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設備メーカーの生産中止・技術情報・不具合のお知らせをエージェントが毎週見回り、設備台帳と照らして影響のある設備を保全の担当に届ける

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

設備メーカーが出す生産中止・技術情報・不具合のお知らせを、エージェントが毎週見回ります。お知らせから対象の形名と期日を取り出し、設備台帳と予備品の在庫に照らして、影響のある設備と確かめる点を保全の担当に届けます。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude/Gemini
連携・自動化
Make/n8n/Power Automate/Zapier
対象業界
物流/製造
対象部門
生産/購買
対象業務
台帳・マスタ管理/情報検索
主な課題
属人化している/情報が見つからない/期限・対応漏れが起きる
AIで行う処理
エージェント
主な効果
判断支援/工数削減/機会損失防止
導入難易度
★★★☆☆
実装レベル
本格構成
費用感
API連携(中)
人間の確認
条件付き
現在工数
30h/月
AI導入後
8h/月
想定削減
73%
年間削減
264h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 担当が毎週、受け持ちのメーカーのお知らせのページと、メーカー・代理店からのメールを見る
  2. 新しいお知らせの PDF やページを開き、対象の形名、期日、理由、修理の期間、置換えの機種を書き出す
  3. 設備台帳を形名で検索し、該当する設備と数量を探す
  4. 予備品の在庫表を見て、在庫の数と使う設備の数を比べる
  5. 影響がありそうなものを保全の責任者と予備品の担当に知らせる
  6. 保全の責任者が、買い置き、置換え、改造の方針を決める
導入後(After)
  1. 自動毎週月曜の朝6時にワークフローが動き、メーカーごとのお知らせのページと一覧を取る
  2. 自動前回までに取ったお知らせと比べ、新しいものだけを拾う。生産終了の一覧は、行ごとに前回との違いを拾う
  3. 自動新しいお知らせの PDF やページを取り、本文の文字を取り出す
  4. 自動本文と一覧の形名を、規則で設備台帳と照合する(完全一致・前方一致・記号の展開)
  5. 【AI】 エージェントが形名・期日・理由・修理の期間・置換えの機種を取り出し、規則で当たらなかった書き方の候補を挙げ、設備台帳と予備品の在庫を引いて、影響のある設備と確かめる点を挙げる
  6. 自動受注締切りまでの日数を計算し、急ぎの度合いの順に保全課のチャットへ届ける
  7. 人保全の担当が候補を確かめ、責任者と予備品の担当に回す
  8. 人保全の責任者が、買い置き・置換え・改造の方針を決める
各工程の詳しい説明を読む
  1. 担当が毎週、受け持ちのメーカーのお知らせのページと、メーカー・代理店からのメールを見る
  2. 新しいお知らせの PDF やページを開き、対象の形名、期日、理由、修理の期間、置換えの機種を書き出す
  3. 設備台帳を形名で検索し、該当する設備と数量を探す
  4. 予備品の在庫表を見て、在庫の数と使う設備の数を比べる
  5. 影響がありそうなものを保全の責任者と予備品の担当に知らせる
  6. 保全の責任者が、買い置き、置換え、改造の方針を決める

(a)担当の得意なメーカーに偏る。 シーケンサに詳しい担当はそのメーカーを毎週見ますが、空圧機器やセンサのメーカーは後回しになりがちです。 担当が異動すると、そのメーカーの見回りが止まります。

(b)形名の書き方が合わない。 お知らせは SS5Y3-H*-X* のように記号を含む書き方、台帳は実際に付いている形名そのもの、と書き方が違います。台帳の検索を何度もくり返し、それでも当たり漏れが出ます。

(c)受注の締切りに気づくのが遅れる。 生産中止のお知らせは、受注の締切りまで数か月の余裕を持って出されることが多いものの、読んだのが締切り間際なら、予備品の見積りと稟議が間に合いません。

(d)技術情報と不具合のお知らせが埋もれる。 生産中止に比べて目立たない、ファームウェアの更新や使用上の注意のお知らせは、生産中止の対応に追われる月ほど読まれません。

  1. 【自動】 毎週月曜の朝6時にワークフローが動き、メーカーごとのお知らせのページと一覧を取る
  2. 【自動】 前回までに取ったお知らせと比べ、新しいものだけを拾う。生産終了の一覧は、行ごとに前回との違いを拾う
  3. 【自動】 新しいお知らせの PDF やページを取り、本文の文字を取り出す
  4. 【自動】 本文と一覧の形名を、規則で設備台帳と照合する(完全一致・前方一致・記号の展開)
  5. 【AI】 エージェントが形名・期日・理由・修理の期間・置換えの機種を取り出し、規則で当たらなかった書き方の候補を挙げ、設備台帳と予備品の在庫を引いて、影響のある設備と確かめる点を挙げる
  6. 【自動】 受注締切りまでの日数を計算し、急ぎの度合いの順に保全課のチャットへ届ける
  7. 【人】 保全の担当が候補を確かめ、責任者と予備品の担当に回す
  8. 【人】 保全の責任者が、買い置き・置換え・改造の方針を決める

4番目を規則にしているのが、第3章の(b)への答えです。 形名の照合をAIだけに任せると、当たらなかったときに理由を追えません。規則で当たったものを土台にし、AIは規則の外の書き方の候補を足す役にします。

02今回想定するシステム構成

構成図
メーカーのお知らせ(テクニカルニュースの PDF、生産終了の一覧のページ など)
   │
   ▼【トリガー】Schedule Trigger(毎週月曜 6時、Asia/Tokyo)
n8n のワークフロー
   ├──▶ HTTP Request + HTML で一覧から件名・発行・リンク・形名を取り出す
   ├──▶ 前回までに取ったお知らせ・一覧の行と比べ、新しいものを拾う
   ├──▶ HTTP Request(ファイル)+ Extract From File で PDF の文字を取り出す
   ├──▶ 規則で設備台帳と形名を照合する
   ▼
AI Agent ノード(Tools Agent)+ Claude
   │  お知らせ1件ごとに、道具を選んで引く
   │   ・設備台帳を形名で引く(前方一致)   ・予備品の在庫を引く
   │   ・設備の重要度を引く                 ・過去のお知らせの判断を引く
   │  Structured Output Parser で決まった形のJSONを返す
   ▼
照合の一覧(PostgreSQL)→ 保全課のチャットへ通知
   ▼【人】候補の確認・買い置き・置換え・改造の判断
役割想定する製品代替候補
ワークフローn8nMake、Power Automate、Zapier
生成AIClaude API(n8n の Anthropic Chat Model ノード)OpenAI API、Gemini API
連携PostgreSQL(設備台帳・予備品の在庫の写し、照合の一覧)MySQL
通知社内チャットメール

新しく足すのは、n8n のワークフローと、写しのデータベースだけです。 設備台帳と予備品の在庫表には書き込みません。毎晩、台帳と在庫表から必要な列を写し、エージェントはその写しを引きます。

見回りの先は、メーカーごとに取り方を決めます。 SMC の「生産終了製品のご案内」は、品番の頭文字ごとのページに、名称、シリーズ(形名)、生産終了年月、代替製品のシリーズが表で並びます。2026年10月8日に「S」のページを見たときは、クリーンスタイルバルブマニホールドの SS5Y3-H*-X* SS5Y5-(M)H*-X* が2025年7月、代替が JJ5SY5-H11* と載っていました。一覧の行が増えたこと・変わったことが、新しいお知らせに当たります。

三菱電機のテクニカルニュースは PDF で、生産中止機種(品名と形名)、生産中止時期、生産中止理由、修理対応、置換え機種が番号付きの見出しで並びます。 FA-D-0499-A の置換え機種の欄には、メーカーからは相当品が無く、CC-Link協会のホームページで紹介されている製品から選ぶこと、置換え機種は「接続可能品」でメーカーでは検証していないことが書かれていました。置換えの欄は、確かめる点として必ず人に見せます。

n8n のエージェントを選ぶ理由は、お知らせ1件ごとに引き方が変わるからです。 1つの形名が対象なら台帳を完全一致で引き、シリーズ全体なら前方一致で引き、技術情報なら対象の製造番号や版まで添えます。Tools Agent は、道具の機能を理解し、タスクに応じてどの道具を使うかを決めるとされています。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

毎週月曜の朝6時に、Schedule Trigger で動かします。 週の初めに保全課の打合せで扱うためです。生産中止のお知らせは受注の締切りまで数か月あることが多く、週1回で間に合います。ただし、受注締切りまで90日・30日に当たる週は、対応の決まっていないものを必ず出し直します。

Schedule Trigger は、ワークフローのタイムゾーンが無ければ n8n のインスタンスのタイムゾーンを使い、セルフホストの既定は America/New York とされています。ワークフローのタイムゾーンを Asia/Tokyo にし、保存して公開します。公開しないと Schedule Trigger は動かないとされています。週の間隔では、曜日と時刻を選べます。

メーカーや代理店からメールで届くお知らせも、同じ流れに乗せます。 保全課の共有のメールボックスに届いたお知らせの PDF を、決まったフォルダに保存し、週1回の実行でそのフォルダも見回りの先の1つとして扱います。

このワークフローが止まったことに、人が気づける仕組みを必ず作ります。 実行が終わったら、新しいお知らせがゼロでも「今週の見回り完了(メーカー 30、新しいお知らせ 0件)」を出します。通知が来ないこと自体が、止まった合図になります。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
見回りの先の表メーカー名、お知らせのページのURL、取り方(ページ・一覧・PDF)、取り出しの指定、担当保全課が作る表
お知らせ件名、発行、番号、本文(PDF またはページ)メーカーのサイト・共有フォルダ
生産終了の一覧名称、シリーズ(形名)、生産終了年月、代替製品メーカーの一覧のページ
設備台帳の写し設備番号、設備名、ライン、構成部品のメーカー・形名・数量、設置年設備台帳から毎晩写す
予備品の在庫の写しメーカー、形名、在庫の数、置き場所予備品の在庫表から毎晩写す
設備の重要度設備ごとの、止まったときの影響(ラインの停止・代替の有無)保全課の取り決め
過去の判断同じメーカー・形名の前回のお知らせと、決めた方針照合の一覧

質を決めるのは、設備台帳の形名の正しさです。 台帳の形名が「NZ2EHG」のように末尾を省いて登録されていると、完全一致では当たりません。前方一致を規則に入れ、末尾を省いた登録はエージェントの確かめる点に出させます。

メーカー名の書き方もそろえます。 台帳には「三菱」「三菱電機」「MITSUBISHI」が混ざっていることがあり、メーカー名の対応表を写しに持たせます。

Step3

データの取得方法を決める

取るものどこからどう取るか
一覧・お知らせのページ見回りの先の表のURLHTTP Request(GET)+ HTML ノード
PDFお知らせのリンクHTTP Request(応答の形式をファイル)+ Extract From File(PDF から取り出す)
新しいお知らせ・一覧の行の違い取得済みとの比較Postgres ノードで前回の行を引き、違いを残す
台帳・在庫・重要度・過去の判断写しのデータベースエージェントの道具(Postgres の Select)

取り出しは、n8n の HTML ノードで行います。 Extract HTML Content は、CSS セレクターで要素を指定し、テキスト・属性・HTML を取り出せます。 一覧の表は行ごとに、名称・形名・生産終了年月・代替製品のセルを取り出します。メーカーごとにページの作りが違うので、セレクターは見回りの先の表に持たせます。

PDF は、HTTP Request の応答の形式をファイルにして取り、Extract From File ノードの PDF の取り出しで文字にします。 テクニカルニュースのように文字が埋め込まれた PDF なら、見出しと表の文字が取れます。画像だけの PDF は文字が取れないので、取れた文字の量で見分けて人に回します。

ページと PDF は、間隔を空けて1件ずつ取ります。 HTTP Request の Batching で、1回に送る件数と次の送信までの待ち時間を決められます。応答のヘッダーを待つ時間の上限を Timeout で決め、1つのメーカーが止まっても全体を止めないようにします。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 形名をそろえる … 全角・半角、空白、ハイフンの種類をそろえ、お知らせと台帳の両方に同じ規則を当てます
  2. 記号付きの形名を展開する … * を任意の文字の並び、(M) を「M があってもなくても」として、照合の規則に直します。直せない書き方は文字のまま残し、エージェントに渡します
  3. 規則で照合する … 完全一致、前方一致、記号の展開の順に台帳を引き、当たった行と当たり方を記録します
  4. 期日を取り出す … 「受注締切り日: 2027年2月28日」のような見出し付きの日付を、規則で日付に直します。直せないものは文字のまま残します
  5. お知らせの種類を分ける … 件名の言葉(生産中止、生産終了、技術情報、不具合、ファームウェア)で仮に分け、エージェントに確かめさせます
  6. 写しの日付を確かめる … 前夜の台帳と在庫の写しが作られていなければ、照合を止めて「照合できていない」と通知します

2番目と3番目が、この構成でいちばん効く前処理です。 記号付きの書き方を正規の照合の規則に直しておけば、シリーズ全体が対象のお知らせでも、台帳の4,000行から当たる行が一度に出ます。

Step5

AIに処理させる

させるのは、お知らせ1件ごとに、対象・期日・理由・修理の期間・置換えを取り出し、規則で当たらなかった書き方の候補を挙げ、台帳と在庫を引いて影響のある設備と確かめる点を挙げることです。

させること使う道具返すもの
対象を取り出す-品名、形名(書かれたまま)、対象の製造番号・版
期日を写す-受注生産移行、受注締切り、生産中止、修理対応の期限(書かれたまま)
理由と置換えを写す-理由、置換えの機種、置換えの条件(接続可能品など)
種類を確かめる-生産中止・技術情報・不具合・その他
規則の外の候補を挙げる台帳を形名の前方一致で引く末尾を省いた登録、旧い書き方の登録の候補
影響を添える在庫・重要度を引く使っている設備と数量、予備品の数、設備の重要度
前回を添える過去の判断を引く同じ形名の前回の方針

期日を「書かれたまま」写させるのは、規則で直した日付と突き合わせるためです。 規則で直した日付とエージェントが写した文字が食い違えば、どちらかの読み違いとして人に回します。

させないこと理由
該当しないという結論規則で当たったもの、候補に挙がったものは必ず人に回す
期日の推測書かれていなければ「記載なし」
置換えの機種の選定・推奨互換性はメーカーと保全課が確かめる
買い置きの数量の決定設備の寿命・故障の頻度・予算を見て責任者が決める
技術情報の要否の判断対象の設備で作業が要るかは保全の担当が決める

3行目が、この構成で特に大事な線です。 FA-D-0499-A の置換え機種は「接続可能品」で、メーカーでは検証していないと書かれています。 AIに置換えを勧めさせると、この条件が落ちます。

Step6

指示内容を固定する

AI Agent ノードの System Message に、次のように書きます。

あなたは工場の保全課で、設備メーカーのお知らせを読み、
自社の設備台帳に照らして影響を調べる担当です。
入力は、お知らせ1件の本文、規則で照合した結果(当たった台帳の行と当たり方)、
規則で直した期日です。

【やること】
1. 品名、形名、対象の製造番号・版、お知らせの種類を取り出す。
2. 受注生産移行、受注締切り、生産中止、修理対応の期限を、本文の文言の
   まま写す。
3. 理由、置換えの機種、置換えの条件を、本文の文言のまま写す。
4. 規則で当たらなかった形名について、設備台帳を前方一致で引き、
   末尾を省いた登録や書き方の違う登録の候補を挙げる。
5. 当たった設備と候補の設備について、予備品の在庫と設備の重要度を引く。
6. 過去の判断を引き、同じ形名の前回の方針を添える。

【厳守事項】
- 本文に書かれていない期日・理由・置換えを書かないでください。
  書かれていなければ「記載なし」としてください。
- 規則で当たった台帳の行を、候補から外さないでください。
- 自分で挙げた候補には、match_basis を ai_candidate とし、
  なぜ候補にしたか(どの文字が合ったか)を書いてください。
- 該当しない、影響が無い、という結論を書かないでください。
- 置換えの機種を勧めないでください。置換えの条件(接続可能品、
  検証の有無など)が書かれていれば、そのまま写してください。
- 予備品の買い置きの数量を書かないでください。
- 本文の文字が少なすぎて読めないときは、text_insufficient を true に
  してください。

【出力】指定のJSONの形で返してください。

「規則で当たった行を外さない」が、この指示の要です。 形名が当たっていても、製造番号の範囲や版でお知らせの対象から外れることはあります。ただし、その判断は保全の担当が本文を読んで行います。 エージェントには外す権限を持たせず、外れるかもしれない理由を確かめる点に書かせます。

Step7

出力形式を固定する

Structured Output Parser で、次の形のJSONを返させます。

{
  "notice_id": "", "maker": "", "title": "", "issued": "",
  "kind": "discontinued | technical | defect | other",
  "text_insufficient": false,
  "targets": [ { "product_name": "", "model_text": "", "serial_or_version": "" } ],
  "dates_text": { "order_only": "", "last_order": "", "end_of_production": "",
                  "repair_until": "" },
  "reason_text": "", "replacement_text": "", "replacement_conditions": "",
  "equipment": [
    { "equipment_id": "", "line": "", "model": "", "qty": 0,
      "match_basis": "exact | prefix | pattern | ai_candidate",
      "spare_stock": 0, "criticality": "high | mid | low",
      "previous_decision": "", "check_points": [""] }
  ],
  "check_points": [""]
}

1つ目の理由は、match_basis で人が見る順を決められることです。 規則の完全一致は確かめが速く、ai_candidate は台帳の登録を開いて確かめます。当たり方が見えれば、確かめ方を変えられます。

2つ目は、期日と重要度で急ぎの度合いを規則で決められることです。 急ぎの度合いはAIに決めさせず、ワークフローが次の規則で付けます。

急ぎ条件
至急受注締切りまで90日以内で、重要度 high の設備に当たる。または種類が defect で設備に当たる
今月受注締切りまで90日を超え、設備に当たる。または種類が technical で設備に当たる
確認ai_candidate だけが当たった
記録設備に当たらない(件名と形名だけを週1回まとめる)

3つ目は、dates_text を写しとして持つことで、規則で直した日付と突き合わせられることです。 食い違えば至急の扱いで人に回します。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
メーカーのサイトHTTP Request(GET)+ HTML ノード一覧とお知らせのページを取る
PDFHTTP Request(ファイル)+ Extract From FilePDF の文字を取る
写しのデータベースPostgres ノード(Select)台帳・在庫・重要度・過去の判断を引く
Claude APIAnthropic Chat Model ノード取り出しと影響の整理
照合の一覧Postgres ノード(Insert)エージェントの出力と人の判断
社内チャット通知急ぎの順に、保全課へ出す

照合の一覧への書き込みは、ワークフローの側で行います。 エージェントの道具には Select だけを渡します。Postgres ノードはAIエージェントの道具として使え、公式の説明では、クエリパラメーターのデータは n8n が無害化し、SQL インジェクションを防ぐとされています。お知らせの文字を、そのまま問い合わせに埋め込まないでください。

予備品の発注は、この構成から出しません。 保全の責任者が方針を決めたあと、予備品の担当が購買の手続きに回します。

Step9

人が確認する

  1. 至急から見る … 受注締切りが近く重要な設備に当たるもの、不具合のお知らせで設備に当たるものを、その週のうちに責任者に上げます
  2. 当たり方を確かめる … exact と prefix は台帳の行で、ai_candidate は台帳の登録と現物の銘板で確かめます
  3. 置換えの条件を読む … 接続可能品か、検証の有無、改造が要るかを、本文で確かめます
  4. 記録のまとめを流し見る … 形名を見て、台帳に無い設備に心当たりがあれば台帳の登録を直します
  5. 判断を記録する … 買い置き、置換え、改造、様子を見る、と理由を照合の一覧に残します

4番目を省かないでください。 照合の漏れは、台帳の登録の抜けから起きます。担当が形名を見て気づくことが、台帳を育てる経路です。

目標は、1件をならして4分です。 記録のものは形名を見るだけで済み、至急のものは本文と台帳を開いて15分を超えます。

Step10

例外に対処する

起きること対応
メーカーのページが取れない「見回りできず」を通知。前回の一覧を今回とみなさない
ページの作りが変わり、何も取り出せないそのメーカーだけを止め、担当に知らせる
PDF の文字が取れない(画像だけ)text_insufficient を付け、人が PDF を読む
記号付きの形名を規則に直せない文字のまま渡し、エージェントの候補と人の確認に回す
規則とエージェントの期日が食い違う至急の扱いで人へ
写しが古い照合を止め、「照合できていない」と通知
エージェントの出力がスキーマに合わない件名とURLだけを至急の扱いで人に回す
道具の呼び出しがくり返し止まらないMax Iterations で上限を決め、超えたら人へ

7行目で、スキーマに合わない出力を「至急」で回すのは意図してのことです。 照合ができなかったお知らせは、影響の有無が分からないという意味で、確かめるまでは重く扱います。

Step11

記録を残す

  • 実行ごとのメーカーごとの取得の成否と、新しく拾ったお知らせ・一覧の行の違い
  • 取った PDF とページの本文
  • 規則の照合の結果と、エージェントのJSON出力、呼んだ道具の順番
  • 人の判断 … 買い置き・置換え・改造・様子を見る、理由、判断した日時
  • お知らせの発行、拾った日時、責任者に上げた日時、予備品を発注した日時

最後の行が、この構成の物差しです。 発行から発注までの日数を受注締切りと並べると、締切りに対してどれだけ余裕を持って動けたかが見えます。

04実装レベルの3段階

最小構成:お知らせの本文と台帳の行を生成AIの画面に貼る / 1件ごとの取り出しと照合の候補
半自動化:上記+n8n でメーカーのページを毎週取り、新しいお知らせを拾い、規則で台帳と照合する / 見回りと規則の照合
本格構成:上記+エージェントによる取り出し、規則の外の候補、在庫と重要度の引き当て、急ぎの順の通知 / 見回りから影響の候補と急ぎの順まで

半自動化だけでも、①の見回りの時間はほぼ無くなり、③の多くも規則で済みます。 残るのは、本文を読む②と、在庫と比べる④です。 本格構成で減るのは、その②と④と、規則で当たらなかった③の残りです。 半自動化を1か月回して、拾ったお知らせに漏れが無いかを担当のこれまでの見回りと比べてから、エージェントを足してください。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
5 名
月間件数
120 件
1件あたり現在時間
15 分
1件あたり導入後時間
4 分
現在  120件 × 15分 ÷ 60 = 30 時間/月
導入後 120件 × 4分 ÷ 60 = 8 時間/月
月間削減時間
22h
削減率
73%
年間削減時間
264h
年間金額換算(時間単価3,500円)
92万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 生産設備が数百台あり、シーケンサ・サーボ・インバータ・表示器・センサ・空圧機器などを数十社のメーカーから使っている工場の保全部門。設備ごとの構成部品(メーカーと形名)を書いた設備台帳があり、メーカーの生産中止や不具合のお知らせを担当者がメーカーのサイトとメールで追っているが、担当の得意なメーカーに偏っている場合。予備品の手当てが受注の締切りに間に合わなかったことがある場合。
向いていない
  1. 設備が数十台で、使っているメーカーが数社に限られ、代理店から必ず連絡が来る体制がある場合。設備台帳に構成部品の形名が無く、設備の名前でしか引けない場合(先に台帳の整備が要ります)。なお、予備品の買い置きの数量、置換えの機種の選定、設備の改造の判断は、この構成では代替できません。

07最小構成で試す方法

  1. 過去1年のメーカーのお知らせから、10件を選ぶ(シリーズ全体が記号付きで対象になるもの、技術情報、置換えに条件が付くものを入れる)
  2. 設備台帳から、そのメーカーの構成部品の行を書き出す
  3. 生成AIの画面に、お知らせの本文と台帳の行を貼り、「お知らせから形名・期日・理由・修理の期間・置換えを書かれたまま取り出し、台帳の行と照らして当たりそうな設備を挙げてください。当たらないという結論と、置換えの推奨は書かないでください」と指示する
  4. 出てきた結果を、当時の担当の照合と比べる
出てきた内容判断
当時の照合と同じ設備が出たワークフローを組む段階に進む
期日を推して書いた・置換えを勧めた指示の書き方で直る。書かれたまま写させる
記号付きの形名で設備が出ない規則の照合を先に作る

3行目が出ることは珍しくありません。 記号付きの書き方は、AIに任せるより規則に直すほうが確実です。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
当たらないと「影響なし」にする外す権限を持たせず、当たり方と確かめる点を書かせる
記号付きの形名をAIだけで照合する規則に直して照合し、AIは規則の外の候補を足す役にする
期日を読み違える規則で直した日付と、書かれたままの写しを突き合わせる
置換えの条件が落ちる置換えを勧めさせず、条件をそのまま写させる
画像だけの PDF で何も出ない取れた文字の量で見分け、人に回す
ページの作りの変化で取れなくなるメーカーごとに止めて知らせる
見回りが止まったことに気づかない件数ゼロでも完了の通知を出す
メールで届くお知らせが漏れる共有フォルダに保存し、見回りの先に含める

上の2行が、この構成の失敗のほとんどです。 どちらも、形名が当たらないことを「関係ない」に寄せることから起きます。設備のお知らせの照合では、分からないものは人へ、を出力の形で守ってください。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 公開されているメーカーのお知らせ、自社の設備台帳(どのラインにどのメーカーの何が何台あるか)、予備品の在庫です。設備台帳は、自社の生産の仕組みそのものです。

  1. AIに渡す範囲を絞る … 渡すのは、照合に要る形名、設備番号、ライン、数量、在庫、重要度だけです。設備台帳の全件を一度に渡さず、道具で必要な行だけを引かせます
  2. 保全の方針の判断は人が行う … この構成が出すのは候補と根拠です。買い置きの数量、置換えの機種、改造の要否は、保全の責任者が決めてください
  3. 「影響なし」を自動の結論にしない … 照合できないこと、分からないことは、必ず人に回します
  4. 置換えの互換性をAIに判断させない … 接続可能品のように、メーカーが検証していない置換えもあります。互換性はメーカーへの問い合わせと自社の確認で決めます
  5. メーカーのサイトへの負荷を抑える … 週1回、決まった一覧と新しいお知らせだけを、間隔を空けて取ります。サイトの利用条件と、取得を断っている範囲を確かめてから見回りの先に足します
  6. 台帳に書き込ませない … エージェントの道具は読み取りだけにし、判断の記録はワークフローの側で書きます

誤りが起きた場合のリスクは、影響のあるお知らせを見落として予備品を買い置けないことと、関係の薄いお知らせで保全の担当の時間を使いすぎることの2つです。 前者のほうがはるかに重いので、迷ったものは人へ、の側に寄せて設計しています。 後者は台帳の形名の整備と、記録のまとめ方で減らします。

10まず何から始めるか

1週目:見回りの先の表を作る

設備台帳から構成部品の数が多いメーカー10社を選び、お知らせのページ、生産終了の一覧、取り方(ページ・一覧・PDF)、担当を表にします。メールで届くお知らせを保存する共有フォルダを決めます。

2週目:10件で試す

第8章の手順で、過去のお知らせ10件の照合をさせます。期日を推して書いていないか、置換えを勧めていないかを見ます。

3週目:写しと照合の規則を用意する

設備台帳と予備品の在庫表の写しを毎晩作る仕組みを用意し、形名をそろえる規則と、記号付きの形名を直す規則を作ります。重要度の列を設備ごとに付けます。

4週目:見回りと規則の照合を n8n で動かす

ページと PDF の取得、新しいお知らせの拾い出し、規則の照合までを組み、件数ゼロでも完了を通知します。エージェントはまだ入れず、拾ったお知らせを担当の見回りと1か月比べます。

それ以降: エージェントを足し、発行から責任者に上げるまでの日数を毎月並べます。受注締切りの90日前までに、重要な設備に当たるお知らせがすべて責任者に届くようになった時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-08/最終更新:2026-10-08
確認した内容情報源確認日
テクニカルニュースが PDF で、生産中止機種・生産中止時期・生産中止理由・修理対応・置換え機種の見出しで書かれること。FA-D-0499-A(2026年8月発行)で NZ2EHG-T8N の受注生産移行が2026年12月26日、受注締切り日が2027年2月28日、生産中止日が2027年3月31日、有償修理対応期間が2033年3月31日であること。置換え機種は相当品が無く、接続可能品でメーカーは検証していないと書かれていること(原文を取得して確認)三菱電機: テクニカルニュース FA-D-0499-A2026-10-08
生産終了製品のご案内に、名称・シリーズ・生産終了年月・代替製品が表で並び、品番の頭文字ごとのページと検索があること。SS5Y3-H*-X* などが2025年7月の生産終了で、代替が JJ5SY5-H11* と載っていたこと(原文を取得して確認)SMC: 生産終了製品のご案内(S)2026-10-08
Schedule Trigger が、ワークフローのタイムゾーンかインスタンスのタイムゾーン(セルフホストの既定は America/New York)を使うこと。保存して公開しないと動かないこと。週の間隔で曜日と時刻を選べることn8n Docs: Schedule Trigger2026-10-08
HTTP Request ノードの Batching(1回の件数と待ち時間)、Timeout、応答の形式(ファイルなど)の設定があることn8n Docs: HTTP Request2026-10-08
HTML ノードの Extract HTML Content が、CSS セレクターでテキスト・属性・HTML を取り出せることn8n Docs: HTML2026-10-08
Extract From File ノードに PDF から取り出す操作(Extract From PDF)があることn8n Docs: Extract From File2026-10-08
Postgres ノードの操作(Select、Insert、Execute Query など)。AIエージェントの道具として使えること。クエリパラメーターのデータが無害化され SQL インジェクションを防ぐことn8n Docs: Postgres2026-10-08
Tools Agent が道具の機能を理解して使う道具を決めること。System Message、Max Iterations、出力パーサーをつなぐ設定があることn8n Docs: Tools Agent2026-10-08

ある製品がお知らせの対象に当たるかと、置換えの互換性は、各メーカーの公表とメーカー・代理店への問い合わせで確かめてください。 本記事は確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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