自社の認知度は調査すべきか?|費用をかける前の測り方

認知度を上げたいと会議で言われたが、そもそも今の認知度が分からない。調査には費用がかかる。認知度の調査は、目的が決まっていなければ数字が使われません。判断の順番を整理します。
カメ先生認知度を上げるという方針が出たそうだね。
カメ子はい。ただ、今どのくらい知られているのか誰も分かりません。
カメ先生測る前に、その数字を何に使うかを決める必要があるよ。
カメ子……調査すること自体が目的になっていました。
- ヒントなしで思い出す純粋想起と、選択肢を示す助成想起は別の指標
- 聞く順番はヒントなしを先にする。逆にするとヒントになる
- 費用をかける前に、指名検索や商談での認知から傾向は掴める
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認知度を測りたくなる場面
最初に、この話が出てくる状況を整理します。
認知度を上げるという方針が出る場面があります。広告や展示会への投資を検討する場面が典型です。
そのとき、現状の数字がなければ効果も測れません。
そこで認知度を調査するという話になります。
しかし調査には費用がかかります。
費用をかける前に、確認しておくことがあります。
その数字を何に使うのかという点です。
投資の判断に使うのか、施策の効果を測るのか、目標にするのかで設計が変わります。
目的が決まっていない調査は、数字が出ても使われません。
報告書が共有されて終わる形になります。
加えて、認知度には複数の測り方があります。
どの測り方を選ぶかで、出る数字が変わります。
この違いを理解しないまま比べると、判断を誤ります。
以降では、指標の種類、費用をかけない測り方、外部調査を使う判断を整理します。
あわせて、数字の使い方と社内への説明も確認します。
何のために測るのか
目的の整理です。
認知度を測る目的は、大きく3つに分かれます。現状の把握、施策の効果の確認、目標の設定です。
それぞれで、必要な精度と頻度が違います。
現状の把握であれば、1回の調査で足ります。
大まかな水準が分かれば、判断の材料になります。
施策の効果を確認する場合は、前後の比較が必要になります。
同じ条件で2回以上測らなければ、変化が分かりません。
目標に設定する場合は、継続して測る体制が必要です。
毎年測るのであれば、その費用を毎年確保します。
この体制がなければ、目標として機能しません。
目的によって、かける費用の判断も変わります。
1回の把握であれば、簡易な方法でも足ります。
目標にするのであれば、精度と継続性が必要になります。
この判断を、調査の設計より前に行います。
設計から入ると、目的が後付けになります。
結果として、使われない数字が残ります。
純粋想起と助成想起
2つの指標です。
認知の測り方には、大きく2つの形があります。ヒントを示さずに聞く形と、選択肢を示して聞く形です。
ヒントなしで思い出せる状態が純粋想起と呼ばれます。
たとえば、ある分野の会社を思い浮かべてくださいと聞く形です。
ここで名前が挙がれば、強く記憶されている状態になります。
選択肢を示して知っているかを聞く形が助成想起です。
社名の一覧を示し、知っているものを選んでもらう形です。
この2つでは、出る数字が大きく違います。
助成想起のほうが、当然高い数字になります。
純粋想起は獲得が難しく、助成想起より低くなります。
一方で、純粋想起の高さは選ばれやすさに関わるとされています。
ある調査では、最初に思い浮かべた商品を導入したという回答が半数を超えたと報告されています。
BtoBでは、検討の初期に思い浮かぶかどうかが結果を左右します。
そのため、純粋想起を重視する考え方があります。
どちらを指標にするかは、目的で決めます。
両方を測る形が一般的になります。
純粋想起の中でも、最初に挙がった名前は別に扱われます。これが第一想起と呼ばれる状態です。
複数の名前を挙げてもらった場合、その順序にも意味があります。
最初に挙がる名前は、その分野を代表する存在として記憶されています。
集計の際は、名前が挙がった割合と、最初に挙がった割合を分けて記録します。
この2つの差が、記憶の強さの違いを表します。
名前は挙がるが最初ではない場合、認知はあるが代表とは見られていない状態になります。
この違いが、施策の判断に使えます。
聞く順番の決まり
設計上の注意です。
2つを両方聞く場合、順番が決まっています。ヒントなしの設問を先に置きます。
選択肢を先に示すと、それがヒントになります。
社名の一覧を見た後では、ヒントなしの設問が成立しません。
この順番を守らなければ、純粋想起の数字が使えなくなります。
設問の並びは、広い問いから狭い問いへ進めます。
最初に、分野について自由に思い浮かべてもらいます。
次に、選択肢を示して知っているものを聞きます。
さらに、その中で検討したことがあるものを聞きます。
最後に、利用したことがあるものを聞きます。
この並びであれば、段階ごとの数字が得られます。
知っているが検討していない、という状態も見えます。
この差が、施策を考える材料になります。
順番の設計は、調査の質を決めます。
外部に委託する場合も、この点を確認します。
設問の案を見せてもらい、順番を確認します。
何の名前を聞くかも決めます。会社の名前と、サービスの名前は別の指標になります。
サービスの名前は知られているが、会社の名前は知られていない場合があります。
逆の場合もあります。
複数のサービスを持つ場合は、どれを聞くかを絞ります。
すべてを聞くと、設問が長くなり回答が減ります。
主力のサービスと会社の名前に絞る形が現実的になります。
この選択も、目的によって決まります。
誰に聞くかを決める
対象の定義です。
認知度の数字は、誰に聞いたかで大きく変わります。そのため、対象の定義が最も重要になります。
BtoBでは、対象を絞らなければ意味のない数字になります。
一般の人に社名を聞いても、判断には使えません。
対象は、業種、規模、役職で定義します。
自社の顧客になりうる範囲に絞ります。
たとえば、特定の業種で従業員数が一定以上の会社の担当者です。
この定義が、数字の意味を決めます。
対象が狭ければ、認知度は高く出ます。
広ければ、低く出ます。
そのため、対象を変えて前年と比べることはできません。
継続して測る場合は、対象の定義を固定します。
定義は文書に残します。次回に同じ条件で測るためです。
対象に届く手段も確認します。
届かない対象を定義しても、調査ができません。
この点は、外部の仕組みを使うかどうかの判断に関わります。
費用をかけずに測る方法
代替の指標です。
| 方法 | 分かること | 限界 |
|---|---|---|
| 社名での検索数の推移 | 名前を知っている人の動き | 検索した理由は分からない |
| 問い合わせ時の経路の質問 | どこで知ったか | 問い合わせた相手に限られる |
| 商談での認知の確認 | 検討前から知っていたか | 件数が少ない |
| 失注した相手への確認 | 検討の段階で候補に入ったか | 聞ける相手が限られる |
| イベントでの参加者への質問 | 参加前の認知 | 参加者に偏る |
| 名刺交換した相手の反応 | 名前を聞いたことがあるか | 記録として残しにくい |
上の6つは、費用をかけずに実施できます。いずれも対象が限られるため、全体の認知度とは違います。
それでも、傾向を掴む材料としては使えます。
特に1行目は、継続して見られる指標になります。
社名で検索する人の数は、名前を知っている人の動きを表します。
3行目は、BtoBで特に有効な方法です。
商談の場で、いつ知ったかを聞きます。
検討を始める前から知っていた相手が多ければ、認知が効いています。
問い合わせを受けてから調べた相手が多ければ、認知は届いていません。
この違いが、施策の判断につながります。
記録の方法は、商談の記録に項目を追加する形です。
営業に負担をかけない範囲で、選択肢から選ぶ形にします。
数か月分たまれば、傾向が見えます。
この記録から始める判断が、多くの場合で現実的になります。
指名検索を指標にする
継続して見られる数字です。
社名やサービス名での検索の数は、認知の指標として使えます。知らない名前は、検索されません。
検索の記録を見る道具で、推移を確認できます。
自社のサイトへの流入の記録からも、社名での検索が分かります。
この数字を月ごとに記録すれば、変化が見えます。
広告や展示会の後に増えていれば、効果があったと判断できます。
ただし、限界もあります。
検索した理由は分かりません。
既存の顧客がサイトを探すために検索する場合も含まれます。
採用の応募を検討する相手の検索も含まれます。
そのため、絶対の数字としては使えません。
推移として見る形が適しています。
季節の影響も考えます。年度末や年度始めは、動きが変わります。
前年の同じ月と比べる形が、判断しやすくなります。
あわせて、検索された語も確認します。
社名だけか、社名と何かを組み合わせているかで、関心の段階が分かります。
この情報も、施策の材料になります。
社名が一般的な語と同じ場合は、注意が必要です。関係のない検索が混ざり、指標として使えません。
この場合は、サービスの名前での検索を見ます。
あるいは、社名と業種を組み合わせた語で見ます。
自社のサイトへの流入に絞って数える方法もあります。
どの語を指標にするかを決め、記録の条件も固定します。
条件を変えると、推移の比較ができなくなります。
商談の場で聞く方法
最も具体的な情報です。
商談の場では、直接聞くことができます。いつ、どこで知ったかという質問です。
この回答が、認知の実態を最も正確に表します。
検討を始める前から知っていたのか、探して見つけたのかが分かります。
前者が多ければ、認知の施策が効いています。
後者が多ければ、探されたときに見つかる状態が効いています。
どちらも重要ですが、施策の方向が違います。
前者を増やすには、発信や広告が必要になります。
後者を増やすには、検索されたときの受け皿が必要になります。
この判断のために、記録を残します。
記録の項目は、知った時期と経路の2つで足ります。
選択肢から選ぶ形にすれば、営業の負担も小さくなります。
失注した相手にも聞ける場合があります。
候補に入った理由や、他社を選んだ理由が分かります。
この情報は、認知の段階の課題を示します。
そもそも候補に入っていなかった場合、認知の問題になります。
比較で負けた場合は、別の問題になります。
外部の調査を使う判断
費用をかける場面です。
外部の調査を使う場面は、限られます。大きな投資の判断や、対外的な説明が必要な場合です。
社内の記録だけでは、対象が偏るためです。
既存の顧客や商談した相手からは、まだ知らない層の状況が分かりません。
認知の施策を評価するには、この層の数字が必要になります。
外部の仕組みを使えば、条件に合う相手に聞けます。
業種や役職で対象を絞って配ることができます。
費用は、対象の絞り方と件数で変わります。
BtoBでは対象が限られるため、費用が上がる傾向があります。
見積りを複数取って比べる価値があります。
設問の設計を自社で行えば、費用を抑えられる場合があります。
その場合は、順番の決まりを守ります。
調査の結果は、対象の定義とあわせて記録します。
次回に同じ条件で測るためです。
実施の頻度は、年に1回程度が一般的になります。
認知は短期間で大きく変わらないためです。
半年ごとに測っても、変化が誤差に埋もれる場合があります。
広告の効果を測る場合
接触との比較です。
広告の効果を認知で測る方法もあります。広告に接触した相手と、していない相手を比べる形です。
この形の調査は、接触の有無で差を見ます。
認知度、好意度、検討の意向といった項目を比べます。
差があれば、広告が影響したと判断できます。
媒体側が、この調査の仕組みを提供している場合があります。
実施できる条件や費用の水準は、媒体によって異なります。
使える条件を、出稿の前に確認します。
この調査は、認知を目的とした広告の評価に向きます。
申込や問い合わせを目的とした広告では、別の指標で測ります。
目的と指標を合わせることが重要になります。
認知を目的とした広告を、申込の数で評価すると判断を誤ります。
逆も同じです。
出稿の前に、何で評価するかを決めておきます。
この決定を、決裁の場でも共有します。
後から評価の基準が変わると、議論が噛み合いません。
記録として残しておく価値があります。
数字をどう使うか
測った後の話です。
認知度の数字が出たら、使い方を決めます。目標として設定する場合は、注意が必要です。
認知度は、短期間では大きく動きません。
四半期ごとの目標にすると、変化が誤差に埋もれます。
年単位で見る指標として扱う形が適しています。
また、認知度だけを追うと判断を誤る場合があります。
知られていても、選ばれなければ売上にはなりません。
認知と、検討、選択のそれぞれを見る必要があります。
段階ごとの数字があれば、どこに課題があるか分かります。
知られていない場合は、認知の施策が必要になります。
知られているが検討されない場合は、別の課題です。
この場合、提供している内容の伝え方に問題があります。
検討されるが選ばれない場合は、比較で負けています。
それぞれ、打つ手が違います。
認知度の調査を、この切り分けに使う形が有効です。
数字そのものを目標にするより、判断の材料として使います。
社内への説明
納得を得る形です。
認知度の調査には費用がかかります。そのため、社内での説明が必要になります。
説明の中心は、その数字を何に使うかです。
認知度を知りたいという説明では、費用の根拠になりません。
何の判断に使い、いつ判断するかを示します。
たとえば、来年度の投資の配分を決めるための材料という形です。
判断の時期が決まっていれば、実施の時期も決まります。
あわせて、費用をかけない方法で分かる範囲も示します。
社内の記録で足りる部分は、そちらを使います。
外部の調査が必要な理由を、明確にします。
まだ知らない層の状況が分からない、という理由が中心になります。
結果の報告の形も、事前に決めておきます。
どの数字を報告し、何と比べるかです。
この設計があれば、報告が判断につながります。
報告書を共有して終わる形を避けられます。
継続する場合は、次回の時期も決めておきます。
認知の効果は、採用の場面にも及びます。この点も、社内での説明の材料になります。
名前を知っている相手からの応募は、選考も進みやすくなります。
採用の担当と情報を共有すれば、投資の説明が通りやすくなります。
応募の際に、どこで知ったかを聞く欄を設ける方法もあります。
この記録は、認知の指標としても使えます。
マーケティングの投資が、採用にも効いていることを示せます。
部門をまたいだ説明では、この観点が有効になります。
確認する項目
実施の前に見ます。
- その数字を何の判断に使うかを、実施の前に決めたか
- 対象を業種・規模・役職まで具体的に定義したか
- ヒントなしの設問を先に置く並びになっているか
- 費用をかけない方法で分かる範囲を先に確認したか
- 継続して測る場合、次回も同じ条件で実施できる記録を残したか
- 報告する数字と、比較する対象を事前に決めたか
この6項目で、使われる調査になります。1行目が最も重要になります。
目的が決まっていない調査は、数字が出ても使われません。
2行目は、数字の意味を決めます。
対象が違えば、比較もできません。
3行目は、設問の設計の基本です。
順番を誤ると、片方の数字が使えなくなります。
4行目は、費用の判断に関わります。
社内の記録で足りる部分に、費用をかける必要はありません。
5行目は、継続の条件です。
記録がなければ、次回は別の調査になります。
6行目は、報告が判断につながるための準備です。
やりがちな失敗
実際に起きている例です。
- 目的を決めずに調査を実施し、報告書が共有されて終わる
- 選択肢を示す設問を先に置き、ヒントなしの数字が使えなくなる
- 対象の定義を変えたまま、前年の数字と比べる
- 認知度を四半期の目標にし、変化が誤差に埋もれる
- 社内の記録で分かる範囲を確認せず、いきなり外部に委託する
1行目は最も多い失敗です。何の判断に使うかを先に決めます。
2行目は、設問の順番の問題です。ヒントなしを先に置きます。
3行目は、対象の定義を文書に残して固定します。
4行目は、指標の性質に合っていません。年単位で見ます。
5行目は、費用の無駄につながります。まず社内の記録を見ます。
どれも、実施の前の整理で防げます。
進める4工程
順番に進めます。
投資の配分、施策の評価、目標の設定のいずれかを決めます。判断の時期も決めておきます。
社名での検索の推移、商談での認知の確認、問い合わせの経路を記録します。数か月分で傾向が見えます。
まだ知らない層の状況が必要な場合に実施します。対象を業種・規模・役職で定義し、記録に残します。
認知、検討、選択のどこに課題があるかを見ます。数字を目標にするより、判断の材料として使います。
- ヒントなしの設問は、選択肢を示す設問より先に置く
- 対象の定義を変えると、前年との比較はできなくなる
- 認知は短期間では動かないため、測る間隔は年単位にする
- 広告の効果を認知で測る場合は、出稿の前に評価の基準を決める
- 報告する数字と比較する対象を、実施の前に決めておく
この4工程と5つの注意で、使われる調査になります。
2工程目から始める判断が、多くの場合で現実的になります。
社内の記録だけでも、施策の方向は判断できます。
1工程目を飛ばすと、数字が使われません。
3工程目は、必要な場合に限って実施します。
4工程目まで行えば、次の施策が決まります。
調査そのものを目的にしないことが要点になります。
この順番を、社内でも共有しておきます。
よくある質問
実務で出る疑問です。
認知度は何パーセントあれば良いのですか
基準はありません。対象の定義によって数字が変わるためです。
自社の推移を追う形が、判断に使えます。
純粋想起と助成想起はどちらを見るべきですか
両方を測る形が一般的です。純粋想起の高さは、選ばれやすさに関わるとされています。
助成想起だけが高い場合、名前は知られていても思い出されていない状態になります。
調査は毎年行うべきですか
目標として設定する場合は、毎年必要になります。
現状の把握が目的であれば、1回でも判断の材料になります。
社内の記録だけで判断してよいですか
施策の方向を決める段階であれば、足ります。大きな投資の判断では、まだ知らない層の状況が必要になります。
その場合に、外部の調査を検討します。
まとめ
認知度を測る前に、その数字を何の判断に使うかを決めます。現状の把握、施策の効果の確認、目標の設定のどれかによって、必要な精度と頻度が変わります。目的が決まっていない調査は、数字が出ても使われません。
指標には、ヒントなしで思い出す純粋想起と、選択肢を示す助成想起があります。両方を聞く場合は、ヒントなしを先に置きます。順番を逆にすると、選択肢がヒントになって純粋想起の数字が使えなくなります。BtoBでは、検討の初期に思い浮かぶかどうかが結果を左右します。
費用をかける前に、社名での検索の推移、商談での認知の確認、問い合わせの経路といった社内の記録から傾向を掴めます。外部の調査が必要になるのは、まだ知らない層の状況が判断に必要な場合です。対象の定義は文書に残し、次回も同じ条件で測れる状態にします。
※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
AI活用を戦略に落とす前に、まずは導入・定着から始めませんか?
デボノはアカウント開設・初期設定など「そもそものAI導入」から社内定着まで伴走支援。マーケティング活用など一歩進んだご相談にも対応します。
