QwilrでAIに提案書を作らせる4工程|価格と約束は人が書く

「商談のたびに提案書を一から作っていて、送るまでに数日かかる」「録画した商談をAIに読ませれば、提案書の下書きくらい作れるのでは」——提案から受注までを短くしたい営業とマーケの担当者から、よく出てくる話です。Web型の提案書と見積を作る Qwilr は、2026年6月にAIで提案書を組み立てる仕組みを公開し、9月には商談の書き起こしの取り込みと外部のAIからの操作、10月には全員のAIに共通の指示を与える機能を加えました。ただ、AIに作らせるほど、価格や約束の一文が誰の判断で書かれたのかが見えにくくなります。この記事では、Qwilr でAIに提案書を作らせる流れを4つの工程に分け、録画やメモから下書きさせる範囲、AIに書かせない線、送付後の閲覧データの扱いを整理します。
カメ先生提案書をAIに作らせると「下書きが速くなるだけ」と思われがちなんだけど、本当は商談の書き起こしという相手の発言を材料に、会社として外に出す文書を作ることなんだ。
カメ子社内のメモを作るのとは、重みが違うということですか。
カメ先生そう。提案書は相手の手元に残り、決裁の資料にもなる。だから材料に何を渡すか、価格や約束を誰が書くか、送った後に相手の閲覧をどう使うかを、AIを使う前に決めておく必要があるんだよ。
カメ子速さの話より先に、何をAIに書かせないかを決めるんですね。
- Qwilr のAIは、CRMの商談情報と書き起こし・メモから変数を埋め、型に沿った提案書を組み立てる。材料に渡す書き起こしは人が選ぶ
- 価格・割引・納期・保証などの約束は、AIに書かせず、型と人の承認で決める。AIコンテキストには声の調子と言い回しの規則だけを書く
- 送付後の閲覧データは、相手の関心を測る目安であって行動の証拠ではない。誰が見て、何に使い、何に使わないかを先に決める
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Qwilr は、提案書と見積をWebページで送る仕組み
Qwilr は、提案書・見積・契約書を、PDFではなく相手がブラウザで開くWebページとして作って送る仕組みです。ページの中に料金の表を置き、相手がその場で選択肢を選んで承諾し、電子署名まで進められます。運営会社のプライバシーポリシーは、個人情報をオーストラリアで保管すると書いており、オーストラリアに拠点を置く会社の製品です。
Webページで送ることの特徴は、送った後に相手がいつ開き、どこを読んだかが分かることです。公式のヘルプでは、ページが最初に開かれたときに作成者へメールで知らせるのが既定の設定で、すべての閲覧ごと、最初の閲覧だけ、指定した回数ごとに通知を切り替えられると説明しています。閲覧の集計からは、ログインしている社内の利用者や管理者の閲覧は除かれます。
日本語の紹介記事はまだ少なく、国内の販売代理店も確認できませんでした。提案書をPDFで作ってメールで送る商習慣が根強い日本の会社にとって、Qwilr を入れるかどうかは、AIの機能以前に「提案書をWebページで送ることを、相手と自社の法務が受け入れるか」から確かめる話になります。そのうえで、2026年に加わったAIの機能をどこまで使うかを考えます。
2026年に加わったAIの機能:提案エンジン、書き起こし、MCP、共通の指示
公式の更新情報によると、2026年6月11日に、AIで提案書を組み立てる「スマート提案エンジン」が公開されました。担当者がいくつかの質問に答えると、CRMの商談情報、商談の書き起こし、打ち合わせのメモから必要な内容を抜き出し、型に沿った提案書を組み立てる仕組みです。製品ページでは、管理者が担当者がつなげるデータの種類、AIを使ってよい場所、相手に合わせて変わる内容を一度設定すれば、全員がその規則に従うと説明しています。
その後、8月には HubSpot、9月には Salesforce との連携が刷新され、9月7日には相手の状況ごとに中身を出し分ける「条件付きコンテンツ」が強化されました。9月22日には Gong との直接連携が加わり、商談の書き起こしを Qwilr の中で検索して取り込み、提案書の変数や要約に使えるようになりました。9月25日には外部のAIから操作する Qwilr MCP、10月12日にはAIによる画像の生成と編集が公開されています。
さらに10月19日には、会社としての声の調子や営業の進め方といった共通の指示を一度設定すれば、誰がAIに頼んでも自動で反映される「AIコンテキスト」が公開されました。AIでのページ作成、画像の生成、提案エンジンでの変数の事前入力に効くとされ、事前入力は最上位の料金帯だけの機能です。終了や受付停止の告知はなく、直近まで機能追加が続いている製品だと確認できます。
提案エンジンが商談情報を読み込めるCRMは、製品ページでは Salesforce と HubSpot を含む5種が対応済みで、さらに3種が対応予定とされています。自社のCRMが対応済みかどうかで、工程1の材料の選び方が変わります。対応していないCRMの場合、商談情報は担当者が質問への回答として手で入れることになり、AIに渡る材料は担当者が書いた範囲に自然に限られるため、試行の入口としてはかえって扱いやすい面もあります。
4工程の全体像:AIに書かせる前に決めることが半分
Qwilr でAIに提案書を作らせる流れは、材料を選ぶ、型を決める、下書きを確かめる、送った後のデータを扱う、の4工程に分けて考えると整理しやすくなります。AIが働くのは主に1と2の後半で、工程の半分は、AIを動かす前に人が決めておくことです。製品の説明は「数分で提案書が完成する」と速さを強調しますが、会社として外に出す文書である以上、速さだけで判断できません。
CRMの商談情報、商談の書き起こし、打ち合わせのメモのうち、どれをAIに渡すかを決めます。書き起こしは人が選び、相手の発言の扱いを確かめます。
テンプレート、変数、条件付きの中身、価格の表を、営業企画と法務が承認した形で用意します。AIが自由に書いてよい欄と、書かせない欄を分けます。
AIが埋めた変数と要約を、元の書き起こしやCRMの記録と照らして確かめます。価格と約束の欄は、承認者が確認してから送ります。
閲覧の通知と集計を、誰が見て、何に使い、何に使わないかを決めます。外部のAIから閲覧データを読ませる場合の範囲も決めます。
| 工程 | AIに任せてよいこと | 人が決めること |
|---|---|---|
| 1 材料を選ぶ | 選んだ書き起こしとメモから、課題と要望を抜き出す | どの商談のどの部分を渡すか、渡した範囲の記録 |
| 2 型を決める | 相手の会社名・課題など、AIが埋める欄の下書き | 固定の文章、価格の表、条件付きの出し分けの規則 |
| 3 下書きを確かめる | 変数とCRMの記録の食い違いの洗い出し | 要約の根拠の確認、価格と約束の承認、送るかどうか |
| 4 送った後のデータ | 型ごとの閲覧の傾向のまとめ | 通知を誰が受け、何に使い、何に使わないか |
以下では、この4工程を順に、判断の分かれ目と一緒に見ていきます。提案書にどの項目を入れるべきかという一般論や、商談ページをAIに直させるときの承認の流れは別の記事で扱っているため、ここでは Qwilr の仕組みに沿って、材料・書かせない線・閲覧データの三点に絞ります。
工程1 材料を選ぶ:書き起こしとメモのどこを渡すか
スマート提案エンジンは、CRMの商談情報に加えて、商談の書き起こしや打ち合わせのメモから関係する内容を自動で抜き出すと説明しています。Gong との連携では、書き起こしを1件または複数件検索して取り込めるとされています。つまり、材料の量は担当者の選び方次第で増やせます。ここで決めるべきは、増やせるかではなく、どこまで渡すかです。
おすすめは、材料を「相手の課題と要望を話した部分」に絞ることです。一回の商談の書き起こしには、相手の社内事情の雑談、他社の名前、担当者個人の評価、まだ社内で決まっていない予算の話などが混ざります。これらを丸ごと渡すと、AIが相手が提案書に書かれたくない話を、要約として提案書に載せてしまうおそれがあります。相手の社内向けの発言が、相手の決裁者が読む文書に出てくるのは、信頼を損なう典型的な事故です。
材料の選び方は、管理者の設定と担当者の手順の両方で決めます。管理者側では、担当者がつなげるデータの種類を絞り、最初は CRMの商談情報と、担当者が自分で書いた打ち合わせのメモだけを許します。書き起こしを使うのは、どの部分を渡したかを担当者が説明できる運用が回ってからにします。渡した書き起こしの範囲は、商談の記録に残しておきます。
書き起こしを渡す前に確かめること:相手の発言と同意
商談の録画や書き起こしは、相手の担当者の発言そのものです。録画の時点で、相手に録画と書き起こしの目的を伝えているはずですが、その目的に「提案書の作成のためにAIで要約する」ことまで含めて伝えているかは、会社によって差があります。録画の同意を取るときの案内文に、提案書や議事録の作成にAIを使うことを書いておくのが、後から説明を求められたときの備えになります。
個人情報保護法では、個人情報を取得するときに利用目的を特定し、本人に通知するか公表することが求められます。書き起こしに含まれる相手の氏名や役職、発言は、自社にとって個人情報になりえます。Qwilr のプライバシーポリシーは、AIが個人について生成・推定した情報も個人情報として扱うと書いており、AIの要約も元の発言と同じ重みで扱う前提に立っています。自社側も同じ考え方で扱うのが筋です。
また、書き起こしは録画のツール側で作られ、Qwilr に取り込まれ、AIの処理に回ります。Qwilr のプライバシーポリシーは、個人情報を学習に使うAIの提供元には入力しないとしていますが、録画のツール側の扱いはそれぞれの契約で確かめる必要があります。どのツールからどのツールへ何が渡るかを、一度図にしておくと、法務への説明が短く済みます。
- Qwilr のプライバシーポリシーの記載は2025年7月更新の版に基づきます。契約前に最新の版を確かめてください
- 相手との秘密保持契約で、商談の内容を第三者のサービスで処理することに制限がないかも確かめます
工程2 型を決める:テンプレートと変数、条件付きの中身
Qwilr でAIに提案書を作らせるときの土台は、テンプレートと変数です。外部のAIから操作する場合も、既存のテンプレートから、会社名・地域・取引額などの変数を埋めて提案書を作ると説明されています。言い換えると、AIが作るのは白紙からの文書ではなく、型の空欄を埋めた文書です。型の出来が、そのまま提案書の品質と安全の上限になります。
型を作るときは、欄を三種類に分けます。一つ目は、会社概要や実績、サービスの説明など、承認済みの文章を固定で置く欄です。二つ目は、相手の会社名や担当者名、商談で出た課題など、AIが材料から埋めてよい欄です。三つ目は、価格、割引、納期、保証、契約条件など、AIに埋めさせない欄です。この三つ目を型の段階で切り分けておくことが、工程全体でいちばん効きます。
9月に強化された条件付きコンテンツを使えば、相手の業種や規模、選んだ選択肢に応じて、承認済みの段落を出し分けられます。AIに文章を書かせて相手ごとに変えるより、承認済みの段落を条件で選ぶほうが、法務や営業企画の確認が一度で済みます。AIに自由に書かせる範囲は、課題の要約や導入後の進め方の説明など、事実の約束を含まない部分に限ります。
価格・条件・約束をAIに書かせない線
提案書の中で、AIに書かせてはいけないのは、相手が読んで「約束された」と受け取る文です。価格と割引、納期と稼働開始日、保証や返金の条件、サービスの水準、成果の見込みの数字がこれに当たります。商談の書き起こしには、担当者が口頭で言った「たぶん来月には動かせます」「この規模なら値引きも相談できます」といった社内で承認されていない発言が含まれます。AIがこれを拾って提案書に書けば、口約束が文書の約束に変わります。
Qwilr の製品ページは、見積の構成が規則に基づくため、担当者が最新の価格を覚えていなくても正しい見積になると説明しています。価格の表は、AIの文章ではなく、管理者が設定した規則と料金の表で作るのが本来の使い方です。AIが価格を決めたり変えたりするかについては公開情報で確認できなかったため、価格の欄は型で固定し、AIの入力の対象から外す設定が取れるかを、契約前に確かめておきます。
書かせない線は、AIへの指示だけで守ろうとしないことが大切です。生成AIは、指示に「価格には触れない」と書いても、材料に価格の話があれば要約に混ぜることがあります。型の欄の分け方、承認の手順、送付前の確認項目という仕組みの側で止めるようにし、AIへの指示はその補助と位置づけます。
- 商談の書き起こしをそのまま渡し、AIが要約した「導入効果」の数字を提案書に載せる
- 担当者が口頭で言った値引きの話を、AIが「特別条件」として本文に書き込む
- AIが作った納期の目安を、営業企画の確認なしに送ってしまう
- 相手の社内の雑談や他社の名前が、課題の要約に混ざったまま送る
AIコンテキストに書くこと、書かないこと
10月に加わったAIコンテキストは、会社の声の調子や営業の進め方を共通の指示として登録し、誰がAIに頼んでも同じ方針で書かせる仕組みです。公式の説明では、担当者ごとにAIの出力の調子がばらつき、別の会社が書いたように見える問題を解く機能と位置づけられています。全員の指示文を個別に整えなくて済むのは、運用上の大きな利点です。
ここに書くのは、文体、用語の統一、使わない表現、構成の順番といった書き方の規則にとどめます。たとえば「です・ます調で書く」「自社の製品名の表記はこう統一する」「他社を名指しで比較しない」「効果の数字は書かない」といった規則です。逆に、価格表や割引の基準、契約条件をAIコンテキストに書き込むのは避けます。共通の指示に入れた条件は、全員のAIの出力に混ざる可能性があるからです。
AIコンテキストは一度設定すると全員に効くため、誰が書き換えられるかを決め、変更の履歴を残すことも大切です。公式の発表では誰が編集できるかまでは確認できませんでした。管理者の権限で設定する前提で、変更したら日付と理由を社内の文書に残し、変更の前後で作られた提案書を見比べられるようにしておきます。
工程3 下書きを人が確かめる:照合の順番
AIが作った下書きの確認は、読み物として読み通すより、照合の順番を決めて確かめるほうが漏れが少なくなります。最初に確かめるのは、変数に入った固有の値です。相手の会社名、担当者名、部署名、取引額、地域が、CRMの記録と一致しているかを見ます。会社名の表記の揺れや、似た名前の別の取引先の情報が混ざる誤りは、ここで見つかります。
次に確かめるのは、課題の要約です。AIが書いた課題が、材料にした書き起こしのどの発言から来たのかを、担当者が一つずつ示せるかを確かめます。示せない記述は、AIが一般論で補った文か、別の商談の話が混ざった文です。根拠の発言を示せない一文は、削るか、担当者が自分の言葉で書き直すと決めておきます。
最後に、価格と約束の欄が型どおりになっているかを、承認者が確かめます。Qwilr には2月にフォルダごとの閲覧権限が加わっており、送付前の下書きを置く場所と、承認済みのテンプレートを置く場所を分けられます。確認の役割は、変数と要約は担当者、価格と約束は営業企画や上長、と分けておくと、一人が全部を見て見落とす事態を避けられます。
AIが作った提案書で起きやすい誤り
AIが材料から下書きを作るとき、誤りはいくつかの型に分かれます。一つ目は材料の取り違えです。複数の書き起こしを検索して取り込めるため、同じ会社の別の部署との商談や、似た名前の別の会社の商談が混ざることがあります。二つ目は一般論での穴埋めで、材料に書かれていない課題や効果を、業界でよくある話として補ってしまうことです。
三つ目は温度の上げすぎです。相手が「検討してみたい」程度に言った話を、AIが「強い関心を示された」と書き、提案の前提が実際より前のめりになります。決裁者が読むと、担当者との認識のずれとして受け取られます。四つ目は、相手の社内の言葉の持ち出しで、相手の担当者が社内事情として話した課題が、そのまま決裁者向けの文書に出てしまうことです。
これらは、AIの性能が上がっても完全にはなくなりません。だからこそ、工程1で材料を絞り、工程2で書かせない欄を分け、工程3で照合の順番を決めておく意味があります。誤りの型を一覧にして、確認の手順書に載せておくと、新しく入った担当者でも同じ水準で確かめられます。月に一度は、送った後に相手から指摘された誤りを集め、型の一覧を更新します。
工程4 送付後の閲覧データを誰がどう使うか
Webページで提案書を送ると、相手がいつ開き、何回戻ってきたかが分かります。外部のAIから操作する Qwilr MCP では、複数の提案書と期間をまたいで、誰が閲覧し、どのセクションに最も長く時間を使ったかを分析できると説明しています。CRMとの連携では、ページの出来事をもとに商談の段階を更新する使い方も案内されています。
この閲覧データは便利な一方、使い方を決めずに渡すと、営業の行動を変えてしまいます。たとえば、通知を受けた担当者が「先ほど料金のところをご覧になっていましたね」と連絡すれば、相手は閲覧を見られていたことに驚きます。閲覧データは「いつ連絡するか」の目安に使い、「何と言って連絡するか」には使わないと、営業の手順書に書いておくのが安全です。
社内での使い道も決めておきます。閲覧データを担当者の評価に使うと、閲覧が少ない提案書を送らなくなるといった歪みが生まれます。マーケ側では、どの段落がよく読まれ、どこで離脱しているかを、提案書の型を直す材料として使うのが向いています。個々の相手の行動を追うより、型ごとの傾向を見るほうが、得られる改善は大きくなります。
閲覧データの限界:自動のプレビューと本人確認
閲覧データを判断に使う前に、その限界を知っておく必要があります。公式のヘルプによれば、Microsoft や Outlook のプレビュー機能、ウイルス対策の検査がリンクを開くと、人が開いていなくても閲覧の通知が届くことがあります。しかも、IPアドレスで特定の閲覧を除外する仕組みには現時点で対応していないと書かれています。日本の企業ではメールの安全対策でリンクを自動で検査する設定が多いため、「送った直後に開かれた」という通知は、人の閲覧でない可能性を考えるべきです。
誰が見たかについても限界があります。一部の料金帯では、閲覧の前にメールアドレスの入力を求める設定ができ、閲覧者を識別できます。ただし公式のヘルプは、識別の出来事が記録されても、必ずしも別の人が見たことを意味しないと説明しています。相手の社内で提案書が転送されたかどうかは、閲覧データだけでは断定できないと考えてください。
閲覧の前にメールアドレスを入力させる設定は、相手の手間を増やし、決裁者への転送を妨げることもあります。日本の相手には、閲覧のたびに本人確認を求められることに抵抗を感じる人もいます。識別を求めるのは、契約書や価格の確定版など、誰が見たかが重要な文書に限るといった使い分けを決めておくと、相手の負担と自社の必要を釣り合わせられます。
MCPで外のAIから操作するときの線
Qwilr MCP は、Claude、ChatGPT、Cursor、Windsurf などのAIの道具から Qwilr を操作する入口です。公式の発表では、閲覧の分析、既存のテンプレートからの提案書の作成、提案書の公開と共有用のリンクやPDFの取得、CRMからの商談情報の取り込み、ページの削除・復元・一括の保管ができると説明されています。すべての料金帯で使え、テンプレートからの作成はクレジットを消費するとされています。
ここで注意したいのは、提案書の公開と削除までが外部のAIから行える点です。担当者が自分のAIの道具に「この商談の提案書を作って公開して」と頼めば、工程3の確認を飛ばして相手に送れる状態になります。外部のAIからの操作は、作成と分析までに限り、公開は Qwilr の画面で人が行うという運用の線を、試行の最初に決めておきます。
閲覧データを外部のAIに読ませる場合も、渡る情報を意識します。誰がどのセクションをどれだけ見たかは、相手の担当者の行動の記録です。社外のAIの道具に読ませるなら、その道具の契約で入力が学習に使われないことを確かめ、個人の閲覧を名指しで分析させず、提案書の型ごとの傾向を聞く使い方にとどめます。権限の設定や利用の上限は公開情報で確認できなかったため、契約前に確かめておきます。
データの置き場所と、AIの学習の扱い
Qwilr のプライバシーポリシーは、個人情報をオーストラリアで保管すると書く一方、第三者がオーストラリアの外で個人情報を保管・移転・閲覧することがあるとも書いています。日本の会社から見ると、提案書に含まれる相手の担当者の情報や、閲覧の記録が、外国にある事業者のもとで扱われることになります。個人情報保護法の外国にある第三者への提供の規律に当たるかどうかは、法務と確かめておきます。
AIの扱いについて、同じポリシーは、個人情報を学習に使うAIの提供元には入力しない、個人に重大な影響を与える判断にAIを使う場合は知らせ、人による監督を保つ、AIの出力を試験・監視し、リスクの評価を文書化する、と書いています。自社の提案書の作り方も、この考え方に合わせておくと、相手や監査から問われたときに説明がそろいます。
ただし、プライバシーポリシーは主にサイトの訪問者や利用者についての説明で、提案書の受け手の閲覧の記録をどう扱うかを細かく書いたものではありません。提案書の受け手の情報について、保管の国、再委託先、保存期間、解約時の削除の手順を、契約前に書面で確かめます。9月には提案書の成果や利用状況を書き出す機能が加わっているため、やめるときに手元に残すデータの範囲も、あわせて決めておきます。
導入前のチェックリスト
ここまでの4工程を踏まえ、Qwilr にAIで提案書を作らせる前に確かめる項目を一覧にします。全部が埋まってから、1つのチームで試行を始めるのが目安です。
- 提案書をWebページで送ることを、主な相手先と自社の法務が受け入れるか確かめた
- AIに渡してよい材料(CRMの商談情報、担当者のメモ、書き起こしの範囲)を決め、渡した範囲を記録する
- 録画の同意の案内文に、提案書の作成にAIを使うことを書いた
- 型の欄を「固定の文章」「AIが埋める欄」「AIに書かせない欄」に分け、価格と約束はAIの入力の対象から外した
- AIコンテキストには書き方の規則だけを書き、編集できる人と変更の記録の残し方を決めた
- 下書きの照合の順番と、価格と約束を確かめる承認者を決めた
- 閲覧の通知を誰が受け、何に使い、何に使わないかを営業の手順書に書いた
- 外部のAIからの操作は作成と分析までにし、公開は画面で人が行うと決めた
- 保管の国、再委託先、保存期間、解約時の削除の手順を、提供会社に書面で確かめた
試行の期間は2〜3か月を目安にし、提案書を送るまでの日数、送った後に相手から指摘された誤りの件数、承認で差し戻された件数を記録します。速くなった日数だけでなく、誤りと差し戻しが増えていないかを同じ重みで見て、範囲の拡大か中止かを判断します。
まとめ
Qwilr は、Web型の提案書と見積に、2026年に入ってAIの提案エンジン、商談の書き起こしの取り込み、外部のAIからの操作、AIへの共通の指示を加え、提案書づくりを大きく速くしようとしている製品です。ただ、提案書は相手の手元に残り、決裁の資料になる会社の文書です。材料にする書き起こしは人が選び、価格・条件・約束は型と承認で決めてAIに書かせない。AIの下書きは根拠の発言と照らして確かめ、送った後の閲覧データは型を直す材料として使う。この4工程の線を先に引いておけば、AIの速さを、相手の信頼を損なわずに受け取れます。
※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
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