People.aiを入れる前の4工程|活動記録を監視にしない

People.aiを入れる前の4工程|活動記録を監視にしない

「営業がCRMに活動を入れてくれないので、商談がどこで止まっているのか分からない」「メールや会議が自動で記録されるなら、入力の催促をしなくて済むのでは」——営業企画やマーケの担当者から、この二つの声がそろって出てくるようになりました。営業のメールと予定と通話を拾ってCRMにつなぐ製品は以前からありますが、People.ai は2026年4月21日にバックストーリーへ名称を改め、記録の自動化から「商談についての答えを返す」方向へ軸足を移したと発表しています。ただ、記録が自動になるほど、何を拾わせないか、拾った記録を誰が何に使うかを先に決めておかないと、営業の監視の道具になってしまいます。この記事では People.ai(現バックストーリー)を例に、社内に入れる前に決める4つの工程を整理します。


カメ先生カメ先生

活動を自動で記録する仕組みは、入力の手間が減るだけの便利な道具だと思われがちなんだ。でも本当は、営業一人ひとりの受信箱と予定表が、会社の分析の材料に変わるということなんだよ


カメ子カメ子

記録が楽になる話と、受信箱を見られる話は、同じことの表と裏ということですか


カメ先生カメ先生

そう。だから入れる前に、拾わせない線と、記録を評価に使わない約束を決めておく。それに、メールの相手は社外の人だから、その人の情報の扱いも考えないといけない


カメ子カメ子

便利さの議論より先に、使い道の約束を決めるんですね


この記事のポイント
  • People.ai は2026年4月にバックストーリーへ改名した。メール・会議・記録された通話を拾ってCRMの商談や取引先に結びつけ、商談の見立てや着地予測まで返す基盤
  • 入れる前に、目的を絞る・拾わせない線を引く・社外の相手の情報を整理する・活動データを評価や監視に使わない、の4工程を決める
  • マーケ側では、商談化までの導線を「誰とどれだけ接点があったか」で読み直す使い道がある。ただし数字の解釈と判断は人が行う

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目次

People.ai は、営業のやり取りを拾ってCRMに記録する基盤(現在の名称はバックストーリー)

People.ai は、営業担当のメール、予定表、会議の文字起こし、CRMに記録された通話といった活動を自動で集め、CRMの取引先・商談・担当者に結びつける製品として知られてきました。営業が自分で活動を入力しなくても、誰がどの商談の相手と、いつ、どれくらい接点を持ったかが記録として残る、というのが基本の考え方です。

公式サイトでは、集めた活動をもとに、どの商談が本物でどれに危険があるか、次に何をすべきかを返すと説明しています。機能としては、商談ごとの関与度の点数、商談の要約、AIによる着地予測、取引先ごとの計画の自動作成、営業向けのAIコーチなどが挙げられています。連携先のCRMは Salesforce に加えてマイクロソフトとオラクルのCRMで、メールや会議は Gmail、Outlook、Zoom、Teams、Slack などとつながると案内されています。

つまり、この製品は「入力の代行」と「分析」の二つの顔を持っています。前者だけを期待して入れると、後者の分析画面が営業の働きぶりを数える道具として使われ始める、ということが起こり得ます。入れる前の検討は、この二つの顔を分けて考えるところから始まります。

2026年4月の改名と、変わったこと・変わらないこと

2026年4月21日、People.ai は社名と製品名をバックストーリーに改めると発表しました。発表では、データや分析を見せる道具から、営業の責任者が毎日抱く問いに答える基盤へと位置づけを変えると説明し、名前は商談の会議で出る「この商談の経緯(背景)はどうなっているのか」という問いにちなむとしています。同年の調査会社の評価でも、新しい名前で掲載されたと公式サイトで告知しています。

一方で、外部の報道や比較記事は、製品の土台となる活動の取り込みの仕組みや契約の考え方は変わっていないと伝えています。公式サイトのよくある質問にも、旧名と同じ製品・同じデータ基盤であると書かれています。国内では旧名で検索されることがまだ多いため、この記事でも People.ai の名前で扱います。社内の稟議や契約書では、旧名と新名のどちらで書かれているかを確かめておくと、後で探すときに迷いません。

改名と同時に強調されたのが、外のAIからの呼び出しです。発表によれば、商談についての答えは Salesforce や Slack に加えて、Copilot、ChatGPT、Claude の中にも返せるようにしており、公開のAPIと、AIの道具をつなぐ共通の規格である MCP で連携すると説明しています。この点は後の工程で、権限の観点から改めて取り上げます。

改名は製品の中身を変えるものではありませんが、契約や社内の手続きには影響します。発注先の名称、請求書の名義、利用規約やデータ処理の取り決めの文書の名義が変わっていないかを確かめ、社内の委託先の一覧や情報資産の台帳に、旧名と新名を併記して登録し直しておきます。

何を拾い、何を拾わないか:公式の説明で確かめられる範囲

入れるかどうかを決める前に、まず「何が取り込まれるのか」を正確に押さえます。公式のヘルプ記事が説明している取り込みの対象と除外の条件を、表にまとめました。

区分取り込まれるもの取り込まれないもの・除外されるもの
メール送信者・宛先・件名・日時と、本文機密や私的の区分が付いたメール、無料の個人向けアドレスとのやり取り、自動送信のメール
予定表予定の基本情報と説明欄予定に添付された招待ファイル
通話CRMに通話として記録されたもの(架電の道具からの記録を含む)私用の通話やショートメッセージ
会議Zoom などの会議の文字起こし管理者が除外の設定をした相手や予定
社内だけのやり取り日時のみ(社内と社外に使った時間の比較に使う)CRMへの結びつけと同期はしない

もう一つ大事なのが、機微な内容の扱いです。ヘルプ記事では、認証情報、銀行、報酬、経費、家族や健康、人事、身分証、保険、採用の内定、法務、税、旅行などの話題を検出した場合、内容を捨てて保存せず、接点の回数や時間といった数字だけを残すと説明しています。ただし、文脈まで見て判断する機械学習を使うのは英語で、日本語を含む12言語は決まった型との照合で判定すると書かれています。日本語のメールでは、英語ほど細かく見分けられない前提で考えるのが安全です。

  • 取り込みの対象や除外の条件は、公式のヘルプ記事の記載に基づきます。契約の形や設定で変わる部分があるため、導入の際は担当者に書面で確認してください。
  • ライセンスを持たない社員の活動まで取り込む設定が、申し込み制の選択肢として用意されています。使うかどうかは、工程2で決める範囲に入れます。

入れる前に知っておく3つの前提:保存期間・反映の速さ・日本語の扱い

一つ目は保存期間です。ヘルプ記事によれば、メールの本文、予定の説明欄、会議の文字起こしは15日後に完全に削除され、送信者や日時などの付帯情報は契約期間中保持されます。本文が長く残り続けるわけではない一方、誰と誰がいつやり取りしたかという記録は、契約が続く限り残ります。個人情報の担当者に説明するときは、この二つを分けて伝える必要があります。

二つ目は反映の速さです。活動は通常2時間以内に画面に現れ、CRMへの同期は1営業日以内とされています。新しい担当者の連絡先が自動で作られる動きもあるため、CRMの担当者の一覧が急に増えることがあります。CRMの管理者が、どの項目が自動で書かれるのかを先に知っておかないと、既存の名寄せの規則とぶつかります。

三つ目は日本語の扱いです。前の章で触れたとおり、機微な内容の検出は日本語では型との照合です。さらに、公式サイトは初日に過去2年分の商談の履歴を分析し、多くの会社は2〜4週間で使い始めるとしていますが、これは提供元の説明であり、日本語の商談でどこまで見立ての精度が出るかは公表されていません。日本語の商談での精度は、試行の中で自社のデータを使って確かめる項目として扱います。

工程1 目的を「入力の手間を減らす」と「商談化までの導線を見る」に絞る

最初の工程は、何のために入れるかを一つか二つに絞ることです。この種の基盤は機能が多く、着地予測、営業の指導、取引先の計画づくりまで一度に広げたくなります。しかし、目的が広いほど、取り込む範囲も広くなり、後の工程で引く線が曖昧になります。

営業とマーケの両方に関わる会社なら、「活動の入力の手間を減らす」と「商談化までの導線を活動で見る」の二つに絞るのが現実的です。前者は営業の負担を減らす目的、後者はマーケが渡したリードがその後どう扱われたかを知る目的です。どちらも、個人の働きぶりを測ることを目的にしていない点が大事です。

STEP1
目的を書き出す

入力の手間を減らす、商談化までの導線を見る、など目的を一文ずつ書く。評価や査定は目的に入れない。

STEP2
目的ごとに必要なデータを決める

入力の削減なら件名と日時と相手で足りるか、導線の分析なら本文の要約まで要るかを決める。

STEP3
使わない機能を決める

着地予測や営業の指導を当面使わないなら、その旨を導入の決定文書に書いておく。

STEP4
見直しの時期を決める

試行の3か月後に、目的に効いたかと、取り込みの範囲が適切だったかを見直す日を決める。

使わない機能を文書に残しておくのは、後から「せっかく入っているのだから」と分析の画面が広がっていくのを防ぐためです。機能を足すときは、もう一度この工程に戻って目的を書き直す、という手続きにしておきます。

工程2 拾わせない線を引く:役員・人事・社外の私信

二つ目の工程は、取り込みの対象から外す人と相手を決めることです。公式のヘルプでは、役員のように機密を扱う人のために専用の設定の型を作り、活動の取り込み自体を止める手順を案内しています。役員、人事、法務、経理など、営業の商談と関係の薄い機微なやり取りが多い人は、最初から対象外にするのが基本です。

人だけでなく、相手でも線を引きます。管理者はメールと予定の除外の設定で、特定の相手や取引先の領域を外せます。例えば、顧問の弁護士事務所、監査法人、金融機関、採用の候補者とのやり取りは、営業の活動ではないので外しておきます。私的な区分を付けたメールが除外される仕組みもありますが、社員がその区分を付ける習慣がなければ働きません。

  • 全社員のアカウントを一括でつなぎ、除外の設定は問題が起きてから考える
  • ライセンスを持たない社員の活動まで取り込む設定を、目的を決めないまま申し込む
  • 私的な区分を付ければ除外される、と案内するだけで、区分の付け方を教えない
  • 役員の受信箱も「商談に関わることがあるから」と取り込みの対象に残す

線を引いたら、どの人とどの相手が対象外かを一覧にして、営業本人にも公開しておきます。自分の受信箱のどこまでが取り込まれるのかを本人が知らない状態は、記録の質より先に信頼を損ないます。

工程3 社外の相手の情報と、同意・通知の整理

三つ目の工程は、社外の相手の情報をどう扱うかの整理です。営業のメールや会議の文字起こしには、顧客の担当者の氏名、役職、連絡先、会話の内容が含まれます。それが海外の提供元の仕組みで処理され、CRMに新しい担当者として登録されることになります。

日本の個人情報保護法では、取得した個人情報の利用目的を本人に通知または公表すること、外部に処理を任せるなら委託先を監督すること、外国にある第三者へ提供する場合の規律などが論点になります。どの規律が当てはまるかは契約の形や提供元のデータの置き場所で変わるため、個人情報の担当者や法務と、利用目的の公表の文言と委託の整理を先に確認してください。この記事は法的な助言ではなく、確認の論点を並べるものです。

会議の文字起こしを取り込むなら、録音や文字起こしをしていることを相手に伝える運用も決めます。会議の道具の側で録音の告知が出る場合でも、「その内容が営業の分析の仕組みにも渡る」ことまでは伝わっていません。顧客から問い合わせがあったときに答えられるよう、何をどこに保存し、どれだけの期間で消えるかを一枚にまとめておくと、担当者が慌てずに済みます。

見落としやすいのが、CRMに担当者が自動で作られる動きです。これまで名刺交換や問い合わせの経路で取得していた担当者の情報が、メールの宛先や会議の参加者から新たに登録されることになります。名刺を交わしていない相手、例えば相手の会社のCCに入っていただけの人まで、CRMの担当者として残る可能性があります。自動で作られた担当者に対して、そのままメールの一斉配信を行ってよいかは別の問題です。自動で作られた担当者は、配信の対象に入れる前に人が確認する、という規則をマーケの配信の手順に足しておくと、意図しない配信を防げます。

工程4 活動データを評価と監視に使わない取り決め

四つ目の工程が最も大切です。活動の自動記録を入れると、メールの件数、会議の時間、社外の相手と過ごした時間といった数字が、営業一人ひとりについて自動で並びます。これを見た管理職が、件数の少ない人を呼び出す使い方を始めると、営業は数字を稼ぐための会議やメールを増やし、記録の意味そのものが失われます。

そこで、導入の決定と同時に、活動の数字を人事評価や査定の根拠にしないことを文書で決めます。商談の振り返りで活動の記録を見ることはあっても、それは商談の状況を知るためであり、個人の勤務態度を判断するためではない、という線です。社内の就業規則や労働組合との取り決めに関わる場合は、人事と一緒に整理します。

取り決めには、誰がどの画面を見られるかも含めます。営業本人、その上長、営業企画、マーケのうち、個人ごとの活動量の画面を見られるのは誰か、マーケには商談単位や部門単位の集計だけを見せるのか。見られる人を絞ること自体が、監視に使わないという約束の裏付けになります。

  • 活動の量と成果の相関は、商材や商談の段階によって大きく変わります。件数が多いことを良い営業の証拠とみなす読み方は、AIの点数を使っても変わりません。
  • 取り決めは半年に一度見直し、実際に評価の場で数字が使われていないかを人事と確かめます。

マーケ側の使い道:商談化までの導線を活動で読み直す

マーケの担当者にとって、この基盤の価値は、渡したリードがその後どう扱われたかが見えることにあります。展示会やウェビナーで得たリードを営業に渡した後、最初の接触までに何日かかったか、相手の会社の何人と接点ができたか、どの段階で連絡が途絶えたか。これまで営業の入力に頼っていた情報が、活動の記録から読めるようになります。

例えば、ある施策から来たリードは商談化率が低い、という結果が出たとき、原因がリードの質なのか、営業の初動が遅れたのかを分けて見られます。施策の評価を「商談になったかどうか」だけで行うと、営業の動きの問題までマーケの施策の失敗に見えてしまうことがあります。活動の記録は、この切り分けの材料になります。

ただし、ここでも見るのは商談や施策の単位であり、個々の営業の評価ではありません。分析の結果を営業部門と共有するときは、「誰が遅かったか」ではなく、「どの経路のリードで初動が遅れやすいか」という形で伝えます。そうしないと、マーケの分析が営業から敬遠され、データの共有自体が止まります。

もう一つの使い道は、取引先の中で誰と接点があるかの把握です。活動の記録から、相手の会社のどの部署の何人とやり取りしているかが見えるため、マーケが取引先ごとの施策を考えるときに、まだ接点のない部署を狙う材料になります。社内だけのやり取りは日時しか使われず、社外に使った時間との比較に用いられると説明されているので、社内会議ばかりで顧客に会えていない商談を見つける指標にもなります。ここでも、終日の予定や参加者が2人未満の予定、辞退した予定は時間の計算から外れるといった前提を知ったうえで読む必要があります。

AIに判断させない場面:商談の見立てと着地の数字

バックストーリーは、商談ごとの危険の兆候や、AIによる着地予測を返すと説明しています。こうした答えは、商談の会議で論点を探すきっかけとしては役立ちます。しかし、AIの見立てをそのまま商談の採否や経営報告の数字にしないことは、最初に決めておくべき線です。

理由の一つは、見立ての材料が活動の記録に偏ることです。電話で済ませた相談、対面の雑談、相手の社内事情のように記録に残らない情報は、AIの判断には入りません。工程2で拾わせない線を引いた分だけ、材料は意図的に欠けています。もう一つは、前の章で見たとおり、日本語のやり取りの扱いが英語と同じ精度ではないことです。

運用としては、AIに「なぜ危険と判断したか」の根拠となる活動を示させ、商談の担当者がその根拠を見て判断する形にします。公式サイトでも、答えは元の活動や関係者に結びつけて示すと説明しています。根拠が示せない見立ては採用しない、というルールを会議の場で共有しておくと、AIの点数だけが独り歩きするのを防げます。

AIの答えを外のAIから呼ぶときの確認

改名とともに打ち出されたのが、Copilot や ChatGPT、Claude などのAIの中から、商談についての答えを呼び出せる連携です。営業がふだん使うAIの画面で「この商談の経緯は」と尋ねると、バックストーリーに蓄えた活動をもとに答えが返る、という形です。便利な一方で、確認すべき点が増えます。

確認したいのは三つです。一つ目は、外のAIから呼び出したときに、本人が見られる範囲の商談だけが返るか。二つ目は、返ってきた答えが外のAIの会話の履歴に残ることを、社内の規程で認めているか。三つ目は、外のAIの側で、その会話が学習や保存にどう扱われるか、です。法人向けの契約で学習に使われない設定になっていても、会話の履歴の保存期間は別に決まっていることがあります。

この連携は、工程1で決めた目的に必要でなければ、最初は使わないのが無難です。使うなら、対象の部門を絞った試行で、返ってくる答えの範囲と、残る記録の場所を確かめてから広げます。AIの道具を権限ごとにつなぐ設計の一般論は別の記事で扱っているので、ここではこの製品で確かめる点に絞りました。

費用の増え方:つなぐ営業の人数と、使った答えの量

料金の考え方について、公式サイトの料金ページは、席の数で払う形ではなく、顧客と接する営業をつなぐ分と、チームが使った答えの量を組み合わせる形だと説明しています。閲覧するだけの人数には上限がなく、席の料金はかからないとしています。具体的な金額は公開されておらず、見積もりになります。

この形では、費用が増える要因は二つです。取り込みの対象にする営業の人数と、AIの答えを呼び出す回数です。後者は、外のAIからの呼び出しを広げたときに増えやすくなります。予算を組むときは、つなぐ人数を工程2で絞った数で見積もり、答えの量は試行期間の実績から推計するのが確実です。

比べる物差しとしては、営業の入力にかかっていた時間と、マーケが施策を評価するために手作業で集めていた情報の量が使えます。ただし、入力の時間が減っても、CRMの名寄せや除外の設定の保守に別の手間がかかります。減る手間と増える手間の両方を、試行の前に書き出しておくと、費用対効果の議論がぶれません。

止め方・やめ方:取り込みを止める、消える、残る

入れる前に、止め方とやめ方も決めておきます。止め方には段階があります。特定の社員の取り込みを止めるなら、役員向けと同じように取り込みを切った設定の型に移します。特定の相手を外すなら、除外の設定に加えます。全体を止めるなら、メールや予定とのつなぎ込みを管理者が外します。

やめるときに考えるのは、何が消えて何が残るかです。本文や文字起こしは15日で削除される一方、付帯情報は契約期間中保持されると説明されているので、解約後の付帯情報の削除の時期と、その証明をどう受け取るかを契約前に確認します。また、CRMに同期された活動の記録や、自動で作られた担当者は、解約してもCRM側に残ります。これを残すか整理するかも決めておきます。

やめた後に困らないよう、活動の記録に頼り切った業務を作らないことも大事です。例えば、商談の段階の更新をすべてAIの判断に任せていると、解約した日から段階が動かなくなります。段階の更新や商談の採否は、最初から人が行う手順のままにしておけば、解約は記録の便利さを手放すだけで済みます。

試行の設計:1チームで3か月、確かめる5つのこと

4つの工程を決めたら、全社に広げる前に、一つのチームで3か月ほど試します。試行の目的は、製品の機能を確かめることではなく、決めた線が実際に守られるか、目的に効くかを確かめることです。確かめたいのは次の5つです。一つ目は、取り込まれた記録の中に、拾わせたくなかったもの(私信、人事の連絡、顧問との相談)が混ざっていないか。二つ目は、自動で作られた担当者や結びつけの誤りが、CRMの名寄せの規則とどれだけぶつかるか。三つ目は、営業の入力の時間が実際に減ったか。四つ目は、マーケが知りたかった導線の情報が読めたか。五つ目は、見立てや点数が、会議でどう使われたかです。

五つ目は見落とされがちですが、監視に使わない約束が守られているかを確かめる唯一の方法です。試行のチームの営業に、記録や点数が自分の評価の話に使われたと感じた場面があったかを、無記名で尋ねます。ヘルプでは、正当な相手が誤って除外された場合に提供元の窓口で許可の設定ができることや、取り込みと同期の時期を窓口経由で調整できることも案内されているので、試行で見つかった問題は設定で直せるものと運用で直すものに分けて記録します。

試行の終わりには、続けるか、範囲を変えて続けるか、やめるかの三つから選びます。やめる判断も正当な結果です。入力の手間が減らず、監視への不安だけが増えたなら、その製品は今の自社には合っていないということです。

よくある質問

People.ai とバックストーリーは別の製品ですか

公式サイトのよくある質問では、People.ai が名称を改めたのがバックストーリーであり、同じ製品と同じデータ基盤だと説明しています。2026年4月21日に改名が発表されました。既存の契約書や外部の評価記事には旧名が残っているので、社内の資料では両方の名前を併記しておくと探しやすくなります。

日本語のメールでも機微な内容は除外されますか

公式のヘルプでは、日本語を含む12言語は決まった型との照合で判定すると説明しています。文脈まで見る英語の判定と同じ精度とは限らないため、除外の設定と取り込みの対象の絞り込みを組み合わせ、検出に頼り切らない運用にしてください。

営業本人が自分の記録を確認・停止できますか

公式のヘルプで確認できたのは、管理者による設定の型の切り替えと除外の設定です。個人が自分で取り込みを止める操作の有無は確認できなかったため、導入の際に提供元へ確認し、本人からの停止の申し出を誰が受けるかを社内で決めておきます。

小さく試すにはどうすればよいですか

目的を一つに絞り、対象の営業を一つのチームに限定して、除外の設定を済ませたうえで始めます。試行の終わりに、取り込まれた記録の中に拾わせたくなかったものが混ざっていないかを、本人と一緒に確かめるのが効果的です。

まとめ

People.ai(現バックストーリー)は、営業のメール・会議・通話を拾ってCRMに結びつけ、商談についての答えを返す基盤です。入力の手間が減り、マーケにとっては商談化までの導線が見えるようになる一方で、営業の受信箱と社外の相手の情報が分析の材料になります。入れる前に、目的を絞る、拾わせない線を引く、社外の相手の情報を整理する、活動データを評価や監視に使わない、の4工程を決めてください。AIの見立ては根拠の活動とともに人が判断し、止め方とやめ方を最初に書いておけば、便利さだけを受け取ることができます。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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