広告表現で確認すべき項目一覧|景表法とステマ規制

広告表現で確認すべき項目一覧|景表法とステマ規制

広告表現のチェックというと、「言い過ぎていないか」を見る作業だと思われがちです。実際に問われるのはそこだけではありません。景品表示法が禁じるのは、品質や規格が実際よりも著しく優れていると誤認させる優良誤認表示と、価格などの取引条件が実際よりも著しくお得だと誤認させる有利誤認表示の2つが柱で、加えて2023年10月1日からは、広告であることを隠して一般消費者の口コミを装う行為がステルスマーケティングとして不当表示に位置づけられました。2024年10月1日には改正法が施行され、悪質な表示に対して措置命令を経ずに刑事罰を科す直罰の規定も導入されています。処分の実例を見ると、期間限定と表示したキャンペーンを期間後も継続した事案で5億5,274万円の課徴金納付命令が出ています。本記事では、2つの柱の考え方、ステマ規制で誰が問われるのか、PR表示の書き方、No.1表示の根拠、そして社内でのチェック項目までを実務の順序で整理します。


カメ先生カメ先生

広告表現のチェックで一番危ないのは、担当者が「これは大丈夫か」と迷った表現じゃないんだ。誰も疑問に思わなかった表現のほうが危ない。


カメ子カメ子

え、みんなが問題ないと思っている表現がですか。


カメ先生カメ先生

「業界No.1」とか「期間限定」とかね。使い慣れているから疑われない。でも根拠資料がなかったり、期間が過ぎても掲載が続いていたりする。


カメ子カメ子

指摘されないから正しい、というわけではないんですね。使い慣れた表現ほど、根拠を確認しておく必要がありそうです。


この記事のポイント
  • 景品表示法の柱は優良誤認表示と有利誤認表示。実際より著しく優れている・著しくお得だと誤認させる表示が対象になる
  • 2023年10月1日施行のステマ規制は、広告であることを隠す表示を禁止。規制の対象は発信者ではなく広告主である事業者
  • 2024年10月1日施行の改正法で直罰規定が導入。措置命令を経ずに刑事罰が科されうる仕組みになった

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目次

チェックの対象は「言い過ぎ」だけではない

広告表現の確認作業を、誇張のチェックだと捉えていると見落としが生まれます。景品表示法が問題にするのは、受け手が実際と違う認識を持つかどうかであり、表現が強いかどうかではありません。控えめな言い方でも、事実と食い違えば対象になります。

たとえば「導入企業500社」という表示は、誇張された言い回しではありません。しかし、その500社に無料トライアルだけの企業が含まれていれば、受け手の認識と実態がずれます。逆に「圧倒的な効果」という強い表現でも、それが主観的な感想であることが明らかな文脈なら、優良誤認とは判断されにくい場合があります。

したがって、チェックの問いは「強すぎないか」ではなく「この表示から読み手が受け取る事実は、実際と一致しているか」になります。この問いに変えるだけで、確認の精度が上がります。使い慣れた定型表現ほど、この問いを当てたときに根拠が出てこないことに気づくはずです。

優良誤認表示とは何か

1つ目の柱が優良誤認表示です。定義としては、品質や規格が実際よりも、あるいは他社よりも著しく優れていると誤認させる表示を指します。ポイントは「実際より」と「他社より」の両方が対象になることです。

実際の処分例として、飲料メーカーが2020年6月から2022年4月にかけて販売した商品で、メロンテイストの原材料表示によりメロン果汁が大部分を占めるかのように誤認させたものの、実際は約2%のみだったという事案があり、措置命令の対象となりました。表示そのものは嘘ではなくても、全体から受ける印象が実態と異なれば問題になることを示す例です。

「著しく」という語が入っている点も重要です。多少の誇張がすべて違法になるわけではなく、一般的な受け手の認識を基準として、実際との差が大きいかどうかで判断されます。ただし、この「著しく」の線引きを自社で楽観的に見積もるのは危険です。判断するのは書き手ではなく受け手であり、社内で共有されている前提知識は、読み手には備わっていません。

BtoBの広告に置き換えると、機能の一部だけを取り出して全体の性能であるかのように見せる表示、特定条件下でのみ達成できる数値を一般的な効果として示す表示が該当しやすくなります。導入効果を「作業時間を80%削減」と表示する場合、それが特定業務の特定条件下の数値なら、条件の明示が不可欠です。

有利誤認表示と課徴金の実例

2つ目の柱が有利誤認表示です。価格などの取引条件が、実際よりも、あるいは他社よりも著しくお得だと誤認させる表示を指します。値引き、キャンペーン、無料といった訴求が対象になりやすい領域です。

処分の実例として、2015年9月から2018年5月にかけて期間限定と表示したキャンペーンを期間後も継続していた事案があり、5億5,274万円の課徴金納付命令が出されています。課徴金は対象となる商品・役務の売上額に一定の率を乗じて算定されるため、販売規模が大きいほど金額も大きくなります。

この事例から学ぶべきは、広告を出す判断より、下ろす判断のほうが管理されていないという点です。キャンペーンの開始は誰かが決裁しますが、終了後に表示を取り下げる作業は担当者任せになりがちです。期間限定と書いた以上、その期間が終わったら表示を消す。この単純な工程が、社内の仕組みとして存在するかを確認してください。

2023年10月施行のステマ規制

2023年10月1日から、いわゆるステルスマーケティング規制が施行されました。対象は、広告であることを隠して一般消費者の口コミを装う行為で、これが不当表示として禁止されました。

処分の例も出ています。医療法人が2024年6月に、地図サービスへのPR投稿を依頼し、その対価として接種費用の割引を提供していた事案で行政処分を受けました。医療機関としては初の処分とされています。同年8月には、事業者がサービス内容について実態と異なる表示をしたうえ、インフルエンサーの投稿を広告表示なしで掲載していた事案でも処分が出ています。

注目すべきは、対価が金銭でなくても対象になる点です。割引、商品の無償提供、サービスの利用権——何らかの経済的な利益の提供があれば、事業者の表示と判断されうる構造になっています。「報酬を払っていないから広告ではない」という理解は、実務上通用しません。

規制されるのは誰か

ステマ規制について、実務で最も誤解が多いのがこの点です。規制の対象となるのは、投稿した発信者ではなく、広告主である事業者です。景品表示法は事業者による表示を規律する法律であり、依頼を受けて投稿したインフルエンサーや取引先の担当者が直接処分を受ける建て付けにはなっていません。

判断の分かれ目になるのは、事業者の関与の程度です。何の依頼も対価もなく、利用者が自発的に投稿した内容であれば、それは事業者の表示にはあたりません。一方で、内容や表現に指示を出している、投稿を条件に何らかの利益を提供している、下書きを事業者側で用意している——こうした関与があれば、事業者の表示として扱われる方向に傾きます。関与の記録が残っているかどうかも、後から説明する際の材料になります。

この構造が意味するのは、発信者に任せた結果として表示が漏れても、責任は依頼した側に残るということです。「相手が付け忘れた」という説明は成立しません。依頼の段階で表示の方法を指定し、掲載後に確認する工程まで含めて、事業者側の管理責任になります。

依頼した相手が処分を受けないからといって、関係が無傷で済むわけでもありません。行政処分が公表されれば、その投稿をした発信者の名前も文脈の中で語られます。依頼した側が管理を怠った結果、協力してくれた相手の評判を巻き添えにする——BtoBのように関係が長く続く取引では、この点の重さが特に大きくなります。

BtoBの文脈でも同じです。取引先に自社サービスの紹介投稿を依頼する、パートナー企業に事例として発信してもらう、社員に会社アカウントの投稿を拡散してもらう——対価や指示の関係があるなら、誰が投稿したかではなく、誰の表示として扱われるかで判断する必要があります。

PR表示はどこに、どう書くか

では、広告であることをどう示せばよいのか。実務上の注意として、「PR」「広告」といった表示を投稿の冒頭や画像内の目立つ位置に、スクロール不要で視認できる形で記載することが挙げられています。

よくある不十分な例は3つあります。投稿本文の末尾にハッシュタグとして小さく入れる、多数のハッシュタグの中に紛れさせる、「続きを読む」を押さないと見えない位置に置く。いずれも広告であることが一見して分からない状態であり、表示があっても要件を満たさない可能性があります。

表記の言葉づかいにも注意が要ります。「PR」「広告」「宣伝」は一般に認識されやすい語ですが、英語の略語や社内用語、あるいは事業者名だけを添える形では、広告であることが伝わらない可能性があります。受け手が一見して広告と分かる語を選ぶというのが基準で、凝った表現にする理由はありません。

判断の基準は形式ではなく、受け手が広告だと認識できるかどうかです。したがって、媒体ごとに適切な位置が変わります。テキスト主体の投稿なら冒頭、画像主体なら画像内、動画なら冒頭数秒と概要欄の両方。「どこに置けば読まれるか」という広告設計の発想をそのまま使うと、適切な位置が決まります。

BtoBの広告も対象になるのか

景品表示法の条文は「一般消費者」に対する表示を対象としています。ここから「BtoBは対象外」という理解が生まれがちですが、実務上はそう単純ではありません。

第一に、BtoBの商材であっても、個人事業主や小規模事業者が一般消費者と同様の立場で購入する場面があります。第二に、企業のウェブサイトやSNSは誰でも閲覧でき、対象読者を法人に限定することは事実上できません。第三に、景品表示法以外の規律——不正競争防止法における品質誤認表示や、取引先との関係における信義則の問題——は、相手が法人でも適用されます。

したがって、実務上の判断としてはBtoBだから緩めてよい、とは考えないほうが安全です。むしろBtoBでは、誤った表示が商談や契約の前提に影響するため、発覚したときの影響が大きくなります。契約後に「広告で見た機能がない」となれば、法規制以前に取引そのものが揺らぎます。

No.1表示とシェア表示の落とし穴

BtoBの広告で最も使われ、最も根拠が問われるのがNo.1表示です。実務上の注意として、「No.1」等の表現には専門機関による調査結果や統計データなど、客観的に実証されたものが必須とされています。

問題になりやすいのは、調査の設計です。対象範囲を極端に狭く設定した調査、回答者の選び方に偏りがある調査、比較対象の選定基準が不明確な調査——これらに基づくNo.1表示は、実証されたとは言いにくくなります。調査結果があること自体は、根拠として十分ではありません

BtoBでよく使われる「導入社数」「継続率」「シェア」も同じ性質を持ちます。導入社数に無料トライアルだけの企業を含めるか、継続率をどの期間で計算するか、シェアをどの市場定義で測るか——算定の定義次第で数字は大きく変わります。社内で定義を文書化し、表示のたびに同じ定義を使うことが、説明可能性の土台になります。数字を出すことより、その数字の作り方を説明できることのほうが重要です。

表示する際は、根拠を併記するのが基本です。調査の実施機関、調査期間、調査対象、比較の範囲。これらを注記として示せる状態になっていなければ、その表示は使わないほうが安全です。根拠を添えられない優位性の主張は、そもそも広告として弱いという点も、あわせて考える価値があります。

導入事例とお客様の声の書き方

BtoBの広告で頻繁に使われる導入事例も、確認が必要な領域です。実在する顧客の声であれば問題ないと考えられがちですが、いくつか注意点があります。

第一に、個別の事例を一般的な効果として示さないことです。ある顧客で作業時間が半減したという事実があっても、それを「導入すれば作業時間が半減します」と表示すれば、優良誤認の問題が生じます。事例として示す場合は、その企業の条件と結果であることが分かる形にします。

この点は、事例記事の見出しの付け方に直結します。「導入3か月で問い合わせが2倍に」という見出しは、その企業の実績としては正確でも、記事全体が汎用的な効果の約束として読まれる構成になっていれば問題が生じます。企業名・業種・規模・導入前の状況を明示し、個別の条件下での結果であることが読み取れる形にしてください。事例の説得力も、この情報があるほうが上がります。

第二に、掲載の許諾と内容の確認です。顧客が語った内容を編集する過程で、実態より強い表現に変わることがあります。掲載前に本人の確認を取る工程は、法令対応としてだけでなく、関係の維持のためにも必要です。第三に、対価を伴う事例の扱いです。掲載の見返りに割引や特典を提供している場合、それが第三者の自主的な発信に見えるなら、ステマ規制の論点になり得ます。

比較広告と期間限定表示

競合との比較を含む広告も、根拠が問われる領域です。比較する場合は、比較の対象、時点、条件を明示する必要があります。「他社より安い」という表示は、いつ時点のどの製品との比較かが示されていなければ検証できません。他社が価格を変更した後も表示を続ければ、有利誤認の状態になります。

期間限定・数量限定の表示についても同様です。前述の課徴金の事例が示すとおり、期間を過ぎたあとも掲載を続ければ処分の対象になります。あわせて、在庫切れ時には速やかに広告を取り下げるか、完売した旨を明示することが必要とされています。

さらに、利用制限の明示も求められます。「24時間使い放題」といった訴求に実際は制限がある場合、その制限を適切な文字サイズで明記する必要があります。小さな注記で済ませられるかどうかは、文字サイズと配置で判断されるという点を押さえてください。読めない大きさの注記は、注記として機能しません。

2024年改正で何が変わったか

2024年10月1日、改正景品表示法が施行されました。実務に影響する変更点の1つが、悪質な表示に対して措置命令を介さず即座に刑事罰を科す直罰の規定が導入されたことです。

従来の流れでは、違反があった場合にまず措置命令が出され、それに従わない場合に罰則という段階を踏んでいました。直罰の導入により、この段階を経ずに刑事罰の対象となる場合が生じます。「指摘されたら直せばよい」という前提が成り立たなくなったという理解が必要です。

あわせて、事業者が自主的に是正措置を申し出て認定を受ける手続きも整備されています。違反の疑いを指摘された段階で、自ら改善計画を出して認定されれば、措置命令や課徴金納付命令を受けずに済む道が用意された形です。問題に気づいたときに、迅速に自ら動くことの価値が高まったと言えます。

薬機法など他の法令との重なり

景品表示法だけを見ていれば足りるわけではない点にも触れておきます。扱う商材によっては、別の法令が同時に適用されます。健康や美容に関わる商材なら医薬品医療機器等法、食品なら食品表示法、金融商品なら金融商品取引法といった具合です。

BtoBのサービスでも無関係ではありません。人材関連なら職業安定法、通信や電気の取次なら特定商取引法、士業への紹介を含むなら各業法。「うちはBtoBのソフトウェアだから広告規制は景表法だけ」と決めつけると、業界固有の規律を見落とします。取り扱う商材の周辺法令を、一度洗い出しておく価値があります。

複数の法令が重なる場合、判断の基準は最も厳しいものに合わせます。景表法では許容される表現でも、業法で禁止されていれば使えません。チェックの起点は法令ごとではなく、商材ごとに用意する——商材別のチェックリストを持つ形にすると、確認の抜けが減ります。

違反が疑われたときの流れ

実際に問題が指摘された場合、どのような流れになるのかを把握しておくと、社内での説明がしやすくなります。

段階内容実務上の対応
情報の端緒消費者からの申出、行政の調査、報道など指摘内容を記録し、該当表示を速やかに確認
調査・報告徴収表示の根拠となる資料の提出を求められる根拠資料を整理して提出(不備は不利に働く)
措置命令表示の差止め、再発防止策、公表が命じられる命令内容を実行し、社内へ周知
課徴金納付命令対象期間の売上額に基づき算定される算定期間と対象売上の確認
直罰悪質な場合は措置命令を経ずに刑事罰初期段階での自主的な是正が重要

この表で最も重要なのが2段階目です。根拠となる資料を提出できるかどうかが、その後の展開を大きく左右します。表示を作った時点で根拠資料を保存していなければ、後から集めることは困難です。とくに調査データや実測値は、時間が経つと再現できません。

3段階目の措置命令には、公表が伴います。企業名と違反の内容が公になるため、取引先や求職者の目にも触れます。金銭的な負担は課徴金ですが、事業への影響は公表のほうが大きいという声は少なくありません。BtoBでは、既存顧客からの問い合わせ対応にも工数が発生し、進行中だった商談が止まることもあります。営業部門への説明資料まで含めて、事後の対応コストを見積もっておく必要があります。

実務としての備えは単純で、根拠を要する表示については、表示と根拠資料をセットで保存するルールを作ることです。広告原稿のファイルと同じ場所に、根拠となる調査結果や実測データを置いておく。この習慣だけで、いざというときの対応力が変わります。

広告を出す前のワークフロー

チェック項目を並べても、確認する工程が業務に組み込まれていなければ機能しません。制作から公開までの流れに、確認のタイミングを埋め込む形にします。

STEP1
表現の棚卸しを制作段階で行う

原稿ができた時点で、根拠が必要な表現に印を付けます。数値、比較、最上級表現、期間や数量の限定——この4種類を拾えば大半をカバーできます。

STEP2
根拠資料を表現ごとに紐づける

印を付けた表現それぞれについて、根拠となる資料の所在を記載します。ここで資料が出てこない表現は、この時点で書き換えます。公開後に探しても間に合いません。

STEP3
表示の位置と大きさを確認する

注記や広告表示が、スクロールせずに視認できる位置にあるか、読める文字サイズかを実機で確認します。デザインデータ上ではなく、実際の表示環境で見ることが重要です。

STEP4
終了日と取り下げ担当を登録する

期間や数量に限定がある表示は、終了予定日と取り下げを実行する担当者を予定表に登録します。公開の作業とセットで行います。

STEP5
公開後に第三者の投稿を確認する

インフルエンサーや取引先に依頼した投稿については、公開後に自社で内容と広告表示を確認します。依頼して終わりにしないことが、事業者側の管理責任を果たす形になります。

この5工程のうち、多くの企業で欠けているのは2つ目と4つ目です。根拠資料の紐づけと、終了日の登録。どちらも作業としては数分ですが、これがないまま数年運用すると、根拠不明の表現と期限切れの表示が蓄積します。

なお、この工程は法務部門がある企業だけのものではありません。むしろ専任の確認者がいない組織ほど、工程として明文化しておく価値があります。誰かが気づくことを前提にした運用は、忙しい月に必ず破綻します

社内チェックの項目一覧

ここまでの内容を、広告を出す前に確認する項目としてまとめます。制作物の種類を問わず使える形にしてあります。

  • この表示から読み手が受け取る事実は、実際と一致しているか
  • 数値や効果を示す表示に、条件(対象範囲・前提・期間)が明示されているか
  • No.1やシェアの表示に、客観的な調査結果の裏づけと出典の注記があるか
  • 個別の事例が、一般的な効果であるかのように読めていないか
  • 比較広告に、比較の対象・時点・条件が示されているか
  • 期間限定・数量限定の表示に、終了後の取り下げ手順が決まっているか
  • 対価を伴う第三者の発信に、広告であることの表示が冒頭・目立つ位置にあるか
  • 根拠となる資料が保存され、後から提出できる状態になっているか

この8項目のうち、実際の運用で漏れやすいのは6つ目と8つ目です。どちらも「出すとき」ではなく「出したあと」の管理に関わる項目だからです。制作時のチェックリストには載っていても、公開後の管理まで含めた運用にはなっていないことが多くあります。

  • 根拠が必要な表現は4種類——数値、比較、最上級、期間や数量の限定。この4つに印を付ける
  • 根拠資料は広告原稿と同じ場所に保存し、後から提出できる状態にする
  • 注記や広告表示は、実機の表示環境で視認性を確認する
  • 期間限定の表示は、公開時に取り下げ予定日と担当者を予定表へ登録する
  • 過去の素材を使い回す前に、数値の現在値を再確認する
  • 外部への依頼は、根拠資料の用意者と広告表示の方法を発注書に明記する

対策としては、期間の設定がある表示について、公開時に取り下げ予定日を予定表へ登録する運用が有効です。担当者の記憶ではなく、カレンダーに残す。広告の掲載開始と同じ重さで、掲載終了を管理するという発想の転換が必要です。

外注先・発信者との取り決め

最後に、外部との関係についてです。制作会社、広告代理店、インフルエンサー、取引先——広告表現に関わる相手が増えるほど、管理の抜けが生まれます。

発注時に取り決めておくべきは3点です。第一に、表示の根拠が必要な表現を使う場合、根拠資料を誰が用意するか。第二に、広告であることの表示をどの位置にどう記載するか。第三に、掲載後に自社が内容を確認する工程を入れるかどうかです。

  • 表現の最終確認を制作会社に任せ、自社では内容を検証していない
  • インフルエンサーへの依頼で、広告表示の方法を指定せず相手の判断に委ねている
  • 取引先による紹介投稿に対価を提供しているが、広告表示の有無を確認していない
  • 過去に作った広告素材を、根拠資料を再確認せずに使い回している
  • キャンペーンの終了後、掲載中の広告を洗い出す手順が決まっていない

5つのうち4つ目は、BtoBで特に起きやすい失敗です。数年前に作成した資料や広告素材に含まれる「導入社数」「シェア」「効果」の数値が、現在も正しいとは限りません。使い回す前に、数値の現在値を確認する工程を入れてください。古い数値を掲げ続けることは、意図せざる不当表示につながります。

そして、これらの取り決めは口頭ではなく発注書や仕様書に記載します。責任の所在が曖昧なまま進めると、問題が起きたときに対応が遅れます。前述のとおり、表示に関する責任は最終的に広告主である事業者に残ります。だからこそ、外部に任せる範囲と自社が確認する範囲を、書面で分けておく必要があります。

まとめ

広告表現のチェックは、誇張の有無を見る作業ではなく、表示から読み手が受け取る事実が実際と一致しているかを確かめる作業です。景品表示法の柱は、品質や規格が実際より著しく優れていると誤認させる優良誤認表示と、取引条件が実際より著しくお得だと誤認させる有利誤認表示の2つ。実例では、原材料の実際の配合が約2%であるのに大部分を占めるかのように示した事案で措置命令が、期間限定と表示したキャンペーンを期間後も継続した事案で5億5,274万円の課徴金納付命令が出ています。2023年10月1日からは、広告であることを隠して口コミを装う行為がステマ規制の対象となり、規制されるのは発信者ではなく広告主である事業者です。2024年10月1日施行の改正では、措置命令を経ずに刑事罰を科す直罰の規定も導入されました。実務で漏れやすいのは、出すときではなく出したあとの管理——期間終了後の取り下げと、根拠資料の保存です。まずは現在公開中の広告と資料を並べ、期間限定の表示が残っていないか、数値の根拠が手元にあるかを確認してみてください。多くの場合、そこに直すべきものが見つかります。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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