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銀行の店舗外ATMコーナーの巡回写真を基準の写真と比べ、無断の貼り紙・不審な機器の候補・案内の掲示の欠けを見つけて、巡回報告と対応の依頼の下書きにする

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

店舗外ATMコーナーの巡回写真を、コーナーごとの基準の写真と本部が指定した掲示物の台帳と比べます。無断の貼り紙、カード挿入口の周りの見慣れない物、掲示物の欠けや古い版の候補を見つけ、巡回報告と依頼の下書きにします。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude/Gemini
連携・自動化
Make/n8n/Power Automate
対象業界
小売/金融
対象部門
総務
対象業務
内容確認・チェック/書類作成
主な課題
人手が足りない/期限・対応漏れが起きる/確認ミスが多い
AIで行う処理
画像認識
主な効果
品質標準化/対応スピード向上/工数削減
導入難易度
★★★☆☆
実装レベル
本格構成
費用感
API連携(中)
人間の確認
条件付き
現在工数
48h/月
AI導入後
20h/月
想定削減
58%
年間削減
336h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 巡回の担当が、決めた位置からコーナーの写真を撮り、ファイルサーバーのコーナーのフォルダに入れる
  2. 本部の担当が写真を開き、前回の写真と並べて見比べる
  3. カード挿入口の周り、天井と壁の隅に、見慣れない物が無いかを拡大して見る
  4. 掲示物の壁を見て、本部が指定した掲示物がそろっているか、版が新しいかを掲示物の台帳と照らす
  5. 無断の貼り紙やチラシが無いかを見る
  6. 巡回報告にコーナーごとの結果を書き、張り替えや確認の依頼を支店か委託先にメールする
導入後(After)
  1. 人巡回の担当が、決めた位置からコーナーの写真を撮り、フォルダに入れる。現地では、これまでどおりカード挿入口の周りを目と手で確かめる
  2. 自動n8n のワークフローが写真の到着を検知し、コーナーの台帳から基準の写真と、そのコーナーに貼るべき掲示物の一覧を引く
  3. 自動Gemini API が、基準の写真との違い、貼り紙と掲示物の有無と文言を返す
  4. 自動ワークフローが、違いの場所と種類から区分を付ける
  5. 自動「至急」があれば、その場で施設・防犯グループの当番と、巡回の担当に知らせる
  6. 自動そのほかは、巡回報告の下書きと、張り替えの依頼の案を作る
  7. 人本部の担当が、「至急」「要確認」のコーナーだけ写真で確かめ、銀行の手順に沿って対応を指示する
各工程の詳しい説明を読む
  1. 巡回の担当が、決めた位置からコーナーの写真を撮り、ファイルサーバーのコーナーのフォルダに入れる
  2. 本部の担当が写真を開き、前回の写真と並べて見比べる
  3. カード挿入口の周り、天井と壁の隅に、見慣れない物が無いかを拡大して見る
  4. 掲示物の壁を見て、本部が指定した掲示物がそろっているか、版が新しいかを掲示物の台帳と照らす
  5. 無断の貼り紙やチラシが無いかを見る
  6. 巡回報告にコーナーごとの結果を書き、張り替えや確認の依頼を支店か委託先にメールする

(a)見比べに時間がかかる。 1つのコーナーに写真が5〜6枚あり、前回の写真と並べて拡大します。週に120か所なので、本部の担当は毎週、半日以上を写真の見比べに使っています。

(b)至急のものが巡回報告に埋もれる。 写真がファイルサーバーに入ってから本部の担当が見るまでに、半日から1日空くことがあります。 カード挿入口の周りに見慣れない物が写っていても、気づくのは翌日です。

(c)掲示物の版の漏れを追えない。 掲示物を差し替えた月は、120か所すべての写真で、新しい版が貼られているかを見なければなりません。 小さな版の違いは、写真では見落とします。

(d)見る場所が担当者で違う。 カード挿入口を必ず拡大する担当と、全体を見て済ませる担当がいます。どこを見たかが報告に残らないので、見落としがあっても後から分かりません。

  1. 【人】 巡回の担当が、決めた位置からコーナーの写真を撮り、フォルダに入れる。現地では、これまでどおりカード挿入口の周りを目と手で確かめる
  2. 【自動】 n8n のワークフローが写真の到着を検知し、コーナーの台帳から基準の写真と、そのコーナーに貼るべき掲示物の一覧を引く
  3. 【自動】 Gemini API が、基準の写真との違い、貼り紙と掲示物の有無と文言を返す
  4. 【自動】 ワークフローが、違いの場所と種類から区分を付ける
  5. 【自動】 「至急」があれば、その場で施設・防犯グループの当番と、巡回の担当に知らせる
  6. 【自動】 そのほかは、巡回報告の下書きと、張り替えの依頼の案を作る
  7. 【人】 本部の担当が、「至急」「要確認」のコーナーだけ写真で確かめ、銀行の手順に沿って対応を指示する

5番目が、この設計の分かれ目です。 至急の知らせは、写真が入った数分後に届きます。 巡回の担当がまだ現地にいる間に届けば、その場でもう一度確かめられます。

1番目の現地の確認は、減らしません。 写真は、現地の確認を本部が二重に見るための材料です。AIの答えを理由に、現地でカード挿入口を見る手順を省かないでください。

02今回想定するシステム構成

構成図
巡回の担当(行内の業務用スマートフォン)
   │  決めた位置から5〜6枚。ファイル名にコーナーの番号
   ▼ 行内のファイルサーバー(コーナーのフォルダ)
【トリガー】n8n の Local File Trigger(行内のサーバー上)
n8n(行内のサーバーで動かす)
   ├── コーナーの台帳 ── 基準の写真・貼るべき掲示物と版
   ├──▶ HTTP Request ノード
   ▼
Gemini API ── 基準との違い・貼り紙・掲示物の有無と文言・位置(box_2d)
   ▼
n8n ── 区分(至急/要確認/張り替え/問題なし)
   ├──▶ 至急:当番と巡回の担当へすぐ通知
   └──▶ 巡回報告の下書き/張り替えの依頼の案
   ▼
【本部の担当が「至急」「要確認」を写真で確かめ、手順に沿って指示】
役割想定する製品代替候補
処理Gemini API(基準の写真との違い、貼り紙と掲示物の有無と文言の判定)Claude API、OpenAI API
連携n8n(行内のサーバーで動かす。写真の検知、呼び出し、区分、通知、下書きの作成)Power Automate、Make
連携ATMコーナーの台帳・掲示物の台帳(スプレッドシート)施設管理の仕組み
保管行内のファイルサーバー(コーナーごとの写真のフォルダ)-
撮影行内の業務用スマートフォンタブレット

n8n を行内のサーバーで動かすのは、写真の置き場所を行内に留めるためです。 写真が外へ出るのは、Gemini API に送るときだけです。写真の検知には Local File Trigger を使います。 ファイルやフォルダの追加・変更・削除を検知してワークフローを動かすノードで、n8n のクラウド版では使えず、自前で動かす n8n でだけ使えます。 n8n 2.0 からは、信頼できない利用者がいる環境で大きな危険をもたらしうるため、既定で無効になっています。 有効にするのは、施設・防犯グループと情報システムの担当だけが触れるサーバーに限ります。

Gemini API の呼び出しには、HTTP Request ノードを使います。 認証は汎用の Header auth で API キーをヘッダーに入れ、本文は Send Body を有効にして JSON で送ります。写真を見る土台は、Gemini API の画像理解です。 対応する形式は PNG、JPEG、WEBP、HEIC、HEIF で、1回のリクエストに複数の画像を入れられます。 画像を直接入れる場合は、指示などと合わせたリクエスト全体が20MBまでです。違いの位置は box_2d として [ymin, xmin, ymax, xmax] の形で、0から1000に正規化した座標で返せます。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

写真がコーナーのフォルダに入ったことを起点にします。 Local File Trigger が追加を検知し、ワークフローが動きます。定時のまとめ処理にはしません。 第3章の(b)のとおり、至急のものは写真が入ってから数分で知らせたいからです。

1つのコーナーの写真がそろってから処理します。 決まりは「ATMの前面(機械ごと)、天井と壁の隅、掲示物の壁、床」の枚数です。ファイル名を「コーナーの番号_撮影日時_位置」とし、決めた位置の写真がそろうか、最後の写真から10分たった時点で処理します。ATMの前面の写真だけは、そろうのを待たずに先に処理します。 至急の候補が出るのは、ほとんどがこの写真だからです。

巡回の予定と照らして、写真が来ないコーナーを出します。 巡回の予定日の夕方に、予定のあったコーナーのうち写真が1枚も入っていないコーナーを一覧にします。巡回が抜けたコーナーは、点検が抜けたコーナーです。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
巡回写真決めた位置ごとの写真。コーナーの番号、撮影日時、撮った担当コーナーのフォルダ
基準の写真コーナーごと・位置ごとの、正常な状態の写真(ATMの入れ替えや改装のたびに撮り直す)コーナーの台帳
コーナーの台帳コーナーの番号、ATMの台数と機種、管轄の支店、巡回の担当、営業時間コーナーの台帳
掲示物の台帳本部が指定した掲示物ごとの名前、版、貼る位置、見分けの手がかり(題名の文言・色)掲示物の台帳
前回の結果同じコーナーの前回の区分と、出した依頼巡回報告

質を決めるのは、基準の写真です。 写真1枚から「不審な物があるか」を見分けさせると、ATMの機種ごとの部品の形を知らないAIは、もとからある部品を不審と答えたり、本当に付け足された物を見逃したりします。 同じ位置から撮った正常な写真と並べて、「違い」を答えさせるほうが確かです。

基準の写真は、ATMの入れ替え、改装、掲示物の差し替えのたびに撮り直します。 古い基準の写真のままだと、新しい機種のカバーを「見慣れない物」と出し続けます。 撮り直した日を台帳に持たせ、巡回写真より新しい基準が無いコーナーは「基準の更新が要る」とします。

掲示物の台帳には、見分けの手がかりを持たせます。 版ごとに題名の文言や色が違うなら、それを書いておきます。AIには掲示物の文言を読ませ、版の判定はワークフローが台帳の手がかりと照らして行います。

Step3

データの取得方法を決める

n8n のワークフローが、次の順に集めます。

取るものどこから何に使うか
巡回写真コーナーのフォルダAIに渡す
コーナーの番号・位置ファイル名台帳と基準の写真の引き当て
基準の写真コーナーの台帳が指す基準の写真のフォルダAIに渡す(巡回写真と同じ位置のもの)
貼るべき掲示物と見分けの手がかり掲示物の台帳版の判定
前回の結果巡回報告前回から続く問題の判定

AIには、同じ位置の基準の写真と巡回写真を、組にして渡します。 「1枚目が基準、2枚目が今回」と順番を決めておき、位置ごとに1組ずつ呼び出します。全部の写真を1回で渡すと、どの基準とどの写真を比べたのかが答えから分からなくなります。

HTTP Request ノードの Batching で、1回に送る件数と間隔を決めます。 多くのコーナーの写真が同じ時間帯に入ったときに、呼び出しが一度に集中しないようにします。Timeout も設定し、応答が無い呼び出しは打ち切って「未処理」にします。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 位置と枚数の確認 … 決めた位置の写真がそろい、コーナーの番号が台帳にあるかを見ます
  2. 基準の写真の確認 … 同じ位置の基準の写真があり、撮り直した日が新しいかを見ます
  3. 向きの補正 … 写真の向きの情報で、横倒しの写真を正しくします
  4. 写りの確認 … 照明の映り込みが強い写真、ぶれた写真は「撮り直し」とします
  5. 人と画面の写り込みの確認 … 利用者が写っている写真、ATMの画面に取引の内容が映っている写真は、AIに送らず撮り直しにします
  6. 大きさの調整 … 長辺が大きすぎる写真は縮めます。カード挿入口と掲示物の文字が潰れない大きさは残します

5番目は、銀行の写真では必ず守ります。 巡回は利用者のいない時間を選び、利用者が来たら撮影を止めて待つ決まりにします。画面に取引の内容が映る角度からは撮りません。

4番目の映り込みは、ATMの前面のつやのある板でよく起きます。 天井の照明が映ると、光った部分を「見慣れない物」と答えやすくなります。 撮る角度を決め、斜めから撮る位置を基準の写真と同じにします。

Step5

AIに処理させる

させるのは、基準の写真と巡回写真の組ごとに、次のことを答えることだけです。

見るもの答え方判断できないときの扱い
基準との違い違いごとに、場所(card_slot / keypad / ceiling_corner / wall / other)、種類(added_object / missing_object / shape_changed / tape_or_residue)、位置写りが悪く比べられなければ not_comparable
貼り紙・掲示物1枚ずつ、題名と目立つ文言、電話番号やQRコードの有無、位置文字が読めなければ unreadable
基準にあった掲示物今回も見えるか(present / missing / not_visible)隠れていれば not_visible

電話番号やQRコードの有無を答えさせるのは、無断の貼り紙の手がかりだからです。 本部の掲示物に載る番号は決まっています。台帳に無い電話番号やQRコードが載った貼り紙は、それだけで確認の対象にします。番号そのものはワークフローが台帳と照らします。

させないこと理由
不審な機器かどうかの結論現地で人が確かめる。銀行の手順で決める
掲示物の版の判定台帳の手がかりと照らしてワークフローが決める
違いの原因の推定(「スキマーと思われる」)根拠のない言い切りが、現地の判断を急がせる
写っている人や画面についての記述利用者の情報を扱わない
QRコードの読み取り・リンク先の確認不審なリンク先に触れない。人が手順に沿って扱う

3行目がいちばん起きやすい失敗です。 カード挿入口の周りの違いを見せると、AIは「スキミング装置の可能性があります」と書き添えます。その一文が、清掃のときに付いたテープの跡や、メーカーの点検で付けた部品にも付きます。 違いの場所と種類までを答えさせ、意味は現地の確認に任せます。

Step6

指示内容を固定する

あなたは銀行のATMコーナーの巡回写真を、正常なときの写真と比べて、違いを書き出す立場です。
同じ位置から撮った写真を2枚渡します。1枚目が正常なときの基準の写真、2枚目が今回の巡回の写真です。
写真に見えるものだけを答えてください。

【この位置】{position}(例:ATM 2号機の前面)

【答えること】
1. 基準との違い(differences)
   - area:card_slot / keypad / ceiling_corner / wall / other
   - kind:added_object(基準に無い物がある)/ missing_object(基準にある物が無い)/
           shape_changed(形や色が違う)/ tape_or_residue(テープ、のりの跡、傷)
   - photo_no と box_2d、見えたものを短く note に
   - 写りが悪く比べられないときは、comparable を false にする
2. 2枚目に写る貼り紙・掲示物(notices)
   - 題名と目立つ文言を見えるとおりに写す
   - 電話番号が書かれているか、QRコードがあるか(true / false)
   - 文字が読めなければ readability を unreadable にする
3. 1枚目にあった掲示物が2枚目にも見えるか(baseline_notices):present / missing / not_visible

【厳守事項】
- 違いが何であるか、スキミングの装置や隠しカメラかどうかを書かないでください。
  場所と種類と見た目だけを答えてください。
- 照明の映り込みや影の違いは、違いとして答えないでください。迷ったら comparable を false にしてください。
- 電話番号やQRコードの中身を読み取って答えないでください。あるかどうかだけを答えてください。
- 写っている人、ATMの画面に映っている内容について、何も書かないでください。
- 違いが無いときは differences を空にしてください。迷ったときに空にしないでください。

「違いが何であるかを書かない」を明記しないと、AIは書きます。 カード挿入口の周りに付け足された物を見れば、多くの場合スキミングの手口を知っているからです。その推測が当たっていても外れていても、現地の担当が手順どおりに確かめることは変わりません。 推測を書かせないことで、報告の言葉を事実に揃えます。

「迷ったときに空にしない」も入れておきます。 違いが小さいと、AIは「違いなし」を選びやすくなります。カード挿入口の周りでは、小さな違いこそ知らせてほしい違いです。

Step7

出力形式を固定する

構造化出力で、位置の組ごとに次の形のJSONを受け取ります。

{
  "corner_id": "OFF-0731",
  "position": "atm2_front",
  "comparable": true,
  "differences": [
    { "area": "card_slot | keypad | ceiling_corner | wall | other",
      "kind": "added_object | missing_object | shape_changed | tape_or_residue",
      "photo_no": 2, "box_2d": [0, 0, 0, 0], "note": "" }
  ],
  "notices": [
    { "title": "", "key_text": "", "has_phone": false, "has_qr": false,
      "readability": "clear | unreadable", "photo_no": 2, "box_2d": [0, 0, 0, 0] }
  ],
  "baseline_notices": [ { "box_2d": [0, 0, 0, 0], "status": "present | missing | not_visible" } ]
}

場所・種類・状態を enum にして、決めた値以外を返させません。 Gemini API の構造化出力は、/v1beta/interactions の response_format に mime_type: "application/json" とスキーマを入れて指定し、enum と required が使えます。ただし、JSONとして正しくても値が正しいとは限らないため、アプリケーションの側で値を確かめるよう案内されています。 ワークフローで、box_2d が0から1000の範囲にあるか、position が渡した位置と同じかを確かめます。

区分は、ワークフローが決めます。

区分条件知らせ方
至急card_slot か keypad か ceiling_corner に added_object / shape_changed / tape_or_residueその場で当番と巡回の担当に通知
要確認台帳に無い貼り紙、とくに台帳に無い電話番号・QRコード入り。comparable が false の前面の写真当日中に本部の担当が見る
張り替え貼るべき掲示物が missing、または台帳の手がかりと照らして古い版巡回報告と、支店への依頼の案
問題なし上のどれにも当たらない巡回報告に記録

至急の条件は、場所で絞っています。 壁や床の小さな違い(ごみ箱の位置など)まで至急にすると、当番への通知が毎日鳴り、本当の知らせが埋もれます。 カード挿入口・操作パネル・天井の隅は、全国銀行協会が挙げる手口の場所にあたります。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
ファイルサーバーLocal File Trigger とファイルの読み書き写真の検知・読み取り・移動
コーナーの台帳・掲示物の台帳スプレッドシートの読み取り基準の写真、貼るべき掲示物と手がかり
Gemini APIHTTP Request ノード(Header auth)違いと掲示物の判定
当番と巡回の担当行内のメールと業務用スマートフォンへの通知至急の知らせ
巡回報告スプレッドシートへの書き込み下書きの列だけに書く

至急の知らせには、基準の写真と巡回写真の該当の部分に枠を付けた画像を添えます。 box_2d を写真の大きさに戻して枠を描きます。当番は、写真を開かずに場所が分かります。

ATMの停止や警察への連絡は、ワークフローから行いません。 至急の知らせを受けた当番が、銀行の手順に沿って現地の確認を手配し、必要なら停止や連絡を判断します。

Step9

人が確認する

  1. 「至急」は当番がすぐに見る … 枠の付いた画像を見て、巡回の担当がまだ現地にいれば、その場で確かめてもらいます。離れていれば、手順に沿って近くの支店か委託先に確認を頼みます
  2. 「要確認」を当日中に見る … 台帳に無い貼り紙は、支店や設置先の施設が貼ったものかを確かめます。どこも貼っていなければ、はがす手配をします
  3. 「張り替え」をまとめて依頼する … 支店ごとに依頼の案をまとめて送ります
  4. 「問題なし」は巡回報告で確定する … 一覧を流し見て確定します

至急の知らせが誤りだったときも、記録します。 誤りの多くは、ATMの点検でメーカーが付けた部品、清掃の後のテープの跡、基準の写真が古いことです。誤りが続くコーナーは、基準の写真を撮り直します。

目標は、480件をならして1件2.5分です。 「問題なし」のコーナーは一覧で短く済み、「至急」「要確認」のコーナーは写真を開いて確かめ、連絡します。

Step10

例外に対処する

起きること対応
予定のコーナーの写真が来ない夕方に「巡回の抜け」として一覧に出す
基準の写真が無い・古い違いの比較をせず「基準の更新が要る」。掲示物の確認だけ行う
映り込み・ぶれで比べられないcomparable が false。前面の写真なら「要確認」とし、撮り直しを頼む
利用者・画面が写っているAIに送らず撮り直し
本部の掲示物を差し替えた直後差し替えの期限までは古い版を「張り替え」にせず、期限の翌日から出す
ATMの入れ替え・改装の工事中台帳に工事中の印を付け、その期間は違いの比較を止める
Gemini API が応答しない「未処理」。前面の写真なら、本部の担当がこれまでどおりすぐ目で見る
Local File Trigger が止まる写真がフォルダに残る。残った数を毎朝見る

「未処理」を「問題なし」に混ぜないでください。 とくにATMの前面の写真が未処理のまま「問題なし」になると、本部が二重に見るという、この構成の目的そのものが抜けます。

Step11

記録を残す

  • コーナーごとの巡回写真と、撮影日時、撮った担当
  • 基準の写真の版(撮り直した日)と、比べた組
  • AIの答え(違い、貼り紙と掲示物、位置)
  • 区分と、至急の通知を送った時刻、当番が確認した時刻
  • 当番や担当が直した区分と、その理由(メーカーの部品、清掃の跡など)
  • 張り替えの依頼と、張り替えを確かめた巡回の日

巡回報告の下書きは、たとえば次の形にします。

【ATMコーナー巡回報告】2026-10-08 分(巡回 30か所、未処理 0)
 OFF-0731 駅前 2号機 前面   至急:card_slot added_object(10:42 通知、10:51 現地確認・異常なし:点検の部品)
 OFF-0745 商業施設         要確認:台帳に無い貼り紙(電話番号あり、写真4 右下)
 OFF-0752 病院             張り替え:携帯電話の通話の呼びかけ 旧版
 OFF-0760 市役所出張所     問題なし

至急の通知から現地の確認までの時間を残すのは、手順が回っているかを見るためです。 時間が延びているコーナーは、近くに確かめに行ける人がいないコーナーです。

04実装レベルの3段階

最小構成:基準の写真と今回の写真を手でAIの画面に貼り、違いを答えさせる / 1組ごとの見比べ
半自動化:上記+写真の到着を起点に n8n で呼び出し、違いと掲示物を一覧に書き出す / 全コーナーの見比べと一覧化
本格構成:上記+場所と種類で区分を付け、至急の通知、掲示物の版の判定、巡回報告と依頼の下書きまで作る / 見比べ・版の照合・通知・報告の下書きまで

最小構成では120か所をさばけません。 確かめるための段階です。 半自動化で、1件6分が4分程度になります。 見比べは無くなりますが、掲示物の版の照合と、報告と依頼の作成が手で残ります。 本格構成で2.5分になり、この段階が本記事の想定です。 差が大きいのは、②の版の照合と③の報告の下書きが自動になるためです。 段階を飛ばさないでください。 半自動化の一覧を1か月見ると、誤った違いの多いコーナーと、基準の写真の撮り直しが要るコーナーが分かります。そこを直してから至急の通知を始めるほうが、当番が通知を信用します。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
4 名
月間件数
480 件
1件あたり現在時間
6 分
1件あたり導入後時間
2.5 分
現在  480件 × 6分 ÷ 60 = 48 時間/月
導入後 480件 × 2.5分 ÷ 60 = 20 時間/月
月間削減時間
28h
削減率
58%
年間削減時間
336h
年間金額換算(時間単価3,500円)
118万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 店舗の外にATMコーナーを数十から百か所以上持ち、行員や警備の委託先が巡回して写真を撮り、本部の総務の担当が写真を見て巡回報告をまとめている銀行・信用金庫。本部が指定する注意喚起の掲示物を定期的に差し替えており、コーナーごとの張り替えの漏れを追い切れていない場合。商業施設やコンビニの中にATMを置く場所の管理の担当にも当てはまります。
向いていない
  1. ATMコーナーが数か所で、担当が毎回現地で見て回れる場合。コーナーの写真を外部のAIに送ることが、社内の規程や外部委託の管理の方針で認められていない場合。防犯カメラの映像の常時の監視で足りている場合。なお、不審な機器かどうかの最終の判断、ATMの停止や警察への連絡、機器の点検そのものは、この構成では代替できません。

07最小構成で試す方法

  1. 店舗外ATMコーナーを10か所選び、正常なときの写真を決めた位置から撮る(利用者と画面が写らないように)
  2. うち数か所で、本物の細工ではなく、カード挿入口の横に目立たない色のテープを貼る、本部の掲示物を1枚はがす、無断の貼り紙の見本を貼るなどの状態を作って同じ位置から撮る
  3. 手元の Gemini の画面に、基準の写真と今回の写真を1組ずつ貼り付ける
  4. 「1枚目が正常なとき、2枚目が今回です。違いの場所と種類、貼り紙の題名と電話番号やQRコードの有無を答えてください。違いが何であるかは書かないでください」と指示する
  5. 作った状態を、どれだけ拾えたかを数える

試すときも、会社が使ってよいと決めた有料の枠で行います。 試験の状態は、コーナーを閉じている時間に作り、終わったらすぐ元に戻します。

出てきた内容判断
作った違いを場所ごとに拾えている基準の写真の整備に進む
違いに「スキミングの可能性」と書き添える指示の書き方で直る。構成は有効
映り込みを違いと答えることが多い撮る角度と照明が先。 AIの問題ではない

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
1枚の写真から「不審か」を答えさせて外れる基準の写真と組で渡し、違いを答えさせる
違いに「スキミングの可能性」と書き添える違いの意味を書かないよう指示する
照明の映り込みを違いと答える撮る角度を基準と同じにし、迷ったら比べられないと答えさせる
基準の写真が古く、新しい機種の部品を違いと出す入れ替え・改装のたびに撮り直し、撮り直した日を台帳に持つ
壁や床の小さな違いまで至急になる至急はカード挿入口・操作パネル・天井の隅に絞る
差し替えの直後に古い版が一斉に出る差し替えの期限までは出さない
利用者や画面が写った写真を送る撮らずに待つ決まりと、写り込みの撮り直し
QRコードを読み取ってリンク先を開く有無だけを答えさせ、中身は人が手順に沿って扱う
未処理の前面の写真が「問題なし」になる未処理は本部の担当がすぐ目で見る

上の2行が、この構成の失敗のほとんどです。 どちらも、写真から分からない「意味」をAIに答えさせることから起きます。AIには違いだけを、意味は現地の確認に、と分けておけば、機種が増えても基準の写真を足すだけで済みます。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: ATMコーナーの写真(機械の前面、天井と壁の隅、掲示物)、コーナーの台帳、巡回報告です。コーナーの配置や防犯の設備の位置は、細工をしようとする者の手がかりになりうる情報です。

  1. 外へ送るものを絞る … Gemini API に送るのは、同じ位置の基準の写真と巡回写真の組と、位置の名前だけです。コーナーの所在地、管轄の支店、巡回の予定は送りません
  2. 利用者と取引の内容を写さない … 利用者がいるときは撮らず、画面に取引の内容が映る角度から撮りません。写り込んだ写真は送りません
  3. 有料の枠で使う … Gemini API の規約では、無料の枠では送った内容が製品の改善に使われ、人が読むことがあるとされています。有料の枠では、プロンプトや応答を製品の改善に使わず、禁止事項の違反を見つけるために限った期間だけ記録するとされています
  4. 保存される場所を確かめる … 有料の枠でも、内容はどの国でも一時的に保存・キャッシュされうるとされています。行内の規程と外部委託の管理の方針で、国外に出しうる情報として扱えるかを先に決めてください
  5. n8n を限られた人だけが触れる場所で動かす … Local File Trigger は、信頼できない利用者がいる環境で大きな危険をもたらしうるとして既定で無効です。有効にするサーバーと、そこに触れる人を限ります
  6. 不審な機器の判断と対応をAIに寄せない … 全国銀行協会は、不審な機器を見つけたら銀行員か ATM に設置の電話で知らせるよう利用者に呼びかけ、金融庁も不審な機器に気づいたら速やかに金融機関に連絡するよう案内しています。銀行の側の対応は、行内の手順に沿って人が決めます

誤りが起きた場合のリスクは、細工を見逃すことと、誤った至急の知らせで現地を動かすことの2つです。 前者は比べられない写真を「問題なし」に混ぜると起き、後者は至急の場所を広げすぎると起きます。比べられないことを記録に残し、至急の場所を絞ることで守ります。

10まず何から始めるか

1週目:行内の確認と、撮る位置を決める

ATMコーナーの写真を外部のAIに送ってよいかを、行内の規程と外部委託の管理の方針で確かめます。あわせて、コーナーごとに撮る位置と角度を決めます。

2週目:10か所で試す

10か所の基準の写真を撮り、閉じている時間に試験の状態を作って、手元の Gemini の画面で違いを答えさせます。作った違いを拾えるか、違いの意味を書き添えないかを最優先で見ます。

3週目:基準の写真と掲示物の台帳を整える

120か所の基準の写真を、巡回の担当に撮ってもらいます。掲示物の台帳に、版ごとの見分けの手がかりを書きます。

4週目:写真の到着から一覧までをつなぐ

行内のサーバーで n8n を動かし、Local File Trigger から HTTP Request ノードまでをつなぎ、違いと掲示物を一覧に書き出すところまで作ります。 至急の通知はまだ出さず、本部の担当の見比べと並べます。

2か月目: 区分と至急の通知、巡回報告の下書きを出します。3か月目以降: 1件6分が何分になったかを実測し、誤った至急の多いコーナーの基準の写真を撮り直します。至急の知らせが届いてから現地の確認までが、毎回決めた時間の中に収まるようになった時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-08/最終更新:2026-10-08
確認した内容情報源確認日
ATM周辺の不審な機器(特にカード挿入口)への注意。ATMのカード挿入口にカード読み取り機を設置して磁気データを盗み取る手口と、ATM周辺に小型の隠しカメラを設置して暗証番号を盗撮する手口。発見した場合は銀行員に知らせるか、ATMに設置の電話で連絡するよう呼びかけていること全国銀行協会: スキミングによる偽造キャッシュカード被害にご注意ください2026-10-08
無人出張所のATMに隠しカメラが設置され暗証番号が盗撮されたとみられる事案があったこと。ATMを利用する際に不審な機器等に気づいたら、速やかに金融機関に連絡するよう案内していること金融庁: あなたのキャッシュカードが狙われています2026-10-08
警察庁と金融庁の連名で全国銀行協会等に対し、「ATMでの携帯電話の通話は、しない、させないこと」を社会の常識として定着させる「ストップ!ATMでの携帯電話」運動等への協力を依頼したこと(2025年1月10日)警察庁: ストップ!ATMでの携帯電話2026-10-08
対応する画像の形式が PNG、JPEG、WEBP、HEIC、HEIF であること。画像を直接入れる場合、指示などと合わせたリクエスト全体が20MBまでであること。1回のリクエストに複数の画像を入れられること。位置を box_2d として [ymin, xmin, ymax, xmax] の0〜1000の座標で返すことGemini API: Image understanding2026-10-08
構造化出力を /v1beta/interactions の response_format に mime_type: "application/json" とスキーマを入れて指定すること。enum と required が使えること。JSONとして正しくても値はアプリケーションの側で検証するよう案内されていることGemini API: Structured output2026-10-08
無料の枠では送った内容が製品の改善に使われ、人が読むことがあること。有料の枠では製品の改善に使わず、禁止事項の違反を見つけるために限った期間だけ記録すること。どの国でも一時的に保存・キャッシュされうることGemini API Additional Terms of Service2026-10-08
Local File Trigger がファイルやフォルダの追加・変更・削除を検知してワークフローを動かすこと。n8n のクラウド版では使えないこと。n8n 2.0 から、信頼できない利用者がいる環境で大きな危険をもたらしうるため既定で無効であることn8n Docs: Local File Trigger node2026-10-08
HTTP Request ノードで REST API を呼べること。汎用の認証に Header auth があること。Send Body と JSON の本文。Batching(Items per Batch、Batch Interval)と Timeout の設定があることn8n Docs: HTTP Request node2026-10-08

不審な機器を見つけたときの対応(ATMの停止、警察への連絡、利用者への案内)は、行内の手順と所管の警察の案内に従ってください。 本部の掲示物の内容は、各行の方針と業界団体・行政の案内で決めてください。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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