AIエージェントの種類と選ぶ物差し|用途で変わる正解

AIエージェントの種類と選ぶ物差し|用途で変わる正解

「種類を調べたのですが、記事によって分け方が違っていて混乱しています」「結局どれが一番良いんですか、と聞かれて答えに詰まりました」——選定を任された担当者から届く2つの声です。先に申し上げると、AIエージェントに一番良いものは存在しません。存在するのは、任せたい業務に対して自律の度合いと止め方が釣り合っているかどうかだけです。分け方が記事ごとに違うのも書き手の都合ではなく、そもそも分類の軸が複数あることが理由です。この記事では、種類の並べ方が3通りあることを整理したうえで、選ぶときに当てる5つの物差しと、用途別の当てはめ方を見ていきます。


カメ先生カメ先生

AIエージェントの種類って、製品の一覧のことだと思われがちなんだけど、本当は「どこまで自分で決めさせるか」の度合いの話なんだ。


カメ子カメ子

度合いが高いほうが、性能が良いということですか。


カメ先生カメ先生

そこが逆でね。度合いを上げるほど、止める仕組みと記録を自社で持たないといけなくなる。持てない業務では、低いほうが正解になる。


カメ子カメ子

良し悪しではなく、釣り合いで見るということですね。


この記事のポイント
  • 種類の並べ方は3通りある。自律の度合い、担当する業務の広さ、作りの形。まず並べ方を1つ決めないと比較表の行がそろわない
  • 当てる物差しは5つ。自律の度合い、担当の広さ、社内データへの触り方、課金の形、止め方と記録を自社が持てるか
  • 呼び名だけ変えたものが混ざる。実行の記録が残るか、途中で止められるかを聞けば大半は外れる

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目次

なぜ「種類」の説明が記事ごとに違うのか

調べたときに分け方がそろわないのは、分類の軸が3つ並存しているからです。自律の度合いで並べる軸、担当する業務の広さで並べる軸、作りの形で並べる軸。どれも間違いではありませんが、混ぜて1つの並びにすると比較になりません。

よくある例を挙げます。対話型、自律型、業務特化型を1つの表に並べた説明です。前の2つは自律の度合いの話で、3つ目は担当する業務の広さの話なので、同じものが2つの欄に入ります。選定の場でこれが起きると、候補ごとに比較表の行が食い違い、点数を付けても意味が出なくなります

対処は単純で、軸を1つ選んで全候補を並べ、それから別の軸で並べ直します。3回並べ直すと、同じ候補が軸によって上位にも下位にも来ることが見えてきます。この見え方こそが、一番良いものが存在しないことの実体です。

軸を選ぶ順番に迷ったら、定義に戻ります。2026年3月31日に総務省と経済産業省が公表したAI事業者ガイドライン第1.2版は、AIエージェントを「特定の目標を達成するために、環境を感知し自律的に行動するAIシステム」と定義しました。自律的に行動することが定義の中心に置かれているので、まず自律の度合いで並べるのが筋の通った順番になります。

並べ方1:自律の度合いで並べる

2024年12月に公表された設計指針は、大きく2つの形に分けています。あらかじめ書いた道筋に沿って道具とモデルを動かす形と、進め方と道具の使い方を実行中に自分で決め、達成の仕方を自分で制御する形です。実務ではこの2つの間に段があるので、4段に置き直すと候補を並べやすくなります。

1段目は、人が呼んだときだけ1回答えるもの。2段目は、決められた道筋を順に通り、分岐の選択だけをモデルが行うもの。3段目は、目的だけを与えて道筋は実行中に決めるが、外に出る操作の前に人の承認が入るもの。4段目は、外に出る操作まで自分で行うものです。

段が上がるほど、できることは増え、事前に確認できる範囲は狭くなります。2段目までは経路図で説明できますが、3段目から先は何をさせないかでしか説明できません。稟議の場で説明できる段を先に社内で決めておくと、候補の絞り込みが一気に速くなります。

この段は製品の格付けではなく、設定の結果でもあります。同じ製品でも、外に出る操作の前に承認を挟む設定にすれば3段目、挟まなければ4段目です。したがって選定で確かめるのは製品の名前ではなく、自社が使いたい段に設定として固定できるかという点になります。

並べ方2:担当する業務の広さで並べる

2つ目の軸は担当の広さです。3つに分かれます。1つの業務だけを担当するもの、1つの部門の複数業務を担当するもの、部門をまたいで使われる汎用のものです。導入の早さと、使われ始めるまでの手間が、ここでほぼ決まります。

業務専用のものは、指示と道具が最初から入っているため立ち上がりが早く、現場が翌週から使い始められます。汎用のものは自由度が高い一方、指示と道具を自社で用意する必要があります。判定に使える質問は1つで、入れた翌週から、誰が何をするのかを言えるかです。

この一手が抜けると、汎用のものを入れたのに誰も使わないという結果になります。使い方を設計する人が社内にいない状態で自由度の高いものを選ぶと、自由度がそのまま放置の理由になります。逆に、設計する人がいる場合は業務専用のものが窮屈に感じられます。

広さは最初に買うものではなく、あとから広げるものだという見方も持っておくと安全です。2025年4月に公表された34ページの実務向けの手引きは、まず1体の能力を最大まで伸ばし、道具を足しながら広げることを勧めています。最初から部門横断で入れる必要は、多くの場合ありません。

並べ方3:作りの形で並べる

3つ目の軸は作りの形です。既にある業務システムの中の機能として提供されるもの、画面上で処理を線でつないで組むもの、自分で書いて組み立てるものの3つに分かれます。この軸は導入後に誰が直すのかを決める軸なので、運用の負担に直結します。

業務システムの中の機能は、権限や記録が既にその仕組みの中で効いているのが利点です。画面上でつないで組む形は、現場の担当者でも直せるのが利点になります。自分で書いて作る形は、変更の記録が残り、つなぐ先に制限がないのが利点です。

画面上でつないで組む形には注意があります。2025年4月の手引きは、あらかじめ全ての分岐と繰り返しを図として定義させる方式について、見通しは良いものの、動きが複雑になるほど扱いにくくなり、専用の書き方を覚える必要が出てくると指摘しています。最初は現場でも直せた図が、半年後には誰も触れなくなるという詰まり方は、実際によく起きます。

3つは排他ではありません。1つの会社の中で3つとも動いているほうが普通です。したがって選定の問いは「うちはどれを使うか」ではなく「この業務はどれで作るか」になります。全社で1つに統一しようとすると、合わない業務に無理な形を当てることになります。

そもそもエージェントでないものを外す

並べる前に、呼び名だけ変えたものを外します。2025年6月25日に公表された調査会社の分析は、この現象に名前を付けました。既存のアシスタント、決まった手順を自動でなぞる仕組み、対話の窓口を、実体を伴わないまま呼び名だけ付け替える動きです。同社は、数千の事業者のうち本物と見られるのは約130にとどまると見積もっています。

線引きの基準は既にあります。2025年4月の手引きは、モデルを組み込んでいても進行の制御をモデルにさせていないものはエージェントではないと明記し、単純な対話窓口、1回のやり取りで終わる呼び出し、感情の分類器を例に挙げています。逆に中核の性質として挙げられているのは、進行の管理と判断をモデルが担い、完了を認識し、必要なら自分で修正し、失敗時は制御を人に戻すこと、そして状況に応じて道具を選ぶことです。

実際の商談で使える質問は3つあります。途中で使った道具と順番が記録に残るか、同じ入力でも通る道が変わることがあるか、実行の途中で人が止められるか。3つとも答えが曖昧なら、呼び名だけの可能性が高いと判断してかまいません。この3問は、価格表を見る前に聞くほうが時間を節約できます

誤解のないように添えると、決まった手順の自動化そのものは悪いものではありません。形が決まっている作業なら、そちらのほうが安く確実です。問題は名前ではなく、名前が変わったことで払う金額が変わることにあります。

物差し1:自律の度合いは、高いほど良いわけではない

ここから選ぶときの物差しに移ります。1つ目は自律の度合いです。2024年12月の設計指針は、最も単純な解を探し、必要になったときだけ複雑さを増やすことを勧め、多くの用途では1回の呼び出しに検索と例示を足すだけで足りるとしています。自律の度合いを上げることは、複雑さを増やすことと同義です。

何と引き換えなのかも書かれています。同じ指針は、エージェント的な仕組みはより良い成果と引き換えに待ち時間と費用を差し出すと述べています。1件あたりの応答が遅くなり、内側の呼び出しが増えるぶん費用も増えます。この交換が見合うかを、業務ごとに判定します。

判定の質問は1つで足ります。その業務で、処理のたびに通る道が変わるかどうか。毎回同じ順序で終わるなら2段目までで足ります。同じ指針も、エージェントが向くのは必要な手数を事前に予測できない問題や、決まった道筋を書き込めない問題だとしています。

3段目以上を選ぶ条件は、社内で先に決めておきます。実行の記録が残ること、途中で止められること、出した結果を取り消せること。この3つがそろわない業務では、自律の度合いを上げないという線を引いておくと、選定のたびに議論をやり直さずに済みます。

物差し2:担当の広さは、あとから広げられるかで見る

2つ目は担当の広さです。ここで見るのは今の広さではなく、広げる余地があるかどうかです。1つ目の業務で成果が出た後、必ず2つ目の要望が出てきます。そのときに買い直しになるかどうかが、この物差しで決まります。

確かめる点は2つあります。あとから道具を足せるか、足した道具の説明を自社で書けるかです。2025年4月の手引きは、道具が増えたときの問題は数ではなく重なりだとしたうえで、明確に区別された道具なら15個を超えても回る実装がある一方、重なりのある道具では10個未満でも崩れると書いています。

つまり道具を足せる仕組みであっても、説明の書き方を自社で調整できないなら、足すほど成績が落ちます。商談では「道具を足せますか」ではなく「足した道具の説明文と引数を、こちらで書き直せますか」と聞いてください。答えられない相手は、増やした後の調整を引き受けられません

複数体に分けられるかも確かめておきます。手引きが挙げる形は2つで、中央の1体が専門の複数体を道具として呼ぶ形と、対等な複数体が仕事を受け渡す形です。将来どちらの形を取れるかは、2つ目、3つ目の業務に広げるときの選択肢の数になります。

物差し3:社内データへの触り方を3段で聞く

3つ目は社内データへの触り方です。2025年4月の手引きは道具を3種類に分けています。判断に必要な情報を取ってくるもの、外の仕組みに働きかけるもの、別のエージェントを道具として呼ぶものです。選定では、取ってくると働きかけるの線を先に引きます。

聞き方は3段にします。読むだけか、書き込むか、社外へ出すか。段ごとに社内の審査の重さがまるで違うため、候補を並べる前にこの3段で仕分けると、審査に通らない候補が先に落ちます。

危険度の付け方も候補側に確認します。手引きが挙げる観点は4つで、読むだけか書き込むか、取り消せるか、どの権限が必要か、金額に影響するか。この4観点で道具ごとに低、中、高の格付けができ、高いものの実行前に検査や人の承認を挟めるかを聞いてください。格付けの仕組みが無い候補は、危険な操作と安全な操作を同じ扱いにします

つなぐ先の数についても見方を変えておきます。AI事業者ガイドライン第1.2版は、AIエージェントやフィジカルAIは多様な入力経路と外部連携先を持つため、被攻撃対象が拡大し得ると追記しました。つなげる先が多いことは機能の量であると同時に、入口の数でもあります。多いほど良いという読み方は取りません。

物差し4:課金の形は、繰り返す回数で効いてくる

4つ目は課金の形です。主に3つあります。使う人の数で決まる形、処理や呼び出しの回数で決まる形、解決した件数など成果で決まる形です。見積もりのしやすさがまるで違うので、機能の比較と同じ重さで確かめます。

エージェント特有の事情があります。1件の処理の内側で、道具の呼び出しと考え直しが何度も繰り返されるため、外から見える件数と、内側で実際に発生する回数が一致しません。回数で課金される形を選ぶ場合、件数だけでは見積もれないということです。

したがって確かめる点は、1件あたり内側で何回の呼び出しが発生したかを見られるかどうかになります。見られない候補では、費用が増えたときにどの業務が原因かを特定できません。費用の内訳が業務単位で割れない仕組みは、増えたときに止める判断ができません

この点は事業の側でも表面化しています。2025年6月25日に公表された予測は、エージェント型AIの案件の4割超が2027年末までに中止される見込みとし、理由の筆頭に費用の増大を挙げています。残る理由は事業価値が不明確であることと、危険の管理が不十分であることでした。3つとも、選定の段階で確かめられる項目です。

物差し5:止め方と記録を自社が持てるか

5つ目は止め方です。ここが自社の手元にあるかどうかで、任せられる範囲の上限が決まります。AI事業者ガイドライン第1.2版は、AIエージェントやフィジカルAIは自律的に動作するため、提供する側は人間の判断を介在させる仕組みを構築することが重要だという留意事項を加えました。新しい指針を設けるのではなく、既存の10の共通指針を当てはめる形です。

確かめる項目は4つです。実行の途中で止められるか、どこまで実行したかが記録に残るか、道具ごとに実行前の承認を挟めるか、与える資格が担当者本人の権限を超えないか。4つとも、機能の一覧には載っていないことが多いので、実際の画面で見せてもらいます。

人が引き取る合図が設定できるかも聞きます。2025年4月の手引きは、人の介入の引き金は主に2つだとしています。失敗の回数が上限を超えたときと、取り消せない操作や影響の大きい操作をしようとしたときです。この2つを候補側の設定で置けるなら、自律の段を上げても戻せます

置けない場合の逃げ道も用意できます。外に出る操作を候補側で完結させず、自社の仕組みでいったん受けて、そこで止める設計にする方法です。手間は増えますが、止め方を相手の実装に預けずに済みます。止め方を自社側に置けるかどうかは、契約の前に図で確かめておくべき項目です。

5つの物差しを1枚に並べる

ここまでの5つを、確かめる質問と一緒に並べます。点数を付けて合計するのではなく、業務ごとにどちら側が向くかを見る使い方をしてください。全部を高いほうに寄せた選定は、審査に通らないか、運用が続きません。

物差し確かめる質問低いほうが向く業務高いほうが向く業務
自律の度合いこの段に設定として固定できますか処理のたびに通る道が変わらない業務手数を事前に予測できない業務
担当の広さ足した道具の説明をこちらで書き直せますか使い方を設計する人がいない部署設計する担当がいて、2つ目の業務が既に見えている
社内データへの触り方道具ごとに低中高の格付けを付けられますか読むだけで成立する業務書き込みまで含めないと効果が出ない業務
課金の形1件あたり内側で何回呼ばれたか見られますか件数が読める定型の業務件数の変動が大きく、成果で測れる業務
止め方と記録実行の途中で止めた画面を見せてもらえますか止め方を自社側に置けない場合記録と停止を自社の仕組みで受けられる場合

表の使い方を1つ補足します。候補ごとに列を作るのではなく、業務ごとに行を読むのが正しい使い方です。同じ会社の中でも、問い合わせ対応と経理の処理では向く側が逆になります。候補を先に決めて業務を当てはめると、必ずどこかで無理が出ます。

用途別:人が相手の仕事に当てる

ここから用途別に当てはめます。まず相手が人である仕事です。問い合わせ対応、営業のフォロー、採用の応対などが該当します。この分類の特徴は、間違いがそのまま社外に出ることです。

自律の度合いは3段目まで、つまり外に出る前に人の承認が入る段に固定します。担当の広さは業務専用のものが向きます。応対の指示が最初から入っており、立ち上がりが早いためです。相手が人である仕事で、承認を挟まない段を選ぶ理由はほとんどありません

選定で見落としやすいのは、文章の巧拙に目が行ってしまう点です。応対の品質を決めるのは文面の上手さではなく、いつ人に渡すかの線引きです。「この条件のときは必ず人に渡す」という条件を、候補側で自社が設定できるかを確かめてください。渡す条件を相手側が固定している候補は、業務に合わせられません

課金は件数で増えるため、成果で決まる形が合うこともあります。ただし何を成果と数えるかの定義を先に見ます。解決とみなす条件が相手側の定義のままだと、こちらの実感と請求が合わなくなります。

用途別:文書と数字が相手の仕事に当てる

次は、相手が文書と数字である仕事です。調べ物、資料の下書き、集計と要約などが該当します。出力が下書きにとどまるため取り消しやすく、自律の度合いを上げて試しやすい分類です。

担当の広さは汎用のものが向きます。扱う文書の種類が業務ごとに違うため、専用のものだと当てはまらない場面が増えるためです。ただし社内の文書を読む段が必要になるので、読むだけの接続を用意できるかが前提条件になります。

この分類の落とし穴は、根拠のない数字が下書きに混ざることです。根拠を必ず書かせ、出典が確認できない数字は空欄のまま返すという指示を、候補側で設定できるかを見てください。仕上がりの見た目が整っているほど、確認が甘くなります。読みやすい下書きほど、数字の裏取りが飛ばされます

課金の面では、1件あたりの内側の呼び出しが多くなりがちな分類です。調べ物は終わりが決めにくく、繰り返しが伸びます。1件あたりの上限を置ける候補かどうかを、この用途では特に確かめておきます。

用途別:仕組みをまたぐ事務処理に当てる

3つ目は、複数の仕組みをまたぐ事務処理です。申請の受け付け、受発注、台帳の更新などが該当します。書き込みが入るため、取り消しの設計が最初から必要になります。

この分類では、業務システムの中の機能として提供されるものが有利です。権限と記録がその仕組みの中で既に効いており、社内審査で説明しやすいためです。外から接続して書き込む形は、権限の設計を自社で作り直すことになります

進め方は、読むだけの接続から始めて書き込みを後にします。つなぐ先を増やすほど入口が増えるという点は、ガイドライン第1.2版の指摘のとおりです。最初から書き込みまで通そうとすると、審査で止まって半年が過ぎます

あわせて、この分類だけは決まった手順の自動化と比べておく価値があります。処理の形が完全に決まっているなら、そちらのほうが安く、動きも読めます。判断の余地がどれだけあるかで分けてください。

選定でよく外す見落とし

ここまでの物差しを踏まえて、実際の選定で外しやすい点を並べます。いずれも機能の比較表には現れず、運用に入ってから表面化する種類のものです。

  • 自律の度合いが高い候補を性能が高いと読む。上げるほど、止める仕組みと記録を自社で持つ必要が増える
  • 分類の軸を混ぜたまま比較表を作る。同じ候補が2つの欄に入り、点数が意味を持たなくなる
  • 呼び名だけ変えたものを候補に残す。記録が残るか、途中で止められるかを聞けば価格表を見る前に外せる
  • 全社で1つに統一しようとする。作りの形は業務ごとに向き不向きがあり、合わない業務に無理が出る
  • 課金の形を件数だけで見積もる。1件の内側で呼び出しが何度も起きるため、外から見える件数では読めない
  • つなげる先の多さを機能の量として評価する。つなぐ先の数は、そのまま入口の数でもある
  • 人に渡す条件を相手側の初期設定のまま使う。自社の業務に合わせて設定できるかが実際の分かれ目になる

もう1つ、選定の進め方そのものにも落とし穴があります。候補を先に3つ決めてから業務を当てはめる進め方です。この順だと、どの業務にも中途半端に合う候補が残ります。業務を1つに絞ってから候補を当てると、外れる候補がはっきりします。

比べるときに必ず確認する実務仕様の一覧

最後に、商談や資料請求の場で確認する項目をまとめます。機能の一覧に載っていないものばかりなので、質問の形で持っていくのが確実です。進め方は4段に分けると短く済みます。

STEP1
業務を1つに絞り、自律の段を先に決める

処理のたびに通る道が変わるか、外に出る操作があるかで段を決めます。候補を見る前に決めるのが要点です。

STEP2
呼び名だけのものを3つの質問で外す

使った道具と順番が記録に残るか、同じ入力で通る道が変わることがあるか、途中で人が止められるか。価格表を見る前に聞きます。

STEP3
5つの物差しを当て、外れた候補を落とす

自律の度合い、担当の広さ、社内データへの触り方、課金の形、止め方と記録。この段階で候補は2つか3つに絞れます。

STEP4
止めた画面と記録の画面を実際に見せてもらう

資料ではなく画面で確かめます。止められない、記録が読めない候補は、この段で必ず判明します。

  • 自律の段を設定として固定できるか。上げ下げの権限は誰が持つか
  • 実行の途中で止められるか。止めたときに途中の結果はどうなるか
  • 使った道具と順番、判断の根拠が記録に残るか。記録を自社側に取り出せるか
  • 道具ごとに低中高の格付けを付け、高いものの実行前に承認を挟めるか
  • 与える資格を、担当者本人の権限の範囲に絞れるか
  • あとから道具を足せるか。足した道具の説明文と引数を自社で書き直せるか
  • 1件あたり内側で何回呼ばれたかを、業務単位で見られるか
  • 人に渡す条件を自社で設定できるか。渡した後の戻し方が用意されているか
  • 社内データを読むだけの接続に限定できるか。書き込みを後から足せるか
  • 解約したときに、指示と記録と採点の材料を自社に残せるか
  • 価格の比較は最後に行う。物差しで2つか3つに絞ってからでないと、条件のそろっていない金額を並べることになる
  • 実演では自社の例外の事例を持ち込む。用意された事例だけを見ると、どの候補も同じに見える
  • AI事業者ガイドラインは指針であり、これ自体が直ちに新たな義務を課すものではない。社内審査の物差しとして参照する形で使う
  • 候補の呼び名は変わりやすい。比較の記録には製品名ではなく、確認した仕様の答えを残しておく

まとめ

AIエージェントの種類の説明がそろわないのは、分類の軸が3つ並存しているためです。自律の度合い、担当する業務の広さ、作りの形。まず軸を1つ選んで全候補を並べ、それから別の軸で並べ直すと、同じ候補が軸によって上位にも下位にも来ることが見えてきます。一番良いものが存在しないというのは、この見え方そのものです。

並べる前に、呼び名だけ付け替えたものを外します。使った道具と順番が記録に残るか、同じ入力でも通る道が変わることがあるか、途中で人が止められるか。この3問で大半は判別できます。数千の事業者のうち本物と見られるのは約130という見積もりが出ている以上、価格表を見る前に聞くのが合理的です。

当てる物差しは5つです。自律の度合いは高いほど良いのではなく、上げるほど記録と停止を自社で持つ必要が増えます。担当の広さは今の広さではなく、道具を足して説明を書き直せるかで見ます。社内データへの触り方は読む、書く、外に出すの3段で聞きます。課金の形は、1件の内側で何回呼ばれたかを業務単位で見られるかを確かめます。そして止め方と記録を自社が持てるかが、任せられる範囲の上限を決めます。2026年3月31日に公表されたAI事業者ガイドライン第1.2版も、自律的に動作するからこそ人間の判断を介在させる仕組みが重要だとしています。選ぶ作業の実体は製品を比べることではなく、この業務でどこまで人が手を離してよいかを先に決めることだと考えてください。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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