マーケ人材が採れないときの選択肢|外部人材とAIで回す

マーケ人材が採れないときの選択肢|外部人材とAIで回す

マーケティング担当の求人を半年出し続けているが、応募が集まらない。来た数名も、戦略を描ける人か実務を回せる人のどちらかで、両方できる人には出会えない。その間、施策は止まったままになっている。この状況は自社の採用力の問題ではなく、市場の構造から生まれています。デジタル領域のスキルを持つマーケティング人材は売り手市場で、採用の難易度が高騰しています。採用だけでリソースを確保しようとすると、待つ時間が長くなり、その間の機会損失が積み上がります。この記事では、採用以外の選択肢を並べ、それぞれの向き不向きと、自社に残すべき機能を整理します。


カメ先生カメ先生

マーケ人材が採れないという相談で、採用以外の話をするのはなぜだと思う。


カメ子カメ子

採用に時間がかかるから、ということでしょうか。


カメ先生カメ先生

それもある。ただ本質は、待っている間も施策は止まっているということだ。埋め方は採用だけじゃない。


カメ子カメ子

採用と並行して、別の手段も考えるということですね。


この記事のポイント
  • デジタル領域のマーケ人材は売り手市場。戦略も実務もこなせる即戦力の採用は特に難しい
  • 選択肢は採用・育成・業務委託・支援会社の4つ。組み合わせて使うのが現実的
  • 外部に任せてもディレクションは自社に残る。ここを担う人がいなければどの選択肢も機能しない

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目次

採用だけでは埋まらない

マーケティングのリソース不足を採用で解決しようとすると、多くの企業が同じ壁に当たります。求人を出しても応募が集まらず、集まっても求める水準に届かない。この状況は個々の企業の努力では変えられない部分があります。

背景として、デジタル領域のスキルを持ったマーケティング人材は売り手市場であり、採用の難易度が高騰しています。特に中堅・中小企業が求める「戦略も描けて実務も回せる即戦力」の採用は非常に困難で、採用のみではリソース確保に限界を迎えているとされています。

この構造を前提にすると、採用を続けながら別の手段で埋めるという判断になります。採用が決まるまで施策を止めるのではなく、その間も動かす形を作ることが実務的な対応です。

あわせて、求人の条件を見直す余地もあります。全部できる1人を探すより、特定の領域に強い人を複数の形で確保するほうが実現しやすいという発想の転換が必要になります。

求人票の内容も見直す価値があります。業務内容が抽象的なままだと、応募者は自分の経験が活かせるか判断できません。担当する領域、使っているツール、現在の体制と課題を具体的に書くほうが、条件に合う応募が集まります。給与だけで競うのが難しい場合、裁量の大きさや意思決定への近さといった魅力を明示する形も有効です。書き直しに費用はかかりません。

加えて、採用の対象を広げる方法もあります。マーケティングの経験がなくても、事業や顧客への理解が深い社内の人材を異動で充てる形です。ツールの操作や施策の型は学べますが、顧客への理解は短期間では身につきません。どちらを重視するかで、採用の難易度が変わります。社内に候補がいるなら、外部から採るより早く立ち上がることがあります。

待っている間に失うもの

採用が決まるまで施策を止める判断は、一見すると慎重に見えます。しかし失っているものを数字にすると、その判断のコストが見えてきます。

止まっている間に失うのは3つです。1つ目は、コンテンツの蓄積が進まないことによる将来の流入です。記事は公開してから効果が出るまでに数か月かかるため、いま止めた分は半年後の流入の欠落として現れます

2つ目は、既存の施策の劣化です。広告は放置すると成果が落ち、記事は古くなります。新しいことをしなくても、維持のための作業は発生し続けます。3つ目は、市場での存在感です。競合が発信を続けている間に自社が止まれば、相対的な位置が下がります。

この3つを踏まえると、判断は変わります。採用を待つ間も最低限の維持は続ける、という前提で手段を選ぶことが必要です。半年止まると、再開したときの立ち上げ直しに追加の労力がかかります。

なぜ採れないのか

採用が難しい理由を分解すると、対策の方向が見えます。原因は3つに整理できます。

1つ目は、需要と供給の差です。デジタルマーケティングの人材需要は増え続けていますが、経験を積んだ人材の数は追いついていません。結果として、経験者は複数の選択肢を持ち、条件の良い企業に流れます

2つ目は、求める要件の幅です。少人数の組織では1人に広い範囲を任せる必要があり、戦略立案から広告運用、コンテンツ制作、分析までを1人に求めることになります。この要件を満たす人材は市場でも希少です。

3つ目は、待遇と評価の設計です。マーケティングの成果は時間差で現れるため、短期の評価が難しくなります。成果が出るまでの期間を評価に織り込んだ設計がないと、優秀な人材にとって魅力が薄いという問題が残ります。

4つの選択肢を並べる

リソースを埋める手段は4つあります。それぞれの性質を並べて比べると、自社の状況に合う組み合わせが見えます。

手段強み残る課題向く場面
正社員採用知見が社内に蓄積する時間がかかる・採用難長期の体制を作る
社内で育成事業理解がある人が育つ立ち上がりに時間候補となる人材がいる
業務委託・フリーランス即戦力・費用を抑えやすいディレクションは自社に残る特定領域を埋める
支援会社体制ごと任せられる費用が高め・知見が外に残る全体を任せたい

この4つは排他的ではありません。採用を続けながら業務委託で埋め、並行して社内の候補者を育てるという組み合わせが現実的です。どれか1つで解決しようとすると、その手段の弱点がそのまま残ります。

選ぶ際の基準は、埋めたい穴の性質です。特定のスキルが足りないなら業務委託、体制そのものがないなら支援会社という切り分けになります。

費用の比較も判断に含めます。正社員は月あたりの人件費に加えて採用費と教育の時間がかかり、成果が出るまでの期間も見込む必要があります。業務委託は時間単価が高く見えても、必要な範囲だけを契約するため総額は抑えられることがあります。支援会社は月額が大きくなりますが、複数人の体制が動きます。どれが安いかは埋めたい範囲の広さで変わるため、範囲を決めてから比べてください。

業務委託・フリーランスの利点

採用の代替として近年広がっているのが、業務委託やフリーランスの活用です。実際に急速に広がっている手段です。

業務委託やフリーランスの活用は、正社員採用に時間がかかる企業が機能を補完する手段として広がっています。フリーランスのマーケターは即戦力であることが多く、契約後すぐにプロジェクトに参画して成果を出せます。この立ち上がりの速さが最大の利点です。

費用の面でも柔軟です。コストを抑えやすく、特定の専門スキルを必要な期間だけ活用できます。広告運用を月20時間、コンテンツの編集を月10時間といった形で、必要な範囲を切り出せます。

あわせて、複数の企業を見てきた経験も価値になります。外部の視点が入ることで、社内では気づけなかった前提の問題が見つかるという副次的な効果があります。

ディレクションは自社に残る

外部に任せる場合の最大の注意点がこれです。ここを理解しないまま契約すると、期待した効果が出ません。

フリーランスに任せてもコストを抑えつつ専門スキルを活用できますが、進捗管理などのディレクション業務は自社に残ります。何をどの優先順位で進めるか、出てきた成果物を承認するか、次に何を依頼するかは自社の判断です。

この役割を担う人がいない状態で外部に依頼すると、依頼が滞り、成果物が溜まり、費用だけが発生します。「任せたのに進まない」という状況の多くは、ディレクションの不在から起きています

したがって、外部活用の前提として自社に1人は判断できる人が必要です。外部人材を活用するには、外部人材を使える人が社内に必要という構造を理解しておいてください。

自社に残すべき機能

どこまで外に出し、何を残すかの線引きは、事前に決めておく必要があります。この判断が外部活用の成否を分けます。

残すべきなのは3つです。1つ目は目的の設定で、何のためにどの施策をやるかの判断です。2つ目は優先順位の決定、3つ目は自社の事業と顧客に関する知識の保持です。

3つ目は見落とされやすい部分です。外部に任せた領域の知見が外にしか残らない状態が続くと、契約が終わった時点で何も残りません。成果物だけでなく、判断の理由や試した結果を自社に記録する仕組みが必要です

逆に、出しやすいのは作業の性質が明確な領域です。手順が定義できる作業は外に出しやすく、判断が絡む領域は残すべきという切り分けが基本になります。

判断の材料として、その業務が止まったときの影響も見ます。外部に任せた領域が契約終了で止まると、事業への影響が出る場合があります。影響が大きい領域は、外部に任せながらも社内で最低限動かせる状態を保つ必要があります。広告の停止や配信の中断が直接売上に響く領域は、この観点で優先的に社内へ移す対象になります。

AIで埋められる範囲

人材の不足を埋める手段として、生成AIも選択肢に入ります。ただし埋められる範囲には限りがあるため、正確に把握しておく必要があります。

埋めやすいのは、作業量が問題になっている領域です。文章の下書き、構成案の作成、データの整理と要約、複数案の生成。これらは1人の担当者の処理量を実質的に数倍にします

特に効果が大きいのは、案を複数出す作業です。タイトル案、訴求の切り口、構成のパターン。1人では2案しか出せない場面で10案を出せると、選ぶ質が上がります

あわせて、専門外の領域の下調べにも使えます。担当したことがない領域について、確認すべき点を洗い出す作業は短時間で済むため、1人が扱える範囲が広がります。

処理量が増えることの効果は、担当者の負荷の面でも現れます。1人で全領域を担う状況では、時間の不足が判断の質を下げます。作業の時間が短縮されれば、考える時間に回せます。AIの導入を検討する際は、作業時間の削減量ではなく、空いた時間で何をするかを決めてから始めてください。空いた時間に別の作業が入るだけでは、状況は変わりません。

AIで埋められない範囲

一方で、AIでは埋まらない部分があります。ここを期待すると、導入しても状況が変わりません。

埋まらないのは3つです。1つ目は判断で、複数の選択肢からどれを実行するかの決定です。2つ目は社内の調整で、他部門との合意形成や決裁の獲得です。3つ目は自社の顧客と事業に関する固有の知識です

3つ目は特に重要です。AIは一般論を出せますが、自社の顧客が何に困っているかは知りません。この情報は営業や既存顧客との接点から得るしかなく、人が集めて渡す必要があります。

したがって、AIは人の代替ではなく処理量の拡張として位置づけます。AIを入れても、判断する人と情報を持つ人は必要という前提を持ってください。

この点は外部人材の活用と同じ構造です。AIも外部人材も、判断とディレクションを自社に残したまま処理量を増やす手段です。したがって、どちらを使う場合も社内に1人は判断できる人が必要になります。この1人を確保することが、あらゆる手段の前提条件です。採用が難しい状況でも、この役割を担う人だけは社内で確保する、あるいは育てるという優先順位になります。

外部人材の探し方

業務委託やフリーランスを探す方法はいくつかあります。それぞれ集まる人材の性質が違うため、目的に応じて使い分けます。

方法は3つです。専門のマッチングサービスを使う、知人や取引先からの紹介を得る、そして自社の発信を通じて関心を持った人に声をかける形です。

マッチングサービスは選択肢が多く、条件で絞り込めます。紹介は信頼性が高い一方、候補が限られます。3つ目は時間がかかりますが、自社の事業に関心がある人材に出会える可能性があります

最初の1人を探す場合は、紹介から始めるのが確実です。実務の進め方が固まっていない段階では、信頼できる相手と組んで型を作るほうが早いという理由です。

探す前に、依頼する内容を文章にしておいてください。現在の体制、埋めたい領域、期待する時間の量、報告の頻度。この4点が書かれた1枚があれば、候補との会話が具体的になります。書けない場合は、依頼する内容自体がまだ固まっていない状態です。その場合は、まず社内で範囲を決める作業を済ませてから探し始めるほうが、後の食い違いを避けられます。

見極めの観点

外部人材を選ぶ際、経歴や実績以外に確認すべき点があります。ここを見ると、契約後の進み方が想定できます。

確認したいのは3つです。1つ目は、こちらの事業を理解しようとする姿勢です。最初の会話で事業や顧客について質問が出るかどうかが判断材料になります。質問がないまま提案が始まる場合は注意が必要です。

2つ目は、できないことを言えるかです。すべての領域に対応できると答える相手より、専門外を明示する相手のほうが実務では信頼できます。3つ目は、報告の頻度と形式について具体的な提案があるかです。

契約前に小さな範囲で試す方法も有効です。1か月分の小さな依頼で進め方を確認してから、範囲を広げる形にすれば、判断の材料が実務から得られます。

試す範囲は、成果が短期間で見える領域を選びます。広告文の改善、記事の1本の執筆、レポートの作成。1か月で結果を確認できる範囲であれば、判断が早くつきます。半年かかる施策を最初の依頼にすると、相性の判断が遅れます。

契約の設計

契約の内容を曖昧にすると、期待と実際のずれが生まれます。決めておく項目を挙げます。

明記すべきは4つです。担当する範囲、月あたりの時間または成果物の量、報告の頻度と形式、そして連絡の手段と応答の目安です。4つ目は、実務の進み方に最も影響します。

範囲の定義は具体的にします。「マーケティング全般」ではなく「広告運用の実務と月次レポートの作成」といった形です。範囲が曖昧だと、依頼するたびに範囲内かどうかの確認が発生します

あわせて、知見を自社に残す形も決めておきます。使用したデータや判断の理由を自社の共有場所に残す運用を契約に含めることで、属人化を防げます。

アカウントの権限も設計に含めます。広告アカウントや解析ツールを外部人材の側で作ると、契約終了時に引き継げない事態が起きます。アカウントは自社で作成し、外部人材には権限を付与する形にしてください。データの所有者が自社であることを、開始の時点で明確にしておく必要があります。この確認を怠ると、数年分のデータを失うことになります。

立ち上げの手順

外部人材の活用を始める際、次の順番で進めると立ち上がりが早くなります。

STEP1
埋めたい機能を1つに絞る

広告運用、コンテンツ制作、分析のうちどれが最も詰まっているかを決めます。複数を同時に埋めようとしません。

STEP2
自社に残す判断の範囲を決める

誰が優先順位を決め、誰が成果物を承認するかを明確にします。担当者を1人決めます。

STEP3
小さな範囲で1か月試す

限定した依頼で進め方と相性を確認します。この段階で合わない場合は範囲を広げません。

STEP4
報告と記録の形を固める

月次の報告形式と、知見を自社に残す方法を決めます。共有場所を1つに統一します。

STEP5
範囲を広げるか判断する

1か月の結果を見て、範囲の拡大か別の手段への切り替えを決めます。

1番目で複数を同時に埋めようとすると、ディレクションの負荷が急に上がります。1つの領域で進め方が固まってから次に進むほうが、結果的に早く広がります

4番目の記録の形を先に決めるのが要点です。記録の仕組みを後から作ると、それまでの知見は残らないため、開始時に決めてください。

AIと外部人材の組み合わせ方

外部人材と生成AIは、どちらもリソースを埋める手段ですが、埋める部分が違います。組み合わせ方を決めておくと、費用を抑えながら範囲を広げられます。

有効な配分は、AIで下書きを作り、外部人材が品質を上げるという形です。記事の構成案や広告文の候補をAIで量産し、専門性のある外部人材が選定と修正を担う。外部人材の作業時間が短くなるため、同じ費用でより多くの範囲を任せられます。

逆の配分も成立します。外部人材が方針を設計し、社内の担当者がAIを使って実行する形です。設計は経験が必要ですが、設計に沿った実行はAIの支援で対応できる範囲が広がります。この形なら、外部への依頼を月数時間に抑えられます。

どちらの配分を選ぶかは、社内に判断できる人がいるかで決まります。社内に判断できる人がいれば実行支援型、いなければ設計を外部に頼る形という切り分けです。

育成に切り替える時期

外部活用は恒久的な形ではなく、段階的なものと位置づけるほうが健全です。切り替えの判断について整理します。

切り替えを検討する条件は3つです。施策の型が固まった、社内に関心を持つ人材が現れた、そして外部への支払いが正社員の人件費を超えた場合です。

型が固まっていることが特に重要です。進め方が定まっていない領域を未経験者に任せると、立ち上がりに時間がかかります。外部人材と組んで型を作り、その型を社内に移すという順序が現実的です。

移す際は、並走の期間を設けます。外部人材と社内の担当者が数か月並走する期間を作ると、引き継ぎが確実になるという進め方です。一度に切り替えると、進行が止まります。

並走の期間には、判断の理由を言葉にしてもらう時間を設けてください。作業の手順は見れば分かりますが、なぜその判断をしたのかは説明されないと伝わりません。週に30分でも、判断の背景を聞く時間があれば、引き継ぎの質が変わります。この時間を契約に含めておくと、後から依頼しやすくなります。

やりがちな失敗

外部人材の活用で見られる失敗を挙げます。いずれも自社側の準備不足から起きます。

  • ディレクションする人を決めずに依頼する:依頼が滞り、費用だけが発生します
  • 範囲を「マーケティング全般」と曖昧にする:毎回の確認が発生し、双方の負荷が増えます
  • 成果物だけ受け取って知見を残さない:契約終了時に何も残らず、また外部に頼ることになります
  • 複数の領域を同時に外部化する:管理の負荷が急に上がり、どれも中途半端になります

3つ目は、長期的に最も損失の大きい失敗です。数年にわたって外部に依頼し続けたのに、社内には何も蓄積していないという状態が起こりえます。共有場所を1つ決め、判断の理由まで残す運用にしてください。

  • 業務委託の契約では、成果物の権利の帰属を明記しておく
  • 社内の共有場所は、外部人材がアクセスできる形で用意する

まとめ

マーケティング人材の採用は売り手市場が続き、戦略と実務の両方をこなせる人材の確保は特に困難です。採用が決まるまで施策を止めるのではなく、業務委託や支援会社と組み合わせて埋める判断が現実的になります。業務委託は即戦力として立ち上がりが速く費用も抑えやすい一方、ディレクションは自社に残るため、判断できる人が1人は必要です。自社に残すのは目的の設定、優先順位の決定、事業と顧客の知識の3つ。AIは処理量を拡張しますが、判断と社内調整、自社固有の知識は代替できません。まずは最も詰まっている1つの領域を決めるところから始めてください。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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