代行で送るメールが弾かれる原因|認証をそろえる設計

「自社のメールソフトからは届くのに、配信の道具から送ると迷惑メールの箱に入る」「案内どおりに設定したのに直らない」——外部の仕組みからメールを送る企業でよく起きています。原因は、文面でも宛先でもありません。受信側が見ているのは、その場所から送る許可が出ているかどうかです。この記事では、許可の確かめられ方と、設定をそろえる順番を整理します。
カメ先生メールが弾かれるのはね、内容が悪いからだと思われがちだが、多くは差出人の名前と、実際に送っている場所がそろっていないからなんだ。
カメ子差出人が自社になっていれば、自社から送ったことになるのではないのですか。
カメ先生ならない。受信側は、その場所に送る許可が出ているかを別の記録で確かめる。そこに載っていなければ、名前が正しくても弾かれる。
カメ子名前ではなく所在を見ているのですね。そろえ方を知りたいです。
- 受信の側は、その所在から送る許可があるかを記録で確かめている
- 送信元の記録には参照の回数に上限がある。道具を増やすと超える
- 代行で送る場合、そろいが取れずに失敗することがある
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自社からは届くのに、道具から送ると届かない
この症状は、配信の道具を導入した直後によく起きます。試験の送信は届いた。本番で1,000件送ったら、半分が届いていない。あるいは、特定の会社のドメイン宛だけが全滅する。文面を疑って書き直しても改善しません。
原因が認証にある場合、文面をいくら直しても解決しません。受信の側は本文を読む前の段階で判断しています。「この所在の名前でこの場所から送ることは許可されているか」という確認です。
確認に失敗すると、扱いは受信の側の方針で決まります。迷惑メールの箱に入れる、警告の表示を付ける、受け取らずに返す。どの扱いになるかは受信の側が決めるため、こちらからは制御できません。
厄介なのは、一部だけが届く形になることです。全滅すれば気づきますが、半分届いていると「反応が悪い」という受け取り方をしてしまいます。件名を変えたり送る時間を変えたりして、原因から遠ざかっていきます。
したがって、配信の成績が悪いときは文面の前に認証を確かめます。確かめる手段は無料で使えるものがあり、数分で結果が分かります。以下では、何がどう確かめられているのかを順に見ていきます。
差出人が自社でも、送っているのは別の場所
仕組みの理解から始めます。配信の道具を使うとき、差出人の欄には自社の所在を書きます。しかし、実際にメールを送り出しているのは配信の道具の設備です。
受信の側から見ると、「自社の名前を掲げた見知らぬ場所からの送信」です。この形は、なりすましと見分けがつきません。だから確認の仕組みが必要になります。
確認の仕組みは、自社の所在の情報を管理する記録に「この場所からの送信を許可する」と書いておく形で成り立ちます。受信の側はその記録を読み、書かれていれば正当な送信と判断します。
配信の道具の案内に従って記述を追加する作業は、この許可を書く作業です。作業そのものは難しくありません。問題は、道具が増えたときと、書き方が正しくないときに起きます。
なお、この記録を触るには所在の情報を管理する権限が必要です。情報システムの部門や所在を取得した業者が管理していることが多いでしょう。依頼する形になるため、何を依頼するかを正確に伝えられることが実務では重要になります。
三つの仕組みの役割
認証の仕組みは、大きく三つあります。役割が違うため、一つだけでは足りません。送信元の許可、署名による証明、そして方針の宣言です。
| 仕組み | 役割 | たとえるなら |
|---|---|---|
| 送信元の許可(SPF) | この場所から送ってよいと記録に書く | 差出人の住所の届け出 |
| 署名による証明(DKIM) | 本文と差出人に署名を付ける | 封筒の封印 |
| 方針の宣言(DMARC) | 確認に失敗したときの扱いを指示する | 不審な封書の扱いの指示 |
一つ目は、送り出す場所を許可の一覧に載せる仕組みです。配信の道具を使うなら、その道具の設備を一覧に加えます。追加は、指定された記述を自社の記録に書く形で行います。
二つ目は、送るメールに署名を付ける仕組みです。署名を確かめる鍵は自社の記録に置きます。この仕組みは、途中で本文が書き換えられていないことも示せます。
三つ目は、確認に失敗した場合の扱いを指示する仕組みです。何もしない、迷惑として扱う、受け取らない。自社の方針として宣言できます。あわせて、失敗の状況を報告してもらう設定もできます。
送信元の記録は10回の参照で打ち切られる
ここから、つまずきやすい点に入ります。送信元の許可の記録には、参照を10回までに収めるという上限があります。この上限を超えると、確認は失敗として扱われます。
なぜ参照が発生するのか。許可の一覧に配信の道具を加えるとき、多くの場合その道具の側の記録を参照する形で書きます。自社の記録に「この道具の記録も見てください」と書くわけです。
参照された先でさらに参照が発生することもあります。道具を三つ追加しただけで、実際の参照回数が10回に達することがあります。自社の記録を見ただけでは回数が分かりません。
超えているかどうかは、確認の道具で調べられます。自社の所在を入れると、参照の回数と上限に対する余裕が表示されるものがあります。無料で使えるものがあり、数分で結果が出ます。
上限を超えていると、送信の一部または全部が確認に失敗します。厄介なのは、この失敗が受信の側によって扱いが違うことです。問題なく届く相手と全滅する相手が混在し、原因の切り分けが難しくなります。
参照が増える原因
参照が増える主な原因は、送信の経路が増えていくことです。メールの仕組み、配信の道具、顧客管理の道具、問い合わせの仕組み、請求の仕組み。それぞれが自社の名前でメールを送ります。
経路が増える過程には、特徴があります。一つずつ、別の担当が、別の時期に追加していく。追加するときは案内どおりに記述を足すため、その時点では問題が起きません。
問題が出るのは、何番目かの追加のときです。追加した本人は自分の作業を疑いますが、原因は積み上がった全体にあります。だから、追加するたびに全体の参照回数を確かめる習慣が必要です。
使わなくなった道具の記述が残っていることも多いです。解約した配信の道具、使わなくなった問い合わせの仕組み。記述を消していなければ、参照の回数を無駄に消費し続けます。
さらに、同じ道具を複数の記述で追加している例もあります。担当が代わって既に追加されていることに気づかず重ねて足す。定期的な棚卸しが必要な理由です。
参照を減らす方法
上限を超えている場合の対処です。最も筋の良い方法は、送信の目的ごとにサブドメインを分けることです。配信はこのサブドメイン、取引の通知はこのサブドメイン、というように分けます。
分けると、それぞれの記録が別に持てます。配信の道具の参照は配信用のサブドメインだけに書き、本体の記録は軽く保てます。参照の上限もサブドメインごとに数えられます。
分ける利点は上限の回避だけではありません。配信の評判が本体の所在に影響しにくくなります。大量の配信で評判が落ちたときに、業務のメールが届かなくなる事態を避けられます。
もう一つの方法は、参照ではなく具体的な所在を直接書く形にすることです。参照の回数は減りますが、配信の道具の側で設備が変わったときに追随できません。運用の手間が増えるため、慎重に選んでください。
いずれの方法も、所在の記録を触る作業です。設定を誤るとメールが一通も届かなくなります。情報システムの担当と一緒に進め、変更の前に現在の記述を保存しておいてください。
署名の委任という考え方
二つ目の仕組みについて掘っておきます。署名を付ける仕組みでは、配信の道具が自社の名前で署名します。そのために、鍵を確かめる記述を自社の記録に置きます。
置き方には二通りあります。鍵そのものを自社の記録に書く形と、配信の道具の記録を参照する形です。後者はCNAMEという別名の記述を使います。
参照する形の利点は、道具の側で鍵を更新できることです。鍵の入れ替えのたびに自社の記録を触る必要がありません。多くの配信の道具がこの形を案内しています。
注意点は、参照先が消えると署名の確認ができなくなることです。道具を解約した後も記述を残していると、確認できない状態が続きます。解約と同時に記述も消してください。
複数の道具を使う場合、選択子という名前で区別されます。道具ごとに別の名前が割り当てられるため、同時に複数の署名を持てます。参照の上限のような制約がないため、この仕組みは道具を増やしても破綻しにくい設計です。
そろっていないと通らない
三つ目の仕組みが関わる、重要な論点です。方針の宣言の仕組みでは、送信元の許可か署名のどちらかがそろっていれば通るという判定が行われます。この「そろっている」がつまずきの元です。
そろっているとは、差出人として表示される所在と、確認に使われた所在が一致している状態を指します。一致していなければ、確認そのものは成功してもそろっていないとして扱われます。
代行で送る場合、ここで問題が起きます。配信の道具が自社の名前で送っていても、メールの裏側の戻り先が道具のものになっていると、送信元の許可の側でそろいが取れません。
この場合の対処は二つです。一つは、署名の側でそろえること。自社の名前で署名すれば、そちらでそろいが取れます。多くの道具がこの形に対応しています。
もう一つは、戻り先を自社のサブドメインにすることです。道具の側でこの設定が用意されていれば、指定された記述を自社の記録に置くことでそろいが取れます。どちらか一方が成立すれば判定は通ります。
送信の経路ごとに棚卸しする
設計を整えるには、現状を把握する必要があります。自社の名前でメールを送っている経路を、すべて書き出してください。この作業を行うと、たいてい想定より多いことに驚きます。
洗い出す先は五つの方向です。社内で使っているメールの仕組み、配信の道具、顧客の管理の仕組み、サイトの問い合わせや自動の返信、そして請求や決済の仕組み。
それぞれについて、差出人に使っている所在、認証の設定の状況、管理している部門を一覧にします。この一覧が、認証の設計の土台になります。一覧がないまま記述を触るのは危険です。
洗い出しでよく見つかるのが、把握されていない経路です。ある部門が独自に契約した道具、試験のために作った仕組み。認証の設定がされていなければ、そこからのメールは届いていない可能性があります。
一覧は、更新する仕組みも決めておきます。新しい道具を導入するときに一覧に追記する。解約するときに一覧から消す。この習慣がなければ、一覧はすぐに古くなります。
方針を厳しくする前に確かめる
方針の宣言では、失敗したメールの扱いを指定できます。何もしないから始めて、迷惑として扱う、受け取らないへと厳しくしていく形が推奨される進め方です。
いきなり厳しい方針にすると、設定が漏れている経路からのメールがすべて止まります。請求書の通知、問い合わせの自動の返信、採用の連絡。業務に直結するメールが届かなくなります。
だから、順番があります。まず何もしない方針で報告を受け取る設定にし、失敗している経路がないかを数週間確かめてから厳しくします。この確認を飛ばすのが最も多い事故です。
報告は、指定した宛先に届きます。内容は機械が読む形式のため、そのままでは読みにくいです。無料で使える読み取りの仕組みがあるため、そちらを使うと経路ごとの状況が表として見られます。
厳しくする時期は、業務の繁忙期を避けます。問題が起きたときに落ち着いて対応できる時期を選んでください。変更の直後は数日間、報告を注視します。
届かない相手が特定の会社に偏るとき
症状の見え方から原因を絞る方法もあります。届かない相手が特定の会社のドメインに偏っている場合、その受信の側の方針が厳しいと考えられます。全体が均等に落ちている場合とは原因が違います。
受信の側の方針は会社ごとに違います。認証に失敗したメールをすべて弾く方針の会社もあれば、警告を付けて通す会社もあります。大きな受信の場では、満たすべき要件が公開されていることもあります。
偏りを確かめるには、配信の道具の側の記録を見ます。受信の側から受け取りを断られた記録が残っているはずです。断られた理由の記述に、認証の失敗を示す文言が入っていることがあります。
大きな受信の場では、送信の側が自分の評判を確かめられる仕組みを提供している場合があります。登録すれば、認証の成功率や迷惑として報告された割合が見られます。配信の量が多い場合は登録しておく価値があります。
なお、特定の会社だけに届かない場合、その会社の側の受信の設定が原因のこともあります。取引先であれば、担当者に確かめて許可の一覧に加えてもらうという解決もあり得ます。認証を整えたうえで、それでも届かない相手にはこの手を使います。
順番を守ることが大切です。認証を整えないまま相手に許可を頼むのは、自社の不備を相手に負担させる形になります。まず自社側を正しく整え、そのうえで「認証は整えていますが届かない場合があるため」と説明する。この順番なら相手も動きやすくなります。
試験の送信で確かめる項目
設定を変えたら、必ず試験の送信で確かめます。記述を追加しただけで安心するのが、最も多い失敗です。記述の書き間違いや反映の遅れがあります。
確かめる項目は四つです。送信元の許可が通っているか、署名の確認が通っているか、方針の判定が通っているか、そして差出人の所在とそろいが取れているか。
確かめ方としては、受け取ったメールの詳細な情報を表示すると認証の結果が記されています。三つの項目それぞれについて、通ったか失敗したかが書かれています。読み方を一度覚えれば、以降は数秒で確かめられます。
専用の確認の仕組みに宛てて送る方法もあります。指定された宛先に送ると、認証の結果や迷惑と判定されやすい要素が一覧で返ってきます。無料で使えるものがあり、設定を変えるたびに使う価値があります。
試験の宛先は、複数の受信の場を用意しておきます。自社の中だけで試すと、許可の一覧に入っているため常に届いてしまいます。外部の主要な受信の場に宛先を用意し、そこへ送って確かめてください。
記述を変えた直後は、反映に時間がかかることがあります。所在の情報は各所に写しが置かれる仕組みのため、古い内容がしばらく使われ続けます。変更の直後に試験して失敗したとしても、数時間おいてからもう一度確かめてください。焦って記述を書き換えると、かえって混乱します。
新しい道具を入れるときの手順
以上を踏まえて、道具を追加するときの手順を決めておきます。手順があれば、担当が違っても事故が起きません。
追加する前に、送信元の記録の参照の回数を確認の道具で調べます。余裕がなければ、サブドメインに分ける設計を先に検討します。
本体の所在にするか、配信用のサブドメインにするかを決めます。配信の量が多い場合は、分けるほうが評判を守れます。
道具の案内に従い、署名の記述と戻り先の記述を追加します。そろいが取れる形になっているかを、送信の試験で確かめます。
主要な受信の場に宛てて試験の送信を行い、認証の結果を確かめます。確認の道具に宛てて送ると、結果が一覧で返ってくるものもあります。
経路の一覧に、道具の名前・使う所在・設定の内容・管理する部門を追記します。解約したときに消す作業も、契約の記録に紐づけておきます。
この五つのうち、最初と最後を飛ばす人が多いのですが、事故の原因はほぼこの二つに集まっています。追加する前の確認と、追加した後の記録。どちらも数分で終わります。
解約した道具の記述を消す
見落とされやすい作業です。配信の道具を解約したら、自社の記録に書いた記述も消します。残しておくと、参照の回数を消費し続け、新しい道具を追加するときに上限に当たります。
さらに危険なのは、参照先が別の誰かに使われる可能性です。配信の道具の側で設備が別の顧客に割り当てられた場合、その相手からの送信を自社が許可している形になり得ます。
この状態は、なりすましに使われる危険があります。使わなくなった許可を残しておくのは、鍵を渡したまま関係を終えるのと同じです。解約の手続の中に記述の削除を必ず含めてください。
実務としては、契約の管理の表に「解約時に削除する記述」の列を作ります。契約を終える手続のときにその列を見れば、消すべきものが分かります。
あわせて、年に一度の棚卸しも行います。記録に書かれている記述を一つずつ確かめ、現在も使っているかを判断する。使っていないものを消せば、参照の余裕が戻ります。この作業は30分ほどで終わります。
社内の申請の仕組みに組み込む
最後に、続く形にします。この問題は担当者の注意で防ぐには限界があります。道具を導入する申請の様式に、認証の設定の欄を足すのが確実です。
欄の内容は三つで足ります。自社の名前でメールを送るか、送る場合はどの所在を使うか、認証の設定に必要な記述は何か。申請の段階でこれが書かれていれば、情報システムの側で上限を確かめられます。
この仕組みがあると、把握されていない経路が生まれにくくなります。洗い出しの作業が毎年不要になるのが、最大の効き目です。
あわせて、解約の申請にも同じ欄を作ります。解約するときに削除する記述を書かせる。この一往復で、残り続ける記述がなくなります。
様式を変える提案は、情報システムの部門にとっても歓迎される話です。届かないという問い合わせが減り、原因の調査に時間を取られなくなります。マーケの側から持ち込む価値のある提案です。
確認項目
自社の状態を点検する形にまとめます。配信の成績が悪いときは、文面の前にここを確かめてください。
- 自社の名前でメールを送っている経路を、すべて書き出した一覧があるか
- 送信元の記録の参照の回数に、上限までの余裕があるか
- 使わなくなった道具の記述が、記録に残っていないか
- 配信の道具について、署名か戻り先のどちらかでそろいが取れているか
- 方針の宣言で報告を受け取る設定にし、失敗している経路を確かめたか
- 道具を導入する申請の様式に、認証の設定の欄があるか
- 配信の成績が悪い原因を文面だと考え、認証を確かめないまま件名を変え続ける
- 道具を追加するとき、既にある記述の参照の回数を確かめない
- 解約した道具の記述を消さず、参照の回数を消費し続ける
- 報告を確かめずに、いきなり厳しい方針に切り替える
- 配信も業務のメールも同じ所在で送り、評判の影響を分けていない
- 所在の記録の設定を誤ると、メールが一通も届かなくなる。担当と一緒に進める
- 変更の前に、現在の記述を保存しておく
- 受信の側の扱いは相手の方針で決まる。こちらから制御はできない
まとめ
差出人に自社の名前を書いても、実際に送り出しているのは配信の道具の設備です。受信の側は、その場所から送る許可があるかを記録で確かめています。送信元の許可には参照の回数に上限があり、道具を増やすほど上限に近づきます。
代行で送る場合は、確認が成功しても差出人の所在とそろっていなければ判定を通りません。署名を自社の名前で行うか、戻り先を自社のサブドメインにする。どちらかでそろえます。そして、経路の一覧を作り、導入と解約の申請に認証の欄を足す。仕組みで防ぐのがいちばん確実です。
※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
メール・MAにAIを活かす第一歩、まずは導入から始めませんか?
デボノはアカウント開設・初期設定など「そもそものAI導入」から社内定着まで伴走支援。マーケティング活用など一歩進んだご相談にも対応します。
