競合の値下げで失注する原因と対策|価格以外の土俵へ

競合の値下げで失注する原因と対策|価格以外の土俵へ

「最終提案の直前に、競合が2割安い金額を出してきた」「合わせれば利益が残らないので、そのまま失注した」——価格で競り負けた案件の報告でよくある形です。この場面の選択肢は、合わせるか降りるかの2つではありません。価格の土俵から移すという3つ目があります。この記事では、失注理由が価格として報告される仕組みと、土俵を移す軸を整理します。


カメ先生カメ先生

価格で負けたという失注理由はね、金額の差がそのまま原因だと受け取られがちだが、下げていれば勝てたとは限らないんだ。


カメ子カメ子

価格のほかに理由があるということでしょうか。


カメ先生カメ先生

断る側は、相手を傷つけない理由を選ぶ。価格は角が立たないので、そこに集まりやすい。決め手が別のところにあっても、報告書には価格と書かれる。


カメ子カメ子

報告の言葉と本当の理由が別なのですね。掘り出し方から見ていきます。


この記事のポイント
  • 失注理由が「価格」と報告される案件の多くは、価格以外の差が価格の言葉で語られている
  • 価格差が大きいときは、総保有コストと投資対効果の2段階で土俵を移す
  • 比較の順序を先に作っておけば、商談の終盤で価格の勝負に持ち込まれにくくなる

AI活用を戦略に落とす前に、まずは導入・定着から始めませんか?

デボノはアカウント開設・初期設定など「そもそものAI導入」から社内定着まで伴走支援。マーケティング活用など一歩進んだご相談にも対応します。

目次

最終提案の直前に金額を下げられる場面

この状況は、商談の終盤で起きます。提案の内容がほぼ固まり、あとは条件の確認という段階です。

この段階で価格の話が出るのは、比較の軸が価格しか残っていない状態を意味します。それまでの過程で、差がつかなかったということです。

差がついていれば、価格の差を理由に乗り換えることはできません。乗り換えの説明が社内で通らないためです。

つまり、終盤で価格を持ち出されるのは結果であって、原因ではありません。原因はもっと前にあります。

原因の場所を間違えると、対策も間違います。値引きの権限を広げるという対策になりがちです。

権限を広げれば、その案件は取れることがあります。しかし次の案件でも同じことが起きます。

そして、値引きが前提の商談が積み上がります。粗利が構造的に下がります。

下がった粗利は、支援の体制や開発の投資を圧迫します。中期では競争力が落ちます。

この連鎖は、1件ずつの判断では見えません。四半期の粗利の推移で初めて見えます。

だからこそ、1件目の値引きの判断のときに考える必要があります。後から戻すのは難しくなります。

以下では、まず失注の理由がどう報告されるかを見ます。ここに最初のずれがあります。

その上で、土俵を移す方法と、そのための準備を扱います。

準備の大半は、商談の前段で終わります。終盤にできることは限られます。

値下げに合わせると負けが続く理由

競合の金額に合わせる判断は、短期では合理的に見えます。しかし中期では不利になります。

根拠なく競合に合わせることは、粗利率を下げる典型的な進み方とされています。1件の判断が基準になります。

一度下げた金額は、次の商談の基準として社内外に残ります。同じ顧客の追加の発注でも参照されます。

さらに、値下げに応じる会社という評価が広がります。交渉の初手として値下げを求められるようになります。

この状態になると、営業の時間が交渉に使われます。価値の説明に使う時間が減ります。

価値の説明が減ると、差が伝わりません。差が伝わらないため、また価格の勝負になります。

循環が閉じてしまうと、抜け出すのに時間がかかります。数年かかる例もあります。

加えて、値下げで取った案件は満足度が上がりにくくなります。期待の水準が金額に対して高くなるためです。

支援の工数は変わらないため、担当の負荷は同じです。利益だけが薄くなります。

薄い利益の案件が増えると、支援の質を保てなくなります。既存の顧客にも影響が出ます。

この点は、経営の視点では明確です。ところが個々の商談では見えにくくなります。

見えにくいものを判断するには、基準を先に決めておく必要があります。基準の作り方は後の節で扱います。

まず、失注の理由の報告のされ方を見ます。基準を作る前提になります。

失注理由が価格と報告される仕組み

失注の記録を集計すると、価格が最上位に来ることが多くあります。この数字は、そのまま読めません。

価格は、断る側にとって最も伝えやすい理由です。相手を否定せずに断れます。

担当者の力量や、社内の政治的な事情は、理由として伝えられません。伝えると角が立ちます。

そのため、実際の理由が別にあっても、価格という言葉で伝えられます。受け取った側は価格の問題と記録します。

営業の側にも同じ事情があります。価格と報告すれば、自分の対応が原因ではないと説明できます。

この2つの事情が重なるため、価格という理由は過大に集計されます。実態より多く出ます。

集計を額面で受け取ると、値下げが対策になります。ここで判断がずれます。

ずれを避けるには、理由の記録の取り方を変えます。選択式の項目だけでは足りません。

選択式に加えて、相手の言葉をそのまま1行残します。言い回しに手がかりがあります。

たとえば「予算が通らなかった」と「他社のほうが安かった」は、同じ価格の項目に入りますが意味が違います

前者は社内の稟議の問題で、後者は比較の問題です。打つ手が全く違います。

前者への対策は、稟議を通す材料の提供です。後者への対策は、比較の土俵の設計です。

この区別ができるだけで、対策の精度が上がります。記録の様式を1項目増やすだけです。

本当の理由を掘り出す聞き方

失注の後に理由を聞く場面では、聞き方で得られる情報が変わります。

価格が理由ですかと尋ねると、ほぼ全員がそうだと答えます。同意しやすい問いだからです。

代わりに、決め手になった点を尋ねます。選ばれた側の良かった点を聞く形です。

この問いなら、機能、体制、実績、担当者の対応といった具体が出ます。価格以外の要素が語られます。

次に、こちらの提案で足りなかった点を尋ねます。改善のためという文脈を添えると答えてもらいやすくなります。

答えの中に、想定していなかった懸念が出ることがあります。運用の負担や、社内の反対です。

この懸念は、次の商談の前段で先に潰せます。同じ懸念は他の見込み客も持っています。

聞く相手は、決裁者ではなく担当者が適しています。実務の懸念を知っているためです。

聞く時期は、決定から2週間以内が適しています。時間が経つと理由が整理され、建前だけが残ります。

聞ける関係を保つには、失注の連絡に対して丁寧に返すことが前提です。関係が切れると聞けません。

聞いた内容は、月次でまとめます。同じ懸念が3件以上出たら、資料や記事で先に扱います。

この積み上げが、次の四半期の比較の土俵を変えます。個別の対応では変わりません。

なお、聞けなかった案件も記録に残します。聞けなかったこと自体が、関係の情報になります。

価格以外の土俵に移す軸

価格の勝負から降りるには、比較の軸を増やす必要があります。使える軸は限られています。

示すもの相手が確かめたいこと
総保有コスト導入から運用までの合計の負担後から増える費用がないか
投資対効果得られる成果と費用の関係回収の見込みが立つか
立ち上げの速さ使える状態になるまでの期間現場が止まらないか
支援の体制困ったときの対応の範囲と速さ自社に負担が寄らないか
切り替えの容易さ将来やめる場合の手間閉じ込められないか

最初に持ち出すのは、1つ目の総保有コストです。価格の話を否定せずに、範囲を広げられます。

2つ目の投資対効果は、総保有コストでも差が残る場合に使います。順序が逆になると議論が噛み合いません。

3つ目から5つ目は、金額に換算しにくい軸です。だからこそ、価格の比較を相対化します。

5つ目の切り替えの容易さは、意外に効く軸です。閉じ込められる不安は、多くの担当者が持っています。

これらの軸は、商談の終盤に持ち出しても遅くなります。すでに価格の比較が始まっているためです。

前段で持ち出しておけば、相手の社内での検討の枠組みに入ります。枠組みに入れば、比較の項目になります。

枠組みに入らなかった軸は、後から追加できません。追加すると後付けの言い訳に見えます。

以下では、1つ目と2つ目の使い方を個別に扱います。実務で最も使う2つです。

総保有コストで比較する

総保有コストは、導入の費用だけでなく、運用の期間に必要な負担を合計した見方です。

含めるのは、初期の費用、月々の費用、追加の作業に必要な人の時間、そして解約や移行の費用です

安い提案は、この後半の項目が大きいことが多くあります。設定や運用を自社で行う前提になっているためです。

自社で行う作業を人の時間に換算すると、金額の差が縮みます。場合によっては逆転します。

換算のときは、単価を相手の会社の水準に合わせます。こちらの単価で計算すると信用されません。

相手の水準が分からない場合は、月に何時間かかるかだけを示します。金額の換算は相手に任せます。

時間の見積もりには根拠を添えます。自社の導入の実績から、平均の時間を出します。

根拠のない数字を出すと、その1点で提案全体の信頼が落ちます。分からない部分は分からないと書きます。

比較の期間は、3年で置くのが一般的です。1年では初期の費用の影響が大きすぎます。

3年で置くと、月々の費用と作業の負担が正しく反映されます。相手の稟議でも使いやすくなります。

この計算を、提案書の1枚として用意します。口頭では伝わりません。

1枚あれば、相手の社内で回覧されます。回覧されると、比較の枠組みが変わります。

なお、こちらが不利になる項目も載せます。都合の良い項目だけを並べると、比較として信用されません。

投資対効果に置き換える

総保有コストでも差が残る場合は、次の段階に移ります。得られる成果との関係で見る土俵です。

この土俵では、費用の大小ではなく回収の見込みが論点になります。金額の絶対値から離れます。

回収の見込みを示すには、相手の事業の数字を使う必要があります。こちらの実績の数字では足りません。

たとえば、作業の時間が月に20時間減るなら、その時間で何ができるかを相手の文脈で示します。

成果の数字は、断定せずに幅で示します。他社の実績から見て、この範囲になることが多いという形です。

断定すると、達成できなかったときに関係が壊れます。幅で示せば、前提の議論ができます。

前提の議論に入れれば、価格の比較から離れます。相手も自社の数字で考え始めます。

この段階では、相手の担当者が社内で説明する立場になります。説明の材料を渡すのが仕事になります。

材料は、1枚の資料と、想定される反論への答えの2つです。反論は3つ用意します。

反論への答えを渡しておくと、社内の会議でこちらの提案が守られます。担当者が一人で戦わずに済みます。

この2つを渡す商談は、価格だけの比較に戻りにくくなります。議論の水準が上がるためです。

戻る場合は、決裁の層が変わったことが多くあります。上位の層は前段の議論を知りません。

その場合は、1枚の資料をもう一度渡します。層が変わるたびに渡し直すのが実務です。

比較表の順序を設計する

比較の材料を渡すとき、並べる順序が判断の枠組みを作ります。順序は意図して決めます。

表の先頭に価格を置くと、価格の比較として読まれます。最初に見た項目が基準になります。

先に相手の課題を並べ、その次に各社の対応を置くと、課題の解決の比較になります

課題は、商談の過程で相手が話した言葉で書きます。こちらの言葉に翻訳すると、自分の課題として読まれません。

課題の数は3つから5つに絞ります。多いと重みが分散し、価格に目が戻ります。

各社の対応の欄には、できることとできないことの両方を書きます。両方あると信用されます。

価格は最後に置きます。最後に置いても、相手は必ず見ます。順序を変えても情報は伝わります。

価格の欄には、総保有コストの数字を併記します。単価だけを並べると、比較が単価に戻ります。

表は1枚に収めます。2枚に分かれると、価格の枚だけが回覧されます。

1枚に収まらない場合は、課題の数を減らします。項目を小さくして詰め込むと読まれません。

この表は、商談の中盤で渡します。終盤では、相手の比較の枠組みがもう固まっています。

中盤に渡すと、相手の社内の検討の資料に取り込まれます。取り込まれた枠組みは動きません。

なお、競合の名前は書かないほうが無難です。他社の欄はA社B社とし、条件だけを書きます。

商談の前段で基準を作っておく

価格の勝負を避ける準備の大半は、商談が始まる前に終わります。

成熟した市場では、売り込む前に選ばれる前提を作る必要があるとされています。前提とは、判断の基準です。

基準を先に示しておけば、相手はその基準で各社を見ます。基準を作った側が有利になります。

基準を示す場所は、記事、資料、セミナー、そして初回の商談です。すべて商談の前段です。

たとえば「選ぶときに確認すべき5つの点」という形で示します。自社が強い点を含めます。

ただし、自社に有利な点だけを並べると見透かされます。一般的に重要な点を3つ、自社の強い点を2つにします。

この配分だと、資料として信用されます。信用されるからこそ、社内で共有されます。

共有された基準は、相手の検討の項目になります。競合はその項目で評価されます。

これがマーケの側の仕事になります。営業の商談の前に、基準を配る作業です。

この作業がないと、営業は毎回ゼロから基準を作ることになります。終盤の価格の勝負が増えます。

基準の資料は、四半期に一度見直します。市場の状況で重要な点が変わります。

見直しの材料は、失注の理由と、商談で出た懸念です。現場の情報から作ります。

作った資料は、営業に配って使い方を説明します。説明しないと使われません。

それでも値下げを求められたときの返し方

準備をしても、値下げを求められる場面は残ります。返し方を決めておきます。

即答で断らず、条件と交換する形にします。無条件の値下げだけを避けます。

交換の条件は、期間、範囲、支払いの方法、そして事例の公開の4つが使えます

契約の期間を長くしてもらえれば、単価を下げても総額は保てます。相手にも安定の利点があります。

範囲を狭めるのも有効です。使う機能や支援の範囲を絞れば、金額が下がる理由が説明できます。

支払いの方法の変更も使えます。年払いにしてもらう形です。

事例の公開への協力も、条件として成立します。社名を出せない場合は、匿名での協力でも構いません。

いずれの場合も、値下げの理由を文書に残します。理由がない値下げが記録に残ると、次の基準になります。

理由が残っていれば、次の商談で同じ条件を求められても説明できます。前回はこの条件でしたと示せます。

断る場合は、断る理由を具体的に伝えます。支援の質を保てなくなるという説明が最も通ります。

この説明は、相手の担当者にとっても納得しやすくなります。安すぎる業者への不安は共通です。

値下げの上限は、事前に決めておきます。商談の場で判断すると、必ず上限が動きます。

上限を決める単位は、粗利率です。金額ではなく率で決めると、案件の規模に関わらず使えます。

値下げの代わりに出せるもの

金額を動かさずに、相手の不安を減らす方法もあります。こちらの負担は小さくなります。

最も効くのは、立ち上げの支援の追加です。導入の初期の不安が最大の懸念になります。

初回の設定を代行する、最初の3か月だけ担当を付ける、といった形です。金額は変わりません。

次に効くのが、期間を区切った試用です。小さく始めて広げる形にすれば、決裁の金額が下がります。

決裁の金額が下がると、稟議の層が変わります。上位の決裁を待たずに始められます。

これは相手の社内の事情に効く手です。価格の問題ではなく、決裁の問題を解いています。

3つ目は、成果に応じた条件です。一定の成果に達しなければ継続しないという取り決めです。

この形は、こちらに自信がある場合にのみ使います。安易に使うと、支援の負担が読めなくなります。

4つ目は、支払いの時期の調整です。予算の年度に合わせる形です。

年度の都合で決まらない案件は、金額ではなく時期の問題です。値下げでは解決しません。

これらの手は、いずれも粗利を守ります。守った粗利が、支援の質を支えます。

手の一覧を営業と共有し、どれをいつ使うかを決めておきます。場で考えると値下げに流れます。

一覧は3か月ごとに見直します。使われなかった手は削り、効いた手を残します。

やりがちな失敗

この領域には、繰り返し起きる失敗があります。

  • 失注理由の集計で価格が最多だからと、値引きの権限を広げる
  • 終盤になってから総保有コストの話を持ち出し、後付けの言い訳に見られる
  • 比較表の先頭に価格を置き、価格の比較として読まれる
  • 自社に有利な項目だけを並べた比較表を渡し、資料ごと信用されなくなる
  • 値下げの理由を文書に残さず、次の商談の基準にされる
  • 成果に応じた条件を安易に出し、支援の負担が読めなくなる

1つ目は、集計の読み方を変えるだけで防げます。相手の言葉を1行残す運用を先に入れます。

2つ目は、順序の問題です。同じ内容でも、中盤に出せば枠組みになり、終盤では言い訳になります。

3つ目と4つ目は、資料の作り方の問題です。作る側が意識すれば直せます。

5つ目は、半年後に効いてくる失敗です。記録の様式に理由の欄を作ります。

6つ目は、自信のある案件でのみ使う手です。使う条件を決めておきます。

いずれの失敗も、個人の力量ではなく仕組みで防げます。仕組みを先に作ります。

仕組みは、記録の様式、資料の型、値下げの上限の3つです。この3つで大半が防げます。

失注の後にやるべきこと

失注は、次の商談の材料になります。材料にするための手順を決めます。

STEP1
2週間以内に理由を聞く

決め手になった点と、足りなかった点を尋ねます。価格が理由かという問いは使いません。

STEP2
相手の言葉を1行残す

選択式の項目に加えて、言い回しをそのまま記録します。稟議の問題と比較の問題を区別できます。

STEP3
月次で同じ懸念を数える

3件以上出た懸念は、資料や記事で先に扱う対象にします。個別の対応では追いつきません。

STEP4
基準の資料を更新する

四半期に一度、選ぶときに確認すべき点の資料を見直します。現場の情報から作ります。

STEP5
営業に使い方を説明する

更新した資料を配るだけでは使われません。どの場面で渡すかを口頭で説明します。

2つ目が、この手順の中心です。1行の記録が、対策の精度を決めます。

3つ目の3件という数は、目安として使いやすい水準です。1件では偶然、3件なら傾向です。

4つ目の更新を怠ると、資料が現場から離れます。半年で使われなくなります。

5つ目は、最も忘れられる工程です。作った側は配れば伝わると考えがちです。

説明は10分で足ります。10分の説明で、資料が使われるかどうかが決まります。

マーケ側が用意すべき材料

価格の勝負を避けるために、マーケの側が用意できる材料があります。

最優先は、選ぶときに確認すべき点をまとめた資料です。基準を先に配る材料になります。

次に、総保有コストの比較の1枚です。営業が毎回作るのは負担が大きすぎます。

3つ目は、想定される反論への答えです。相手の社内で使われる材料になります。

4つ目は、事例です。金額ではなく、導入の過程と得られた変化を書きます。

事例の数字は丸めても構いません。守秘の範囲で公開できる形にします。

5つ目は、切り替えの手間についての説明です。閉じ込められる不安に答える材料です。

これらは、いずれも商談の前段と中盤で使われます。終盤の材料は作りません。

終盤で必要になるのは材料ではなく、値下げ以外の条件の一覧です。営業と一緒に作ります。

材料の効果は、失注の理由の変化で測ります。価格という回答が減れば効いています。

測るには、記録の様式が整っていることが前提になります。順序としては記録が先です。

記録、材料、説明の3つを半年で回すと、比較の土俵が変わり始めます。

すぐには変わりません。半年から1年の単位で見る取り組みです。

よくある質問

実務でよく出る問いをまとめます。

競合が明らかに安い場合はどうしますか

提供している範囲が違う可能性があります。まず範囲の違いを確認し、同じ範囲で比べた場合の金額を示します。

同じ範囲でも差が大きい場合は、無理に追いません。その価格帯の顧客は、こちらの想定する顧客ではないと判断します。

値下げの上限はどう決めますか

金額ではなく粗利率で決めます。率で決めれば、案件の規模に関わらず同じ基準が使えます。

決めた率は文書に残し、超える場合は決裁を要する形にします。場での判断を避けるためです。

既存の顧客から値下げを求められた場合は

契約の期間や範囲の変更と交換する形が基本です。無条件で下げると、他の顧客との公平性の問題が生じます。

公平性は、後から説明を求められる論点です。理由を文書に残しておくことが自衛になります。

価格を公開すべきでしょうか

公開すると比較の対象になりますが、問い合わせの質は上がります。範囲を明示した上で、目安の金額を示す形が現実的です。

非公開にすると、比較の初期の段階で候補から外れる場合があります。業種と商材の性質で判断します。

運用に残す取り決め

担当が変わっても続くように、文書に残します。

  • 失注の記録の様式(選択式の項目に加えて、相手の言葉を1行残す欄)
  • 失注の理由を聞く時期(決定から2週間以内)と、使う問いの文言
  • 値下げの上限(粗利率で定める)と、超える場合の決裁の手順
  • 値下げの代わりに出せる条件の一覧(期間・範囲・支払い・事例への協力)
  • 比較の資料の型(課題を先・価格を最後・総保有コストを併記・1枚に収める)
  • 基準の資料の見直しの時期(四半期)と、営業への説明の担当

3つ目を率で定めるのが要点です。金額で定めると、規模の違う案件で使えません。

1つ目の1行の欄が、すべての改善の起点になります。ここが無いと分析が始まりません。

この文書は、営業の手順書と同じ場所に置きます。マーケの側だけが持っていても機能しません。

更新は、上限や条件を変えたその日に行います。変更の履歴も残します。

半年に一度、営業と一緒に読み返します。使われていない条件は削ります。

まとめ

競合の値下げで失注が続くのは、価格の設定そのものより比較の土俵の問題です。商談の終盤で価格を持ち出されるのは、それまでの過程で差がつかなかった結果です。失注の記録で価格が最多に見えるのは、断る側にとって最も伝えやすい理由だからで、額面どおりには読めません。

対策は2段階です。まず総保有コストで比較の範囲を広げ、初期の費用だけでなく月々の費用と自社で行う作業の時間、解約や移行の費用まで含めます。3年で置くと月々の負担が正しく反映されます。それでも差が残る場合は、投資対効果の土俵に移し、相手の事業の数字で回収の見込みを幅で示します。

準備の大半は商談の前段で終わります。選ぶときに確認すべき点を一般的に重要な3点と自社の強い2点で構成し、記事や資料で先に配ります。比較表は課題を先に、価格を最後に置き、総保有コストを併記して1枚に収めます。値下げを求められた場合は、期間・範囲・支払い・事例への協力と交換し、上限は粗利率で定めておきます。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

AI活用を戦略に落とす前に、まずは導入・定着から始めませんか?

デボノはアカウント開設・初期設定など「そもそものAI導入」から社内定着まで伴走支援。マーケティング活用など一歩進んだご相談にも対応します。

運営会社:株式会社デボノ

目次