Clariの予測を経営報告の数字にしない|定着させる使い方

「AIが着地を予測してくれるなら、営業部長の読みに頼らずに済む」「経営会議に出す数字を、AIの予測に置き換えれば客観的になるはず」——売上予測の仕組みを検討する営業企画や経営企画の担当から、よく出てくる期待です。どちらも、予測を当てる道具と、数字に責任を持つ仕組みを同じものとして見ているところに落とし穴があります。AIの予測は、人の読みを点検するための数字であって、経営に約束する数字ではありません。この記事では、商談データから着地を予測し、収益の会議を回す Clari を例に、社内に入れてよいか、入れるならどの会議でどう使えば定着するかを整理します。
カメ先生売上予測のAIは、入れれば人の読みより正確な数字が出てきて、そのまま報告に使えると思われがちなんだ。でも本当は、AIが学ぶのはCRMに入っている記録だけで、記録が粗ければ予測も粗くなるんだよ
カメ子AIの予測の精度は、ツールの性能より、自分たちの入力で決まるということですか
カメ先生そう。それに、予測の数字を誰が説明できるかも大事でね。経営会議で「なぜこの数字なのか」と聞かれて、AIがそう言ったからでは答えにならない
カメ子予測を当てる道具と、数字に責任を持つ人は分けて考える必要があるんですね
- Clari は、CRMの商談と営業活動の記録から四半期の着地を予測し、予測の会議と商談の点検を回す基盤。2025年に営業支援の Salesloft と合併し、2026年には予測の製品が Clari の名で Salesloft の中に残る形になった
- AIの予測を経営報告の数字にそのまま使わない。営業の申告、部長の判断、AIの予測の三つを並べ、差の理由を人が説明する
- 予測の質はCRMの入力の質で決まる。誰の会議で何に使うかを先に決め、最初の一四半期は差の記録と入力の手直しに絞る
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Clari は、商談の記録から着地を予測し、予測の会議を回す基盤
Clari は、CRMに入っている商談の情報と、営業のメールや会議などの活動の記録を集め、四半期の売上の着地を予測し、営業組織の予測の会議や商談の点検を支える基盤です。提供元は、商談や顧客とのやり取りから生まれる構造化された情報と、文章や会話のような構造化されていない情報を、時間の経過を追える一つのデータの形にまとめていると説明しています。
2026年10月時点で、予測の製品は Salesloft のサイトで紹介されています。そこでは、予測のAIは自社の過去のデータで学び、商談の規模、段階、進む速さから結果を予測すると説明されています。画面の例では、営業が確度の高いものとして約束する数字、うまく進んだ場合の数字、パイプライン全体、ノルマの欄が並び、地域や区分、期間で絞り込めるとされています。週ごとのパイプラインの動きを追い、予測が崩れる前に変化を示すことも売りにしています。
さらに、予測を支えるAIの代理役が、過去の商談のデータと営業の最新の活動を見て予測の根拠を示すこと、売上のデータについて普段の言葉で質問できることも案内されています。つまり Clari は、予測の数字を出す道具であると同時に、予測の会議の進め方そのものを形にした道具です。売上予測の手法の一般論は、隣の記事「売上予測の3つの手法とAIの使いどころ」で扱っているので、この記事では Clari という仕組みを入れる判断に絞ります。
2025年の合併と、2026年に名前が変わったこと
Clari は2025年8月に、営業の連絡や商談の進め方を支える Salesloft との合併の合意を発表しました。発表では、合わせた会社が管理する年間の収益は10兆ドル、Clari 単独では5兆ドルを超え、Clari を使う組織は1,500を超えるとしています(いずれも提供元の発表)。同年12月には合併の完了が発表されています。
2026年10月時点では、Clari の旧サイトの報道発表のページは Salesloft のサイトに転送されます。解説記事や製品の紹介によると、2026年9月に二つの名前を並べる形をやめ、予測の製品だけが Clari の名で残り、商談の点検や会話の分析などは Salesloft の名に移ったとされています。2026年には、外部のAIから売上のデータを扱うための MCP の接続の仕組みを公開し、2026年7月9日の発表では、予測と商談の点検のデータ、さらに書き戻しまで対象を広げ、2026年の晩夏にかけて順に提供するとしています。
この経緯から言えるのは、製品の名前、契約の主体、画面の構成が、導入後にも動く可能性があるということです。合併の後は、重なる機能の整理や料金の組み直しが起きやすい時期です。2026年半ばの時点でも、二つの製品の画面は別々で、統合の道筋は公表されていないと伝える解説もあります。検討するときは、予測の製品を単体で契約するのか、営業の連絡の仕組みと合わせて契約するのか、更新の時に条件が変わる可能性はあるのかを、提供元に確かめておきます。
断言:AIの予測値を、経営報告の数字にしない
製品の紹介では、AIの予測を「最も正確」と表現しています。画面の例でも高い的中率が示されています。ただ、これは提供元の表現であり、自社の商談で同じ精度が出るとは限りません。そして精度の高低とは別に、AIの予測をそのまま経営会議や取締役会に出す数字にしてはいけない理由があります。
一つは、説明の責任です。経営に出す着地の数字は、外れたときに「どの商談がなぜ外れたか」を説明できる必要があります。AIの予測は、過去の傾向から確率として出した数字で、個別の商談の事情は知りません。大口の商談が相手の予算の凍結で止まった、という情報がCRMに入っていなければ、AIは知りようがないのです。もう一つは、数字に責任を持つ人がいなくなることです。AIの数字を報告に使うと、営業部長が自分の読みを持たなくなり、外れたときに誰も理由を語れなくなります。
そこで、経営に出す数字は、営業の責任者が判断した数字にし、AIの予測は、その判断を点検するための参考の数字として横に置きます。AIの予測と責任者の数字が大きく離れたら、離れた理由を説明する。これが、予測のAIを入れても数字の持ち主を失わない使い方です。
予測が当たる前提は、CRMの入力の質
AIの予測は、CRMに入っている商談の金額、段階、受注の予定日、更新の履歴から学びます。これらが現実とずれていれば、予測もずれます。とくに日本の営業組織では、商談の段階の定義が人によって違う、受注の予定日を四半期末に寄せて入れる、失注した商談を閉じずに残す、といった入力の癖がよく見られます。
予測の製品は、週ごとの商談の動きを追い、段階や金額が変わった商談を示します。これは、入力の癖を見つける道具としても使えます。たとえば、受注の予定日が何度も先送りされている商談、金額が四半期末に急に増えた商談は、予測の精度を下げる原因であると同時に、営業の読みの甘さの表れでもあります。最初の一四半期は、予測を当てることより、入力のずれを見つけて直すことに使うのが、定着への近道です。
- 段階の定義を決めないまま入れ、営業ごとに同じ段階でも確度がまるで違う状態で予測させる
- 受注の予定日を四半期末に寄せる癖を直さず、AIの予測が毎回期末に崩れるのを見過ごす
- 失注した商談を閉じずに残し、パイプラインを実態より大きく見せたまま予測させる
- 予測が外れたのをAIの性能のせいにして、入力の手直しをしない
活動の取り込み:メールと予定表を読む権限
予測の根拠に営業の活動を使うには、営業のメールや予定表、会議の記録を取り込む必要があります。どの商談で最近やり取りがあったか、決裁者との会議が入っているかといった情報は、CRMに手で入れるよりも、メールと予定表から自動で取り込むほうが正確です。一方で、そのためには営業のメールと予定表を読む権限を外の仕組みに渡すことになります。
ここで決めることは三つです。誰のメールと予定表を対象にするか、どの相手とのやり取りを取り込み、どれを除くか、本文まで取り込むのか、日時と相手だけにするのかです。社内の人とのやり取り、人事や法務に関わるやり取り、私的なやり取りは除く設定を先に決めます。メールの仕組みの管理者が、組織全体の承認で権限を渡す形になることが多いので、情報システムの担当を最初から入れておきます。
取り込んだ活動を、営業個人の評価や監視に使わないことも、導入の前に決めておきたい線です。活動の量は、成果の質を表しません。活動の記録は商談の状態を知るために使い、営業の働きぶりを測るためには使わないと社内に示しておかないと、営業は形だけのメールや会議を増やし、予測の材料そのものが崩れます。
公開の方針から分かる、メールの読み取りの範囲
Clari のプライバシー方針(2025年10月17日更新)には、Google のメールと予定表とつなぐ場合の扱いが書かれています。一般には業務用のメールの読み取りの権限を求め、一部の機能では作成や変更の権限も求めるとしています。権限を与えると、Google の仕組みの定義上、アカウントの中のメールの内容すべてに触れられる状態になると明記しています。
一方で、保存する項目は、メールなら送信者、宛先、日付、時刻、件名、添付の名前、予定表なら主催者、出席者、日付、時刻、会議の題名、添付の名前と列挙されています。法令の順守やサポートで必要な場合を除き、人がこのデータを読むことは許さないともしています。つまり、触れられる範囲と、保存する範囲が違うという書き方です。他方、第三者の製品紹介には、自動の取り込みでメールの本文まで扱うとする説明もあり、機能や設定によって扱いが違う可能性があります。
ここから導入の前に確かめたいのは、自社で使う機能の組み合わせで、本文を保存するのか、件名と日時だけなのか、という点です。件名だけでも、案件の名前や金額、相手の社名が入っていることは珍しくありません。件名に何が書かれているかを前提に、取り込みの範囲を決める必要があります。方針は Google のメールと予定表について書かれており、Microsoft のメールを使う会社は、同じ範囲の説明を提供元に求めます。
何が社外に出るか
Clari に渡る情報は、CRMの商談と取引先と担当者の情報、取り込んだ活動の記録、そして予測と会議のメモです。顧客の会社名や担当者の名前、金額、商談の経緯は、取引先との秘密の約束の対象になっていることもあります。社外の仕組みに預けてよいかを、法務と確かめておきます。
合併後のいまは、予測のデータが Salesloft の他の製品や、外部のAIとつなぐ仕組みとどう行き来するかも確かめる点に加わりました。提供元は2026年7月の発表で、Claude や ChatGPT などの外部のAIから予測のデータを扱える接続と、書き戻しの機能を打ち出しました。一方、2026年10月の第三者の解説では、ヘルプの資料を見る限り接続は読み取りだけで、書き戻しはまだ予定の段階だと指摘されています。発表と実際に使える機能の間には差があり得るので、契約の時点の資料で確かめます。便利な一方で、外部のAIに予測のデータを渡す経路が増えるということでもあります。誰がその接続を使えるか、書き戻しを許すかは、管理者が決めて記録しておきます。
学習への利用も確かめます。プライバシー方針では、製品の中でのAIの利用は、基本の契約、データ処理の契約、AIに関する追加の取り決めで定めるとしています。方針の本文だけでは判断できないので、AIに関する追加の取り決めの文面を、契約の前に取り寄せて読むことが欠かせません。削除については、顧客から削除を求められた場合は30日以内に応じると書かれています。解約のときの削除の段取りを組むうえで、この期限を目安にできます。
- 顧客の情報が保管される地域と、海外の事業者への提供にあたるかを、法務と個人情報の担当で整理する
- 取り込んだメールや会議の記録を、提供元が自社のAIの学習に使うかどうかを契約の文言で確かめる
- 外部のAIとの接続を使える利用者と、書き戻しを許すかどうかを決める
- 合併に伴って、データを扱う事業者や契約の主体が変わる場合の通知の扱いを確かめる
誰の会議で使うか:三つの会議を分ける
予測の仕組みが定着するかどうかは、どの会議で使うかで決まります。同じ予測の画面でも、営業部長の週次の会議、経営会議、マーケとの会議では、見る数字も使い方も違います。導入の前に、主に使う会議を一つに決めることをお勧めします。
最も効くのは、営業部長が部下と商談を点検する週次の会議です。ここでは、AIの予測と営業の申告が離れている商談を拾い、理由を聞き、次の手を決めます。予測の数字そのものより、離れている商談の一覧が役に立ちます。経営会議では、営業の責任者が判断した数字を出し、AIの予測は参考として横に置きます。マーケとの会議では、着地の不足分から逆算して、来期に必要な商談の数を話し合う材料にします。
逆に、定着しにくいのは、どの会議でも使わず、画面だけを営業に開放する形です。営業が自分で予測の画面を見る習慣は、会議でその画面を使わない限り生まれません。会議の資料を、予測の画面に置き換えるところまで決めて、初めて入力の習慣と予測の点検が回り始めます。
マーケの側から見ると、予測の仕組みは、商談の不足を早く知る道具になります。着地の予測とノルマの差が四半期の半ばで見えれば、その差を埋めるのに必要な商談の数と、商談になるまでの期間から、いつまでに何件の商談を作る必要があるかを逆算できます。ただし、当期の不足をマーケの施策で埋められることは少ないのが普通です。BtoBの商談は作ってから受注まで時間がかかるので、マーケとの会議では、当期より翌期と翌々期の商談の厚みを見る使い方が現実的です。
三つの数字を並べて、差を説明する
予測の会議では、営業の申告、部長の判断、AIの予測の三つの数字を並べます。三つが近ければ、読みが固いと判断できます。離れていれば、どこが離れているかを商談の単位で見て、理由を説明します。
| 数字 | 誰が出すか | 強み | 弱み | 使いどころ |
|---|---|---|---|---|
| 営業の申告 | 担当の営業 | 個別の商談の事情を知っている | 楽観や悲観の癖が出る | 商談ごとの事情の確認 |
| 部長の判断 | 営業の責任者 | 組織全体を見て調整できる | 経験と勘に偏ることがある | 経営に出す数字 |
| AIの予測 | 予測の仕組み | 過去の傾向と活動の量を一貫して見る | CRMにない事情は知らない | 人の数字の点検 |
表の最後の列が、この記事の主張です。経営に出すのは部長の判断、AIの予測は点検に使う。差が大きかった四半期は、終わったあとに三つのどれが当たったかを記録しておきます。何期か続けると、どの数字がどんな場面で当たるかが分かり、AIの予測をどこまで参考にするかを、自社の実績で決められるようになります。
記録は、凝った仕組みにする必要はありません。毎週の会議のあとに、次の項目を一行ずつ残すだけで、四半期の終わりには十分な振り返りの材料になります。
- 記録した日と、対象の期
- 営業の申告の合計、部長の判断、AIの予測の三つの数字
- 三つのうち最も離れた数字と、その差の大きさ
- 差を生んだ主な商談の名前と、離れた理由の一行
- 次の会議までに直す入力と、その担当
経営会議には、部長の判断を一つの数字で出すだけでなく、AIの予測との差がどれだけあり、その理由が何かを一行添える形にすると、数字の持ち主を残したまま、AIの視点も経営に届けられます。
定着の手順:最初の一四半期で決めること
予測の仕組みは、入れてすぐに精度が出るものではありません。過去のデータで学ぶ仕組みなので、過去の入力が粗ければ、最初の予測も粗くなります。最初の一四半期は、精度を求めるより、使い方の型を固める期間と割り切ります。
営業部長の週次の会議を主な場にし、会議の資料を予測の画面に置き換えると決めます。経営会議では参考の扱いにとどめます。
商談の段階ごとの条件と、受注の予定日の入れ方を文書にし、営業全員に共有します。定義が揃わないまま予測させないことが肝心です。日本の営業組織でよく使われる、確度をA・B・Cの記号で分ける区分を使っている場合は、それを予測の区分のどれに対応させるかも決めます。
毎週、営業の申告、部長の判断、AIの予測を記録し、差が大きい商談の理由を一行で残します。
予定日の先送りや閉じ忘れの商談を、会議のたびに直します。AIが示す変化の一覧を、入力の点検表として使います。
三つの数字のどれが当たったか、外れた理由は何かをまとめ、次の四半期の使い方を決めます。
日本の会社では、期の区切りと予算の決め方も確かめておきたい点です。予測の仕組みは四半期で区切る前提で作られていることが多く、半期や年度で予算を管理し、月次で着地を報告している会社では、どの区切りの予測を、どの会議で見るかを合わせる必要があります。会計の期首が4月なら、四半期の区切りの設定が自社の期と合っているかも、試行の最初に確かめます。
この手順で大切なのは、差の理由を一行で残す習慣です。理由が残っていれば、次に同じ型の商談が出てきたときに、人もAIの数字の読み方を調整できます。理由が残らなければ、何期使っても、予測を信じてよいかどうかは分からないままです。
予測が外れたとき、誰が何を記録するか
予測は外れるものです。問題は、外れたときに理由が分かるかどうかです。予測の仕組みを入れた会社で起きやすいのは、外れたのはAIの性能の問題だとして、誰も理由を調べない状態です。これでは、仕組みに費用を払いながら、予測の力が組織に蓄えられません。
外れたときの記録は、営業の企画の担当が持つのが現実的です。外れた商談を一覧にし、金額、段階、予定日がいつどう変わったか、CRMに入っていなかった事情は何かを、営業に聞いて残します。外れた理由の半分以上が入力の遅れや漏れなら、まず直すのは入力であってAIではないと判断できます。逆に、入力は正しかったのにAIだけが外れた場面が続くなら、AIの予測を参考にする度合いを下げる判断ができます。
予測の精度を提供元の数字で評価しないことも、ここで改めて押さえておきます。提供元が示す的中率は、どの会社のどの時期の数字かが分かりません。自社で三つの数字を記録し、自社の実績で精度を測ることが、仕組みを続けるか見直すかの唯一の根拠になります。
AIには根拠を書かせ、人が判断する
製品の紹介では、予測を支えるAIの代理役が、過去の商談と営業の最新の活動を見て予測の根拠を示すとしています。この根拠こそ、会議で使うべき部分です。AIの予測の数字だけを見るのではなく、なぜその数字になったのか、どの商談の確度を下げたのかを、根拠と合わせて見ます。
普段の言葉で売上のデータに質問できる機能も、使い方次第です。「今期の着地はいくらか」と聞いて答えをそのまま使うのではなく、「先月から確度が下がった大口の商談はどれか」「予定日が二回以上動いた商談はどれか」のように、人が点検するための一覧を出させる質問に使うと、会議の準備が早くなります。答えの数字は、必ずCRMの元の記録で確かめます。
AIに判断させない範囲も決めておきます。商談の確度の区分を変えること、予測の数字を経営に出す数字として確定すること、商談の担当を替えることは、人が決めます。外部のAIから予測のデータに書き戻せる接続を使う場合も、書き戻しは人の承認を通す設定にしておきます。
外部のAIとの接続が広がると、営業部長が自分の使い慣れた対話型のAIから「今期の着地は」と聞き、その答えを会議の資料に貼る、という使い方も起こり得ます。この使い方は、どの時点のデータで、どの条件で出した数字なのかが資料から消えてしまう点で危うさがあります。会議に出す数字は、予測の画面か、CRMの元の記録から取ると決め、対話型のAIの答えは下調べにとどめる、という線を引いておきます。
費用の増え方と、比べるときの物差し
Clari の費用は、使う人の数や機能の範囲で決まる見積もりの形が一般的とされ、公開の料金表だけで判断できるものではありません。合併後は、予測の製品を単体で契約するか、営業の連絡や会話の分析と合わせて契約するかで、条件が変わる可能性があります。金額は提供元の見積もりで確かめ、更新の時の条件も合わせて聞いておきます。
費用が増える場面は、主に三つです。予測の画面を使う人を、営業部長から営業全員に広げたとき。予測に加えて、商談の点検や会話の分析などの機能を足したとき。営業のメールや会議の取り込みの対象を広げたときです。最初は、予測の会議に出る営業部長と営業企画に絞って始めると、費用を抑えながら効き目を確かめられます。
比べる物差しは、予測の的中率ではなく、会議の準備にかかっていた時間の削減と、期末の数字の崩れが小さくなったかどうかに置きます。CRMの標準の予測機能や、表計算で作る予測と比べ、増えた費用に見合うだけ、会議と入力が変わったかを、最初の一四半期の終わりに判断します。
止め方とやめ方
止め方は、二つの場面に分けて考えます。一つめは、予測の数字が明らかにおかしいときです。CRMの連携の不具合や、取り込みの停止で予測が崩れることがあります。こうしたときは、予測の画面を会議の資料から外し、従来の表で数字を出す手順に戻せるようにしておきます。従来の表の作り方を、導入後も一年は残しておくのが安全です。
二つめは、契約をやめるときです。CRMとの連携の解除、メールと予定表の権限の取り消し、外部のAIとの接続の解除、提供元に預けた商談と活動の記録の削除を、手順として決めておきます。三つの数字と差の理由の記録は、自社の資産なので、やめる前に自社の保管場所に書き出しておくことを忘れないようにします。合併に伴う製品の統合で、意図せず契約の範囲が変わった場合にも、この手順がそのまま使えます。
導入前のチェックリスト
最後に、導入を決める前に確かめておきたい項目を並べます。当てはまらない項目が多いほど、範囲を狭くして試すか、CRMの入力を整えるところから始める理由になります。
- 予測を主に使う会議を一つに決め、会議の資料を予測の画面に置き換えることに営業の責任者が同意した
- 経営に出す数字は営業の責任者が判断し、AIの予測は点検に使う、と社内で決めた
- 商談の段階の定義と、受注の予定日の入れ方を文書にした
- 営業のメールと予定表の取り込みの対象と除外を、情報システムの担当と決めた
- 活動の記録を営業の評価や監視に使わないと、営業に示した
- 顧客の情報が社外に出ることについて、法務と個人情報の担当が整理した
- 外部のAIとの接続と書き戻しを、誰に許すかを決めた
- 三つの数字と差の理由を記録し、四半期ごとに振り返る担当を決めた
- やめるときに書き出すもの、消すものを一覧にした
当てはまらない項目が多い場合は、予測の仕組みを入れる前に、表計算で三つの数字を並べる記録だけを一四半期続けてみる方法もあります。差の理由が毎週書けるようになり、入力の癖が見えてきてから仕組みを入れれば、AIの予測が何を補ってくれるのかを、自社の言葉で説明できるようになります。
まとめ
Clari は、CRMの商談と営業の活動から四半期の着地を予測し、予測の会議と商談の点検を回す基盤で、2026年には Salesloft の中で予測の製品として名前を残す形になりました。ただし、AIの予測はCRMの入力の質で決まり、CRMにない事情は知りません。だからこそ、経営に出す数字は営業の責任者が判断し、AIの予測は人の読みを点検する数字として横に置くことが欠かせません。使う会議を一つに決め、三つの数字の差の理由を毎週残し、最初の一四半期は入力のずれを直すことに使う。予測を当てるのはAIの仕事でも、数字に責任を持つのは人の仕事である、という線を守れるかどうかが、この仕組みを定着させられるかどうかの分かれ目です。
※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
データ分析にAIを活かす第一歩、まずは導入から始めませんか?
デボノはアカウント開設・初期設定など「そもそものAI導入」から社内定着まで伴走支援。マーケティング活用など一歩進んだご相談にも対応します。
