広告とCRMのCV数が合わない原因|数字のズレを解消する

広告とCRMのCV数が合わない原因|数字のズレを解消する

広告管理画面のコンバージョン数は48件。アクセス解析では41件。CRMに登録されているリードは37件。同じ月の同じ施策の数字なのに、3つとも違う。会議でどの数字を使うかを議論し、結論が出ないまま次の議題に移る。この3つの数字が一致しないのは、設定の不備ではなく、そもそも違うものを数えているためです。GA4、広告管理画面、CRMは計測のタイミングもロジックも違います。この前提を共有していないと、毎月同じ議論が繰り返されます。この記事では、なぜズレるのか、どこまでが正常な差でどこからが不備なのか、報告でどの数字を使うのかを整理します。


カメ先生カメ先生

広告とCRMでCV数が違う、という相談で最初に伝えることは何だと思う。


カメ子カメ子

設定が間違っているところを探す、でしょうか。


カメ先生カメ先生

その前に、一致しないのが正常だと伝えるんだ。数えている対象とタイミングが違うから、完全一致はありえない。


カメ子カメ子

合わせようとするのが間違いだったんですね。


この記事のポイント
  • 3システムは計上タイミングが違う。GA4は完了ページの閲覧時点、広告はクリック後一定期間内、CRMは受注や登録の時点
  • ズレの原因は3系統。タグ設定の不備、計測仕様の差、Cookie制限などの環境変化
  • 完全一致は目指さない。報告で使う数字を1つ決め、他は補助として扱うほうが議論が進む

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目次

一致しないのは異常ではない

数字が合わないと聞くと、まず設定の誤りを探します。その視点は必要ですが、その前に押さえておくべき前提があります。3つのシステムは、そもそも同じものを数えていません。

GA4、広告管理画面、CRMは、それぞれコンバージョンを計測するタイミングやロジックが異なります。GA4では利用者が完了ページを閲覧した時点、広告ではクリック後の一定期間内の成果、CRMでは実際の受注や登録の時点とカウントの仕組みが違います。

この違いがある以上、同じユーザーの行動でも異なる数として記録されます。完全な一致を目標にすると、達成できない作業に時間を使うことになります。目指すべきは、差の理由を説明できる状態です。

この前提を共有していない組織では、毎月の会議で同じ議論が起きます。どの数字が正しいのかという問いには答えがないため、結論が出ません。差が生まれる仕組みを1枚の資料にまとめて共有しておけば、この時間を別の議論に使えます。資料は一度作れば毎月使えるため、作成にかかる1時間は確実に回収できます。

説明できる状態になれば、会議の議論が変わります。どの数字が正しいかではなく、どの数字を判断に使うかを決める議論に移ることができます。

3システムが数えているもの

それぞれが何を数えているかを整理します。ここを言葉にできると、社内での説明が容易になります。

広告管理画面は、広告のクリックに紐づく成果を数えます。クリックから一定期間内に発生した成果を、そのクリックの成果として計上します。この期間は設定可能で、初期設定では数十日に及ぶことがあります。翌月に発生した成果が前月のクリックに紐づく場合もあります。

アクセス解析は、サイト上の行動を数えます。指定したページの表示やボタンのクリックといったイベントを、発生した日に計上します。誰がどの広告から来たかは、記録できた範囲で紐づけます。

CRMは、リードや案件として登録されたものを数えます。重複の除外、テストデータの削除、担当者の判断による除外が入るため、数は最も少なくなる傾向があるのが特徴です。3つの中で最も実態に近いが、最も遅れて確定します

計上タイミングの違いを表で押さえる

違いを一覧にすると、差の大きさが想定できます。次の表を社内共有の資料に入れておくと、毎回の説明が不要になります。

システム数える対象計上タイミング数の傾向
広告管理画面クリックに紐づく成果クリック日に遡って計上多め
アクセス解析サイト上のイベント発生日に計上中間
CRM登録されたリード・案件登録・確認後少なめ
フォームの送信ログ実際の送信送信時実数に最も近い

この表の4行目が、意外に活用されていません。フォームツールやメールの受信記録に残る送信件数は、最も実数に近い数字です。3システムの数字が合わないときの照合先として使えます。

計上タイミングの違いで最も差が出るのは、月をまたぐ場合です。月末に近い日のクリックから翌月に発生した成果は、広告側では前月に計上されるため、月次の数字が合いません。

この影響は、月次で見るか四半期で見るかによって大きく変わります。四半期でまとめると、月をまたぐ計上の影響が期の中で相殺されるため、差が小さくなります。月次の数字がどうしても合わない場合は、集計の単位を長くするという対処も選択肢になります。運用の判断には月次が必要ですが、報告には四半期を使うという使い分けが実務的です。

原因1:タグ設定の不備

正常な差とは別に、設定の不備によるズレがあります。原因は3系統に分けられ、1系統目がタグの設定です。

よくある不備は、タグの未発火、IDの不一致、タグ管理ツールの公開忘れです。設定したつもりで公開操作をしていないというケースは、実際に頻発します。テスト環境では動いているのに本番で動いていない状態も同様です。

確認の方法は、実際にフォームを送信してタグが発火するかを見ることです。ブラウザの拡張機能やタグ管理ツールのプレビュー機能で、発火の有無を確認できます。数分で終わる確認です。

IDの不一致は見つけにくい不備です。複数のアカウントや測定IDを持っている場合、別のIDに送信されていることがあります。数字がゼロではなく少しだけ少ない場合は、一部のページで別IDに送っている可能性を疑うと原因に近づけます。

原因2:計測仕様のズレ

2系統目は、システム間の設定の食い違いです。技術的には正しく動いているが、定義が揃っていない状態です。

よくあるのは、イベント名のズレと連携の不備です。広告側でコンバージョンとして扱うイベントと、アクセス解析側で計測しているイベントが違えば、数は一致しません。連携の設定で、どのイベントを成果とみなすかを揃える必要があります。

重複計上も仕様の問題として起きます。同じユーザーが2回送信した場合に、両方を数えるか1回として数えるかの設定が、システムごとに違います。この設定の違いだけで、数字に数件の差が出ます。

確認するには、それぞれの設定画面で成果の定義を並べて見る必要があります。設定の一覧をスクリーンショットで保存しておくと、次に差が出たときの比較材料になるため、点検時に記録を残してください。

原因3:環境変化の影響

3系統目は、自社の設定とは無関係に起きる変化です。対処できる範囲が限られるため、前提として理解しておく必要があります。

影響が大きいのは、Cookieの制限とブラウザの仕様変更です。ブラウザ側で追跡が制限されると、広告のクリックと成果を紐づけられない件数が増えます。この場合、広告管理画面の数字は実態より少なくなります。

クロスドメインの問題も同系統です。フォームが別のドメインにある場合、設定をしていないと同一の訪問として扱われません。サブドメインや外部のフォームサービスを使っている場合は、この設定を確認してください

環境変化への対処は、失われる情報を別の方法で補うことです。フォームに流入元を記録する項目を持たせておけば、Cookieに依存せず経路を残せるという備えが有効です。

加えて、フォームに「どこで当社を知りましたか」という選択式の項目を置く方法もあります。技術的な計測とは別に、利用者の自己申告という情報が得られます。申告は正確とは限りませんが、計測から漏れた経路の傾向は見えます。技術的な計測が難しくなる方向にある以上、こうした補助的な情報の価値は上がっています。項目を1つ増やすだけで、送信率への影響も小さく収まります。

セッションの区切りで流入元が変わる

見落とされやすいズレの原因として、セッションの区切り方があります。技術的な仕様ですが、数字への影響は無視できません。

GA4では、ウェブサイトでの操作が30分以上ない場合にセッションが途切れます。そのため、利用者の行動が30分の無操作を挟むかどうかでセッション数が変わり、コンバージョンが紐づく流入チャネルも変わります

具体的には、広告から来た利用者が席を離れ、30分後に戻って送信した場合。新しいセッションとして扱われ、流入元が直接訪問として記録される可能性があります。広告側では成果として計上されるため、ここでズレが生まれます。

BtoBでは、この状況が頻繁に起きます。業務の合間に見て、会議に出て、戻って送信する。BtoBの検討行動は中断を含むため、セッション単位の流入元は実態とずれやすいという前提で数字を読んでください。

どこまでの差を許容するか

ズレの原因が分かっても、どこまでが正常かの基準がなければ判断できません。目安を持っておくと、点検の必要性を判断できます。

実務的な目安として、広告管理画面とアクセス解析の差が1割程度なら、仕様の違いによる範囲と考えられます。2割を超える場合は、設定の不備を疑う価値があります。3割以上の差があるなら、タグの発火から確認してください。

CRMとの差は、より大きくなるのが自然です。重複の除外、テストデータの削除、無効なリードの除外が入るためです。ただし、差の理由を列挙できる状態にはしておく必要があります

重要なのは、差の絶対値ではなく変化です。先月まで1割だった差が急に3割になったなら、何かが変わった合図です。毎月の差を記録しておけば、異常に気づけます

記録の形式は表計算で足ります。月、各システムの件数、実際の送信件数、差の割合を並べた5列の表です。半年続けると、通常の差の範囲が自社の実測値として分かります。この範囲を基準にすれば、目安の数字に頼らず自社の状況で判断できます。範囲を外れた月だけ調査すればよくなるため、点検の負担も下がります。

突合の手順

差の原因を特定する手順を示します。上から順に確認すると、効率よく切り分けられます。

STEP1
フォームの送信記録で実数を確認する

メールの受信件数やフォームツールのログから、実際の送信件数を確定させます。これが基準になります。

STEP2
各システムの数字を並べる

同じ期間で3システムの数字を書き出します。期間の定義が揃っているかも確認します。

STEP3
タグの発火を実機で確認する

実際にフォームを送信し、各システムに記録が入るかを見ます。数分で終わります。

STEP4
成果の定義を比較する

各システムでどのイベントを成果としているか、重複の扱いをどうしているかを並べます。

STEP5
差の理由を1行ずつ書き出す

説明できる差と説明できない差に分けます。後者だけを調査の対象にします。

1番目を基準に据えるのが要点です。3システムの数字を互いに比べても、どれが正しいか決められません。実際の送信記録という外部の基準を置くことで、比較ができるようになります。

5番目の書き出しが、次回以降の資産になります。差の理由を文書に残せば、翌月は差分だけを確認すればよくなるため、毎月の作業が短縮されます。

重複カウントを見つける

差の原因のうち、比較的見つけやすいのが重複です。実数より多く数えられている場合は、まずここを疑うと早く原因に到達できます。

重複が発生する典型は3つです。1つ目は、利用者が送信ボタンを2回押した場合。2つ目は、完了ページを更新した場合。完了ページの表示を成果としている設定では、再読み込みのたびに1件が加算されます。3つ目は、同じページに計測タグが二重に設置されている場合です。

見つける方法は、送信の記録を時刻で並べることです。同じメールアドレスから数秒間隔で2件の記録があれば、二重送信です。タグの二重設置は、ページのソースを確認すれば分かります。タグ管理ツールと直接埋め込みの両方で設置されているケースが実際にあります。

対策としては、送信後に完了ページへ遷移させる方式であれば、再読み込みで加算されない実装に変える方法があります。重複の除外はシステム側で行い、報告時に手作業で引く運用は避けるのが確実です。手作業の除外は、担当が変わると引き継がれません。

営業側の運用も差の原因になる

ズレの原因を技術面だけで探すと、見つからない場合があります。CRMの数字は、営業側の運用の影響を受けます。

影響するのは3つです。1つ目は、リードの登録が手作業で行われている場合の入力漏れ。2つ目は、担当者の判断による除外です。対象外の業種や個人からの問い合わせを登録せずに処理すると、その分だけCRMの数が減ります。3つ目は、登録までの時間差です。

時間差は月次の集計に影響します。月末に届いたリードが翌月に登録されると、その月のCRM側の数字は少なくなります。集計の基準日を「問い合わせ発生日」にするか「登録日」にするかで、数字が変わります。基準を揃えておかないと、毎月説明のつかない差が出ます。

この種の差は、営業側に確認しないと分かりません。数字が合わない原因の一部は、システムの外側の運用にあるという前提で、営業担当に運用の実態を聞いてください。技術的な調査を尽くしてから聞くより、先に聞いたほうが早く解決します

報告で使う数字を1つに決める

原因が整理できたら、報告で使う数字を決めます。複数の数字を並べて出すと、議論が数字の選択に費やされます。

選ぶ基準は、判断に使う目的です。広告の運用改善に使うなら広告管理画面の数字、事業の成果を見るならCRMの数字が適しています。両方を同じ資料で主役にすると、混乱します。

実務的な形は、主要な数字を1つ決め、他を注記に回すことです。「CRM登録ベースで37件。広告管理画面では48件だが、計上タイミングと重複の扱いが異なる」と書けば、差を説明しながら1つの数字で議論できます

この決定は、一度したら変えないことが重要です。報告に使う数字を月ごとに変えると、推移を比べられなくなるためです。変える必要が生じたら、過去分も同じ基準で作り直してください

決めた内容は、報告資料のテンプレートに書き込んでおきます。毎月ゼロから判断するのではなく、決まった欄に決まった数字を入れる形にすれば、担当が変わっても同じ基準が保たれます。テンプレートには、数字の出所と定義を注記として固定で入れておいてください。読む側も、毎回同じ形式であれば推移だけに注意を向けられます。

やりがちな失敗

数字のズレへの対応で、状況を悪化させる進め方があります。避けるべきものを挙げます。

  • 完全一致を目標にする:仕様上ありえないため、達成できない作業に時間を使い続けることになります
  • 都合のよい数字を選んで報告する:月ごとに使う数字が変わると、推移が比較できなくなります
  • 手作業で重複を除外して報告する:担当が変わると引き継がれず、数字の作り方が失われます
  • 差の理由を記録しない:毎月同じ調査を繰り返すことになり、点検が定着しません

2つ目は、意図せず起きやすい失敗です。今月は広告側の数字が良いから広告の数字を使う、という判断を重ねると、推移のグラフが意味を持たなくなります。使う数字は事前に決め、変える場合は過去分も作り直してください。

4つ目については、記録の形式を決めておくと続きます。差の理由を書いた1枚を、毎月更新する運用にするだけで足ります。新しい理由が見つかったときに追記する形にすれば、負担になりません

定期点検の項目

一度整理しても、設定は変わります。定期的に確認する項目を決めておくと、突然のズレを防げます。

  • フォームを実際に送信し、各システムに記録が入ることを確認した
  • 3システムの数字と実際の送信件数を並べて記録した
  • 先月との差の変化を確認した
  • 成果の定義や計測期間の設定が変わっていないか確認した
  • サイトの改修やフォームの変更があった場合、タグが維持されているか確認した
  • 差の理由を書いた文書を最新の状態に更新した

5番目は特に重要です。サイトの改修でフォームの構造が変わると、タグが動かなくなることがあります。改修の予定がある月は、公開後に必ず送信テストをしてください。

  • 点検は月次で十分。ただしサイト改修や広告の設定変更の直後は、その都度確認する
  • 確認した日付と結果を記録しておくと、いつから差が出たかを特定できる

この整理でAIを使う場所

ズレの調査は確認作業が中心ですが、その前後の整理と説明には生成AIが使えます。

整理の場面では、各システムの設定内容を書き出して渡し、定義の食い違いを指摘させる使い方があります。成果の定義、計測期間、重複の扱いを一覧で渡すと、揃っていない箇所を挙げてくれます。目で比べるより見落としが減ります。

説明の場面では、差の理由を非専門者向けに言い換える作業に使えます。「セッションの区切りで流入元が変わる仕組みを、技術用語を使わずに3行で」と指定すれば、社内共有に使える文章が出ます

あわせて、定期点検の手順書も作れます。点検の項目と確認方法を文書にしておけば、担当が変わっても品質が保てるという効果があります。

原因の切り分けを相談する使い方も有効です。3システムの数字と、確認済みの設定内容を伝えて、次に見るべき箇所を挙げさせる。調査の順番に迷ったときの相談相手として使えます。ただし、実際に確認する作業は人が行う必要があります。設定画面を見て発火を確かめる工程は、代替できません。相談の結果として出た候補を、順に自分で確かめてください。

よくある質問

どの数字を経営層に報告すべきですか?

事業の成果を示す場面では、CRMに登録されたリード数や商談数を使うのが適しています。実際に営業が対応した件数であり、売上との接続が明確です。広告管理画面の数字は運用の改善に使う指標として位置づけ、報告では注記に回してください。報告資料には、使っている数字の定義を1行添えておくと、後から見た人にも意図が伝わります。

広告の管理画面の数字は信用できないのですか?

信用できないわけではなく、目的が違います。広告管理画面の数字は、どのキャンペーンやキーワードが成果につながったかを判断するために最適化されています。運用の改善にはこの数字が必要です。一方で、事業全体の成果を示す用途には向きません。用途によって使い分けるのが正しい扱い方です。

ズレの調査はどのくらいの頻度で行うべきですか?

月次の点検で十分です。ただし、サイトの改修、フォームの変更、広告の設定変更があった直後は、その都度確認してください。これらの変更はタグの動作に影響します。点検の内容は、実際にフォームを送信して各システムに記録が入るかを見るだけで、10分程度で終わります。差の記録を残しておけば、翌月は差分の確認だけで済みます。

まとめ

広告管理画面、アクセス解析、CRMのコンバージョン数が一致しないのは、設定の不備ではなく計上タイミングと集計ロジックの違いによるものです。広告はクリック日に遡って計上し、解析は発生日に計上し、CRMは登録と確認を経て数えます。完全な一致は目指さず、差の理由を説明できる状態を目標にしてください。設定の不備によるズレは、タグの発火、成果の定義、環境変化の3系統で切り分けられます。突合の基準にはフォームの送信記録を置き、報告で使う数字を1つ決めて他は注記に回す。差の理由を文書に残せば、翌月の点検は差分の確認だけで済みます。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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