SEOの費用は何に払っている?|AIで減る工程と残る工程

SEOの費用は何に払っている?|AIで減る工程と残る工程

「3社から見積りを取ったら、月額が3倍以上違った。何がそんなに違うのか説明できない」「毎月払い続けているが、実際は何の作業に対して払っているのか分からない」——見積書を前にしたBtoBのマーケ担当者から、繰り返し出てくる声です。検索エンジンを提供するグーグルは、公式資料の中で、SEO業者が提供する仕事として8種類の異なる業務を挙げています。サイトの構成の見直し、技術面の助言、コンテンツの開発、キーワードの調査、研修、特定の市場に関する専門知識——並べてみると、必要な技能も、かかる時間も、成果が出るまでの長さもばらばらです。つまりSEOの費用は、一つの商品に付いた値段ではありません。本当は、性質の違う複数の工程を、どこまで人に任せるかで決まる合計額です。この記事では、費用が何の工程に払われているのか、そのうちどこがAIで下がり、どこは下がらないのかを、工程ごとに比べながら整理します。


カメ先生カメ先生

SEOの費用って、検索順位を買う値段だと思われがちなんだけど、本当は『どこまでの工程を人にやってもらうか』の値段なんだ。


カメ子カメ子

同じSEOという言葉でも、中身が違うということですか。


カメ先生カメ先生

そう。調べるところまでなのか、直すところまでなのか、続けるところまでなのか。範囲が違えば金額は何倍にもなる。工程の名前で比べないと比較にならないんだ。


カメ子カメ子

見積書には範囲そのものが書かれていないことも多そうです。


この記事のポイント
  • SEOの費用は「調査・設計・制作・技術改修・計測・運用」の6工程に分かれ、見積りが割れる最大の原因は、買う工程の範囲が違うこと
  • AIで下がるのは材料を集めて下書きを作る工程。判断・技術改修・確認の工程は下がらず、確認の手間はむしろ増える
  • 見積書は金額ではなく「どの工程を、誰が、どこまでやるか」で読む。抜けている工程はあとから必ず費用として戻ってくる

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目次

「SEOの費用」という言葉が、同じ仕事を指していない

見積りを比べる前に確かめたいのは、3社が同じ仕事に値段を付けているとは限らない、という点です。検索エンジンを提供するグーグルは、SEO業者の利用を検討する人に向けた公式資料の中で、業者が提供する仕事として次のようなものを挙げています。並べて読むと、まったく別の職種の集まりだと分かります。

  • サイトのコンテンツや構成の見直し
  • 置き場所の設定、転送の設定、エラーページ、画面を組み立てる仕組みといった技術面の助言
  • コンテンツの開発
  • オンラインでの販売促進の運用
  • キーワードに関する調査
  • SEOの研修
  • 特定の市場や地域に関する専門知識
  • 生成AI向けの最適化

この8つは、担い手が違います。構成の見直しは戦略の仕事、技術面の助言は開発の仕事、コンテンツの開発は編集の仕事です。1つの会社がすべてを高い水準でこなす前提のほうが、むしろ例外だと考えたほうが実態に合います。だから見積書を読むときは、この8つのうちどれが含まれ、どれが含まれていないのかを最初に確かめます。

「相場はいくらか」という問いが噛み合わないのは、この構造のためです。同じ「車の値段」でも、車種と装備と保証年数を決めなければ答えが出ないのと同じで、範囲を決めないうちは高い安いの判断ができません。見積りを取る前に、自社が買いたい範囲を先に言葉にしておくと、比較が一気に楽になります。

費用の正体は、6つの工程に分かれている

業者ごとに項目名は違いますが、見積書の中身をほどいていくと、おおむね次の6つの工程に収まります。金額を比べる前に、各社の見積りをこの6行に振り分けてみてください。空欄になった工程が、そのまま「あとから請求される可能性のある工程」です。

工程やっていること残る成果物
調査検索する人の問い、競合ページ、自社が入れる余地を調べる検索語の一覧、優先順位、勝てる理由の説明
設計どのページで何に答えるか、直すか作るか統合するかを決めるページの一覧表、内部リンクの方針
制作原稿・図・データを作り、公開できる形にする記事、資料、図版、公開済みのページ
技術改修読み取れる、速い、壊れていない状態にサイトを直す改修の指示書、修正済みのサイト
計測何をもって成果とするかを決め、数字が取れる状態にする計測の設定、報告の型
運用数字を見て、直して、続けるか止めるかを判断する月次の記録、次の打ち手の判断

この6つのうち、初期に集中するのが調査・設計・技術改修・計測、毎月かかり続けるのが制作と運用です。初期費用と月額の内訳が説明できない見積りは、この分解ができていないか、あえて説明していないかのどちらかです。まず6行に振り分ける。これだけで、「安い見積り」の正体がかなり見えてきます。

調査:何で勝負するかを決める工程

調査は、検索する人が何を知りたがっているか、その問いに既にどんなページが答えているか、自社が入り込む余地があるかを見極める工程です。グーグルの公式資料が「キーワードに関する調査」と「特定の市場や地域に関する専門知識」を別々の項目として挙げているのは示唆的で、検索語を集める作業と、その市場を分かっていることは別物だという整理になっています。

実務では、検索語の候補を広く集める、需要の大きさを確かめる、既に上位にあるページの中身を読む、自社の在庫(実績・データ・話せる人)と突き合わせる、という4つの作業に分かれます。このうち最初の2つは道具で速くなりますが、3つ目と4つ目は読み込みと社内へのヒアリングが要ります。調査費用の大半は、この読み込みとヒアリングの時間です。

調査が薄いと、あとの工程がまるごと無駄になります。誰も探していない問いに答えるページを何本作っても、数字は動きません。逆に言えば、調査は初期に集中して払い、そのあとは半年から1年に一度の見直しで足りる性質の費用です。毎月同額で調査費が乗り続けている見積りは、中身を一度尋ねてみる価値があります

設計:どのページで何に答えるかを決める工程

設計は、調査で見つけた問いを、どのページに割り当てるかを決める工程です。既存ページを直すのか、新しく作るのか、似たページを1本にまとめるのか。この判断を先にやっておかないと、同じ問いに答えるページが社内で増えていき、自社のページ同士で読者を取り合う状態になります。

成果物は、ページの一覧表です。どのページがどの問いに答え、どこからリンクを受け、どんな行動につなげるかまでが1枚に書かれていれば、設計の工程は成立しています。逆に、この一覧表が出てこないまま「月4本」といった本数だけが決まっている見積りは、設計を飛ばしています。

設計の費用は多くありませんが、飛ばしたときの損失は大きい工程です。後から統合し直すには、公開済みのページの評価をどう引き継ぐかという判断が要り、制作費よりも高い技術改修の費用が発生することがあります。見積りの中で最も削ってはいけない行が、ここだと考えてください。

制作:書く・作る工程

最も目に見えやすく、最も金額が動くのが制作です。グーグルは、有用なコンテンツかどうかを自己点検するための質問として「独自の情報、レポート、研究または分析の結果を提示しているものですか」「自明の事柄だけでなく、洞察に富んだ分析内容や興味深い情報が含まれていますか」「雑に、または急いで制作されたような印象を与えるものではありませんか」といった項目を公表しています。

この基準を満たそうとすると、制作費の中身は文字数ではなくなります。社内の担当者への取材、自社データの集計、図の作成、確認の往復——その情報がどこから来たかを作る作業に費用がかかります。単価が安い見積りは、たいていこの部分を省き、公開されている情報を並べ直す作業だけを含んでいます。

発注時に決めておきたいのは3点です。誰が書くのか、誰が事実確認をするのか、図やデータは誰が用意するのか。この3つが決まっていないと、「原稿は届いたが、社内の確認に自社の工数が数十時間かかった」という形で、見積りの外側に費用が積み上がります。

グーグルは専門性についても自己点検の質問を公表しています。「コンテンツを制作しているサイトを誰かが調査したとしたら、対象トピックの権威としてサイトが信頼されている、または広く認知されているという印象を受けますか」「このコンテンツは、確実にトピックを熟知している専門家または愛好家によって執筆され、レビューされていますか」。つまり誰が書き、誰がレビューしたかが見える形になっているかが問われています。制作費には、社内の専門家をどう巻き込むかの段取りが含まれると考えてください。外注先だけで完結させれば単価は下がりますが、この質問に答えられない記事が積み上がります。

技術改修:読める・速い・壊れていない状態にする工程

技術改修は、検索エンジンがページを読み取れて、訪問者が快適に読める状態を作る工程です。グーグルはページの体験について、自己評価のための質問を公表しています。ウェブに関する主な指標は良好か、安全な方法で配信されているか、スマートフォンで適切に表示されるか、主要なコンテンツを妨害するほどの広告を避けられているか、煩わしい割り込み表示を避けているか、メインの内容とその他を簡単に区別できる設計か、という6項目です。

重要なのは、同じ資料が「単一のシグナルはありません」と明記している点です。コアとなる仕組みは、全般的な体験を示すさまざまな要素をまとめて評価する、と説明されています。つまり「これを直せば順位が上がる」という単品の商品にはならないため、技術改修は成果を約束しにくく、見積りから外されやすい工程です。

費用の性質としては、サイトの作りに強く依存します。手を入れやすい作りなら小さく済み、古い仕組みで組まれていれば、改修そのものが別の開発案件になります。SEO会社の見積りでは「別途お見積り」と書かれることが多く、ここが空欄のまま契約すると、半年後に想定外の金額が出てくることになります。

計測:数字が取れる状態にする工程

計測は、何をもって成果とするかを決め、その数字が取れる状態を作る工程です。検索順位なのか、検索結果での表示回数なのか、サイトへの訪問数なのか、問い合わせの件数なのか。BtoBでは、最終的な受注までの距離が長いため、途中の指標を先に決めておかないと評価ができません

グーグルは、SEO業者を採用する前に確認すべき質問の例として「期待される結果とその時期、成果はどのように測定するのか」を挙げています。この問いに具体的に答えられない見積りは、計測の工程が入っていないと読んで構いません。順位表を毎月送ることは、計測の設計とは別の作業です。

計測は、削られやすく、あとで最も困る工程です。1年たってから「効果があったのか」を問われたとき、開始前の数字が残っていなければ、比べようがありません。契約の初月に、開始時点の数字を記録として保存しておくだけでも、後の判断がまったく違うものになります。

運用:続けて、直して、判断する工程

運用は、公開したあとに数字を見て、落ちたページを手当てし、新しい問いを足し、伸びないものを止める工程です。検索する人の関心も、競合のページも動くため、公開して終わりにはなりません。月額費用の大半は、実質的にこの工程の作業量です。

運用の中身は、報告書の枚数ではなく、判断の回数で測るのが実務的です。先月と比べて何が変わり、その原因は何で、次に何をやめて何を足すのか。この3つが毎月書かれていれば、運用は機能しています。数字の一覧だけが毎月届く契約は、集計の外注であって運用ではありません。

なお運用の費用は、対象ページが増えるほど積み上がります。作れば作るほど、見なければならないページが増えるからです。制作の本数を増やす提案を受けたときは、その本数を維持するための運用工数がどれだけ増えるかも同時に確かめてください。

見積りが数倍に割れる4つの理由

ここまでの6工程を踏まえると、同じ「SEO」で金額が数倍違う理由は、おおむね次の4つに整理できます。値引き交渉の前に、どの理由で割れているのかを特定するほうが、はるかに実りがあります。

  1. 買う工程の範囲が違う。調査と制作だけの契約と、技術改修と計測まで含む契約では、そもそも別の商品を比べている
  2. 手を動かす人が違う。経験のある担当者が直接担当するのか、外部の書き手に流すだけなのかで単価は変わる
  3. 成果物の粒度が違う。原稿の本数、図やデータの有無、報告の頻度、会議に出る回数まで含めるかどうかで工数が変わる
  4. 期間の前提が違う。3か月で成果を出す前提と、2年かけて資産を積む前提では、初期にかける工数の配分が変わる

この4つで説明できない差が残ったときは、別の要因を疑います。グーグルの公式資料は、避けるべき業者の特徴として「検索結果の一番上に掲載されることは誰にも保証できない」ことを明記したうえで、検索エンジンとの特別な関係を強調する業者、優先的な登録を宣伝する業者、行動の目的を明確に説明しない会社、何千もの検索エンジンへの登録申請の効果を宣伝する業者を挙げています。

AIで下がる工程と、下がらない工程

本題です。生成AIは6工程のすべてに等しく効くわけではありません。効き方には明確な偏りがあり、材料を集めて並べて下書きを作るところは大きく下がり、決めるところ・触るところ・確かめるところは下がりません。工程ごとに整理します。

工程AIによる変化そう言える理由
調査大きく下がる検索語の収集、競合ページの要約、問いの分類は下ごしらえの作業で、量がものを言う
設計一部下がる候補の割り当て案は出せるが、どの問いを捨てるかは自社の事情でしか決まらない
制作初稿までは下がる構成案と下書きは速くなる。取材・自社データ・図・事実確認は残る
技術改修ほぼ下がらない既存のサイトに手を入れる作業で、壊れないことの確認に人の時間がかかる
計測一部下がる集計と要約は速くなるが、何を成果とするかの合意は人が取る
運用下がらない続けるか止めるかの判断が中心で、判断を渡してしまうと運用の意味が消える

表の右列に共通しているのは、下がらない工程には必ず「決める」か「壊さない」が含まれていることです。だから見積りに「AIを活用するので安くなります」と書かれていたら、6工程のどこが下がったのかを尋ねます。調査と制作の初稿だと答えるなら妥当で、全工程が下がると答えるなら、下がっていないところの手当てが省かれている可能性があります。

あわせて決めておきたいのが、AIに渡さない判断の線引きです。どの検索語を捨てるか、どのページを統合するか、どの記事を非公開にするか。これらは失うものが大きく、取り返しにくい判断です。AIには候補と根拠を並べさせ、採否は人が決め、決めた理由を1行残す。この形にしておくと、担当者が代わっても判断の履歴が追えます。

下がったはずの費用は、別の場所に移る

生成AIで下書きが速くなると、次に増えるのは確認の作業です。文章が整っているぶん、事実の誤りが見つけにくくなります。自社の商品名、価格、対応範囲、法令に触れる表現。これらは読んで判断するしかなく、制作で浮いた時間の一部は、確認の時間として戻ってくると考えたほうが現実的です。

量を増やす方向に振り切ると、別のリスクも生まれます。グーグルはスパムに関するポリシーの中で「大量生成されたコンテンツの不正使用」を、利用者を助けることではなく検索順位の操作を主な目的として大量のページを生成する行為、と定義しています。その例として、生成AIの道具を使って利用者にとっての価値を付加せずに大量のページを生成することが明示されています。

同じ資料群の中で、コンテンツの作り方については「AIによる生成などの自動化を使用していることを、開示などの方法でユーザーに対して明確にしていますか」という自己点検の質問も公表されています。つまりAIを使うこと自体が問題なのではなく、価値を足さずに量だけを増やすことが問題という整理です。見積りの中に確認と開示の工程が入っているかは、必ず確かめてください。

量に寄せたときの歯止めとして使えるのが、同じ資料にある「多くのトピックについてコンテンツを作成する際、かなりの部分に自動化を使用していますか」という自己点検の質問です。これは自動化の割合そのものが点検の対象になっていると読めます。制作の見積りに本数だけが並んでいるときは、その本数を誰が読んで直すのかを同時に決めておくと、量に振り切る事故を避けられます。

安すぎる見積りに、何が抜けているか

金額だけを見れば安い見積りは、たいてい6工程のどこかが空欄になっています。実際に後から費用として戻ってきやすいのは、次のような欠落です。

  • 調査が検索語の一覧を出すだけで、需要の確認と競合ページの読み込みが入っていない
  • 設計がなく、いきなり「月に何本」という制作の本数だけが書かれている
  • 技術改修が「別途お見積り」のままで、対象範囲も判断の主体も決まっていない
  • 計測の設定が含まれず、順位の一覧を毎月送る作業だけになっている
  • 原稿の事実確認と社内確認が、発注側の作業として見積りの外に置かれている
  • 契約が終わったあと、原稿・計測設定・作業記録が誰のものになるかが書かれていない

最後の1つは見落とされがちですが、効きます。計測の設定や作業の記録が業者側の環境にしかない場合、乗り換えた瞬間に過去の経緯が消えます。作った資産の置き場所を自社側にすると決めておくだけで、将来の乗り換え費用が大きく変わります。

  • 検索結果の一番上に出ることを保証する提案は、その根拠を確かめる
  • 検索エンジンとの特別な関係や、優先的な登録を強調する提案には根拠がない
  • リンクを買って増やす提案は、順位を上げる目的でのリンクの売買として公表されているポリシーに反する
  • 何をやるかを具体的に説明しない相手とは、範囲の合意が取れない

見積書を読むときの5つの質問

金額の比較に入る前に、各社へ同じ5つを尋ねます。これらはグーグルが「SEO業者を採用する前に確認すべき質問」として挙げている項目と、ここまでの6工程を重ねたものです。答えが揃わない項目があれば、そこが見積りの空欄です。

  • 6つの工程のうち、どれが含まれ、どれが含まれていないのか
  • 実際に手を動かすのは誰か。過去の作業のサンプルと成功事例を見せてもらえるか
  • 期待される結果とその時期、成果はどのように測定するのか
  • 検索の基本的な考え方に沿った方法か。やらないと決めていることは何か
  • 契約が終わったとき、原稿・設定・記録はどちらに残るのか

この5問を口頭ではなくメールで送り、文章で答えてもらうのが要点です。文章にできない範囲は、契約後も文章になりません。返答の速さと具体性は、そのまま運用が始まってからの応答速度の目安にもなります。

あわせて、相手の体制を確かめる質問も公式資料に挙げられています。同業種でどのような実績があるか、該当する国や地域でどのような実績があるか、外国語のサイトを扱った経験はあるか、創業から何年か、担当者とどのように連絡を取るか。BtoBでは、業界の言葉が通じるかどうかが調査と制作の工数を大きく左右します。実績の有無は値引きの材料ではなく、必要な工数の見当が正しいかを測る材料として聞きます。

自社にとっての妥当額を、人日で出す

相場表を探すより速いのが、自社の工数に置き換えて考える方法です。外に出すか社内で持つかにかかわらず、仕事の量は変わりません。次の順に置いていくと、高い安いが主観でなくなります。

STEP1
6工程のうち、今回必要な工程を選ぶ

すべてを買う必要はありません。技術改修は社内の開発チームが持ち、調査と設計だけを外に出す、といった分け方もできます。

STEP2
工程ごとに作業を書き出し、何人日かかるか見当を置く

正確でなくて構いません。調査に5人日、設計に2人日、といった粒度で十分です。見当が置けない工程は、経験のある人に聞くべき工程だと分かります。

STEP3
社内でやった場合の費用を出す

担当者の年間の人件費を年間の労働時間で割り、その工程にかかる時間をかけます。管理や確認の時間も足します。

STEP4
外に出す工程と社内で持つ工程を分け、見積りと突き合わせる

見積りの各行が、自分で置いた人日とどれだけ離れているかを見ます。離れている行が、話し合うべき行です。

この計算はAIに丸投げしないでください。工数の見当は、自社の実務の詰まり方を知っている人が置くべきものです。AIには「この工程の作業で抜けているものはないか」を挙げさせ、根拠を書かせる。挙がった候補を人が採否する。この使い方であれば、見落としだけを拾えます。

契約したあとに費用が動く要因

契約時の金額は、いくつかの事情で動きます。正当に増える場合と、根拠を確かめるべき場合を分けて考えます。正当に増えるのは、サイトを作り替える、対象の言語や地域が増える、扱う商材が増える、問い合わせが増えて対応の設計が必要になる、といった場面です。

一方、根拠を確かめたいのが「AIへの対応」を名目にした追加費用です。グーグルはAI機能とウェブサイトの関係について、AIによる概要やAIモードにコンテンツが表示されるための追加の要件はなく、別途特別な最適化を行う必要もない、と公表しています。同じ資料では、AI向けの説明ファイルや特別な構造化データを新たに作る必要もない、と明記されています。

そのうえで推奨されているのは、クロールが許可されていること、内部リンクから見つけられること、良いページの体験を提供すること、重要な内容をテキストの形で示すこと、画像や動画で支えること、構造化データを表示されているテキストと一致させること、といった内容です。どれも既存の6工程の中にあり、新しい商品ではありません。追加費用の提案を受けたら、6工程のどこが増えるのかで説明してもらってください。

よくある質問

契約は何か月で見直すのが適切ですか

工程によって変わります。調査と設計は半年から1年、制作と運用は3か月ごとに本数と工数の見直し、技術改修は改修が終われば一度切れる、という形が自然です。全工程を同じ期間で一括りにした契約は、終わった工程の費用を払い続ける形になりやすい点に注意してください。

成果報酬型のほうが安全ではないですか

成果の定義次第です。特定の検索語の順位を成果にすると、取りやすい語に寄せる誘因が働き、事業に効かない語で順位が付くことがあります。また技術改修や計測のように、順位に直結しないが必要な工程は、成果報酬の対象外として抜けやすくなります。どちらの型でも、6工程のどれを買っているかの確認は必要です。

記事の本数だけの見積りをもらいました。それで足りますか

設計と計測が入っていない可能性が高い形です。本数の見積りは制作の工程だけを表しているため、どのページで何に答えるかの設計、公開後に数字を見る運用、そして事実確認の受け持ちが決まっていないことが多くなります。本数の前に、ページの一覧表が出てくるかを確かめてください

社内でAIを使えば、外注はいらなくなりますか

工程によります。調査の下ごしらえと制作の初稿は社内で回しやすくなりました。一方、技術改修は社内の開発体制に依存し、運用は判断を続けられる人がいるかどうかで決まります。全部を内製にするか外注にするかではなく、工程ごとに置き場所を決めるほうが現実的です。

技術改修だけを別の会社に頼んでもよいですか

問題ありません。むしろ、サイトを作った会社が改修を担当するほうが速いことが多くあります。その場合に決めておきたいのは、改修の指示を誰が書き、改修後に壊れていないことを誰が確かめるか、という受け持ちです。ここが曖昧だと、指示だけが往復して何も直らない状態になります。

まとめ

SEOの費用を読み解く鍵は、金額を比べる前に、6つの工程に振り分けることです。調査・設計・制作・技術改修・計測・運用は、担い手も、期間も、成果の見え方も違います。見積りが数倍に割れるのは、買う範囲、手を動かす人、成果物の粒度、期間の前提が違うからで、多くの場合は高い安いの問題ではありません。生成AIが下げるのは、材料を集めて下書きを作る工程までで、決める工程と、サイトに触る工程と、確かめる工程は下がりません。むしろ確認の時間は増えます。まずは手元の見積書を6行に振り分けて、空欄になった行に何が入るはずだったのかを、相手に文章で聞いてみてください。その返答の具体性が、契約後の1年をかなり正確に予告します。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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