法務の相談窓口をFlankに任せる?|法務担当に戻す線

法務の相談窓口をFlankに任せる?|法務担当に戻す線

「法務に相談したいが、返事が来るまでに1週間かかる」「秘密保持契約の確認のような定型の依頼で、法務の時間が埋まっている」——社内の法務の窓口では、相談する側と受ける側の両方からこうした声が上がります。待たせる側も待つ側も困っている、珍しくない構図です。法務へのAI導入というと、契約書のレビューを思い浮かべる人が多いでしょう。けれども本当は、社内から法務に来る相談の受付と一次回答を、AIエージェントが受け持つ形が出てきていて、問いは「どこで法務担当に戻すか」に変わっています。この記事では、ベルリンの会社が作る Flank を例に、法務の相談窓口をAIに任せるかどうかを、3つの受け方の比較から整理します。


カメ先生カメ先生

法務のAIは契約書を読む道具だと思われがちなんだ。でも最近は、社員からの相談をメールやチャットで受けて、決まった答えならその場で返すエージェントが出てきたんだよ。


カメ子カメ子

相談の受付そのものをAIが受け持つ、ということですか。


カメ先生カメ先生

そう。速く答えられる相談は実は多いからね。ただ、答えてはいけない相談まで答えてしまうと、誤った回答の責任が宙に浮く。だから、どこで法務担当に戻すかを先に決めるのが本題なんだ。


カメ子カメ子

速さより先に、戻す線を決めるということですね。


この記事のポイント
  • Flank は、メール・Slack・Teams に届く社内の法務相談を受け、定型の契約の確認や質問票への回答を進めるAIエージェント(2026年10月時点)
  • 「法務担当が全部受ける」「フォームとよくある質問」「エージェントが一次回答」の3つを、速さ・責任・戻す条件・記録・秘密情報・費用で比べる
  • 非定型の判断、紛争、役員の判断に関わる相談、回答の最終責任は人に残す。弁護士の助言の代わりにしない

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目次

法務へのAIは契約書のレビューだけではない

法務の仕事にAIを入れる話は、これまで契約書のレビューを中心に語られてきました。条項の抜けを探す、ひな形との違いを示す、修正案を出す、といった使い方です。ところが法務の担当者の時間を実際に食っているのは、契約書の精読だけではありません。社内のあちこちから届く、小さな相談の受付と返答です。

「この取引先と秘密保持契約は結んでいるか」「この書式に署名してよいか」「お客様のアンケートの回答を広告に使ってよいか」。一つ一つは数分で答えられても、件数が多く、相談の経路もメール、チャット、口頭とばらばらです。法務の担当者は、相談を受けて振り分ける作業だけで1日の多くを使っています。

ここに入ってきたのが、相談の受付と一次回答をAIエージェントが受け持つ製品です。社員がふだん使うメールやチャットで相談を受け、決まった答えがあるものはその場で返し、判断が要るものだけを法務担当に回す。発想は、情報システム部門の問い合わせ窓口にAIを置く話と似ています。

ただし、法務の相談には、情報システムの問い合わせにはない重さがあります。誤った回答が会社の権利や義務を動かすことがあるからです。社内の問い合わせ全般の受け方は「社内の問い合わせをAIで受ける5工程」に譲り、この記事では法務の窓口に絞って、戻す線と責任の持ち方を見ていきます。

Flankは何をする製品か

Flank は、社内から法務やコンプライアンスの部門に届く依頼を、AIエージェントが受け付けて進める製品です。2026年10月時点の公式サイトによれば、Outlook の受信箱や社内のポータル、Teams、Slack に届いた依頼をエージェントが受けます。社員は新しい画面を覚えずに、いつもの道具で相談できます。

エージェントが担う仕事として、公式サイトは、秘密保持契約を社内の基準書に沿って確認し修正案を出すこと、情報セキュリティの確認の書式に答えること、法務とコンプライアンスの質問に答えること、依頼の仕分け、起案、交渉のやり取りを挙げています。定型で量の多い依頼を、法務担当の手を通さずに片付けるのが狙いです。

人の出番について、公式サイトは、複雑な依頼や危険度の高い依頼は上に上げ、法務担当が仕上がりと危険度の高い場面を確かめると説明しています。確認待ちの依頼は列に並び、確かめる人が承認する、直す、さらに上げるを選べます。「最終の権限はあなたのチームに残る」とも書かれています。

2026年7月には、署名済みの契約を集めて1つの記録にまとめる Flank Record も加わりました。法務テックの専門媒体アーティフィシャル・ロイヤーの2026年7月23日の記事によれば、電子署名の道具、メール、共有フォルダなどに散らばった署名済みの契約をエージェントが拾い、記録を毎日最新に保つ仕組みで、順番待ちと設計パートナーの募集から始まったとされます。この記事の主題は相談の窓口なので、契約の管理には深入りしません。

どんな会社が作っていて、なぜ国内で知られていないか

Flank の所在地は、公式サイトでは確かめられませんでした。2025年6月5日に資金調達を主導した投資会社 Insight Partners の発表では、ベルリンの会社として紹介されています。この発表によれば、調達額は1,000万ドルで、大量に発生する法務の仕事を自律的に片付けるエージェントを広げるための資金とされます。

同じ発表では、利用企業の法務責任者が「月に5,000件の依頼を自律的に処理している」と述べた言葉が紹介されています。これは出資した側の発表に載った利用者の声であり、第三者が確かめた数字ではありません。ただ、相談の件数が多い会社ほど効くという製品の性格はよく表れています。

公式サイトに並ぶ利用先は、欧州の出版社や金融紙、翻訳サービスの会社、ホテルの運営会社、法律事務所などで、欧州の企業が中心です。サイトは英語とドイツ語で、日本語の画面や日本の法令に合わせた基準書の用意についての記載は見当たりませんでした(2026年10月時点)。

国内で知られていない理由は、この3つに尽きるでしょう。欧州の企業向けであること、日本語の情報がないこと、そして法務の窓口をAIに任せるという発想自体が、国内ではまだ広く議論されていないことです。だからこそ、製品より先に窓口をAIに任せてよいかという問いから考える価値があります。

社内から法務に届く相談を、答え方で分ける

窓口をどう受けるかを比べる前に、届いている相談を答え方で分けておきます。部署別や件名別に分けても、AIに渡してよいかは決まりません。分けるべきは、答えを出すのに何が要るかです。

1つ目は、答えが社内の文書に書いてある相談です。「秘密保持契約のひな形はどれか」「契約の決裁の流れは」といったもので、答えは規程や手引きにあります。2つ目は、社内の基準書に照らして確かめれば済む相談です。相手から届いた秘密保持契約が自社の基準から外れていないか、といった依頼がこれにあたります。

3つ目は、判断が要る相談です。前例がない取引、相手との揉めごと、役員の判断に関わる話、法令の解釈が分かれる話などです。4つ目は、相談の形をとった通報です。社内の不正やハラスメントの相談が法務の窓口に届くことがあり、これは受付の段階から扱いを変える必要があります。

この4つのうち、AIエージェントが一次回答をしてよいのは、多くの会社で1つ目と2つ目まででしょう。3つ目と4つ目は、受け付けたらすぐ法務担当に戻す相談です。この線をどこに引くかが、以下の比較の土台になります。

3つの受け方を並べて比べる

法務の相談窓口の受け方は、大きく3つあります。法務担当が全部受ける形、相談フォームと社内のよくある質問を整える形、Flank のようなエージェントが受けて一次回答する形です。6つの観点で並べると、次のようになります。

観点法務担当が全部受けるフォームとよくある質問エージェントが一次回答
回答の速さ担当者の空き次第で遅い答えが載っていれば速い。載っていなければ遅い定型なら速い。戻した相談は担当者次第
誤った回答の責任回答した担当者と法務部門載せた文書の持ち主設定した法務部門。あいまいになりやすい
戻す条件不要(全部が担当者)相談者が自分で判断する事前に決めた条件で自動的に戻す
記録メールやチャットに散らばるフォームの分だけ残る全件が残る形にできる
秘密情報の扱い社内で閉じる社内で閉じる外部の道具と生成AIの提供元を通る
費用の増え方人員で増える文書の整備の手間で増える利用の量と範囲で増える

表から分かるのは、エージェントの形が速さで勝つ一方、責任と秘密情報の2つの行で新しい問題を持ち込むことです。フォームとよくある質問の形は、相談者に「これは自分で読めば済むか」を判断させるので、判断を読む側に押しつける弱さがあります。エージェントの形は、その判断を事前の設定で肩代わりします。

どれか1つに決める必要はありません。よくある質問を整えたうえで、そこに載らない定型の依頼だけをエージェントに受けさせ、判断の要る相談は担当者が受ける、という組み合わせが現実的です。比べるときは、自社の相談のうち1つ目と2つ目がどれだけの割合かを先に数えてください。

回答の速さだけで比べると見落とすこと

エージェントを入れる理由として一番に挙がるのは、回答の速さです。何日も待たされていた相談に数分で答えが返れば、相談する側の満足は上がります。ただ、速さだけで比べると、見落とすことが3つあります。

1つ目は、速く返るほど、相談者が答えを疑わなくなることです。法務から即座に返ってきた答えは、相談者にとっては法務の正式な見解に見えます。エージェントが返した答えなのか、担当者が確かめた答えなのかが相談者に分からないと、誤った答えがそのまま取引先に伝わります。

2つ目は、相談が増えることです。気軽に聞けるようになると、これまで法務に来なかった相談が届き始めます。悪いことではありませんが、エージェントが戻す相談の数も増え、法務担当の手元に残る仕事が想定ほど減らないことがあります。

3つ目は、相談の中身が法務に見えなくなることです。担当者が全部を受けていたころは、相談の傾向から社内のリスクの芽に気づけました。エージェントが片付けた相談を誰も読まないと、この気づきが失われます。定期的に、エージェントが答えた相談を担当者が抜き取って読む時間を取っておきます。

誤った回答の責任は誰が持つか

エージェントの答えが誤っていたとき、責任を負うのは道具の提供元ではなく、その道具を窓口に置いた会社です。社内の相談への回答は、会社の法務部門としての回答として扱われます。だからこそ、回答の最終責任を持つ人を、法務部門の中で名前で決める必要があります。

公式サイトは、最終の権限は利用する側のチームに残ると説明しています。これは裏返せば、何を自動で返し、何を確かめるかの設定の責任も利用する側にあるということです。設定を決めた人、承認した人、変えた人を記録しておかないと、誤りが起きたときに原因をたどれません。

相談者への見せ方も責任の一部です。エージェントの答えには、それがAIの一次回答であること、根拠にした社内の文書、判断が要る場合の連絡先を必ず添えます。相談者が「法務が確かめた答え」と取り違えない形にしておけば、誤りが見つかったときの影響を小さくできます。

誤りが見つかったときの手順も先に決めます。同じ相談に同じ答えを返し続けないよう、その種類の自動回答を止める人、相談者に訂正を伝える人、基準書を直す人を決めておきます。止める判断が遅れるほど、同じ誤りが社内に広がります。

法務担当に戻す条件を、相談の中身で決める

戻す条件は、相談の種類ではなく中身で決めます。同じ「秘密保持契約の確認」でも、相手のひな形が自社の基準から大きく外れていれば、それはもう定型の依頼ではありません。公式サイトも、複雑な依頼や危険度の高い依頼は上に上げると説明しており、どこからを複雑とみなすかを決めるのは利用する側です。

戻す条件は、4つの軸で書くと漏れにくくなります。金額や期間が一定を超える、社内の基準書から外れる条項がある、相手が紛争中や係争の恐れのある会社である、役員の判断や社外への公表に関わる、の4つです。どれか1つに当たったら戻すと決めておけば、判断に迷う余地が減ります。

エージェント自身が「自信がない」と判断したときも戻します。根拠にできる社内の文書が見つからない相談に、それらしい答えを作らせないことが大切です。根拠を示せない相談には答えさせない、という一文を基準書の冒頭に置いておくと、設定の見直しの物差しにもなります。

戻した相談が、法務担当の側で滞らない仕組みも要ります。戻す数が多すぎれば条件が広すぎ、少なすぎれば狭すぎます。最初の数か月は、戻した件数と、戻さずに答えた相談のうち後から誤りが見つかった件数の2つを月ごとに見て、条件を直していきます。

エージェントに答えさせない相談

戻す条件とは別に、そもそもエージェントに一次回答をさせない相談を決めておきます。受け付けた時点で、答えの下書きも作らせず、担当者に渡す相談です。代表的なものを表にまとめます。

相談の種類答えさせない理由受け付けた後の扱い
紛争・係争・行政からの照会回答の一言が相手との交渉や手続きに影響する受付の確認だけ返し、担当者がすぐ引き取る
社内の不正やハラスメントの相談通報者の保護と、受付の記録の扱いが法令で求められる通報の窓口に回し、閲覧できる人を限る
役員の判断や社外への公表に関わる相談会社の意思決定そのものにあたる担当者が受け、必要なら役員会の議題にする
法令の解釈が分かれる新しい論点社内の文書に根拠がなく、答えが作られやすい担当者が受け、必要なら外部の弁護士に相談する
個人の法律問題の相談会社の法務の役割を超える社外の相談先を案内する

通報の扱いには特に注意が要ります。公益通報者保護法は、一定の規模の事業者に通報の窓口と担当者の体制を求めています。法務の窓口に通報が混ざって届く会社では、エージェントが通報を見分けて担当者に回すだけにとどめ、中身の要約や回答の下書きをさせないほうが安全です。

  • エージェントの一次回答を、法務部門の正式な見解として取引先に転送させる
  • 根拠の文書が見つからない相談にも、それらしい答えを作らせる
  • 通報にあたる相談をエージェントが要約し、通常の相談と同じ列に並べる
  • 戻す条件を決めないまま、全社の相談窓口をエージェントに切り替える

答えさせない相談を受け付けたときの返信の文面も、先に決めておきます。返すのは、受け付けたこと、担当者が引き取ること、いつまでに連絡するかの3つだけにします。中身に触れた一言が、紛争の相手への回答や通報者の特定につながるおそれがあるからです。返信の文面は法務担当が書き、エージェントにはその文面をそのまま返すことだけを許します。

定型の契約の確認は、社内の基準書の出来で決まる

Flank が秘密保持契約を確かめるときの物差しは、利用する会社の基準書です。公式サイトも、基準書に沿って確認と修正案を出すと説明しています。つまり、エージェントの確認の質は、基準書に何がどこまで書いてあるかでほぼ決まります。

多くの会社では、秘密保持契約の基準は法務担当の頭の中にあります。「この条項は相手の案でも受けてよい」「この期間なら許す」といった判断が、文書になっていません。基準書を書き出す作業は、エージェントを入れるかどうかに関係なく、法務の仕事の引き継ぎにも効きます。

基準書には、受けてよい範囲、修正を求める範囲、法務担当に戻す範囲の3段を書きます。秘密保持契約そのものに何を定めるかは「秘密保持の取り決めを固める5工程」で扱っているので、ここでは3段に分けて書くことだけを押さえます。

基準書の持ち主も決めます。基準書を変えれば、エージェントの答えが一斉に変わります。誰が変えてよく、誰が承認し、変えた日をどう記録するかを決めておかないと、ある日から答えが変わった理由を誰も説明できなくなります。契約書のレビューを人とAIでどう分けるかは「契約書のレビューはAIに任せきれない」に譲ります。

秘密情報がチャットの中を通る

法務の相談には、まだ公表していない取引、人事の話、取引先の秘密情報が含まれます。エージェントを窓口に置くと、これらがメールやチャットから Flank の環境を通り、さらに生成AIの提供元を通ります。何が、どこを通るかを契約の前に確かめておきます。

2026年10月時点の公式サイトでは、顧客のデータをモデルの学習に使わないこと、データを残さない運用であること、顧客ごとに地域別の専用の環境を用意することが示されています。また、トラストセンターでは SOC 2 のタイプ2の報告書と、AIの管理の仕組みの規格 ISO 42001 の認証が示されています。公式サイトは、EUの一般データ保護規則や米国カリフォルニア州の消費者プライバシー法などへの対応もうたっていますが、日本の個人情報保護法への言及は見当たりませんでした。

トラストセンターの再委託先の一覧には、生成AIの提供元として Anthropic、OpenAI、マイクロソフトの Azure が、クラウドとして Google Cloud が挙がっています。一方、専用の環境がどの地域に置かれるか、記録の保持の期間は、公開ページでは確かめられませんでした。日本の会社のデータがどの国に置かれるかは、資料を取り寄せて確かめる項目です。

チャットの側の権限も見ます。Slack や Teams の共有のチャンネルで相談を受けると、相談の中身がチャンネルの全員に見えることがあります。法務の相談は、エージェントとの1対1のやり取りに限る、といった受付の形も、導入の前に決めておきます。

誰が何を答えたかを残す

法務の窓口の記録は、後から必ず読み返されます。取引先との揉めごと、社内の監査、規制当局からの照会の場面で、「その時点で法務は何と答えたか」が問われるからです。エージェントを入れると、記録の量は増えますが、記録の中身が揃うとは限りません。

残す項目は、相談の日時と相談者、エージェントの答え、根拠にした文書とその版、自動で返したか人が確かめたか、戻した場合は誰に戻し誰が答えたか、の5つです。根拠の文書の版を残しておかないと、基準書を変えた後で、過去の答えの正しさを確かめられません。

記録をどこに置くかも決めます。道具の中の記録だけに頼ると、解約したときに過去の相談の記録が手元に残らないことがあります。重要な相談の答えは、社内の文書の管理の仕組みにも写しておくと安全です。

記録は、エージェントの設定を直す材料でもあります。月に一度、戻した相談と、自動で返した相談の抜き取りを法務担当が読み、戻す条件と基準書を直します。読む人と頻度を決めておかないと、記録は増えるだけで使われません。

弁護士法との関係と、社内の法務の役割

日本では、弁護士でない者が報酬を得る目的で法律事務を扱うことは、弁護士法72条で制限されています。AIを使った契約書の審査を支援するサービスと72条の関係については、法務省が2023年8月に考え方を公表しています。個別のサービスが当てはまるかどうかは、提供の形によって変わるとされます。

社内の法務部門が自社の相談に答えるのは、会社の内部の業務です。エージェントはその道具として置かれるので、答えの中身に責任を持つのは社内の法務部門です。エージェントを弁護士の助言の代わりとして描いたり、相談者にそう受け取らせたりしない見せ方が要ります。

この点の詳しい整理は、「契約書のレビューはAIに任せきれない」で扱っています。法務の窓口にエージェントを置くかどうかを決める前に、自社の法務の担当者と、必要なら顧問の弁護士に、使い方が問題にならないかを確かめておくと安心です。

社内の法務の役割は、エージェントを入れると変わります。相談に一つずつ答える仕事から、基準書を作り、戻す条件を決め、エージェントの答えを抜き取って確かめる仕事へ。答える人から、答え方を決める人へ移ると考えると、体制の組み方が見えやすくなります。

費用の増え方と、止め方

料金は公式サイトに公開されていません(2026年10月時点)。費用の増え方は、受け付ける相談の量、使う機能の範囲、つなぐ経路の数で見ます。相談が増えるほど費用が増える形なら、気軽に聞けるようになって相談が増えた分も費用に乗ります。

比べる相手は、法務担当の人員を増やす費用と、外部の弁護士に定型の確認を頼む費用です。ただ、エージェントを入れても、基準書の整備、戻した相談への回答、抜き取りの確認に法務担当の時間は残ります。人の手間がなくなるのではなく、中身が変わると見積もるのが現実的です。

止め方は2段で考えます。1段目は、特定の種類の自動回答だけを止めることです。誤りが見つかった種類の相談だけを担当者に戻す切り替えができるかを確かめます。2段目は、窓口全体を止めて、担当者が受ける形に戻すことです。そのとき、受付の経路を元に戻す手順と、相談者への知らせ方を決めておきます。

解約したときに、過去の相談の記録と基準書を自社が読める形で持ち出せるかも確かめます。基準書はエージェントのために書いたものでも、法務の財産です。道具と一緒に失わないよう、元の文書は社内に置いておきます。

導入を決めるまでの段取り

ここまでの比較を踏まえ、法務の窓口にエージェントを置くかどうかを決める段取りをまとめます。

STEP1
相談を数えて分ける

直近3か月の相談を、答えが文書にある・基準書で確かめる・判断が要る・通報の4つに分け、それぞれの件数を数える。

STEP2
答えさせない相談を決める

紛争、通報、役員の判断、解釈が分かれる論点など、受け付けた時点で担当者に渡す相談を一覧にする。

STEP3
基準書と戻す条件を書く

受けてよい・修正を求める・戻すの3段で基準書を書き、戻す条件を4つの軸で決める。持ち主と承認者も決める。

STEP4
秘密情報の道を確かめる

データの置き場所、再委託先、保持の期間、チャットでの受付の形を確かめ、情報セキュリティの担当者の確認を受ける。

STEP5
狭く始めて記録を読む

秘密保持契約の確認など1種類から始め、戻した件数と後から見つかった誤りを月ごとに見て、範囲を広げるかを決める。

1段目で、答えが文書にある相談と基準書で確かめる相談が少ないと分かったら、エージェントより先に、よくある質問と基準書の整備が効きます。逆に多いなら、エージェントの効き目は大きくなります。数えてから決めるのが一番の近道です。

同じ便では、規程への適合の確認をAIエージェントに渡す製品(Norm Ai)と、委託先の審査をAIに任せる製品(Zania)も扱っています。規程の確認や委託先の審査の相談が法務の窓口に届く会社は、そちらもあわせて読むと、どこまでを窓口で受けるかの線が引きやすくなります。

まとめ

Flank は、メールや Slack、Teams に届く社内の法務相談をAIエージェントが受け、秘密保持契約の確認や質問票への回答、一次回答を進める製品です。複雑な依頼や危険度の高い依頼は上げ、最終の権限は利用する側に残すと公式は説明しています。法務担当が全部受ける形、フォームとよくある質問の形と比べると、エージェントは速さで勝つ一方、回答の責任と秘密情報の扱いに新しい問題を持ち込みます。受付と定型の一次回答はAIに任せ、紛争、通報、役員の判断、解釈が分かれる相談と、回答の最終責任は法務担当に残す。戻す条件と答えさせない相談を先に決め、基準書の持ち主を立ててから、窓口を少しずつ広げてください。

  • 製品の機能と提供状況は、Flank の公式サイトとトラストセンター、2025年6月の Insight Partners の発表、2026年7月の法務テックの専門媒体の記事を2026年10月21日に確かめた範囲に基づきます。導入の前に最新の原文と契約の資料で確かめてください
  • 弁護士法や公益通報者保護法との関係は、法務省・消費者庁の公表資料と、自社の法務の担当者や顧問の弁護士で確かめてください
  • 利用者の声として紹介した件数は、出資した投資会社の発表に載ったもので、第三者が確かめた数字ではありません

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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