Google AI Studioの業務利用|無料枠は入力が使われる

Google AI Studioの業務利用|無料枠は入力が使われる

「マーケの担当者が、広告の画像づくりにGoogle AI Studioを使い始めた。会社のアカウントで入っているから、会社の契約で守られていると思っていた」「無料でここまで使えるなら、試しに全員に開いてもよいのでは」。こうした声が、情シスに届き始めています。気持ちは分かりますが、ここで確かめておくべき事実があります。Gemini を呼び出すための追加の利用規約(2026年3月23日更新)は、Google AI Studio を含む無料の区分について、送った内容と作られた回答を製品の改善に使い、人の確認者が読むことがあると明記しています。問題は、使うか使わないかではありません。本当は、社員がどの区分で使っているかが、画面からは分かりにくいことです。この記事では、規約の原文が書いていること、無料か有料かが決まる仕組み、情シスが選ぶ3つの道、社員が作った呼び出し用の鍵の棚卸しを整理します。


カメ先生カメ先生

Google AI Studioは、会社のアカウントで入れば会社の契約で守られると思われがちなんだ。でも本当は、データの扱いを決めるのは入ったアカウントではなく、使っているプロジェクトに請求先が結ばれているかなんだよ。


カメ子カメ子

同じ画面で同じことをしても、扱いが違うことがあるということですか。


カメ先生カメ先生

そう。だから情シスが決めるのは、そのまま開くか、課金を有効にしたプロジェクトだけで使わせるか、止めるかの3つのどれかになる。どれを選んでも、社員がすでに作った鍵の後始末は残るけどね。


カメ子カメ子

無料か有料かを、使う人の目で見分けにくいことが、この問題の芯なんですね。


この記事のポイント
  • 規約の原文は、無料の区分では入力と回答を製品の改善に使い、人が読むことがあると書き、機密や個人の情報を入れないよう求めている
  • 無料か有料かは画面ではなく、使うプロジェクトに請求先が結ばれているかで決まる。会社のアカウントでも無料の区分になりうる
  • 情シスの選択肢は、開く・課金を有効にしたプロジェクトに限る・止めるの3つ。決定はAIの見立てに任せず、鍵の持ち主の棚卸しを先に行う

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目次

規約の原文は、無料の区分の入力をどう扱うと書いているか

Google AI Studio は、ブラウザから Gemini のモデルを試し、文章や画像を作り、呼び出し用の鍵もその場で作れる開発者向けの場です。使い方の条件は、Google の一般の利用規約に加えて、Gemini を呼び出すための追加の利用規約で決まります。2026年10月1日時点で確かめた版は、2026年3月23日に更新されたものです。

この規約は、サービスを有料と無料の2つの区分に分けて書いています。無料の区分について、規約は Google AI Studio と無料の利用枠を例に挙げ、送った内容と作られた回答を、Google の製品とサービスの提供、改善、開発に使うと書いています。対象は、打ち込んだ指示文だけではありません。送った内容には、読み込ませたファイルも含まれると考えておくのが安全です。

規約はさらに、人の確認者が入力と出力を読み、注記をつけ、処理することがあると書いています。そのうえで、機密の情報、他人に知られたくない情報、個人の情報を無料の区分に送らないよう求めています。つまり、無料の区分は、社外秘の資料や顧客の情報を入れる前提で作られていません。

規約は対象の利用者についても書いています。利用は18歳以上で、Google のモデルを使って作る開発者の、仕事や事業の目的のためのもので、消費者向けではないとしています。業務で使うこと自体は想定の範囲です。問われるのは、業務で使うときに、どの区分で使っているかです。

有料の区分では、何が変わるか

有料の区分について、規約は、指示文(付随する指示や保存した内容、画像や動画や文書といったファイルを含む)と回答を、製品の改善に使わないと書いています。無料の区分との違いは、この一点に集約されます。業務の情報を扱うなら、有料の区分で使うことが出発点になります。

ただし、有料の区分でも、データがまったく残らないわけではありません。規約は、規約違反の検知と防止のためだけに、指示文と回答を限られた期間記録すると書いています。「改善に使わない」と「記録が残らない」は別の話です。社内の情報の区分で、外部に一時でも置けない情報と決めているものは、有料の区分でも入れない扱いが必要です。

地域による例外もあります。規約は、欧州経済領域、スイス、英国にいる利用者には、無料で提供されるサービスにも有料の区分のデータの扱いを当てはめると書いています。日本の会社でも、欧州の拠点の社員が使う場合は扱いが変わりうるので、拠点ごとに分けて考えます。

有料の区分にする手続きは、料金の説明のページに書かれています。新しいアカウントは無料の区分から始まり、請求先のアカウントを結び、前払いをすると有料の区分に移ります。その後は、使った金額とアカウントの使用期間に応じて、より上の段階へ進む仕組みです。

無料か有料かは、画面ではなくプロジェクトの請求で決まる

情シスが押さえておくべき仕組みは、区分を決めているのが「プロジェクト」だという点です。料金の説明は、呼び出し用の鍵はプロジェクトの中で作られ、鍵には独自の請求の設定が無く、プロジェクトの段階と請求の状態をそのまま引き継ぐと書いています。同じ人が作った鍵でも、どのプロジェクトで作ったかで区分が分かれます。

しかも、新しい利用者には、既定でプロジェクトと鍵が作られます。社員が初めて Google AI Studio を開いた時点で、請求先の無いプロジェクトと鍵がすでに用意されている、という状態がありえます。本人は鍵を作ったつもりがなくても、鍵は存在しています。

画面での利用と、鍵を使った呼び出しの関係にも注意が要ります。料金の説明は、Google AI Studio の画面での利用は、有料の鍵を結ばない限り無料のままだとしています。一方、規約は、Google AI Studio の利用は無料で提供されていても、使うアカウントが有効な請求先のついたプロジェクトに触れられる場合は有料の区分として扱うと書いています。2つの書き方がどう重なるかは、使う人の目では判断しにくいため、社内では「画面で無料に見えるかどうか」で区分を判断しない決まりにします。

区分を確かめる手段は、管理画面と請求の記録です。どのプロジェクトに請求先が結ばれているか、前払いが入っているか、誰がそのプロジェクトを持っているか。利用者に聞き取るより、情シスが請求と管理画面で確かめるほうが確実です。

会社のアカウントで入っても、無料の区分になりうる

「会社のアカウントで入っているから大丈夫」という考えが成り立たないのは、ここまでの仕組みによります。会社のアカウントで Google AI Studio に入っても、使うプロジェクトに請求先が無ければ、扱いは無料の区分の規約に従います。会社が業務向けの契約を結んでいることと、Google AI Studio の区分は、別々に決まります。

業務向けのサービス群(ワークスペース)の管理者がGoogle AI Studioを開くのは、追加の Google サービスとして使えるようにする操作です。開いたからといって、データの扱いがワークスペースの契約の条件に変わるとは、管理者向けのヘルプには書かれていません。開く操作は「使えるようにする」ことで、「区分を決める」ことではないと理解しておきます。

よくある誤解の形を並べると、次のようになります。

  • 会社のアカウントで入っているから、会社の契約で守られている
  • 料金を払っていないが、会社の管理者が開いたサービスだから問題ない
  • 画面に料金の表示が無いから、データの扱いは個人向けとは違うはずだ
  • 1回だけ試しに顧客の資料を読み込ませるくらいなら、記録には残らない

いずれも、区分を決めるのはプロジェクトの請求だという仕組みを見落としています。社員に周知するときは、「どのアカウントで入ったか」ではなく、「請求先が結ばれた会社のプロジェクトで使っているか」を確かめるという言い方に統一します。

管理者が持っている設定は、開くか止めるか

ワークスペースの管理者ヘルプ(2026年9月30日更新)は、Google AI Studio を利用者に開く手順と止める手順を示しています。管理コンソールで、アプリ、追加の Google サービス、AI Studio と進み、サービスの状態を全員に対してオンかオフにします。組織部門ごと、またはアクセス用のグループごとに分けて設定することもできます。

前提として、ドメインの確認が済んでいる必要があります。また、地域によってはサービスに制限があることがあると、ヘルプは注記しています。拠点が複数の国にある会社は、拠点ごとに使える状態かを確かめます。

組織部門ごとに分けられるため、たとえば「開発の部署と、検証を担う少人数のグループだけに開き、他は止める」という形が取れます。全員に開くか全員を止めるかの二択ではなく、使う理由がはっきりしている部署に絞って開くことができます。

設定を変えたら、変えた日と対象と理由を記録します。後で「いつから誰が使えたのか」を問われたときに、管理コンソールの記録と合わせて答えられるようにしておくためです。

無料の区分だけを止める項目は、管理画面で確かめる

情シスが本当に欲しいのは、「Google AI Studio は開くが、無料の区分では使わせない」という設定でしょう。しかし、2026年9月30日更新の管理者ヘルプには、無料の区分だけを止める項目や、有料のプロジェクトに限る項目は書かれていません。ヘルプに書かれているのは、サービスを開くか止めるかだけです。

開発者向けの公式の掲示板には、2026年9月3日に、無料の区分を止める管理の設定を求める利用者の投稿があります。ただしこれは利用者の要望で、Google が設定の有無を明言したものではありません。本稿では、無料の区分だけを止める設定は、自社の管理画面で確かめる項目として扱います。

確かめるときは、管理コンソールの該当の画面に、区分や請求に関わる項目があるかを見ます。項目が無ければ、無料の区分を止める手段は運用の決まりに頼ることになります。項目が後から加わる可能性もあるので、確かめた日を記録し、定期的に見直します。

  • この節の記載は、2026年10月1日時点で公式のヘルプと規約を確かめた範囲です。管理の項目は予告なく増えることがあるため、決定の前に自社の管理画面で確かめてください
  • 管理画面に項目が無いことを確かめた場合も、その日付と画面の記録を残しておくと、後の見直しの起点になります

3つの選択肢を1枚で比べる

ここまでを踏まえると、情シスの選択肢は3つに分かれます。選ぶ前に、それぞれで何を守れて、何が残るかを並べておきます。

そのまま開く課金を有効にしたプロジェクトに限る止める
データの扱い無料の区分のまま使われうる。入力が製品改善に使われ、人が読むことがある会社のプロジェクトで使う限り、有料の区分の扱い。記録は限られた期間残る会社のアカウントでは使えない
管理の手段管理コンソールで開く設定のみ開く設定と、プロジェクトと請求の運用の決まり管理コンソールで止める設定
残る心配社外秘や顧客の情報が入る会社のプロジェクト以外で使う社員が出る個人のアカウントで使う社員が出る
向く場面公開してよい情報だけで試す、教育や検証開発や検証で継続して使う部署がある使う理由のある部署が無い、管理の手が回らない
決める人情シスの責任者情シスの責任者と、費用を持つ部署情シスの責任者

表の「残る心配」の行は、どれを選んでもゼロにはなりません。開けば情報が入る心配が、限れば会社のプロジェクトの外で使う心配が、止めれば個人のアカウントに逃げる心配が残ります。選ぶのは、自社が一番管理しやすい心配です。

費用の面では、課金を有効にしたプロジェクトに限る道だけが継続した支出を伴います。前払いと使った分の請求が発生するため、費用を持つ部署と上限の決め方を先に合わせておきます。

選択肢1:そのまま開くなら、入れてよい情報を先に決める

そのまま開く道を選ぶ場合、データの扱いは無料の区分のままになりうる前提で考えます。そのため、開く前に、入れてよい情報の範囲を決めます。範囲は、すでに社外に公開している情報か、公開しても問題のない情報だけにするのが現実的です。

具体的には、公開済みの製品紹介の文章、公開しているウェブページの文面、自分で一から作った試しの文章などです。反対に、顧客の名前や連絡先、取引の条件、未発表の企画、社内の会議の記録、他社から受け取った資料は入れません。迷う情報は入れない、を既定にします。

開く範囲も絞ります。全員に開くのではなく、教育や検証の目的がはっきりしている組織部門やグループに限ります。開いた部署には、入れてよい情報の範囲を1枚にまとめて配り、受け取った記録を残します。

この道は、試す自由と引き換えに、利用者の判断に頼る部分が大きくなります。利用者が範囲を守っているかを技術的に確かめる手段は限られるため、定期的に利用の状況を聞き取り、範囲の外の使い方が見つかったら、課金を有効にしたプロジェクトに限る道か、止める道へ切り替えます。

選択肢2:課金を有効にしたプロジェクトに限る進め方

業務で継続して使う部署があるなら、会社の請求先を結んだプロジェクトを用意し、そこでだけ使わせる道が中心になります。管理コンソールに区分を縛る項目が無い前提では、技術の設定と運用の決まりを組み合わせて縛ることになります。

STEP1
持ち主を決める

会社のプロジェクトの持ち主を、部署と個人の名前で決めます。費用を持つ部署もここで決めます。

STEP2
請求先を結ぶ

会社の請求先のアカウントを結び、前払いを入れて有料の区分にします。請求の記録を誰が見るかも決めます。

STEP3
使う人を登録する

使ってよい人を、管理コンソールで開く組織部門やグループと一致させます。

STEP4
鍵を会社のプロジェクトで作り直す

業務で使う鍵は会社のプロジェクトの中で作り、個人のプロジェクトの鍵は使わない決まりにします。

STEP5
定期的に照合する

月に1回、利用者の一覧、プロジェクトの一覧、請求の記録を照らし合わせ、会社のプロジェクトの外で使っていないかを確かめます。

この道でも、利用者が自分で作った請求先の無いプロジェクトで使う可能性は残ります。だからこそ、5つ目の照合が要です。照合の担当者と頻度を決めない限り、この道は「限っているつもり」で終わります。

費用の上限も決めておきます。前払いの額と、使った分が想定を超えたときの連絡先と止める判断の持ち主を、開く前に合わせます。上限を超えたら誰が止めるかを決めずに始めると、請求が届いてから慌てることになります。

選択肢3:止めるなら、代わりの道を用意する

使う理由のある部署が無い、または区分を管理する手が回らないなら、会社のアカウントでは止める道が選べます。管理コンソールでサービスの状態をオフにすれば、会社のアカウントからは使えなくなります。設定は最も単純で、管理の負担も小さい道です。

ただし、止めた後に起きやすいのは、個人のアカウントへの移動です。広告の画像や文章を早く作りたい社員は、会社で止められると、自分の個人のアカウントで同じことを始めます。そうなると、情シスからは見えない場所で、無料の区分に業務の情報が入る形になり、止める前より状況が見えにくくなるおそれがあります。

そこで、止めるときは、代わりに使ってよい道を同時に示します。会社が契約している業務向けのAIの機能や、すでに承認しているツールで、同じ作業ができる範囲を案内します。代わりの道で足りない作業があれば、その要望を受け付ける窓口も用意します。

止める決定は、永久のものにしません。要望が一定の数集まった、使う理由のある部署ができた、管理画面に区分を縛る項目が加わった、といった出来事が起きたら、課金を有効にしたプロジェクトに限る道を検討し直す、と決めておきます。

社員が作った呼び出し用の鍵を棚卸しする

どの道を選んでも、すでに社員が作った呼び出し用の鍵の後始末が残ります。先に触れた通り、新しい利用者には既定でプロジェクトと鍵が作られるため、本人に作った覚えがなくても鍵があることがあります。開くか止めるかを決める前に、まず今ある鍵を洗い出します。

洗い出しでは、鍵ごとに、作った人、作ったプロジェクト、そのプロジェクトの請求の状態、何に使っているかを一覧にします。社員への聞き取りだけに頼ると漏れるので、会社のアカウントで作られたプロジェクトの一覧と照らし合わせます。業務の仕組みや社内の小さな道具に、鍵が書き込まれていないかも確かめます。

持ち主の決め方には原則を置きます。業務で使い続ける鍵は、個人ではなく部署を持ち主にし、会社のプロジェクトで作り直す。個人のプロジェクトにある鍵は、使い道を確かめたうえで無効にします。退職や異動のときに鍵が持ち主ごと宙に浮かないよう、部署の持ち主と、その代わりの担当を名前で決めます。

鍵の置き場所も決めます。鍵を表計算の表やチャットに貼り付けて共有している例は珍しくありません。共有は会社の決めた保管の仕組みに限り、貼り付けて共有した鍵は作り直します。鍵の管理そのものの考え方は、AIの呼び出しに使う鍵の管理を扱った別の記事に詳しく書いています。

個人のアカウントで使っている社員の扱い

棚卸しの中で、個人の Google アカウントで Google AI Studio を業務に使っている社員が見つかることがあります。個人のアカウントは情シスの管理の外にあり、管理コンソールの設定は届きません。使っているプロジェクトに請求先が無ければ、入れた内容は無料の区分の扱いになりえます。

見つけたときは、まず責める前に、何を入れたかを確かめます。公開済みの情報だけなのか、顧客の情報や社外秘が含まれていたのか。後者であれば、社内の情報の事故の手順に沿って、範囲と影響を確かめます。入れた内容は、後から消せば元に戻るとは考えないほうが安全です。規約は無料の区分の内容を製品の改善に使うと書いており、消した後の扱いまでは、確かめた範囲では書かれていません。

そのうえで、業務での個人のアカウントの利用を禁じる決まりを、理由とともに周知します。理由は「規約上、無料の区分の入力は製品の改善に使われ、人が読むことがあるから」と、原文に沿って伝えます。理由が分かれば、社員は代わりの道を選びやすくなります。

業務で必要な作業だったなら、会社のプロジェクトでの利用か、承認済みの代わりのツールへ移す道を示します。禁止だけを伝えると、別の個人向けのサービスへ移るだけになりがちです。

作った画像とアプリをどう扱うか

マーケが Google AI Studio を使う代表的な場面は、広告やウェブページの画像づくりです。このとき、データの扱いで気をつけるのは、作った画像そのものより、作るために入れたものです。自社の製品の写真、未発表の商品の画像、顧客から預かった素材を読み込ませると、それが入力になります。無料の区分なら、その入力は製品の改善の対象になりえます。

作った画像を広告に使ってよいかという権利の話は、データの扱いとは別の論点です。権利の整理は、画像生成の素材づくりを扱った別の記事に譲ります。本稿の線は、何を入れたか、どの区分で入れたかに絞ります。

もう1つ、Google AI Studio で作った小さなアプリを動かす場の扱いも確かめておきます。Google のクラウド事業の公式ブログ(2026年6月23日)は、Google AI Studio で作ったアプリを動かす環境を自動で用意する仕組みを説明し、現在は個人のアカウント向けで、会社のアカウントでは組織の管理の方針によって制限されることがあると書いています。社員が作ったアプリが社外から見える場所で動いていないか、棚卸しの項目に加えておきます。

作った画像やアプリの置き場所も決めます。個人のプロジェクトや個人の保存先に成果物が散らばると、退職や異動で行方が分からなくなります。業務で作ったものは会社の保存先に移す決まりにし、移した記録を残します。

開くか止めるかを、AIの見立てで決めない

この判断の材料集めには、AIを使ってかまいません。規約の該当箇所の要約、社内の利用状況の聞き取り結果の整理、鍵の一覧の重複の束ね、周知文の下書きなどは、AIに任せると速く進みます。ただし、要約には必ず規約の該当箇所と、確かめた版の日付を添えさせます。

一方で、開くか、限るか、止めるかの決定は、AIの見立てに任せません。決定には、自社の情報の区分、費用を持つ部署の事情、管理の手が回るかという、AIの手元に無い材料が要るからです。AIが「一般には有料の区分に限るのが安全です」と答えても、それは自社の事情を踏まえた結論ではありません。

AIは、規約の最新の版を知らないまま答えることもあります。とくに、区分の条件や管理画面の項目は改定で変わりやすい部分です。AIの要約は、原文と照らして確かめる前提で使い、規約の版と日付が要約に書かれていなければ使わない決まりにします。

人が確かめる範囲を先に決めておきます。規約の読み取りは法務か情シスの担当者が、請求とプロジェクトの照合は情シスが、入れてよい情報の範囲は情報管理の責任者が確かめる。決定の記録には、確かめた人と日付と、根拠にした規約の版を残します。

隣り合う話との線引き

この記事は、Google AI Studio を業務で使わせるときの区分と、開く・限る・止めるの選択に絞っています。生成AIの製品ごとに、入力を学習させない設定をどこで確かめるかを横断で見る話は、学習の設定の確認項目を扱った別の記事に詳しく書いています。製品をまたいで確かめる順番が必要なら、そちらを先に読むと整理しやすくなります。

法人向けのプランをどう比べて選ぶかも、別の論点です。どの製品の法人プランに寄せるかを決める段階では、法人プランの比べ方を扱った記事が参考になります。本稿の3つの選択肢のうち、止める道を選んだときの代わりの道を考える際に使えます。

1人用の契約を部署で使い回す問題や、無料版の翻訳サービスを業務に使わせない話も、個人や無料の区分が業務に入り込むという点で似ています。ただし、つまずき方が違います。Google AI Studio では、会社のアカウントで入れてしまうことと、区分が画面ではなく請求で決まることが、他の製品にはない落とし穴です。

また、業務向けのサービス群に組み込まれた Gemini の機能を、全社にどこまで開くかは、Google AI Studio とは別の管理の画面と条件で決まります。同じ Gemini の名前がついていても、管理の場所と規約が違うことを、周知の段階で混同させないようにします。

よくある質問

Q. 個人のアカウントで少し試すだけでも、業務の情報は入れないほうがよいですか。

はい。試す量の多さではなく、入れた区分で扱いが決まります。無料の区分であれば、少しの入力でも製品の改善に使われうる前提で考えます。試すなら、公開済みの情報か、自分で作った試しの文章に限ります。

Q. 有料の区分なら、機密の情報を入れてもよいですか。

有料の区分では製品の改善に使われませんが、規約上、違反の検知のために限られた期間記録が残ります。社内の情報の区分で外部に置けないと決めている情報は、有料の区分でも入れない扱いにし、入れてよい区分を社内の規程に照らして決めます。

Q. 欧州の拠点の社員が使う場合は、扱いが変わりますか。

規約は、欧州経済領域、スイス、英国にいる利用者には、無料のサービスにも有料の区分のデータの扱いを当てはめると書いています。ただし、拠点の法令や社内の規程は別に確かめる必要があるため、拠点ごとに判断します。

Q. Google AI Studio は提供が終わる予定はありますか。

2026年10月1日時点で、ブラウザで使う Google AI Studio の提供を終える公式の告知は見当たりませんでした。ただし、区分の条件や機能は改定されることがあるため、決定の前と、その後も定期的に、規約と管理者ヘルプの更新日を確かめます。

まとめ

Gemini を呼び出すための追加の利用規約(2026年3月23日更新)は、Google AI Studio を含む無料の区分では、送った内容と回答を製品の改善に使い、人の確認者が読むことがあると書いています。有料の区分では改善に使いませんが、違反の検知のための記録は限られた期間残ります。区分を決めるのは入ったアカウントではなく、使うプロジェクトに請求先が結ばれているかであり、会社のアカウントでも無料の区分になりえます。管理者ヘルプで確かめられる設定は開くか止めるかで、無料の区分だけを止める項目は自社の管理画面で確かめる必要があります。情シスの選択肢は、入れてよい情報を絞って開く、課金を有効にしたプロジェクトに限って照合を回す、代わりの道を示して止める、の3つです。どれを選ぶ前にも社員が作った鍵を棚卸しし、持ち主を部署に置き直す。材料集めはAIに根拠つきで手伝わせても、決定は自社の事情を知る人が下す。この順番で進めれば、無料で使える便利さと、業務の情報の扱いを両立させる線が引けます。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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