MAに登録すべき顧客項目一覧|使えるデータに整える

MAに登録すべき顧客項目一覧|使えるデータに整える

展示会の翌週、名刺の情報をMAに取り込む作業が始まります。会社名の欄には「(株)」と「株式会社」が混在し、役職の欄には「部長」と「営業部長」と空欄が並んでいます。従業員規模の欄は、半分以上が空のままです。この状態で配信の出し分けをしようとすると、条件に当てはまる相手がほとんど集まりません。この記事では、MAやCRMにどの顧客項目を持つかという設計を、使える状態にする観点から整理します。


カメ先生カメ先生

項目を増やせば、細かい出し分けができるようになると思うかい。


カメ子カメ子

持っている情報が多いほど、条件を細かく作れそうです。


カメ先生カメ先生

入っていない欄で絞ると、対象が消えるんだ。項目の数ではなく、埋まっている率で決まる。


カメ子カメ子

増やすより、埋まる形にするほうが先ということですね。


この記事のポイント
  • 項目は使う場面から逆算する。出し分け、営業への引き渡し、集計で必要な粒度が変わる
  • 業種と従業員規模は選択式にする。自由記述は表記ゆれで条件に使えなくなる
  • 更新の責任者と鮮度の基準を決めないと、項目は増えても信頼できないデータになる

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目次

項目は増えたのに出し分けができない

MAを導入して数年経つと、項目の数は増えています。担当者が必要だと考えたものを足してきた結果です。ところが実際に配信の出し分けをしようとすると、使える項目がほとんどないという状態になります。

原因は入力率です。項目があっても値が入っていなければ、その条件で絞ると対象が消えます。従業員規模で絞った配信の対象が全体の3割にしかならないのは、規模の欄が7割空欄だからです

2つ目の原因は表記のばらつきです。同じ業種を指す言葉が「製造」「製造業」「メーカー」と分かれていれば、どれか1つで絞っても取り漏らします。自由記述で集めた項目は、集計にも条件にも使えません。

3つ目は、誰も更新していない項目です。3年前に入力された役職や従業員規模は、いま正しいとは限りません。古い値は空欄より判断を誤らせます。

この記事では、どの項目を持つかという設計に絞ります。名寄せの具体的な処理手順や、MAとCRMの連携の設計は扱いません。項目の一覧と、その項目が埋まって使える状態を保つための入力ルールに集中します。

この状態は数字で確認できます。主要な項目ごとに入力率を出してみてください。入力率が5割を切っている項目は、条件に使った瞬間に対象が半分以下になります。項目の一覧を眺めているだけでは、この事実に気づけません。

使う場面から項目を逆算する

項目を決める順序は、使う場面から逆算することです。先に項目の候補を並べると、必ず使わない項目が混ざります。

使う場面は3つに分かれます。1つ目は配信の出し分けで、誰に何を送るかを決める条件として使います。この用途では、値が選択式で揃っていることが精度より重要になります

2つ目は営業への引き渡しです。営業が最初の連絡で使う情報が必要になります。会社名、部署、役職、何をきっかけに接点ができたか。ここでは正確さが求められ、多少手間をかけても補う価値があります。

3つ目は集計と報告です。獲得経路ごとの件数や商談化率を出すために使います。この用途では過去との比較ができることが条件になるため、選択肢を安易に変えられません

3つの用途を書き出すと、必要な項目が自然に絞られます。どの用途にも登場しない項目は、持つ理由がありません。既存の項目を棚卸しするときも、この3つのどれに使うかを1つずつ確認する形が有効です。

用途を書き出す作業は、営業と一緒に行うのが効率的です。マーケティング側が必要だと考える項目と、営業が初回の連絡で実際に使う項目はずれます。営業が使わない項目を人手で補う運用は、必ず途中で止まります

必須で持つ項目の一覧

最低限持つべき項目を並べます。どれも3つの用途のいずれかで確実に使うものです。

項目形式主な用途取得の方法
会社名自由記述と正規化名寄せ、営業への引き渡しフォームで取得
部署名自由記述営業への引き渡しフォームで取得
役職選択式出し分け、優先度の判断選択肢から選ばせる
業種選択式出し分け、集計選択肢から選ばせる
従業員規模選択式出し分け、優先度の判断範囲の選択肢で取得
獲得経路選択式集計、効果の検証システムで自動付与
獲得日日付鮮度の判断、集計システムで自動付与
メールの同意有無と日時配信の可否、記録の保存取得時に記録

この8つのうち、6番目と7番目はシステムで自動的に入る形にしてください。担当者の手入力に任せると、忙しい月に抜けて後から復元できなくなります

会社名だけは自由記述で受けざるを得ません。選択肢を用意できないためです。ただし取り込みの段階で表記を揃える処理を入れることで、名寄せに使える状態にできます。

役職を選択式にする点は迷う人が多い項目です。肩書きの名称は企業ごとに違うため、決裁権の有無や階層で束ねた選択肢にするほうが使えます。

この一覧は出発点であり、業態によって足すものは変わります。地域で営業を分けているなら都道府県、決算月で接点の時期を変えるなら決算月。用途がはっきりしているものだけを足してください。

項目を足す前に、この8つの入力率を9割まで上げることを目標にしてください。8項目が揃っていれば、業種別と規模別の出し分けと獲得経路ごとの検証がすでに成立します。ここに届く前に項目を増やしても、使える条件は増えません。

会社名は表記ゆれを前提に設計する

会社名は最も表記が揺れる項目です。放置すると、同じ企業が別々のレコードとして残り続けます。

揺れの種類は決まっています。株式会社の位置と省略、(株)などの略記、旧字体と新字体、半角と全角、スペースの有無。これらを統一する処理を取り込みの段階に入れておくのが基本です

実務では、統一のルールを1つ決めて文書に残してください。株式会社は前後どちらに置くか、略記は展開するか、英字は全角か半角か。ルールがないと担当者ごとに別の形で入力されます。

それでも揺れは残ります。会社名だけを名寄せのキーにするのは避け、別の項目と組み合わせる設計にしてください

表記の統一は、AIに下書きを任せられる作業でもあります。既存の会社名の一覧から揺れのパターンを洗い出し、統一後の候補を出す作業は効率が上がります。ただし別法人が同名である場合があるため、統合の判断は人が確認してください。

支店や事業所の扱いも決めておいてください。同じ企業の本社と支店を別の企業として持つか、1つにまとめるか。営業の担当が拠点ごとに分かれているなら別に持つ必要があり、集計を全社で見るならまとめる必要があります。用途によって答えが変わります。

部署と役職は分けて持つ

名刺に書かれた肩書きを1つの欄に入れる運用が多く見られます。分けて持つほうが後から使えます。

1つの欄に入れると、条件に使えなくなります。「営業部 部長」という値からは、部署で絞ることも役職で絞ることもできません。部署と役職を別の項目にすれば、それぞれ独立した条件として使えます

部署は自由記述で構いません。企業ごとに名称が違い、選択肢を作りきれないためです。集計に使うことは少なく、営業が連絡するときの参考情報として持つ形になります。

役職は選択式にしてください。経営層、部門責任者、課長級、担当者という4段階程度に束ねると、出し分けの条件として機能します

役職を持つ意味は、決裁の関与度を推定できることです。同じ資料でも、経営層向けと担当者向けでは伝えるべき内容が違います。あわせて、同じ企業内で複数の階層に接点があるかどうかも、この項目があれば確認できます。

名刺から取り込む場合は、分割の処理が必要になります。肩書きの文字列を部署と役職に分ける処理は完全には自動化できず、判断の難しい値が必ず残ります。残った分は空欄にしておき、営業が接触した時点で埋める運用にしてください。

業種と従業員規模は選択式にする

この2つは出し分けと集計の両方で使う頻度が高く、選択式にする効果が最も大きい項目です。

業種を自由記述で集めると、必ず表記が分かれます。同じ企業を指して「製造」「製造業」「機械メーカー」と入る状態では、条件にも集計にも使えません。選択肢は10から15程度に束ね、細かすぎない粒度にしてください

従業員規模は範囲の選択肢にします。正確な人数を聞いても相手が答えられないことが多く、範囲なら選べます。50名未満、50から300名、300から1,000名、1,000名以上といった区切りが実務的です。

選択肢の設計で注意したいのは、後から変えにくい点です。区切りを変えると過去のデータと比較できなくなるため、最初に決めた区切りを長く使う前提で設計してください

選択肢に「その他」を置くかは判断が必要です。置かないと該当しない相手が離脱し、置くとそこに集まって使えなくなります。フォームでは置き、後から個別に振り分ける運用が現実的です。

選択肢の並び順にも配慮が必要です。相手が自分の業種を探しにくい並びだと、上のほうにある近い選択肢が選ばれます。自社の顧客に多い業種を上に置き、残りを五十音や規模の順で並べる形が実務的です。

獲得経路と獲得日は最初に決める

この2つは、後から復元できない項目です。最初の設計で押さえておく必要があります。

獲得経路は、施策の効果を検証する唯一の手がかりです。展示会、ウェビナー、資料のダウンロード、広告、紹介。この項目が空だと、どの施策から商談が生まれたかを説明できません

設計の要点は、粒度を決めることです。展示会という括りで十分か、個別のイベント名まで残すか。個別名まで残すと集計が細かくなりすぎ、括りだけだと効果の比較ができません。大分類と個別名の2階層で持つ形が扱いやすくなります。

獲得日は鮮度の判断に使います。2年前に取得した連絡先と先月の連絡先を同じ扱いで配信すると、反応率の差が数字を歪めます

両方ともシステムで自動付与してください。フォームごとに経路の値を固定し、日時は取得のタイミングで記録する。手入力の欄にすると、忙しい時期に空欄が並びます。

最初の接点と最新の接点を分けて持つ設計も有効です。2年前に資料を取得した相手が先月のウェビナーに参加した場合、獲得経路を上書きすると最初の接点が消えます。初回の値は固定し、直近の接点は別の項目に記録してください。

経路の値は、施策を追加するたびに増えていきます。増えすぎると集計が読めなくなるため、大分類の数は最初に決めた範囲で固定してください。新しい施策は既存の大分類のどれかに割り当て、個別名で区別する運用にすると一貫性が保てます。

あると使える項目は3つに絞る

必須の項目が埋まってきたら、次の段階の項目を検討します。増やしすぎないために3つに絞ります。

1つ目は、社内での役割です。決裁者か、実務の担当者か、情報を集めている推進役か。同じ企業の複数の相手のうち、誰が推進役かが分かると営業の動き方が変わります

2つ目は、興味のあるテーマです。閲覧した記事や参加したウェビナーの分類から推定できます。手入力ではなく行動の記録から自動で入る形にしてください。

3つ目は、商談の状況です。いま商談中の企業に新規向けの案内を送る事故は、この項目があれば防げます。営業側のシステムから連携する形が基本になります。

この3つに共通するのは、手入力に頼らない点です。行動の記録や他のシステムからの連携で埋まる項目だから、増やしても運用が破綻しません。手入力が必要な項目を増やすと、入力率が下がって全体が使えなくなります。

3つのうち導入の難易度が高いのは商談の状況です。営業側のシステムとの連携が前提になり、更新の頻度も決める必要があります。連携が難しい場合は、商談中の企業名の一覧を月に1回もらって印を付ける形でも実害は防げます

興味テーマの持ち方には注意が必要です。閲覧の記録から推定した値は当たり外れがあり、1回の閲覧で断定すると誤った出し分けになります。複数回の接触があったテーマだけを値として残す形にすると、精度が保てます。

入れても使われない項目の見分け方

項目を増やす前に、使われない項目の特徴を知っておくと判断が速くなります。

見分ける基準は3つです。誰がいつ入力するかが決まっていない、入力率が想定できない、そしてその値で何をするかが決まっていない。3つのうち1つでも答えられない項目は、追加を見送ってください

特に多いのが、いつか使うかもしれないという理由で追加される項目です。導入時のヒアリングで挙がった希望をすべて項目にすると、この種の項目が並びます。

既存の項目を棚卸しする方法も決めておいてください。入力率と、直近1年でその項目を条件に使った回数を並べれば、削る候補が見えます

削る判断も決めておいてください。使われていない項目を残すこと自体に害があります。フォームに並べば離脱の原因になり、一覧に並べば担当者が意味を確認する時間を取られます。使わないと決めたら表示から外し、値は履歴として残す形が安全です。

  • 自由記述で業種や規模を集める:表記が分かれて条件にも集計にも使えず、後から統一する作業が発生します
  • 担当者の手入力に依存する項目を増やす:忙しい時期に空欄が並び、その項目を含む条件が機能しなくなります
  • いつか使うかもしれない項目を追加する:入力の負担だけが増え、フォームの離脱率も上がります
  • 選択肢の区切りを途中で変える:過去のデータと比較できなくなり、集計の連続性が失われます

削った項目の記録も残してください。数年後に同じ項目を追加しようという議論が出たとき、過去に外した理由が分かれば判断が早くなります。削った日付と理由を1行書き添えるだけで足ります。

フォームで聞く項目と後から補う項目

必要な項目が決まっても、すべてをフォームで聞くわけにはいきません。分担の設計が必要です。

フォームで聞く項目は絞ってください。項目が増えるほど入力の途中で離脱されます。会社名、氏名、メールアドレス、部署、役職、そして業種か従業員規模のどちらか程度が上限です

残りは後から補います。補う手段は3つあります。営業が初回の連絡で聞き取る、公開情報から調べる、外部の企業データベースと突き合わせる。いずれも手間がかかるため、対象を絞る必要があります。

補う対象の絞り方は、優先度で決めます。商談の可能性が高い相手だけ人手で補い、それ以外は空欄のまま置く割り切りが必要です。

フォームの種類ごとに聞く項目を変える設計も有効です。資料のダウンロードでは最小限にし、問い合わせや相談のフォームでは詳しく聞く。相手の意欲に応じて負担を変える形なら、離脱を抑えながら情報を集められます。

聞き方の工夫でも入力率は変わります。必須と任意の指定、選択肢の数、入力欄の並び順。従業員規模のように答えやすい選択式の項目は、氏名やメールアドレスより後ろに置いても入力率が落ちにくくなります。順序を変えるだけで結果が動きます。

名寄せのキーをどこに置くか

同じ企業や同じ人が複数のレコードになる問題は、キーの設計で決まります。何を同一の判断に使うかを先に決めてください。

人の単位では、メールアドレスが最も確実なキーになります。ただし同じ人が個人のアドレスと会社のアドレスで登録することがあり、それは別レコードとして残ります。氏名と会社名の組み合わせで補う形になります。

企業の単位では、会社名だけでは足りません。表記の揺れがあり、同名の別法人も存在します。メールアドレスのドメイン部分を併用すると精度が上がります。

より確実な方法もあります。法人番号のような公的な識別子を項目として持てば、企業の同一性が確定します。ただし取得の手間がかかります。

実務では、キーの優先順位を決めておく形が現実的です。法人番号があればそれを使い、なければドメインと会社名の組み合わせで判定し、それでも判断できない場合は人が確認する。段階を決めておけば、処理の一貫性が保てます。

統合したレコードの扱いも決めておいてください。どちらの値を残すか、履歴をどう引き継ぐか。統合の処理は元に戻せない場合があるため、実行前の状態を書き出す工程を必ず入れてください。判断を誤ったときの復旧手段になります。

同一と判定できなかったレコードの扱いも決めてください。放置すると同じ企業が二重に残り、配信が重複します。判定できなかった件数を月に1回確認し、一定数を超えたらキーの設計そのものを見直す合図として使ってください。

更新の責任者と鮮度の基準

項目は入力した時点で古くなり始めます。誰がいつ更新するかを決めないと、データの信頼が落ちます。

決めるのは3つです。項目ごとの更新の責任者、更新のきっかけ、そして古いと判断する期間。責任者が決まっていない項目は、誰も更新しないまま残ります

更新のきっかけは、業務の流れに紐づけてください。営業が商談したら役職と部署を確認する、ウェビナーの申込フォームで従業員規模を再度聞く。独立した更新作業を作ると続きません。

古いと判断する期間は、項目ごとに違います。役職と部署は1年、従業員規模は2年、業種は変わりにくいので長く使えます

鮮度を表示する工夫もあります。項目の最終更新日を持っておけば、条件に使うときに古い値を除外できます。更新できていない事実が見える状態にしておくほうが、古い値を正しいものとして使うより安全です。

更新の負担を軽くする方法もあります。相手自身に更新してもらう導線を用意する形です。配信の下部に登録情報の変更ページへのリンクを置くと、部署や役職が変わった相手が自分で直してくれることがあります。件数は多くありませんが、精度は最も高い情報になります。

  • 項目ごとに更新の責任者と鮮度の目安を1枚の表にまとめ、担当の異動時に引き継ぐ
  • 最終更新日を項目として持つ。条件に使うときに古い値を除外でき、更新の抜けも把握できる

鮮度の基準は、営業への引き渡しの条件にも使えます。役職の最終更新が2年前の相手を決裁者として営業に渡すと、すでに異動しているという結果になりがちです。渡す前に更新の有無を確認する手順を挟むだけで、営業側の無駄な連絡が減ります。

退職と異動が起きたときの扱い

BtoBでは相手の担当者が変わります。項目の設計に、この変化への備えを入れておく必要があります。

最初に決めるのは、レコードを消すかどうかです。消すと過去の接点の履歴が失われます。退職や異動が判明しても削除せず、状態を示す項目で無効に切り替える形が実務的です

そのために必要なのが、有効性を示す項目です。有効、不達、退職、配信停止といった状態を持ち、配信の条件で無効な相手を除外します。項目の値を変えるだけなので、履歴は残ります。

企業としての接点も守る必要があります。担当者が抜けても、企業の単位で履歴を追えるようにレコードを紐づけてください

異動の検知には、不達の記録が使えます。メールが不達になった宛先は、担当者が変わった可能性が高い先です。不達の発生日を項目として持ち、一定回数を超えたら状態を切り替える運用にしておくと、無効な宛先への配信が減ります。

後任への引き継ぎを狙う設計もできます。不達が発生した企業を一覧にしておけば、同じ部署の別の相手に接点を作り直す対象として使えます。不達を単なる無効の記録として処理すると、この機会を逃します。

同意の記録は項目として持つ

配信の可否は、法令の要求に関わる項目です。有無だけでなく、取得の状況まで残す必要があります。

特定電子メール法では、同意を受けた際の状況を示す記録として、時期や方法などを保存すべきとされています。同意があるという事実だけでなく、いつどの経路で取得したかを項目として持ってください

保存の期間も定めがあります。記録に係る広告宣伝メールを最後に送信した日から1か月とされ、措置命令を受けた場合は1年とされています。配信を続けている間は記録を保持し続ける前提になります。

記録すべき内容は3つです。同意を取得した日時、取得した経路や画面、そして同意の対象となる配信の範囲

解除の記録も同じ形で持ってください。解除の日時と経路を残しておけば、誤って配信対象に戻す事故を防げます。解除した相手を再度追加してしまう事故は、同意の項目を上書きしてしまう運用から起こります。

取得の経路ごとに同意の範囲が違う点にも注意してください。資料の取得で得た同意と、メルマガの登録で得た同意では、相手が想定している配信の内容が違います。範囲を分けて記録しておかないと、想定外の内容を送って解除や報告につながります

入力ルールの実務仕様

最後に、項目を使える状態に保つための入力ルールを整理します。項目の一覧と同じくらい重要な部分です。

ルールの対象決めること決めないと起きること
会社名の表記株式会社の位置、略記の展開、全角と半角同一企業が別レコードとして残る
選択肢の粒度業種は10から15、規模は4区分程度細かすぎて集計が使えなくなる
その他の扱い選択後に個別で振り分けるか放置するかその他に集まり条件に使えなくなる
空欄の意味未取得と該当なしを区別するか空欄の解釈が担当者ごとに変わる
自動付与の範囲獲得経路と獲得日はシステムで入れる繁忙期に抜けて復元できない
更新の責任項目ごとの担当と更新のきっかけ誰も更新せず古い値が残る
STEP1
既存の項目を棚卸しする

入力率と、直近1年で条件に使った回数を並べます。使われていない項目を削る候補にします。

STEP2
3つの用途に紐づけ直す

出し分け、営業への引き渡し、集計のどれに使うかを1項目ずつ確認します。

STEP3
自由記述を選択式に置き換える

業種と規模と役職を選択肢にします。既存の値は移行のルールを決めて振り分けます。

STEP4
フォームで聞く項目を絞る

6項目程度に抑え、残りは後から補う対象として整理します。

STEP5
入力ルールを1枚の表にまとめる

表記、選択肢の粒度、空欄の意味、更新の責任を文書に残します。

STEP6
四半期ごとに入力率を確認する

入力率が下がっている項目を見つけ、取得の経路か運用を見直します。

この手順で最も効果が出るのは3番目です。自由記述を選択式に置き換えるだけで、条件に使える項目が一気に増えます。既存の値の振り分けに手間がかかりますが、一度やれば以降の運用が軽くなります。

6番目の確認を定例に入れてください。入力率は放置すると下がる一方であり、下がった時点では原因が分からなくなります。四半期ごとに見れば手が打てます。

既存の値を選択肢に振り分ける作業は、AIに下書きを任せられます。自由記述の業種名を用意した選択肢に対応づける案を出す作業は効率が上がります。ただし判断が微妙な値は人が確認し、対応表を残してください。

入力ルールは1枚に収めてください。数ページの手順書は読まれず、担当者が代わった時点で参照されなくなります。表記の例を実際の値で示し、迷ったときの相談先を1行添えておけば、運用の質が保てます。

まとめ

MAに持つ顧客項目は、数ではなく埋まっている率で価値が決まります。項目があっても値が入っていなければ、その条件で絞ると対象が消えます。設計の順序は、出し分け、営業への引き渡し、集計という3つの用途から逆算することです。どの用途にも登場しない項目は持つ理由がありません。必須で持つのは会社名、部署、役職、業種、従業員規模、獲得経路、獲得日、同意の記録の8つが出発点になります。

形式の決め方が使えるかどうかを分けます。業種と従業員規模と役職は選択式にしてください。自由記述で集めると表記が分かれ、条件にも集計にも使えません。会社名だけは自由記述で受けるほかありませんが、株式会社の位置や略記や全角半角を統一するルールを取り込みの段階に入れてください。獲得経路と獲得日はシステムで自動付与し、手入力に依存させないことが重要です。

あわせて、更新の責任者と鮮度の基準、退職や異動が起きたときの状態の切り替え、同意の取得日時と経路の記録を設計に含めてください。特定電子メール法では同意を受けた際の時期や方法などの記録を保存すべきとされ、保存期間は最後に送信した日から1か月、措置命令を受けた場合は1年とされています。まずは既存の項目について入力率と直近1年で条件に使った回数を並べ、自由記述で集めている項目がないかを確認するところから始めてください。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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