AIを呼び直さずに照合だけをやり直せます。

2つ目は、evidence と confidence で、画像のどの欄を見ればよいかが先に分かることです。

列挙の値の大文字・小文字は保証されないとされているので、status は小文字にそろえてから使います。stop_reason が max_tokens なら、照合に進めずに呼び直します。

照合の後、依頼の状態は次の規則で決めます。

状態条件
readyすべての項目が match、または照合の対象外
ask_clientmissing か mismatch があり、unreadable は無い
rescanunreadable があり、その原因が画質(信頼度の低さ)にある
needs_review書類の種類が unknown・contract、または距離・寸法の規則に当たった
Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
共有ドライブApps Script の DriveApp「_受付済」のフォルダを探し、ファイルを読む
Document AIApps Script の UrlFetchApp から処理の API を呼ぶ文字、項目名と値の組、表、信頼度を返す
Claude APIApps Script の UrlFetchApp から呼ぶ申請書の項目へのそろえと、連絡文の下書き
依頼の台帳スプレッドシートへの書き込み状態、印の一覧、下書きのリンク
Gmail下書きの作成のみ販売店への連絡文を下書きとして置く

Gmail は下書きの作成までにし、送信は補助者が直してから行います。 宛先は台帳の販売店の担当者に固定します。転送されてきたメールに返信すると、顧客本人に届くことがあります。

Step9

人が確認する

補助者は全件を確かめます。 見るのは、申請書の下書きと印の一覧と、元の書類の画像です。

  1. rescan と needs_review を先に見る … 画像を拡大して読めれば値を直し、読めなければ撮り直しを頼みます
  2. mismatch の根拠を確かめる … 2つの書類の evidence を並べて画像を見ます。見かけの食い違いなら、表記の規則に書き足します
  3. ready も画像と見比べる … 特に車台番号と保管場所の位置は、1字ずつ照らします
  4. 連絡文を直して送り、直した記録を残す … どの項目をどの値に直したかを台帳に書きます

3番目を省かないでください。 ready は「書類どうしが一致した」という意味で、4枚がそろって同じ番地を書き間違えていれば ready になります。 距離と寸法の規則に当たった依頼は、最後に行政書士が図を見て決めます。

Step10

例外に対処する

起きること対応
承諾証明書の代わりに契約書の写しが届くcontract として照合から外し、補助者が記載事項を確かめる
自己所有の車庫で自認書が届く承諾証明書の項目を照合から外し、自認書の項目で照合する(様式の見出しで分ける)
所在図が省略されている記載例では、使用の本拠と保管場所が同じなどの場合は省略できるとされている。依頼票の使用の本拠と保管場所の位置が同じなら missing にしない
駐車位置番号の欄が空記載例では名称等が無ければ空欄で出すとされている。配置図に番号も無ければ missing にしない
共有の土地で承諾者が複数余白や別紙に書かれる。承諾者の数を数えて補助者に回す
1枚の承諾証明書で複数台を申請場所の表示が同じなら1通で足りるとされている。依頼の台帳で同じ依頼番号の枝番を見る
写真が暗い・斜め・切れているrescan。撮り直しの頼み方を連絡文に入れる
書類の種類が分からないunknown。補助者がファイルの種類を指定して照合し直す
Document AI か Claude API が応答しないフォルダ名を「_受付済」のまま残し、次の実行で拾い直す

3行目と4行目は、「足りないように見えて足りている」ものです。 記載例の注記を規則に入れないと、販売店に余計な書き足しを頼むことになります。

Step11

記録を残す

  • 元の写真・PDFと、受け取った日時と販売店
  • Document AI と Claude API の入出力のJSON
  • 照合の結果と、そのときの表記の規則の版
  • 補助者が直した記録と、販売店へ送った連絡文
  • 警察署へ出した日と、窓口で指摘された事項

最後の行が、精度を測る材料です。 窓口で指摘された事項のうち ready になっていたものがあれば、規則か読み取りに穴があります。

04実装レベルの3段階

最小構成:画像を手でAIの画面に貼り、書類ごとの値を書き出させる / 1件ごとの読み取りと値の並べ
半自動化:上記+フォルダから Document AI と Claude API を呼び、申請書の下書きと値の一覧をスプレッドシートに書き出す / 読み取りと下書きの作成
本格構成:上記+表記の規則で照合して状態に振り分け、販売店への連絡文の下書きまで作る / 下書き、食い違いと不足の洗い出し、連絡文

最小構成では件数がさばけません。 1件ずつ貼り付けるので、月120件には使えません。確かめるための段階です。 半自動化で、1件20分が12分程度になります。 転記がなくなりますが、食い違いを探すのはまだ人の目です。本格構成で6分になり、この段階が本記事の想定です。 差が大きいのは、表記の揺れを規則でそろえたうえで、食い違いの候補に印が先に付くからです。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
3 名
月間件数
120 件
1件あたり現在時間
20 分
1件あたり導入後時間
6 分
現在  120件 × 20分 ÷ 60 = 40 時間/月
導入後 120件 × 6分 ÷ 60 = 12 時間/月
月間削減時間
28h
削減率
70%
年間削減時間
336h
年間金額換算(時間単価3,500円)
118万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

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06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 自動車販売店や整備工場から車庫証明の申請の代理を月に100件前後受けている行政書士事務所。保管場所使用承諾証明書は駐車場の管理者の手書き、所在図・配置図は依頼者の手書きで届き、補助者が申請書へ転記しながら住所・期間・寸法の食い違いを目で探している場合。食い違いが警察署の窓口で見つかり、出し直しになることがある場合。Google Workspace を使っている場合。
向いていない
  1. 依頼が月に十数件で、所長がすべての書類を自分で見られる場合。依頼者が承諾証明書の代わりに賃貸借契約書の写しばかりを送ってきて、書式がそろわない場合。依頼者の書類をすべて電子で受け取り、手書きの書類がほとんど無い場合。なお、保管場所の要件を満たすかどうかの判断、申請するかどうかの判断、警察署への申請そのものは、この構成では代替できません。

07最小構成で試す方法

  1. 先月申請した依頼から20件を選ぶ(うち数件は、警察署の窓口で出し直しになったものを入れる)
  2. 依頼ごとに、依頼票・承諾証明書・所在図・配置図の画像を用意する
  3. 手元のAIサービスの画面に、1件分の画像をまとめて貼り付ける
  4. 「この4枚から、保管場所の位置、駐車位置番号、使用者、使用期間、記載日、本拠と車庫の距離、道路の幅員、車庫の奥行き・幅、シャッターの有無を書類ごとに書き出してください。読めない値は空にし、他の書類の値で埋めないでください」と指示する
  5. 書き出された値を、当時の申請書と並べ、食い違いを自分で探す

出し直しになった依頼を必ず入れてください。 その依頼で、書類ごとの値を並べただけで食い違いが目に入るかを確かめます。

出てきた内容判断
出し直しの原因になった食い違いが、並べた値で見えたDocument AI と Apps Script のつなぎに進む
読めない値を他の書類から写して埋めた指示の書き方で直る。構成は有効
配置図の数字の割り当てを間違えた図の書き方で直ることが多い。寸法の矢印と数字を近くに書いてもらう
手書きが読めない書類が多い撮り方とスキャンが先。 AIの問題ではない

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
表記の揺れで全件が mismatch になる照合の前に表記の規則でそろえる。 規則の版を記録する
読めない番地を他の書類から写して埋める指示で禁じ、evidence が自分の書類の文字か Apps Script で確かめる
空欄であってよい欄を missing にする記載例の注記(駐車位置番号、所在図の省略)を規則に入れる
承諾証明書の空欄が返ってこない値の無いキーと値の組は確実には読めない。返ってこない欄を「空欄」と決めつけず、欄の有無を見出しの文字で確かめる
シャッターの有無の○が読めないラジオボタンに対応しない。○の位置を全文のテキストと座標で見るか、補助者が見る
配置図の数字の割り当てを間違える1つに決められなければ unreadable。書き方の例を販売店に配る
転送された画像が粗い非可逆の圧縮で精度が落ちうる。元の画像を送ってもらう
契約書の写しを照合しようとするcontract として外し、補助者が見る
連絡文が顧客本人に届く宛先は台帳の販売店の担当者に固定する
ready を全件確認から外す一致していても正しいとは限らない。 全件を画像と見比べる

上の2行が、この構成の失敗のほとんどです。 1行目は「一致しているのに食い違いと出る」、2行目は「食い違っているのに一致と出る」失敗で、後者のほうが危険です。 前者は補助者の手間が増えるだけですが、後者は窓口まで見つかりません。

最後の行も早く効いてきます。 照合が安定すると ready を流し見したくなりますが、崩すなら窓口での指摘の記録を半年見てからにしてください。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 使用者の氏名・住所・電話番号、承諾者(地主や駐車場の管理者)の氏名・住所・電話番号、使用の本拠の位置、車台番号です。

  1. 国外で処理されることを依頼元と確かめる … Document AI のリージョンの一覧に日本はありません。us、eu、または単一リージョンのどこで処理するかを決め、販売店との取り決めに書きます
  2. AIに渡す範囲を絞る … 照合に承諾者の電話番号は要りません。Claude API には、照合する項目の文字と信頼度だけを渡し、承諾者の連絡先は渡さない設計にできます
  3. 要件の判断をAIに任せない … 距離と寸法の規則は印を付けるだけです。申請するかは行政書士が決め、要件を満たすかは警察署が証明します
  4. 連絡を自動で送らない … 出すのは下書きまでです。宛先を誤ると、顧客や承諾者の個人情報が別の販売店に届きます
  5. 書類の保存期間を決める … 写真・PDF・読み取り結果のどれを、申請後いつまで残すかを決めます。読み取り結果のJSONにも、氏名と住所がそのまま入っています

10まず何から始めるか

1週目:表記の揺れを書き出す

過去3か月の申請書と承諾証明書を数十件並べ、保管場所の位置がどんな書き方で揺れているかを書き出します。丁目・番・号、ハイフン、漢数字、地名の「ヶ」と「が」、建物名の有無。これが表記の規則の元になります。

2週目:20件で試す

先月の依頼から、出し直しになったものを含めて20件を選び、手元のAIサービスに貼って書類ごとの値を書き出させます。読めない値を他の書類から埋めていないかを最優先で見ます。

3週目:販売店に配る紙を作る

撮り方(枠いっぱい、真上から、転送しない)と配置図の書き方を1枚にまとめ、依頼の多い販売店から配ります。

4週目:フォルダから下書きまでをつなぐ

Apps Script で「_受付済」のフォルダを見張り、Document AI と Claude API を呼び、申請書の下書きと値の一覧をスプレッドシートに書き出すところまで作ります。この時点では照合の印を出さず、値の一覧だけを補助者が見ます。

2か月目: 表記の規則を Apps Script に入れて照合の印と状態を出し、mismatch のうち見かけの食い違いだったものを毎週数えます。3か月目以降: 連絡文の下書きを足し、1件20分が何分になったかを実測します。窓口で指摘された事項と照合の印を並べて、ready から指摘が出なくなった時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-07/最終更新:2026-10-07
確認した内容情報源確認日
車庫証明の申請に、申請書、権原書面(承諾証明書。記載事項が充足されていれば契約書の写しでも可)、所在図及び配置図が必要なこと警視庁: 車庫証明について2026-10-07
他の様式でも受理するが警視庁の様式を勧めていること。交付まで3から7日を要すること。事前の受理は有効期間の最大7日前からであること。月末・年度末が混み合うこと警視庁: 保管場所証明申請手続(窓口での申請)2026-10-07
保管場所の要件(使用の本拠から2キロメートルを超えないこと、自動車の全体を収容できることなど)警視庁: 保管場所(車庫)の要件と使用権原書面2026-10-07
承諾証明書の欄と記載の注意(位置は通常は申請書と同じ、名称等が無ければ空欄、期間は通常は契約期間、共有者の書き方、場所の表示が同じなら1通で足りること)警視庁: 保管場所使用承諾証明書の記載例(PDF)2026-10-07
所在図・配置図に書く事項(距離、道路の幅員、車庫の奥行き・幅・高さ、シャッターの有無)。所在図を省略できる場合警視庁: 保管場所の所在図・配置図の記載例(PDF)2026-10-07
Form Parser がキーと値のペア、チェックボックス、表を抽出すること。日本語(ja)が手書きに対応する言語に含まれることGoogle Cloud: Processor list2026-10-07
チェックボックスのモデルがラジオボタンに対応しないこと。値の入っていないキーと値の組を確実には読み取れないことGoogle Cloud: Form Parser2026-10-07
formFields の fieldName/fieldValue、チェックボックスの valueType(filled_checkbox/unfilled_checkbox)で返ることGoogle Cloud: Handle the processing response2026-10-07
対応形式。スキャンは最低200dpiが望ましいこと。非可逆の形式で小さくすると精度が落ちうることGoogle Cloud: Supported files2026-10-07
処理の場所が us・eu と単一リージョンで、日本が無いことGoogle Cloud: Regional and multi-regional support2026-10-07
output_config.format で応答の形を固定できること。列挙の値の大文字・小文字が保証されないこと。max_tokens で打ち切られうることClaude API: Structured outputs2026-10-07
時間主導型のトリガーが最短1分おきから最長月1回の間隔で動かせ、実行の時刻が少しずれることがあることGoogle Apps Script: Installable triggers2026-10-07

保管場所の要件を満たすか、申請するかは行政書士が判断し、証明は警察署が行います。 本記事は警視庁の公開ページと記載例で確認できた範囲だけを扱っています。他の道府県警では様式や案内が異なることがあります。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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