Warmlyの訪問者特定で詰まる原因と対策|個人情報と営業への渡し方

Warmlyの訪問者特定で詰まる原因と対策|個人情報と営業への渡し方

「サイトに来ている会社が分かれば、営業がすぐ動けるのに」「海外には、訪問者の名前まで分かるツールがあるらしい」——展示会やウェビナーの集客が伸び悩む時期に、BtoBのマーケ担当から上がってくる声です。Warmly はまさにその期待に応える米国のツールですが、日本の会社がそのまま入れようとすると、精度・法務・営業への渡し方の三か所で議論が止まります。問題は機能の有無ではありません。日本の訪問者と日本の法律に対して、どこまで使ってよいかです。この記事では、Warmly が何をするツールか、導入の議論がどこで詰まるか、その原因と対策を、社内導入の判断に必要な順に整理します。


カメ先生カメ先生

訪問者を特定するツールは「来た人が全部分かる」と思われがちなんだけど、本当は外部の名簿と照らし合わせて推定しているだけなんだ。


カメ子カメ子

推定ということは、外れることもあるんですか。


カメ先生カメ先生

ある。しかも日本からのアクセスは照合できる名簿が薄い。だから精度と、推定した個人の情報を受け取ってよいかを、便利さより先に確かめる必要があるんだよ。


カメ子カメ子

便利かどうかより、情報を受け取る側の責任の話が先なんですね。


この記事のポイント
  • Warmly の個人単位の特定は外部の名簿との照合による推定で、公表値も米国中心。日本の訪問者では下がる前提で試す
  • 個人まで特定した情報を受け取ると、個人情報保護法上の確認や公表の義務が自社側に生じうる。会社単位と個人単位を分けて判断する
  • AIの受付と営業への通知は、渡す項目・話しかける条件・人が確認する範囲を先に決めてから使う

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目次

Warmly は、訪問者の会社と人を推定し、AIが受付と追客を担うツール

Warmly は米国の企業が提供する、BtoB向けの集客と商談化の基盤です。自社サイトに計測用のタグを入れると、匿名の訪問者がどの会社から来たか、場合によっては誰なのかを推定して表示します。公式サイトは自らを「AIが主体で、人が監督する」基盤と説明しており、特定した訪問者にAIのチャットが話しかけ、商談の予約や営業担当への振り分けまでを自動で進める構成になっています。

製品は大きく二つのエージェントに分かれます。一つはサイト上の接客を担う受付側のエージェントで、AIのチャット、有人チャットへの切り替え、商談予約、担当者への振り分け、即時の通知、メールと LinkedIn 広告での再接触、AIによる電話応対までが並んでいます。もう一つは、狙う企業群に訪問前から働きかける側のエージェントで、購買に関わる人の洗い出し、関心度の点数付け、メールと広告を組み合わせた働きかけを担います。外部からはアプリの画面、API、MCP の三つの経路で使えると公表しています。

判断の上で押さえるべきは、この製品が「特定」「会話」「働きかけ」の三つを一体で売っていることです。三つを同時に有効にすると、問題が起きたときにどこが原因か切り分けられません。本記事では、まず特定の部分で詰まる理由を見て、そのうえで会話と営業への受け渡しをどう線引きするかを考えます。

2026年6月、HubSpot による買収が公表された

2026年6月30日、HubSpot が Warmly を買収することで合意したと両社が公表しました。金額は開示されていません。報道によれば、Warmly 側は既存の顧客について契約・料金・担当窓口・製品・連携は当面変わらないと説明しています。Warmly の経営者は、最初に作った外部連携が2023年の HubSpot 向けで、現在は HubSpot と連携している有料顧客が223社あると述べています。

日本の会社にとっての意味は二つあります。一つは、単独の新興企業として使うより事業の継続性の見通しが立ちやすくなったこと。もう一つは、将来 HubSpot の製品群に組み込まれ、契約の形や料金が変わる可能性があることです。発表では、長期的には Warmly の機能を HubSpot の顧客基盤全体につなげる構想が語られており、単体製品として今の形が続く保証はありません。

したがって契約前に、現在の契約がいつまで今の条件で続くか、HubSpot 側へ統合された場合にデータの保管先や処理を委託する会社が変わるかを、営業担当に書面で確認しておくのが安全です。HubSpot を使っていない会社は、自社のCRMとの連携が今後も保たれるかもあわせて聞いておきます。買収の直後は窓口の体制も動きやすいため、回答の期限も決めて依頼します。

課題:日本の会社が、導入の議論で詰まる三つの場所

海外の訪問者特定ツールを検討すると、日本の会社では議論がほぼ同じ場所で止まります。一つ目は精度です。デモでは訪問者の会社名と担当者名が次々に表示されますが、自社のサイトで試すと名前の出る割合が大きく下がります。二つ目は法務です。名乗っていない訪問者の氏名や連絡先を受け取ってよいのか、プライバシーポリシーに何を書けばよいのか、法務部門がすぐには答えを出せません。

三つ目は営業への渡し方です。「この会社の、この人が料金ページを3回見た」という情報をそのまま営業に渡すと、電話やメールで「先日サイトをご覧いただいたようで」と切り出す使い方が起きます。相手から見れば、名乗っていないのに閲覧履歴を知られていた、という体験になります。次のような進め方は、三つの課題を同時に悪化させます。

  • デモ画面で表示された特定率を、そのまま自社の期待値として社内に報告する
  • 法務の確認より先に個人単位の特定を有効にし、営業へ自動で通知する
  • 閲覧したページ名を、営業の初回連絡の文面にそのまま入れる

以下では、この三つがなぜ起きるのかを原因ごとに分け、それぞれの対策を示します。インテントデータの種類や、訪問企業を特定する仕組みの一般論は別の記事で扱っているため、ここでは Warmly 固有の事情と、日本の会社が入れる場合の判断に絞ります。

原因1:特定率の数字は、米国の通信と名簿を前提にしている

Warmly は2026年3月の自社ブログで、1,600以上の組織での運用実績として特定率を公表しています。米国中心のアクセスでは、会社単位で平均およそ65%、個人単位で平均およそ15%。一方で米国外のアクセスでは会社単位が20〜40%、個人単位が3〜8%とし、米国のアクセスは欧州やアジア太平洋の2〜3倍の割合で照合できると書いています。

同じ記事は、デモ環境の特定率は本番の3〜5倍に見えること、スマートフォンからのアクセスは会社単位で15〜30%・個人単位で2〜5%にとどまること、本番のアクセスの10〜30%はロボットによるものであることも認めています。在宅勤務や回線の切り替えで、会社の回線から見ないアクセスが増えていることも、割合が下がる理由に挙げています。どの提供会社でも個人単位で70%に届くことはない、とまで書いている点は率直です。

日本からの訪問者は「米国外」の側に入ります。日本からのアクセスに絞った数字は公表されていないため、米国外の数字をさらに下回る可能性も含めて見積もるのが妥当です。これは Warmly が劣っているという話ではなく、照合に使う名簿が米国で厚く作られているという構造の問題です。数字はいずれも提供会社の自己申告である点も、社内報告では必ず添えておきます。

原因2:個人単位の特定は、外部の名簿との照合で成り立つ

同じブログによると、特定は次の順に進みます。まず自社サイトに入れたタグが、接続元のIPアドレス、ブラウザの特徴、端末の情報、流入元、ページ上の行動を集めます。会社単位は、IPアドレスの範囲と会社を対応づけた商用のデータベースで引きます。個人単位は、広告網やデータを共有する仕組みから得たクッキーの照合、同意を得た調査パネル由来のメールアドレスとIPアドレスの対応、個人を横断して結び付ける名寄せの事業者、ブラウザの特徴からの確率的な推定などを組み合わせます。

Warmly は20以上の提供元を順番に当て、2つ以上の提供元の結果が一致したときに表示するとしています。誤表示を減らす工夫ですが、裏を返せば、個人の特定は自社が直接集めた情報ではなく、第三者が持つ名簿に依存した推定だということです。名簿に載っていない人は特定できず、名簿が古ければ転職前の会社名が出ることもあります。

社内でこの仕組みを説明するときは、「サイトに来た人が名乗った」ではなく「外部の名簿から推定した」という言い方に統一しておくと、後の法務の議論や営業の使い方の線引きがぶれにくくなります。推定の根拠になった提供元がどこかは画面上では分からないことが多いため、契約前に提供元の種類と所在国、本人からどう同意を得ているかを質問しておきます。

原因3:日本の法律では、推定した個人情報を受け取る側にも義務がある

個人単位の特定で自社が受け取るのは、氏名・勤務先・役職・メールアドレスなどと、それに結び付いた自社サイトの閲覧履歴です。これは自社にとって特定の個人を識別できる個人情報になります。個人情報保護法は、偽りその他不正の手段による取得を禁じ(第20条)、取得したら利用目的を本人に通知するか公表することを求めています(第21条)。第三者から個人データの提供を受けるときは、提供元がどう取得したかを確認して記録する義務もあります(第30条)。

さらに2022年4月施行の改正で、クッキーや閲覧履歴のように単独では個人を識別できない情報(個人関連情報)を、受け取る側が個人データとして使うと想定される場合に提供するときは、本人の同意が得られていることの確認が求められるようになりました(第31条)。自社サイトの閲覧データが外部で名簿と結び付けられ、氏名付きで自社に戻ってくる流れは、この規律に当たるかどうかを検討すべき典型です。提供元が海外にある場合は、外国にある第三者への提供の規律(第28条)も関わります。

どの条文がどう当てはまるかは、データの流れの細部で変わります。ここで結論を出すのは本記事の範囲を超えるため、法務部門や顧問弁護士に、後述の確認項目を持ち込んで判断してもらってください。少なくとも「米国の製品が欧州の規則に対応しているから、日本でも問題ない」とは言えない点は、社内で共有しておく必要があります。

  • 条文番号は2022年4月施行の改正後の番号です
  • 電気通信事業法の外部送信規律(2023年6月施行)は、自社の紹介だけのサイトでは対象外とされる場合が多い一方、会員機能などを持つサイトでは対象に入りうるため、あわせて確認します

原因4:AIの受付が、名乗っていない相手に話しかける設計

Warmly の受付側のエージェントは、特定した情報を前提にチャットで話しかけます。公式サイトは、チャットが訪問者の背景情報を持った状態で会話すると説明しています。上位の料金帯では、AIが目標を設定し、見込み度を判定し、判断まで行う機能や、会話の後のメールをAIが書いて送る機能、会話から自動で学習して改善する機能が並びます。

米国では、訪問者の勤務先に合わせた呼びかけが個別化として受け入れられる場面があります。しかし日本のBtoBでは、名乗っていない相手に社名を出して話しかけると「なぜ知っているのか」という警戒を生みやすく、会社への信頼を損ねかねません。AIが推定した勤務先が外れていれば、別の会社の名前で呼びかけることにもなります。

また、AIが見込み度を判定して商談予約に誘導する範囲を広げるほど、誤った判定のまま営業の予定が埋まったり、対象外の相手に自動でメールが送られたりする危険が増えます。AIのチャットそのものの効果をどう測るかは別の記事に譲り、ここでは後の対策4で「AIに何を判断させないか」を決めます。

訪問前の企業に働きかける機能は、日本では別に判断する

Warmly にはもう一つ、サイトに来る前の企業に働きかける側のエージェントがあります。公式サイトでは、狙う企業の購買に関わる人を洗い出し、関心度を機械学習で点数化し、メールと広告を組み合わせた働きかけを自動で回す機能として紹介されています。連絡先としては、確認済みのメールアドレスや直通の電話番号のデータも提供すると案内しています。

日本でこれを使う場合、訪問者の特定とは別の論点が加わります。広告や宣伝を目的とするメールを送るには、特定電子メール法で原則として受信者の事前の同意が要り、例外は、名刺などで自らアドレスを通知してきた相手や、営業のためにアドレスを公表している相手などに限られます。外部のデータから得たアドレスへ、AIが文面を作って自動で送る運用は、この例外に当たるかを一件ずつ確かめにくい仕組みです。

このため、訪問前の企業への働きかけは、受付側の機能とは切り離して判断するのが安全です。試すとしても、自動送信は止め、AIが作った文面と送り先の候補を人が確認してから送る形から始めます。送り先が同意の取れている既存の接点かどうかを、CRMの記録で確かめられる範囲に絞ることも、一つの現実的な線です。

対策1:会社単位と個人単位を分け、個人単位は既定で使わない

最初にすべきは、機能を会社単位の特定と個人単位の特定に分けて扱うことです。会社単位、つまり「どの会社の回線から見られたか」は、それ自体では個人を識別しにくく、営業やマーケの優先順位付けに使いやすい情報です。導入の初期は会社単位だけを使い、個人単位は法務の判断が出るまで止めておくのが現実的な線です。

個人単位を使うかどうかは、法務の判断に加えて、自社のサイトで実際にどれだけ特定できるかを見てから決めます。日本からのアクセスで個人単位の特定率が数パーセントにとどまるなら、得られる価値に対して、負う義務と評判のリスクが釣り合わない可能性が高いからです。逆に、海外向けのサイトで米国からのアクセスが多い会社なら、個人単位の価値は上がります。

設定で個人単位を止められるか、止めた場合に料金が変わるか、管理画面で利用者ごとに見える範囲を制限できるかは、契約前に提供会社へ確認します。公開情報からは、個人単位を止めたときの挙動や権限の細かさまでは確認できなかったためです。回答はメールなど記録の残る形で受け取ります。

対策2:法務と決める確認項目

法務部門に持ち込む際は、「このツールを使ってよいか」という漠然とした問いではなく、データの流れを項目に分けて渡すと判断が早くなります。次の表は、確認すべき項目ごとに、提供会社に聞くことと社内で決めることを整理したものです。

確認項目提供会社に聞くこと社内で決めること
タグが集める情報IPアドレス・ブラウザの特徴・行動のどこまでを送るかサイトのどのページにタグを入れるか
個人の特定元照合に使う名簿の種類と所在国、本人の同意の取り方個人単位を使うか、使うなら利用目的をどう公表するか
保管と処理の場所データの保管国、処理を委託する会社の一覧外国にある第三者への提供として、本人への情報提供をどうするか
自社からの持ち出しCRMやチャット履歴を相手側のAIの学習に使うか連携するCRMの項目をどこまでに絞るか
削除と停止解約時のデータ削除の手順と期限やめるときに社内側で消す記録

このうちプライバシーポリシーの改定は、個人単位を使うかどうかにかかわらず検討が要ります。外部の事業者にサイトの閲覧データを送ること、その目的、送り先の国を、訪問者が読める形で示しておくのが基本です。クッキーの同意画面を出していない日本の企業サイトは多いため、同意をどう取るかは導入の前提条件として扱います。

確認の結果は、導入の可否とあわせて一枚の記録に残しておきます。後で個人単位を有効にしたくなったとき、何を前提に止めていたのかが分かれば、改めて判断するときの手間が大きく減ります。

対策3:営業へ渡す線を、項目と言い方で決める

営業への受け渡しは、渡す項目と、その情報を使った連絡の言い方の二つで線を引きます。渡してよいのは、会社名、業種、規模、関心のありそうな製品分野といった会社単位の要約までにとどめ、個人名と閲覧したページの一覧は原則として渡さない、というのが一つの目安です。

連絡の言い方では、「サイトをご覧いただいたようですが」という切り出しを禁じます。代わりに、その会社の業種で多い課題や、公開されている事例をきっかけにした連絡に変えます。閲覧履歴は「誰に連絡するか」の順番付けに使い、「何と言って連絡するか」には使わない、と営業の手順書に書いておくと現場で迷いません。

Warmly は即時の通知を Slack などへ送れるため、通知を受けた営業が数分以内に電話をかける運用も組めます。ただしこの速さは、日本の相手には監視されている印象を強めます。通知は日次のまとめにする、点数の高い会社だけに絞るなど、頻度の設計も合わせて決めておきます。

対策4:AIの受付に任せる範囲と、人が決める範囲

AIのチャットに任せてよいのは、公開済みの情報に基づく回答、資料の案内、商談予約の日程調整といった、間違えても取り返しのつく範囲です。料金の個別見積もり、契約条件、他社との比較での優劣、導入の可否の判断は、AIに答えさせずに人へ引き継ぐ設定にします。

推定した勤務先をチャットの呼びかけに使うかどうかも、明示的に決めます。日本向けのサイトでは、推定した社名や氏名をチャットの文面に出さない設定にしておくのが安全です。AIが見込み度を判定する機能を使う場合は、判定の根拠になった行動や回答を記録させ、営業が根拠を読んでから対応を決める流れにします。点数だけを見て動く運用にはしません。

AIが会話から自動で学習して改善する機能は、どの会話が学習に使われ、回答がどう変わったかを人が追える状態にしてから有効にします。週に一度、AIのチャット記録を抜き出して、誤った回答、引き継ぐべきだった質問、勤務先の推定違いを点検する担当者を決めておきます。

対策5:自社のアクセスで精度を確かめる

公表値はあくまで提供会社の自己申告です。導入の判断には、自社のアクセスでの実測が欠かせません。確かめ方は単純で、試行期間中に特定された会社の一覧から無作為に数十件を選び、CRMの商談履歴や営業が把握している実際の接点と突き合わせます。特定率(何割に名前が付いたか)と正答率(付いた名前が正しかったか)は別の指標として記録します。

個人単位を試す場合は、社内の協力者に自宅の回線とスマートフォンからサイトを見てもらい、正しく特定されるか、別人として出るかを確かめる方法があります。社外の訪問者で正答を確かめるのは難しいため、問い合わせフォームで名乗った人のうち、名乗る前の訪問で推定されていた氏名と一致した割合を調べるのが現実的です。

計測では、ロボットのアクセス、社員自身のアクセス、既存の取引先のアクセスを除いてから割合を出します。これらを除かないと特定率は見かけ上高くなり、営業に渡る一覧には既存の取引先ばかりが並ぶことになります。新しい見込み客がどれだけ見えたかを、別に数えておくことが大切です。

費用の増え方と、比べる物差し

公式の料金ページでは、訪問者の特定だけの製品が年1万ドルから、AIのチャットを加えた製品が年2万ドルから、AIが判断と追客まで行う上位の製品が年3万ドルからと示されています。いずれも月1万クレジットからとされ、四半期払いも選べます。このほか、外部の兆候データの追加や、AIの動画チャットなどが別料金の追加機能として並んでいます。

クレジットがどの操作でどれだけ消費されるかは、料金ページだけでは読み取れませんでした。訪問者数が増えたとき、特定の件数が増えたとき、AIのメール送信が増えたときに、それぞれ追加費用が発生するのかを、見積もりの段階で具体的な数字を置いて確認します。

比べる物差しは「特定できた会社数」ではなく、「特定した会社のうち、営業が接触して商談になった件数」です。日本からのアクセスで特定率が低ければ、年額を商談数で割った1件あたりの費用は、米国の事例よりも大きくなります。既存のMAやCRMの機能で会社単位の把握がどこまでできるかも、比較対象として並べておきます。

料金帯の並びにも注目しておきます。AIのチャットを加えた製品には、AIのエージェント1体と有人チャット、会話後のメールの自動送信が含まれ、最上位の製品ではエージェントの数の制限がなくなり、AIによる目標設定・見込み度の判定・判断、AIが書く追客メール、会話からの自動学習が加わります。つまり料金が上がるほど、AIに渡す判断の範囲が広がる構成です。日本の会社が最初に選ぶなら、判断を人に残せる下位の製品から始め、上位へ移るのは対策4の点検の仕組みが回ってからにするのが筋です。

試行の設計と、止め方・やめ方

試行は、範囲を絞って始め、判断の時期を最初に決めておきます。次の4段階が一つの目安です。

STEP1
範囲を決める

会社単位の特定だけを有効にし、タグは製品ページや料金ページなど一部に限定します。個人単位とAIの自動送信は止めておきます。

STEP2
社内の準備をする

プライバシーポリシーの改定、営業へ渡す項目と連絡の言い方、AIに答えさせない質問の一覧を先に決めます。

STEP3
実測する

4〜8週間、特定率と正答率、特定した会社からの商談化の件数を記録します。ロボット・社員・取引先のアクセスは除きます。

STEP4
判断する

1件あたりの費用と営業からの評価を見て、継続・範囲拡大・中止を決めます。個人単位を使うかは、ここで改めて法務と判断します。

止め方も試行の前に決めておきます。最も早いのは、サイトからタグを外すことです。タグを管理する仕組みで配信している場合は、その設定を止めれば新しいデータは送られなくなります。そのうえで、CRMへの自動書き込み、Slack への通知、AIのメール送信の連携を個別に切ります。

解約時は、提供会社側に残る自社サイトの閲覧データと特定結果の削除を依頼し、削除の完了を書面で受け取ります。CRMに書き込まれた推定情報は、推定であることが分かる項目に分けて保存しておけば、やめるときに一括で消せます。最初から既存の顧客情報と混ぜないことが、やめやすさを決めます。

よくある質問

個人単位の特定を使わなければ、法務の確認は要りませんか

要らなくはなりません。会社単位だけでも、閲覧データを海外の事業者に送ることに変わりはなく、プライバシーポリシーでの公表や、委託先としての管理が必要です。ただ、個人単位を使わない場合は論点が減るため、確認は早く終わる傾向があります。

HubSpot を使っていなくても導入できますか

Salesforce など他のCRMとの連携も案内されています。ただし買収後は HubSpot の製品群へつなげる方針が示されているため、HubSpot 以外との連携が長期的にどう扱われるかは、契約前に確認してください。

日本語のサイトでAIのチャットは使えますか

公開情報の範囲では、日本語での応答品質を確認できませんでした。試行で、実際の問い合わせに近い日本語の質問を数十件投げ、誤答と不自然な表現の割合を記録してから判断するのが安全です。

欧州の規則に対応していれば、日本でも問題ありませんか

対応の表明は参考になりますが、日本の個人情報保護法の義務、とくに第三者から受け取るときの確認や個人関連情報の規律は、別に検討が要ります。表明だけを理由に社内の確認を省かないでください。

まとめ

Warmly は、訪問者の推定、AIの受付、営業への受け渡しを一体で提供する、米国で実績を積んだツールです。2026年6月には HubSpot による買収が公表され、今後の契約や連携の形が変わる可能性もあります。日本の会社が入れる場合、詰まるのは精度・法務・営業への渡し方の三か所で、その原因は名簿が米国中心であること、推定した個人情報を受け取る側にも義務が生じること、名乗っていない相手に話しかける設計にあります。会社単位から小さく始め、個人単位は法務の判断と自社の実測を待ち、AIには判断させずに根拠を残させる。営業へは会社単位の要約だけを渡し、閲覧履歴を連絡の文面に使わない。この線を先に決めておけば、試すこともやめることも落ち着いて判断できます。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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