LLMOツールは買うか自前で測るか|数字の中身で決める

「LLMOツールを入れれば、AIの中での自社の順位が分かるのですよね」「無料の試用で出た点数が低かったので、すぐ有料版を契約すべきか迷っている」。AI検索への対応を任された担当者からは、こうした声が届きます。点数が一つの数字で出てくると、検索順位と同じように読みたくなるのは自然なことです。ただ、LLMOツールの数字は、AIの中の決まった順位を写したものではありません。本当は、道具の側が選んだ質問文をAIに何度も投げ、返ってきた答えを数えた集計です。この記事では、その数字が何でできているかをほどいたうえで、自前で測る方法と買う方法を比べ、どちらを選ぶかの判断軸を整理します。
カメ先生LLMOツールと呼ばれる道具は、AIの答えに会社の名前が出るかを数えるものだ。ただ、数える前に「どんな質問を、どのAIに、何回聞くか」を道具が決めている。そこを知らずに点数だけ見ると、読み違えるんだよ。
カメ子点数が同じでも、質問の中身が違えば意味も違ってくる、ということですか。
カメ先生そういうこと。しかもAIの答えは、同じ質問でも毎回少しずつ変わる。だから一回きりの結果は当てにならない。数字の作られ方が分かれば、自分で測れる範囲と、道具に任せたほうがよい範囲が見えてくる。どちらにしても、数字の良し悪しを決めるのは人の側だ。
カメ子数字の中身をほどいてから、買うか自分で測るかを比べるわけですね。
- LLMOツールの数字は、決めた質問文をAIに繰り返し投げ、名前が出た割合や引用元を数えた集計である
- 答えは毎回ぶれ、質問文の選び方と対象のAIの範囲で数字が大きく変わるため、点数だけで比べられない
- 質問文を自社で持ち、ぶれの扱いを開示し、書き出しができるかで選び、判断は人が持つ
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「AIの中の順位が分かる」は誤解
検索エンジンの順位は、同じ語句で調べれば、ある時点ではほぼ同じ並びが返ってきます。順位を測る道具は、その並びを写し取れば足りました。ところが対話型のAIは、質問のたびに答えの文章を新しく組み立てます。AIの中に、あらかじめ決まった「自社の順位」が置かれているわけではありません。
そのためLLMOツールは、順位を写し取るのではなく、答えを大量に集めて数えるという方法を取っています。どの質問を投げるか、どのAIに投げるか、何回投げるかを先に決め、返ってきた答えの中で自社の名前が出た回数や、根拠として示されたサイトを集計します。画面に出る点数は、その集計を一つの数字にまとめたものです。
この仕組みを知らないまま点数を読むと、二つの誤りが起きます。一つは、点数の上下を自社の施策の成果と取り違えることです。もう一つは、別の道具の点数と並べて高い低いを比べることです。点数は質問文と対象のAIと回数の組み合わせで決まるため、組み合わせが違えば同じ物差しになりません。LLMOとは何か、対策の全体像はどうなっているかという入口の話は「LLMOとは何か、SEOと何が違う?」の記事に譲り、本稿は測る道具の中身に絞ります。
中心にある方式は「決めた質問を定期的に投げる」
国内外の道具の公式の説明を見ると、方式の中心はほぼ共通しています。利用者か道具の側が質問文の一覧を用意し、それを対話型のAIや、検索結果に出るAIの要約に定期的に投げ、答えの中身を記録します。記録した答えから、社名が出たか、何番目に出たか、どう書かれたか、どのサイトが根拠として示されたかを抜き出して数えます。
たとえばセムラッシュの公式ブログは、同社のAI可視性の道具について、質問文ごとの追跡、社名の言及、自社サイトへの引用、可視性の点数、書かれ方の評価、競合の中での占有率を見られると説明しています。ピークエーアイの公式サイトも、可視性・順位・評価を指標に挙げ、質問文は利用者が自分で登録し、札を付けて整理する形を示しています。
国内でも、アカルミという道具は、複数のAIでの社名の言及と引用元を見える形にし、競合を登録して同じ条件で比べられると案内しています。道具の名前や画面は違っても、中で行っているのは「質問を投げて、答えを数える」ことです。違いが出るのは、その質問をどう選ぶか、どのAIに投げるか、何回投げるか、そして答えのぶれをどう扱うかの部分です。
数えている数字は大きく4種類
道具が出す数字は、名前は各社で違いますが、中身で分けると四つに整理できます。一つ目は言及率で、投げた質問のうち自社の名前が答えに出た割合です。二つ目は順位で、答えの中で何社か並んだときに自社が何番目に出たかです。三つ目は評価で、自社がどんな言葉で書かれたかを良い・普通・悪いに振り分けたものです。四つ目は引用元で、答えの根拠として示されたサイトの一覧です。引用元は、自社サイトが根拠に使われたかどうかを見る数字で、名前が出たかどうかの言及率とは別物として扱います。
この四つは、同じ集計から出ていても、安定の度合いがまったく違います。比較的安定しているのは言及率で、順位と評価は大きく揺れます。計測会社の共同創業者が2026年6月に査読前の論文として公開した調査では、5つのAIで102の会社や製品を2026年3〜5月に測り、約10万件の答えを集めました。そこでは、評価の揺れは言及の揺れの6.7倍だったと報告されています。
同じ調査では、社名を含まない質問で名前が出た割合は、世界的に知られた大手で72.9%、中堅で43.6%、小規模や専門分野の会社では11.4%でした。ただしこれは計測会社自身の本番データを集計した観察で、データは公開されておらず、査読も経ていません。数字の大きさより、知名度の段階で言及率がこれだけ違うという傾向として読むのが妥当です。中小の会社で言及率が一桁でも、それ自体は珍しいことではありません。
同じ質問でも、答えは毎回ぶれる
数字を読むうえで最も大事なのが、答えのぶれです。米国の調査会社スパークトロは2026年1月28日に、600人の協力者が12の質問を3つのAIに計2,961回投げた調査を公表しました。同じ質問を100回投げて同じ顔ぶれの会社名が返ってくる確率は100回に1回未満で、同じ順番で返ってくるのは1,000回に1回程度だったとしています。
一方で、同じ調査は、上位に出る会社の出現率そのものは比較的安定していたとも報告しています。ある分野の質問では、上位の会社がおおむね55〜77%の割合で答えに出ていました。つまり「何番目に出たか」は偶然に左右されますが、「何回に何回出たか」はある程度の手がかりになります。調査をまとめた同社の代表は、順位の指標は捨て、多数の質問を複数回投げた出現率で比べるべきだと述べています。
ここから言えるのは、一回きりの結果には意味がないということです。道具を選ぶときも、自前で測るときも、同じ質問を何回投げて平均しているのかを必ず確かめます。順位を小数点まで細かく出す画面があれば、その精度がどこから来ているのかを問い合わせてください。回数の少ない順位は、偶然の並びを数字に置き換えただけの可能性があります。
- ぶれは失敗ではなく、対話型のAIの性質である。ぶれを消そうとするより、回数を重ねて割合で読む
- 単発の画面の写しを社内の報告に使うと、翌日には再現できないことがある。回数と日付を必ず添える
質問文の選び方で、数字はほぼ決まる
ぶれと並んで数字を左右するのが、質問文の選び方です。社名を入れた質問なら、ほぼ確実に社名が出ます。自社の評判を尋ねる質問でも同じで、名前が出るのは当然として、何と書かれるかだけが見どころになります。「業務の効率化に役立つ道具は」のような広い質問なら、大手の名前ばかりが並びます。どの質問を一覧に入れるかで、言及率は高くも低くも作れてしまいます。
さらに厄介なのは、実際の利用者が投げる質問は人によってばらばらだという点です。スパークトロの調査では、同じ目的で人に質問文を書いてもらったところ、文章同士の意味の近さを表す値は0.081と、ほとんど似ていませんでした。道具が用意した質問の一覧は、あくまで代表として選んだ見本であり、利用者の実際の問いを網羅したものではありません。
質問文の作り方も道具ごとに違います。先の論文の調査では、質問文はAIが業種や語句、地域、直近の市場調査をもとに自動で作っていました。セムラッシュの公式ブログは、顧客の問い合わせや商談の記録から繰り返し出る問いを拾って一覧を作るよう勧めています。質問文を誰がどう作ったかが、数字の中身そのものだと考えてください。自社の見込み客がどんな問いを立てているかを調べる方法は「AI検索で聞かれている問いを調べる方法」の記事で扱っています。
対象のAIの範囲も、道具ごとに違う
三つ目の違いは、どのAIに質問を投げているかです。セムラッシュの公式ブログはチャットジーピーティー、グーグルのAIモードとジェミニ、パープレキシティ、検索結果に出るAIの要約を対象に挙げています。ピークエーアイの公式サイトはチャットジーピーティー、パープレキシティ、ジェミニを挙げ、アカルミはこれらに加えてクロードも対象にしています。
対象が違えば、同じ会社でも数字は変わります。あるAIでは頻繁に名前が出るのに、別のAIではほとんど出ないということは珍しくありません。対象の数が多い道具ほど良いとは限らず、自社の見込み客が実際に使っているAIが入っているかどうかが先です。BtoBの商材であれば、見込み客の会社が社内で使ってよいと認めているAIが何かを、営業の場で聞いておくと判断の材料になります。
もう一つ確かめたいのが、同じAIでも「どの版に、どの入口から」聞いているかです。利用者が画面から使うときと、外部から呼び出す仕組みで聞くときとでは、検索の有無や設定が違い、答えが変わることがあります。道具の説明に対象のAIの名前しか書かれていない場合は、どの入口から投げているのかを問い合わせておくと、後で数字の説明に困りません。
自前で測る方法1 質問文の一覧を作り、手で定点観測する
道具を買わずに測る方法の基本は、自社で質問文の一覧を作り、決めたAIに決めた間隔で投げて記録することです。手間はかかりますが、質問文を自社で完全に握れるため、数字の中身を説明しやすいのが利点です。次の手順で始めます。
問い合わせや商談の記録、営業が受けた質問から、見込み客が検討の段階で立てる問いを選びます。社名を入れた質問と入れない質問を分け、入れない質問を中心にします。
見込み客がよく使うAIを2〜3つ選び、1本の質問を毎回3回ずつ投げると決めます。履歴や個人に合わせる機能の影響を減らすため、記録用の新しい会話で投げます。
日付、AI、質問、何回目か、社名が出たか、競合のどこが出たか、根拠のサイトを表に残します。答えの全文も保存しておくと、後で読み直せます。
質問ごと、AIごとに「何回に何回出たか」を出します。順位は参考にとどめ、報告は言及率と引用元の変化を中心にします。
手で測るときの注意は、記録の条件をそろえ続けることです。途中で質問文を書き換えたり、AIを増やしたりすると、前の月と比べられなくなります。質問文を変えるときは、変えた日と理由を記録に残すと、数字の段差を後から説明できます。
自前で測る方法2 解析ツールでAIからの流入を見る
もう一つの自前の方法は、AIの答えから自社サイトに来た訪問を数えることです。GA4では、対話型のAIのサービスから来た訪問が参照元として記録されることがあり、参照元の名前を束ねて一つの流入経路として見ることができます。言及率が「名前が出たか」なら、流入は「名前を見て来たか」を示す数字で、両方を並べると施策の手応えが読みやすくなります。
ただし流入で見える範囲は限られます。AIが答えの中で社名を挙げても、リンクが付かなければ訪問は生まれません。アプリの中の閲覧画面や、読み手が社名を検索し直して来た場合には、AIからの流入として記録されないこともあります。流入が少ないからといって、AIの中で名前が出ていないとは言い切れません。設定の手順や、参照元が渡らない経路については「生成AI経由の流入は測れるのか?」の記事で詳しく扱っています。
検索エンジンの管理画面でAI検索の表示がどう数えられているかも、自前の計測で気になる点です。ここは仕様の変更が続いている部分で、通常の検索の数字との合算の扱いは「AI検索の数字は分けて見られる?」の記事にまとめています。本稿の立場から言えるのは、流入と管理画面の数字は、質問を投げて数える方式とは別の角度の手がかりとして、並べて読むものだということです。
自前で測るときの限界は、回数と手間
手で測る方法の弱点は、回数を増やせないことです。質問を30本、AIを3つ、1本につき3回と決めると、1回の計測で270回の質問になります。1回の質問と記録に1分かかるとしても4時間半で、毎月続けるのは簡単ではありません。回数を減らせば、ぶれの影響がそのまま数字に出ます。
質問を投げる作業そのものを、社内の仕組みで自動にする方法もあります。ただし、各AIのサービスの利用規約で、画面を自動で操作して答えを集めることが認められているかは、使う前に必ず確かめてください。外部から呼び出す正式な仕組みを使う場合も、利用料がかかり、画面から使うときと答えが変わることがある点は先に述べた通りです。
もう一つの限界は、競合との比較です。自社の言及率は測れても、同じ質問で競合が何割出ているかを毎月そろえて数えるには、答えの中の社名を漏れなく拾う作業が要ります。自前で十分なのは、質問文が少なく、比べる相手も少ない段階までと考え、手間が見合わなくなったところが道具を検討する時期です。
買う場合と自前の場合を比べる
ここまでの内容を、買う場合と自前で測る場合に分けて並べます。どちらが優れているかではなく、自社の段階にどちらが合うかを見るための表です。
| 観点 | 自前で測る | 道具を買う |
|---|---|---|
| 質問文 | 自社で完全に握れる。数を増やしにくい | 多く投げられる。誰がどう作ったかを確かめる必要がある |
| 回数とぶれ | 回数が少なく、ぶれがそのまま出る | 回数を重ねて平均できる。平均の仕方が道具ごとに違う |
| 対象のAI | 自分で選べるが、増やすほど手間が増える | 道具の対応範囲に縛られる |
| 競合との比較 | 社名を拾う作業が重い | 同じ条件で並べやすい |
| 数字の説明 | 作り方が分かっているので説明しやすい | 中身の開示が少ないと説明に困る |
| 費用 | 人の時間がかかる | 月額の費用がかかる。人の時間は減るが無くならない |
表の中で見落とされやすいのが、道具を買っても人の時間は無くならない点です。質問文の一覧の見直し、数字の読み取り、社内への説明は、どの道具でも人が行います。道具が肩代わりするのは、質問を投げて数える部分までです。
切り替えの時期にも工夫の余地があります。自前の記録を続けたまま道具の試用を始め、一か月ほど同じ質問で両方の数字を並べてみると、道具の数字が自前より高めに出るのか低めに出るのか、どの質問で食い違うのかが分かります。並べて見た期間があると、道具に切り替えた後も過去の記録とのつながりを説明できます。反対に、いきなり道具だけに切り替えると、それまでの自前の数字と新しい数字の段差が、施策の成果なのか物差しの違いなのか区別できなくなります。
買うときの判断軸1 質問文を自社で持てるか
道具を選ぶとき、最初に確かめたいのは、質問文の一覧を自社で作り、書き換えられるかです。道具が自動で作った質問だけで測る形だと、数字がなぜ上がったか下がったかを自社の言葉で説明できません。ピークエーアイのように自社で質問を登録して札を付けられる道具もあれば、候補の提案を中心にしている道具もあります。
確かめ方は、試用の段階で、自社が選んだ20本ほどの質問を入れてみることです。登録できる本数、あとから書き換えたときに過去の数字がどう扱われるか、社名を含む質問と含まない質問を分けて集計できるかを見ます。質問を書き換えると過去の数字まで塗り替わる道具は、月ごとの比較に使いにくいので注意が要ります。
道具が質問の候補を出してくれる機能は便利ですが、候補をそのまま全部採用しないことも大切です。候補は道具が推定した「よく聞かれそうな問い」であり、自社の見込み客の問いとは限りません。候補の中から、営業の記録と照らして実際に出てくる問いに近いものだけを残します。
買うときの判断軸2 ぶれの扱いを開示しているか
二つ目の軸は、答えのぶれをどう扱っているかを、道具の側が説明しているかです。1本の質問を何回投げているか、何日おきに投げているか、平均をどう取っているか、どのAIにどの入口から投げているか。これらが書かれていない、あるいは問い合わせても答えがない道具は、数字の信頼の度合いを自社で判断できません。
営業の説明で「AIの中の順位を正確に測れる」と言われたら、先のスパークトロの調査を思い出してください。同じ順番が返ってくるのは1,000回に1回程度という性質の上に、正確な順位は成り立ちにくいのです。正確さを強調する説明より、ぶれを前提にした数字の出し方を説明する道具のほうが、長く付き合いやすいと言えます。
もう一点、道具の側が公表している調査やデータにも目を向けます。先に触れた論文のように、計測会社が自社のデータで調べた結果は参考になりますが、データが公開されていない、査読を経ていないといった限界も一緒に確かめます。自社の道具に都合のよい結論になっていないかを一度疑ってから読むのが安全です。
買うときの判断軸3 競合と比べられ、書き出せるか
三つ目の軸は、競合との比較です。言及率は、それだけでは高いのか低いのかが分かりません。同じ質問の一覧で、主要な競合が何割出ているかと並べてはじめて、自社の位置が見えるのです。競合を何社まで登録できるか、競合の社名の表記ゆれをまとめて数えられるかを確かめます。アカルミは社名の表記ゆれの管理を機能として挙げています。
四つ目の軸は、数字と答えの全文を外に書き出せるかです。画面の点数しか持ち出せない道具は、契約をやめた時点で記録が手元に残りません。ピークエーアイは表計算で開ける形式での書き出しと、外部から呼び出す仕組みを案内しています。答えの全文まで書き出せれば、自社で集計し直したり、別の道具に乗り換えたりするときにも比べられます。
費用は、公式に示されている範囲で確かめます。セムラッシュの公式ブログには、同社のAI可視性の道具が月99ドルと書かれています(2026年3月の記事の記載)。料金を公開していない道具も多いため、見積もりを取るときは、質問文の本数、対象のAI、投げる回数のどれで料金が変わるのかを聞いておくと、比べやすくなります。SEOの道具全般の料金帯や機能の分け方は「SEOツールの有料と無料の分かれ目」の記事にまとめています。
数字を社内に報告するときの書き方
自前で測った数字も、道具の数字も、報告の書き方で受け取られ方が変わります。まず、点数を一つだけ出さず、言及率を質問のまとまりごとに分けて出すことです。社名を入れた質問と入れない質問、検討の初めの問いと比較の問いを分けると、どこで名前が出ていないかが見えます。
次に、単月の上下で結論を出さないことです。ぶれのある数字は、何もしなくても月によって上下します。三か月ほどの流れで見て、競合との差が広がっているか縮んでいるかを読みます。報告には、質問の本数、対象のAI、1本あたりの回数、計測した日を毎回添え、条件が変わった月には印を付けます。
最後に、数字と施策を安易に結び付けないことです。記事を直した翌月に言及率が上がっても、それが直した効果なのか、AIの側の更新なのかは分かりません。数字が動いた理由は仮説として書き、確かめ方を添えると、社内の期待が行き過ぎずに済みます。引用されるための記事の直し方そのものは「AIの回答に引用される条件」の記事で扱っています。
AIに任せる範囲と、人が決める範囲
測る作業の中にも、AIに手伝わせやすい部分があります。問い合わせの記録から質問文の候補を出させる、集めた答えの全文から社名と根拠のサイトを抜き出させる、月ごとの表を集計させる、といった作業です。ただし抜き出しの結果には、どの答えのどの文から拾ったかを根拠として書かせ、人が一部を読み比べて確かめます。
反対に、AIに判断させないのは、どの質問を一覧に入れるか、数字が良いか悪いか、次に何の施策を打つかです。どの道具を買うか、自前で続けるかも人が決めます。人が確認する範囲を「質問文の一覧」「競合の登録」「報告の結論」の三つと先に決めておくと、集計の手伝いに振り回されません。
道具選びや計測で、よく見られる失敗も挙げておきます。
- 無料の試用で一度だけ出た点数を見て、有料版の契約を決める
- 別々の道具の点数を並べて、どちらの会社が上かを社内で報告する
- 道具が自動で作った質問だけで測り、質問の中身を一度も読まない
- 順位の細かな上下を、記事の修正の成果として説明する
よくある質問
最初は自前と道具のどちらから始めればよいですか?
多くの会社では、自前から始めるのが無理のない順番です。20本ほどの質問文を2つのAIに3回ずつ投げて一度記録してみると、自社の言及率の大まかな水準と、どの質問で名前が出ないかが分かります。その結果を持って道具の試用に臨むと、道具の数字と自前の数字を突き合わせて、道具の出し方の癖を見極められます。
言及率が低いのは、すぐ直すべき問題ですか?
低いこと自体は、すぐに問題とは言えません。知名度の段階によって言及率には大きな差があり、中小の会社で一桁にとどまるのは珍しくないためです。まずは競合と同じ質問で比べ、名前が出ていない質問のまとまりを特定してから、手を打つかどうかを判断します。
道具を複数契約して、平均を取るのはよい方法ですか?
質問文と回数と対象のAIがそろっていない数字を平均しても、意味のある数字にはなりません。複数を使うなら、一つを主に決めて月ごとの流れを見る物差しにし、もう一つは対象のAIを補う目的に限るほうが、説明しやすくなります。
答えの中で自社の説明が間違っていたら、どうすればよいですか?
まず答えの全文と、根拠として示されたサイトを確かめます。古い料金や終わった製品の説明が出ている場合、多くは自社サイトや外部の掲載先に古い情報が残っていることが原因です。根拠のサイトをたどり、元の情報を直すのが近道で、AIの運営元に直接直させる手段は限られると考えておきます。直した後も、同じ質問で数か月は記録を続け、説明が変わったかを確かめます。
答えの全文は保存しておくべきですか?
保存をおすすめします。数字だけでは、なぜ名前が出なかったのか、どう書かれていたのかが後から分かりません。答えの全文があれば、書かれ方の誤りや古い情報に気づけます。自社で測る場合も、道具を使う場合も、全文を手元に残せる形にしておきます。
まとめ
LLMOツールの数字は、AIの中の決まった順位ではなく、道具が選んだ質問文をAIに繰り返し投げ、名前が出た割合や順位、書かれ方、引用元を数えた集計です。同じ質問でも答えは毎回ぶれ、同じ顔ぶれが返るのは100回に1回未満という調査もあります。数字は質問文の選び方と対象のAIの範囲でほぼ決まるため、点数だけで道具同士や会社同士を比べることはできません。質問文が少なく比べる相手も少ない段階なら、質問の一覧を作って手で定点観測し、解析ツールでAIからの流入を並べて見る自前の方法で十分です。道具を買うときは、質問文を自社で持てるか、ぶれの扱いを開示しているか、競合と比べられるか、答えの全文を書き出せるかで選びます。AIには候補出しと集計を任せ、根拠を書かせ、数字の良し悪しと施策の判断は人が持ちます。まずは20本の質問文を選び、2つのAIに3回ずつ投げて記録するところから始めてください。
※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
データ分析にAIを活かす第一歩、まずは導入から始めませんか?
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