競合の広告出稿を調べる方法|無料ツールとAIで狙いを読む

競合の広告出稿を調べる方法|無料ツールとAIで狙いを読む

「気づいたら競合が広告を強化していた」「自社も広告を始めたいが、他社がどんな訴求で出しているのか見当がつかない」——広告の担当になった途端、競合の動きが急に気になり始めます。実は現在、GoogleもMetaも、掲載中の広告を誰でも閲覧できる公式の透明性ツールを無料で公開しており、競合の広告クリエイティブは、お金をかけずに正々堂々と調べられるようになっています。本記事では、Google広告の透明性センターとMeta広告ライブラリを中心とした調査の手順、広告コピーと遷移先LPから狙いを読み解く視点、掲載期間や媒体から予算感を推測する考え方、そして集めた情報をAIで訴求マップに整理する方法までを、実際の作業順で解説します。あわせて、競合の広告をクリックしてはいけない理由など、調査のマナーと模倣との線引きも押さえます。


カメ先生カメ先生

競合の広告はね、今は公式ツールで堂々と見られるんだ。GoogleにもMetaにも、掲載中の広告を誰でも検索できる無料の公開ページが用意されているんだよ。


カメ子カメ子

えっ、広告って配信された人しか見られないと思っていました。でも、競合のものをのぞき見するみたいで、少し後ろめたい気もします…。


カメ先生カメ先生

もともと広告の透明性を高めるために各社が公式に用意した仕組みだから、閲覧は正当な使い方だよ。ただし、競合の広告をむやみにクリックしない、表現を写さないというマナーは守る必要があるね。


カメ子カメ子

見るのは公認、でも節度は必要ということですね。まずはどのツールで何が見られるのか、整理するところから始めてみます!


この記事のポイント
  • GoogleとMetaは掲載中の広告を誰でも見られる公式の透明性ツールを無料提供しており、競合のクリエイティブと訴求軸を確認できる
  • 調査は「対象と問いを決める→ツールで収集→コピーとLPで訴求を読む→期間と媒体から戦略を推測」の手順で進め、AIで訴求マップに整理する
  • 競合広告のクリックや広告文の丸写しはNG。見える事実と推測を区別し、確認できない予算などを断定しない

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目次

競合の広告は「見えない時代」から「見える時代」へ

かつて競合の広告を知る方法は、自分がたまたま配信対象になって見かけるか、有料の調査ツールを契約するかしかありませんでした。状況を変えたのが、広告プラットフォーム自身による透明性ツールの公開です。Googleは2023年3月に、広告主が掲載した広告を検索・閲覧できる広告透明性センター(広告の透明性について)の提供を世界で開始しました。Metaも、FacebookやInstagramで配信中の広告を誰でも見られる広告ライブラリを公開しています。

背景にあるのは、広告の出所や内容に対する社会的な透明性要求です。つまりこれらのツールは、こっそりのぞき見るための抜け道ではなく、プラットフォームが公式に用意した、誰でも使ってよい公開情報です。競合調査への利用も正当な使い方であり、ログインも費用も必要ありません。

BtoBにとってこの変化は大きな意味を持ちます。広告は各社のマーケティング戦略がもっとも凝縮された公開物です。どの製品を前に出し、誰に、何を約束しているのか。営業資料や価格表は手に入らなくても、広告なら合法的に一覧できます。まずはこの2つの公式ツールを軸に、調査の型を作っていきましょう。

先に線引き:調査でわかること・わからないこと

着手前に、透明性ツールの守備範囲を正しく理解しておきます。わかるのは、広告のクリエイティブ(画像・動画・テキスト)、広告文、配信されている媒体やフォーマット、掲載時期や掲載期間といった「何を・いつ・どこに出しているか」です。一方で、表示回数やクリック率などの成果データ、詳細なターゲティング設定、投下している予算額は公開されません。

この線引きを誤ると、調査は簡単に迷走します。ツールで見えるのは出稿の事実であって効果ではないため、「出している広告」イコール「効いている広告」とは限らない点に注意が必要です。ただし手がかりはあります。同じクリエイティブが数か月にわたって配信され続けているなら、成果が出ているから継続している可能性が高い、という推測が成り立ちます。

つまり競合広告調査とは、見える事実(クリエイティブ・期間・媒体)を集め、見えない部分(戦略・予算・手応え)を推測する営みです。事実と推測を区別しながら進めることが、後工程のAI整理でも効いてきます。

調査の全体像:5つのステップ

調査は次の5ステップで進めます。初回はステップ1〜3だけでも十分に発見があります。

STEP1
調べる競合と「知りたいこと」を決める

直接競合と、検索結果で自社とぶつかる会社をあわせて3〜5社に絞り、調査の問いを立てます。

STEP2
公式ツールで広告を収集する

Google広告の透明性センターとMeta広告ライブラリで各社の広告を確認し、スクリーンショットで記録します。

STEP3
広告コピーと遷移先LPから訴求を読み取る

見出し・説明文・LPの構成から、各社の訴求軸と想定ターゲットを言語化します。

STEP4
期間・媒体の傾向から戦略を推測する

掲載期間の長さや出稿媒体の広がりから、注力度合いと予算感の仮説を立てます。

STEP5
AIで訴求マップに整理し、自社の打ち手に落とす

収集した広告文をAIに渡して訴求軸で分類し、空いているポジションを探します。

以降のセクションで、各ステップを作業の順番どおりに解説します。所要時間の目安は、初回がツールの操作込みで2〜3時間、2回目以降は1時間程度です。月1回の定例作業にすると、競合の変化に気づけるようになります。調査の頻度に迷ったら、競合の広告が動く頻度に合わせるのが目安です。出稿の入れ替わりが激しい業界なら月1回、動きの少ない業界なら四半期に1回でも、変化を捉える目的は果たせます。

手順1:調べる競合と「問い」を決める

最初に決めるのは対象と問いです。対象は、営業現場で名前が挙がる直接競合に加えて、主要キーワードで検索したときに広告や検索結果の上位に出てくる会社を含めます。自社が認識している競合と、広告面でぶつかる競合は一致しないことが多いためです。合計3〜5社に絞ると、後の分析が現実的な作業量に収まります。

問いは具体的にします。「競合は何をしているか」では漠然としすぎて、集めた画像の山を眺めて終わります。「A社はどの製品ラインを広告で推しているか」「各社はリード獲得の特典に何を使っているか」「価格訴求をしている会社はあるか」のように、答えが出たら自社の行動が変わる問いを2〜3個立ててから調べ始めてください。

記録の型も先に決めておくと楽です。おすすめは、スクリーンショットに「取得日・媒体・競合名」をファイル名として付けて1フォルダに集める方式です。透明性ツールは過去にさかのぼれる範囲に限りがあるため、日付付きの記録そのものが自社だけの資産になります。

手順2:Google広告の透明性センターで出稿を確認する

Google広告の透明性センターは、検索窓に広告主の名前またはウェブサイトのURLを入力すると、その広告主が掲載した広告の一覧を表示してくれる無料ツールです。絞り込み条件として、表示地域(国単位)、期間、広告フォーマット(テキスト・画像・動画)を指定できます。日本に絞り込めば、国内向けの出稿だけを確認できます。海外にも展開している競合なら、地域を切り替えて海外向けの訴求と見比べるのも発見があります。国内では価格訴求、海外では機能訴求といった違いは、その会社の戦略の優先順位を映します。

見方のコツは、フォーマット別に戦略を読むことです。テキスト広告が並んでいれば検索広告の訴求パターンが分かり、動画があればYouTube面への出稿がうかがえます。同じ商材でも見出しの言い回しが複数あれば、広告文のテストを回している可能性があります。最終掲載日を見れば、その広告がいまも動いているのか過去のものかの見当も付きます。

制限も押さえておきましょう。表示されるのは、Googleの広告主確認(適格性確認)を済ませた広告主の広告に限られ、表示回数や費用などの数値は一切出ません。あくまで「どんな広告を出しているか」を確認する場所と割り切って使います。

手順3:Meta広告ライブラリでSNS広告を確認する

Meta広告ライブラリは、FacebookやInstagramなどMetaのプラットフォームで配信中の広告を誰でも閲覧できる公開データベースです。会社名やブランド名で検索すると、その広告主のFacebookページに紐づく配信中の広告が一覧表示され、クリエイティブ本体、広告文、CTAボタン、掲載開始日、配信プラットフォーム(Facebook・Instagram・Messenger・Audience Network)を確認できます。

注目すべきは掲載開始日です。広告費を払い続けている以上、長く配信されている広告には続ける理由があります。数か月以上配信され続けている広告は、成果の出ている勝ちパターンの可能性が高いというのが、競合分析での定番の読み方です。同じ広告の画像違い・文言違いが複数並んでいれば、クリエイティブテストの真っ最中だと推測できます。

制限は、原則として確認できるのが配信中の広告に限られることです(政治・社会問題など一部の領域を除く)。停止された広告は追えなくなるため、気になる競合は月1回など定期的に確認し、スクリーンショットを日付付きで残しておくと、時系列の変化を後から比較できます。

応用:企業名ではなく業界キーワードで横断検索する

Meta広告ライブラリの検索窓には、企業名だけでなく一般のキーワードも入力できます。「勤怠管理」「経費精算」のような業界の一般語で検索すると、その領域に出稿しているプレイヤーを横断的に一覧でき、ノーマークだった新規参入や異業種からの越境に気づけます。支援会社の解説でも、特定企業の追跡だけでなく業界全体での検索がリサーチのコツとして挙げられています。

横断検索で見るのは、個別の広告文よりも全体の傾向です。静止画と動画の比率、カルーセルの使われ方、訴求の流行(コスト訴求が増えているか、事例訴求が増えているか)を眺めると、業界のクリエイティブの相場観がつかめます。相場に乗るのか、あえて外すのか。業界の標準を知ってから外すのと、知らずに外れているのとでは、結果の再現性がまったく違います。

手順4:実際に検索して検索広告の出方を確かめる

透明性センターと並行してやりたいのが、主要キーワードで実際に検索してみることです。自社の主戦場となるキーワードで検索し、どの会社が、どの順番で、どんな広告文とサイトリンクを出しているかを観察します。ブラウザのシークレットモードを使うと、自分の閲覧履歴の影響を減らせます。検索広告は時間帯・曜日・地域や予算消化の状況で表示が変わるため、平日昼と夜など条件を変えて数回確認すると実態に近づきます。

ここで絶対に守りたいのが、競合の広告をクリックしないというマナーです。検索広告はクリック課金であり、クリックするたびに競合に広告費が発生します。故意の連続クリックは業界のマナー違反であるだけでなく、自社が同じことをされる火種にもなります。遷移先を確認したいときは、広告に表示されているURLをメモして、ブラウザに直接入力してアクセスしてください。

観察の記録では、広告見出しと説明文だけでなく、表示URLやサイトリンク、電話番号・住所・価格表示といったアセット(旧・広告表示オプション)の使い方まで残しておきます。アセットを丁寧に設定している会社は検索広告の運用練度が高い可能性があり、逆に見出しだけの素っ気ない広告なら、出稿はしていても注力度は低いと読めます。広告の作り込み具合そのものが、競合の本気度を測る物差しになります。

手順5:オークション分析で「ぶつかる相手」を数字で見る

自社がすでにGoogle広告を出稿しているなら、管理画面のオークション分析レポートが使えます。これは自社と同じ広告オークションに参加した他の広告主を一覧し、インプレッションシェア(表示機会のうち実際に表示された割合)、広告の重複率、優位表示シェアなどの指標で比較できるレポートで、検索キャンペーンのほかショッピング、P-MAXでも利用できます。

実務での価値は、感覚ではなく数字で競合を把握できることです。営業現場では名前を聞かない会社がインプレッションシェア上位にいれば、広告面では強力な競合だと分かります。見慣れない社名が突然リストに現れたら、新規参入や出稿強化のサインです。週次または月次で推移を記録しておくと、競合が入札を強めた時期と自社のクリック単価上昇が重なっている、といった因果の仮説も立てられます。

透明性センターが「何を出しているか」を教えてくれるのに対し、オークション分析は「どのくらい正面からぶつかっているか」を教えてくれます。2つを組み合わせると、競合の広告戦略がぐっと立体的に見えてきます。なお、オークション分析に表示されるのは自社と競合したオークションの範囲に限られるため、市場全体を網羅した一覧ではない点も頭に入れておきましょう。

手順6:広告コピーから訴求軸を抜き出す

広告を集めたら、読み解きに入ります。まず各社の見出しと説明文を書き出し、訴求の種類で分類します。BtoBでよく使われる訴求軸は、価格・コスト(月額いくら・初期費用ゼロ)、実績・権威(導入社数・シェア・受賞)、スピード(最短即日・すぐ使える)、機能・専門性(業界特化・独自機能)、安心(サポート体制・セキュリティ認証)あたりです。1社につき5〜10本も見れば、推している軸が浮かび上がります

時系列の変化も情報です。以前は機能訴求だった会社が実績訴求に切り替えていたら、機能では差別化しきれなくなった、あるいは導入社数が増えて武器になった、という仮説が立ちます。数字の使い方にも各社の癖が出ます。そしてどの会社も言っていない訴求軸が見つかれば、それは自社が独占できる空き地かもしれません。この分類作業は、後述するAI整理との相性が抜群です。

分類の実務は表計算ソフトが便利です。列は「会社名・媒体・見出し・説明文・訴求軸・オファー・取得日」の7つで十分。1つの広告に訴求軸が2つ以上あれば両方書いてかまいません。この一覧表が、次のセクションのLP分析、そして後半のAI整理の入力データになります。人が手を動かすのは書き出しまでで、分類から先はAIに任せられます。

手順7:遷移先LPまで見て初めて狙いがわかる

広告は入口にすぎず、本当の狙いは遷移先のランディングページ(LP)に表れます。広告文が同じでも、LPが製品総合ページなのか、キャンペーン専用ページなのか、資料請求フォーム直行なのかで、狙っている検討段階がまったく違います。広告とLPはセットで1つの戦略として観察してください。見るべきポイントは次の5つです。

  • ファーストビューのコピー:広告の約束と一致しているか、誰向けの製品と明言しているか
  • CTAの種類:資料請求・無料トライアル・デモ予約・問い合わせのどれを推しているか
  • フォームの項目数:少なければ量重視、多ければ質重視のリード獲得方針
  • 実績・事例の見せ方:ロゴの数、事例の業界、数値の出し方
  • 価格の出し方:明示しているか、非公開で商談に誘導しているか
  • フォーム以外の接点:電話番号・チャット・FAQなど、問い合わせのハードルを下げる工夫があるか

この5点を競合ごとに記録すると、各社のリード獲得方針が透けて見えます。たとえばフォームが姓名とメールアドレスだけなら、まず接点を最大化して後から育てる方針、部署・役職・電話番号まで求めるなら、営業が追える確度の高いリードだけを取る方針だと読めます。自社のLP設計を見直す材料としても、そのまま使えます。

LPも広告と同じく生き物です。同じ広告からの遷移先が時期によって変わっていたら、LPのABテスト中か、キャンペーンの切り替えが起きています。ページ全体を撮れるスクリーンショット機能で日付付きの記録を残しておくと、ファーストビューの変更や価格の出し方の変化といった、単発の閲覧では気づけない動きまで追跡できます。

手順8:期間と媒体から予算感・戦略を推測する

個々の広告を見終えたら、引いた視点で傾向をつかみます。着眼点は2つ。1つ目は掲載期間の長さと入れ替わりの頻度です。同じ広告を長く出し続けているなら勝ちパターンの安定運用、頻繁に差し替えているなら試行錯誤の最中か、キャンペーンを細かく打っている可能性があります。2つ目は媒体の広がりです。検索広告だけの会社と、検索・SNS・動画まで展開している会社では、広告予算の規模感が違うと推測できます。

時期のパターンも見逃せません。展示会シーズンや期末に出稿が増える会社は、営業計画と広告を連動させています。ただし、ここで得られるのはあくまで仮説です。透明性ツールから予算額そのものは分からないため、「A社は年間数千万円使っているはずだ」といった断定を社内資料に書くのは避け、「媒体の広がりから相応の投資がうかがえる」といった表現に留めるのが誠実です。

予算感の推測には、自社の運用データも物差しになります。自社の平均クリック単価と、オークション分析で見える競合のインプレッションシェアを組み合わせると、競合の検索広告への投下額をおおまかなレンジで見積もれます。精密な数字にはなりませんが、「自社の2倍は使っていそうだ」程度の相場観でも、予算稟議の説得材料としては十分に機能します。

AI整理術1:広告文を訴求マップにする

ここからは、集めた情報の整理にAIを使います。もっとも効果が大きいのが訴求マップづくりです。書き出した各社の広告見出し・説明文をまとめてAIに渡し、訴求軸ごとに分類させると、手作業なら数時間かかる整理が数分でたたき台になります。プロンプトの例を示します。

あなたはBtoBマーケティングの競合分析の専門家です。
以下は競合3社の検索広告・SNS広告の広告文の書き出しです。
(ここに収集した広告文を貼り付け)
お願いしたいこと:
1. 広告文を訴求軸(価格・実績・スピード・機能・安心など)で分類し、会社×訴求軸のマトリクスにする
2. 各社がもっとも繰り返している訴求を1つずつ挙げる
3. どの会社も使っていない訴求軸の空白を指摘する
注意:貼り付けた広告文に書かれていないことは、推測と明記してください。

ポイントは最後の一文です。AIは頼まなくても行間を埋めようとするため、事実(広告文にある表現)と推測(AIの解釈)を分けて出力させることで、後から検証できる整理になります。マトリクスの空白セルは、そのまま自社の差別化候補です。

訴求マップは一度作って終わりではなく、調査のたびに広告文を追記して育てます。過去の分類結果を同じチャットに渡して差分だけ分類させれば、2回目以降の整理は10分程度で済みます。四半期分たまると、競合がどの訴求を捨ててどれを残したかという淘汰の履歴が見え、勝ち訴求の推定精度が上がっていきます。

AI整理術2:ポジショニング比較表を作る

訴求マップができたら、LP調査の結果も合わせて、競合と自社を1枚で見比べるポジショニング比較表に仕上げます。形式はシンプルで構いません。以下は整理の枠組みの例です。

観点競合A競合B自社
主な訴求軸導入実績・シェア価格・初期費用ゼロ業界特化の専門性
想定ターゲット大手の情報システム部門中小企業の経営者中堅企業の現場責任者
主なオファー製品デモ無料トライアル業界別お役立ち資料
出稿媒体検索・動画検索のみ検索・SNS

この表をAIに渡し、自社が取るべきポジションの選択肢を根拠付きで挙げてもらうと、次の一手の議論がしやすくなります。注意点はここでもハルシネーションです。AIは表の空欄をもっともらしく埋めてしまうことがあるため、調査で確認できなかった項目は「不明」のまま残すのが安全です。競合の売上や予算のような、確認しようのない数字を表に混ぜないことも徹底してください。

比較表は作って終わりにせず、四半期ごとに更新する運用にすると価値が跳ね上がります。表に「前回からの変化」の行を足しておき、訴求やオファーの変更を記録していくと、競合の戦略転換が時系列で見えてきます。変化した箇所こそ、競合が課題を感じて手を打った場所。変化の記録は、1時点の比較より多くを語ります

やってはいけない競合広告調査

最後に、調査のマナーと法的な線引きです。透明性ツールの閲覧自体は公認ですが、次の行為は避けてください。

  • 競合の検索広告を繰り返しクリックする:クリック課金のため競合に費用が発生する。故意の連続クリックは迷惑行為であり、トラブルの火種になる
  • 広告文やLPの文章・デザインを丸写しする:著作権侵害や不正競争にあたるおそれがあり、発覚すればブランドの信頼も失う
  • 競合の社名・商標キーワードに無検討で出稿する:媒体の商標ポリシーや商標権との関係を確認せずに行うのは危険
  • ツールの情報だけで「A社の予算は◯円」と断定する:公開されていない情報の断定は、社内の意思決定を誤らせる
  • 調査は公開情報の範囲で行う。非公開資料の入手や関係者からの聞き出しといった手段は使わない
  • 参考にしてよいのは訴求の構造(何を軸に、誰に、どんな順で伝えるか)まで。表現そのものの流用は模倣にあたる
  • 「業界No.1」などの表現を自社で使う場合は、景品表示法上の合理的な裏付けが必要
  • 商標・著作権など法律に関わる判断は、本記事の一般論ではなく法務・専門家への確認を推奨

もう1つ、社内共有時の注意があります。競合のクリエイティブ画像は著作物なので、社外に出る提案資料やセミナー資料への転載は避け、社内の検討用資料に留めます。引用の要件を満たすかどうかの判断は微妙になりやすいため、迷ったら画像そのものではなく、訴求軸の分析結果を言葉で要約して共有する形が安全です。

調査ツールのミニ用語解説

本記事に登場した調査ツール・指標を一覧にまとめます。調査結果を社内で共有するとき、この用語表を添えると認識が揃います。

用語意味
広告透明性センターGoogleが2023年3月から提供する、広告主名やURLで掲載広告を検索できる無料の公開ツール
Meta広告ライブラリFacebookやInstagramなどで配信中の広告を誰でも閲覧できるMetaの公開データベース
オークション分析Google広告の管理画面で、同じオークションに参加した競合と自社を指標で比較できるレポート
インプレッションシェア広告が表示される機会があった回数のうち、実際に表示された回数の割合
広告の重複率自社の広告が表示されたとき、同時に他の広告主の広告も表示されていた割合
優位表示シェア競合と同時に表示されたオークションのうち、自社が相手より上位に掲載された割合
アセット検索広告に追加できるサイトリンク・電話番号・住所・価格などの拡張表示。旧称は広告表示オプション
訴求軸広告が押し出している価値の種類。価格・実績・スピード・機能・安心などに分類できる

用語が揃うと、調査は一人の作業からチームの資産に変わります。月次の定例調査では、この表の指標を同じ順番で確認していくと、抜け漏れなく続けられます。担当が変わっても引き継げるよう、記録のフォルダと用語表はセットで残しておきましょう。

まとめ

競合の広告出稿は、Google広告の透明性センターとMeta広告ライブラリという公式ツールで、無料で・正々堂々と調べられます。手順は、対象と問いを決める、ツールで収集する、実際に検索して出方を見る、オークション分析で数字を確認する、コピーとLPから訴求を読む、期間と媒体から戦略を推測する、という流れでした。見えるのは事実、読み取るのは仮説。その仮説づくりと訴求マップへの整理はAIが得意とするところです。一方で、競合広告をクリックしない、表現を丸写ししない、確認できない数字を断定しないという線引きは、調査の信頼性と自社の品位を守るために人が守るルールです。競合の広告は、市場が何に反応するかを競合が費用を払って検証してくれている公開実験でもあります。月1回の定例調査から始めて、自社の広告づくりに活かしてください。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

広告運用にAIを活かす第一歩、まずは導入から始めませんか?

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