ホームページの著作権とAI生成|参考サイトを渡す前の線

ホームページの著作権とAI生成|参考サイトを渡す前の線

「リニューアルの参考に、競合のサイトの画面をAIに読ませて叩き台を作りたい。これは著作権的に大丈夫なのか」「制作会社が、参考サイトを渡せばAIで似た雰囲気に仕上げると言っている。任せてよいのか分からない」。法人サイトやサービスページの制作を進める、企業のウェブ担当やマーケ責任者から寄せられる声です。どちらも、作る速さが上がったことで新しく生まれた迷いです。問題は、AIで作ることそのものではありません。本当は、参考サイトの何を、どの形でAIに渡すかで、公開した後の危うさがほぼ決まります。この記事では、渡してよい物と渡さない物の線、指示書の書き方、公開前の類似の確かめ、制作会社との取り決め、社内の申し送りまでを、制作の工程に沿って整理します。


カメ先生カメ先生

ホームページのデザインは著作権で守られにくいから、参考にしても平気だと思われがちなんだけど、本当はAIに渡した時点で、話が少し変わるんだ。


カメ子カメ子

デザインが守られにくいなら、AIに渡しても同じではないのですか。


カメ先生カメ先生

守られにくいのは配色や配置のような考え方の部分だね。ところが画面の写しを丸ごと渡すと、文章や写真や図といった守られる物まで一緒に渡して、それを知っていたという材料も残るんだよ。


カメ子カメ子

渡す物を考え方の段階まで言い換えてから渡す、ということなのでしょうか。


この記事のポイント
  • 配色・構成・情報の順番は守られにくいが、文章・写真・イラスト・図・ロゴは守られる。画面の写しを丸ごと渡すと、後者まで渡し、知っていた材料も残る
  • AIに渡すのは「何を真似たいか」を言葉に直した指示書と自社の素材だけ。他社の文章・写真・ロゴは渡さない
  • 真似たい点の言語化と類似箇所の洗い出しの下書きはAIに任せ、似ているかの最終判断と公開の可否は人が決める

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目次

参考サイトをAIに渡す工程が、制作に入ってきた

法人サイトの制作では、以前から「このサイトのような雰囲気で」と参考サイトを挙げるのが普通でした。参考サイトは、発注する側と作る側が完成の姿をそろえるための道具で、作る側はそれを見ながら、自社の情報に合わせて一から組み立てていました。

ここ数年で変わったのは、画面の写しやページのアドレスを渡すと、似た構成とデザインのページを短時間で組み立てる画面生成の道具が広まったことです。たとえば、バーセル社の画面生成ツール「ブイゼロ」の学習用ページ(2026年5月更新)は、画面の写しやほかのサイトのロゴなどを参考として上げる使い方を紹介し、上げた画像は文字どおりの写しではなく着想として使われる、と説明しています。

この説明が示すとおり、提供元は「写すのではなく解釈する」と位置づけています。一方で、同じページには、他社の物を上げるときの権利の注意は書かれていません。何を上げてよいかの判断は、使う会社の側に残されているということです。出力がどこまで参考に寄るかも、指示の書き方と渡した素材しだいで変わります。

この記事が扱うのは、企業が自社のサイトやサービスページを作る場面です。他社の画面を記事に載せて紹介する引用の話や、制作の工程全体の進め方、試作ツールの使い方そのものには入りません。参考サイトをAIに渡す前後の、権利の線だけに絞ります。

ホームページで守られにくい物と、守られる物

線を引く前に、ホームページの中で著作権に守られる物と守られにくい物を分けておきます。文化審議会の「AIと著作権に関する考え方について」(令和6年3月)は、著作権法は創作的な表現を守り、作風などのアイデアは守らないという考え方を確認しています。単なる事実やデータ、誰が書いても同じになるありふれた表現、実用品の範囲のものも、守られる対象から外れます。

これをホームページに当てはめると、配色の傾向、余白の取り方、見出しを左に置いて写真を右に置くといった配置、トップページで実績、サービス、問い合わせの順に並べるといった情報の順番は、多くの場合、アイデアやありふれた表現の側に入ります。雰囲気が似ているだけで、すぐに権利の侵害になるわけではありません。

一方で、ページの中には守られる物が多く含まれています。キャッチコピーや本文の文章、撮り下ろしの写真、描き起こしのイラスト、独自に作った図や表の見せ方、ロゴです。ロゴは著作権に加えて商標の問題にもなりえます。参考サイトの画面の写しには、これらが全部まとめて写り込んでいます。

デザインの全体が守られるかどうかは、個別の事情で判断が分かれます。独自性の強い表現の組み合わせが守られる余地もあり、「ホームページのデザインは絶対に守られない」と言い切ることはできません。この記事では、守られにくい部分だけを渡し、守られる物は渡さないという、判断が分かれにくい側に線を引きます。

AIに渡した瞬間に残る、「知っていた」という材料

著作権の侵害かどうかは、既存の作品と似ているかという類似性と、既存の作品に基づいて作ったかという依拠性の2つで判断されます。文化審議会の整理では、AIを使った場合もこの2つで判断し、人がAIを使わずに作る場合と同じに考えるとされています。

そのうえで、整理には参考サイトをAIに渡す場面に直接当てはまる記述があります。画像をAIへの指示として入力して画像を得る使い方のように、既存の作品そのものを入力した場合は、利用者がその作品を知っていたと認められ、依拠性が認められるとされています。作品名などの固有名詞を指示に入れた場合も同じです。

つまり、他社サイトの画面の写しをAIに渡した時点で、2つの要件のうち依拠性は満たされやすくなります。残るのは類似性だけで、出力がその画面の文章や写真や図とどれだけ似ているかで判断が決まります。渡したことが記録として残るぶん、「偶然似た」という説明は使いにくくなります。

入力そのものについても注意が要ります。文化庁の「AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス」(令和6年7月)は、指示として既存の作品を入力する際の複製は原則として情報解析の扱いになるとしつつ、入力した作品と似た物を作らせる目的で入力する場合は、その扱いが適用されない場合があり、権利者の許諾が要るとしています。似せるために渡す、という使い方は、入力の段階から線の外に出やすいということです。

  • 文化審議会の整理は法律そのものではなく、令和6年3月時点の考え方を示したものです。個別の事案の最終的な判断は裁判所が行います
  • ロゴやサービス名は、著作権とは別に、商標として登録されていないかも確かめます
  • チェックリストは、利用しようとする道具の利用規約が、他人の作品の入力を禁止または制限していないかを先に確かめることも勧めています

渡してよい物と、渡さない物を比べる

ここまでの整理を、AIに渡す素材の線に直すと、次の表になります。社内の担当者と制作会社の両方に、同じ表を配っておくと判断がそろいます。

素材AIに渡す理由
参考サイトで真似たい点を言葉にした指示書渡してよい配色・構成・情報の順番などのアイデアの段階に上げてあるため
自社の文章・自社で撮った写真・自社のロゴ渡してよい自社に権利がある素材。社外秘の情報が入っていないかは別に確かめる
利用の条件を確かめたストック写真条件しだい素材サイトの規約がAIへの入力を認めているかを確かめる
参考サイトの画面の写しを丸ごと渡さない文章・写真・図・ロゴが写り込み、依拠の材料が残る
参考サイトの文章・写真・イラスト・ロゴ渡さない守られる表現そのもの。似た物を作らせる目的の入力にあたりやすい
参考サイトの名前や会社名を入れた指示渡さない固有名詞の指示は依拠を認めやすい例として挙げられている

迷いやすいのは、参考サイトの画面の写しから、文章や写真の部分を塗りつぶして渡すやり方です。守られる物を隠したとしても、残った部分にページの構成がそのまま写っていれば、出力は配置まで寄りやすくなります。塗りつぶしではなく、言葉に直して渡すのが、線の内側に収める確実な方法です。

自社の素材を渡すときにも確かめることがあります。過去の制作で使った写真の中に、撮影したカメラマンや制作会社との契約で、使える範囲が決まっているものがないかです。自社のサイトに載っている写真が、必ずしも自社に全部の権利がある写真とは限りません。

工程1:指示書に書くのは「どこを真似たいか」の言葉

参考サイトを渡す代わりに、AIには指示書を渡します。指示書に書くのは、参考サイトのどこに惹かれたのかを、具体的な見た目ではなく、狙いと特徴の言葉に直したものです。この言葉に直す作業が、線の内側に収める中心の工程になります。

言葉に直すときは、抽象度を1段上げることを意識します。「この会社の青と白のトップ画面」ではなく、「信頼感を出すために、濃い青を基調に白の余白を広く取る」と書きます。「この会社の実績の見せ方」ではなく、「実績を数字で3つ並べ、各数字の下に一文の説明を置く」と書きます。会社名も、画面の写しも出てこない指示書が目標です。

指示書の書き方の例
  • 狙い:製造業の購買担当者が、3つの画面以内で対応できる加工の範囲を把握できること
  • 配色:濃い青を基調に、白の余白を広く取る。強調の色は1色だけ
  • 構成:トップは実績の数字3つ、次に対応できる加工の一覧、最後に相談の窓口
  • 書かないこと:参考にした会社の名前、参考サイトの見出しや文章、画面の写し

この言葉に直す作業は、AIに手伝わせてかまいません。社内で集めた「良いと思った点」の走り書きを渡し、配色、構成、情報の順番、言葉の調子の4つに分けて、アイデアの段階の言葉に整えさせます。このとき、参考サイトの画面そのものはAIに渡さず、人が書いたメモだけを材料にします。

整えさせた指示書は、人が読み返して、特定のサイトを思い浮かべないと意味が通らない表現が残っていないかを確かめます。「あのサイトの右上のような」という言い回しが残っていれば、まだ言葉に直しきれていません。指示書を読んだ社外の人が、参考サイトを当てられないくらいが目安です。

工程2:渡す素材は、自社の物だけで組む

指示書と一緒にAIに渡す素材は、自社の文章、自社で撮った写真、自社のロゴ、自社で作った図に限ります。AIで組み立てたページの文章や写真の枠に、仮で他社の物を入れておき、後で差し替える、というやり方は避けます。差し替えが漏れたまま公開される事故が起きやすいからです。

文章がまだ用意できていない段階では、自社のサービス資料や過去の提案書から必要な情報を抜き出して渡します。足りない部分は、仮の文章であることが一目で分かる書き方で埋めておきます。仮の文章を、参考サイトの文章を言い換えて作らないことも決めておきます。言い換えても、構成と言い回しが残れば似る原因になります。

写真が足りない場合は、ストック写真を使うか、新しく撮ります。ストック写真を使うなら、素材サイトの規約で、商用のサイトに載せてよいか、AIの道具に読み込ませてよいかを確かめます。規約によっては、AIへの入力や加工に条件を付けていることがあります。

AIに写真やイラストを新しく生成させる場合は、生成した画像が既存の作品に似ていないかを、公開前の確かめの対象に加えます。文化審議会の整理では、利用者が知らなくても、学習データに含まれていた作品に似た物が出れば、通常は依拠が推認されるとされています。自社の素材だけで組んでも、生成した部分の確かめは省けません。

工程3:公開前に、類似の箇所を確かめる

文化庁のチェックリストは、AIで作った物を利用する前に、既存の作品と似ていないかを確かめることを求めています。確かめる方法の例として、文章の検索や画像の検索が挙げられています。サイトの公開も利用にあたるため、公開の前に確かめる工程を置きます。

ホームページの場合、確かめる相手ははっきりしています。まず、社内で参考にしたサイトです。指示書に名前を書いていなくても、参考にした事実はあるので、参考にしたサイトと出来上がったページを並べて見比べる工程を必ず入れます。次に、同じ業界の主要な競合のサイトです。業界の定番の構成が重なるのは自然ですが、文章や図が似ていないかを見ます。

STEP1
参考にしたサイトの一覧を出す

指示書の元になったメモから、社内で参考にしたサイトを全部書き出します。

STEP2
文章を検索で確かめる

キャッチコピーと見出し、特徴のある本文の一文を検索にかけ、同じ言い回しがほかのサイトにないかを見ます。

STEP3
画像を画像検索で確かめる

AIで生成した写真やイラスト、図を画像検索にかけ、似た物が出てこないかを見ます。

STEP4
参考サイトと並べて見比べる

参考にしたサイトと、ページの単位で並べ、図や表の見せ方、写真の構図が寄っていないかを人が見ます。

STEP5
結果を記録し、公開の可否を決める

確かめた日、確かめた人、見比べたサイト、気になった点と対応を残し、公開してよいかを責任者が決めます。

この確かめで、AIに手伝わせられるのは洗い出しの下書きです。出来上がったページと参考サイトの文章を並べて、言い回しが近い箇所を挙げさせる、といった使い方です。ただし、似ているかどうかの最終の判断と、公開してよいかの判断は人が決めます。AIが「似ていない」と答えても、それは判断の材料の1つにすぎません。

似ているかを見るときの、見る場所の順番

出来上がったページと参考サイトを並べたとき、全体の雰囲気が似ているかどうかから見始めると、判断がぶれます。雰囲気は守られにくい部分でもあるため、「何となく似ている」で止めるか進めるかを決めると、必要以上に止めることにも、見落とすことにもなります。見る場所の順番を決めておきます。

最初に見るのは、守られる物が直接重なっていないかです。同じ文章、同じ写真、明らかに同じ構図の写真やイラスト、同じ図があれば、雰囲気とは関係なく直します。次に、言い回しの近さです。キャッチコピーの語順と言葉の選び方がほぼ同じ、見出しの並びと文言が続けて同じ、といった場合は、一つずつは短くても、重なりが続くと似ている側に寄るので書き直します。

その次に、図や表の見せ方です。サービスの流れを示す図で、段の数、矢印の向き、各段の言葉までそろっていれば、独自の表現が重なっている可能性があります。最後に、ページ全体の構成と配色を見ます。ここで似ている程度なら、多くは業界の定番やアイデアの範囲ですが、前の3つで重なりが見つかった後なら、全体の近さは判断を重くする材料になります。

迷う箇所は、迷った理由と一緒に法務に回します。制作の担当者が一人で抱えると、公開の日が近づくほど「たぶん大丈夫」で進めがちです。迷ったら回す、と決めておくほうが、日程の読みも立てやすくなります。

工程4:制作会社との取り決めに書くこと

制作を外に出す場合は、AIの使い方を制作会社に任せきりにせず、取り決めに書きます。冒頭の声のように、制作会社が「参考サイトを渡せばAIで似た雰囲気に仕上げる」と提案してくることもあります。その提案自体は悪くありませんが、何を渡し、何を渡さないかを決めるのは発注する側です。

取り決めに入れる項目は5つです。AIの道具を使うかどうかと、使うならどの工程か。参考サイトの画面の写しや他社の素材をAIに渡さないこと。公開前の類似の確かめを誰がどこまでするか。指示書と生成の経過を、納品のときに一緒に渡すこと。似ていると指摘されたときに、どちらが何をするか、です。

生成の経過を渡してもらうのは、後で説明できるようにするためです。文化庁のチェックリストは、依拠がないことを説明できるよう、生成に使った指示などの経過を確かめられる状態にしておくことを勧めています。制作会社の手元にしか経過が残っていないと、契約が終わった後に取り出せなくなることがあります。

権利の保証の条項も見直します。従来の制作の契約では、制作会社が第三者の権利を侵害しないことを保証する条項がよく入っています。AIを使う場合も同じ保証を求めるのか、AIで生成した部分は確かめの手順を守ったことを条件にするのかは、双方で話し合って決める事柄です。条項の読みは法務に任せます。

工程5:社内の申し送りに、記録を残す

公開した後も、サイトは何年も使われ、担当者が替わります。数年後に「このページは他社に似ている」と指摘されたとき、当時の経過が分からなければ、説明も直す判断もできません。公開までの記録を、サイトの管理の資料の一部として残します。

残す物は、参考にしたサイトの一覧、AIに渡した指示書、渡した素材の一覧、使った道具の名前と使った工程、公開前の確かめの記録です。参考にしたサイトの一覧は、AIに渡していなくても残すようにします。指摘を受けたとき、どのサイトを見たかを正直に示せることが、話を早く収める助けになります。

ページを更新するときも同じ流れを踏みます。新しいサービスのページを足す、トップページの一部を作り直す、といった更新でAIを使うなら、そのたびに指示書と確かめの記録を足していきます。最初の制作だけ丁寧で、更新は記録なしという状態が、数年後に経過を追えなくなる典型です。

記録の置き場所は、サイトの管理画面の近くか、制作の資料の置き場に決めます。制作会社から受け取った生成の経過も同じ場所に置き、誰が見られるかを決めておきます。担当者の個人の保存先に置いたままにしないことが、申し送りの最低限です。

似ていると指摘されたときの動き方

公開した後に、他社から「自社のサイトに似ている」と連絡が来ることがあります。文化庁のチェックリストは、侵害が起きた場合の対応として、情報の共有、利用の停止と復旧、権利者への対応、原因の解明、再発の防止を、あらかじめ想定しておくことを勧めています。連絡が来てから考え始めると、初動が遅れます。

最初にするのは、連絡の中身を法務に回し、窓口を一本にすることです。制作の担当者が直接、相手に「AIで作ったので」と説明を始めると、意図しない認め方になることがあります。相手への返事は、法務か、法務が認めた人だけがすると決めておきます。

次に、指摘された箇所と、申し送りの記録を突き合わせます。参考にしたサイトの一覧に相手のサイトがあるか、指示書や渡した素材に相手の物が入っていないか、公開前の確かめで何を見たかを確かめます。記録が残っていれば、ここは数時間で済みます。

指摘された箇所をすぐに差し替えるか、いったん公開を止めるかは、重なりの程度を見て責任者が決めます。守られる物が直接重なっているなら、判断を待たずに差し替える準備を進めます。原因が指示書の書き方や素材の線の甘さにあったなら、表と指示書の例を直して、次の制作に生かします。

AIに任せる範囲と、人が決める範囲

参考サイトをめぐる一連の工程で、AIが役に立つ部分ははっきりしています。社内で集めた「良いと思った点」のメモを、配色、構成、情報の順番、言葉の調子に分けてアイデアの段階の言葉に直すこと。出来上がったページと参考サイトの文章を並べて、言い回しの近い箇所を挙げることです。どちらも、人が一から手作業でするより速く進みます。

ただし、AIの洗い出しには漏れがあります。文章の近さは挙げられても、写真の構図や図の見せ方の近さは見落とすことがあります。そのため、洗い出しの結果には、どの箇所とどの箇所を比べたかを根拠として書かせ、人がその箇所を見て確かめる形にします。根拠が書けない指摘は、判断の材料に使いません。

人が決めることも先に書いておきます。参考サイトの何を真似てよいかの線、似ているかの最終の判断、公開してよいかの判断、制作会社との取り決めの中身、指摘を受けたときの返事です。AIに「このページは他社のサイトに似ていますか」と聞いて、その答えで公開を決めないことを、制作の手順書に明記します。

AIに任せる部分を広げすぎない理由は、ほかにもあります。参考サイトの画面を洗い出しのためにAIへ読み込ませると、それ自体が似た物を作る材料を渡すことになりかねません。洗い出しには、公開する自社のページの文章と、参考サイトから人が書き写した短い文言だけを使い、画面の写しは渡さないようにします。

参考サイトをめぐる、やりがちな失敗

参考サイトをAIに渡す工程で起きやすい失敗を並べます。多くは、作る速さを優先して、渡す前の線を引かなかったことから来ています。

  • 競合のサイトの画面の写しを丸ごと渡し、「この雰囲気で」とだけ指示する
  • 指示に参考サイトの会社名やサービス名を入れる
  • 仮の文章として、参考サイトの文章を言い換えて入れ、そのまま公開する
  • AIで生成した写真やイラストを、画像検索にかけずに載せる
  • 制作会社のAIの使い方を確かめず、生成の経過を受け取らない
  • 公開前の確かめを、AIの「似ていません」という答えだけで済ませる

とくに起きやすいのは、制作の初期に叩き台として画面の写しを渡し、その叩き台が直されながら本番のページになっていく流れです。最初は「方向性を見るだけ」のつもりでも、日程が詰まると叩き台の部品がそのまま残ります。叩き台の段階から、渡す素材の線を本番と同じにしておくのが、いちばん手堅い防ぎ方です。

もう1つは、社内で線を決めても、部署ごとに作るサービスページやキャンペーンのページに伝わっていないことです。サイトの本体は情報システムやウェブの担当が管理していても、個別のページは事業部が別の制作会社に頼んでいることがあります。素材の線の表と指示書の例は、ページを作る可能性のある部署すべてに配っておきます。

よくある質問

Q. 参考サイトを人が見ながら作るのと、AIに渡して作るのは何が違いますか。

どちらも依拠と類似性で判断される点は同じです。違うのは、AIに画面の写しを渡すと、守られる文章や写真まで丸ごと材料にし、出力がそれに寄りやすくなることと、渡したことが記録として残ることです。人が見て作る場合も、文章や写真を写さない線は同じように守ります。

Q. 配色や構成が似ているだけなら、問題になりませんか。

配色や構成は、多くの場合アイデアやありふれた表現の範囲とされ、それだけで侵害になるとは考えにくい部分です。ただし、文章や図の重なりと組み合わさると判断が重くなります。また、権利の問題とは別に、取引先や利用者から「真似ている」と受け取られる評判の問題もあります。

Q. 自社の旧サイトの画面なら、AIに渡してよいですか。

自社の物なので基本的には渡せますが、旧サイトの写真やイラストが、制作会社やカメラマンとの契約で使える範囲が決まっている場合があります。旧サイトの素材を新しいサイトにも使えるか、契約を確かめてから渡します。

Q. 制作会社がAIを使っているかどうかは、こちらから聞くべきですか。

聞くべきです。発注の段階で、AIの道具を使う工程と、参考サイトや他社の素材をどう扱うかを確かめ、取り決めに書いておきます。使っていないという答えでも、確かめた事実を記録に残しておくと、後の説明に使えます。

Q. AIで作ったページに、自社の著作権は生まれますか。

AIで作った物が著作物になるかは、人がどれだけ創作に関わったかで判断されるとされています。文化庁のチェックリストも、この説明のために生成の経過を確かめられるようにしておくことを勧めています。自社で書いた文章や撮った写真は、AIを使ったかどうかに関係なく自社の側の物です。

まとめ

ホームページの著作権でAI生成を考えるときの要は、参考サイトをAIに渡す前の線です。配色、構成、情報の順番は守られにくい一方で、文章、写真、イラスト、図、ロゴは守られます。画面の写しを丸ごと渡すと、守られる物まで材料にし、知っていたという記録も残ります。AIに渡すのは、真似たい点をアイデアの段階の言葉に直した指示書と、自社の素材だけにします。公開前には、参考にしたサイトと並べて、守られる物の重なり、言い回し、図の見せ方、全体の順に見比べ、記録を残します。制作会社には、渡さない素材と生成の経過の受け渡しを取り決めに書いてもらいます。言葉に直す作業と類似箇所の洗い出しの下書きはAIに根拠つきで任せ、似ているかの最終の判断と公開の可否は、人が決めてください。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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