AI活用の測定はLarridinか自前か|数字を監視にしない線

AI活用の測定はLarridinか自前か|数字を監視にしない線

「AIの道具を全社に配ったが、経営から『で、効果は』と聞かれて答えられない」「利用状況を測りたいが、社員に見張られていると思われたくない」——生成AIの全社導入をひととおり終えた会社の推進担当から、こうした声が増えています。米国の Larridin が2026年1月に公表した報告書では、350人を超える経営層の回答のうち、自社のAIの導入率を把握していない組織が45.6%、投資と効果を比べて追っている組織は16.8%にとどまったと、提供元は発表しています。ただ、測れていない原因は道具の有無ではありません。本当は、その数字を誰が何に使うかが決まっていないことです。この記事では、Larridin のような専用の測定基盤、自前の集計、測らない選択の3つを並べ、部門と業務の単位で見る数字と、個人の評価に使わない線の引き方を整理します。


カメ先生カメ先生

AI活用を測ると聞くと、社員一人ひとりの使い方を見張ることだと思われがちなんだ。でも本当は、部門や業務の単位で、配った道具が仕事に効いているかを確かめるための数字なんだよ。


カメ子カメ子

個人の数字を見なければ、誰が使っていないかも分からないのではないですか。


カメ先生カメ先生

そこが分かれ目でね。個人の数字を上長が見られる形にすると、使った回数を稼ぐ行動が生まれて、肝心の効果が読めなくなる。だから見る単位と、見られる人を先に決めるんだ。


カメ子カメ子

道具を選ぶ前に、数字の使い道を決めておく、ということですね。


この記事のポイント
  • Larridin は、社員がどのAIツールをどれだけ・どう使っているかを、利用度・習熟度・支出・効果の面から測る大企業向けの基盤(2026年10月時点)
  • 選択肢は「測らない」「各ツールの管理画面と自前の集計」「専用の測定基盤」の3つ。分かること、社員の受け止め、費用の増え方が違う
  • 集計と傾向の要約は道具に任せ、数字から何を判断するかと、個人の評価に使わないことは人が決めて社員に先に伝える

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目次

Larridinは何を測る製品か

Larridin は、自社を「AIの価値を測る基盤」と位置づける米国の会社です。公式サイトでは、AIの利用と支出を、人とAIエージェントがこなした仕事に結びつけて測ると説明しています(2026年10月時点)。対象は特定のAIツールではなく、社員が使うさまざまなAIツールとモデルです。どの提供元にも属さない独立した測定の層として売っている点が、各AIツールに付いている管理画面との一番の違いです。

測る面は大きく4つあります。公式サイトによれば、利用度は週ごとに使った人の数と、チームや役割ごとの使い込みの深さで見ます。習熟度は部門ごとに点数で示します。支出は、利用量に応じたトークンの料金、席の契約、クラウドのモデルの費用をまとめ、チーム・ツール・エージェントに割り当てます。効果は、AIがこなした仕事を人の働く時間に置き換えた量として示します。開発の現場向けにコードの変更や品質とAIの支出を結びつける機能、繰り返しの作業を見つけて自動化の進み具合を測る機能も並んでいます。

効果の数字には、公式サイトに注意書きがあります。人の時間に置き換えた量は、そのまま節約した時間でも、戻ってきた現金でも、人員の削減でもない、という説明です。提供元自身が、効果の数字を成果そのものとして読まないよう断っているわけです。導入を検討するなら、この断り書きを社内の報告にもそのまま引き継ぐ必要があります。数字の見栄えが良いほど、経営は「これだけ時間が浮いた」と読みたくなります。その読み違いを防ぐのは、道具ではなく報告する側の書き方です。

作っている会社と、国内でまだ知られていない理由

2026年9月30日(米国時間)にサンフランシスコから出された公式の発表では、Larridin の製品が Google Cloud Marketplace で買えるようになりました。Google Cloud の契約の中で調達と請求をまとめられ、条件を個別に取り決める提案や、既存の利用の約束額に充てられる場合がある、と説明されています。ただし、買う側の安全面の審査や社内の承認の手続きはそのまま必要だ、とも書かれています。調達の経路が簡単になっても、社内で決めることは減らないということです。

同じ発表で、提供元は20億回を超えるAIの利用を記録し、6万人を超える企業の利用者の使い方を見てきたこと、米国の投資会社などから1,700万ドルのシード資金を得たことを挙げています。いずれも提供元の発表の数字です。2026年10月時点で、公式サイトや公式ブログに、製品の終了、名称の変更、他社への統合の告知は見当たりません。

日本語の解説がほとんど無い理由は、確かめた範囲でいくつかあります。公式サイトと資料は英語で、日本語の案内は見当たりません。公開している調査も経営層を対象にしたもので、想定する顧客は大企業です。また後で触れるとおり、測る仕組みは社員のパソコンに入れる拡張機能とアプリが中心で、配る前に社員への説明と労務の整理が要る種類の道具でもあります。国内では、全社にAIを配り終えて次に効果を問われる段階の会社が増えてきたところで、こうした道具を比べる場面そのものがまだ少ないと言えます。

測り方は3つある。並べてから選ぶ

AI活用の測り方は、道具を買うかどうかの2択ではありません。ここでは、測らずに推進役の聞き取りで済ませる、各AIツールの管理画面の数字を自前で集計する、Larridin のような専用の測定基盤を入れる、の3つを並べます。比べる観点は、分かること、分からないこと、社員の受け止め、個人の記録の扱い、費用の増え方、やめ方の6つです。

観点測らない(聞き取り)管理画面と自前の集計専用の測定基盤
分かること使い方の具体例、困っている点、現場の手応え配ったツールごとの利用者数・利用回数・席の使用率配っていないツールも含めた利用の広がり、部門ごとの習熟度、支出の割り当て
分からないこと全体の量、聞いていない部門の様子配っていないツール、ツールをまたいだ使い方使った中身の良し悪し、業務の成果そのもの
社員の受け止め負担は小さいが、声の大きい人の話に寄る既存の記録なので抵抗は小さい端末に入れるため、説明を誤ると見張りと受け取られる
個人の記録の扱い残らないツールごとに個人の記録が残り、見られる人がばらばら既定は部門の集計。個人の記録は管理者の書き出しに限る作り
費用の増え方推進役の時間集計の手間がツールの数に比例して増える測る利用者の数と範囲で増える。契約は個別
やめ方いつでもやめられる集計をやめるだけ拡張機能とアプリの回収、集めた記録の削除の確認が要る

表のとおり、3つは上下の関係ではありません。聞き取りでしか分からないことがあり、専用の基盤でも分からないことがあります。どれか1つを選ぶより、どの問いにどれを当てるかを決めるほうが実務に合います。次の3節で、それぞれの得失を具体的に見ていきます。

選択肢1:測らず、推進役の聞き取りで済ませる

最も手軽なのは、各部門の推進役が月に1回ほど現場に聞き、良い使い方と困りごとを集める方法です。道具も契約も要らず、社員の受け止めも穏やかです。使い方の具体例は利用の数字からは出てこないので、聞き取りは他の2つを選んだ場合でも残すべき方法です。

弱点は、全体の量と偏りが分からないことです。聞き取りに答えるのは、よく使っている人と不満のある人に偏りがちで、黙って使っていない人の様子は上がってきません。推進役が熱心な部門ほど話が集まり、話が集まった部門ほど進んでいるように見えるという錯覚も起きます。提供元の報告書で導入率を把握していない組織が半数近くあったことは、多くの会社がこの段階にとどまっていることをうかがわせます。

聞き取りだけで足りるのは、配ったツールが少なく、利用者が数百人規模までで、経営から求められているのが数字ではなく使い方の事例である場合です。逆に、経営が費用に見合うかを数字で問い始めたら、聞き取りだけでは答えられません。そのときに次の選択肢を検討します。

選択肢2:各ツールの管理画面と自前の集計

法人向けのAIツールの多くは、管理者向けの画面で利用者数や利用回数、席の使用状況を見られます。これを月に1回書き出し、表計算で部門ごとに集計するのが2つ目の方法です。すでに契約しているツールの記録なので、新しい道具を端末に入れる必要がなく、社員への説明も既存の利用規程の範囲で済むことが多いはずです。

弱点は3つあります。1つ目は、配っていないツールが見えないことです。提供元の報告書では、AIの利用の45%が情報システム部門の目の届かないところで起きているとされています。2つ目は、ツールごとに数字の定義が違うことです。「使った人」を、ログインした人で数えるツールもあれば、1回でも依頼した人で数えるツールもあります。3つ目は、ツールごとに個人単位の記録が残り、それを見られる人がツールごとにばらばらになりやすいことです。

自前の集計を選ぶなら、数字の定義を1枚にそろえ、集計の結果は部門の単位でしか出さないと先に決めます。書き出した元の表には個人名が入るので、元の表を置く場所と見られる人を絞ります。利用記録を誰が見てよいかの決め方は別の記事で軸に分けて整理しているので、ここでは集計の側の線だけを押さえます。費用の面では、新しい契約は要りませんが、ツールが増えるたびに集計の手間が増えていきます。

選択肢3:Larridinのような専用の測定基盤

3つ目が、Larridin のように、社員の端末から利用を拾って一か所に集める専用の基盤です。公式のよくある質問によれば、Larridin は主にブラウザの拡張機能とパソコンのアプリとして、管理者がまとめて配る形で入れます。ブラウザで使うAIツールは、開いたページの宛先で見分けます。業務アプリの中に組み込まれたAI機能の見分けは、今後の予定とされています(2026年10月時点)。

この作りの強みは、配っていないツールも含めて、会社全体のAIの使われ方を同じ物差しで見られることです。個人で契約したAIと会社で契約したAIを分けて見られる、とも説明されています。ツールごとに定義の違う数字を手で合わせる手間がなくなり、部門ごとの習熟度や支出の割り当てまでが同じ画面に並びます。定義のそろった数字が毎月自動で出ることが、自前の集計との一番の差です。

一方で、拾えない範囲もあります。公式のよくある質問では、測るのはパソコンだけで、iOS の端末は対象外、アンドロイドの端末は端末管理の仕組みを経由すれば可能だが今は優先していない、と書かれています。スマートフォンでAIを使う営業や現場の多い会社では、数字に出ない利用がまとまって残る前提で読む必要があります。なお、規制の厳しい業種向けには、デルや HP のAI向けの機器を使った自社設置の形も用意されているとしています。

専用の基盤でも分からないこと

専用の基盤は、どのツールが・どの部門で・どれだけ使われたかを広く拾えます。しかし、その使い方が仕事の質を上げたかどうかは、利用の記録からは直接は分かりません。公式サイトが効果の数字について、節約した時間でも人員の削減でもないと断っているのは、この限界を提供元自身が認めているということです。

例えば、ある部門の習熟度の点数が上がったとします。それは、提案書の下書きにAIを使う人が増えた結果かもしれませんし、同じ人が試しに使う回数を増やしただけかもしれません。点数の変化が業務の成果につながったかは、受注率や対応の時間など、業務の側の数字と並べて初めて読めます。利用の数字だけを見て判断すると、よく使われている部門が、よく成果を出している部門だと取り違えます。

そこで、専用の基盤を入れる場合も、業務の側の数字を誰が持ってきて、どの数字と並べるかを決めておきます。利用の数字は「使われているか」に、業務の数字は「効いているか」に答えます。この2つを混ぜて、利用が増えたから効果が出た、と報告しないことが大切です。研修の効果の測り方は別の記事で扱っているので、ここでは利用の数字の読み方に絞ります。

何が社外に出るか:手元で処理し、要約だけを送る作り

端末に入れる道具を検討するとき、情シスと法務が最初に聞くのは、何が社外に出るかです。Larridin の公式のよくある質問では、扱いに注意の要るデータの多くは利用者のブラウザの中で処理されて端末から出ず、提供元のクラウドに送られるのは要約した統計だけだと説明しています(2026年10月時点)。

測定の導入を扱う公式の解説では、もう一歩踏み込んでいます。依頼の文や中身を保存せずに利用度と習熟度を測る、画面の構造の写しは手元で処理して元の中身は捨て、提供元のサーバーには届かない、という説明です。つまり、中身に一度も触れないのではなく、手元で一時的に読んでから捨てる作りです。社内の説明では、この違いを正確に伝える必要があります。「中身は一切見ていない」と言い切ると、後で仕組みを知った社員の信頼を失います。

提供元は別の解説で、この作りを数学的に保証された匿名化の手法と取り違えないこと、中身を検査して持ち出しを止める仕組みとも別物であることを断っています。持ち出し対策の代わりにはならないということです。契約前には、送られる統計の項目、保存の期間、保存の場所を書面で確かめてください。2026年10月時点の公式のよくある質問には、保存の期間の記載が見当たりませんでした。

部門・業務で見る数字と、個人を評価に使わない線

この記事の主題はここです。AI活用の数字は、見る単位を決めた時点で性格が変わります。部門や業務の単位で見る数字は、道具の配り方や研修の当て方を直すための材料になります。個人の単位で見る数字は、本人がどう扱われるかに直結し、見張りと受け取られやすくなります。同じ記録から作った数字でも、単位が変わると、社員にとっての意味がまったく変わるのです。

Larridin の公式の解説では、上長の画面は既定でチームの集計だけを示し、個人の記録は指定した管理者が決められた手続きで書き出す場合に限り、その書き出しは記録に残る、と説明しています。人数の少ない集団を画面に出さないための最小の人数も設定できるとしています。道具の側に、個人を見せない既定値があることは、自前の集計にない利点です。

ただし、既定値は設定で変えられます。そこで導入の前に、社内で次の線を決めて文書にします。上長の画面は部門の集計まで、最小の人数は何人以上、個人の記録の書き出しは誰の承認で何のときだけ、そして利用の数字を個人の人事評価には使わないこと。AIの利用を評価制度に入れてよいかという問いそのものは別の記事で掘り下げているので、ここでは測る道具の設定に落とす線だけを押さえます。

個人の記録を開く場面として現実にありうるのは、情報の持ち出しが疑われる調査など、限られた場合です。それも測定の目的とは別の手続きとして、閲覧の理由と承認者を残す形にしておきます。測定のための記録を、調査のついでに評価へ流用しないことも、文書に書いておく線の一つです。

社員への説明は、入れる前に済ませる

端末に入れる道具は、入れてから説明すると、何が集められているのかという不信が先に立ちます。Larridin の公式の解説も、全社への説明会は入れる前に開き、実際に集めるデータと画面の見え方を見せること、個人の記録が画面に出ないことを示すこと、試しに入れる期間には参加しない選択を用意すること、測定を罰ではなく支援として位置づけることを勧めています。

国内の会社で説明に盛り込むことは、これに加えて3つあります。1つ目は目的で、部門ごとの道具の配り方と研修の当て方を直すため、と具体的に書きます。2つ目は使わない用途で、個人の人事評価には使わないと明記します。3つ目は問い合わせの先で、自分について何が記録されているかを聞ける窓口を示します。「何には使わないか」を書けるかどうかが、説明が信じられるかの分かれ目になります。

社員の個人に関わる情報をどう扱うかは、就業規則や社内の個人情報の取り扱いの定めとも関わります。説明の文案は人事と法務の確認を経てから出すのが安全です。労働組合のある会社では、組合への説明の順番も決めておきます。説明を急いで省くと、測り始めてから止める羽目になり、そのほうが費用も信頼も多く失います。

誰の資格で動くか:配る経路と閲覧の権限

専用の基盤は、管理者が拡張機能とアプリをまとめて配る形で入ります。社員一人ひとりが入れるかどうかを選ぶ道具ではないので、配る作業を担うのは情シス、何を測るかを決めるのはAI推進の責任者、と役割を分けておきます。公式サイトは、測る範囲を顧客が選び、データの扱いや保存、権限を管理者と安全面の担当で確かめる、としています。

閲覧の権限について、公式のよくある質問では、見え方と権限を設定でき、上長や部門は自分のチームの画面を見る作りだと説明しています。役割に応じた権限と企業向けの認証にも対応すると書かれています。つまり、誰に何を見せるかを決めるのは会社の側です。道具が安全な既定値を持っていても、設定を広げれば個人が見える画面は作れてしまいます。

閲覧の権限は、少なくとも3段に分けます。全社の傾向を見る推進の責任者、自部門の集計を見る部門長、個人の記録の書き出しを承認と記録つきで行う管理者です。設定を変える権限を持つ人も絞り、設定の変更そのものを記録に残します。社外のサービスとして見ると、提供元の担当者がどこまで顧客のデータを見られるかも、契約前の確認事項に入ります。

費用の増え方と、やめ方

2026年10月時点で、公式サイトに料金表は見当たらず、契約は個別の取り決めです。費用の増え方としては、測る利用者の数と、使う機能の範囲で増えると見ておくのが自然です。Google Cloud Marketplace の経由で買う場合、既存の利用の約束額に充てられることがあると提供元は説明していますが、条件は契約ごとに確かめる必要があります。

見落としやすいのは、道具の代金以外の費用です。社員への説明の準備、人事と法務の確認、部門ごとの数字の読み方を決める会議、業務の側の数字を持ってくる手間は、どの選択肢でもかかります。専用の基盤は集計の手間を減らしますが、数字を読んで判断する時間は減りません。この時間を見積もらずに入れると、画面はあっても誰も読まない状態になります。

やめ方も入れる前に決めます。端末に配った拡張機能とアプリを回収する手順、提供元に残った記録の削除とその確認の方法、書き出した個人の記録の後始末です。やめるときに何が残るかを契約前に聞いておくと、試しに入れる期間の判断も楽になります。試しの期間の終わりに、続けるか、自前の集計に戻るかを決める日付を先に置いておきます。

選び分けの目安は、問いと規模で決める

3つの選択肢のどれを選ぶかは、会社の規模より先に、経営から何を問われているかで決まります。次の5つの段で選び分けると、道具を入れること自体が目的になるのを防げます。

STEP1
経営から何を問われているかを書く
使われているか、費用に見合うか、どこに研修を当てるか。問いを1行ずつ書き出す。
STEP2
問いごとに必要な単位を決める
全社・部門・業務のどれで答えるか。個人の単位が要る問いがあれば、その理由を書いて本当に要るかを確かめる。
STEP3
いまある記録で答えられるかを見る
各ツールの管理画面の数字と聞き取りで答えられる問いを先に外す。
STEP4
残った問いだけに専用の基盤を当てる
配っていないツールの把握や支出の割り当てなど、自前では答えられない問いに限って検討する。
STEP5
試しの期間と判断の日を決める
対象の部門、期間、続ける条件とやめる条件を決め、社員への説明を済ませてから入れる。

目安として、配ったツールが1〜2種で、利用者が数百人なら、自前の集計で多くの問いに答えられます。部門ごとに別々のツールを契約し、個人の契約も混ざっていて、支出の全体が見えない会社ほど、専用の基盤の利点が大きくなります。どちらの場合も、聞き取りは事例を集める方法として残します。数字と事例の両方がそろって初めて、経営への報告が「何が起きているか」と「なぜか」の両方に答えられます。

数字から判断するのは人。道具に任せない工程

専用の基盤は、利用の集計、部門ごとの比較、傾向の要約までを自動でこなします。ここは道具に任せてよい工程です。人が手で表を合わせるより速く、定義もぶれません。一方で、数字から何を判断するかは道具に任せません。習熟度の低い部門を見つけたとき、研修を足すのか、そもそも業務に合う道具を配っていないのかは、現場に聞かなければ決まりません。

提供元の報告書で、投資と効果を比べて追っている組織が16.8%にとどまったという結果も、数字を集めることと判断に使うことの間に、人の仕事が残っていることを表していると読めます。次のような使い方は、道具の良し悪しに関係なく数字を壊します。

  • 利用回数の多い社員を表彰し、少ない社員に注意する(回数を稼ぐ行動が生まれ、数字が読めなくなる)
  • 習熟度の点数を部門長の目標に入れる(点数を上げるための形だけの利用が増える)
  • 効果の数字を、そのまま削減できた時間や人件費として経営に報告する(提供元自身がそう読まないよう断っている)
  • 個人の記録の書き出しを、理由と承認を残さずに行う

数字を経営に報告するときは、何が分かり、何が分からないかを必ず添えることにします。スマートフォンの利用が入っていないこと、効果の数字が人の時間への置き換えであること、業務の成果とはまだ結びつけていないこと、などです。この添え書きがあるだけで、数字が独り歩きする危険は大きく下がります。

よくある質問

専用の基盤を入れれば、許可していないAIの利用も止められますか

Larridin の目的は測ることです。公式のよくある質問では、利用者を罰したり道具を止めたりするより、方針を守らせ、使い方を導くことを狙いとしていると説明しています。中身を検査して持ち出しを止める仕組みとは別物と提供元自身が断っているので、止める対策は別に持つ必要があります。許可外の利用の見つけ方と対策は別の記事で扱っています。

個人の記録を一切取らない設定にできますか

2026年10月時点の公式で確かめられたのは、上長の画面は既定でチームの集計であること、個人の記録は指定した管理者の書き出しに限ること、最小の人数を設定できることまでです。個人の記録を一切持たない設定があるかは確かめられませんでした。必要なら契約前に提供元へ書面で確かめてください。

国内製のAIツールも測れますか

ブラウザで使うAIツールは開いたページの宛先で見分けるとされていますが、国内製のツールがどこまで見分けの対象に入っているかは、公式では確かめられませんでした。試しに入れる期間に、自社で使っているツールが漏れなく拾えるかを確かめるのが確実です。

数百人規模の会社でも検討する価値はありますか

提供元は大企業を想定しており、料金も個別の取り決めです。配ったツールが少ない数百人規模の会社なら、まず各ツールの管理画面の数字を定義をそろえて集計し、それでも答えられない問いが残ったときに検討する順番が無理がありません。

まとめ

Larridin は、社員がどのAIツールをどれだけ使っているかを、利用度・習熟度・支出・効果の面から測る、大企業向けの専用の基盤です。端末の中で処理して要約だけを送る作りと、上長には部門の集計だけを見せる既定値を持つ一方、スマートフォンの利用や業務の成果そのものは測れません。測らない、自前で集計する、専用の基盤を入れる、のどれを選んでも、集計と傾向の要約は道具に任せ、数字から何を判断するか、個人の評価に使わないことは人が決めて、入れる前に社員へ伝える。この順番を守ってから、測る範囲を広げてください。

  • 製品の機能・データの扱い・提供状況は、Larridin の公式サイト、よくある質問、公式の解説記事、2026年9月30日の公式の発表を2026年10月19日に確かめた範囲に基づきます。機能や条件は更新されることがあるため、利用前に最新の原文を確かめてください
  • 調査の数字(45.6%・16.8%・45%)は提供元の報告書によるものです。社員の利用の記録の扱いは、就業規則や個人情報の取り扱いと関わります。実際の運用は人事・法務・情シスの担当者と確かめてください

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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