コンジョイント分析は何を測る道具か?|機能と価格の優先度

コンジョイント分析は何を測る道具か?|機能と価格の優先度

「要望の一覧に優先度を付けたくて聞いたのですが、どの項目もほとんど重要と返ってきました」「値上げの前に何を足すべきかで、社内の意見が真っ二つに割れています」——機能の優先順位を決める段で、この行き詰まりが起きます。行き詰まっているのは、聞き方が丁寧でないからではありません。一つずつ「必要ですか」と聞く形式そのものが、全部を重要にしてしまうのです。ある解説でも、この聞き方では複数の項目に同時に高い評価を付けられるので、結果的にすべてが重要になると説明されています。順位を出したいなら、聞き方を変えるしかありません。本当は、重要度は聞くものではなく、選ばせた結果から後ろ向きに計算するものです。この記事では、組み合わせごと選ばせると何が分かるのか、条件と水準をどう決めるのか、何人に何回聞けばよいのか、そして出た数字をどこまで値付けに使ってよいのかまでを、順を追って整理します。


カメ先生カメ先生

要望に順位を付けたいとき、一つずつ重要度を聞く方法が真っ先に思い浮かぶよね。でもこの聞き方は、答える側に何も諦めさせていないんだ。だから全部に高い点が付く。


カメ子カメ子

諦めさせる、というのはどういうことですか。


カメ先生カメ先生

現実の買い物は、あれもこれもとはいかない。価格を抑えるなら機能は減るし、機能を増やすなら価格は上がる。この引き換えを含んだ形で選ばせると、答える側は何かを捨てる。捨てた記録が、順位の材料になる。


カメ子カメ子

何を選んだかではなく、何を捨てたかのほうに情報がある、ということですね。


この記事のポイント
  • 一つずつ重要度を聞くと全部が重要になるのは、答える側に何も諦めさせていないから。組み合わせごと選ばせると、捨てたものの記録から順位が出る
  • 測っているのは好き嫌いではなく、それぞれの条件が選ばれる確率をどれだけ動かしたか。水準の幅と価格の幅の決め方で、結果はいくらでも変わる
  • 出た金額はそのまま値付けに使わない。競合と「どれも選ばない」を織り込まない計算は過大に出る。選好の数値をAIに推定させて実際の回答の代わりにもしない

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目次

一つずつ「必要ですか」と聞くと、ほぼ全部が必要になる

要望の一覧を作り、それぞれに5段階で重要度を付けてもらう。よく使われる形式ですが、返ってくる結果はたいてい似た形になります。ほとんどの項目が上位2段階に集まり、差が付かない。差が付いた項目も、順位を入れ替えるほどの開きにはならない。集計しても、優先度を決める材料にならないまま終わります

原因は答える側にあるのではなく、設問の作りにあります。項目ごとに独立して点数を付けられるので、全部に高い点を付けても矛盾しません。答える側からすれば、あって困る機能はないので、全部に高い点を付けるのが正直な回答です。ある解説でも、この方式は複数の項目に同時に高い評価を付けられるため、結果的にすべてが重要になってしまうと明記されています。設問が引き換えを含んでいないので、答えにも引き換えが表れません

実務でよく起きるのは、この結果を持って会議に入り、「全部重要と出ました」と報告して、そこから声の大きい人の意見で順番が決まる展開です。調査に費用と時間をかけたのに、結論は調査前と変わらない。これを避けるには、集計方法を工夫するのではなく、聞き方そのものを引き換えのある形に変える必要があります。

組み合わせごと選ばせると、何が変わるのか

代わりに使うのが、条件を組み合わせた案をいくつか並べて、その中から1つを選ばせる形式です。たとえば、機能の有無と価格と保守の手厚さを組み合わせた案を2つか3つ並べ、どれを買うかを選ばせます。答える側は、機能を取るなら高い価格を受け入れ、価格を取るなら機能を諦める、という判断を1回ごとに行います。1回の選択のたびに、何を捨てたかが記録に残ります

これを条件の組み合わせを変えながら何度も繰り返します。同じ人に十数回選ばせると、その人が何を優先しているかが選択の履歴として溜まります。多数の回答者ぶんを集めて統計的に解くと、それぞれの条件が選択にどれだけ効いていたかが計算できます。ある解説では、この考え方を「条件の間の引き換えを検討させることで、どの組み合わせが最適かを判定する」と説明しています。

重要なのは、回答者に順位を答えさせていないことです。答えさせているのは、どれを買うかという1つの選択だけ。順位や重要度は、選択の結果から後ろ向きに計算されます。答える側にとっては簡単な問いなのに、出てくる情報は重要度を直接聞くより濃い。これがこの手法の中心にある仕組みです。

測っているのは「選ばれる確率をどれだけ動かしたか」

計算の結果として出てくるのは、「この条件がこの水準のとき、選ばれやすさがこれだけ上下する」という値です。好きかどうか、満足しているかどうかではありません。実際に選んだという行動を説明する数字です。この違いは実務で効きます。好きだが買わない機能と、地味だが選択を左右する機能を、同じ物差しの上で見分けられるからです。

出てくる数字は主に4種類あります。それぞれ読み方の注意が違うので、混ぜないことが大事です。特に多い間違いが、条件をまたいで数字の大小を比べることと、条件ごとの重要度を設計と切り離して読むことです。重要度は、その条件で試した水準の幅が広いほど大きく出ます。設計の産物である部分を含んでいます。

出てくる数字何を表しているか読むときの注意
各水準の効き目その水準が、選ばれやすさをどれだけ押し上げたか同じ条件の中でだけ比べる。別の条件の値と大小を比べない
条件ごとの重要度その条件の中で、最も良い水準と最も悪い水準の差の大きさ水準の幅を広く取った条件ほど大きく出る。設計に左右される
組み合わせごとの選ばれやすさ実際に売る形に近い案を作ったときの、選ばれる割合の見込み競合と「どれも選ばない」を並べた形でないと過大に出る
金額に読み替えた値価格の効き目を物差しにして、機能の値打ちを金額で表したもの素朴な計算では過大に出る。そのまま値付けに使わない

4つ目の金額への読み替えが、いちばん人目を引き、いちばん誤用されます。「この機能には月3000円の値打ちがある」という形で出てくるので、そのまま価格表に反映したくなる。ここには理由のある落とし穴があり、後の節で詳しく書きます。先に押さえておくと、この数字は競合の存在と、買わないという選択を織り込んでいないと過大に出ます

どこから来た道具で、なぜ選ばせる形に移ったのか

この手法は、もともとマーケティングの発明ではありません。1964年に数理心理学の分野で示された測り方が出発点で、複数の要素が合わさった全体の評価から、要素ごとの寄与を分解して取り出す考え方でした。これをマーケティングの問題に応用した論文が1971年にマーケティングの学術誌に出て、そこから商品開発と価格の分野に広がっています。半世紀を超えて使われている、比較的枯れた道具です

初期の形は、いまとは少し違いました。条件の組み合わせを印刷したカードを直交表という設計で作り、回答者にはおよそ十数枚から20枚程度を良い順に並べ替えてもらう。その順序から、個人ごとに各条件の効き目を推定するやり方です。並べ替えは情報量が多い反面、答える側の負担が重く、枚数が増えると後半が雑になるという弱点がありました。

いま実務で主流なのは、少数の案を並べて1つ選ばせる形式です。選ぶという行為が実際の購買に近いこと、答える負担が軽いこと、「どれも選ばない」という選択肢を自然に混ぜられることが理由です。並べ替えから選択へ移ったのは、精度の話ではなく、現実の買い方に近づけるためでした。この経緯を知っておくと、なぜ「どれも選ばない」が重要視されるのかも腑に落ちます。

設計の手順を5工程で通す

実際に組み立てるときの流れは、次の5工程に整理できます。工程ごとに壊れどころがあり、後の工程で取り返せない性質があります。特に最初の2工程は、やり直しがきかないと考えたほうがよい部分です。

STEP1
比べる条件と、その水準を決める

価格、機能の有無、保守の範囲、納期といった条件を並べ、それぞれに取りうる値(水準)を置きます。ここで置かなかった条件は、結果に一切現れません。逆に、置いた条件は必ず何らかの効き目を持って出てきます。何を条件に入れるかが、この手法で最も判断が要る場所です。

STEP2
組み合わせの数を絞る

条件と水準を掛け合わせると、組み合わせの数はすぐに数百を超えます。全部は試せないので、条件ごとの効き目を取り出せる最小の組だけを選びます。直交表のような設計を使うと、この絞り込みを機械的に行えます。同時に、現実にあり得ない組み合わせは除きます。

STEP3
選ばせる回数と人数を決める

1人あたり何問答えてもらい、全体で何人集めるかを決めます。水準の数が多いほど、必要な回答の総量は増えます。ここは目安の計算式があるので、次の節で具体的に示します。決めずに走ると、集計の段階で条件ごとの推定が安定しないことに気付きます。

STEP4
選ばれ方から、各条件の効き目を出す

集まった選択の履歴を統計的に解いて、各水準の効き目と、条件ごとの重要度を求めます。ここは計算の工程なので、道具に任せられます。人がやるのは、出た値が現実の感覚と大きく食い違っていないかを確かめ、食い違いの理由を設計に遡って探すことです。

STEP5
価格の効き目を物差しにして、金額に読み替える

価格を水準に含めておくと、価格が1段上がったときに選ばれやすさがどれだけ下がるかが分かります。これを物差しにして、機能の効き目を金額に換算できます。ただしこの換算は過大に出やすいので、そのまま値付けに使ってはいけません。

5工程のうち、外注できるのは3工程目から5工程目です。1工程目と2工程目は、自社の商材と競合を知らないと決められません。条件と水準の設計を丸ごと外に出した調査は、たいてい当たり障りのない結果になります。ここだけは社内で決め、設計の妥当さを外の目で点検してもらう形が現実的です。

条件をいくつ並べ、水準をいくつ置くか

条件の数は、増やすほど良いわけではありません。答える側は1問ごとに全条件を読んで比較するので、条件が多いと読むのをやめて、目に付いた1つか2つだけで選び始めます。この状態になると、選ばれなかった条件の効き目は「効いていない」ではなく「読まれていない」を意味するようになり、結果の解釈ができなくなります。疲れは、誤差ではなく歪みとして出ます

実務での目安は、条件を6つ前後まで、水準を条件あたり2つから5つ程度に収めることです。それ以上必要に思えるときは、たいてい条件の粒度が細かすぎます。細かい機能を1つずつ条件にするのではなく、「その機能群があるかないか」という形に束ねると、条件の数は一気に減ります。束ね方は結果の使い道から決めます。開発の優先順位に使うなら、開発単位で束ねます。

水準の数にも偏りが影響します。ある条件だけ水準を5つ置き、他は2つずつという設計にすると、必要な回答の総量は水準の多い条件に引っ張られます。加えて、水準を多く置いた条件は重要度が大きく出る傾向があります。水準の数は、条件どうしでなるべく揃えるのが、後の解釈を素直にする設計です。

水準の決め方ひとつで、結果は変わる

この手法でいちばん結果を左右するのが、水準の決め方です。極端な水準を1つ混ぜると、その条件だけが強く効いて見えます。たとえば納期の水準に「翌日」と「3か月後」を置けば、納期は当然のように最重要の条件になります。しかし現実に3か月後の納期で売っていないなら、この結果は現実の選び方を写していません。比べているのは条件ではなく、置いた水準の幅です

解説でも、非現実的な水準や意味の重なる水準は回答者を混乱させ、推定を歪めると指摘されています。対策として挙げられているのは、水準の案を顧客と開発の両方に当てて、実際に起こりうる範囲かを確かめてから確定することです。社内だけで決めると、開発側が出しやすい値や、営業側が言いたい値に寄ります。

実務的な決め方は単純です。各条件について、現在の自社の値、主要な競合の値、実現可能な範囲で最も良い値と最も悪い値を書き出し、その中に収まるように水準を置きます。この4点を書き出す作業自体が、条件の妥当さの点検になります。書き出せない条件は、そもそも社内で実態が把握できていない条件です。

価格の水準は、現実の相場を挟む幅にする

価格は、他の条件と扱いが違います。金額への読み替えの物差しになるので、価格の水準の置き方が結果全体の目盛りを決めるからです。解説では、価格の幅は現実の市場価格を挟む形にすべきで、幅が狭すぎるとデータの外側へ推定を伸ばすことになり、値が不安定になると説明されています。

よくある失敗が2つあります。1つは、自社の価格の前後だけで幅を作ることです。競合の価格帯が自社より大きく下にある場合、その領域での選ばれ方が分からないまま結果が出ます。もう1つは、幅は広く取ったが水準の数が2つしかない場合です。価格の効き目は直線とは限らないので、点が2つでは曲がり方が分かりません。傾きを安定して求めるには、3つ以上の点が要ります。

設計の順番としては、価格の水準を先に決め、その幅に合わせて他の条件の水準の幅を調整します。逆にすると、機能の効き目が価格の効き目に対して大きすぎたり小さすぎたりして、金額に換算したときに現実離れした値が出ます。価格の水準は、実際の成約価格の分布を見てから決めます。定価だけを見て決めると、値引きが常態化している商材では実態から外れます。

組み合わせを絞り、現実にない組を弾く

条件が6つ、水準が各3つなら、組み合わせは700通りを超えます。全部を見せることはできないので、少数の組だけを選んで提示します。この選び方には設計の理論があり、直交表のように条件どうしの影響が混ざらない形で組を選ぶと、少ない回数で各条件の効き目を取り出せます。ここは道具が自動で行う部分です。

人が必ず介入すべきなのは、現実にあり得ない組み合わせを弾く作業です。最上位の機能を最低価格で提供する案、保守なしで24時間対応が付く案。こうした組が混ざると、答える側は「そんな商品はない」と判断して、選択の基準そのものを変えてしまいます。解説でも、あり得ない組み合わせは禁止の指定を入れて除くべきだとされています。

  • 禁止の指定を増やしすぎると、組の選び方の自由度が下がり、条件どうしの効き目が分離できなくなる。本当にあり得ない組だけに絞る
  • 自社では出せないが、競合なら出せる組み合わせは弾かない。現実の選択肢として存在するため
  • 弾いた組の一覧は必ず残す。後から結果を読むときに、その領域は測っていないことを思い出す手掛かりになる
  • 実験の設計を確定する前に、営業と開発の担当者に組の一例を見せて、違和感がないかを確かめる

何人に、何回聞けばよいか

必要な回答の量には、広く使われている経験則があります。人数と、1人あたりの設問数と、1問に並べる案の数を掛け合わせ、いちばん水準の多い条件の水準数で割る。この値が500を超えていることが最低限の目安で、実務では1000を目安にすると安全だとされています。並べる案の数を数えるとき、「どれも選ばない」は含めません。

考え方は単純で、どの水準も、全体を通して500回以上は目に触れている状態にするということです。1人に何度も答えてもらえば人数は減らせますし、1問に並べる案を増やしても総量は稼げます。ただし、どちらも答える側の負担を上げるので、疲れによる歪みと引き換えになります。別の目安として、全体で300人、部分集団ごとに結果を報告するなら各200人という数字も示されています。

この経験則には注意書きが付いています。全員ぶんをまとめて推定する前提で作られたもので、いまよく使われる個人ごとに推定する手法にとっては最適ではない、という指摘です。あくまで出発点の目安として使い、最終的には実際に集まった回答で推定の安定を確かめます。目安を満たしたから正しい、ではなく、満たしていないなら確実に足りない、という使い方が実務に合います。

「どれも選ばない」を必ず混ぜる

提示した案の中から必ず1つを選ばせる設計にすると、買う気がない人も何かを選びます。その選択は「この中ならこれ」という意味しか持たないのに、集計では買うという判断と同じ重みで扱われます。結果として、需要も売上の見込みも、実際より大きく出ます。解説でも、この選択肢を外すと需要が過大になり、楽観的な予測につながると明記されています。

混ぜ方は2通りあります。案と並べて「どれも選ばない」を置く方法と、まず案の中から1つ選ばせたうえで「その案を実際に買いますか」と重ねて聞く方法です。後者のほうが、条件どうしの比較の情報を失わずに離脱の情報も取れます。法人向けのように選ぶ人と決裁する人が分かれる場合は、後者のほうが実態に近い答えになります。

集計のときも、この選択肢の扱いを決めておきます。「どれも選ばない」が多い回答者を除くのか、含めたまま解くのか。除くと選ばれやすさは上振れし、含めると保守的な値になります。どちらが正しいということはありませんが、報告の際にどちらで計算したかを必ず書きます。書いていないと、後で別の担当者が計算し直したときに値が食い違い、原因を突き止められません。

出た金額を、そのまま値付けに使わない

この手法の出力で最も期待されるのが、機能の値打ちを金額で表した数字です。ところが、素朴な計算で出したこの値は過大に出ることが知られています。理由は2つあり、どちらも計算の外側にあります。1つは競合を考えていないこと。同じ機能が他所でも手に入るなら、その機能に払う額は他所の価格に抑えられます。もう1つは、買わないという選択を織り込んでいないことです。

解説では、より良いやり方として市場の状況を作って試す方法が示されています。競合を並べた状態で自社の案の選ばれやすさを測り、次に機能を足して上がった選ばれやすさが元の水準に戻るまで価格を上げていく。その上げ幅が、その機能に対して実際に払われる額にあたります。競合状況を多数作って中央値を取る方式の報告では、素朴な計算に比べて平均で約20%低い値になり、データによってはほぼ半分になったとされています。

実務での結論はこうです。金額に読み替えた値は、値付けの答えではなく、機能どうしの序列を金額の目盛りで見るための道具として使う。2万円と出た機能と、3000円と出た機能があるなら、その差の大きさは信じてよい。ただし2万円という水準そのものを価格表に持ち込むと、ほぼ確実に高く付けすぎます。差は使えるが、水準はそのまま使えない、という覚え方で足ります。

法人向けの商材で難しくなるところ

この手法は消費者向けの調査を前提に発展してきたので、法人向けに持ち込むと引っ掛かる点がいくつかあります。ただし、どれも設計の工夫で扱える範囲です。逆に、工夫せずにそのまま持ち込むと、集まった回答が少ないのに結果だけがきれいに出て、それを信じてしまうという最悪の形になります。

法人向けで起きること何が壊れるか現実的な扱い
回答者が数十人しか集まらない条件ごとの推定が安定しない条件と水準を絞り、1人あたりの設問数を増やして総量を稼ぐ
決める人と使う人が違う回答が平均され、どちらの選び方でもなくなる役割ごとに分けて聞き、分けたまま読む。合算しない
価格が交渉で動く提示した価格の水準が現実とずれる定価ではなく、実際の成約価格の分布から水準を作る
検討に何人も関わる1人の回答が組織の選択を代表しない1社から複数人に答えてもらい、社ごとの一致度も見る
対象の企業数が限られる同じ相手に何度も依頼することになる設問数の上限を先に決め、疲れが出る前で切る

表の1行目が最も重要です。回答者が高価で限られる場面では、人数を減らして1人あたりの設問数を増やす折衷が効く、という指摘があります。消費者向けは逆で、回答者が安く集まるので設問数を減らして人数を増やします。法人向けは、少ない相手から濃く取る設計に寄せます。ただし1人あたり20問を超えたあたりから、後半の回答は雑になると考えておきます。

2行目も見落とされがちです。使う人は操作の手間と機能を重く見て、決める人は価格と保守と実績を重く見ます。この2つを混ぜて平均すると、どちらの現実とも違う中間の答えになります。分けて聞いて、分けたまま報告する。どちらを優先するかは、調査の結果ではなく事業の方針として決めます。

AIの使いどころと、任せてはいけない線

この手法で生成AIが効くのは、設計の準備と、集まった回答の整理です。1つ目は、条件と水準の候補を出させること。自社の資料と競合の公開情報を渡して、比べる価値のある条件を数多く挙げさせます。人が考えると、社内で議論になっている条件に偏ります。候補を広げる作業と、選ぶ作業を分けるだけで、条件の抜けが減ります

2つ目は、現実にあり得ない組み合わせを弾かせることです。条件と水準の一覧を渡し、組み合わせとして成立しない組を理由付きで挙げさせます。数百通りを人が目視で確認するのは現実的でないので、機械に一覧を作らせ、人がその一覧を判断する形にします。理由を必ず書かせるのが条件で、理由がないと判断できません。3つ目は、自由記述で書かれた選択の理由を、条件ごとに仕分けさせることです。

任せてはいけない線ははっきりしています。選好の数値をAIに推定させて、実際の回答の代わりに使わないこと。もっともらしい数字は出ますが、それは既存の文章から組み立てた一般論であって、自社の見込み客が何を選んだかという事実ではありません。この手法の値打ちは、誰が何を選んだかという実際の記録にあります。記録がないなら、この手法を使っていないのと同じです。

使わないほうがよい場面と、簡易版で分かること

向かない場面もあります。比べる条件が2つしかないなら、組み合わせを作る意味が薄く、直接それぞれの水準を比べたほうが早い。価格が完全に固定で動かせないなら、金額への読み替えができないので、この手法の中心的な出力が使えません。対象者が十数人しか集まらないなら、条件ごとの効き目を安定して推定できません。

それでも、簡易な形なら得られるものがあります。組み合わせを4通りか6通りだけ作り、選んでもらって理由を書いてもらう。統計的な推定はできませんが、どの条件で意見が割れるか、どの組み合わせに違和感を持たれるかは見えます。本格的な調査の前段として、条件と水準の妥当さを点検する用途には十分です。

  • 条件を10個以上並べる:答える側が読むのをやめ、効いていないのか読まれていないのか区別できなくなる
  • 水準に現実にない値を混ぜる:その条件だけが強く効いて見え、幅の広さを重要度と取り違える
  • 価格の水準を2つしか置かない:効き目の曲がり方が分からず、金額への読み替えの目盛りが不安定になる
  • 「どれも選ばない」を外す:買う気のない人の選択が買う判断と同じ重みで数えられ、需要が過大に出る
  • 出た金額をそのまま価格表に入れる:競合と離脱を織り込んでいないので、高く付けすぎる
  • 使う人と決める人の回答を合算する:どちらの現実とも違う中間の値になり、打ち手が決まらない
  • 必要な回答量を確かめずに集計する:条件ごとの推定が安定しないまま、順位だけが出てしまう

よくある質問

重要度を直接聞く調査と、どちらを先にやるべきですか

条件の候補を洗い出す段階なら、直接聞く形式でも役に立ちます。何が話題に上がるかを知るための材料としては十分です。順位を決める段階になったら、組み合わせで選ばせる形式に切り替えます。両方やる場合は、直接聞いた結果と選ばせた結果を並べて、順位が入れ替わった条件に注目します。その入れ替わりが、口では重要と言うが実際には選択を左右しない条件を示しています。

回答者は自社の顧客だけで構いませんか

目的によります。既存の商材の改良に使うなら、いまの顧客で問題ありません。新しい層に広げるために使うなら、まだ買っていない層を必ず入れます。既存顧客だけで測ると、その人たちがすでに納得している条件の効き目が小さく出ます。慣れてしまっているためです。新しい層と既存顧客は、集計を分けて比べると差が見えます。

価格を条件に入れずに、機能だけで実施してもよいですか

実施はできますが、出てくるのは機能どうしの相対的な順位だけになり、金額への読み替えができません。それでも開発の優先順位を決める用途には使えます。ただし、価格を入れないと答える側は引き換えを感じにくくなるので、機能の効き目が全体的に大きく出る傾向があります。順位は使えても、効き目の絶対的な大きさは割り引いて読みます。

同じ調査を定期的に繰り返す意味はありますか

競合の条件が変わったときと、自社が新しい水準を出せるようになったときには、引き直す価値があります。逆に、条件も水準も市場も変わっていない期間に繰り返しても、同じ答えが出るだけです。実務では、価格改定の前と、主要な競合が機能を追加した後の2つの契機に絞ると、費用に見合います。前回の設計をそのまま使えば、比較もできます。

結果が社内の直感と大きく食い違ったときはどうしますか

まず設計を疑います。水準の幅が偏っていないか、あり得ない組が混ざっていないか、回答量が足りているか。設計に問題がなければ、次に回答者の顔ぶれを確かめます。狙っている層と回答者の層がずれていると、結果は別の市場を写します。両方に問題がなければ、直感のほうが古い可能性を検討します。ただし1回の調査で方針を反転させるのではなく、別の材料と突き合わせてから決めます。

まとめ

一つずつ「必要ですか」と聞くと、ほぼ全部が重要と返ってきます。項目ごとに独立して点数を付けられる設問には、引き換えが含まれていないからです。組み合わせを並べて1つを選ばせると、答える側は毎回何かを捨てます。この捨てた記録が溜まると、それぞれの条件が選ばれる確率をどれだけ動かしたかが計算できます。測っているのは好き嫌いではなく、選んだという行動です。設計の手順は5つで、比べる条件と水準を決め、組み合わせを絞り、回数と人数を決め、効き目を出し、価格を物差しに金額へ読み替えます。

結果を左右するのは水準の決め方です。極端な値を混ぜればその条件だけが効いて見え、価格の幅が狭ければ目盛りが不安定になります。回答の総量には目安があり、どの水準も全体で500回以上は目に触れている状態を最低線とします。「どれも選ばない」は必ず混ぜます。出てきた金額は、機能どうしの差を見る目盛りとしては使えますが、水準をそのまま価格表に持ち込むと高く付けすぎます。生成AIには条件の候補出しと、あり得ない組の洗い出しと、自由記述の仕分けを任せ、誰が何を選んだかという実際の回答だけは、必ず人が集めます。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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