ヨガ・ピラティスのスタジオの体験レッスンの申込と参加を Zapier で受け、参加後のお礼と入会の案内を参加者の目的に合わせて下書きする
体験レッスンの申込と当日の参加の記録をもとに、参加の翌日に送るお礼と入会の案内を、参加者の目的に合わせて一人ずつ下書きします。受付の担当が読んで直してから送ります。
- 生成AI
- ChatGPT/Claude
- 連携・自動化
- Make/n8n/Power Automate/Zapier
- 対象業界
- その他/教育
- 対象部門
- 営業
- 対象業務
- 書類作成
- 主な課題
- 人手が足りない/営業フォローが追いつかない/属人化している
- AIで行う処理
- 生成
- 主な効果
- 品質標準化/工数削減/機会損失防止
- 導入難易度
- ★☆☆☆☆
- 実装レベル
- 本格構成
- 費用感
- ノーコード連携(中)
- 人間の確認
- 条件付き
01導入前 / 導入後の業務フロー
- 受付がスプレッドシートを開き、前日に参加した人と欠席した人を拾う
- 参加した人の目的と経験、インストラクターのひとことを読む
- 料金とクラスの案内の文書を開き、目的に合いそうなクラスを探す
- 前に書いたお礼のメールを開き、写して名前と内容を直す
- 入会の特典の条件(体験から何日以内など)を確かめて書き足す
- 欠席した人には、振替の日程の案内を書く
- 送って、スプレッドシートに「連絡済み」と書く
- 人レッスンが終わったら、受付が「参加」か「欠席」を入れ、インストラクターがひとことを書く
- 自動行の更新をきっかけに Zap が動き、18歳以上の確認と、まだ連絡していないことを確かめる
- 自動翌日の10時まで待つ
- 自動体調にふれた記述があるかを見分け、あれば文面を作らずに担当に回す
- 自動AIが目的・経験・ひとことと料金・クラスの案内から、お礼と案内(欠席なら振替の案内)を下書きする
- 自動メールの案内への同意が無い人は、入会の案内を入れない形にする
- 自動Gmail に下書きを作り、スプレッドシートに「下書き済み」と書く
- 人受付の担当が下書きを読み、直して送る
各工程の詳しい説明を読む
- 受付がスプレッドシートを開き、前日に参加した人と欠席した人を拾う
- 参加した人の目的と経験、インストラクターのひとことを読む
- 料金とクラスの案内の文書を開き、目的に合いそうなクラスを探す
- 前に書いたお礼のメールを開き、写して名前と内容を直す
- 入会の特典の条件(体験から何日以内など)を確かめて書き足す
- 欠席した人には、振替の日程の案内を書く
- 送って、スプレッドシートに「連絡済み」と書く
(a)翌日に連絡できない日がある。 1番から7番は、レッスンの合間にしか進みません。体験のあと入会を決める気持ちは、日がたつほど薄れます。 連絡が3日後になった人ほど、返事が来ません。
(b)文面が担当ごとにばらばら。 4番で前のメールを写すので、担当によって書き出しも勧めるクラスも違います。 特典の条件の書き方が古いままの写しも混ざります。
(c)目的に合わない案内を送ってしまう。 3番は担当の知識に寄ります。「肩こり」の人に上級のクラスを勧めることが、忙しい日ほど起きます。
(d)体の効果を書いてしまう。 写した文面に「続ければ腰痛も楽になります」とある、といったことが起きます。スタジオとして約束できないことが、担当の善意で書かれます。
- 【人】 レッスンが終わったら、受付が「参加」か「欠席」を入れ、インストラクターがひとことを書く
- 【自動】 行の更新をきっかけに Zap が動き、18歳以上の確認と、まだ連絡していないことを確かめる
- 【自動】 翌日の10時まで待つ
- 【自動】 体調にふれた記述があるかを見分け、あれば文面を作らずに担当に回す
- 【自動】 AIが目的・経験・ひとことと料金・クラスの案内から、お礼と案内(欠席なら振替の案内)を下書きする
- 【自動】 メールの案内への同意が無い人は、入会の案内を入れない形にする
- 【自動】 Gmail に下書きを作り、スプレッドシートに「下書き済み」と書く
- 【人】 受付の担当が下書きを読み、直して送る
2番目と6番目は、AIではなく Zapier の条件で決めます。 年齢の確認と同意の有無は、申込の欄の値で決まることです。AIに判断させる理由がありません。
4番目で体調の記述を先に分けるのは、ここが最も誤りの重い場所だからです。 「腰に持病がある」と書いた人へのお礼の文面をAIが作れば、体調への助言めいた一文が入りやすくなります。 その人への連絡は、インストラクターと相談して担当が書きます。
8番目は省けません。 送るのは人です。Zapier の側にメールを送る操作は入れません。
02今回想定するシステム構成
Google フォーム(体験の申込) │ 回答がスプレッドシートに1行ずつ入る ▼【人】受付が「参加/欠席」、インストラクターがひとことを書く ▼【トリガー】Google Sheets:New or Updated Spreadsheet Row Zapier の Zap ├──▶ Filter:18歳以上の確認あり、参加状況が入っている、連絡状況が空 ├──▶ Delay:Delay Until(翌日10時) ├──▶ AI by Zapier ①:体調にふれた記述があるかを見分ける ├──▶ Paths │ ├ 体調の記述あり → Google Sheets:「担当が書く」と記録 │ ├ 参加 → AI by Zapier ②:お礼と入会の案内 │ └ 欠席 → AI by Zapier ②:振替の案内 │ (知識の元:料金・クラス・特典の Google ドキュメント) ├──▶ Gmail:Create Draft └──▶ Google Sheets:Update Spreadsheet Row(下書き済み) ▼【人】受付が読んで直して送る
| 役割 | 想定する製品 | 代替候補 |
|---|---|---|
| ワークフロー | Zapier(Filter、Delay、Paths) | Make、n8n、Power Automate |
| 生成AI | AI by Zapier | ChatGPT(OpenAI)、Claude |
| 申込の一覧 | Google スプレッドシート(Google フォームの回答) | Zapier Tables |
| 案内の文書 | Google ドキュメント(料金、クラスの一覧、体験からの入会の特典の条件) | Notion |
| メール | Gmail(受付のアドレス) | Microsoft Outlook |
新しく足すのは Zap だけです。 フォームもスプレッドシートも Gmail も、今のものを使います。受付の手順で変わるのは、送る前に下書きを読むことだけです。
AI by Zapier は、Zapier の中で生成AIを呼ぶステップです。 公式ページでは、Professional・Team・Enterprise のプランで使え、モデルは Standard(タスク1倍)、Advanced(3倍)、Premium(5倍。新しいステップの既定)から選ぶか、自前のキー(OpenAI、Anthropic などに対応)を使えるとされています。お礼の文面なら Standard で試し、足りなければ上げます。
料金とクラスの案内は、知識の元(knowledge sources)として渡します。 1つのステップに20個まで加えられ、Google ドキュメントは1つずつ加えるとされています。料金・クラス・特典を1つの文書にまとめておくと、直す場所が1つで済みます。
03どうやって実装するのか
処理の起点を決める
Google Sheets の New or Updated Spreadsheet Row で動かします。 Zapier の Google Sheets のページでは、行が追加されたときと変更されたときに動くトリガーとされています。申込が入ったときにも、受付が「参加」と入れたときにも、インストラクターがひとことを書いたときにも動きます。
動きすぎるのを、次の Filter で止めます。 動いてほしいのは「参加状況が入っていて、まだ連絡していない行」だけです。Zap 自身が最後に「下書き済み」と書き込むので、その更新でもう一度動きますが、Filter で止まります。
フォームの回答が入ったときにも動きますが、ここも Filter で止まります。 申込の時点では参加状況の列が空だからです。申込のたびに AI のステップまで進む作りにすると、体験に来なかった人の分までタスクを使います。
ひとことを書く前に参加状況を入れると、ひとこと無しで動きます。 受付の手順を「インストラクターがひとことを書いてから、受付が参加状況を入れる」に決めます。並びを決めておかないと、半分の下書きが「当日の様子」の無い文面になります。
入力データを集める
| データ | 中身 | 取得元 |
|---|---|---|
| 申込の欄 | 氏名、メールアドレス、スタジオ、体験の日時とクラス、目的(選択肢・自由記入)、経験、メールでの案内の同意、18歳以上の確認 | スプレッドシート(フォームの回答) |
| 参加の記録 | 参加・欠席、インストラクターのひとこと(2〜3行) | 同じ行の、受付とインストラクターが書く列 |
| 連絡状況 | 空・下書き済み・担当が書く | 同じ行の、Zap が書く列 |
| 案内の文書 | 料金、クラスの一覧(対象・強さ・時間帯)、体験からの入会の特典と条件、振替の手順 | Google ドキュメント(知識の元) |
| 書き方の決まり | 使ってよい言い回し、使わない言い回し、署名 | AI のステップの指示に書く |
質を決めるのは、クラスの一覧の書き方です。 「初めての人向け」「肩・背中をほぐす」「運動量が多い」のように、目的と強さで引ける書き方にしておくと、AIは目的に合うクラスを選べます。クラス名と時間だけの一覧では、名前の印象で選びます。
申込で集めない項目を決めます。 病歴や持病の詳しい内容は、このフォームでは聞きません。 「インストラクターに伝えておきたいこと」の自由記入欄は残し、その欄はAIに渡さず、担当とインストラクターだけが見る列にします。
データの取得方法を決める
| 取るもの | どこから | 何に使うか |
|---|---|---|
| 行のすべての欄 | トリガーが返す値 | Filter と文面の材料 |
| 案内の文書 | AI by Zapier の知識の元 | クラス・料金・特典の根拠 |
| 書き込む先の行 | トリガーが返す行の番号 | 連絡状況の更新 |
行の値はトリガーがそのまま渡します。 別の検索の操作は要りません。ただし、Delay のあとで行を読み直すことはしないので、 待っているあいだにひとことを直しても、下書きには反映されません。直したときは、担当が下書きの側で直します。
メールの案内の同意は、フォームの欄の値で受けます。 総務省のページでは、特定電子メール法は、取引関係以外においては、事前に同意した相手に対してのみ広告・宣伝のメールの送信を認める方式(オプトイン方式)とされ、同意を証する記録の保存と、送信者の名称や受信を拒む連絡先の表示の義務があります。同意の欄の値と申込の日時が、その記録になります。 スプレッドシートの列を消さないでください。
AIへ渡す前に整形する
- Filter:年齢の確認 … 「18歳以上です」の欄が「はい」でない行は止めます
- Filter:処理の対象 … 参加状況が「参加」か「欠席」で、連絡状況が空の行だけを通します
- Delay Until:翌日の10時 … 体験の日付の翌日10時まで待ちます
- AI by Zapier ①:体調の記述の見分け … 目的の自由記入とひとことに、体調・けが・持病・妊娠などへの言及があるかだけを判定します
- Paths:分岐 … 体調の記述あり/参加/欠席の3つに分けます
- 同意の値の受け渡し … 同意の欄の値を、文面を作るステップに
consentとして渡します
3番目の Delay には注意が要ります。 公式ページでは、Delay で止めておけるのは最長で1か月(30日)で、待っているあいだに Zap のどこかを変えると、再開しても続きが動かないとされています。Zap を直すのは、待っている件が無い時間(夜のレッスンのあと)にします。 直したあとは、その日の参加者の行を Zap の履歴で確かめます。Delay は Professional 以上のプランで使えます。
4番目を文面のステップと分けるのは、判定と文面を混ぜないためです。 1つのステップで「体調の記述があれば書かないで」と頼むと、書かない代わりに配慮の一文を足した文面を返します。分けておけば、体調の記述がある行は文面のステップに届きません。
AIに処理させる
2つのステップに分けます。 1つ目は体調の記述の見分けだけ、2つ目はお礼と案内の文面です。
| させること | 中身 |
|---|---|
| 体調の記述の見分け(①) | 目的の自由記入とひとことに、体調・けが・持病・妊娠・通院への言及があるか(yes/no)と、該当した語 |
| お礼の文(②) | 体験に来てくれたことへのお礼と、ひとことにある当日の様子を1文 |
| 勧めるクラス(②) | 目的と経験から、クラスの一覧のうち2〜3つ。理由はクラスの一覧の説明の言葉で |
| 入会の案内(②) | 体験からの入会の特典と期限を、案内の文書のとおりに。同意が無ければ入れない |
| 振替の案内(②、欠席のとき) | 振替の手順と、目的に合うクラスの体験の日程の探し方 |
| 件名(②) | スタジオ名と、お礼か振替かが分かる件名 |
勧めるクラスの理由は、クラスの一覧の言葉で書かせます。 「肩・背中をほぐす」と一覧にあれば、そのまま「肩・背中をほぐすクラスです」と書きます。AIの言葉で効果を足させません。
| させないこと | 理由 |
|---|---|
| 体の効果の約束 | 「痩せる」「腰痛が良くなる」は、スタジオとして約束できない |
| 体調の相談への回答 | 判断はインストラクターと本人。①で分けて担当へ回す |
| 料金・特典の書き足し | 案内の文書に無い値引きや期限を作らない |
| 同意の判断 | 同意の有無は欄の値で決まる。AIは受け取った値に従う |
| 送信 | 下書きまで。送るのは受付の担当 |
1行目がいちばん起きやすい失敗です。 目的に「ダイエット」とあると、AIは「無理なく体重を落としていきましょう」と書きます。書いた瞬間に、スタジオが体重の変化を約束した文面になります。
指示内容を固定する
文面を作るステップ(②)の指示に、次のように書きます。
あなたはヨガ・ピラティスのスタジオの受付として、体験レッスンに申し込んだ方へ
翌日に送るメールの下書きを作ります。送るのは受付の担当です。
【入力】
- 氏名、スタジオ、体験の日時とクラス、参加状況(参加/欠席)
- 目的(選択肢と自由記入)、ヨガ・ピラティスの経験
- インストラクターのひとこと(参加のときだけ)
- consent:メールでの案内への同意(yes/no)
- 知識の元:料金、クラスの一覧、体験からの入会の特典と条件、振替の手順
【参加のとき】
1. 体験に来てくださったことへのお礼を1文。
2. インストラクターのひとことにある当日の様子を1文。ひとことが空なら書かない。
3. 目的と経験に合うクラスを、クラスの一覧から2〜3つ。
理由はクラスの一覧の説明の言葉をそのまま使う。
4. consent が yes のときだけ、体験からの入会の特典と期限を案内の文書のとおりに書く。
consent が no のときは、入会や特典の案内を書かない。
【欠席のとき】
1. 当日の体験が実施できなかったことを責めない書き方で、振替の手順を案内する。
2. consent が yes のときだけ、目的に合うクラスの体験の日程の探し方を書く。
【厳守事項】
- 体の効果を約束しないでください。「痩せる」「体重が落ちる」「腰痛が良くなる」
「姿勢が治る」のような表現を使わないでください。
- 体調・けが・持病についての助言を書かないでください。
- 料金・特典・期限は知識の元に書かれている値だけを使ってください。
知識の元に無い値引きや期限を作らないでください。見つからなければ空にしてください。
- クラスの一覧に無いクラスを挙げないでください。
- 「今だけ」「残りわずか」など、急がせる言い回しを使わないでください。
- 本文は300字程度。署名は入れないでください(Gmail の署名を使います)。
体調の記述を見分けるステップ(①)の指示は、短く次のようにします。
次の2つの文章に、体調・けが・持病・妊娠・通院・服薬・手術への言及があるかだけを
判定してください。文面は作らないでください。
【目的の自由記入】{purpose_free}
【インストラクターのひとこと】{instructor_note}
- 言及があれば health_mention を yes、無ければ no にしてください。
- 「肩こり」「運動不足」「体が硬い」のような、目的としてよく書かれる言葉だけなら no です。
- 迷ったときは yes にしてください。
- matched_terms には、該当した語を原文のまま書いてください。
「迷ったら yes」にしているのは、誤りの重さが左右で違うからです。 yes に寄りすぎれば担当の手間が少し増えるだけですが、no に寄りすぎると、体調の記述がある人に文面ができます。 「肩こり」「体が硬い」を no と書いておくのは、目的の選択肢と同じ言葉で yes が出続けると、ほとんどの件が担当に回ってしまうからです。
「急がせる言い回しを使わない」を書かないと、特典の期限を強く押し出します。 体験の翌日のメールが「期限まであと6日」で始まると、お礼のメールではなく督促のメールになります。 期限は案内の文書の書き方のまま、1文で伝えます。
「見つからなければ空」も効きます。 特典の条件が文書から読み取れないとき、書かないとそれらしい期限を作ります。 空の欄があれば、担当が下書きで気づきます。
出力形式を固定する
AI by Zapier の出力項目(Output Fields)で、返してほしい形を決めます。 公式ページでは、出力項目ごとに名前・型・説明・必須かどうかを決め、項目を作らなければ1つのまとまった出力になるとされています。
| 出力項目 | 型 | 中身 |
|---|---|---|
subject | 文字列 | 件名 |
body | 文字列 | 本文(署名なし) |
recommended_classes | 文字列 | 勧めたクラスの名前(読点区切り) |
includes_offer | 真偽 | 入会の特典を書いたか |
missing_info | 文字列 | 知識の元から見つからなかった項目(無ければ空) |
体調の記述を見分けるステップ(①)は、次の2項目だけを返します。
{
"health_mention": "yes | no",
"matched_terms": "腰痛、通院中"
}
1つ目の理由は、includes_offer で同意の扱いを検査できることです。 同意が no なのに includes_offer が真なら、Paths で下書きを作らずに担当へ回します。 AIが指示を守らなかったときに、同意の無い人へ案内が出るのを止めます。
2つ目は、recommended_classes を記録に残せることです。 スプレッドシートに勧めたクラスを書いておけば、入会した人がどのクラスを選んだかと並べて、勧め方を見直せます。
3つ目は、missing_info で文書の抜けが分かることです。 同じ項目が何度も出るなら、案内の文書の側を直します。
システムへ連携する
| つなぎ先 | 方式 | 内容 |
|---|---|---|
| Google スプレッドシート | New or Updated Spreadsheet Row(トリガー) | 申込と参加の記録を受け取る |
| AI by Zapier | Zap のステップ | 体調の記述の見分けと、文面の下書き |
| Gmail | Create Draft | 受付のアドレスに下書きを作る |
| Google スプレッドシート | Update Spreadsheet Row | 連絡状況・勧めたクラス・下書きを作った日時を書く |
Gmail は Create Draft だけを使います。 Zapier の Gmail のページでは、Create Draft は件名と本文を必須とし、宛先・差出人・署名・ラベルなどを指定できる下書きの作成の操作です。Send Email は使いません。 下書きにスタジオごとのラベルを付けておくと、受付が自分のスタジオの分だけを開けます。
スプレッドシートには、本文は書きません。 書くのは連絡状況、勧めたクラス、下書きを作った日時だけです。本文は Gmail の下書きと送信済みにあります。 二か所に本文を持つと、直した版と直していない版が並びます。
人が確認する
受付の担当が、すべての下書きを読んでから送ります。 体験の連絡は、スタジオの第一印象です。
- 宛名と体験の日時を確かめる … 別の人のひとことが入っていないかを見ます
- 勧めたクラスを確かめる … 目的に合っているか、そのスタジオで開いているクラスかを見ます
- 特典と期限を確かめる … 案内の文書と同じか、同意の無い人に案内が入っていないかを見ます
- 体の効果の表現がないかを見る … 一語でもあれば消します
- 送る … 送ったら、スプレッドシートの連絡状況を「送信済み」にします
「担当が書く」に回った行は、その日のうちに担当が書きます。 インストラクターと話してから書くので、AIの下書きより時間はかかります。 月に数件の想定です。
目標は、180件をならして1件5分です。 下書きを読んで1〜2か所直して送るのに数分、「担当が書く」の件は15分以上かかります。
本部の営業の担当は、週に1回、直した箇所を見ます。 受付が毎回同じところを直しているなら、その直しは指示か案内の文書に戻すべきものです。直し方を受付だけが覚えている状態にすると、担当が替わったときにまた同じ直しが始まります。
例外に対処する
| 起きること | 対応 |
|---|---|
| 18歳以上の確認が「はい」でない | Filter で止める。受付が申込者に連絡し、申込を受け付けない |
| ひとことが空のまま参加状況が入った | 当日の様子の文を書かずに下書きする。手順の並びを見直す |
| 体調の記述がある | 文面を作らず「担当が書く」と記録。担当がインストラクターと相談して書く |
同意が no なのに特典を書いた | includes_offer で検知し、下書きを作らず担当へ回す |
| 知識の元に特典の条件が見つからない | missing_info に入る。担当が下書きに書き足し、文書を直す |
| 待っているあいだに Zap を直した | 続きが動かない。Zap の履歴で止まった件を拾い、手で下書きを作る |
| 同じ人が2回申し込んでいる | メールアドレスで重なりを見て、2通目の下書きを作らない |
| Gmail の下書きの作成が失敗する | 連絡状況を空のまま残す。翌朝に受付が履歴を見て手で作る |
| 目的の欄が空のまま申し込まれた | 体験したクラスの近くのクラスを勧める形で下書きし、担当が当日の様子から直す |
| 欠席した人のメールアドレスが届かない | 受付が電話番号で連絡する。電話番号はAIに渡していないので、スプレッドシートで見る |
上から6行目が見落としやすいものです。 Zap を直した日の翌日に、前日の参加者の下書きが一通も無い、という形で現れます。直した日は、翌朝に下書きの数を数えます。
記録を残す
- 申込の欄と、メールでの案内への同意の値と申込の日時(スプレッドシート)
- 参加状況、インストラクターのひとこと、連絡状況、勧めたクラス、下書きを作った日時
- 体調の記述で「担当が書く」に回った件と、該当した語
- Gmail の下書きと送信済みのメール
- Zap の実行の履歴(Filter で止まった件、Delay で待っている件、失敗した件)
同意の値と申込の日時は、消さずに残します。 特定電子メール法は、同意を証する記録の保存を求めています。案内を送らないでと言われた人は、同意の欄を「いいえ」に直し、直した日を書きます。
勧めたクラスの記録は、3か月に1回見直します。 入会した人が選んだクラスと並べ、勧めたクラスとずれているなら、クラスの一覧の説明の書き方を直します。
04実装レベルの3段階
最小構成は、確かめるための段階です。 180件には使えません。 半自動化で、1件15分が8分程度になります。 文面はできますが、スプレッドシートから写してメールを作る作業が残ります。本格構成で5分になり、この段階が本記事の想定です。 差が大きいのは、宛先と件名を入れてメールを作る作業が、1件ずつの手作業だからです。 段階を飛ばさないでください。 半自動化で1か月、スプレッドシートの列で文面を読むと、体の効果の表現が出やすい目的と、missing_info が出やすい項目が先に分かります。 そこを指示と文書で直してから下書きにすると、受付の直しが減ります。
05工数削減シミュレーション
導入後 180件 × 5分 ÷ 60 = 15 時間/月
自社条件で導入効果を整理したい方へ
このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。
06向いている企業・向いていない企業
- 複数のスタジオで毎月まとまった数の体験レッスンを受け、参加後のお礼と入会の案内を受付の担当が一通ずつ書いている、ヨガ・ピラティスなどのスタジオ。申込をWebのフォームで受け、参加の記録をスプレッドシートで付けている場合。参加の翌日に連絡できる日とできない日があり、入会の案内が遅れている場合。
- 体験の申込が月に十数件で、受付が書けば足りる場合。18歳未満が体験レッスンに参加する場合(この構成は申込を18歳以上に限る)。体調・持病に関する詳しい情報を申込で集めている場合(AIに渡さない設計が先に要る)。なお、入会を勧める相手と条件の判断、体調に関する相談への回答はこの構成では代替できません。
07最小構成で試す方法
- 先月の体験の参加者から20人を選ぶ(目的がばらばらになるように選ぶ)
- その20人の申込の欄とひとことを、氏名とメールアドレスを消して書き出す
- 料金・クラス・特典の案内の文書を用意する
- 手元のAIサービスに、案内の文書と1人分の欄を貼り、「体験のお礼と、目的に合うクラスを2〜3つ、入会の特典を案内の文書のとおりに書いて。体の効果は約束しないで」と指示する
- 出てきた文面を、当時受付が送ったメールと並べて読む
20人は必ずやってください。 Zap を組む前に、「申込の欄とひとことから、その人に合う文面が書けるのか」を確かめます。
| 出てきた内容 | 判断 |
|---|---|
| 当時のメールと同じくらい、目的に合っている | Zap を組む段階に進む |
| 体の効果の表現が入る | 指示の書き方で直る。構成は有効 |
| どの人にも同じクラスを勧める | クラスの一覧の書き方が先。 目的と強さで引ける形にする |
3行目は珍しくありません。 クラス名と時間しかない一覧では、AIは選ぶ手がかりを持てません。失敗ではなく、案内の文書を直す必要が分かったということです。
08実装時につまずきやすいポイント
| 問題 | 対策 |
|---|---|
| 行の更新のたびに Zap が動く | Filter で「参加状況あり・連絡状況が空」だけを通す |
| ひとこと無しの下書きが多い | ひとことが先、参加状況が後 の並びを受付の手順に入れる |
| 体の効果の表現が入る | 指示で禁じ、受付の確認の4番目で必ず見る |
| 体調の記述がある人に文面ができる | 見分けのステップを分け、Paths で文面のステップに届かないようにする |
| 同意の無い人に特典の案内が入る | includes_offer で検知して担当へ回す |
| Zap を直した翌日に下書きが無い | 待っているあいだの変更で続きが動かない。 直すのは待つ件が無い時間に |
| 特典の期限をAIが作る | 「見つからなければ空」を指示に書き、missing_info を見る |
| どの人にも同じクラスを勧める | クラスの一覧を目的と強さで引ける形にする |
| 18歳未満の申込が混ざる | フォームの確認の欄を必須にし、Filter で止める |
| 知識の元の文書を直したのに反映されない | 文書を直したら、AIのステップの知識の元の同期を確かめる |
上の2行が、この構成の失敗のほとんどです。 どちらもAIの問題ではなく、Zap が動く条件と、受付の手順の並びの問題です。
真ん中の3行も、同じくらい早く効いてきます。 体の効果の表現、体調の記述、同意の扱いは、一通でも誤るとスタジオの信用に関わります。 指示に書くだけでなく、ステップを分けて仕組みで止めます。
09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点
この構成で扱うデータ: 体験の申込者の氏名、メールアドレス、体験の日時、目的と経験、インストラクターのひとこと、メールの案内への同意です。
- 体調の詳しい情報を集めない・渡さない … 病歴や持病の詳しい内容は申込で聞きません。「インストラクターに伝えておきたいこと」の欄はAIのステップに渡しません
- 申込は18歳以上に限る … フォームで確認し、Zapier の Filter で止めます。18歳未満の申込者の情報をAIに渡しません
- 同意の無い人に案内を送らない … 特定電子メール法は、取引関係以外では事前の同意を求め、同意の記録の保存と、送信者の名称・受信を拒む連絡先の表示を求めています。Gmail の署名に、スタジオの名称と配信を止める連絡先を入れます
- AIに渡す範囲を文面に要る欄に限る … 電話番号や住所は文面に要りません。AIのステップに渡す欄を選び、行全体を渡さない設定にします
- 使うモデルの事業者を決める … AI by Zapier は自前のキーを使う形も選べます。どの事業者のモデルに申込者の情報を渡すかを、スタジオで決めて記録します
- 送信を自動にしない … 下書きまでにします。体験の連絡はスタジオの第一印象です
誤りが起きた場合のリスクは、体の効果を約束する文面が届くことと、同意の無い人へ案内が届くことの2つです。 前者は指示とステップの分け方で、後者は Filter と includes_offer の検査で止めます。どちらも、送る前に受付が読むことが最後の止めになります。
10まず何から始めるか
1週目:クラスの一覧と特典の条件を書き直す
料金・クラス・特典の案内を1つの Google ドキュメントにまとめ、クラスごとに「誰向けか」「強さ」「何をするか」を書きます。 体験からの入会の特典は、条件と期限を1つの書き方にそろえます。
2週目:20人で試す
先月の参加者20人の欄を、氏名とメールアドレスを消して手元のAIサービスに貼り、文面を作らせます。体の効果の表現が出ないか、目的に合うクラスを選べているかを最優先で見ます。
3週目:フォームと受付の手順を直す
フォームに「18歳以上です」と「メールでの案内を受け取る」の欄を必須で足し、「インストラクターに伝えておきたいこと」の欄をAIに渡さない列にします。 受付の手順に「ひとことが先、参加状況が後」を入れます。
4週目:参加状況の入力から文面までをつなぐ
Zap で Filter と AIのステップを組み、文面をスプレッドシートの列に書くところまで作ります。この時点では Delay も Gmail も使わず、受付が列の文面を読んで送ります。
2か月目: 体調の記述の見分けと Paths を足し、Delay で翌日10時に回して、Gmail の下書きにします。3か月目以降: 勧めたクラスと入会した人が選んだクラスを並べ、1件15分が何分になったかを実測します。受付が下書きをほぼそのまま送れるようになった時点で、この構成は完成です。
11関連ユースケース
12この仕組みを理解するための記事
13技術仕様の確認日・参考情報
| 確認した内容 | 情報源 | 確認日 |
|---|---|---|
| AI by Zapier が Professional・Team・Enterprise で使えること。モデルが Standard(1倍)・Advanced(3倍)・Premium(5倍、新しいステップの既定)と自前のキー(OpenAI、Anthropic などに対応)であること。出力項目を名前・型・説明・必須で決め、作らなければ1つのまとまった出力になること。知識の元が1ステップ20個までで、Google ドキュメントは1つずつ加えること | Zapier Help: AI by Zapier | 2026-10-15 |
| New or Updated Spreadsheet Row が行の追加と変更で動くこと。Update Spreadsheet Row で行を更新できること | Zapier: Google Sheets integrations | 2026-10-15 |
| Delay For・Delay Until があり、止めておけるのが最長1か月(30日)であること。待っているあいだに Zap を変えると続きが動かないこと。Professional 以上で使えること | Zapier Help: Add delays to Zaps | 2026-10-15 |
| Paths が Professional 以上で使え、1つのグループに10の分岐まで置けること。Paths と Filter がタスクに数えられないこと | Zapier Help: Paths | 2026-10-15 |
| Gmail の Create Draft が件名と本文を必須とし、宛先・差出人・署名・ラベルを指定できること | Zapier: Gmail integrations | 2026-10-15 |
| 特定電子メール法が、取引関係以外では事前に同意した相手にだけ広告・宣伝のメールの送信を認めること(オプトイン方式)。同意を証する記録の保存と、送信者の名称・受信を拒む連絡先の表示を求めること | 総務省: 特定電子メールの送信の適正化等に関する法律 | 2026-10-15 |
入会の案内のメールが特定電子メールに当たるか、どの同意の取り方が足りるかは、自社で確かめてください。 本記事は総務省のページで確認できた範囲だけを扱っています。
実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。
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