法人番号で取引先情報を整える方法|名寄せの軸をひとつに

法人番号で取引先情報を整える方法|名寄せの軸をひとつに

「同じ会社が名簿の中で何件にも分かれている」「結局、何社に届いているのかを数えられない」——名簿を預かる担当者が最初に気づく詰まりです。原因は入力の雑さではありません。会社名そのものが表記の揺れる項目で、突合の軸に向いていないためです。この記事では、公表されている法人番号を軸に置き換える手順と、番号を付けられない相手の扱いを整理します。


カメ先生カメ先生

名簿が二重になる現象はね、入力の間違いだと思われがちだが、会社名を軸にしていること自体が原因なんだ。


カメ子カメ子

会社名なら、ひとつに決まるのではないのですか。


カメ先生カメ先生

前の株が省かれたり、カタカナで書かれたりする。人の目には同じでも、機械には別の会社に見える。国が公表している番号を軸にすると、この揺れが消えるんだ。


カメ子カメ子

揺れない項目に置き換えるという考え方ですね。番号の入手先から確かめます。


この記事のポイント
  • 法人番号は13桁で、国税庁のサイトで商号と本店の所在地とともに公表されている
  • 会社名と所在地を書いたファイルを渡すと番号を付けてくれる仕組みがある
  • 番号は法人単位。支店や事業所には固有の番号が付かないため、別の管理が要る

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目次

名簿が二重になる原因

同じ会社が複数の行に分かれる原因は、入り口の多さです。問い合わせの様式から入った分、催しの申込から入った分、名刺を読み取って入れた分、営業が手で入力した分。入り口ごとに表記の作法が違うため、同じ会社が別の名前で入ります

様式で自由に入力させている場合、揺れは避けられません。前株か後株か、括弧を使うか、空白を入れるか、カタカナか英字か。入力する人によって、同じ会社が何通りにも書かれます。

さらに、会社そのものが変わることもあります。社名の変更、合併、本店の移転。過去の名簿には旧社名で入っているのに、新しい問い合わせは新社名で入る。表記の揺れに加えて、時点の違いが重なります。

この状態が続くと、実務に具体的な支障が出ます。同じ会社に別々の担当が接触する。配信が重複して届く。商談の履歴が分散して見えない。名簿の件数が実際の取引先の数より大きく膨らむため、目標の設定も狂います。

会社名は突合の軸に向かない

突合の軸として会社名を使うと、必ず取りこぼしが出ます。文字の違いを吸収する処理を入れても、略称や通称までは追いきれません。同じ会社が違う名前で呼ばれている場合、文字の比較では結びつきません。

メールの宛先を軸にする方法もありますが、こちらは別の問題が生じます。1つの会社に複数の担当者がいるのは正常な状態であり、宛先で束ねると会社単位の把握ができません。宛先は人の軸、会社の軸は別に要ります。

サイトの住所を軸にする方法は、会社単位で見るには有効です。ただし、入力してもらえないことが多く、グループ会社が同じサイトを共有している場合もあります。入力の負担が増える割に、精度が上がりきりません

そこで使えるのが、国が法人ごとに指定している番号です。1つの法人に1つだけ与えられ、原則として変わりません。表記の揺れにも社名の変更にも影響されない軸になります。

法人番号という共通の軸

この番号は13桁で、設立の登記をした法人、国の機関、地方の公共団体などに指定されます。商号または名称と、本店または主たる事務所の所在地とともに公表されています。誰でも調べられる情報です。

公表されているという点が重要です。個人に関する番号とは扱いが根本的に違い、法人の番号は自由に収集し、利用し、システムに保存できます。利用の制限がないため、軸として使いやすい性質を持ちます。

番号は原則として変わりません。社名を変えても、本店を移しても、同じ番号が使われ続けます。社名の変更で名簿が分かれる問題が、この軸なら起きません

一方で、合併して法人が消滅した場合はその番号も使われなくなります。公表の情報には登記の状態が反映されるため、番号を持っておけば、その会社が今も存続しているかも確かめられます

どこで手に入るのか

入手の経路は2つあります。第1に、国税庁が運営する公表のサイト。番号、商号または名称、本店の所在地を検索して調べられます。まとめて取得するための仕組みも用意されています

第2に、行政が持つ情報を法人番号を軸に集約したサイトです。こちらでは、番号と基本の情報に加えて、補助金の交付の実績、各種の届出や認定、財務に関する情報、職場の状況といった情報が得られます。

後者は、取引先の状況を知るうえで有用です。どういう認定を受けているか、どういう補助の対象になったか。商用のデータでは見えない行政との接点が分かります。提案の材料としても使えます。

いずれも、まとめて取得するための仕組みが用意されています。自社の仕組みから定期的に問い合わせて情報を更新する形も作れます。最初は手作業で試し、有効性を確かめてから自動化する順序が無理がありません。

番号を付けるツールの使い方

既存の名簿に番号を付ける作業は、1件ずつ検索していては終わりません。会社名と所在地を書いたファイルを渡すとまとめて番号を付けてくれる仕組みが用意されています。数千件の名簿でも一度に処理できます

渡すファイルの形式には決まりがあります。区切りのある形式のファイルで、文字の符号化の方式も指定されています。表計算の道具から書き出すときに方式を選び間違えると、会社名が読めない状態になって処理できません。

精度を上げるには、所在地も一緒に渡します。同じ会社名の法人が複数存在するのは珍しくないため、会社名だけでは一意に定まらない場合があります。所在地があれば、都道府県や市区の情報で絞り込めます。

STEP1
名簿から会社名と所在地を書き出す

会社名と、分かる範囲の所在地を並べたファイルを作ります。担当者名や宛先は含めません。

STEP2
指定の形式で保存する

区切りのある形式で保存し、指定された文字の符号化の方式を選びます。

STEP3
まとめて番号を付ける

ファイルを渡して処理し、番号が付いた結果を受け取ります。

STEP4
付かなかった行を手作業で確かめる

付与できなかった行を抽出し、名前の表記や所在地を直して再度試すか、個別に検索します。

4つ目の工程を省くと、整備の効果が半減します。付かなかった行にこそ、表記が特殊な取引先や、重要な顧客が含まれていることがあります。件数が少ないなら手作業で埋めてください。

番号を付けられない場合

付与できない相手も一定数います。第1に、個人で事業を営んでいる相手。個人事業主には法人番号が指定されません。第2に、法人ではない任意の団体。第3に、社名の表記が実際の登記と大きく違う場合です。

第1の個人事業主は、法人向けの事業でも一定の割合で含まれます。この場合、番号による突合はできないため、別の軸で管理する必要があります。名簿の中で区分を分けておくのが実務的な対処です。

第3の表記の違いは、通称や略称で入力されている場合に起きます。「〇〇コーポレーション」と入力されているが登記上は別の名称、といった形です。この場合は個別に検索して正式な名称を確かめる必要があります

付けられなかった行の扱いも決めます。空欄のまま残すのか、「対象外」と明示するのか。空欄のままにすると、付け忘れなのか対象外なのか区別できません。区別できる形にしておいてください。

支店や事業所は分けられない

番号は法人の単位で指定されます。支店や工場、営業所には固有の番号が付きません。同じ法人の複数の拠点は、すべて同じ番号になります。この性質は、法人向けの事業では重要な制約になります。

拠点ごとに別の商談が動く事業では、番号だけでは管理できません。番号を法人の軸として持ち、そのうえで拠点の情報を別の項目として持つ二層の構造が必要です。

この構造にしておくと、見え方が良くなります。「この法人には全国5拠点と取引があり、合計の取引額はこれだけ」という把握ができる。拠点単位で分散していた情報が、法人単位で束ねられます

グループ会社の扱いも決めておきます。親会社と子会社は別の法人なので、別の番号が付きます。グループとして束ねたいなら、グループの識別のための項目を自社で作る必要があります。番号だけでは束ねられません。

番号の形と扱い方

番号は13桁の数字で構成されています。先頭の1桁は検査のための数字で、残りの12桁が登記に用いられる番号などに対応する形です。この構造を知っていると、桁数の誤りに気づけます。12桁や14桁の値が入っていれば、明らかな誤りです。

扱い方で注意が必要なのは3点です。第1に、先頭が0で始まる番号もあるため、数値として扱うと桁が落ちます。第2に、ハイフンや空白を入れないこと。第3に、全角の数字が混ざらないようにすることです。

よくある誤り起きること対処
数値として扱う先頭の0が落ちて12桁になる文字として扱う設定にする
ハイフンを入れる突合のときに一致しない数字だけを保持する
全角の数字が混ざる見た目は同じでも別の値になる入力の段階で半角に変換する
桁数が足りない値が入る存在しない番号として扱われる13桁かを検査する仕組みを入れる

表の4行目については、入力や取り込みの時点で桁数を確かめる仕組みを入れておくと、誤った値が名簿に入り込むのを防げます。検査は桁数と数字のみかどうかの2点で足ります。厳密な検査までは不要です。

外部から名簿を受け取る場合も、この4点を確かめてから取り込みます。相手の側で数値として扱われていた名簿は、桁が落ちた状態で届きます。届いた時点で桁数を数えるだけで気づけます。

名寄せの手順

番号が付いたら、名寄せに進みます。手順は、同じ番号の行を抽出し、どの行を残すかを決め、残す行に情報を統合する、という流れです。機械的に消すのではなく、統合するのが要点です。

残す行の決め方には基準が要ります。最も新しく更新された行、最も情報が埋まっている行、取引の履歴が紐づいている行。自社の運用に合わせて基準を1つ決め、全件に同じ基準を当てます。

統合するときに失われやすいのが、担当者の情報です。同じ会社の別の担当者が別の行に入っていた場合、会社の行を統合すると担当者が消えることがあります。人の情報は別の層で保持してください。

配信の解除の状態も引き継ぎます。解除を申し出た宛先が統合の過程で復活すると、解除の意思を無視した配信になり、信頼と法令の両面で問題になります。統合の処理では、解除の状態を最優先で保持する設計にします。

統合の作業は、いきなり全件に当てないでください。まず100件ほどで試し、結果を目で確かめます。意図しない統合が起きていないか、情報が失われていないかを見る。問題がなければ範囲を広げます。統合は元に戻すのが難しい処理なので、処理の前の状態を別に保存しておくことも忘れないでください。何かあったときに戻せる状態を作ってから着手します。

突合の精度を上げる工夫

精度を上げる工夫は3つあります。第1に、入力の段階で表記を揃える。様式に候補を出す仕組みを入れ、自由入力の余地を減らします。第2に、所在地を必須の項目にする。第3に、定期的に番号の付与を回す。

第1の工夫が最も効きます。入力の時点で正式な名称を選んでもらえれば、後の整備がほぼ不要になります。会社名を入力すると候補が出る仕組みは、公開されている情報を使って自社で作ることもできます。

第3の定期的な処理は、月に一度で足ります。前月に増えた行に対して番号を付ける処理を回す。溜めてから一括で処理すると、付かなかった行の確認が大変になります。少しずつ回すほうが負担が軽くなります。

加えて、所在地の書き方を揃える前処理も効きます。都道府県から書いてある行と市区から書いてある行が混ざっていると、同じ場所を指しているのに一致しないことがあります。都道府県から始まる形に揃えるだけで精度が上がります。番地や建物名までは不要で、市区町村まであれば十分に絞り込めます。

整備の効果をどう測るか

整備には手間がかかるため、効果を示せる形にしておきます。測る指標は3つです。第1に、重複を除いた実際の取引先の社数。第2に、1社あたりの接点の数。第3に、配信の重複が届いた件数です。

第1の社数は、整備の前後で必ず減ります。「名簿は5,000件あったが、実際の法人は3,200社だった」という結果が出ます。この数字は、目標の設定を現実に合わせる材料になります。

第2の1社あたりの接点の数は、整備によって初めて見えます。同じ法人に複数の担当者がいる、複数の拠点と取引がある。束ねて見ると、既存の顧客の中に広げる余地が見つかります。新規の獲得より効率のよい機会です。

  • 整備の前に、名簿の件数と推定の社数を記録しておく(後から効果を示せる)
  • 重複を除いた社数は減る。減ったことを問題として報告しない
  • 1社あたりの接点の数は、既存の顧客に広げる余地を示す指標になる

第3の配信の重複は、受け取る側の不満につながる部分です。同じ会社の同じ人に2通届く、同じ会社の別の人にそれぞれ届く。後者は必ずしも問題ではありませんが、内容が同じなら整理の余地があります

公開されている情報を足す

番号を軸にすると、公開されている情報を紐づけられます。本店の所在地、登記の状態、行政との接点。自社が持っていない情報を、無償で足せるのが大きな利点です。

実務での使い道は3つあります。第1に、名簿の鮮度の確認。所在地が変わっていれば、自社の名簿も古い可能性があります。第2に、存続の確認。第3に、提案の材料としての利用です。

第3については、どういう認定を受けているか、どういう補助の対象になったかが分かると、その会社が何に取り組んでいるかが推し量れます。商談の前に相手の関心を知る材料になります

ただし、得られる情報の範囲と鮮度には限界があります。すべての法人について詳しい情報が揃っているわけではありません。補助的な材料として使い、これだけで判断しない姿勢が必要です。

取得の頻度も決めておきます。毎日取りに行く必要はなく、半年に一度、保持している番号についてまとめて更新すれば足ります。更新の日付を一緒に記録しておけば、情報の古さが分かります。日付のない情報は、いつの時点のものか分からないため判断の材料として使いにくくなります。取得した日を必ず一緒に持たせてください。

どこに持たせるか

番号を保持する場所は、顧客の情報を管理する仕組みの中に置きます。配信の道具の側だけに持たせると、営業の側で使えないため効果が半分になります。両方で参照できる形にしてください。

項目としては、数字だけを保持する形にします。ハイフンや空白を入れると、突合のときに一致しません。また、先頭の桁が落ちないよう文字として扱う設定にしておく必要があります。

表計算の道具で扱う際は特に注意が要ります。13桁の数字をそのまま入れると、数値として解釈されて表示が崩れたり、先頭の桁が失われたりします。文字として扱う設定を先に済ませてください。

複数の仕組みで持つ場合は、どちらが正となるかを決めます。正となる場所を1つ決め、他はそこから同期する。両方で編集できる形にすると、内容が食い違います。

社名の変更や合併への対応

番号を軸にする利点が最も発揮されるのが、会社が変わったときです。社名が変わっても番号は同じなので、公表の情報を定期的に照合すれば、社名の変更を自動で検知できます

運用としては、半年に一度、保持している番号について公表の情報を取得し、自社が持っている社名や所在地と比べます。違いがあれば、変更があったということです。

合併で法人が消滅した場合は、公表の情報にその状態が反映されます。この検知は営業にとって重要な情報です。消滅した法人に営業を続けていた、という無駄を防げます

検知したときの処理も決めます。旧社名を履歴として残すのか、上書きするのか。旧社名を残しておくと、過去の資料や商談の記録と突き合わせられます。履歴を持つ設計をすすめます。旧社名で検索しても該当の会社が見つかる状態にしておくと、現場の混乱を避けられます。営業が古い名刺を持っている場面は珍しくありません。

やってはいけない使い方

番号自体は公表の情報ですが、使い方によっては問題が生じます。第1に、番号を軸に集めた情報を、当初に伝えた目的の範囲を超えて使うこと。第2に、名簿を他社に渡すこと。第3に、根拠のない推測を情報として持つことです。

第1については、番号は法人の情報ですが、紐づけられた担当者の情報は個人に関する情報です。整備の過程で個人に関する情報の利用の目的を外れないよう注意が必要です。

第3の推測については、「この認定を受けているから予算がある」といった推測を確定した情報として名簿に書き込まないことです。推測は推測として区別できる形で持つ。後任が事実として扱うと、誤った判断につながります。

  • 番号にハイフンを入れて保持し、突合のときに一致しない
  • 表計算の道具で数値として扱い、先頭の桁を失う
  • 統合の処理で、配信の解除の状態を引き継がない
  • 付与できなかった行を空欄のまま残し、対象外との区別がつかない
  • 推測した情報を、確定した事実として名簿に書き込む

この5つのうち、3つ目が最も影響が大きい形です。解除の意思を無視した配信は、信頼を失うだけでなく法令の面でも問題になります。統合の処理を設計する段階で、必ず確かめてください。解除の状態は、統合の後に必ず抽出して処理の前と件数が一致するかを数えます。件数が減っていれば、どこかで失われています。

確認する項目一覧

整備を始める前と、運用に乗せた後の両方で使える一覧をまとめます。すべて埋まってから本格的な整備に入ると、やり直しが避けられます。

  • 番号を保持する項目を、文字として扱う設定で作ったか
  • 会社名だけでなく所在地も渡して、付与の精度を上げたか
  • 付与できなかった行を抽出し、対象外との区別ができる形にしたか
  • 個人で事業を営む相手を、別の区分として管理しているか
  • 拠点の情報を、法人の軸とは別の項目で持っているか
  • 統合の処理で、配信の解除の状態を最優先で引き継ぐ設計にしたか
  • 半年ごとに公表の情報と照合し、社名の変更を検知する運用を決めたか
  • 旧社名を履歴として残す形にしたか

この8点のうち、5点目と6点目が設計に関わる部分です。後から直すのが最も大変なので、整備を始める前に必ず決めてください

一覧は、整備を担当する人と仕組みを触る人の両方で共有します。設計に関わる項目は仕組みを触る人が、運用に関わる項目は担当する人が埋める。片方だけで進めると、必ずどこかが抜けます。整備は一度で終わる作業ではなく、月ごとに回す運用になるため、誰が何を続けるのかまで決めておいてください。

まとめ

同じ会社が名簿の中で何件にも分かれるのは、会社名を突合の軸にしているためです。国が法人ごとに指定している13桁の番号は、商号と本店の所在地とともに公表されており、自由に収集して利用できます。会社名と所在地を書いたファイルを渡せばまとめて番号を付ける仕組みも用意されています。ただし番号は法人の単位なので、支店や事業所は別の項目で管理する必要があります。整備の要点は、文字として保持すること、付与できなかった行を区別できる形にすること、そして統合の処理で配信の解除の状態を引き継ぐこと。この3つを外さなければ、名簿は確実に整います。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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