他社の図表はAIで直しても残る権利がある|著作者人格権の扱い

他社の図表はAIで直しても残る権利がある|著作者人格権の扱い

「他社の調査の図は、生成AIで色と体裁を変えてしまえば自社の図として使えると思っていました」「出典を書かない代わりに、AIで文章を言い換えて載せています」——資料をたくさん作る部署で、実際に交わされている整理の仕方です。ただ、この整理には抜けがあります。他社が作ったものを作り直して載せるときに関わるのは、使ってよいかどうかの許諾だけではありません。本当は、許諾を取っても移らない権利が、作った人の側に残り続けます。この記事では、その残る権利が何なのか、そしてAIでの作り直しのどの操作に当たるのかを、実務の場面から整理します。


カメ先生カメ先生

体裁を変えたから別の物になった、と受け取られやすいのだけど、本当は変えたこと自体が別に問われる場合があるんだ。


カメ子カメ子

では、変えないほうが安全ということですか。


カメ先生カメ先生

そう単純でもなくてね。使ってよいという許諾と、変えてよいという承諾は別に扱われるから、順番に確かめる必要がある。


カメ子カメ子

許諾と承諾は、どこで線が分かれるのでしょうか。


この記事のポイント
  • 使用の許諾で片づくのは財産の側の権利。作った人の人格に関わる権利は許諾では移らない
  • 残る権利は3つ。出すかを決める権利、名前を出すかを決める権利、勝手に変えられない権利
  • AIは「これは変えてよいか」を判断できない。出典と改変の有無を人が残す形を先に置く
  • 本記事は法的な助言ではなく、社内で確認するときの観点を整理したものです。生成AIと権利をめぐる論点は判例の蓄積が乏しい領域を含みます。個別の案件では条文と最新の公表資料を確認し、必要に応じて専門家に相談してください。

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目次

場面:業界団体の図をAIで整えて、自社の資料に載せた

想定の場面を1つ置いて、記事の最後まで同じ題材で追います。医療機器の販売を手がける従業員500人規模の会社で、マーケ部門が受注前の説明用の資料を作っていました。市場の伸びを示す図が必要になり、業界団体が公開している調査レポートの棒グラフを画面ごと取り込んで生成AIに渡し、自社の配色と書体に合わせた図に作り直させました。元の数値はそのままで、見た目だけを整えた図です。

制作の担当者は、図の下に出典を書きませんでした。理由は2つあったといいます。1つは、作り直したので元の図とは別のものになっているという受け取り方。もう1つは、出典の1行を入れると資料の体裁が崩れるから、という制作上の都合です。掲載から2か月後、団体の事務局から連絡が入り、資料の差し替えを求められました。

担当者が最初に調べたのは「引用の範囲に収まっているかどうか」でした。ところが事務局が挙げてきた点は、引用の話だけではありませんでした。図を作り直したこと自体と、団体名が消えていることが、別々に指摘されていたのです。この2つがどこから出てくるのかが、この記事で扱う線になります。

「体裁を変えたから別物」という受け取り方は、どこで崩れるか

誤解の中身をはっきりさせておきます。他社のものを載せるときの心配は、たいてい「そのまま貼ったら怒られる」という形で持たれます。だから手当ても、そのまま貼らないための方向に出ます。色を変える、書体を変える、言い回しを直す、順番を入れ替える。この手当ての向きが、権利の並びと逆を向いているのが問題です。

貼ることを避けようとして打つ手は、結果として改変になります。ところが著作権法第20条は、著作物とその題号の同一性を保持する権利を著作者に与え、その意に反した変更・切除その他の改変を受けないものとしています。つまり改変そのものが別に問われる。貼ることを避けるための改変が、もう1つの入口を開ける構造になっています。AIを使うと、この改変が短時間で、しかも自分では意図していない範囲まで広がります。

よく聞く整理のうち、そのままでは通らないものを並べます。

  • 色と書体を変えたので、元の図とは別の著作物になった
  • 数字は事実なので、図の形を借りても問題にならない
  • 出典を書かない代わりに、AIで言い換えたから引用ではなくなった
  • 使用の許諾をもらっているので、体裁の手直しは自由にできる
  • 社内向けの資料なので、外に出す資料とは扱いが違う

財産の側の権利と、人格の側の権利は別に動いている

著作権と呼ばれているものを、実務では2つに分けて持つほうが迷いにくくなります。1つは財産の側で、複製したり公に送信したりといった使い方に応じて働くもの。もう1つが人格の側で、作った人の名誉や思い入れに関わるものです。財産の側は譲渡や許諾でやりくりできますが、人格の側は著作権法第59条で、著作者の一身に専属し譲渡することができないと定められています。相続もされないと整理されています。

影響は具体的です。図の使用について団体から許諾をもらっても、その許諾は財産の側の話にとどまります。誰の名前を出すか、どこまで変えてよいかは、許諾の書面に書いていなければ動きません。実務では、使用の許諾と改変の承諾を別の行に分けて確かめると早い。1行にまとめて「利用可」と書かれた返信は、後で範囲の争いになります。

もう1点、期間の感覚も財産の側と違います。著作権ドットコムの解説(2026年8月25日取得)では、著作者人格権は他人に譲渡できず相続もされない一方、著作権法第60条により著作者の死後も人格的利益を害する行為は禁じられていると整理されています。古い調査レポート、退職した担当者が作った社内資料、廃刊になった媒体の記事。相手がもう活動していないから確認先がないという状況は、使ってよい理由にはなりません。

確かめる点財産の側人格の側
譲れるか譲渡できる。許諾でも動かせる譲渡できない。第59条で一身に専属する
何で解決するか使用の許諾、対価の取り決め作った人の意思の確認。不行使の取り決めにも限界がある
問われる操作複製、公衆送信、配布などの使い方出すかどうか、名前の出し方、内容を変えたかどうか
AIでの作り直しとの関係元の図を取り込む段階に関わる作り直した後の形と表示に関わる

権利の1つ目:まだ出していないものを出すかどうかを決める権利

著作権法第18条は、まだ公表されていない著作物を公衆に提供し、または提示する権利を著作者に与えています。実務では「公表する権利」よりも、まだ公表しないでおく権利として働く場面が多い。譲渡や映画の著作物に関する同意の推定、行政機関等への提供に伴う開示の同意の擬制といった規定も同じ条にありますが、社外の相手から資料を受け取る場面はその枠の外です。

AIでの作り直しに当たるのは、次のような場面です。取引先の担当者から参考として送られてきた提案書や設計の図、調査の生データを、AIに整えさせて自社の記事や登壇資料に載せる。相手がまだ世に出していないものを、こちら側が先に出す形になります。内容の良し悪しとは関係なく、出すかどうかを決める順番を飛ばしたことになります。

見落としが起きやすいのは、受け取ったファイルの位置づけが曖昧なときです。会議で画面に映されたものを撮った画像、社内共有のために転送されたファイル、外部の勉強会で配られた紙。いずれも公表されたものとは限りません。AIに要約させると出どころの手がかりが落ちるため、受け取った時点で公開物かどうかを記録に残すほうが後で楽になります。

権利の2つ目:名前を出すか、どう出すかを決める権利

第19条は、著作物を公衆へ提供または提示する際に、実名か変名を著作者名として表示するか、あるいは著作者名を表示しないこととするかを決める権利を著作者に与えています。第2項では、著作者の別段の意思表示がない限り、その著作物についてすでに著作者が表示しているところに従って著作者名を表示することができる、と定められています。

ここが今回の場面に直接当たります。元の調査レポートに団体名が入っていたなら、それに従って表示するのが既定の状態です。AIに作り直させたときに団体名が落ちるのは、既定から外れる方向の変更になります。AIは元の図の中の文字を保持する義務を持ちませんし、体裁を整えるという指示は、たいてい文字を減らす方向に働きます。

第3項には省略できる場合の定めがあります。利用の目的および態様に照らして、著作者が創作者であることを主張する利益を害するおそれがないと認められるときは、公正な慣行に反しない限り省略できるとされています。ただしこれは省略してよい理由を説明できる場合の話です。体裁が崩れるから、資料が読みにくくなるから、という制作上の都合はこの説明に入りにくい。

権利の3つ目:勝手に変えられない権利と、例外の狭さ

第20条第1項は、著作物およびその題号の同一性を保持する権利を著作者に与え、その意に反した変更・切除その他の改変を受けないものとしています。意に反するかどうかが基準なので、変えた側が良くしたつもりでも成り立ちません。題号、つまり表題も対象に入っている点は、資料づくりでよく見落とされます。

第2項には例外が並びます。学校教育の目的上必要な用字や用語の変更、建築物の増築・改築・修繕・模様替え、電子計算機で利用できるようにするために必要な改変、そして著作物の性質ならびにその利用の目的および態様に照らしてやむを得ないと認められる改変です。最後の1つは受け皿のように見えて、実務では広くは使えないと説明されることが多い。資料の見た目をそろえたい、というのは、やむを得ない事情の説明として弱いからです。

どの程度の直しが問題になりうるのかは、契約実務の解説が具体的です。契約ウォッチの解説記事(2026年8月25日取得)では、送り仮名の変更、読点の削除、中黒から読点への変更、改行の省略といった、外面的な表現形式に増減や変更を加える行為が、同一性保持権の侵害になりうる例として挙げられています。AIに読みやすく整えてと頼むと、この種の直しがまとめて入ります

場面1:調査の図を、色と体裁だけ変えて自社資料に貼る

最初の場面が、冒頭で置いた棒グラフです。作り直しの操作を分解すると、少なくとも4つの変更が入っています。配色の変更、書体の変更、目盛りの刻みや軸の並びの整理、そして出所の表示の欠落。4つのうち3つは改変の側、1つは名前の表示の側に当たります。色だけ変えたつもりでも、AIは同時にほかの3つを触ります。

この場面の対処は単純です。作り直すのをやめて、元の図をそのまま載せ、出所を明示する。図が自社の資料の体裁に合わないという問題は、図を変えるのではなく、図を囲む側で吸収します。枠を付ける、余白を取る、キャプションを添える。元の図に触らないという線を先に引くと、社内の判断が要らなくなります。

数値を使いたいだけなら、もう1つの道があります。元の図を再現するのではなく、公表されている数値を自社で読み直して、自社の表に組み替える。ただしこの場合も、どの調査のどの時点の数値なのかを本文に書きます。図の形ではなく数値を使う、と決めれば、AIには表の整形だけを任せられます。

場面2:記事の一部をAIで言い換えて、出典を書かずに載せる

2つ目は文章の場面です。他社の記事や論文の一節を、AIに「別の言い方に直して」と頼み、出典を書かずに自社の記事に置く。出典を書かない理由として挙がるのは、言い換えたから引用ではなくなった、という整理です。この整理は引用の要件を満たさない方向へ進んでいる点で逆を向いています。

引用は、他人の著作物をそのまま示して、自分の文章と区別できる形で使う仕組みです。言い換えて境目を消すと、区別できる形から遠ざかります。加えて、元の表現を変えた行為そのものが同一性保持権の側で問われ、著作者名を落とした点が氏名表示権の側で問われる。1つの操作で、3つの論点に同時に触れることになります。

実務では、AIに任せる範囲を分けます。要点の把握と、自社の文章の下書きはAIで進める。ただし他社の表現を持ってくる部分は、そのまま引くか、引かないかの二択にする。引くと決めたら、鉤括弧で囲んで出所を書く。引かないと決めたら、他社の記事は読んだうえで自社の言葉で書き直し、事実として書ける数値だけを出所付きで使います。

場面3:他社の図の数字を自社の数字に置き換えて、形だけ流用する

3つ目は、少し性質が違います。他社が作った図の形、色分けの考え方、軸の取り方、注釈の置き方をそのまま使い、中の数値だけ自社のものに差し替える。これは数値を借りていないので、事実の利用としては問題がないように見えます。実際に相談として上がりやすいのもこの形です。

ここで見るのは、図の形に表現としての工夫があるかどうかです。一般的な棒グラフや折れ線グラフの形そのものは、誰が作っても似た形になります。一方で、独自の分類の軸を作った図、複数の指標を1枚に重ねる独自の見せ方、色分けの規則そのものに考え方が入っている図は、形の側に工夫が乗っていると見られる余地があります。判断が難しい領域なので、断定はできません。

実務では、迷ったら図の作り手に確認するか、自社の指標を先に決めて図を組み直します。AIに「この図と同じ体裁で自社の数値の図を作って」と頼むのが最も危ない頼み方です。同じ体裁で、という指示は、形の工夫ごと持ってくる指示になります。頼み方を「自社の3つの指標を1枚で比べられる図を作って」に変えると、出てくるものの性質が変わります。

場面4:引用のつもりでAIに要約させ、原文の趣旨がずれる

4つ目は、手続きを踏んでいるつもりで起きる場面です。他社のレポートを引用しようと考え、長いので生成AIに要約させ、その要約を鉤括弧に入れて出所を書いて載せる。形式は整っていますが、鉤括弧の中身は原文ではありません。原文にない文が、原文として提示されている状態です。

さらに厄介なのは、要約の過程で趣旨がずれる場合です。留保の付いた記述から留保が落ちる、条件付きの結論が無条件の結論になる、複数の要因のうち1つだけが残る。長い文脈を扱うときにAIの取りこぼしが増えるのは広く知られており、要約に限界があるという前提で使う必要があります。趣旨がずれた形で示されると、内容の正確さの問題を超えて、作った人の主張とは違うものを主張として示したことになります。

対処は3つに分けます。第一に、鉤括弧の中は原文だけにする。第二に、長い部分を短くしたいなら、要約であることを本文に明記し、原文の場所も書く。第三に、AIの要約はあくまで自社の理解のためのメモとして使い、公開する文には載せない。この3つを社内の書き方の規則として置くと、判断のたびに考える必要がなくなります。

引用の要件を、人格の側から見直す

引用については、要件が判例で整理されています。著作権法第32条は、引用が公正な慣行に合致し、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行われるものでなければならないと定めています。虎ノ門法律特許事務所の解説(2026年8月25日取得)によれば、パロディ・モンタージュ事件の最高裁判決は、引用する側と引用される側の著作物を明瞭に区別して認識することができ、かつ前者が主、後者が従の関係がある場合に限られるとしました。

同じ解説では、美術品鑑定証書事件が、利用の目的のほか、その方法や態様、利用される著作物の種類や性質、当該著作物の著作権者に及ぼす影響の有無・程度などを総合考慮すべきとしたことも紹介されています。加えて第48条の出所明示義務に違反するような場合は、公正な慣行に合致するものではないとされます。出所を書かないことが、引用そのものの成立を崩すという並びです。

人格の側から見ると、ここに2つ足りません。1つは、引用される側の著作者人格権を侵害する態様の引用は許されないという点です。第18条第3項の規定からそれが明らかであるとする整理が紹介されています。もう1つは、引くと決めた部分は原文のまま引くという点。AIを挟むと、この2つが同時に崩れやすい。引用の可否を検討する前に、原文のままかどうかを先に見るほうが確実です。

変えていなくても、侵害とみなされる使い方がある

3つの権利の外側に、もう1つ押さえる規定があります。第113条第11項は、著作者の名誉または声望を害する方法により著作物を利用する行為を、著作者人格権を侵害する行為とみなすと定めています。契約ウォッチの解説では、夜景の写真が無断で性的な内容の場を扱うサイトに使われる場合が例として挙げられています。

実務でこれが効いてくるのは、置き場所と並びです。他社の調査の図を、自社の商品が優れていることを示す並びの中に置く。作った人が想定していない文脈で使う。批判の対象として並べる。図そのものは1ピクセルも変えていなくても、使い方の側で問われることがある、という規定です。

AIで資料を組むときは、この点が見えにくくなります。図や引用を並べる作業をAIに任せると、置き場所の判断も一緒に渡してしまうためです。図を1つ借りたら、それがどの見出しの下に、どの主張の根拠として置かれるのかを、人が最後に見る。並べる作業と、置き場所を決める作業を分けるだけで、この種の事故は減ります。

指摘が届いたとき、相手が求められることの範囲

どこまでの話になりうるのかを知っておくと、社内で優先度が付けやすくなります。契約ウォッチの解説(2026年8月25日取得)によれば、著作者人格権を侵害された著作者は、著作権法第112条第1項に基づく差止請求、民法第709条に基づく損害賠償請求、そして著作権法第115条に基づく名誉回復措置の請求ができるとされています。損害賠償については立証責任を著作者が負うと説明されています。

刑事の側についても同じ解説が、著作権法第119条第2項第1号として、5年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金またはその両方を挙げています。実際にどう扱われるかは事案によりますし、多くの案件は差し替えと訂正で収まります。ただ、差止めは資料の回収や記事の取り下げを意味する点は、資料が営業の現場に配られた後だと重い作業になります。

契約でよく使われる取り決めについても押さえます。制作の委託では、制作会社が発注者および発注者が指定する第三者に対して著作者人格権を行使しないという条項が入る例があります。ただし同じ解説には、無限定に不行使を定める規定は無効であるとする考えも存在すると書かれています。取り決めがあるからどこまでも変えてよい、とは読まないほうが安全です。

AIは「これは変えてよいか」を判断できない

ここまでの4つの場面に共通するのは、判断の材料がAIの手元にないことです。その図を誰が作ったのか、公表されているのか、どういう条件で使えるのか、作った人がどこまでの変更を想定しているのか。これらは元のファイルの外側にある情報で、画像や文章を渡しただけでは伝わりません。判断できないものを判断させると、もっともらしい返答が返ってきます。

できることとできないことを分けておきます。できるのは、作業の記録を整えること。どの資料を参照したか、どんな指示を出したか、出力の何を採用したかを整理する。もう1つは、変更点の洗い出しです。元の図と作り直した図を並べて、色・書体・軸・注釈・表示のどこが変わったかを挙げさせる作業は、人がやるより速く網羅的です。

できないのは、その変更が許されるかどうかの判定です。ここを渡すと、判断の責任が誰にもない状態になります。AIには変更点の一覧を出させ、変更してよいかは人が決める。この分け方を運用の形に落とすのが、次の章の内容です。

社内に置く確認の順番と、残す記録

判断を毎回やらないための形を作ります。順番は5つで足ります。慣れれば1件あたり数分で回ります。重要なのは、この順番をAIに渡す前に置くことです。作り直した後に確認すると、元の状態が分からなくなっています。

STEP1
出どころを1行で書く

使いたい図や文章について、作った主体の名称、公表されている場所、公表の時期、取得した日を1行にまとめます。ここが書けないものは、この時点で使わないと決めます。

STEP2
公開物かどうかを分ける

誰でも見られる場所に出ているものと、相手から個別に受け取ったものを分けます。個別に受け取ったものは、出してよいかを相手に確認するまで進めません。

STEP3
そのまま使うか、使わないかを決める

作り直して使う、という選択肢を最初から置きません。元のまま出所を付けて載せるか、載せずに自社で作り直すかの二択にします。二択にすると、改変の議論が発生しません。

STEP4
自社で作り直す場合、元を参照しない

自社の指標と自社の数値で組み直します。元の図を横に置いたままAIに指示すると形が寄るため、参照するのは数値だけにします。

STEP5
改変の有無を記録に残す

最終の資料について、他社由来の要素があるか、あるならどれで、そのまま載せたのか作り直したのかを1行で残します。指摘が届いたときに最初に聞かれるのがここです。

記録の置き場所は、資料と同じ場所にします。別の台帳に書くと、資料だけが独立して流通したときに追えません。資料ファイルの最後に、参照した他社由来の要素の一覧を付ける。社外配布版ではその頁を外す。作った人が異動しても追える形にしておくのが目的です。

よくある質問

社内でしか使わない資料なら、確認は要らないのでしょうか

社内限りという前提は、資料が動くと崩れます。営業の担当者が抜粋して提案書に貼る、勉強会の録画が共有される、退職者の端末に残る。実務では、社内向けと社外向けの線を資料の性質ではなく置き場所と権限で引くほうが確実です。確認の手間を惜しむより、作り直しをやめるほうが軽い。

生成AIが作った図に、他社の権利が残ることはありますか

元の図を渡して作り直させた場合は、出てきた図に元の表現が残っている可能性があります。渡さずに、数値と要件だけを伝えて作らせた場合は、元の表現との結び付きが薄くなります。ただし生成AIと著作権をめぐる論点は判例の蓄積が乏しく、断定はできません。渡すか渡さないかで扱いが変わる、という点だけは押さえておく価値があります。

出典を書けば、作り直しても問題ないと考えてよいですか

出典の表示は、氏名表示権と出所明示の側に効きます。作り直したこと自体は、同一性保持権の側の話なので別に残ります。出典を書くことと、変えてよいことは別の軸です。両方をそろえたいなら、出所を書いたうえで元のまま載せる形が最も単純です。

文化庁の資料には、この点についての整理はありますか

文化庁のウェブサイトには、文化審議会著作権分科会法制度小委員会が令和6年3月15日に取りまとめた「AIと著作権に関する考え方について」と、令和6年7月31日に文化庁著作権課が公表した「AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス」が掲載されています。生成AIをめぐる論点は判例が蓄積されていない領域を含むため、これらの公表資料の最新版を確認しながら進めるのが実務的です。

許諾を取る連絡は、どこまで書けばよいでしょうか

使いたい図の特定、載せる媒体と範囲、公開の時期、そして体裁を変えるかどうかの4点を書きます。最後の1点を落とすと、後から範囲の争いになります。変える予定がないなら、変えずに載せると明記します。返信は保存し、資料の記録欄に日付を書いておきます。

まとめ

他社の図や文章をAIで作り直して自社の資料に載せるとき、確認する軸は2本あります。1本は使ってよいかどうかの許諾で、これは財産の側です。もう1本が、許諾では移らない人格の側です。第18条の出すかどうかを決める権利、第19条の名前を出すかを決める権利、第20条の勝手に変えられない権利の3つは、著作権法第59条により作った人の一身に専属し、譲渡できないと定められています。

実務の結論は短くなります。作り直して使う、という選択肢を最初から置かない。元のまま出所を付けて載せるか、載せずに自社の数値で組み直すかの二択にする。AIには変更点の一覧と作業の記録を任せ、変えてよいかどうかの判断は人が持つ。そして改変の有無を、資料と同じ場所に1行で残す。この形にしておくと、指摘が届いたときの初動が早くなります。

なお本記事は法的な助言ではなく、社内で確認するときの観点を整理したものです。生成AIと権利をめぐる論点には判例の蓄積が乏しい部分が含まれます。個別の判断が必要な場面では、条文と文化庁などの最新の公表資料を確認したうえで、必要に応じて専門家に相談してください。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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