検索クエリとキーワードの違いとは?|意図で打ち手を変える

検索クエリとキーワードの違いとは?|意図で打ち手を変える

「サーチコンソールで見ている語と、広告の管理画面に設定している語が、そもそも別の一覧になっている」「実際に打たれた語の一覧を毎月出しているが、出したあとに何をするかが決まっていない」——検索の運用を点検すると、たいてい最後まで残る宿題です。Google広告のヘルプは、この二つを別の言葉として定義しています。検索語句は「ユーザーが Google 検索や検索ネットワークのサイトで検索を行うときに入力する語句」、キーワードは「適切なターゲット ユーザーに広告を表示するために、Google 広告をご利用の広告主様が広告グループに設定する語句」。入力する語句設定する語句で、主語が違います。つまり前者は相手が打った語、後者はこちらが置いた語です。打たれた語の一覧は、設定した語の答え合わせではなく、次に何をするかを決めるための材料です。この記事では、二つの違いをどこで確かめるか、打たれた語を意図で三つに仕分ける見分け方、AIに仕分けさせたあと人が確かめる範囲、分類ごとに変える打ち手、そして仕分けを毎月の作業として回す形までを整理します。


カメ先生カメ先生

クエリとキーワードの違いは、言い方の違いだと思われがちですが、実際には作業の向きが逆になる違いなんです。


カメ子カメ子

キーワードは自分たちで決める語、クエリは相手が打った語、ということですか。


カメ先生カメ先生

そうです。だからキーワードは足したり削ったりできますが、クエリは変えられません。できるのは、打たれた語を意図で仕分けて、分類ごとに違う受け方を用意することだけです。


カメ子カメ子

語を増やす作業ではなく、届いた語をどう受けるかを決める作業なのですね。


この記事のポイント
  • クエリは相手が打った語、キーワードはこちらが設定した語。二つの一覧は意味で結び付くので一致しない
  • 打たれた語は調べたい・行きたい・買いたいの三つに畳んで仕分け、どれにも当てない対象外の行を作る
  • AIに仕分けさせたら、件数上位は全数、残りは分類ごとに抜き取りで人が確かめる。根拠を書かせていない仕分けは使わない

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目次

クエリとキーワードは、公式の定義から違う

二つの言葉の出どころを先に押さえます。Google広告のヘルプ「検索語句レポートについて」は、検索語句を「ユーザーが Google 検索や検索ネットワークのサイトで検索を行うときに入力する語句のことです」と書き、キーワードを「適切なターゲット ユーザーに広告を表示するために、Google 広告をご利用の広告主様が広告グループに設定する語句のことです」と書いています。自然検索側でも同じで、検索パフォーマンス レポートの説明は「『クエリ』ディメンションは、ユーザーが入力した検索クエリごとにデータをグループ化します」となっています。どちらも、こちらが決めた語ではなく相手が打った語を並べたものです。

実務でややこしいのは、日本語の会議では両方を「キーワード」と呼んでしまうことです。「このキーワードが伸びている」と言われたとき、それが自分たちの設定した語の話なら次の手は入札や記事の追加ですが、相手が打った語の話なら次の手は「この語をどう受けるかを決める」ことになります。同じ一言から、まったく違う作業が始まります。呼び分けを決めていない組織では、月次の会議が毎回この確認から始まり、そのうち誰も確認しなくなって、両方の話が混ざったまま結論だけが出ます。

呼び分けの実装は難しくありません。台帳を二つに分けるだけです。一つは狙う語の台帳で、これはこちらが増やしたり削ったりできます。もう一つは打たれた語の記録で、これは変えられません。打たれた語の記録に対してできるのは、増減させることではなく、仕分けて受け方を決めることだけです。この区別が入ると、月次の作業が「語を足す会議」から「受け方を決める会議」に変わります。

二つの一覧が一致しないのは、意味で結び付けているから

設定した語と打たれた語の一覧は、突き合わせても一致しません。理由は照合の仕組みにあります。Google広告のヘルプは、フレーズ一致を「キーワードと同じ意味の内容を含む検索が広告の表示対象になります。文言に差があっても、同じ意味に解釈できる場合は一致と見なされます」と説明し、完全一致を「キーワードとまったく同じ意味または意図の検索が、広告の表示対象となります」と説明しています。範囲の広いインテント マッチは「指定したキーワードに関連する内容の検索が広告の表示対象となります」です。

注目すべきは、いちばん絞り込みが強いはずの完全一致の説明にも「まったく同じ意味または意図」と書かれている点です。まったく同じ文字列、ではありません。公式の仕様として、一つの設定語に対して文字列の違う複数の検索語句が結び付きます。同じヘルプは「3つのキーワード マッチタイプの中で、完全一致は広告の表示対象を最も絞り込むことができるもの」とも書いていますが、絞り込みが強いことと文字列が一致することは別の話です。一覧が一致しないのは設定の不備ではなく、意味で結び付けるという仕組みそのものの帰結です

自然検索側では開きがさらに大きくなります。一つのページが数十から数百の語で表示されるのは普通で、その多くはこちらが想定していなかった言い方です。だから二つの一覧を突き合わせて差分を消す作業には終わりがありません。設定語を足しても、翌月には別の言い方が並びます。やるべきは差分を消すことではなく、出てきた語を分類して、分類ごとの打ち手に流すことです。次章では、そもそも語を並べきれない理由を見ます。

毎日15パーセントは、初めて見る語

Googleは2017年4月25日付の公式ブログで、毎日目にする検索のうち15パーセントは新しいものだ、と書いています。署名は当時の検索部門の責任者ベン・ゴームズ氏で、検索品質の改善について説明した記事の中の一文です。検索の側から見ると、毎日100語のうち15語は初めて見る語ということになります。この数字は以前から繰り返し示されてきたもので、検索の専門メディアでも折に触れて取り上げられています。

この一文が運用に与える意味は単純です。狙う語の台帳をどれだけ丁寧に作っても、実際に打たれる語はそこからはみ出し続けます。台帳の網羅性を上げる作業には上限があり、しかもその上限は毎日更新されます。語を先に列挙する作業と、打たれた語を後から仕分ける作業は、互いの代わりになりません。前者だけを続けている運用は、いつまでも自分たちの想像の中を回ります。はみ出した語の中に、こちらが言葉にできていなかった困りごとが入っているのに、その語を見る工程がないので気付けません。

ただし数字の扱いには留保が必要です。これは2017年時点の記述で、その後の最新値としてGoogleが更新した数字を確認できたわけではありません。15パーセントという水準を今年の実測値として社内資料に書くのは避けてください。使い方は「新しい語が出続けるので、後から仕分ける工程を常設する」という判断の根拠までです。自社の実数を知りたいなら、前月に出た語と今月に出た語を突き合わせて、初めて出た語の割合を自分で数えるのが確実です。

打たれた語の一部は、そもそも表に出てこない

仕分ける前に、材料の欠けを知っておきます。Google広告のヘルプは「クエリ アクティビティが十分でない検索語句は、データのプライバシーに関するGoogle の基準を遵守することを目的として、検索語句レポートから除外される場合があります」と明記しています。打たれたのに一覧に現れない語があるということです。件数の少ない語から順に落ちるので、欠けは長い言い方や珍しい言い方に偏ります。

同じヘルプの別ページには、この欠けを前提にした機能の説明があります。検索カテゴリは「キャンペーンへのトラフィック増加につながる検索語句のグループです(自動生成されます)」で、「プライバシー上の理由で検索語句レポートに表示されないものを含め、すべての検索語句がグループ化の対象となり」ます。分類の軸も書かれていて、「ユーザーの意図のほか、商品とサービスの属性に基づいて自動的に分類されます」。意図で束ねるという発想は、提供側の機能にもすでに入っています。ただし見えるのは束ねられた結果なので、語ごとの打ち手には直結しません。自分で仕分ける作業が要るのはそのためです。

自然検索側でも数が揃わないことがあります。検索パフォーマンス レポートの説明には「グラフのデータはすべてプロパティごとに集計されます」とあり、続けて「グラフの合計が表の合計と一致しない場合があります。これは通常、集計方法の違い(プロパティごとか、ページごとか)によるものです」と書かれています。合計が合わない理由を追う作業と、見えている語を仕分ける作業は別物です。前者に時間を使うと、後者がいつまでも始まりません。

  • 語が隠される仕組みそのものを追う話は、この記事の範囲外です。ここでは「見えた語だけで判断を作る」ことを前提にします
  • 欠けが偏る方向(長い言い方・珍しい言い方が落ちやすい)だけは覚えておくと、仕分けの結果を過信しなくなります

意図の分類とは何か。評価ガイドラインの四つ

意図で仕分けるという考え方は思い付きではなく、公式文書に骨組みがあります。Googleが公開している検索品質評価ガイドライン(表紙の日付は2025年9月11日、全182ページ)の12章7節は、検索の語は次の四つのうち一つ以上の意図を持つと考えると役に立つ、と書いています。知りたい型(うち短い答えで済む型)、やりたい型、特定のサイトに行きたい型、その場所へ行きたい型の四つです。原典は英語の文書なので、以下は原文の記述を日本語に置き換えて示します。

それぞれの定義も同じ節にあります。知りたい型は、情報を見つけること、あるいは話題を見て回ること。やりたい型は、目的を果たすこと、あるいは行動に加わることで、入手する、買う、視聴する、サイトやアプリを操作するといった例が挙がっています。特定のサイトに行きたい型は、相手が求めた特定のサイトかページ1枚にたどり着くこと。その場所へ行きたい型は、近くの店や施設を探す検索を指します。同じ節には、やりたい型と知りたい型の境目は曖昧で両方に入る語もある、厳密に分けようとしなくてよいという注意まで書かれています。

実務でいちばん効くのは、知りたい型の中の区別です。短い答えで済む型の判定基準は、ほとんどの人が同じ答えに同意でき、1〜2文か短い箇条書きに収まるなら、この型だと書かれています。ここに入る語に記事を作っても、読み物としては消費されません。同じ節には、そうでない語の条件も並んでいます。短い答えのない広い語、あいまいな語、見解が割れる語、決まった正解のない語、人によって欲しい情報が違う語、見て回りたい語、着想を探している語、実際に経験した人の意見を探している語。この八つに当たるなら、記事にする価値がある側です。

実務では三つに畳む

四つをそのまま社内の分類に使うと扱いにくいので、打ち手の数に合わせて畳みます。デボノで整理するときは調べたい・行きたい・買いたいの三つにします。調べたいは知りたい型。行きたいは、特定のサイトに行きたい型とその場所へ行きたい型を合わせたもので、どちらも相手の行き先がすでに決まっている状態だからです。買いたいは、やりたい型のうち取引に向かうものを取り出したものです。そして三つのどれにも当てない語を置く対象外の行を作ります。

畳むと情報が落ちます。落ちる分は先に書き出しておきます。第一に、店舗や拠点を持つ商売では「その場所へ行きたい」を独立させたほうがよい。打ち手が地図の情報や拠点ごとのページになり、他の分類と重なりません。第二に、やりたい型のうち取引に向かわないもの、つまり計算する、試す、変換する、様式を手に入れるといった語は、買いたいに寄せると打ち手を間違えます。道具や様式を置くのが正解で、営業の導線を置くと逃げられます。第三に、短い答えで済む型は調べたいの中に別の印を付けておきます。打ち手が違う語を同じ分類に入れると、分類そのものの意味がなくなります

  • 評価ガイドラインの四つをそのまま分類名にして、自社名の語が「サイトに行きたい」なのか「会社を調べたい」なのかで毎回議論になる
  • 分類を五つ六つに増やしたのに、どの分類にも対応する打ち手が決まっていない
  • 分類名を決めずに「意図で分けて」と依頼し、月ごとに違う分類名の表が出てくる

分類の数は打てる手の数で決めます。記事を作る、広告と着地を作り分ける、案内の情報を整える、何もしない。この四つしか打てないのであれば、分類も四つで足ります。分類を細かくすると精度が上がるように見えますが、打ち手が同じ分類を分けても会議の時間が増えるだけです。逆に、打ち手があるのに分類がない状態は取りこぼしになるので、新しい打ち手を持ったときだけ分類を増やします。

見分け方は、語の中の言葉に出る

仕分けは勘ではなく、語の中に現れる言葉で決めます。次の表は、三つの分類にそれぞれ現れやすい言葉を並べたものです。表を作る目的は精度を上げることよりも、担当が変わっても同じ答えが出るようにすることです。自社の商売に合わせて言葉を足していけば、そのまま社内の判定基準になります。

分類語の中に出やすい言葉打たれ方の例(一般名詞で示す)
調べたいとは/違い/方法/理由/メリット/デメリット/相場/流れ/注意点/事例業務の名前だけ、業務の名前と「とは」、二つの手段の名前と「違い」
行きたい自社や他社の固有名詞/ログイン/問い合わせ/サポート/固有名詞と「料金」会社名だけ、会社名とサービス名、会社名と採用
買いたい見積/依頼/発注/価格/費用/おすすめ/比較/導入/代行/外注業務の名前と「代行」、業務の名前と「見積」、地域名と業務の名前

表を使うときの注意は、ガイドラインに二つ書かれています。一つは、語の中の重要な言葉に注意すること。例として挙がっているのは「緊急ではない番号」を探す検索で、「緊急ではない」の部分を無視した結果を返すと利用者は不満を持つ、というものです。「以外」「無料」「やめた」「失敗」「使えない」のような否定や限定の言葉を落とすと、分類が反転します。もう一つは、語がいくつか一致していてもそれが役に立つとは限らない、という注意です。表の言葉に当たったから終わり、にはできません。

打ち間違いとかな漢字の混在は、別の語として数えず同じ意図に束ねます。表示回数の少ない語がずらりと並ぶ部分は、たいていこの束ね直しで数十行が数行になります。仕分けの前に語の表記を寄せておくと、後の判断が桁違いに軽くなります。寄せる作業は機械的なのでAIに任せてよい部分ですが、束ねた元の語は捨てず、対応表として残しておきます。あとで件数を再計算するときに要ります。

同じ語が二つの意図を持つときの扱い

一つの語に複数の意図が立つのは例外ではありません。ガイドラインの12章5節は、解釈の重みを段階で分けています。主たる解釈は、その語を打つ人の大多数が意味しているもの。よくある解釈は、多くの人あるいは一部の人が意味しているもので、複数あり得ます。少数の解釈はさらに二つに分かれ、理にかなうものは、助かる人は少ないが結果の中にあってよいもの。ありそうにないものは、理屈の上では可能だが実際にはほとんど無いもの。そしてほぼあり得ない解釈は、ほとんど誰も念頭に置かないほど可能性が低いもの、と定義されています。

12章7節5項には、意図が並び立つ語の例が挙がっています。大手小売の社名の語は、近くの店へ行きたい、サイトで買いたい、会社について知りたい、が同時に立ちます。大学名の語も、公式サイトへ行きたい、場所を知りたい、入学の手続きや歴史を知りたい、が並びます。同じ節には、これだけ多くの人がこれだけ多くのことを検索しているのだから、解釈や意図は理にかなうものとして扱う側に寄せ、必要なら語を調べよ、とも書かれています。日本語の運用でこれが起きるのは、たいてい固有名詞と一般語の組み合わせです。会社名と「評判」、サービス名と「料金」、業務の名前と「費用」。

扱いは決めておきます。台帳に第1分類と第2分類の二列を持ち、件数は第1分類にだけ足します。二つに分けて数えると合計が実数を超え、翌月との比較ができなくなります。着地は第1分類に合わせて作り、第2分類にはそのページの中に出口を置く。料金の語なら価格の説明の並びに問い合わせの入口を置く、という程度で足ります。意図が二つある語は、二つのページを作る理由にはなりません。同じ語に向けて似たページを二つ作ると、どちらも中途半端になります。

語の意味は、時間とともに変わる

仕分けが腐る仕組みも、同じガイドラインに書かれています。12章6節は、語とその今の意味を考えるように、と述べ、続けて、語の中で別途指定されていない限り、利用者はその話題についての現在の情報、最も新しい製品の型、繰り返し起きる出来事の直近の回を求めていると想定する、としています。挙げられている例は、同じ人名の語が年によって別人を指し、同じ製品名の語が年によって別の世代を指す、というものです。語が指しているのは、今の意味です

実務で効くのは、制度名、年号の付いた語、製品の世代を含む語です。制度の改正があると、去年まで調べたいだった語に相談や依頼の言葉が混ざり始めます。逆に、話題が一巡すると買いたいだった語が調べ物に戻ります。語の文字列は変わらないので、台帳を眺めただけでは変化に気付けません。気付けるのは、分類ごとの件数の比率が動いたときと、着地したあとの動きが変わったときです。だから比率そのものを毎月記録します。

結果として、仕分けは一度で終わりません。年に一度の棚卸しではなく、毎月の差分で見ます。見るのは全件ではなく、新しく出た語、消えた語、分類が変わった語の三種類だけです。三種類に絞れば、件数が数千行あっても見るのは数十行で済みます。ここまでで前提が揃ったので、次章から実際の手順に入ります。

実データをAIに仕分けさせる手順

手順は六段です。順番を入れ替えると、あとで検算ができなくなります。特に三段目を飛ばすと、毎月違う基準の表が出てきて比較できません。

STEP1
元のデータを取り出す

期間は前月の1か月分。広告側は検索語句のレポート、自然検索側は検索パフォーマンスの語ごとの表を使います。行数の上限に当たる場合は表示回数の多い順で切り、どこで切ったかを記録します。切った位置を残さないと、翌月と比較できません。

STEP2
列を削る

残すのは語、表示回数、クリック、掲載順位、広告側は費用まで。それ以外は渡しません。氏名らしき語や電話番号らしき数字が入る列は、この段で落とします。落とす基準は文書にしておき、その場の判断にしません。

STEP3
分類の定義を文章で固定する

分類名は調べたい、行きたい、買いたい、対象外の四つ。それぞれの言い換え、迷ったときの寄せ先、判断できない場合の置き場所まで書きます。この文章は毎月同じものを使い、直したときだけ日付を添えて書き換えます。

STEP4
表記を寄せる

打ち間違い、かなと漢字の混在、送り仮名の違いを同じ語として束ねます。ここは機械的な作業なのでAIに任せます。束ねた元の語は対応表として残し、件数の再計算に使えるようにします。

STEP5
語ごとに分類と根拠を出させる

出させる列は、分類名、根拠になった語、自信の高低の三つ。分類名だけを受け取ると、外れた行を見たときに定義のどこが足りなかったのかが分かりません。根拠の列は、あとで定義を直すための材料です。

STEP6
人が抜き取りで確かめ、定義に書き足す

件数上位の語は全数、残りは分類ごとに無作為で抜き取ります。人の判断と食い違った行は、その行だけ直すのではなく、定義の文章に条件を書き足して再実行します。

三段目の「定義を先に文章で固定する」を飛ばすと、月ごとに違う分類名の表が出てきます。分類の定義は、AIに考えさせる対象ではなく、AIに渡す前提です。毎月同じ文章を使うから、前月との差分が読めます。定義を直したときは、その月の表に「定義を直した」と書き添えておきます。書き添えていないと、語の意味が変わったのか定義が変わったのかを区別できません。

渡す前に落とす列も決めておきます。検索語句には、氏名らしき語、電話番号らしき数字、取引先の社名がそのまま入ることがあります。外部の道具に渡す前に、どの列を落とすかを一度決めて文書に残しておきます。落とす基準を毎回その場で判断していると、担当が変わったときに崩れます。落とした列は、人が見る側の台帳にだけ残しておけば足ります。

AIの仕分けを信用してよい範囲

AIの出した分類は、全件を信じる対象ではありません。抜き取りの設計を先に決めます。件数上位の語は打ち手の大きさが違うので上位20語は全数を人が見る。残りは分類ごとに10語ずつ無作為に抜き、人の判断と突き合わせます。一致率が9割を下回ったら、個別に直すのではなく定義の文章を直して再実行します。個別に直すと、直した根拠が翌月に残りません。

AIが外しやすい型は決まっています。第一に、自社や競合の固有名詞を一般語として読むこと。社名が普通名詞と同じ表記のときに起きます。第二に、二文字の略語や業界の言い回し。第三に、打ち間違いとかな交じりの語ですが、これは前工程で表記を寄せておけば減ります。第四に、地名との衝突で、地名と同じ表記の一般語がその場所へ行きたい側に寄ってしまいます。この四つは、抜き取りの対象に必ず含めます。無作為に抜くだけでは、四つとも件数が少ないので網に掛かりません。

  • 分類の根拠になった語を書かせず、分類名だけを受け取る
  • 自信が低いと自分で申告した行を、確認せずにそのまま台帳に入れる
  • 先月作った分類表を検算せずに、今月の語も同じ基準で分けられたものとして扱う
  • 一致率を測らずに、だいたい合っているという感触だけで運用に乗せる
  • AIが速いのは、語の表記を寄せる作業と、分類の下書きを作る作業です。どの分類にどの打ち手を当てるかは人が決めます
  • 根拠の列を出させておくと、外れた行を見たときに定義のどこが足りなかったかが分かります。答えだけでは直せません

調べたいに当てる打ち手

調べたいに入った語の打ち手は記事です。ただし全部ではありません。前に見た「短い答えで済む型」に当たる語は外します。判定は簡単で、その語の答えを自分で1文に書けるなら外す。書けてしまう語に記事を作っても、読み手は答えを見た時点で離れます。この判定を入れるだけで、作る本数が現実的な数に落ちます。

残った語には、語のまま見出しを付けず、問いの形に直して構成を作ります。相場という語なら「いくらが相場で、何によって上下するのか」。違いという語なら「どちらを選ぶ場面がどこで分かれるのか」。同じ問いを立てた記事が自社にすでにあるなら、語が違っても作りません。語ではなく問いで重複を見る、という判定を持っておくだけで、似た記事が増えるのを止められます。

測り方も分類に合わせます。調べたいの語は表示回数と掲載順位で測ります。ここで問い合わせの数を見ると、ほぼ全ての記事が失敗に見えます。分類ごとに測る指標を変えないと、調べたい向けの記事は毎回作り損に見えます。問い合わせの数で測るのは次章の分類です。指標を分けて置くだけで、月次の報告で記事を止める判断が出にくくなります。

買いたいに当てる打ち手

買いたいに入った語の打ち手は、広告と着地の作り分けです。実データで見ると、この分類の語は単価が高く件数が少ない傾向が出ます。費用が出ている語の一覧と、意図の分類を語の列で結合して並べると、単価の高い語がどの分類に集まっているかが一目で分かります。作業は結合するだけで、判断はそのあとに人がします。

着地で確かめるのは三つです。料金の考え方が書いてあるか。金額そのものを出せなくても、何によって決まるかは書けます。次に、対応できる範囲と対応できない範囲が書いてあるか。断る条件を先に書くほうが、問い合わせの質が上がります。最後に、依頼の手順が同じ画面にあるか。別ページに飛ばすと、そこで人数が減ります。この三つが揃っていない着地に単価の高い語を当てるのは、費用の使い方として割に合いません。

落とし穴は取り違えです。買いたい語に長い解説記事を当てると、読み終わる前に離脱します。逆に調べたい語に見積の画面を当てると、単価を払って何も起きません。語の分類と着地の種類が食い違っているところが、いちばん先に直せる無駄です。直す順番は費用の大きい語からです。件数の多い語からではありません。件数が多くて単価の低い語は、たいてい調べたい側に入っています。

行きたいに当てる打ち手と、何もしないという判断

行きたいに入った語では、すでに相手の行き先が決まっています。だから説得の文章は要りません。整えるのは探しに来た情報のほうです。料金の一覧、問い合わせ先、対応の時間、よくある質問、会社の所在地、採用の情報。自社名の語で来た人が探しているのはこれらで、記事ではありません。ここに読み物を置くと、探している情報が下へ押し出されます。

分類主な打ち手測る指標やらないこと
調べたい記事、比較の整理、用語の説明表示回数、掲載順位問い合わせ数で良否を決める。1文で答えが決まる語に記事を作る
買いたい広告と着地の作り分け、依頼の導線問い合わせ数、単価長い解説記事を当てる。料金の考え方を書かずに集める
行きたい案内の情報の整備、探しやすさたどり着けたか、離脱説得の文章を足す。別ページに飛ばす
対象外何もしない(理由を1行残す)測らない毎月議題に上げ直す。念のため記事を作る

対象外の行を作っておくのが、この表でいちばん効きます。競合の社名、別業種の同じ表記の語、社内の人が検証で打った語。何もしないという判断を書き残さないと、翌月も同じ語が議題に上がります。理由は1行で足ります。競合名のため対応しない、別業種の同名語、社内の検証。判定した日付を添えておけば、半年後に見直すときの手掛かりになります。

逆に、対象外に入れてよいか迷う語は保留にして残します。判断を保留する行があること自体は問題ではなく、保留のまま件数が伸びていることに気付かないのが問題です。保留の行だけを別に数え、件数が前月比で増えていたら、その月の議題に上げます。仕分けの目的は全ての語に手を打つことではなく、手を打たない語を確定させることでもあります

仕分けを毎月の作業として回す形

最後に、これを続く形にします。頻度は月1回。見るのは全件ではなく差分。担当は1人に決め、所要は1時間を上限にします。1時間で終わらないなら、見る範囲が広すぎるか、前月の判定が台帳に書き戻されていません。書き戻していない台帳は、毎月同じ語を仕分け直させます

クエリの仕分けを回すときの確認項目
  • 狙う語の台帳と、打たれた語の記録が別のファイルに分かれているか
  • 分類の定義を書いた文章があり、直した日付が入っているか
  • 渡す前に落とす列(氏名らしき語、電話番号らしき数字など)が決まっているか
  • AIの出力に、分類名だけでなく根拠になった語と自信の高低が入っているか
  • 件数上位の語を全数、残りを分類ごとに抜き取りで人が見たか
  • 一致率を記録し、下回ったときに定義を直して再実行したか
  • 第1分類と第2分類が分かれ、件数は第1分類だけに足しているか
  • 対象外に回した語に、理由と判定日が入っているか
  • 分類ごとに測る指標が違うことが、月次の報告の様式に反映されているか
  • 前月との差分(新しく出た語、消えた語、分類が変わった語)だけを見る形になっているか

記録の残し方は、台帳に列を足すだけで足ります。語、表示回数、クリック、第1分類、第2分類、判定日、判定の理由、当てた打ち手、担当。判定日と理由の二列があるかどうかで、半年後の作業量が変わります。理由が残っていれば、語の意味が変わったときに前はこう読んでいたという記録から差分を見られます。残っていなければ、また最初から読み直すことになります。

報告の様式も先に決めます。分類ごとの件数、前月との差、対象外に回した語の数、そして打ち手に流した語の数。報告に「打ち手に流した語の数」が入っていない仕分けは、作業のための作業に戻ります。仕分けた語のうち何本が記事や着地の作業に渡ったのかが見えていれば、月次の会議は数字を眺める場ではなく、判断を確定させる場になります。

まとめ

クエリは相手が打った語、キーワードはこちらが設定した語で、公式の定義からして主語が違います。二つの一覧は意味で結び付くので一致せず、毎日新しい語が出続け、件数の少ない語は一覧にすら現れません。だからやるべきは一覧を揃えることではなく、見えた語を意図で仕分けて、分類ごとに違う打ち手へ流すことです。分類は調べたい・行きたい・買いたいの三つと、手を打たない対象外。仕分けの下書きはAIが速く作れますが、件数上位は全数、残りは分類ごとに抜き取りで人が確かめ、一致率が落ちたら個別に直すのではなく定義の文章を直します。分類の定義、判定日、判定の理由、そして打ち手に流した語の数。この四つを台帳に残せば、翌月は差分だけを見る作業になります。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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