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代表電話の伝言をフォームで受けて、用件・折返しの要否・期限を整え、担当者へ Teams で届けて折返しの漏れを拾う

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

代表電話の伝言を、受付担当が聞いたままフォームに書くと、相手・用件・折返しの要否・期限に整えて、宛先の社員へ Teams で届けます。期限を過ぎても「折り返した」の返事が無い伝言を拾い、本人と受付に知らせます。

サマリー
生成AI
Azure OpenAI Service/Claude
連携・自動化
Make/n8n/Power Automate/Zapier
対象業界
その他/商社/士業/建設/製造
対象部門
総務
対象業務
データ入力・転記/問い合わせ対応
主な課題
人手が足りない/入力作業が多い/期限・対応漏れが起きる
AIで行う処理
抽出
主な効果
入力漏れ削減/対応スピード向上/工数削減
導入難易度
★☆☆☆☆
実装レベル
半自動化
費用感
ノーコード連携(中)
人間の確認
条件付き
現在工数
50h/月
AI導入後
20h/月
想定削減
60%
年間削減
360h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 受付担当が電話を受け、手元の紙に相手・宛先・用件を走り書きする
  2. 宛先の社員の在席を確かめ、不在なら伝言を預かる
  3. 電話を切った後、走り書きを伝言メモの用紙に清書する
  4. 社員の名簿で宛先の部署と席を探す。同じ姓の社員が多い場合は、用件から誰宛てかを考える
  5. メモを机に置くか、Teams やメールで同じ内容を打ち直して送る
  6. 夕方、届けた伝言を見返し、気になるものは本人に「折り返しましたか」と声をかける
導入後(After)
  1. 人受付担当が電話を受け、伝言フォームに相手の会社名・氏名・電話番号・宛先・用件を聞いたまま入力する
  2. 自動フォームの送信をきっかけに、Power Automate のフローが動く
  3. 自動AI Builder のプロンプトが、用件の要約・折返しの要否・相手が言った期限・宛先の手がかりを JSON で返す
  4. 自動社員の名簿を引き、宛先を1人に決める。決まらなければ受付担当に戻す
  5. 自動伝言の台帳(SharePoint リスト)に1行を作る
  6. 自動宛先の社員に、Teams で伝言のカードを届ける(折り返した/折返し不要/担当違い のボタン付き)
  7. 人社員が伝言を読み、折り返した後でボタンを押す
  8. 自動ボタンの結果を台帳に書き戻す。担当違いなら受付担当に戻す
  9. 自動別のフローが30分ごとに台帳を見て、期限を過ぎても返事の無い伝言を本人と受付担当に知らせる
各工程の詳しい説明を読む
  1. 受付担当が電話を受け、手元の紙に相手・宛先・用件を走り書きする
  2. 宛先の社員の在席を確かめ、不在なら伝言を預かる
  3. 電話を切った後、走り書きを伝言メモの用紙に清書する
  4. 社員の名簿で宛先の部署と席を探す。同じ姓の社員が多い場合は、用件から誰宛てかを考える
  5. メモを机に置くか、Teams やメールで同じ内容を打ち直して送る
  6. 夕方、届けた伝言を見返し、気になるものは本人に「折り返しましたか」と声をかける

(a)清書と打ち直しが二度手間になっている。 3番目で紙に清書し、5番目で同じ内容をチャットに打ち直します。1件ごとの手間は小さくても、1日30件で受付担当の手が止まります。 その間に次の電話が鳴ると、清書は後回しになり、伝言が届くのが遅れます。

(b)急ぎかどうかが伝わらない。 走り書きには「本日中」「至急」と書いてあっても、清書のときに落ちることがあります。届いた伝言が急ぎかどうかを、受け取った社員は文面から読み取るしかありません。

(c)宛先を取り違える。 「営業の佐藤さん」と言われても、営業部に佐藤が3人いることがあります。用件から推し量って届けると、別の佐藤の机にメモが置かれ、本人は伝言があったことを知りません。

(d)折り返したかどうかが分からない。 6番目の声かけは、受付担当が覚えている伝言にしか届きません。1日30件の伝言を夕方に見返す時間は、ほとんどの日にありません。 二度目の電話で初めて漏れに気づきます。

  1. 【人】 受付担当が電話を受け、伝言フォームに相手の会社名・氏名・電話番号・宛先・用件を聞いたまま入力する
  2. 【自動】 フォームの送信をきっかけに、Power Automate のフローが動く
  3. 【自動】 AI Builder のプロンプトが、用件の要約・折返しの要否・相手が言った期限・宛先の手がかりを JSON で返す
  4. 【自動】 社員の名簿を引き、宛先を1人に決める。決まらなければ受付担当に戻す
  5. 【自動】 伝言の台帳(SharePoint リスト)に1行を作る
  6. 【自動】 宛先の社員に、Teams で伝言のカードを届ける(折り返した/折返し不要/担当違い のボタン付き)
  7. 【人】 社員が伝言を読み、折り返した後でボタンを押す
  8. 【自動】 ボタンの結果を台帳に書き戻す。担当違いなら受付担当に戻す
  9. 【自動】 別のフローが30分ごとに台帳を見て、期限を過ぎても返事の無い伝言を本人と受付担当に知らせる

4番目が、この設計の分かれ目です。 宛先が1人に決まらないとき、AIに用件から推し量らせて届けることはしません。 候補の社員を並べて受付担当に戻し、受付担当が選びます。届けるのが少し遅れても、別の人に届くよりはましです。

9番目を別のフローにしているのも、意図してのことです。 6番目で返事を待っているあいだ、そのフローは止まっています。期限を過ぎた伝言を拾う役は、台帳を見て回る別のフローに持たせます。

02今回想定するシステム構成

構成図
受付担当(電話を受けながら、伝言フォームに入力)
   │  Microsoft Forms の伝言フォーム
   ▼【トリガー】When a new response is submitted
Power Automate(クラウドフロー)
   ├──▶ Get response details:回答の中身を取り出す
   ▼
AI Builder のプロンプト(Run a prompt、JSON 出力)
   │   用件の要約/折返しの要否/相手が言った期限/宛先の手がかり
   ▼
Power Automate
   ├──▶ 社員の名簿(SharePoint リスト)を Get items で引く
   │       1人に決まらない ──▶ 受付担当のチャネルへ戻す
   ├──▶ 伝言の台帳(SharePoint リスト)に Create item
   ▼
Microsoft Teams ── Post adaptive card and wait for a response(宛先の社員へ)
   │   折り返した/折返し不要/担当違い
   ▼
台帳に Update item ──▶ 30分ごとの別のフローが、期限切れの伝言を再通知
役割想定する製品代替候補
ワークフローPower Automate(クラウドフロー)Make、n8n、Zapier
生成AIAI Builder のプロンプト(Run a prompt、JSON 出力)Azure OpenAI(Microsoft Foundry)、Claude
連携SharePoint リスト(社員の名簿・伝言の台帳)Microsoft Lists
通知Microsoft Teams(宛先の社員とのチャット、受付担当のチャネル)Outlook のメール
フォームMicrosoft Forms(伝言フォーム)Google フォーム

入口は、Microsoft Forms の When a new response is submitted です。 このトリガーが返すのは回答のIDだけなので、Get response details で回答の中身を取り出します。 総務部のグループで作ったフォームはドロップダウンに出てこないため、フォームの編集画面のアドレスにある「FormId=」の後ろの部分を手で入れる必要があるとされています。

AIは、AI Builder のプロンプトを Run a prompt で呼びます。 2025年5月から「Create text with GPT using a prompt」の名前が Run a prompt に変わっています。プロンプトの出力には JSON を選べ、例を書き換えると形式が Custom になり、保存したときの形式が実行時にも使われます。 フォームの回答が毎回違っても、後ろの処理が読む項目の形は変わりません。

社員への連絡は、Teams の Post adaptive card and wait for a response で出します。 カードをチャットかチャネルに出し、誰かが応答するまでフローを止めて待つアクションです。Flow bot として投稿するには、Teams の管理センターで Workflows アプリが許可されている必要があるとされています。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

伝言フォームの回答が送信されたことを起点にします。 When a new response is submitted は回答ごとに動くので、電話を切って入力し終えたその場で、伝言が宛先に届きます。 1時間ごとにまとめて届ける形にはしません。急ぎの伝言ほど、まとめると意味がなくなります。

フローは2本に分けます。 1本目は、伝言を受けて整え、台帳に書いてカードを出すフロー。2本目は、30分ごとに台帳を見て、期限を過ぎても「未対応」のままの伝言を、本人と受付担当にもう一度知らせるフローです。1本目はカードの返事を待って止まっているので、追いかけの役は2本目に持たせます。

フォームは受付担当だけが使います。 社員が自分で伝言を書くことは想定しません。入口を1つにしておけば、台帳に載っていない伝言は無い、と言えます。 机に置く紙のメモは、この構成を入れた日からやめます。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
伝言受付日時、受付担当、相手の会社名・氏名、折返し先の電話番号、宛先(聞いたまま)、用件(自由記述)、受付担当の所感(急ぎに聞こえた等)Microsoft Forms の回答
社員の名簿氏名、読み、部署、内線、Teams のアカウント、よく受ける取引先、不在の予定SharePoint リスト
取引先の手がかり主な取引先の名前と、担当の部署・社員SharePoint リスト(名簿の一部)
直近の伝言同じ相手からの直近7日の伝言と、その状態伝言の台帳

フォームの項目は、自由記述を1つに絞ります。 用件・期限・急ぎかどうかを別々の欄にすると、受付担当は電話をしながら欄を探すことになります。「用件」の欄に聞いたまま書いてもらい、分けるのはAIの仕事にします。 電話番号と相手の名前だけは、聞き違いを防ぐために専用の欄にします。

質を決めるのは、社員の名簿の「よく受ける取引先」の列です。 「営業の佐藤さん」と言われても、相手の会社名と取引先の列が合えば、3人の佐藤から1人に絞れます。この列が空なら、同じ姓の社員宛ての伝言はすべて受付担当に戻ります。

受付担当の所感は、相手の言葉とは別の欄にします。 「声が焦っていた」「二度目の電話」といった受付担当の受け止めは大事な情報ですが、相手が言った期限と混ぜると、どちらの言葉か分からなくなります。

Step3

データの取得方法を決める

取るものどこから何に使うか
回答のIDWhen a new response is submitted回答の中身を取り出す
回答の中身Get response detailsAIへの入力と台帳の項目
宛先の候補社員の名簿を Get items(Filter Query)宛先を1人に決める
直近の伝言伝言の台帳を Get items(Filter Query)同じ相手の二度目の電話の検知

名簿の引き方は、姓だけで引かないことです。 Get items の Filter Query で、まず AI が返した部署と姓で絞り、それでも2人以上なら相手の会社名で取引先の列を見ます。 それでも1人に決まらなければ、候補を全員並べて受付担当に戻します。

直近の伝言は、相手の電話番号で引きます。 同じ番号から7日以内に伝言があり、その伝言が「未対応」なら、今回の伝言には「二度目の電話」の印を付けます。 受け取った社員にとって、これがいちばん急ぐべき合図になります。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 電話番号の形の確認 … 数字とハイフン以外を外し、桁数が固定電話・携帯電話の形に合うかを確かめます。合わなければ「番号要確認」の印を付けます
  2. 受付日時の付与 … フォームの送信日時を日本時間に直し、プロンプトに渡します。相手が言った「明日」「午後」を日時に直すときの基準になります
  3. 宛先の欄の整え … 「さん」「様」「部長」などの敬称と役職を外し、姓と部署の手がかりに分けておきます
  4. 不在の予定の確認 … 名簿の不在の予定に当日が入っていれば、宛先と一緒に代理の担当をカードに出します
  5. 長さの確認 … 用件が極端に長いときは、受付担当が別の電話のメモを貼った可能性があるので、そのまま要約せずに受付担当へ戻します

1番目は AI に任せません。 電話番号の確認はフローの式で行い、AIには番号を直させません。 形が合わない番号は、そのまま受付担当へ戻して聞き直してもらいます。

2番目を省くと、期限の日時がずれます。 プロンプトに「今日」がいつかを渡さないと、AIは「明日」を日時に直せないか、根拠の無い日付を書きます。

Step5

AIに処理させる

させるのは、聞いたままの用件の文から、相手・用件・折返しの要否・期限・宛先の手がかりを取り出して整えることだけです。 宛先を1人に決めることと、急ぎの度合いの判定は、フローの規則で行います。

取り出すもの取り出し方判断できないときの扱い
用件の要約60字以内で、相手の言ったことだけを短くする用件が書かれていなければ空にして missing
折返しの要否「折り返してほしい」「また電話する」「伝えてくれればよい」のどれか書かれていなければ unknown
相手が言った期限相手の言葉をそのまま写す言っていなければ空
期限の日時受付日時を基準に、日時に直せるときだけ「近いうちに」のように直せなければ空
宛先の手がかり姓、部署、役職、案件の名前書かれていなければ空
自由記述の中の番号書かれた文字のまま写す無ければ空

3行目と4行目を分けているのが、この構成でいちばん大事な点です。 相手が「明日の午前中に」と言ったなら、期限の文は「明日の午前中」、日時は受付日の翌日の12時です。「近いうちに」なら日時は空にし、文だけを残します。 日時が空の伝言は、2本目のフローでは受付日の夕方を期限として扱います。

させないこと理由
宛先を1人に決めること同じ姓の社員を取り違える。名簿で決め、決まらなければ人に戻す
電話番号を直すこと1桁違えば別の相手にかかる
期限を推し量って埋めること相手が言っていない期限で担当者が動く
急ぎの度合いの判定規則で決める(期限・二度目の電話・受付担当の所感)
相手への返事の文面折り返すのは社員本人

3行目がいちばん起きやすい失敗です。 「急ぎで」とだけ言われた伝言を渡すと、AIは「本日中」と期限を書きがちです。書かれた期限が本当に相手の言葉なのかが、受け取った社員に分からなくなります。

Step6

指示内容を固定する

あなたは総務部で、代表電話の伝言を整える担当です。
受付担当が電話を聞きながら書いた「用件」の文を読み、項目に分けてください。
書かれていないことを推測で埋めないでください。

【取り出す項目】
1. summary ........ 用件の要約(60字以内)。相手が言ったことだけを書く
2. callback ....... 折返しの要否
   - requested : 折り返してほしいと言っている
   - will_call : 相手がまた電話すると言っている
   - message_only : 伝えてくれればよいと言っている
   - unknown : どれとも書かれていない
3. deadline_text .. 相手が言った期限の言葉を、そのまま写す
4. deadline_at .... deadline_text を日時に直せるときだけ、受付日時を基準に
                    ISO 8601(日本時間)で書く。直せなければ空
5. to_hint ........ 宛先の手がかり(姓、部署、役職、案件の名前)
6. phone_in_text .. 用件の文の中に電話番号があれば、書かれた文字のまま写す

【厳守事項】
- 相手が期限を言っていなければ、deadline_text と deadline_at は空にしてください。
  「急ぎ」「至急」とだけ書かれていても、期限の日時を作らないでください。
- 「午前中」は12:00、「午後」は17:00、「夕方」は17:00、「今日中」は18:00 として
  日時に直してください。それ以外のあいまいな言葉は日時にしないでください。
- 電話番号は、桁を補う、ハイフンを足す、数字を直すことをしないでください。
- 宛先を1人に決めないでください。手がかりだけを書いてください。
- 受付担当の所感({staff_note})は、相手の言葉として扱わないでください。
  summary にも deadline_text にも混ぜないでください。
- 用件が空、または伝言ではない内容のときは、summary を空にし、
  status を "not_a_message" にしてください。
- JSON のマークダウンを答えに含めないでください。

【受付日時】{received_at}
【相手】{caller_company} {caller_name}
【宛先(聞いたまま)】{to_raw}
【用件】{message_text}
【受付担当の所感】{staff_note}

「急ぎとだけ書かれていても期限を作らない」を明記しないと、期限が埋まります。 AIは「急ぎ」を見ると、親切に「本日中」を補います。禁じるのは、言葉の印象から日時を作ることそのものです。

「午前中は12時」のように直し方を決めているのは、社員ごとに受け取り方がばらつかないようにするためです。 決めていない言葉は日時にせず、文のまま届けて社員に読んでもらいます。 最後の「JSON のマークダウンを含めない」は、JSON が作れないというエラーへの対処として公式の説明が挙げている一文です。

Step7

出力形式を固定する

次の形のJSONで受け取ります。 プロンプトの JSON の形式を Custom にして保存し、毎回この形で返るようにします。

{
  "status": "ok | not_a_message",
  "summary": "",
  "callback": "requested | will_call | message_only | unknown",
  "deadline_text": "",
  "deadline_at": "",
  "to_hint": { "family_name": "", "department": "", "title": "", "project": "" },
  "phone_in_text": ""
}

1つ目の理由は、宛先を決める処理に項目ごとに渡せることです。 to_hint の姓と部署を Filter Query にそのまま入れて名簿を引けます。自由文で返ってくると、どこが宛先でどこが用件かを、もう一度切り分けることになります。

2つ目は、期限を文と日時の2つで持てることです。 カードには deadline_text を大きく出し、deadline_at は2本目のフローが期限切れを判定するために使います。社員は相手の言葉を読み、機械は日時を読みます。

急ぎの度合いは、フローの規則で次のように決めます。

急ぎの度合い条件カードの出し方
高二度目の電話、または deadline_at が受付から3時間以内本人と受付担当のチャネルの両方へ
中callback が requested で、期限が当日中本人へ。期限の1時間前に未対応なら再通知
通常上記以外本人へ。受付日の夕方に未対応なら再通知

受付担当の所感は、この表に入れていません。 所感は台帳とカードに「受付メモ」として出しますが、規則に入れると、受付担当によって急ぎの度合いがばらつきます。 急ぐべきだと感じたときは、受付担当がチャネルで本人に一声かければ足ります。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
Microsoft FormsWhen a new response is submitted、Get response details伝言の受け取り
AI Builder のプロンプトRun a prompt用件・折返しの要否・期限・宛先の手がかりの取り出し
社員の名簿SharePoint の Get items宛先の特定、不在の予定と代理の担当
伝言の台帳SharePoint の Create item、Update item伝言の記録と状態の更新
Microsoft TeamsPost adaptive card and wait for a response宛先への伝言と、折返しの結果の受け取り
Microsoft TeamsPost message in a chat or channel受付担当への差し戻しと再通知

カードには、電話番号を押せる形で出します。 相手の会社名・氏名・電話番号・期限の文・用件の要約・受付メモに加えて、受付担当が書いた用件の原文を折りたたんで付けます。 要約が相手の言葉を落としていたときに、社員が原文で確かめられるようにするためです。

ボタンの結果は、台帳の「状態」の列に書き戻します。 「折り返した」なら完了、「折返し不要」なら完了、「担当違い」なら受付担当のチャネルへ戻して宛先を選び直してもらいます。社員が何も押さなければ「未対応」のままで、2本目のフローの対象になります。

Step9

人が確認する

人が見るのは、受付担当に戻ってきた伝言と、期限切れで再通知された伝言だけです。 宛先が1人に決まり、社員がボタンを押した伝言は、誰も見直しません。

  1. 宛先が決まらない伝言を選ぶ … 候補の社員が並んだカードから、受付担当が宛先を選びます。迷ったら相手に折り返して確かめます
  2. 番号要確認の伝言を聞き直す … 電話番号の形が合わない伝言は、相手からの着信の記録と見比べます
  3. 担当違いで戻った伝言を回し直す … 社員が「担当違い」を押した伝言は、受付担当が別の宛先を選びます
  4. 期限切れの伝言を追う … 再通知しても返事の無い伝言は、受付担当が本人に電話か声かけで確かめます

1番目で受付担当が迷う伝言は、名簿の整備の材料です。 同じ取引先からの伝言で毎回迷うなら、その取引先を名簿の「よく受ける取引先」の列に足します。 1か月で戻る件数が目に見えて減ります。

目標は、600件をならして1件2分です。 フォームへの入力に1分、戻ってきた伝言と期限切れの追いかけをならして1分という想定です。

Step10

例外に対処する

起きること対応
宛先が名簿で1人に決まらない候補を並べて受付担当のチャネルへ戻す。AIの推し量りで届けない
宛先の社員が名簿にいない(退職・異動)受付担当へ戻す。後任の担当を名簿の備考から示す
電話番号の形が合わない「番号要確認」の印を付けて受付担当へ戻す
用件が空、または伝言ではないnot_a_message。台帳に残して受付担当へ戻す
AI Builder のプロンプトが応答しない用件の原文のまま宛先へ届け、台帳に「未整理」の印を付ける
宛先の社員が不在の予定代理の担当にも同じカードを出す
同じ相手から7日以内に未対応の伝言がある「二度目の電話」の印を付け、急ぎの度合いを高にする
Teams の投稿が失敗するOutlook のメールで同じ内容を送り、台帳に記録する
用件が極端に長い別の電話のメモが混ざった可能性。要約せずに受付担当へ戻す

5行目で原文のまま届けているのは、AIが止まっても伝言は止めないためです。 整っていない伝言でも、届かない伝言よりはずっとましです。 「未整理」の印は、後から台帳を見返すときの目印です。

Teams のメッセージには、およそ28KBの大きさの上限があるとされています。 伝言のカードがこれに当たることはまずありませんが、用件の原文が長すぎる伝言は、要約だけを出して原文は台帳のリンクにします。

Step11

記録を残す

  • フォームの回答の全文(受付担当が書いた用件の原文と所感)
  • AIが返した JSON と、そのときのプロンプトの版
  • 名簿を引いた結果(候補の社員と、決まった宛先、受付担当が選び直したかどうか)
  • カードを出した日時、社員がボタンを押した日時と結果
  • 再通知の日時と回数、受付担当が追いかけた記録
  • 相手ごとの「二度目の電話」の回数

4つ目の「ボタンを押した日時」は、折返しの早さの記録になります。 受付から折り返すまでの時間を部署ごとに並べると、伝言が滞りがちな部署が分かります。 責める材料ではなく、不在の予定と代理の担当の決め方を見直す材料です。

最後の行は、取引先との関係を見る材料になります。 同じ相手から二度目の電話が続くなら、その取引先の担当の決め方に問題があります。

04実装レベルの3段階

最小構成:伝言を手でAIの画面に貼り、項目に分けさせて手でチャットに送る / 用件の整理
半自動化:上記+フォームを起点にフローが整え、名簿で宛先を決めて Teams のカードで届け、台帳に残す / 整理・宛先の特定・通知・記録
本格構成:上記+期限切れの再通知、二度目の電話の検知、部署ごとの折返しの早さの月次の集計 / 折返しの追跡と振り返り

最小構成は、確かめるための段階です。 半自動化で、1件5分が2分になり、この段階が本記事の想定です。 清書と届け先探しと打ち直しが無くなり、受付担当の手元にはフォームへの入力と、戻ってきた伝言の対応だけが残ります。本格構成で減るのは工数より漏れです。 期限切れの再通知があれば、夕方の声かけを受付担当の記憶に頼らなくて済みます。 段階を飛ばさないでください。 半自動化を1か月回すと、受付担当に戻る伝言の多い取引先と、ボタンを押さない社員が先に分かります。名簿と運用の決まりを直してから再通知を足すほうが、通知が多すぎて読まれない状態を避けられます。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
4 名
月間件数
600 件
1件あたり現在時間
5 分
1件あたり導入後時間
2 分
現在  600件 × 5分 ÷ 60 = 50 時間/月
導入後 600件 × 2分 ÷ 60 = 20 時間/月
月間削減時間
30h
削減率
60%
年間削減時間
360h
年間金額換算(時間単価2,500円)
90万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

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06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 代表電話を総務や受付が受け、社員への伝言を紙のメモや手打ちのチャットで渡している従業員100〜500名ほどの会社。外出や在宅で社員が席にいないことが多く、伝言が机の上に残ったまま折り返されない、急ぎかどうかが伝わらないといった声がある場合。Microsoft 365 を使っていて、社員の名簿を SharePoint リストや Entra ID で引ける場合。
向いていない
  1. 電話の大半を各部署の直通番号やコールセンターで受けていて、代表電話の伝言が1日数件の会社。電話の受付そのものを外部の代行や音声応答に任せている場合。伝言の多くが顧客の病状や相談の中身など機微な内容で、要約を外部のAIに渡せない場合。なお、伝言をどの担当に回すべきかの判断が業務の知識を要する場合の振り分けと、相手への折返しそのものは、この構成では代替できません。

07最小構成で試す方法

  1. 先週の伝言メモ(紙・チャット)から30件を集める(うち数件は、急ぎだったものと、宛先を迷ったものを入れる)
  2. 受付担当に、それぞれの伝言で何を聞き、どこで迷ったかを聞き取る
  3. 走り書きの内容を、手元のAIサービスの画面に1件ずつ貼り付ける
  4. 「この伝言から、用件の要約、折返しの要否、相手が言った期限(言葉のまま)、宛先の手がかりを分けてください。期限を言っていなければ空にしてください。電話番号を直さないでください」と指示する
  5. 出てきた結果を、当時の伝言メモと突き合わせる

30件は必ずやってください。 フローを組む前に、「走り書きから項目に分けられるのか」を確かめます。

出てきた内容判断
当時のメモと同じ項目に分かれたフォームとフローの作成に進む
言っていない期限を補った指示の書き方で直る。構成は有効
走り書きが短すぎて分けられないフォームの書き方が先。 用件の欄に聞いたまま書く練習から

3行目が出ることは珍しくありません。 紙の走り書きは書いた本人にしか読めない略し方になっていることが多く、フォームに入力する前提に変えると、書き方そのものが変わります。 その場合は、フォームを先に作り、1週間分の入力を集めてから同じことを試してください。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
「急ぎ」から期限の日時を作る期限を言っていなければ空にすると指示に明記する
同じ姓の社員に届く宛先を AI に決めさせない。名簿で絞り、決まらなければ受付担当へ
電話番号の桁が変わる番号はフォームの欄から取る。AIには直させず、形の確認は式で行う
「明日」が日時に直せない受付日時をプロンプトに渡す
受付担当の所感が相手の言葉に混ざる所感は別の欄にし、指示でも混ぜないと書く
グループのフォームが選べないフォームのアドレスの「FormId=」の後ろを手で入れる
JSON が作れないと出る「JSON のマークダウンを含めない」を指示に足す
Flow bot で投稿できないTeams の管理センターで Workflows アプリを許可する
返事待ちのフローで再通知ができない再通知は台帳を見る別のフローに持たせる
社員がボタンを押さない押さない限り再通知が来ることを、最初に周知する
再通知が多すぎて読まれない急ぎの度合いで再通知の時刻を分ける
紙のメモとフォームが併存する入口をフォームに1つに決め、紙をやめる日を決める

上の3行が、この構成の失敗のほとんどです。 どれも「AIが親切に埋める」ことから起きます。期限・宛先・番号の3つを AI に作らせない設計にしてあるかで、伝言を信じてもらえるかが決まります。

下の2行は、運用が始まってから効いてきます。 ボタンを押す習慣が根づかないと、誰も再通知を読まなくなります。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 電話の相手の会社名・氏名・電話番号、用件の内容、社員の氏名と不在の予定です。相手が個人の場合(求職者、取引先の担当者の携帯電話など)は、個人情報を含みます。

  1. AI に渡す範囲を用件の整理に要る項目に限る … 電話番号は AI に渡さなくても宛先と期限は取り出せます。番号はフローの側だけで持ち、プロンプトには会社名・氏名・宛先・用件だけを渡す設計にできます
  2. 処理される場所を確かめる … 公式の説明では、日本でホストされる Power Platform の環境では、生成AIの機能を支える Azure OpenAI Service が米国でホストされ、地域をまたぐデータの移動を許可すると、入力と出力が地域の外に移ることがあるとされています。管理者がこの設定を確かめたうえで使ってください
  3. 機微な用件を書かない決まりを作る … 社員の家族の病状、求職者の選考の結果など、伝言として受付担当が聞いた内容にも機微な話が混ざります。 「詳細は本人から」とだけ書く決まりを、受付担当と共有します
  4. 台帳の閲覧の範囲を決める … 伝言の台帳は全社の電話の記録です。見られる人を総務部と、自分宛ての伝言に限るように、リストの権限を分けます
  5. 折返しの結果を評価に使わない … ボタンを押した日時は折返しの早さの記録になりますが、個人の評価に使うと、押さずに折り返す社員や、折り返す前に押す社員が出ます。 部署ごとの集計にとどめます
  6. 保存の期間を決める … 伝言の台帳と AI の出力は、決めた期間を過ぎたら消します。取引先との約束の記録として残すべきものは、本人が別の場所に移す運用にします

誤りが起きた場合のリスクは、伝言が別の人に届くことと、相手が言っていない期限で動くことの2つです。 前者は宛先を AI に決めさせると起き、後者は期限を推し量らせると起きます。どちらも「AIが埋めた」ことが原因なので、埋めさせない指示と、名簿で決める規則で守ります。

10まず何から始めるか

1週目:社員の名簿を整える

社員の名簿の SharePoint リストに、読み、Teams のアカウント、よく受ける取引先、不在の予定の列を足します。全員分を一度に埋める必要はありません。伝言の多い営業部と購買部から埋めます。 この2部署で伝言の大半を占めます。

2週目:30件で試す

先週の伝言メモから30件を選び、手元のAIサービスに貼り付けて項目に分けさせます。当時のメモと突き合わせ、言っていない期限を補っていないかを最優先で見ます。

3週目:フォームを作り、受付担当に慣れてもらう

伝言フォームを作り、紙のメモと並行して1週間だけ入力してもらいます。 用件の欄に聞いたまま書くことと、所感を別の欄に書くことに慣れてもらいます。

4週目:フォームから Teams のカードまでをつなぐ

Power Automate で、フォームの回答を受けて AI Builder のプロンプトで整え、名簿で宛先を決めて Teams のカードで届け、台帳に残すところまで作ります。この時点で紙のメモをやめます。

2か月目: 期限切れの再通知のフローを足し、受付担当に戻る伝言の件数と理由を毎週数えます。3か月目以降: 二度目の電話の検知と、部署ごとの折返しの早さの集計を足し、1件5分が何分になったかを実測します。受付担当に戻る伝言が減り、二度目の電話が月に数件まで減った時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-14/最終更新:2026-10-14
確認した内容情報源確認日
Microsoft Forms のトリガー When a new response is submitted が回答のIDを返し、Get response details で回答の中身を取り出すこと。グループのフォームがドロップダウンに出ず、「FormId=」の後ろを手で入れる必要があることMicrosoft Learn: Microsoft Forms コネクタ2026-10-14
2025年5月から「Create text with GPT using a prompt」が Run a prompt に改称されたこと。プロンプトが Azure OpenAI Service の GPT のモデルで動き、提供が一部の地域に限られ、利用の上限や容量による制限を受けることがあることMicrosoft Learn: Use your prompt in Power Automate2026-10-14
プロンプトの出力に JSON を選べ、形式が Auto detected と Custom に分かれ、保存したときの形式が実行時に使われること。JSON が作れないときに「Don't include JSON markdown in your answer」を指示に足すことMicrosoft Learn: JSON output2026-10-14
Post adaptive card and wait for a response が、誰かが応答するまでフローを止めること。Post message in a chat or channel の存在。Flow bot での投稿に Workflows アプリの許可が要ること。メッセージの大きさの上限がおよそ28KBであることMicrosoft Learn: Microsoft Teams コネクタ2026-10-14
SharePoint の Get items に Filter Query(OData の条件)があり、Create item、Update item のアクションがあることMicrosoft Learn: SharePoint コネクタ2026-10-14
日本でホストされる環境では Azure OpenAI Service が米国でホストされ、地域をまたぐデータの移動を許可すると入力と出力が地域の外に移ることがあること。AI Builder の AI Prompts がこの設定の対象であることMicrosoft Learn: Move data across regions for Copilots and generative AI features2026-10-14

伝言の扱いの決まり(機微な用件の書き方、台帳の保存の期間)は、総務部と情報システム部門で決めてください。 本記事は Microsoft Learn で確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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