LINE公式はBtoBで使える?|メールに次ぐ接点を育てる

LINE公式はBtoBで使える?|メールに次ぐ接点を育てる

「重要なご案内はメールでお送りします」——この前提が静かに揺らいでいます。Googleが一括送信者に対して送信ドメイン認証などの要件を強化した影響で、設定に不備のあるメールは迷惑メール判定や不達のリスクを抱えるようになりました。無事に届いても、法人の受信トレイには営業メールとメルマガが毎日積み上がり、開封されないまま流れていきます。こうした変化を受けてBtoBマーケティングでも、メール一本に頼らず接点チャネルを複線化する動きが広がってきました。その候補としてよく名前が挙がるのがLINE公式アカウントです。「LINEはBtoC向け」という印象は根強いものの、使いどころを選べばBtoBでも十分に機能します。本記事では、規模と料金の基本から、メールとの使い分け、友だち獲得と配信設計の実務、AIでの文面づくりまでを解説します。


カメ先生カメ先生

メールの開封率に悩んでいるなら、接点をメールだけに頼らない設計を考える時期かもしれないね。LINEヤフーの発表によると、LINEの国内月間ユーザー数は2025年12月末時点で1億を突破したんだよ。


カメ子カメ子

1億…!日本の人口の大部分ですね。でもLINEって、お店の予約やクーポンのイメージが強いです。うちのようなBtoB企業が使って、お客様に変に思われないでしょうか?


カメ先生カメ先生

全部をLINEに移すなら違和感があるだろうね。でもセミナーのリマインドや日程調整のように、すぐ気づいてほしい連絡ではメールより強い場面がある。「メールの代わり」ではなく「第二の接点」として役割を分けるのがコツだよ。


カメ子カメ子

置き換えではなく複線化、と考えるんですね。ちょうど来月展示会があるので、友だち獲得のチャンスかもしれません。料金と設計の基本から順番に確認していきます!


この記事のポイント
  • LINEの国内月間ユーザー数は1億超(2025年12月末時点・LINEヤフー発表)。メールが届きにくい時代の「第二の接点」になり得る
  • 向くのはリマインド・サポート連絡・継続接点。詳細な資料や公式な通知はメールに残し、役割分担で設計する
  • 無料プランの月200通から試せる。頻度・時間帯・セグメントの配信設計がブロック回避の鍵。文面の変換と出し分けはAIで回せる

メール・MAにAIを活かす第一歩、まずは導入から始めませんか?

デボノはアカウント開設・初期設定など「そもそものAI導入」から社内定着まで伴走支援。マーケティング活用など一歩進んだご相談にも対応します。

目次

メールが「送れば届く」チャネルではなくなりつつある

最初に、なぜいまBtoBでLINEが話題になるのかを整理します。背景の一つはメールの到達環境の変化です。Googleは一括送信者に対して、なりすましを防ぐ送信ドメイン認証(SPF・DKIM・DMARC)や、簡単に配信解除できる仕組みなどの要件を課すようになり、技術要件を満たさないメールは受信トレイに届く前に弾かれ得る時代になりました。正しく設定していても、迷惑メール報告が積み重なれば到達率は下がっていきます。

もう一つの背景は、届いた後の競争です。法人の受信トレイには日々大量の営業メール・メルマガ・通知が流れ込み、自社の1通は件名の一行で読み飛ばしの判断をされます。電話は取り次がれにくくなり、訪問営業の機会も減った。そこで、ウェビナー・SNS・オウンドメディアと並ぶ選択肢として、プッシュ通知で相手のスマートフォンに直接届くLINEが検討の土俵に上がってきたわけです。

ここで大切なのは、複線化とは「同じ内容を2つのチャネルで送ること」ではない、という点です。チャネルごとに得意な役割を割り当て、全体として接点が途切れない設計にする。本記事で扱うのは、その中でLINE公式アカウントにどの役割を持たせるか、という話です。

LINE公式アカウントの基本:規模と仕組み

まず規模から確認します。LINEヤフーは、LINEの国内月間ユーザー数が2025年12月末時点で1億を突破したと発表しました。スマートフォンでLINEアカウントを保有し月1回以上起動したユーザーの数で、日本の人口の約8割に相当する規模です。BtoBの文脈でこの数字が意味するのは、取引先の担当者も決裁者も、一人の生活者としてほぼ確実にLINEを日常利用しているということです。新しいアプリを入れてもらう必要がない——これが他のチャネルにはない出発点です。

LINE公式アカウントは、企業や団体がLINE上に開設するアカウントで、友だち追加してくれた相手へのメッセージ配信、1対1のチャット、トーク画面下部のリッチメニューなどが使えます。開設自体は無料で、企業として本格運用するなら審査を経た認証済みアカウントにすると、LINEアプリ内の検索結果への表示や請求書決済への対応など運用面の選択肢が広がります。

メールとの根本的な違いは、リストの成り立ちです。メールアドレスは名刺交換やフォーム入力で企業側が取得しますが、LINEの友だちは相手が自分の意思で追加します。同意が構造に組み込まれている分、獲得の難度は高く、そしてブロックは一瞬です。この非対称性が、後述する配信設計の規律を要求します。

料金プラン:無料の200通から始められる

料金は月額固定費と無料メッセージ通数の組み合わせで、2026年7月時点では次の3プランです。

プラン月額固定費(税別)無料メッセージ通数追加メッセージ
コミュニケーション0円200通/月不可
ライト5,000円5,000通/月不可
スタンダード15,000円30,000通/月可(約3円/通から配信量に応じて低減)

課金の仕組みで押さえるべきは、カウント対象の線引きです。通数を消費するのは絞り込み配信やステップ配信を含む「メッセージ配信」とAPI経由の一斉送信で、1対1のチャット・応答メッセージ・あいさつメッセージはカウントされません。つまり、問い合わせ対応や自動応答だけなら無料プランでもほぼ費用がかからず、課金されるのは能動的なプッシュ配信だけという構造です。通数は配信した人数分を消費するため、友だち1,000人への一斉配信は1回で1,000通と数えます。

BtoBでの現実的な目安も添えておきます。友だちが500人いれば、全員への一斉配信は1回で500通。コミュニケーションプランの200通では全体配信が1回もできない計算です。小さなセグメントへのテスト配信だけなら無料で回せますが、月1回以上の全体配信を想定するならライトプラン以上を見込んでおくのが安全です。

  • 料金プランや無料通数は改定されることがある。導入判断の前に必ずLINEヤフー公式サイトで最新の内容を確認する
  • コミュニケーションプランとライトプランは無料通数を超える配信ができず、上限到達後は翌月まで配信が止まる。通数の残量管理が必須
  • 追加メッセージを使えるのはスタンダードプランのみ。単価は配信量が増えるほど段階的に下がる

BtoBでの位置づけ:メールの代替ではなく第二の接点

結論から言えば、BtoBの主要な業務連絡をLINEに移す必要はありませんし、移すべきでもありません。見積書・契約・議事録・稟議に回る資料——BtoBの取引の記録はメールと文書で動いており、この領域は今後もメールが主役です。LINEに期待する役割はそこではなく、「いま気づいてほしい短い連絡」と「ゆるく続く接点の維持」という、メールが不得意になった領域です。

たとえばセミナー当日の朝のリマインドは、メールで送っても受信トレイの奥で気づかれないことが多い一方、LINEならプッシュ通知とトーク一覧の未読表示で目に入ります。逆に、20ページの製品資料はLINEで送っても読みにくく、メール添付やダウンロードリンクの方が扱いやすい。「今すぐ気づいてほしい連絡」はLINE、「記録として残す情報」はメール——この一行が使い分けの原則です。

この役割分担で運用すると、LINEの配信頻度は自然と低く抑えられ、1通あたりの価値が上がります。結果としてブロックされにくくなり、接点が長持ちする。役割を欲張らないことが、BtoBでのLINE活用がうまくいく最大の条件です。

向いている場面:リマインド・サポート・継続接点

BtoBでLINE公式アカウントが力を発揮しやすい場面を具体的に挙げます。共通するのは、即時性が価値になる連絡と、個人との距離が近い関係です。

  • セミナー・展示会・商談のリマインド:開催前日・当日朝の通知で無断欠席を減らす。日程変更の連絡も確実に届きやすい
  • サポート・日程調整の連絡:1対1チャットで完結。電話のすれ違いとメールの埋没を回避できる
  • 士業・会計事務所・地域密着型サービス:経営者個人とつながる商売では、月次の締め切り連絡や制度変更の速報が喜ばれる
  • 研修・HR系サービス:受講者への課題リマインドや当日連絡など、社外の個人多数と継続的にやりとりする業態

これらに共通するもう一つの特徴は、配信の対象と目的が明確なことです。セミナーのリマインドは申込者だけに送ればよく、全友だちへの一斉配信は不要です。つまり向いている用途から始めると、配信は自然にセグメント型になり、通数もブロックリスクも小さく収まるのです。用途を決めずに「とりあえず月1でお知らせを配信」から入ると、この逆の状態になります。

向いていない場面も正直に押さえる

一方で、LINEが不向きな場面もはっきりしています。第一に、複数部門の関係者が関わる大型商談です。稟議・比較検討・議事録といった記録性と共有性が求められるやりとりは、個人のトーク画面に閉じるLINEとは相性がよくありません。第二に、機密性の高い情報のやりとり。契約条件や個人情報を含む連絡を私的な感覚の強いアプリで受け取ることに、抵抗を感じる担当者は少なくありません。

相手側の事情もあります。会社支給スマートフォンでアプリの利用が制限されている、私物のLINEに仕事の連絡を入れたくない——そうした方針の企業や個人は確実に存在します。だからこそ、LINEへの誘導は任意であるべきで、メールでも同じ情報を受け取れる状態を残したまま、希望者だけをLINEに迎えるのが正しい設計です。全顧客のLINE移行を目標にした瞬間、この施策は嫌がられるものに変わります。

導入前には、自社側の体制も確認しておきましょう。チャットが開通するということは、返信を待つ相手が生まれるということです。誰が・どの時間帯に・どこまで返すのかを決めずに始めると、問い合わせが放置されて逆に印象を損ねます。また、トーク履歴には顧客とのやりとりが蓄積されるため、担当者の退職や交代時の引き継ぎ方法、個人情報の扱いに関する社内ルールとの整合も事前に整理が必要です。小さく始める場合でも、返信体制と情報管理の2点だけは先に決めてください。ここが曖昧なままだと、せっかくの接点が「開いているのに応答しない窓口」になってしまいます。

メールとLINEの使い分け比較

ここまでの話を、実務で判断に使える形で一覧にまとめます。どちらが優れているかではなく、役割の違いを見るための表です。

比較項目メールLINE公式アカウント
到達のしやすさ認証要件・迷惑メール判定の影響を受ける友だち関係が続く限りプッシュ通知で届く
読まれやすさ受信トレイで大量のメールと競合し埋もれやすいトーク一覧に未読表示が残り気づかれやすい
リストの獲得名刺交換・フォームで取得しやすい相手の能動的な追加が必要で獲得の難度が高い
コスト配信ツール費が中心で通数課金は少なめ無料枠を超えるとプラン料金+通数課金
表現・情報量長文・添付・HTMLメールで詳細を伝えられる短文向き。リッチメニューやカード型で操作を促せる
向く用途資料送付・公式な通知・検討材料の定期便リマインド・速報・1対1のやりとり

表で目を引くのは「リストの獲得」の非対称性です。メールアドレスは商談の過程で自然に集まりますが、LINEの友だちは意図的に設計しないと増えません。BtoBでのLINE活用の成否は、実はこの獲得設計でほぼ決まります。次の2セクションで、獲得の実務を場面別に見ていきます。

実際の運用では、両チャネルをリレーのようにつなぐと効果的です。たとえばセミナー集客なら、集客と資料送付はメールで行い、申込者にはLINEを案内して前日・当日のリマインドを届け、終了後のお礼と録画案内はメールとLINEの両方で送る。情報の重さで送り分け、確実に届けたい瞬間だけ両方を使うという設計です。どちらか一方に寄せる必要はなく、相手が受け取りやすい方で受け取ってもらえばよい——複線化とはそういう柔軟さのことです。この型を一度作っておけば、展示会でもウェビナーでも同じ流れを使い回せて、施策ごとに設計をやり直す手間もなくなります。

友だち獲得の実務1:展示会・セミナーが最大の入口

BtoBで友だちが最も増えるのは、対面接点のある場です。展示会なら、ブースの目立つ位置にQRコードを掲示し、名刺交換とセットで「本日の資料はLINEからもダウンロードできます」と案内する。その場で価値があるもの(資料・ノベルティ・抽選)と引き換えにするのが定石で、LINE運用支援各社の展示会活用の解説でも、資料ダウンロードや抽選を追加のきっかけにする設計が紹介されています。会期後は、来場お礼のメッセージとアンケート、非来場の友だちには展示内容のまとめ資料を送る、といったフォローまでが一続きの設計です。

セミナーやウェビナーでは、申込完了ページとリマインドメールにQRコードを置き、「開催前日と当日朝にLINEでもお知らせします」と案内します。リマインドという参加者自身のメリットと直結しているため追加されやすく、獲得の瞬間から「届いてうれしい配信」の実績が積み上がるのが利点です。当日のスライド最終ページに資料配布の導線として載せるのも効果的です。

どの場面でも欠かせないのが、追加時の予告です。「月2回、セミナー情報と業界ニュースをお送りします」のように、何がどの頻度で届くかを先に伝えておく。この一言が、期待とのずれによる早期ブロックを防ぐ最も安い保険になります。

友だち獲得の実務2:サイト・メール・名刺の常設導線

対面の機会は年に数回しかありません。日常の獲得は常設導線で積み上げます。効果的なのは、Webサイトのコンバージョン直後のページです。資料ダウンロード完了ページや問い合わせ完了ページに「続報はLINEでも受け取れます」と追加ボタンを置くと、関心が最も高い瞬間を捉えられます。逆に、トップページにバナーを置くだけではほとんど増えないのが実情です。

既存のメール接点も獲得装置になります。メール署名とメルマガのフッターに友だち追加リンクを常設し、ときどき本文でも「メールが届かない場合に備えてLINEでも配信しています」と案内する。これは受け手にとっても、迷惑メール判定や担当者変更でメールが途切れたときの保険として意味があります。名刺の裏面にQRコードを刷っておけば、名刺交換のたびに小さな獲得機会が生まれます。どの導線も一つひとつは地味ですが、止まらずに積み上がるのが常設の強みです。

獲得の成果は、経路別に測れるようにしておきます。LINE公式アカウントには友だちの追加経路を分けて計測する仕組みがあるため、展示会・サイト・メール署名といった導線ごとに専用の追加用QRコードやリンクを発行しておくのが基本です。月次で経路別の追加数を集計すれば、どの導線が効いているかが分かり、注力先を判断できます。数字が見えると「展示会のQRの掲示位置を変えたら追加が増えた」といった小さな改善も回り始めます。獲得目標は背伸びせず、最初の四半期は月数十人単位の現実的な水準から始めるのが長続きのコツです。

ブロックされない配信設計の考え方

獲得した友だちは、配信の質が悪ければ簡単に失われます。メールの配信解除と違い、ブロックされた相手との接点はほぼ再獲得できません。だからLINEの配信設計は「何を送れるか」ではなく「何を送らないか」から考えます。まず、やりがちな失敗を並べます。

  • 毎週のように全員へ一斉配信する:BtoBの受け手に週次のプッシュ通知は過剰。ブロックの最大要因になる
  • メールの文面をそのまま流用する:長文の挨拶と署名はトーク画面では読まれない。1画面に収まる長さに書き直す
  • 深夜・早朝・休日に配信する:私的な時間に仕事の通知が鳴ると心証を損ねる。業務時間内に限定する
  • 追加時に配信内容を予告しない:期待とのずれが早期ブロックを招く。頻度と内容を先に伝える

原則はシンプルで、1配信1用件・短文・受け手にとっての情報価値、の3点です。「今月のお知らせ」のような寄せ集め配信をやめて、セミナー案内ならセミナー案内だけを、対象者を絞って送る。配信のたびに管理画面でブロック数を確認し、増えた配信の共通点を探す——この地道な観測が、自社の顧客にとっての適量を教えてくれます。

配信設計の実務仕様1:頻度と時間帯

頻度は、BtoBなら月2〜4回程度を上限の目安として始め、反応を見ながら調整するのが現実的です。根拠は単純で、BtoBの配信ネタ(セミナー・事例・制度変更など)は月に何本も発生しないからです。ネタがない月に無理に配信枠を埋めることが、価値の薄い配信と離脱の入口になります。「毎月○回送る」ではなく「送る価値があるときだけ送る」を運用ルールに明文化しておくと、担当者交代後も配信品質が守られます。

時間帯は、受け手が仕事モードでスマートフォンを見る瞬間を狙います。出社直後や昼休み、夕方の移動時間帯が候補で、深夜・早朝・休日は前述の通り避けるべき時間です。曜日は、週初は未処理の連絡に埋もれやすく、金曜夕方は週明けまで忘れられやすい、という一般的な傾向を踏まえて火曜から木曜の日中を起点にテストするとよいでしょう。自社の友だちにとっての正解は、配信時刻を変えて開封とクリックを比べる小さなテストでしか分からないため、目安はあくまで出発点です。

なお、頻度設計はコスト設計でもあります。配信は人数分の通数を消費するため、全体配信を月2回から3回に増やすだけで通数は1.5倍。セグメント配信中心の設計は、体験の質と料金の両方に効きます。

配信設計の実務仕様2:セグメントと出し分け

LINE公式アカウントには、属性やオーディエンスで対象を絞る絞り込み配信の機能があります。BtoBで特に実用的なのは、友だち追加経路やクリック履歴をもとにしたオーディエンスです。展示会経由で追加した人、セミナー申込者、既存顧客——獲得の場面ごとにオーディエンスを分けておけば、「セミナーのリマインドは申込者だけ」「新機能の案内は既存顧客だけ」という配信が実現します。

セグメント配信を主軸に置くと、良いことが連鎖します。受け手には関係のある情報しか届かないので反応率が上がり、ブロックが減る。配信人数が絞られるので通数コストが下がる。反応データがセグメント単位で溜まるので、次の企画の精度が上がる。全体配信は月1回以下、それ以外はすべてセグメント配信くらいの構えが、BtoB運用の安定形です。獲得時にどの経路から来た友だちかを記録しておくことが、この設計の前提になるため、導線づくりの段階でオーディエンスの分け方まで決めておきましょう。

リッチメニューと自動応答で「待ちの接点」を作る

配信(こちらから押しかける接点)ばかりに目が行きがちですが、LINEには「相手が来てくれる接点」もあります。トーク画面下部に常設できるリッチメニューです。資料請求・セミナー一覧・よくある質問・問い合わせ、といった入口を並べておけば、配信していない期間も友だちが自分のタイミングでアクションを起こせます。配信頻度を抑えたまま接点の稼働率を上げられるのが、リッチメニューの価値です。

さらに、あいさつメッセージと応答メッセージは通数にカウントされない無料の自動接点です。友だち追加直後のあいさつで配信内容の予告と問い合わせ方法を案内し、営業時間外の問い合わせには応答メッセージで一次回答を返す。人が対応すべきものは1対1チャット(これも無料)に引き継ぐ。プッシュ配信を最小限に抑えながら、受けの体制を厚くする——この組み合わせがBtoBらしい上品な運用です。

リッチメニューの設計は、BtoBでは欲張らないのがコツです。項目は多くても6つまでにし、「資料ダウンロード」「セミナー情報」「よくある質問」「問い合わせ」など、相手がいますぐ用件を済ませられる入口を優先します。会社紹介やSNSリンクのような急ぎでない項目は後回しで構いません。また、作りっぱなしにせず、展示会シーズンには出展情報に差し替えるなど内容に季節性を持たせると、接点の鮮度が保てます。どの項目がタップされているかを見れば、友だちが自社に何を求めているかの小さな調査にもなります。

始める手順:4ステップ

ここまでの内容を、立ち上げの手順に落とし込みます。小さく始めて検証で育てる流れです。

STEP1
アカウント開設と初期設定

LINE公式アカウントを開設し、企業運用なら認証済みアカウントを申請。プロフィール・あいさつメッセージ・リッチメニューを整えます。

STEP2
役割と配信ルールの明文化

メールとの役割分担、頻度の上限、配信可能な時間帯、文面の確認フローを1枚のルールにまとめ、チームで合意します。

STEP3
友だち獲得の導線設置

展示会・セミナー・完了ページ・メール署名・名刺に導線を敷き、追加時に配信内容と頻度を予告します。獲得経路の記録も忘れずに。

STEP4
小さく配信して検証

セグメント配信から開始し、開封・クリック・ブロック数を配信ごとに記録。数字を見ながら頻度と内容を調整します。

最初の3か月は、友だち数よりも「ブロック率の低さ」と「リマインド配信への反応」を見ることをおすすめします。母数が小さいうちに配信の型を固めておけば、友だちが増えた後も接点の質を保てます。焦って獲得キャンペーンから入ると、受け皿が整わないまま友だちを消耗させることになります。

AIで配信文面と出し分けを回す

LINE運用の日常業務は、実は文章の変換作業が中心です。セミナー案内のメールを200字のLINE文面に圧縮する、同じ告知を展示会経由の友だちと既存顧客向けに書き分ける——この種の作業は生成AIの得意分野です。プロンプトの例を挙げます。

あなたはBtoB企業のLINE公式アカウント運用担当です。
以下のセミナー案内メールを、LINE配信用に書き換えてください。
・元のメール文面:(ここに貼る)
・配信先:展示会で友だち追加した見込み客
・条件:本文200字以内/冒頭1行で用件が分かる/絵文字は2つまで/リンクは1つ
パターンA(情報提供トーン)とパターンB(リマインドトーン)の2案を出し、
どちらがこの配信先に合うか、理由を添えて推薦してください。

セグメントごとの書き分けも同じ要領で、配信先の獲得経路と関係性をプロンプトに含めれば、トーンの違う複数案が数分で揃います。人の仕事は、事実関係の確認と最終判断です。LINEの配信は取り消しがきかず、誤送信はメール以上に目立ちます。AIの下書き→人のダブルチェック→テスト配信→本配信という流れを崩さないことが、スピードと安全の両立になります。配信後の開封・クリック・ブロックの数字をAIに渡して、次回の改善点を挙げさせるところまで含めて仕組み化すれば、少人数でも配信品質を上げ続けられます。

まとめ

LINE公式アカウントはBtoBで使えるのか——答えは「役割を絞れば使える」です。国内月間1億ユーザー(2025年12月末時点)という基盤の上で、リマインド・サポート連絡・継続接点という即時性の領域を受け持たせ、記録性の高いやりとりはメールに残す。無料の200通から始められ、課金対象はプッシュ配信だけという料金構造も、小さく試す運用と相性が良好です。成否を分けるのは、展示会・セミナー・完了ページに敷く獲得導線と、追加時の予告・月2〜4回・業務時間内・セグメント中心というブロックされない配信設計。文面の圧縮と書き分けはAIに任せ、人は確認と判断に集中してください。メールが届きにくくなる流れは今後も続きます。接点の複線化は、早く始めた企業ほど静かな差になって効いてきます。まずは自社のメール開封率とセミナー欠席率を眺めて、LINEが埋められる穴を1つ特定するところから始めましょう。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

メール・MAにAIを活かす第一歩、まずは導入から始めませんか?

デボノはアカウント開設・初期設定など「そもそものAI導入」から社内定着まで伴走支援。マーケティング活用など一歩進んだご相談にも対応します。

運営会社:株式会社デボノ

目次